JP2009283122A - 光ピックアップ装置および対物レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂材料からなる光情報記録媒体の記録再生用対物レンズにおいて、使用環境の温度変化に対しても十分な性能を確保できる対物レンズ及びそれを用いた光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】光ピックアップ装置用対物レンズにおいて、ベース面(回折パターンの包絡面)で、環境温度変化による軸上球面収差変化量を補正したとともに、少なくとも1面に設けた回折面で、球面収差を補正することによって、樹脂製レンズの欠点である温度変動に伴う屈折率変化に起因する軸上球面収差の変化を抑えることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、光ピックアップ装置及び樹脂製の対物レンズに関し、特に温度特性及び収差を改善した対物レンズ及びこれを用いた、光情報記録媒体の記録及び又は再生用として好適に用いられる光ピックアップ装置に関する。
従来のCD再生装置において要求される精度を有する光情報記録媒体の記録再生用光学系(尚、本明細書中で云う記録再生用光学系あるいは記録再生装置とは記録用光学系、再生用光学系、記録と再生との両用の光学系あるいはそれらを用いた装置を含む)としては、無限共役型の光学系が特開昭57−76512号公報に開示され、有限共役型の光学系が特開昭61ー56314号公報等に開示されている。また、樹脂製対物レンズを用いた場合の温度変化による収差の発生を減じるため、カップリングレンズを用いたものが特開平6ー258573号公報に開示されている。しかるに、近年においては低コスト化などの要求から、記録再生用光学系、特にその対物レンズに関しては、樹脂(プラスチック)材料を用いて形成されたレンズが広く使用されている。
しかし、樹脂材料から形成された対物レンズにおいては、温度変化に伴う屈折率の変化によって発生する収差が、ガラス材料から形成されたレンズより大きくなるという問題がある。一般的には、この屈折率の変化は樹脂材料とガラス材料とで一桁以上異なっている。ここで、基準設計温度と実際の使用環境との温度差を△Tとしたとき、この温度差△Tによって変化する収差は主に3次球面収差である。波面収差の3次球面収差成分をrms値で表したものをSAとし、ここでは球面収差が正の場合(オーバー)をSA>0、負(アンダー)の場合をSA<0と符号を定義する。温度変化ΔTによって変化する3次球面収差ΔSA(λrms)は、対物レンズの光情報記録媒体側(像側)開口数NA、焦点距離f、結像倍率m、比例係数k、光の波長λを用いて、
ΔSA/ΔT=k・f(1−m)(NA)/λ (1)
と表すことができる。尚、樹脂材料から形成されたレンズが正の屈折力を有する場合、温度が上昇すると3次の球面収差がよりオーバーになる。すなわち、上式(1)において、係数kは正の値となる。また、樹脂材料から形成された単レンズを対物レンズとした場合、係数kはより大きな正の値となる。
現在広く用いられているコンパクトディスク用の対物レンズでは、NAが0.45程度であるため、使用環境の温度変化に伴って発生する収差は問題となるほどの水準には至らないといえる。しかし、光情報記録媒体の高密度化が推進されつつある現在、記録再生装置の光学系を構成する対物レンズも、それに対応することが要求されている。
具体的には、光情報記録媒体としてCD(記憶容量:640MB)と同程度の大きさで記録密度を高めたDVD(記憶容量:4.7GB)が開発され、急速に普及が進んでいる。DVDを再生するためには、光源の波長が635nmから660nmの範囲内にある所定の波長のレーザ光を使用することが一般的である。また、一般的にはレーザ光源からの発散光束は、コリメートレンズで平行光束にされてからDVD側のNAが0.6又はそれ以上の対物レンズに入射され、DVDの透明基板を介して情報記録面に集光される。
特に最近、さらなる高NAの対物レンズやさらなる短波長光源を利用し、10ないし30GBの記憶容量をもつCDやDVDと同様の光情報記録媒体の開発が盛んである。短波長光源として有望視されているものとして、発振波長400nm程度のGaN青色半導体レーザやSHG青色レーザがある。すなわち、記録再生装置における光学系は、高NAが要求されると共に、波長がより短いレーザ光に対応させる必要が生じている。
これを波面収差より考察するに、上記式(1)において、例えばNAが0.45から0.6へと増大し、レーザ光の波長λが660nmから400nmへと短くなったとき、波面収差Wrmsは、(0.6/0.45)÷400/660=5.17倍に増大する。
ここで、式(1)に基づき波面収差を小さく抑えるために、焦点距離fを小さくすることが考えられるが、現実には、フォーカシング作動距離を確保する必要があるためにfを現在以上に小さくすることは困難である。また、m<0の有限共役型光学系や、m=0の無限共役型光学系では、高NAの場合、温度変化に伴って発生する収差がより深刻な問題となってきている。カップリングレンズを用いた光学系で0<m<1とし、温度特性を改善することも考えられるが、この場合、フォーカシングに必要な作動距離を確保するためには、光学系の物像間距離を長くするか、または高NAのカップリングレンズが必要となリ、光学系更には装置が大型化してしまうという問題がある。
このように、従来の樹脂材料で形成された対物レンズを用いたレンズ系では温度変化により生じる樹脂材料の屈折率変化△nを原因とする、対物レンズの像側の開口数NAの4乗に比例した収差の発生によって、高NAの光学系を実現させることは困難であった。
従って、レーザ光源の短波長化と対物レンズの高NA化により、高密度の情報記録を達成しようとする光情報記録再生装置の光学系においては、樹脂製の対物レンズを用いる代わりに、温度変化に対する屈折率変化は小さいが、よりコストの高いガラスモールドレンズやガラスの組み合わせレンズを用いることを余儀なくされている。
