JP2010280840A - 電気機器絶縁用樹脂組成物及びそれを用いて処理した電気機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電気機器絶縁用樹脂組成物を用いた電気機器の電気絶縁浸漬処理を行う場合、除滴工程の時間が短く、硬化工程で乾燥機の汚染が少なく、コイルの固着性がより高く、耐湿熱性に優れた電気機器絶縁用樹脂組成物及びそれを用いて処理した電気機器を提供する。
【解決手段】 (A)ポリエポキシドとα、β-不飽和塩基酸とを反応させ、更に不飽和二塩基酸を反応させて得られる不飽和エポキシエステル樹脂 1〜30質量部、(B)ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−ト 5〜50質量部、(C)トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート 0〜30質量部、(D)3官能以上のアクリル基を持つアクリレートまたは3官能以上のメタクリル基を持つメタクリレート 5〜30質量部、(E)メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 30〜90質量部を含有してなる電気機器絶縁用樹脂組成物。この組成物を浸漬処理方法を用いて電気絶縁処理してなる電気機器。
【選択図】 なし
【解決手段】 (A)ポリエポキシドとα、β-不飽和塩基酸とを反応させ、更に不飽和二塩基酸を反応させて得られる不飽和エポキシエステル樹脂 1〜30質量部、(B)ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−ト 5〜50質量部、(C)トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート 0〜30質量部、(D)3官能以上のアクリル基を持つアクリレートまたは3官能以上のメタクリル基を持つメタクリレート 5〜30質量部、(E)メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 30〜90質量部を含有してなる電気機器絶縁用樹脂組成物。この組成物を浸漬処理方法を用いて電気絶縁処理してなる電気機器。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電気機器絶縁用樹脂組成物及びそれを用いて処理した電気機器に関し、ツイストペアの寿命評価において、20,000時間の耐熱温度が155℃以上のモータ、トランスなどの電気機器の処理方法に用いる電気機器絶縁用樹脂組成物、及び、この電気機器絶縁用樹脂組成物を用いて電気絶縁処理されてなる電気機器に関する。
モータ、トランス等の電気機器は、鉄コアの固着又は防錆、コイルの絶縁若しくは固着等を目的として、電気機器絶縁用樹脂組成物で処理されている。電気機器絶縁用樹脂組成物としては、固着性、硬化性、電気絶縁性などのバランスに優れた不飽和ポリエステル樹脂組成物が広く用いられている。
近年の電気機器は、小型・軽量化、高出力化が進んだため、電磁振動に対する信頼性向上の観点から、コイルの固着性がより高い電気機器絶縁用樹脂組成物が求められるようになってきた。
更に、耐久性向上の観点から、耐湿熱性に優れた電気機器絶縁用樹脂組成物が求められるようになってきた。
また、電気機器絶縁処理時の作業性において、電気機器を電気機器絶縁用樹脂組成物に浸漬処理させた後、除滴工程を経て、乾燥機へ投入し、熱硬化を行うが、除滴が不十分の場合、硬化工程で電気機器絶縁用樹脂組成物が垂れ落ち、乾燥機を汚染させてしまう。
このため、作業性向上の観点から、除滴工程の時間が短く、更に、硬化工程で乾燥機を汚染させない電気絶縁用樹脂組成物が求められるようになってきた。
更に、耐久性向上の観点から、耐湿熱性に優れた電気機器絶縁用樹脂組成物が求められるようになってきた。
また、電気機器絶縁処理時の作業性において、電気機器を電気機器絶縁用樹脂組成物に浸漬処理させた後、除滴工程を経て、乾燥機へ投入し、熱硬化を行うが、除滴が不十分の場合、硬化工程で電気機器絶縁用樹脂組成物が垂れ落ち、乾燥機を汚染させてしまう。
このため、作業性向上の観点から、除滴工程の時間が短く、更に、硬化工程で乾燥機を汚染させない電気絶縁用樹脂組成物が求められるようになってきた。
本発明の目的は、電気機器絶縁用樹脂組成物を用いた電気機器の電気絶縁処理において、浸漬処理を行う場合、除滴工程の時間が短く、更に、硬化工程で乾燥機の汚染を少なくする電気機器絶縁用樹脂組成物を提供すること、更に、電磁振動に対する信頼性向上の観点から、コイルの固着性がより高く、耐久性向上の観点から、耐湿熱性に優れた電気機器絶縁用樹脂組成物を提供すると共に、それを用いて処理した電気機器を提供する。
