JP2009283243A - 燃料電池システムおよび移動体 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池システムを搭載する移動体から排出される液水の飛散に起因する問題を抑制する燃料電池システムを提供する。
【解決手段】移動体に駆動用電源として搭載される燃料電池システムは、燃料電池22と、燃料電池22に接続されて燃料電池22から排出される燃料電池排ガスが流れる排ガス配管であって、移動体外部に開口する開口部を備え、燃料電池排ガスを開口部へと導く排ガス配管と、排ガス配管の途中に設けられ、燃料電池排ガス中の水蒸気を凝縮させる凝縮部55と、排ガス配管の途中において、凝縮部55の下流に設けられ、燃料電池排ガスを加熱する加熱部27と、を備える。加熱部27は、燃料電池排ガスが排気口34から排出される際に、燃料電池排ガス中の水蒸気が凝縮しない温度となるように、燃料電池排ガスを加熱する。
【選択図】図2

Description

この発明は、燃料電池システム、および、燃料電池システムを搭載する移動体に関する。
電気自動車などの移動体として、駆動用電源に燃料電池を用いる構成が知られている。燃料電池では、一般に、発電に伴って水が生じるため、燃料電池から排出される燃料電池排ガスは多くの水蒸気を含んでいる。そのため、駆動用電源として燃料電池を搭載する移動体では、燃料電池排ガスと共に液水が排出される場合があり、このように液水が排出されると、排出された液水が、周囲を走行する他の移動体や周囲の歩行者、あるいは周囲の建造物に飛散するという不都合を生じる可能性があった。このような不都合を抑制する方策の一つとして、従来は、液水が排出される排出口を移動体の前部に配置して、液水が飛散したとしても後方や側方への影響を抑える構成が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−153852 特開2004−39462 特開2003−142136 特開2002−313383 特開2004−335177
しかしながら、液水が排出される排出口を移動体の前部に配置しても、排出口の位置に関わらず液水の排出は行なわれるため、排出される液水に起因する問題を、充分に抑制できない場合があった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、移動体から排出される液水の飛散に起因する問題を抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実施することが可能である。
[適用例1]
移動体に駆動用電源として搭載される燃料電池システムであって、
燃料電池と、
前記燃料電池に接続されて前記燃料電池から排出される燃料電池排ガスが流れる排ガス配管であって、前記移動体外部に開口する開口部を備え、前記燃料電池排ガスを前記開口部へと導く排ガス配管と、
前記排ガス配管の途中に設けられ、前記燃料電池排ガス中の水蒸気を凝縮させる凝縮部と、
前記排ガス配管の途中において、前記凝縮部の下流に設けられ、前記燃料電池排ガスを加熱する加熱部と、
を備え、
前記加熱部は、前記燃料電池排ガスが前記開口部から排出される際に、前記燃料電池排ガス中の水蒸気が凝縮しない温度となるように、前記燃料電池排ガスを加熱する
燃料電池システム。
適用例1に記載の燃料電池の製造方法では、燃料電池排ガスが開口部から排出される際に、燃料電池排ガス中の水蒸気が凝縮しない温度となるように、加熱部が燃料電池排ガスを加熱するため、開口部からの液水の飛散を抑制することができる。
[適用例2]
適用例1記載の燃料電池システムであって、さらに、少なくとも、前記燃料電池から排出されるときの前記燃料電池排ガスの温度と、前記凝縮部からの放熱量と、に基づいて、前記開口部において前記燃料電池排ガスが水蒸気の凝縮しない温度となるように、前記加熱部における加熱量を制御する制御部を備える燃料電池システム。適用例2記載の燃料電池システムによれば、燃料電池システムおよび燃料電池システムを搭載する移動体の状態が変動する場合であっても、制御部が行なう制御によって、開口部からの液水の飛散を安定して抑制することができる。
[適用例3]
適用例2記載の燃料電池システムであって、前記凝縮部は、外気を利用した前記燃料電池排ガスの冷却によって、前記燃料電池排ガス中の水蒸気を凝縮させ、前記制御部は、外気温および前記移動体の速度に基づく値として、前記凝縮部からの放熱量を考慮して、前記加熱部による加熱量を制御する燃料電池システム。適用例3記載の燃料電池システムによれば、外気温や移動体の速度が変化して、凝縮部からの放熱量が変動する場合であっても、開口部からの液水の飛散を、安定して抑制することができる。
[適用例4]
適用例1または2記載の燃料電池システムであって、さらに、前記燃料電池に対して燃料ガスとして供給するための水素を充填した水素タンクを備え、前記凝縮部は、前記水素タンクと熱的に接続されており、前記水素タンクからの水素の放出に伴う前記水素タンクの温度低下を利用した前記燃料排ガスの冷却によって、前記燃料電池排ガス中の水蒸気を凝縮させる燃料電池システム。適用例4記載の燃料電池システムによれば、水素タンクとの熱的な接続という簡素な構成により、燃料電池排ガス中の水蒸気を凝縮させることができる。
[適用例5]
移動体に駆動用電源として搭載される燃料電池システムであって、
燃料電池と、
前記燃料電池に接続されて前記燃料電池から排出される燃料電池排ガスが流れる排ガス配管であって、前記移動体外部に開口する開口部を備え、前記燃料電池排ガスを前記開口部へと導く排ガス配管と、
前記排ガス配管の途中に設けられ、前記燃料電池排ガスを冷却することによって、前記燃料電池排ガス中の水蒸気を凝縮させる凝縮部と、