本発明は、光情報記録媒体の記録再生装置(光ピックアップ装置)用対物レンズにおいて、その装置の光源が使用環境の温度変化によって発振波長が変化しないSHGレーザのような場合、あるいは発振波長が変化する半導体レーザのような場合においても、使用環境の温度変化に対して十分な性能が確保できる樹脂材料からなる対物レンズ、又は樹脂材料からなる少なくとも1枚のレンズを含む対物レンズ、及びそのような対物レンズを用いた光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の光ピックアップ装置は、
波長λ(nm)の光束を出射する光源と、
前記光源から出射された光束を、光情報記録媒体の透明基板を介して前記光情報記録媒体の情報記録面上に集光させるための対物レンズと、
前記光情報記録媒体からの反射光を受光するための光検出器とを有し、
前記対物レンズは屈折パワーを有するプラスチックレンズを含み、
前記対物レンズの少なくとも1つの面に回折パターンを有し、
前記対物レンズの光情報記録媒体側の開口数NAは、
NA≧0.58
を満たすとともに、
前記光源の波長λ(nm)の±5nmの範囲内での波長変化△λ1(nm)に対する前記対物レンズの3次軸上球面収差変化量を△SA2とし、環境温度20℃ないし30℃の範囲内での温度変化△T(℃)に対する前記対物レンズの3次軸上球面収差変化量を△SA1としたとき、
(ΔSA2/Δλ1)*(ΔSA1/ΔT)<0λrms/(℃・nm) (2)
を満たすことを特徴とする。
光情報記録媒体の記録再生に多く使われている回折パターンのない非球面樹脂製対物単レンズのような球面収差の補正された樹脂製正レンズの温度変化に対する3次の球面収差量の変化を∂SA/∂Tとすると、以下の式で表せる。
∂SA/∂T=(∂SA/∂n)・(∂n/∂T)
+(∂SA/∂n)・(∂n/∂λ)・(∂λ/∂T)
=(∂SA/∂n){(∂n/∂T)+(∂n/∂λ)・(∂λ/∂T)} (3)
ここで、樹脂材料は、(∂n/∂T)<0、(∂n/∂λ)<0である。
ガラス材料は、(∂n/∂T)=0、(∂n/∂λ)<0である。
半導体レーザは、(∂λ/∂T)>0、SHGレーザ、固体レーザ、ガスレーザ等は(∂λ/∂T)=0である。
尚、ここでガラス材料の(∂n/∂T)を0、SHGレーザ、固体レーザ、ガスレーザ等の(∂λ/∂T)を0としたが、実際これらの値は厳密に0ではない。しかしながら、本発明の利用分野においては実用上0と考えられ、またそれにより説明を単純化できるので、以下これらの値を0として説明を進める。
さて、光源かSHGレーザ、固体レーザ、ガスレーザ等であり(∂λ/∂T)=0の場合、
∂SA/∂T=(∂SA/n)・(∂n/∂T) (4)
となる。
このレンズがガラス製であれば、(∂n/∂T)=0であるから、∂SA/∂T=0となる。一方、レンズが樹脂製であれば、(∂n/∂T)<0であり、この種のレンズは∂SA/∂T>0であることから、(∂SA/∂n)<0である。また、光源が半導体レーザの場合は、(∂λ/∂T)>0である。
このときレンズがガラス製である場合においても
∂SA/∂T =(∂SA/∂n)・(∂n/∂λ)・(∂λ/∂T) (5)
であり、(∂n/∂λ)<0、(∂SA/∂n)<0であるから∂SA/∂T>0となる。
また、ガラス材料、樹脂材料を問わず、入射する光がより短被長になると、(∂n/∂λ)の絶対値が大きくなる。したがって短波長の半導体レーザを利用する場合、たとえガラス材料であっても球面収差の温度変化に留意する必要がある。
一方、回折パターンを有する非球面樹脂製単レンズについて、温度変化に対する3次の球面収差量の変化量を∂SA/∂Tについて定式化すると以下のようになる。この場合、屈折レンズ部分の特性と回折パターン面の特性の双方を取り入れる必要がある。屈折レンズ部分が寄与する球面収差量の変化量∂SAに添え字R、回折パターン面が寄与する球面収差量の変化量∂SAに漆え字Dを付けて示すと、以下のように表せる。
∂SA/∂T=(∂SA/∂n)・(∂n/∂T)
+(∂SA/∂n)・(∂n/∂λ)・(∂λ/∂T)
+(∂SA/∂λ)・(∂λ/∂T) (6)
ここで、光源がSHGレーザ、固体レーザ、ガスレーザ等であり、(∂λ/∂T)=0の場合には、
∂SA/∂T=(∂SA/∂n)・(∂n/∂T) (7)
が成立する。
ここで、もちろんガラス製レンズの場合には、(∂n/∂T)=0であり、(∂SA/∂n)の値によらず、∂SA/∂T=0となる。一方、レンズが樹脂製であれば、(∂n/∂T)<0であるが、(∂SA/∂n)=0であれば、∂SA/∂T=0とできる。
そこで、本発明においては、屈折レンズ部分に関して(∂SA/∂n)=0とすべく、非球面樹脂製単レンズに回折パターンを導入している。但し、この場合屈折レンズ部分だけでは球面収差が残留してしまうが、回折パターンを最適化して全体で球面収差を補正するようにすることで、光情報記録媒体の記録再生に適した対物レンズを設計することができる。
一方、光源が半導体レーザの場合は(∂λ/∂T)>0であり、上記の(∂SA/∂n)=0の特性を持つ対物レンズの場合、上式(6)より
∂SA/∂T=(∂SA/∂λ)・(∂λ/∂T) (8)
となるが、一般に(∂SA/∂λ)≠0であり、3次の球面収差量が温度により変化してしまうことがわかる。
更に、上式(6)は、以下の式のように変形できる。
∂SA/∂T=(∂SA/∂n)・{(∂n/∂T)
+(∂n/∂λ)・(∂λ/∂T)}
+(∂SA/∂λ)・(∂λ/∂T) (9)
ここで、樹脂製レンズの場合、(∂SA/∂T)<0であり、また光源が半導体レーザであるから、(∂λ/∂T)>0となるので、
(∂n/∂T)+(∂n/∂λ)・(∂λ/∂T)<0 (10)
である。
前提として、(∂SA/∂n)<0とすると、(10)より(9)の第1項は正の値となる。∂SA/∂T=0とするためには、第2項が負の値をとる必要があるが、(∂λ/∂T)>0なので、(∂SA/∂λ)<0が条件となる。
このような特性の回折パターンを持つ非球面樹脂製単レンズにおいては、(∂λ/∂T)=0の場合、上式(7)において(∂SA/∂n)<0でかつ(∂n/∂T)<0なので∂SA/∂T>0となる。
また、温度が一定で、波長のみが変化する場合の球面収差∂SA/∂λは、