本発明者らは鋭意検討の結果、電気機器絶縁用樹脂組成物を用いた電気機器の電気絶縁処理において、浸漬処理を行う場合、除滴工程の時間が短く、且つ、硬化工程で乾燥機をほとんど汚染させず、更に、高いコイル固着性及び優れた耐湿熱性が得られる電気機器絶縁用樹脂組成物を見出した。
本発明は、[1](A)ポリエポキシドとα、β-不飽和塩基酸とを反応させ、更に不飽和二塩基酸を反応させて得られる不飽和エポキシエステル樹脂 1〜30質量部、(B)ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−ト 5〜50質量部、(C)トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート 0〜30質量部、(D)3官能以上のアクリル基を持つアクリレートまたは3官能以上のメタクリル基を持つメタクリレート 5〜30質量部、(E)メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 30〜90質量部を含有してなる電気機器絶縁用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、[2]25℃における粘度が1〜300mPa・sであり、上記[1]に記載の電気機器絶縁用樹脂組成物とMW30またはMW35またはMW73またはMW81の電線を組み合わせた時のツイストペアの寿命評価において、20,000時間の耐熱温度が155℃以上である上記[1]に記載の電気機器絶縁用樹脂組成物に関する。
更に、本発明は、[3]上記[1]または[2]に記載の電気機器絶縁用樹脂組成物を用い、浸漬処理し電気絶縁処理してなる電気機器に関する。
また、本発明は、[2]25℃における粘度が1〜300mPa・sであり、上記[1]に記載の電気機器絶縁用樹脂組成物とMW30またはMW35またはMW73またはMW81の電線を組み合わせた時のツイストペアの寿命評価において、20,000時間の耐熱温度が155℃以上である上記[1]に記載の電気機器絶縁用樹脂組成物に関する。
更に、本発明は、[3]上記[1]または[2]に記載の電気機器絶縁用樹脂組成物を用い、浸漬処理し電気絶縁処理してなる電気機器に関する。
本発明になる電気機器絶縁用樹脂組成物は、浸漬処理を行う場合、除滴工程の時間が短く、且つ、硬化工程で乾燥機の汚染を少なくし、更に、コイルの固着性及び耐湿熱性にも優れ、これを用いて電気絶縁処理された電気機器は工業的に極めて優れる。
本発明に用いられる(A)成分は、ポリエポキシドとα、β-不飽和塩基酸を反応させて、樹脂酸価を0〜50mgKOH/g、より好ましくは、0〜30mgKOH/g、特に好ましくは0〜10mgKOH/gとし、次いで、不飽和二塩基酸を反応させて得られる樹脂酸価が20〜300mgKOH/g、より好ましくは、50〜150mgKOH/g、特に好ましくは10〜30mgKOH/gの不飽和エポキシエステル樹脂である。
不飽和エポキシエステル樹脂の製造条件には特に制限が無く、例えば、触媒を用いて反応させて合成される。
本発明に用いられるポリエポキシドとは、分子あたり1個以上のエポキシ基を含有する化合物で、多価アルコールもしくは、多価フェノールのグリシジルポリエーテル、エポキシ化脂肪酸もしくは、乾性油酸、エポキシジオレフィン、エポキシ化ジ不飽和酸のエステル、エポキシ化飽和ポリエステル等が挙げられる。
α、β-不飽和塩基酸としては、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸等が挙げられ、併用してもさしつかえない。
不飽和二塩基酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の不飽和酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸などが用いられる。
付加触媒としては、塩化亜鉛、塩化リチウムなどのハロゲン化物、ジメチルサルファイト、メチルフェニルサルファイトなどのサルファイト類、ジメチルスルホキサイド、メチルスルホキサイド、メチルエチルスルホキサイドなどのスルホキサイド類、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、トリエチルアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの3級アミン及びその塩基酸または臭酸塩、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリメチルドデシルベンジルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩、パラトルエンスルホン酸などのスルホン酸類、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタンなどのメルカプタン類などが用いられる。