前記排ガス配管の途中において、前記凝縮部の下流に設けられ、前記燃料電池排ガスを加熱する加熱部と、
を備え、
前記凝縮部は、前記燃料電池排ガスが前記開口部から排出される際に、前記燃料電池排ガス中の水蒸気が凝縮しない温度となるように、前記燃料電池排ガスを冷却する
燃料電池システム。
適用例5に記載の燃料電池の製造方法では、燃料電池排ガスが開口部から排出される際に、燃料電池排ガス中の水蒸気が凝縮しない温度となるように、凝縮部が燃料電池排ガスを冷却するため、開口部からの液水の飛散を抑制することができる。
[適用例6]
適用例5記載の燃料電池システムであって、さらに、少なくとも、前記燃料電池から排出されるときの前記燃料電池排ガスの温度と、前記加熱部による加熱量と、に基づいて、前記開口部において前記燃料電池排ガスが水蒸気の凝縮しない温度となるように、前記凝縮部における前記燃料電池排ガスからの放熱量を制御する制御部を備える燃料電池システム。適用例6記載の燃料電池システムによれば、燃料電池システムおよび燃料電池システムを搭載する移動体の状態が変動する場合であっても、制御部が行なう制御によって、開口部からの液水の飛散を安定して抑制することができる。
[適用例7]
適用例6記載の燃料電池システムであって、前記凝縮部は、外気を利用した前記燃料電池排ガスの冷却によって、前記燃料電池排ガス中の水蒸気を凝縮させると共に、外気による冷却に寄与する前記凝縮部の表面積を調節する外気量調節部を備え、前記制御部は、外気温および前記移動体の速度に応じて、前記外気量調節部を制御する燃料電池システム。適用例7記載の燃料電池システムによれば、外気温や移動体の速度が変化して、凝縮部からの放熱量が影響を受ける場合であっても、開口部からの液水の飛散を抑制することができる。
[適用例8]
適用例1ないし7いずれか記載の燃料電池システムであって、前記燃料電池は、プロトン伝導性を有する電解質層を備え、前記燃料電池排ガスは、少なくともカソードオフガスを含む燃料電池システム。適用例8記載の燃料電池システムによれば、発電に伴ってカソードで生じた生成水が、カソードオフガスの排出時に液水として飛散することを、抑制可能となる。
[適用例9]
適用例1ないし8いずれか記載の燃料電池システムであって、さらに、前記凝縮部で凝縮された液水を貯蔵する液水貯蔵部を備える燃料電池システム。適用例9記載の燃料電池システムによれば、凝縮部において凝縮した液水が、移動体の移動中に液水として飛散することを防止可能となる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、本願発明に係る燃料電池システムを搭載する移動体や、移動体に駆動用電源として搭載される燃料電池システムにおける燃料電池排ガス排出方法などの形態で実現することが可能である。
A.装置の全体構成:
図1は、本発明の第1実施例としての燃料電池システム10の概略構成を表わすブロック図である。本実施例の燃料電池システム10は、車両に搭載され、車両の駆動用電源として用いられる。燃料電池システム10は、発電の本体である燃料電池22と、燃料電池22に対して水素を含有する燃料ガスを供給するための燃料ガス供給部23と、燃料電池22に対して酸素を含有する酸化ガスとしての空気を供給するためのブロワ24と、を備えている。燃料電池22としては種々の種類の燃料電池を用いることが可能であるが、本実施例では、燃料電池22として固体高分子型燃料電池を用いている。この燃料電池22は、複数の単セルを積層したスタック構造を有している。
燃料ガス供給部23は、例えば、純度の高い水素ガスを貯蔵する水素タンクとすることができる。このような水素タンクとしては、例えば、高圧水素を貯蔵する水素ボンベとすることができ、あるいは、水素吸蔵合金を内部に備えるタンクとすることができる。また、燃料ガス供給部23は、炭化水素やアルコールなどの燃料タンクおよび改質器を備えて水素リッチな改質ガスを供給する燃料改質装置としても良い。燃料ガス供給部23と燃料電池22との間は燃料ガス供給路30によって接続されており、燃料電池22内を流れて排出される燃料ガス(アノードオフガス)は、燃料電池22に接続する燃料排ガス路31へと排出される。
ブロワ24と燃料電池22との間は、酸化ガス供給路32によって接続されており、燃料電池内を流れて排出される酸化ガス(カソードオフガス)は、燃料電池22に接続する酸化排ガス路33へと排出される。この酸化排ガス路33には、凝縮部55と、加熱部27と、カソードオフガスを車両外部に放出するための開口部と、が形成されているが、このようなカソードオフガスの排出に係る構成は、本願発明の要部に対応する構成であるため、後に詳述する。
また、燃料電池システム10は、燃料電池22の内部温度を調節するための冷媒循環部40を備える。冷媒循環部40は、燃料電池22の内部および外部に設けられて内部を冷媒が循環する冷媒流路42と、冷媒流路42に接続して設けられて冷媒流路42内を循環する冷媒を冷却するラジエータ41と、を備える。また、冷媒循環部40は、冷媒流路42に設けられて冷媒流路42内で冷媒を循環させる駆動力を発生する冷媒ポンプ43と、冷媒流路42において燃料電池22からの冷媒出口近傍に設けられた第1温度センサ44と、を備える。第1温度センサ44における検出値は、燃料電池22の内部温度を精度良く反映する。