∂SA/∂λ=(∂SA/∂n)・(∂n/∂λ)+(∂SA/∂λ) (11)
で表せるが、第1項は正、第2項は負であるが、良く知られているように、回折パターンを持つ非球面単レンズの色収差は、主に回折パターンからの寄与が大きいことから、上式(11)の第2項により∂SA/∂λの符号がきまり、∂SA/∂λ<0となるのが一般的である。
すなわち、回折パターンを導入した樹脂製単レンズでは、∂SA/∂T>0でかつ∂SA/∂λ<0とすることで、光源が半導体レーザの場合においても∂SA/∂T=0とできる。
逆に(∂SA/∂n)>0とすると、計算は省略するが∂SA/∂T<0でかつ∂SA/∂λ>0とすることで、光源が半導体レーザの場合においても∂SA/∂T=0とできる。
すなわち∂SA/∂Tと∂SA/∂λの符号が逆であればよい。
このとき、
(∂SA/∂T)・(∂SA/∂λ)<0 (12)
となる関係が成立する。ここで、(∂SA/∂T)>0とした場合の方が、回折パターンのない非球面樹脂製単レンズの特性に近いため、回折パターンの負担が少なくより好ましい。請求項1によれば、使用環境の温度変化に対しても十分な性能を確保できる対物レンズが提供されることとなる。
DVDと同程度以下の記録密度である光情報記録媒体に対して、情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置においては、対物レンズは、非球面や回折面を利用することにより、単レンズとすることができる。しかしながら、より高密度の光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行うのためには、より開口数の大きな対物レンズ必要となるが、このような対物レンズは正レンズを2牧以上含んでいることが多い。2枚玉においてはより自由度が大きく、これらの正レンズの少なくとも一方もしくは双方を樹脂レンズとして、光源の発振波長が温度に依存しない場合には(∂SA/∂n)=0とし、いずれかの面を回析パターン化することで、(∂SA/∂T)=0とすることができる。
また光源の発振波長が温度に依存する場合においても、(∂SA/∂T)=0とすることが可能である。
請求項2に記載の光ピックアップ装置は、
前記3次軸上球面収差変化量△SA2が、
△SA2/△λ1<0λrms/nm (13)
を満たすとともに、前記3次軸上球面収差変化量△SA1が、
△SA1/△T>0λrms/℃ (14)
を満たすことを特徴とする。ここで、(ΔSA1/ΔT)>0λrms/℃とすれば、回折パターンのない非球面樹脂製単レンズの特性に近くなるため、回折パターンの負担が少なくなってより好ましい。請求項2によれば、波長λの変動及び使用環境の温度変化に対しても十分な性能を確保できる対物レンズが提供されることとなる。
請求項3に記載の光ピックアップ装置は、
環境温度20℃ないし30℃の範囲内での温度変化△T(℃)に対する前記光源の波長変化量を△λ2(nm)としたとき、
0nm/℃<△λ2/△T≦0.5nm/℃ (15)
を満たすので、環境温度の変動に対して球面収差変化量をより小さく抑えること
ができ、安価な半導体レーザの使用が可能となる。
請求項4に記載の光ピックアップ装置は、
前記3次軸上球面収差変化量△SA1が、
|△SA1/△T│≦0.001λrms/℃ (16)
を満たすことを特徴とする。このように|△SA1/△T│が、0.001λrms以下を満たすことにより、環境温度の変動に対して球面収差変化量をより小さく抑えることができる。
請求項5に記載の光ピックアップ装置は、
波長λ(nm)の光束を出射する光源と、
前記光源から出射された光束を、光情報記録媒体の透明基板を介して前記光情報記録媒体の情報記録面上に集光させるための対物レンズと、
前記光情報記録媒体からの反射光を受光するための光検出器とを有し、
前記対物レンズは屈折パワーを有するプラスチックレンズを含み、
前記対物レンズの少なくとも1つの面に回折パターンを有し、
前記対物レンズの光情報記録媒体側の開口数NAは、
NA≧0.58 (17)
を満たすとともに、
環境温度20℃ないし30℃の範囲内での温度変化△T(℃)に対する前記対
物レンズの3次軸上球面収差変化量を△SA1としたとき、
│△SA1/△T│≦0.001λrms/℃ (18)
を満たすことを特徴とする。
請求項5に記載の光ピックアップ装置によれば、上記(1)式より
ΔSA1/ΔT=k・f(1−m)(NA)/λ≦0.001λrms/℃
(19)
を満たすので、0.58以上の高い開口数を有する対物レンズを用いて、より短波長の光(例えば青色レーザ光)を用いても光情報記録媒体での情報の記録再生を行うことができ、それにより次世代の高密度光情報記録媒体に対応させることが可能な、安価で軽量なプラスチックレンズを含む光ピックアップ装置が実現できる。
請求項6に記載の光ピックアップ装置は、
波長λ(nm)の光束を出射する光源と、
前記光源から出射された光束を、光情報記録媒体の透明基板を介して前記光情報記録媒体の情報記録面上に集光させるための対物レンズと、
前記光情報記録媒体からの反射光を受光するための光検出器とを有し、
前記対物レンズは屈折パワーを有するプラスチックレンズを含み、
前記対物レンズの少なくとも1つの面に回折パターンを有し、
前記対物レンズの光情報記録媒体側の開口数NAは、
0.58>NA≧0.48 (20)
を満たすとともに、
環境温度20℃ないし30℃の範囲内での温度変化△T(℃)に対する前記対物レンズの3次軸上球面収差変化量を△SA1としたとき、
│△SA1/△T│≦0.00040λrms/℃ (21)
を満たすことを特徴とする。
請求項6に記載の光ピックアップ装置によれば、上記(1)式より
ΔSA1/ΔT=k・f(1−m)(NA)/λ≦0.00040λrms/℃
(22)
を満たすので、0.48以上0.58以下の開口数を有する対物レンズを用いているような、例えば従来の光ピックアップ装置においても、使用温度範囲の拡大だけでなく、より短波長の光(例えば青色レーザ光)を用いて光情報記録媒体での情報の記録再生を行うことができ、それにより次世代の高密度光情報記録媒体に対応させることが可能な、安価で軽量なプラスチックレンズを含む光ピックアップ装置が実現できる。