不飽和エポキシエステル樹脂の製造条件には特に制限が無く、例えば、触媒を用いて反応させて合成される。
本発明に用いられるポリエポキシドとは、分子あたり1個以上のエポキシ基を含有する化合物で、多価アルコールもしくは、多価フェノールのグリシジルポリエーテル、エポキシ化脂肪酸もしくは、乾性油酸、エポキシジオレフィン、エポキシ化ジ不飽和酸のエステル、エポキシ化飽和ポリエステル等が挙げられる。
α、β-不飽和塩基酸としては、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸等が挙げられ、併用してもさしつかえない。
不飽和二塩基酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の不飽和酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸などが用いられる。
付加触媒としては、塩化亜鉛、塩化リチウムなどのハロゲン化物、ジメチルサルファイト、メチルフェニルサルファイトなどのサルファイト類、ジメチルスルホキサイド、メチルスルホキサイド、メチルエチルスルホキサイドなどのスルホキサイド類、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、トリエチルアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの3級アミン及びその塩基酸または臭酸塩、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリメチルドデシルベンジルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩、パラトルエンスルホン酸などのスルホン酸類、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタンなどのメルカプタン類などが用いられる。
ポリエポキシドとα、β-不飽和塩基酸との反応は、ポリエポキシド1.0モルに対し、α、β-不飽和塩基酸を1.0〜2.0モル反応させる事が望ましい。
更に、次の不飽和エポキシエステルと不飽和二塩基酸との反応は、ポリエポキシド1.0モルに対し、α、β-不飽和塩基酸を1.0〜2.0モル反応させて得られた不飽和エポキシエステルに対し、不飽和二塩基酸を、0.1〜1.0モル反応させる事が望ましく、不飽和エポキシエステルのモル数と、α、β-不飽和塩基酸及び不飽和二塩基酸のモル数の合計が、ほぼ同じモル数になる事が望ましい。
更に、次の不飽和エポキシエステルと不飽和二塩基酸との反応は、ポリエポキシド1.0モルに対し、α、β-不飽和塩基酸を1.0〜2.0モル反応させて得られた不飽和エポキシエステルに対し、不飽和二塩基酸を、0.1〜1.0モル反応させる事が望ましく、不飽和エポキシエステルのモル数と、α、β-不飽和塩基酸及び不飽和二塩基酸のモル数の合計が、ほぼ同じモル数になる事が望ましい。
更に、反応を促進させる目的で、上記触媒を用いることは好ましい。触媒の使用量は、反応原料混合物に対して、好ましくは、0.1〜10質量%、より好ましくは、0.3〜5質量%である。
また、反応中の重合を防止するために、重合禁止剤を使用することは好ましいことである。重合禁止剤としては、例えば、メトキノン、ハイドロキノン、フェノチアジン等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、反応原料混合物に対して、好ましくは、0.01〜3質量%、より好ましくは、0.05〜1質量%である。
反応温度は、触媒により異なるが、ポリエポキシドとα、β-不飽和塩基酸との反応が進行し、かつ、原料、反応中間体、生成物等の熱重合が起こらない温度が好ましく、60℃〜150℃であり、より好ましくは、80℃〜130℃であり、特に好ましくは、100〜120℃である。反応時間は、反応温度にも依存するが、2〜70時間、好ましくは、4〜50時間であり、より好ましくは、5〜10時間である。反応終了後は、余剰のα、β-不飽和塩基酸、必要に応じて用いる希釈剤等を留去等の方法で除去しても良いし、これらを除去することなく次の反応に用いてもよい。
また、反応中の重合を防止するために、重合禁止剤を使用することは好ましいことである。重合禁止剤としては、例えば、メトキノン、ハイドロキノン、フェノチアジン等が挙げられる。重合禁止剤の使用量は、反応原料混合物に対して、好ましくは、0.01〜3質量%、より好ましくは、0.05〜1質量%である。