さらに、燃料電池システム10は、燃料電池システム10の各部の動きを制御する制御部50を備えている。制御部50は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを実行するCPUと、CPUで各種演算処理を実行するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたROMと、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各種データが一時的に読み書きされるRAMと、各種の信号を入出力する入出力ポート等を備える。この制御部50は、各種センサ、例えば既述した第1温度センサ44の検出信号や、車両に設けられた車速センサあるいは外気温センサ等からの検出信号、あるいは、燃料電池22に対する負荷要求に関する情報などを取得する。また、燃料電池システム10が備える加熱部27、冷媒ポンプ43あるいはブロワ24など、燃料電池22の発電に関わる各部に駆動信号を出力する。
B.カソードオフガスの排出に係る構成:
図2は、燃料電池システム10における酸化排ガス路33を含むカソードオフガスの排出に係る構成の概略を表わす説明図である。既述したように、酸化排ガス路33には、凝縮部55と、加熱部27と、カソードオフガスを車両外部に放出するための開口部と、が形成されている。凝縮部55は、酸化排ガス路33における燃料電池22との接続部の近傍を構成する流路の一部が形成する構造であって、車両が走行する際には流路外壁の周囲に走行風が流れて、走行風を利用して流路内のカソードオフガスを冷却可能となる位置に設けられている。図2では、凝縮部55をU字管状に表わしているが、ラジエータ状に薄い流路を折りたたんだ形状に形成して、表面積をより大きく確保し、走行風を利用した冷却効率を向上させても良い。
燃料電池が発電する際には、カソードにおいて水が生じるため、燃料電池22から排出されるカソードオフガスにおける蒸気圧は、ほぼ飽和蒸気圧となっている。このようなカソードオフガスは、酸化排ガス路33へと排出されて、凝縮部55に流入し、上記のように走行風を利用して冷却される。カソードオフガスが冷却されて降温し、飽和蒸気圧が低下することにより、カソードオフガス中に含まれる水蒸気の一部が凝縮し、生じた液水は、凝縮部55内部に滞留する。このように凝縮部55内に滞留する液水の、凝縮部55における冷却効率に対する影響が許容範囲であれば、液水を凝縮部55内に貯留することとしても良い。あるいは、図2に示すように、凝縮部55と接続流路56で接続された貯留タンク58を設け、凝縮水は、この貯留タンク58に貯留しても良い。貯留した凝縮水は、例えば、車両の停車時に、貯留タンク58に設けた弁57を開放して車両外部に排出すれば、凝縮させた水が、走行中の車両から飛散することがない。
加熱部27は、酸化排ガス路33において、凝縮部55よりも下流に設けられた構造である。加熱部27は、酸化排ガス路33を構成する流路の一部において、外壁近傍にヒータが設けられており、流路内を通過するカソードオフガスを加熱可能となっている。加熱部27におけるカソードオフガスの加熱量は、上記ヒータへの通電量を制御することにより、調節することができる。
酸化排ガス路33において、加熱部27の下流側は、長さL(m)、表面積S2(m2)である配管によって構成されている。このような配管の端部は、排気口34として、車両外に開口しており、この排気口34を介してカソードオフガスを車両外に排出可能となっている。さらに、加熱部27の下流側の酸化排ガス路33では、加熱部27との接続部近傍において、酸化排ガス路33内を流れるカソ−ドオフガスの温度を検出するための第2温度センサ45が設けられている。
C.燃料電池排ガスの加熱制御:
図3は、燃料電池システム10の制御部50において、燃料電池22の発電中に繰り返し実行される加熱量制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。この加熱量制御処理ルーチンは、酸化排ガス路33全体における放熱量に基づいて、加熱部27における加熱量を制御することにより、排気口34からのカソードオフガスの排出に伴う液水の飛散を抑制する処理である。
また、図4は、燃料電池22から排出されたカソ−ドオフガスにおける、燃料電池出口(FC出口)から排気口34までの間の温度変化および湿度変化の様子を表わす説明図である。それぞれ、横軸は、FC出口からの配管長を示し、図4(A)の縦軸は温度変化を示し、図4(B)の縦軸は湿度変化を示している。各図では、本実施例に基づく制御を行なったときの温度および湿度の変化を実線で示している。温度変化を示す図4(A)では、燃料電池出口におけるカソ−ドオフガスの温度をT1、凝縮部55出口におけるカソ−ドオフガスの温度をT2、加熱部27出口におけるカソ−ドオフガスの温度をT3、排気口34から排出される時のカソ−ドオフガスの温度をT4と表わしている。なお、燃料電池出口と凝縮部55との間、および、凝縮部55出口と加熱部27との間を接続する配管は、いずれも短く、これらの部分からの放熱量が小さいため、図4では無視している。ここで、燃料電池22から酸化排ガス路33に排出された後、排気口34から車両外部に放出されるまでの間の、カソ−ドオフガスに加えられる熱収支P(W)は、以下の(1)式によって表わすことができる。
P=F×C×ΔT1=−P1+P2−P3 …(1)
ただし、F:カソ−ドオフガス量(mol/s)、C:カソ−ドオフガス比熱(J/mol/℃)、ΔT1:排気口34から排出される時のカソ−ドオフガス温度(目標排気温T4)より、燃料電池22から排出されたときのカソ−ドオフガス温度(T1)を減算した値、P1:凝縮部55における放熱量(W)、P2:加熱部27における加熱量(W)、P3:酸化排ガス路33における放熱量(W)。
上記(1)式から、加熱部27において加熱すべき量としての加熱所要量P2は、以下の(2)式によって求めることができる。
P2=F×C×ΔT1+P1+P3 …(2)