請求項7に記載の光ピックアップ装置は、
波長λ(nm)の光束を出射する光源と、
前記光源から出射された光束を、光情報記録媒体の透明基板を介して前記光情報記録媒体の情報記録面上に集光させるための対物レンズと、
前記光情報記録媒体からの反射光を受光するための光検出器とを有し、
前記対物レンズは屈折パワーを有するプラスチックレンズを含み、
前記対物レンズの少なくとも1つの面に回折パターンを有し、
前記光源の波長λ(nm)は、
λ≦680nm (23)
を満たすと共に、
環境温度20℃ないし30℃の範囲内での温度変化△T(℃)に対する前記対物レンズの3次軸上球面収差変化量を△SA1としたとき、
|△SA1/△T|≦0.001λrms/℃ (24)
を満たすことを特徴とする。
請求項7に記載の光ピックアップ装置によれば、上記(1)式より
ΔSA1/ΔT=k・f(1−m)(NA)/λ≦0.001λrms/℃
(25)
を満たすので、波長が680nm以下と、既存の光ピックアップ装置のレーザ光と同等又はそれより短波長の光(例えば青色レーザ光)を用いても光情報記録媒体での情報の記録再生を行うことができ、それにより次世代の高密度光情報記録媒体に対応させることが可能な、安価で軽量なプラスチックレンズを含む光ピックアップ装置が実現できる。
請求項8に記載の光ピックアップ装置は、
前記光源の波長λ(nm)は、より短波長である
λ≦500nm (26)
を満たすことを特徴とする。
請求項9に記載の光ピックアップ装置は、
前記光源の波長λ(nm)と前記対物レンズの光情報記録媒体側の開口数NAとは、
0.00015/nm≦(NA)/λ≦40/nm (27)
を満たすので、既存の光情報記録媒体の光ピックアップ装置の温度特性を改善するだけでなく、近紫外光を使った開口数の大きい超高密度な光情報記録媒体に対応させることが可能な、安価で軽量な光ピックアップ装置が実現できる。
請求項10に記載の光ピックアップ装置は、
前記光源の波長λ(nm)と前記対物レンズの光情報記録媒体側の開口数NAとは、
10nm≦λ/NA≦1100nm (28)
を満たすので、既存の光情報記録媒体の光ピックアップ装置の温度特性を改善するだけでなく、近紫外光を使った開口数の大きい超高密度な光情報記録媒体に対応させることが可能な、安価で軽量な光ピックアップ装置が実現できる。
請求項11に記載の光ピックアップ装置は、
前記光源の波長λ(nm)の±5nmの範囲内での波長変化△λ(nm)に対する前記対物レンズの3次軸上球面収差変化量を△SA2としたとき、
│△SA2/△λ|≦0.10λrms/nm (29)
を満たすので、光源の波長変動等の影響が許容できる光ピックアップ装置を構成することができる。
請求項12に記載の光ピックアップ装置は、
前記光源の波長λ(nm)の±5nmの範囲内での波長変化△λ1(nm)に対する前記対物レンズの焦点位置変化量を△f(μm)としたとき、
|△f/△λ1│≦200 (29)
を満たすので、、光源の波長変動等の影響が許容できる光ピックアップ装置を構成することができる。
請求項13に記載の光ピックアップ装置は、
前記対物レンズの少なくとも1つの面は非球面であるので、対物レンズだけで球面収差を小さくすることができ、それによりトラッキング特性の良好な光ピックアップ装置を構成することができる。
請求項14に記載の光ピックアップ装置は、
前記対物レンズの少なくとも2つの面は非球面であるので、対物レンズだけで球面収差を小さくすることができ、対物レンズへの入射光が平行光でなくとも良好な特性が得られる光ピックアップ装置を構成することができる。
請求項15に記載の光ピックアップ装置は、
前記回折パターンは光軸を略中心とする同心円状の複数輪帯の形状を有し、前記複数輪帯の各輪帯の位置を表す光路差関数が、少なくともべき級数の6次項を含むので、開口数が大きくても、環境温度の変動に対して球面収差変化量をより小さく抑えることができる。
請求項16に記載の光ピックアップ装置は、
前記対物レンズは、前記プラスチックレンズの単レンズからなるので、構成を簡素化し低コスト化を図れる。
請求項17に記載の光ピックアップ装置は、
前記対物レンズの前記光源の波長λ(nm)におけるパワーをφ、屈折パワーをφRとしたとき、
0.3≦φR/φ≦1.5 (30)
を満たすので、光源の波長変動による焦点位置の変動が小さい光ピックアップ装置を構成することができる。
請求項18に記載の光ピックアップ装置は、
前記対物レンズの光情報記録媒体側とは反対側のべース面の近軸曲率半径をr1(mm)、前記対物レンズの屈折率をn、屈折の焦点距離をfR(mm)としたとき、
1.0≦r1/{(n−1)・fR}≦1.2 (31)
を満たすので、非球面量を小さくできるため、その製造を容易とすることができる。
請求項19に記載の光ピックアップ装置は、
環境温度20℃ないし30℃の範囲内での温度変化△T(℃)に対する前記対物レンズの屈折率変化量を△nとしたとき、
−0.002/℃≦△n/△T≦−0.00005/℃ (32)
を満たすので、透過率が良好な樹脂を使用できる。
請求項20に記載の光ピックアップ装置は、
前記対物レンズは、非晶質ポリオレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂及びフルオレン系樹脂のいずれかの樹脂からなることを特徴とする。
すなわち、対物レンズのプラスチック材料としては、三菱レイヨン製「アクリペットVH」、三菱レイヨン製「アクリペットWF−100」、日立化成工業製「アプトレッツOZ−1000」、クラレ製「バラペットMI−91」、等のアクリル系、日本ゼオン製「ZEONEX」、三井石油化学工業製「APEL」等の非晶質ポリオレフィン系、日本合成ゴム製「ARTON」等のノルボルネン系、鐘紡製「O−PET」等のフルオレン系などの種々の樹脂材料を用いることができるが、射出成形時の金型への転写性が良好で、所期の光学性能を容易に得ることができ、最小肉厚を小さくすることが可能であることから、日本ゼオン製「ZEONEX」、三井石油化学工業製「APEL」等の非晶質ポリオレフィン系、日本合成ゴム製「ARTON」等のノルボルネン系、鐘紡製「O−PET」等のフルオレン系の樹脂が好ましいのである。この内、成形時間の短縮ができる更なるコストの低減が可能で、高屈折率が望めるフルオレン系樹脂が特に好ましい。