反応温度は、触媒により異なるが、ポリエポキシドとα、β-不飽和塩基酸との反応が進行し、かつ、原料、反応中間体、生成物等の熱重合が起こらない温度が好ましく、60℃〜150℃であり、より好ましくは、80℃〜130℃であり、特に好ましくは、100〜120℃である。反応時間は、反応温度にも依存するが、2〜70時間、好ましくは、4〜50時間であり、より好ましくは、5〜10時間である。反応終了後は、余剰のα、β-不飽和塩基酸、必要に応じて用いる希釈剤等を留去等の方法で除去しても良いし、これらを除去することなく次の反応に用いてもよい。
本発明で用いる不飽和エポキシエステル樹脂は、前述の方法によって得られたポリエポキシドとα、β-不飽和塩基酸との反応物である不飽和エポキシエステルに、更に不飽和二塩基酸またはその無水物と反応させることにより製造することができる。
これらの不飽和二塩基酸またはその無水物の使用量は、前記不飽和エポキシエステルの水酸基1当量に対しては、0.01〜1.2当量であり、好ましくは、0.05〜1.0当量とすることが好ましい。また、反応の際、所望に応じて各種公知のエステル化触媒、希釈剤等をさらに添加しても差し支えない。
反応温度は前記不飽和エポキシエステル等が熱重合しない温度が好ましく、50℃〜180℃、より好ましくは、80℃〜150℃であり、特に好ましくは、100〜120℃である。反応時間は、反応温度にも依存するが、好ましくは、0.5〜70時間であり、より好ましくは、1〜50時間である。
このようにして得られた不飽和エポキシエステル樹脂の酸価は、上述のように好ましくは10〜30mgKOH/gである。
これらの不飽和二塩基酸またはその無水物の使用量は、前記不飽和エポキシエステルの水酸基1当量に対しては、0.01〜1.2当量であり、好ましくは、0.05〜1.0当量とすることが好ましい。また、反応の際、所望に応じて各種公知のエステル化触媒、希釈剤等をさらに添加しても差し支えない。
反応温度は前記不飽和エポキシエステル等が熱重合しない温度が好ましく、50℃〜180℃、より好ましくは、80℃〜150℃であり、特に好ましくは、100〜120℃である。反応時間は、反応温度にも依存するが、好ましくは、0.5〜70時間であり、より好ましくは、1〜50時間である。
このようにして得られた不飽和エポキシエステル樹脂の酸価は、上述のように好ましくは10〜30mgKOH/gである。
本発明に用いられる(B)成分としては、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−ト以外に、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレートを用いても良い。(B)成分の使用量は、(A)成分1〜30質量部に対して5〜50質量部の範囲とされる。
(A)成分1〜30質量部に対して、(B)成分は、7.5〜40質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
(A)成分1〜30質量部に対して、(B)成分は、7.5〜40質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
本発明に用いられる(C)成分として、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを用いるが、その使用量は、(A)成分1〜30質量部に対して、0〜30質量部の範囲とされ、(C)成分を用いない場合もある。
(A)成分1〜30質量部に対して、(C)成分は、0〜20質量部が好ましく、0〜10質量部がより好ましい。
(A)成分1〜30質量部に対して、(C)成分は、0〜20質量部が好ましく、0〜10質量部がより好ましい。
本発明に用いられる(D)成分は、3官能以上のアクリル基を持つアクリレートまたは3官能以上のメタクリル基を持つメタクリレートであればよい。
3官能以上のアクリル基を持つアクリレートとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
3官能以上のメタクリル基を持つメタクリレートとしては、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。
これらは、単品で用いても、複数の種類を組み合わせて用いてもよく、その使用量は、(A)成分1〜30質量部に対して、5〜30質量部の範囲とされる。好ましくは、(D)成分は、7〜25質量部であり、より好ましくは、10〜20質量部である。
3官能以上のアクリル基を持つアクリレートとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