図3の加熱量制御処理ルーチンが実行されると、制御部50のCPUは、まず、外気温、第1および第2温度センサ検出値、カソ−ドオフガス量F、および車速を取得する(ステップS100)。ここで、外気温は、既述した外気温センサからの検出信号によって取得する。第1温度センサの検出値は、燃料電池22の内部温度を精度良く反映する値であり、本実施例では、後述するように、カソ−ドオフガスの燃料電池出口温度T1として用いている。第2温度センサの検出値は、加熱部27を通過したカソ−ドオフガスの温度T3を示す値である。カソ−ドオフガス量Fは、酸化排ガス路33に流量センサを設けて、この流量センサの検出値として取得しても良いし、演算により求めても良い。演算により求める場合には、例えば、制御部50がブロワ24に出力する駆動信号に基づいて求められる供給酸化ガス量から、燃料電池22における発電量に基づいて求められる消費された酸素量を減算すると共に、燃料電池22の内部温度における飽和蒸気圧に対応する水蒸気量を加算することにより求めることができる。車速は、既述した車速センサからの検出信号によって取得する。
次に、制御部50のCPUは、凝縮部55における放熱量P1を算出する(ステップS110)。凝縮部55における放熱量P1は、以下に示す(3)式によって求めることができる。
P1=S1×D1 …(3)
ただし、S1:凝縮部55において走行風が当たる配管部の表面積(m2)、D1:放熱損失係数(W/m2)。
ここで、凝縮部55における走行風が当たる部分の表面積S1は、凝縮部55の形状および凝縮部55の車両内での配置により定まるものであり、予め測定されて制御部50内に記憶されている。また、凝縮部55における放熱損失係数D1は、凝縮部55に供給されるカソ−ドオフガスの温度と、冷却に用いる走行風の温度と、の差としてのΔT2、および、走行風の強さを直接反映する車速に基づいて定まる値である。ΔT2を求める際に用いる凝縮部55に供給されるカソ−ドオフガス温度は、ステップS100で取得したカソ−ドオフガスの燃料電池出口温度T1を用いる。また、走行風の温度としては、ステップS100で取得した外気温の温度を用いる。本実施例の制御部50は、放熱損失係数D1を求めるためのマップとして、上記ΔT2と車速とに基づく2次元マップを記憶しており、ステップS110では、このマップを参照して放熱損失係数D1を求め、上記放熱量P1を算出している。
次に、制御部50のCPUは、酸化排ガス路33における放熱量P3を算出する(ステップS120)。酸化排ガス路33における放熱量P3は、以下に示す(4)式によって求めることができる。なお、酸化排ガス路33における放熱は、酸化排ガス路33全体で起こり得るが、本実施例では、特に走行風の影響を受けて放熱しやすい箇所である加熱部27の下流側部分、すなわち、加熱部27と排気口34との間の部分における放熱のみを考慮している。
P3=S2×D2 …(4)
ただし、S2:酸化排ガス路33における加熱部27と排気口34との間の部分の表面積(m2)、D2:放熱損失係数(W/m2)。
ここで、酸化排ガス路33における加熱部27と排気口34との間の部分の表面積S2は、予め測定されて制御部50内に記憶されている。また、酸化排ガス路33における上記した部分における放熱損失係数D2は、加熱部27から排出されるカソ−ドオフガスの温度T3と、上記部分を冷却する走行風の温度、すなわち外気温と、の差としてのΔT3、および、走行風の強さを直接反映する車速に基づいて定まる値である。ΔT3を求める際に用いる加熱部27から排出されるカソ−ドオフガス温度T3は、ステップS100で取得した第2温度センサ45の検出値を用いる。また、走行風の温度としては、ステップS100で取得した外気温の温度を用いる。本実施例の制御部50は、放熱損失係数D2を求めるためのマップとして、上記ΔT3と車速とに基づく2次元マップを記憶しており、ステップS120では、このマップを参照して放熱損失係数D2を求め、上記放熱量P3を算出している。
次に、制御部50のCPUは、加熱部27における加熱所要量P2を算出する(ステップS130)。加熱所要量P2の算出は、既述した(2)式を利用して、ステップS110で算出した凝縮部55における放熱量P1と、ステップS120で算出した酸化排ガス路33における放熱量P3と、を用いて行なう。加熱所要量とは、既述したように、加熱部27において加熱すべき熱量であり、具体的には、凝縮部55および酸化排ガス路33において所定の放熱量P1,P3が放熱されても、排気口34におけるカソ−ドオフガス温度を目標排気温T4にするために、加熱部27で加熱すべき熱量である。(1)式におけるΔT1は、目標排気温T4より、第1温度センサ44の検出値としてのカソ−ドオフガス温度T1を減算した値である。
ここで、燃料電池22から排出されたカソ−ドオフガスは、凝縮部55において、含有する水蒸気の一部が凝縮水として除去されるが、残余の水蒸気を含むカソ−ドオフガスが、排気口34において飽和蒸気圧に達しないように、上記した目標排気温T4が設定されている。図4(B)では、燃料電池出口および凝縮部55からの排出時にほぼ100%であったカソ−ドオフガス中の飽和蒸気圧が、加熱部27で加熱されることで大きく低下し、その後、酸化排ガス路33の配管内で降温することにより次第に上昇し、100%に達しないうちに、カソ−ドオフガスが排気口34から排出される様子を示している。凝縮部55では、冷却のために走行風を利用しているため、凝縮部55で水蒸気量を削減する際には、カソ−ドオフガスにおける蒸気圧を、外気温の飽和蒸気圧以下にすることはできない。そのため、目標排気温T4は、外気温よりも充分に高い温度として設定している。排気口34から排出されるカソードオフガスは、理論的には、凝縮部55の出口温度よりも高温であれば、飽和蒸気圧に達しないと考えられるため、目標排気温T4は、凝縮部55から排出されるカソードオフガス温度(図4中のT2)を測定して、この温度よりも充分に高い温度として設定しても良い。ただし、排気口から排出されるカソ−ドオフガスの温度が、外気温に比べて高すぎる場合には、排気口からの排出後直ちに水蒸気が凝縮して、排気口近傍に液滴が飛散したり、排気口から白煙が上がる場合がある。そのため、このような不都合を抑えるために、目標排気温T4と外気温との差であるΔT1は、20℃程度とすることが望ましい。(1)式におけるCは、既述したようにカソ−ドオフガス比熱であり、本実施例では、制御部50内に予め記憶されている。