請求項21に記載の光ピックアップ装置は、前記対物レンズの光学機能部の外周にフランジ部を有することを特徴とする。かかるフランジ部を設けることによって、光学機能部の光学性能を確保することができる。また、このフランジ部に光軸とに対して略直交する面を設けることにより、光ピックアップ装置への取り付け精度の向上や、取り付けの容易化を図ることが可能となる。
請求項22に記載の光ピックアップ装置は、前記フランジ部の一部に切り欠き部を有することを特徴とする。この切り欠き部の光軸と略平行な方向の切削面を光軸方向から見たとき、直線状、円弧状等の種々の形状とすることができるが、この切り欠き部によって成形時のゲート部の位置を認識可能とすることができる。従って、切り欠き不の位置は、ゲート部に対応する位置であることが望ましい。
請求項23に記載の光ピックアップ装置用対物レンズは、対物レンズが、屈折パワーを有し少なくとも一つの面に回折パターンを有するプラスチックの単レンズからなり、光情報記録媒体が配置される側とは反対側のベース面の近軸曲率半径をr1(mm)、屈折率をn、屈折の焦点距離をfR(mm)としたときに、
1.0≦r1/{(n−1)・fR}≦1.2 (33)
を満たすので、非球面量を小さくできるため、その製造を容易とすることができる。
請求項24に記載の対物レンズは、前記回折パターンは光軸を略中心とする同心円状の複数輪帯の形状を有し、前記複数輪帯の各輪帯の位置を表す光路差関数が、少なくともべき級数の6次項を含むので、開口数が大きくても、環境温度の変動に対して球面収差変化量をより小さく抑えることができる。
請求項25に記載の対物レンズは、少なくとも1つの面は非球面であるので、対物レンズだけで球面収差を小さくすることができ、それによりトラッキング特性の良好な光ピックアップ装置を構成することができる。
請求項26に記載の対物レンズは、両面が非球面であるので、対物レンズだけで球面収差を小さくすることができ、対物レンズへの入射光が平行光でなくとも良好な特性が得られる光ピックアップ装置を構成することができる。
請求項27に記載の対物レンズは、屈折パワーを有する少なくとも1つのプラスチックレンズを含み、少なくとも1面を非球面としたことによって、環境温度変化による軸上球面収差変化量を補正したとともに、少なくとも1面に回折パターンを設けたことによって、球面収差を補正したので、環境温度の変動に対して球面収差変化量をより小さく抑えることができる。
請求項27に記載の光ピックアップ装置用対物レンズにおいて、ベース面(回折パターンの包絡面)で、環境温度変化による軸上球面収差変化量を補正したとともに、少なくとも1面に設けた回折パターンで、球面収差を補正することによって、樹脂製レンズの欠点である温度変動に伴う屈折率変化に起因する軸上球面収差の変化を抑えることができる。かかる対物レンズは、屈折パワーを有するレンズの表面に、さらに回折パターンである回折のための微細構造(レリーフ)を形成したものであってよい。このとき、回折のための微細構造の包絡面がレンズの屈折面形状となる。例えば、非球面単玉対物レンズの少なくとも一方の面に、いわゆるブレーズ型の回折パターンが設けられたものであって、子午断面が鋸歯状となる輪帯がその少なくとも一方の面の全面に設けられ、その一方の面の包絡面が非球面、もう一方の面が非球面あるいはそれら両方の面が非球面であるレンズであってよい。
すなわち、本明細書中で用いる回折パターン(又は回折面)とは、光学素子の表面、例えばレンズの表面に、レリーフを設けて、回折によって光束を集光あるいは発散させる作用を持たせた形態(又は面)のことをいい、一つの光学面に回折を生じる領域と生じない領域がある場合は、回折を生じる領域をいう。レリーフの形状としては、例えば、光学素子の表面に、光軸を中心とする略同心円状の輪帯として形成され、光軸を含む平面でその断面をみれば各輪帯は鋸歯のような形状が知られているが、そのような形状を含むものである。
請求項28に記載の対物レンズは、前記プラスチックレンズの単レンズからなるので構成を簡素化し低コスト化を図れる。
請求項29に記載の対物レンズは、
屈折パワーを有するプラスチックレンズを含み、少なくとも1つの面に回折パターンを有する対物レンズに、測定光源から波長λ(nm)の光束を入射させ、環境温度20℃ないし30℃の範囲内での温度変化△T(℃)に対する前記対物レンズの3次軸上球面収差変化量△SAXを測定したときに、前記3次軸上球面収差変化量△SAXは、
|△SAX/△T|≦0.001λrms/℃ (34)
を満たすので、環境温度の変動に対して球面収差変化量をより小さく抑えることができる。
請求項30に記載の対物レンズは、前記測定を、フィゾー型干渉計又はトワイマングリーン干渉計により行うと、広く使われている干渉計で評価ができる。
請求項31に記載の対物レンズは、前記測定光源の波長λ(nm)が、680nm以下であるので、より高密度な光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生が可能な光ピックアップ装置に好適である。
請求項32に記載の対物レンズは、前記測定光源の波長λ(nm)が、633nmであるので、より高密度な光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生が可能な光ピックアップ装置に好適である。
請求項33に記載の対物レンズは、前記測定光源の波長λ(nm)が、500nm以下であるので、より高密度な光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生が可能な光ピックアップ装置に好適である。
請求項34に記載の対物レンズは、光束を射出する側の開口数が0.58以上であるので、より高密度な光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生が可能な光ピックアップ装置に好適である。