3官能以上のメタクリル基を持つメタクリレートとしては、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。
これらは、単品で用いても、複数の種類を組み合わせて用いてもよく、その使用量は、(A)成分1〜30質量部に対して、5〜30質量部の範囲とされる。好ましくは、(D)成分は、7〜25質量部であり、より好ましくは、10〜20質量部である。
本発明に用いられる(E)成分は、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを用いるが、その使用量は、(A)成分1〜30質量部に対して、30〜90質量部の範囲とされる。
好ましくは、(E)成分が、40〜70質量部であり、より好ましくは、50〜60質量部である。
好ましくは、(E)成分が、40〜70質量部であり、より好ましくは、50〜60質量部である。
本発明の電気機器絶縁用樹脂組成物は、浸漬処理を行う場合、除滴工程の時間を短くし、且つ、硬化工程で乾燥機をほとんど汚染させない点から、25℃における粘度が1〜300mPa・sであることが好ましい。
本発明の電気機器絶縁用樹脂組成物は、垂れ落ちが少なく、良好な含浸性を得る点から、25℃における粘度が1〜300mPa・sとすることが好ましい。25℃における粘度は、3〜100mPa・sであることが好ましく、5〜50mPa・sであることがさらに好ましい。25℃における粘度が1mPa・s未満であるとワニスが垂れ易くなって乾燥機を汚染し易くなる傾向があり、300mPa・sを超えると浸透性が悪くなって含浸性が低下する傾向がある。
本発明の電気機器絶縁用樹脂組成物は、垂れ落ちが少なく、良好な含浸性を得る点から、25℃における粘度が1〜300mPa・sとすることが好ましい。25℃における粘度は、3〜100mPa・sであることが好ましく、5〜50mPa・sであることがさらに好ましい。25℃における粘度が1mPa・s未満であるとワニスが垂れ易くなって乾燥機を汚染し易くなる傾向があり、300mPa・sを超えると浸透性が悪くなって含浸性が低下する傾向がある。
本発明の電気機器絶縁用樹脂組成物は、この電気機器絶縁用樹脂組成物と、MW30またはMW35またはMW73またはMW81の電線(エナメル線)を組み合わせた時のツイストペアの寿命評価において、20,000時間の耐熱温度が155℃以上であることが好ましく、180℃以上であることが好ましい。この耐熱温度は、MW30またはMW35またはMW73またはMW81のエナメル線を用い、UL1446に準拠して測定される。
本発明の電気機器絶縁用樹脂組成物は、不飽和エポキシエステル樹脂の他に特性を損なわない範囲で、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂を併用することができる。
また、これらの電気絶縁用樹脂組成物に、二酸化珪素、窒化アルミニウム、タルク等のフィラーを用いても良く、フィラーは特に制限は無く、単独で用いても、複数を組合せて用いても良い。
また、不飽和二重結合等による架橋を形成させるため有機過酸化物を用いる。
また、これらの電気絶縁用樹脂組成物に、二酸化珪素、窒化アルミニウム、タルク等のフィラーを用いても良く、フィラーは特に制限は無く、単独で用いても、複数を組合せて用いても良い。
また、不飽和二重結合等による架橋を形成させるため有機過酸化物を用いる。
本発明の電気機器絶縁用樹脂組成物はエアコン用ファン、扇風機、洗濯機等のコンデンサー、モートル、電気ドリルなどのアマチュア、テレビ、ステレオ、コンパクトディスクプレーヤー等電源トランスなどの電気機器の絶縁処理に適用される。電気機器絶縁用樹脂組成物を、電気機器自体、又は電気機器の部品に塗布、含浸、又は充填した後、通常、100〜200℃、好ましくは120〜150℃で加熱することにより、電気機器絶縁用樹脂組成物を硬化させる。加熱時間は、通常、0.2〜3.0時間である。
本発明では、電気機器絶縁用樹脂組成物を用い、浸漬処理方法を用いて電気絶縁処理して電気機器を得ることが、作業性において好ましい。
本発明では、電気機器絶縁用樹脂組成物を用い、浸漬処理方法を用いて電気絶縁処理して電気機器を得ることが、作業性において好ましい。
以下実施例により本発明を具体的に説明する。下記例中の部は、質量部を意味する。
[製造例1] 不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)の合成
ポリエポキシドとして4,4−イソピリデンジフェノールのジグリシジルエーテル(シェル化学株式会社製、EP−828,エポキシ当量188)376部、α、β-不飽和塩基酸としてメタクリル酸172部、触媒のベンジルジメチルアミン2部、重合禁止剤としてハイドロキノン0.05部を反応釜に仕込み、115℃、10時間反応させ、樹脂酸価が8mgKOH/gとなった所で、不飽和二塩基酸としてフマル酸5部を仕込み、115℃2時間反応させて樹脂酸価20mgKOH/gの不飽和エポキシエステル樹脂を得た。