次に、制御部50のCPUは、加熱部27における加熱目標量P2’を算出する(ステップS140)。加熱目標量P2’は、以下の(5)式に基づいて求められる。
P2’=P2×α …(5)
ただし、α:安全率。
ここで、安全率とは、カソ−ドオフガスの流量の変動や、各センサにおける検出誤差等を考慮して、適宜設定して、予め制御部50内に記憶しておいた値である。加熱目標量P2’を算出すると、制御部50のCPUは、加熱目標量P2’に相当する熱量を発生するように、加熱部27が備えるヒ−タに対して駆動信号を出力して(ステップS150)、本ル−チンを終了する。
以上のように構成された本実施例の燃料電池システム10によれば、排気口34においてカソ−ドオフガスの蒸気圧が飽和蒸気圧に達しないように、加熱部27における加熱量を制御しているため、排気口34からの液水の飛散を抑制することができる。このとき、凝縮部55および酸化排ガス路33における放熱量に基づいて、加熱部27における加熱量を求めているため、車速や外気温、あるいは燃料電池出口温度が変動する場合であっても、排気口34からの液水の飛散を、安定して抑制することができる。
図4では、実施例の燃料電池システム10における加熱制御を行なう場合を実線で表わすと共に、さらに、加熱部27における加熱量が不十分である場合の様子を、破線で示している。加熱部27における加熱量が不十分であると、加熱部27の出口部におけるカソ−ドオフガス温度がより低くなり、排気口34におけるカソ−ドオフガス温度もより低くなる。このように排気口34に到達するまでのカソ−ドオフガス温度がより低い場合には、酸化排ガス路33内において、カソ−ドオフガス中の水蒸気圧が飽和蒸気圧に達し、水蒸気が凝縮するため、排気口34から液水が飛散することになる。本実施例では、既述した制御により、排気口34におけるカソ−ドオフガス中の水蒸気圧を、飽和蒸気圧未満に抑えている。
D.第2実施例:
第1実施例では、凝縮部55および酸化排ガス路33における放熱量P1、P3に基づいて、加熱部27における加熱量P2を制御したが、異なる構成としても良い。例えば、加熱部27における加熱量P2および酸化排ガス路33における放熱量P3に基づいて、凝縮部55における放熱量P1を制御しても良い。このような構成を、第2実施例として以下に説明する。
図5は、第2実施例の燃料電池システムにおけるカソ−ドオフガスの排出に係る構成を表わす説明図である。第2実施例の燃料電池システムは、第1実施例の燃料電池システムと類似した構成を有するため、共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。第2実施例の燃料電池システムは、凝縮部55に対する走行風の流れを遮断する位置に、開度を調節可能な開口部を備えるエアシャッタ59を備えている。このエアシャッタ59は、制御部50からの駆動信号によって開口部の開度が調節される。エアシャッタ59開口部の開度によって、凝縮部55において走行風が当たる配管部の表面積S1が変化して、凝縮部55における放熱の効率が変化する。
図6は、燃料電池システム10の制御部50において、燃料電池22の発電中に繰り返し実行される放熱量制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。この放熱量制御処理ルーチンは、加熱部27における加熱量P2および酸化排ガス路33における放熱量P3に基づいて、凝縮部55における放熱量P1を制御することにより、排気口34からのカソードオフガスの排出に伴う液水の飛散を抑制する処理である。
また、図7は、燃料電池22から排出されたカソ−ドオフガスにおける、燃料電池出口(FC出口)から排気口34までの間の温度変化および湿度変化の様子を表わす説明図である。それぞれ、横軸は、FC出口からの配管長を示し、図7(A)の縦軸は温度変化を示し、図7(B)の縦軸は湿度変化を示している。各図では、本実施例に基づく制御を行なったときの温度および湿度の変化を実線で示している。温度変化を示す図7(A)では、燃料電池出口におけるカソ−ドオフガスの温度をT1、凝縮部55出口におけるカソ−ドオフガスの温度をT2、加熱部27出口におけるカソ−ドオフガスの温度をT3、排気口34から排出される時のカソ−ドオフガスの温度をT4と表わしている。また、図4と同様に、燃料電池出口と凝縮部55との間、および、凝縮部55出口と加熱部27との間を接続する配管からの放熱量は、無視している。
第2実施例の燃料電池システムにおいても、第1実施例と同様に、燃料電池22から酸化排ガス路33に排出された後、排気口34から車両外部に放出されるまでの間の、カソ−ドオフガスに加えられる熱収支P(W)は、既述した(1)式によって表わすことができる。そのため、(1)式より、凝縮部55において放熱すべき放熱所要量P1は、以下の(6)式によって求めることができる。
P1=−F×C×ΔT1+P2−P3 …(6)