請求項35に記載の対物レンズは、光束を射出する側の開口数が0.62以上であるので、より高密度な光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生が可能な光ピックアップ装置に好適である。
請求項36に記載の対物レンズは、前記測定によって得られる波面収差の3次軸上球面収差成分の絶対値が、環境温度20℃ないし30℃の範囲内で0.07λrms以下であるので、対物レンズの球面収差が小さいため、トラッキング特性の良好な光ピックアップ装置を構成することができる。
請求項37に記載の対物レンズは、光源からの光を用いて、透明基板を備えた光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置に用いる光ピックアップ装置用対物レンズであって、屈折パワーを有するプラスチックレンズを含み、
前記対物レンズに対して、前記光ピックアップ装置の光源からの光束と略同一の波長を有する測定光を照射可能な測定光源と、前記光情報記録媒体の透明基板と略同一の屈折率及び厚さを有する測定媒体とを、前記光ピックアップ装置の光源及び透明基板に対する位置関係と等価に設定し、
前記対物レンズに、前記測定光源から波長λ(nm)の測定光を入射させ、前記対物レンズの温度を20℃ないし30℃の範囲内で変化させたときにおける、温度変化△T(℃)に対する前記対物レンズの3次軸上球面収差変化量△SAXを測定したときに、前記3次軸上球面収差変化量△SAXは、
|△SAX/△T|≦0.001λrms/℃ (35)
を満たすので、環境温度の変動に対して球面収差変化量をより小さく抑えることができる。
光ピックアップ装置においては、フォーカス制御を行うため、再生信号の悪化に寄与するような、温度変化に起因して変化する光学特性は、主に3次の球面収差である。そこで球面収差の定義や評価法について以下に記載する。球面収差については、縦収差で表す場合と波面収差で表す場合とがある。光情報記録媒体の記録再生用光ピックアップ装置やこれに使われる対物レンズの光学系設計には、原則的に縦収差を評価手段とするが、実際の対物レンズや光ピックアップ装置の球面収差を評価する場合は、波面収差を評価手段とすることが一般的である。この場合、波面収差評価には干渉計を使用し、得られた干渉縞から2次元の波面収差分布を求めZernikeの多項式により関数フィッテイングを行う。波面収差の3次球面収差成分のrms値SA3は、Z40(ρ、θ)=6ρ−ρ+1係数A40より以下の式で表せる。
SA3=│A40│/√5 (36)
となる。
ところで、球面収差には符号があるが、上記定義では球面収差が正の場合(オーバー)と負(アンダー)の場合との区別がつかなくなってしまう。そこで、ここでは球面収差のrms値にA40の正、負に従って符号をつけた量を波面収差のrms成分とする。それは以下の式で表せる。
SA3=(A40/│A40│)/√5 (37)
尚、A40は波面が参照球面より送れる場合、すなわち球面収差がオーバーの場合に正の値をとる。
また、対物レンズの波面収差はフィゾー型の干渉計やトワイマングリーン型の干渉計で測定可能である。さらに光ピックアップ装置の波面収差はラジアルシアのマッハツエンダー型の干渉計が使用される。さらに光ピックアップ装置の波面収差や光ピックアップ装置の対物レンズの波面収差を測定し、Zernikeの多項式を使用して干渉縞の解析を行い、3次球面収差成分のrms値を求める機能を有する干渉計は既に市販されている。
また、対物レンズの波面収差の温度特定を評価する手段は、たとえば光ディスク用対物レンズの温度特定測定機の開発(KONICA TECHNICAL REPORT Vol.10 p79〜p82,1997)で紹介されているトワイマングリーン干渉計において、対物レンズ部分を加熱する方法が知られている。
フィゾー干渉計やトワイマングリーン干渉計には光源が内蔵されており、かかる光源は、通常は波長633nmのHe−Neレーザであるが、他の波長を発振させるレーザを代わりに用いることもできる。
光ピックアップ装置の波面収差の温度特性を評価するには、同様にラジアルシアのマッハツェンダー型の干渉計を使用し、光ピックアップ装置の部分を加熱すればよい。
本発明によれば、プラスチックレンズを含んだ対物レンズに回折パターンを設けることで、対物レンズ単独で波面収差の温度変化特性が極めて良好に改善することができる。尚、コリメータを環境温度で動かしたり、コリメータを回折コリメータとしたり、コリメータをPL正レンズとガラス負レンズとする等公知の手段との組み合わせや、対物レンズへの入射光を収束光するなどの波面収差の温度変化特性を改善する方策等と組み合わせることで、回折パターンの輪帯数をむやみに増加させることなく、光ピックアップ装置の温度特性を改善することができる。また、光ピックアップ装置の波面収差の温度特性は必ずしも完全ゼロである必要はなく、光ピックアップ装置の開口数、光源の波長、光情報記録媒体の記録密度には依存する許容量以下であればよい。従って実際は、対物レンズ単独での波面収差の温度変化は必ずしもゼロでなくても良い。
本明細書中において、対物レンズとは、狭義には光ピックアップ装置に光情報記録媒体を装填した状態において、最も光情報記録媒体側の位置で、これと対向すべく配置される集光作用を有する1枚のレンズを指し、広義にはそのレンズと共に、アクチュエータによって少なくともその光軸方向に作動可能なレンズ群を指すものとする。ここで、かかるレンズ群には、少なくとも1枚以上のレンズを指すものであり、単玉レンズのみからなるものも含む。従って、本明細書中において、対物レンズの光情報記録媒体側の開口数NAとは、対物レンズの最も光情報記録媒体側に位置するレンズ面の開口数NAを指すものである。また、この開口数NAは、光ピックアップ装置に設けられた絞りやフィルタ等の絞り機能を有する部品又は部材によって、光源からの光束が制限された結果として定義される開口数NAである。