[製造例1] 不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)の合成
ポリエポキシドとして4,4−イソピリデンジフェノールのジグリシジルエーテル(シェル化学株式会社製、EP−828,エポキシ当量188)376部、α、β-不飽和塩基酸としてメタクリル酸172部、触媒のベンジルジメチルアミン2部、重合禁止剤としてハイドロキノン0.05部を反応釜に仕込み、115℃、10時間反応させ、樹脂酸価が8mgKOH/gとなった所で、不飽和二塩基酸としてフマル酸5部を仕込み、115℃2時間反応させて樹脂酸価20mgKOH/gの不飽和エポキシエステル樹脂を得た。
(実施例1)
上記で合成した不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)((A)成分)10部、(B)成分のジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−トとしてFA−512MT(日立化成工業株式会社製) 20部、(D)成分としてトリメチロールプロパントリアクリレート 15部、(E)成分としてメタクリル酸2−ヒドロキシエチル55部、ベンゾイルパーオキサイド 1.0部を撹拌混合して電気機器絶縁用樹脂組成物を調製した。
上記で合成した不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)((A)成分)10部、(B)成分のジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−トとしてFA−512MT(日立化成工業株式会社製) 20部、(D)成分としてトリメチロールプロパントリアクリレート 15部、(E)成分としてメタクリル酸2−ヒドロキシエチル55部、ベンゾイルパーオキサイド 1.0部を撹拌混合して電気機器絶縁用樹脂組成物を調製した。
(実施例2)
不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)10部、FA−512MT(日立化成工業株式会社製) 15部、(C)成分のトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートとしてFA−731A(日立化成工業株式会社製) 5部、トリメチロールプロパントリアクリレート15部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル55部、ベンゾイルパーオキサイド1.0部を撹拌混合して電気機器絶縁用樹脂組成物を調製した。
不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)10部、FA−512MT(日立化成工業株式会社製) 15部、(C)成分のトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートとしてFA−731A(日立化成工業株式会社製) 5部、トリメチロールプロパントリアクリレート15部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル55部、ベンゾイルパーオキサイド1.0部を撹拌混合して電気機器絶縁用樹脂組成物を調製した。
(比較例1)
不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)15部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル85部、ベンゾイルパーオキサイド1.0部を撹拌混合して電気機器絶縁用樹脂組成物を調製した。
不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)15部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル85部、ベンゾイルパーオキサイド1.0部を撹拌混合して電気機器絶縁用樹脂組成物を調製した。
(比較例2)
不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)15部、FA−512MT(日立化成工業株式会社製) 20部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル65部、ベンゾイルパーオキサイド1.0部を撹拌混合して電気機器絶縁用樹脂組成物を調製した。