図6の放熱量制御処理ルーチンが実行されると、制御部50のCPUは、まず、ステップS100と同様に、外気温、第1および第2温度センサ検出値、カソ−ドオフガス量F、および車速を取得する(ステップS200)。次に、制御部50のCPUは、加熱部27における加熱量P2を取得する(ステップS210)。加熱量P2は、予め定められて制御部50に記憶されており、ステップS210では、この予め定められた値を読み込む。
次に、制御部50のCPUは、酸化排ガス路33における放熱量P3を算出する(ステップS220)。このステップS220は、第1実施例のステップS120と同様の処理である。
その後、制御部50のCPUは、凝縮部55における放熱所要量P1を算出する(ステップS230)。放熱所要量P1の算出は、既述した(6)式を利用して、ステップS210で取得した加熱部27における加熱量P2と、ステップS220で算出した酸化排ガス路33における放熱量P3と、を用いて行なう。放熱所要量P1とは、既述したように、凝縮部55において放熱すべき熱量であり、具体的には、加熱部27において所定の加熱量P2が加熱され、酸化排ガス路33において所定の放熱量P3が放熱されても、排気口34におけるカソ−ドオフガス温度を目標排気温T4にするために、凝縮部55で放熱すべき熱量である。目標排気温T4は、第1実施例と同様に、排気口34に到達するカソードオフガス中の蒸気圧よりも飽和蒸気圧が高くなる温度として、外気温よりも高い温度に設定されるが、外気温に対する温度差は、第1実施例よりも小さくすることができる。(6)式におけるΔT1は、目標排気温T4から、第1温度センサ44の検出値としてのカソ−ドオフガス温度T1を減算した値である。また、カソードオフガス量Fは、ステップS200で取得した値であり、カソードオフガス比熱Cは、制御部50内に予め記憶されている。
次に、制御部50のCPUは、放熱所要量P1を満たす面積S1を、既述した(3)式に基づいて算出する(ステップS240)。面積S1とは、既述したように、凝縮部55において走行風が当たる配管部の表面積である。ステップS230で算出した放熱所要量P1と、第1実施例と同様にしてΔT2および車速に基づく2次元マップを参照して求められる放熱損失係数D1とを、(3)式に代入することにより、放熱所要量P1を実現する面積S1を求めることができる。その後、制御部50のCPUは、ステップS240で求めた面積S1を満たすようにエアシャッタ59に対して駆動信号を出力して(ステップS250)、本ルーチンを終了する。
以上のように構成された本実施例の燃料電池システムによれば、排気口34においてカソ−ドオフガスの蒸気圧が飽和蒸気圧に達しないように、凝縮部55における放熱量を制御しているため、排気口34からの液水の飛散を抑制することができる。このとき、加熱部27における加熱量および酸化排ガス路33における放熱量に基づいて、凝縮部55における放熱量を求めているため、車速や外気温、あるいは燃料電池出口温度が変動する場合であっても、排気口34からの液水の飛散を、安定して抑制することができる。
図7では、第2実施例の燃料電池システムにおける加熱制御を行なう場合を実線で表わすと共に、さらに、凝縮部55における放熱量が不十分である場合の様子を、破線で示している。凝縮部55における放熱量が不十分であると、凝縮部55における水蒸気削減量がより少なくなり、カソードオフガスが酸化排ガス路33内を排気口34に向かって流れつつ次第に降温される途中で、蒸気圧が飽和蒸気圧に達してしまう。このように排気口34に達するまでに飽和蒸気圧が低下することにより、カソードオフガス中の蒸気圧が飽和蒸気圧に達すると、排気口34から液水が飛散することになる。本実施例では、凝縮部55における放熱量を制御することにより、排気口34におけるカソ−ドオフガス中の水蒸気圧を、飽和蒸気圧未満に抑えることができる。
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
E1.変形例1(加熱部の変形):
上記第1および第2実施例では、加熱部27は、ヒ−タで生じる熱によってカソ−ドオフガスを加熱することとしたが、異なる構成としても良い。例えば、加熱部27は、ヒ−タに代えて酸化触媒を備えることとして、酸化触媒上に燃料(例えば、燃料電池22に供給する燃料ガスと同じ水素含有ガスや、アノ−ドオフガス)および酸素を供給し、上記燃料が酸化(燃焼)される際に生じる熱によって加熱を行なっても良い。このような構成を第1実施例に適用する場合には、ステップS150において、加熱目標量P2’に相当する熱量を発生可能となる量の燃料が加熱部27に供給される様に、制御部50のCPUから、加熱部27に燃料を供給する燃料供給部へと駆動信号を出力すればよい。
あるいは、加熱部27における加熱のために、燃料電池22で生じる熱を利用しても良い。例えば、冷媒循環部40の冷媒流路42を、加熱部27に引き回し、燃料電池22から排出された冷媒が有する熱を利用して、カソ−ドオフガスの加熱を行なっても良い。このような構成とすれば、カソ−ドオフガスの加熱のために消費するエネルギを削減することが可能になる。このような構成を第1実施例に適用する場合には、ステップS150において、加熱目標量P2’に相当する熱量がカソ−ドオフガスに伝えられるように、加熱部27に供給する冷媒流量を調節すればよい。このとき、冷媒流路42全体を加熱部27に引き回して、冷媒ポンプ43の駆動量によって冷媒流量を調節してもよいし、冷媒流路42から分岐するバイパス流路を加熱部27に引き回して、バイパス流路に流入させる冷媒流量を調節しても良い。
また、燃料電池22を、加熱部27の近傍に配置して、燃料電池22と加熱部27とを相互に伝熱可能に接続し、燃料電池22で発生する熱を利用してカソ−ドオフガスの加熱を行なっても良い。このような構成とすれば、カソ−ドオフガスの加熱のために消費するエネルギを削減することが可能になる。このような構成を第2実施例に適用する場合には、燃料電池22の温度、および、燃料電池22と加熱部27との間の伝熱効率に基づいて、ステップS210において加熱量P2を求めればよい。