本明細書中において、光情報記録媒体としては、例えば、CD−R、CD−RW、CD−Video、CD−ROM等の各種CD、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD−Video等の各種DVD、或いはMD等のディスク状の現在の光情報記録媒体のみならず、次世代の記録媒体なども含まれる。多くの光情報記録媒体の情報記録面上には透明基板が存在する。しかしながら、透明基板の厚さが殆どゼロに近いもの、あるいは透明基板が全くないものも存在もしくは提案されている。説明の都合上、本明細書中「透明基板を介して」と記載することがあるが、かかる透明基板は厚さがゼロである、すなわち透明基板が全くない場合も含むものである。
本明細書中において、情報の記録および再生とは、上記のような情報記録媒体の情報記録面上に情報を記録すること、情報記録面上に記録された情報を再生することをいう。本発明の光ピックアップ装置は、記録だけ或いは再生だけを行うために用いられるものであってもよいし、記録および再生の両方を行うために用いられるものであってもよい。また、或る情報記録媒体に対しては記録を行い、別の情報記録媒体に対しては再生を行うために用いられるものであってもよいし、或る情報記録媒体に対しては記録または再生を行い、別の情報記録媒体に対しては記録及び再生を行うために用いられるものであってもよい。なお、ここでいう再生とは、単に情報を読み取ることを含むものである。
本発明の光ピックアップ装置は、各種のプレーヤまたはドライブ等、あるいはそれらを組み込んだAV機器、パソコン、その他の情報端末等の音声および/または画像の記録および/または再生装置に搭載することができる。
以上説明したように、本発明によると、使用環境温度により屈折率が変化する材料を用いた場合においても比較的簡単な構威で温度変化による球面収差の変化を補正する事かでき、さらに、光源が環境温度によって波長が変動するような光学系であっても、その波長変動による球面収差の変化および、材料の屈折率変動による球面収差の変化の両方を補正することができる。よって、低コストで製造可能な光ピックアップ装置用対物レンズ、これを備えた光ピックアップ装置、更には、これを備えた記録再生装置を得ることができる。
本発明にかかる光ピックアップ装置の構成を示す概念図である。 実施例1の対物レンズにかかる断面図である。 実施例1の対物レンズにかかる、基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図である。 実施例2の対物レンズにかかる断面図である。 実施例2の対物レンズにかかる、基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図である。 実施例3の対物レンズにかかる断面図である。 実施例3の対物レンズにかかる、基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図である。 実施例4の対物レンズにかかる断面図である。 実施例4の対物レンズにかかる、基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図である。 実施例5の対物レンズにかかる断面図である。 実施例5の対物レンズにかかる、基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図である。 実施例6の対物レンズにかかる断面図である。 実施例6の対物レンズにかかる、基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図である。 実施例7の対物レンズにかかる断面図である。 実施例7の対物レンズにかかる、基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図である。 実施例8の対物レンズにかかる断面図である。 実施例8の対物レンズにかかる、基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図である。 実施例9の対物レンズにかかる断面図である。 実施例9の対物レンズにかかる、基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
一般に、回折輪帯(各輪帯の位置)のピッチは、後述の実施例で詳述する位相差関数若しくは光路差関数を使って定義される。具体的には、位相差関数Φbは単位をラジアンとして以下の〔数1〕で表され、光路差関数ΦBは単位をmmとして〔数2〕で表わされる。
これら2つの表現方法は、単位が異なるが、回折輪帯のピッチを表わす意味では同等である。即ち、主波長λ(単位mm)に対し、位相差関数の係数bに、λ/2πを掛ければ光路差関数の係数Bに換算でき、また逆に光路差関数の係数Bに、2π/λを掛ければ位相差関数の係数bに換算できる。
今、説明を簡単にする為、1次回折光を用いる回折レンズについて述べることにすると、光路差関数なら、関数値が主波長λの整数倍を超える毎に輪帯が刻まれ、位相差関数なら、関数値が2πの整数倍を超える毎に輪帯が刻まれることになる。
例えば、屈折パワーのない円筒状の両平面の物体側面に回折輪帯を刻んだレンズを想定し、主波長を0.5μ=0.0005mm、光路差関数の2次係数(2乗項)を−0.05(位相差関数の2次係数に換算すると−628.3)、他の次数の係数を全て零とすると、第1輪帯の半径はh=0.1mmであり、第2輪帯の半径はh=0.141mmということになる。また、この回折レンズの焦点距離fについては、光路差関数の2次係数B2=−0.05に対して、f=−1/(2・B2)=10mmとなることが知られている。
今、上記の定義を基にした場合、位相差関数若しくは光路差関数の2次係数を零でない値とすることにより、レンズにパワーを持たせることができる。また、位相差関数若しくは光路差関数の2次以外の係数、例えば、4次係数、6次係数、8次係数、10次係数等を零でない値とすることにより、球面収差を制御することができる。尚、ここで、制御するということは、屈折パワーを有する部分が持つ球面収差を、逆の球面収差を発生させて補正したり、全体の球面収差を所望な値にすることを意味する。
以下、対物レンズの具体的な実施例について説明する。