不飽和エポキシエステル樹脂(A−1)15部、FA−512MT(日立化成工業株式会社製) 20部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル65部、ベンゾイルパーオキサイド1.0部を撹拌混合して電気機器絶縁用樹脂組成物を調製した。
得られた電気機器絶縁用樹脂組成物について、粘度、ヘリカルコイル接着力、ヘリカルコイルを試験片に用いた耐湿熱試験、ステータコイルを用いて浸漬処理を行なった時の乾燥機の電気機器絶縁用樹脂組成物による汚染性を調べた。その結果を表1に示した。
尚、粘度の試験方法は、JIS C 2105に準じて試験を行った。また、ヘリカルコイル接着力の試験方法は、JIS C 2103に準じて試験を行った。
耐湿熱試験、汚染試験は、以下の試験方法に準じて評価を行った。
尚、粘度の試験方法は、JIS C 2105に準じて試験を行った。また、ヘリカルコイル接着力の試験方法は、JIS C 2103に準じて試験を行った。
耐湿熱試験、汚染試験は、以下の試験方法に準じて評価を行った。
(1)耐湿熱試験
JIS C 2103に準じ、EIW(H種ポリエステルイミド銅線)直径1.0mmを用いてヘリカルコイルを作製し、所定の電気機器絶縁用樹脂組成物を用いてワニス処理を行った。ワニスの硬化は、140℃で1時間硬化させた。
得られた試験片を、85℃、85%RH(相対湿度)の恒温高湿曹に投入し、1,000時間後に取り出し、接着力を測定した。
JIS C 2103に準じ、EIW(H種ポリエステルイミド銅線)直径1.0mmを用いてヘリカルコイルを作製し、所定の電気機器絶縁用樹脂組成物を用いてワニス処理を行った。ワニスの硬化は、140℃で1時間硬化させた。
得られた試験片を、85℃、85%RH(相対湿度)の恒温高湿曹に投入し、1,000時間後に取り出し、接着力を測定した。
(2)汚染性試験
ステータコイル(直径200mm、質量10Kg)を、常温(25℃)で所定の電気機器絶縁用樹脂組成物に10分間浸漬後、引き上げてパレットに置いた。
常温で30分放置させた後、150℃の乾燥機へ投入し、5時間後に取り出しを行い、ステータコイルを置いていた乾燥機内に付着した硬化後の電気機器絶縁用樹脂組成物を取り出し、その質量を測定した。
ステータコイル(直径200mm、質量10Kg)を、常温(25℃)で所定の電気機器絶縁用樹脂組成物に10分間浸漬後、引き上げてパレットに置いた。
常温で30分放置させた後、150℃の乾燥機へ投入し、5時間後に取り出しを行い、ステータコイルを置いていた乾燥機内に付着した硬化後の電気機器絶縁用樹脂組成物を取り出し、その質量を測定した。
表1に示されるように、実施例1及び2で得られた電気機器絶縁用樹脂組成物は、浸漬処理を行う場合、硬化工程で乾燥機の汚染が少なく、更に、接着力が高く、耐湿熱試験後の接着力が高い。これに対し、(C)、(D)成分を用いていない比較例1、2では、粘度が高く、接着力、耐湿熱試験に劣り、乾燥機の汚染が大きい。
Claims (3)
- (A)ポリエポキシドとα、β-不飽和塩基酸とを反応させ、更に不飽和二塩基酸を反応させて得られる不飽和エポキシエステル樹脂 1〜30質量部、
(B)ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−ト 5〜50質量部、
(C)トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート 0〜30質量部、
(D)3官能以上のアクリル基を持つアクリレートまたは3官能以上のメタクリル基を持つメタクリレート 5〜30質量部、
(E)メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 30〜90質量部
を含有してなる電気機器絶縁用樹脂組成物。 - 25℃における粘度が1〜300mPa・sであり、請求項1に記載の電気機器絶縁用樹脂組成物とMW30またはMW35またはMW73またはMW81の電線を組み合わせた時のツイストペアの寿命評価において、20,000時間の耐熱温度が155℃以上である請求項1に記載の電気機器絶縁用樹脂組成物。
- 請求項1または請求項2に記載の電気機器絶縁用樹脂組成物を浸漬処理し電気絶縁処理してなる電気機器。
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JP2009136081A JP2010280840A (ja) | 2009-06-05 | 2009-06-05 | 電気機器絶縁用樹脂組成物及びそれを用いて処理した電気機器 |
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2009
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