また、上記した構成を組み合わせて用いることとしても良い。例えば、加熱部27における加熱のために、ヒ−タを用いる構成と、燃料電池の冷媒を用いる構成とを組み合わせることができる。このような場合には、燃料電池22の起動時のように冷媒温度が低いときにはヒータを用い、燃料電池22が定常状態であるときには冷媒を用いることにより、充分な加熱と消費エネルギの削減とを両立することができる。
E2.変形例2(凝縮部の変形):
第1および第2実施例では、凝縮部55は、走行風を利用してカソ−ドオフガスを冷却することとしたが、異なる構成としても良い。例えば、第1実施例において、燃料電池システム10が備える燃料ガス供給部23が、高圧の水素を貯蔵する水素タンクである場合には、上記水素タンクと凝縮部とを、相互に伝熱可能に接続し、カソ−ドオフガスを冷却しても良い。高圧水素タンクが水素を放出する際には、断熱膨張により水素温度が下がり、水素タンクの温度が低下する。このような水素タンクの吸熱の動作を利用して、カソ−ドオフガスを冷却することができる。このような構成を第1実施例に適用する場合には、水素タンク内の圧力および水素タンクからの水素放出量に基づいて、水素タンクの吸熱量を求め、さらに水素タンクと凝縮部55との間の伝熱効率を考慮して、ステップS110において凝縮部55からの放熱量P1を求めればよい。
あるいは、第1実施例において、凝縮部55を、カソ−ドオフガスよりも温度および水蒸気圧の低い燃料ガスあるいは酸化ガスと熱交換および水蒸気交換する加湿器として形成しても良い。例えば、凝縮部55を、酸化ガスを加湿する加湿器とする場合には、凝縮部に水蒸気透過性を有する膜を設け、この水蒸気透過性膜によって、酸化ガス供給路32と酸化排ガス路33とを隔てればよい。このような構成とすることで、カソ−ドオフガスの温度を低下させると共に、含有水蒸気量を低減することができる。この場合には、水蒸気透過性膜を介した凝縮部における熱交換効率に基づいて、ステップS150において凝縮部55からの放熱量P1を求めればよい。
E3.変形例3(加熱制御と放熱制御の組み合わせ):
第1実施例で示した加熱部27における加熱量の制御と、第2実施例で示した放熱量の制御とを、組み合わせることとしても良い。例えば、凝縮部55における放熱量の制御を優先的に行ない、エアシャッタ59の開度を最大にしても放熱量が不足する場合には、加熱部27における加熱量を制御することができる。このような構成とすれば、凝縮部55における放熱量の制御だけでは排気口34から排出されるカソードオフガス温度を目標温度に制御できない場合であっても、加熱部27における加熱量制御を用いることで、排気口34からの液水の飛散を抑制することが可能になる。
E4.変形例4(放熱制御の変形):
第1および第2実施例では、カソ−ドオフガスからの放熱として、凝縮部55における放熱と、加熱部27の下流側の酸化排ガス路33における放熱のみを考慮したが、異なる構成としても良い。例えば、酸化排ガス路33からの放熱P3として、燃料電池出口と凝縮部55との間、および、凝縮部55と加熱部27との間を接続する部分における放熱を、さらに考慮しても良い。
あるいは、加熱部27の下流側の酸化排ガス路33における放熱量P3は、考慮することなく、第1実施例の加熱制御あるいは第2実施例の放熱制御を行なっても良い。例えば、酸化排ガス路33における加熱部27の下流側において、断熱材(例えば、グラスウール)を巻く、あるいは伝熱性の小さい樹脂材料により形成することで、放熱量を無視できる程度に小さくすればよい。このような場合には、第1実施例では、少なくとも、燃料電池から排出されるときのカソードオフガス温度と、凝縮部からの放熱量と、に基づいて、加熱量の制御を行なえば良い。また、第2実施例では、少なくとも、燃料電池から排出されるときのカソードオフガス温度と、加熱部による加熱量と、に基づいて、放熱量の制御を行なえば良い。
E5.変形例5(排出ガスの変形):
第1および第2実施例では、カソードオフガスについて、排気に伴う外部への液水の飛散を抑制しているが、異なる構成としても良い。例えば、アノードから排出されるアノードオフガスの排出において、本願発明を適用しても良い。例えば、燃料ガスとして水素ガスを用い、アノードオフガスを再びアノードに供給して、燃料ガスを循環させるシステムにおいて、循環する燃料ガスの一部を所定のタイミングでガス流路外に排出させて、循環する燃料ガス中の不純物濃度を抑える場合がある。このように排出される燃料ガスを外部に放出する動作において、本願発明を適用して液水の飛散を抑制することができる。また、排出される燃料ガスをカソード排ガスに混合して希釈した後に外部に放出する場合には、アノードオフガスとカソードオフガスの混合ガスの放出の動作において。本願発明を適用できる。制御の対象となる排出ガスが、少なくともカソードオフガスを含む場合には、発電に伴って生じた生成水が、液水として車両外部に飛散することを抑制可能となる。制御の対象となる排出ガスが、少なくとも循環する燃料ガスを含む場合には、循環の過程で燃料ガス中に蓄積された水蒸気に起因する車両外部への液水の飛散を抑制可能となる。
E6.変形例6(システム構成の変形):
第1および第2実施例では、燃料電池22は、固体高分子型燃料電池としたが、異なる構成としても良い。例えば、固体酸化物型燃料電池とすることができる。電気化学反応に伴い電極で水が生じ、水蒸気含有量の多い排ガスが放出される燃料電池であれば、本発明を適用することにより同様の効果が得られる。
また、本発明の燃料電池システムは、車両以外の移動体に、駆動用電源として搭載することとしても良い。駆動用電源とは、直接に駆動エネルギを出力する他、発電した電気を一旦2次電池などの蓄電部に蓄電した後に、駆動用エネルギとして用いても良く、直接的、あるいは間接的に、駆動エネルギを発生する電源として搭載されていれば良い。
燃料電池システム10の概略構成を表わすブロック図である。 カソードオフガスの排出に係る構成の概略を表わす説明図である。 加熱量制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。 カソ−ドオフガスの温度変化および湿度変化を表わす説明図である。 カソ−ドオフガスの排出に係る構成を表わす説明図である。 放熱量制御処理ルーチンを表わすフローチャートである。 カソ−ドオフガスの温度変化および湿度変化を表わす説明図である。
符号の説明
10…燃料電池システム
22…燃料電池
23…燃料ガス供給部
24…ブロワ
27…加熱部
30…燃料ガス供給路
31…燃料排ガス路
32…酸化ガス供給路
33…酸化排ガス路
34…排気口
40…冷媒循環部
41…ラジエータ
42…冷媒流路
43…冷媒ポンプ
44…第1温度センサ
45…第2温度センサ
50…制御部
55…凝縮部
56…接続流路
57…弁
58…貯留タンク
59…エアシャッタ

Claims (10)

  1. 移動体に駆動用電源として搭載される燃料電池システムであって、
    燃料電池と、
    前記燃料電池に接続されて前記燃料電池から排出される燃料電池排ガスが流れる排ガス配管であって、前記移動体外部に開口する開口部を備え、前記燃料電池排ガスを前記開口部へと導く排ガス配管と、
    前記排ガス配管の途中に設けられ、前記燃料電池排ガス中の水蒸気を凝縮させる凝縮部と、
    前記排ガス配管の途中において、前記凝縮部の下流に設けられ、前記燃料電池排ガスを加熱する加熱部と、
    を備え、
    前記加熱部は、前記燃料電池排ガスが前記開口部から排出される際に、前記燃料電池排ガス中の水蒸気が凝縮しない温度となるように、前記燃料電池排ガスを加熱する
    燃料電池システム。
  2. 請求項1記載の燃料電池システムであって、さらに、
    少なくとも、前記燃料電池から排出されるときの前記燃料電池排ガスの温度と、前記凝縮部からの放熱量と、に基づいて、前記開口部において前記燃料電池排ガスが水蒸気の凝縮しない温度となるように、前記加熱部における加熱量を制御する制御部を備える
    燃料電池システム。
  3. 請求項2記載の燃料電池システムであって、
    前記凝縮部は、外気を利用した前記燃料電池排ガスの冷却によって、前記燃料電池排ガス中の水蒸気を凝縮させ、
    前記制御部は、外気温および前記移動体の速度に基づく値として、前記凝縮部からの放熱量を考慮して、前記加熱部による加熱量を制御する
    燃料電池システム。
  4. 請求項1または2記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記燃料電池に対して燃料ガスとして供給するための水素を充填した水素タンクを備え、
    前記凝縮部は、前記水素タンクと熱的に接続されており、前記水素タンクからの水素の放出に伴う前記水素タンクの温度低下を利用した前記燃料排ガスの冷却によって、前記燃料電池排ガス中の水蒸気を凝縮させる
    燃料電池システム。
  5. 移動体に駆動用電源として搭載される燃料電池システムであって、
    燃料電池と、
    前記燃料電池に接続されて前記燃料電池から排出される燃料電池排ガスが流れる排ガス配管であって、前記移動体外部に開口する開口部を備え、前記燃料電池排ガスを前記開口部へと導く排ガス配管と、
    前記排ガス配管の途中に設けられ、前記燃料電池排ガスを冷却することによって、前記燃料電池排ガス中の水蒸気を凝縮させる凝縮部と、
    前記排ガス配管の途中において、前記凝縮部の下流に設けられ、前記燃料電池排ガスを加熱する加熱部と、
    を備え、
    前記凝縮部は、前記燃料電池排ガスが前記開口部から排出される際に、前記燃料電池排ガス中の水蒸気が凝縮しない温度となるように、前記燃料電池排ガスを冷却する
    燃料電池システム。
  6. 請求項5記載の燃料電池システムであって、さらに、
    少なくとも、前記燃料電池から排出されるときの前記燃料電池排ガスの温度と、前記加熱部による加熱量と、に基づいて、前記開口部において前記燃料電池排ガスが水蒸気の凝縮しない温度となるように、前記凝縮部における前記燃料電池排ガスからの放熱量を制御する制御部を備える
    燃料電池システム。
  7. 請求項6記載の燃料電池システムであって、
    前記凝縮部は、外気を利用した前記燃料電池排ガスの冷却によって、前記燃料電池排ガス中の水蒸気を凝縮させると共に、外気による冷却に寄与する前記凝縮部の表面積を調節する外気量調節部を備え、
    前記制御部は、外気温および前記移動体の速度に応じて、前記外気量調節部を制御する
    燃料電池システム。
  8. 請求項1ないし7いずれか記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料電池は、プロトン伝導性を有する電解質層を備え、
    前記燃料電池排ガスは、少なくともカソードオフガスを含む
    燃料電池システム。
  9. 請求項1ないし8いずれか記載の燃料電池システムであって、さらに、
    前記凝縮部で凝縮された液水を貯蔵する液水貯蔵部を備える
    燃料電池システム。
  10. 請求項1ないし9いずれか記載の燃料電池システムを搭載した移動体。
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