実施例1〜5の光ピックアップ用対物レンズは、次の〔数3〕で表される非球面形状を光学面の両面に有している。
ただし、Zは光軸方向の軸、hは光軸と垂直方向の軸(光軸からの高さ:光の進行方向を正とする)、R0は近軸曲率半径、κは円錐係数、Aは非球面係数、Pは非球面のべき数である。
表1には、各実施例の屈折パワー比率φR/φ、r1、屈折率n、焦点距離f、輪帯数最小ピッチ、および下記の式(38)での値を示している。但し、fRは屈折の焦点距離である。
r1/{(n−1)・fR} (38)
(実施例1)
実施例1は、基準波長λ=400nm、焦点距離f=2、14mm、開口数0.70、材料にオレフィン系樹脂を用いたものである。表2にレンズデータ、図2に断面図、図3に基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図を示す。一方、表3に温度変化(±30℃)、波長変化(λ±10nm)に対する球面収差の値を示す。なお、温度変化、波長変化による球面収差の変化は3次球面収差の成分が主体なのでここでは3次球面収差のみ示す。表中には、比較例として同じ焦点距離、同じ開口数、同じ材料で設計した屈折系のみの単レンズを示す。本実施例では、比較例のレンズでは発生している温度変化による球面収差変化が十分に補正されている。尚、表2及び他の表に示すレンズデータにおいて、10のべき乗数(例えば3×10−2)を、Eを用いて(例えば3E−2)と表現している。
実施例2〜9の仕様は、屈折のパワー比率が、φR/φ=0.5〜1.1で、基準波長λ=650nm、焦点距離f=2.14mm、開口数0.65、材料にPC(ポリカーボネート)樹脂を用いたものである。
また、表4に温度変化(基準温度±30℃)、波長変化(基準波長±10nm)に対する球面収差の値を示す。なお、温度変化、波長変化による球面収差の変化は3次球面収差の成分が主体なのでここでは3次球面収差のみ示す。表中には、比較例として同じ焦点距離、同じ開口数、同じ材料で設計した屈折系のみの単レンズを示す。表中のfbは基準温度における基準波長と基準温度における基準波長が±10nm変化した時との焦点位置の変化量を表している。
(実施例2)
前記の仕様で屈折パワー比がφR/φ=0.5の実施例である。表5にレンズデータ、図4に断面図、図5に基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図を示す。表4より、本実施例では、比較例のレンズでは発生している温度変化による球面収差変化が十分に補正されていることがわかる。
(実施例3)
前記の仕様で、屈折パワー比がφR/φ=0.6の実施例である。表6にレンズデータ、図6に断面図、図7に基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図を示す。表4より、本実施例では、比較例のレンズでは発生している温度変化による球面収差変化が十分に補正されていることがわかる。
(実施例4)
前記の仕様で、屈折パワー比がφR/φ=0.78の実施例である。表7にレンズデータ、図8に断面図、図9に基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図を示す。表4より、本実施例では、比較例のレンズでは発生している温度変化による球面収差変化が十分に補正されていることがわかる。
(実施例5)
前記の仕様で、屈折パワー比がφR/φ=0.9の実施例である。表8にレンズデータ、図10に断面図、図11に基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図を示す。表4より、本実施例では、比較例のレンズでは発生している温度変化による球面収差変化が十分に補正されていることがわかる。
(実施例6)
前記の仕様で、屈折パワー比がφR/φ=0.95の実施例である。表9にレンズデータ、図12に断面図、図13に基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図を示す。表4より、本実施例では、比較例のレンズでは発生している温度変化による球面収差変化が十分に補正されていることがわかる。
(実施例7)
前記の仕様で屈折パワ一比がφR/φ=1.0の実施例である。表10にレンズデータ、図14に断面図、図15に基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図を示す。表4より、本実施例では、比較例のレンズでは発生している温度変化による球面収差変化が十分に補正されていることがわかる。
(実施例8)
前記の仕様で屈折パワー比がφR/φ=1.1の実施例である。表11にレンズデータ、図16に断面図、図17に基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図を示す。表12より、本実施例では、比較例のレンズでは発生している温度変化による球面収差変化が十分に補正されていることがわかる。
さて、上述した実施例2〜8では、温度によって光の波長が変化しない光源(例えば、SHGレーザーなど)に特に適した対応の実施例である。次に示す実施例では、比較的安価な半導体レーザーを光源にした時の実施例である。一般に半導体レーザーは、使用環境の温度が変化するとレーザー波長も変化する。本実施例では、半導体レーザーの温度によるレーザー波長変化が、0.2nm/℃とした。
(実施例9)
前記の仕様で、屈折パワー比がφR/φ=0.95の実施例である。表12にレンズデータ、図18に断面図、図19に基準波長、基準温度(25℃)における球面収差図と非点収差図を示す。実施例と比較例との差を示す表13より、比較例のレンズでは波長の変化による球面収差、温度変化により発生している球面収差により、収差が劣化しているが、本実施例では球面収差が十分に補正されていることがわかる。
さて、以上の実施例より温度変化による球面収差変化を補正するという効果は、屈折パワー比率に依存しない。しかし、輪帯数、最小ピッチ、基準波長以外での球面収差、波長シフト(半導体レーザーのモードホップ等)に影響のある焦点位置の差等は、屈折のパワーに依存する。したがって、金型加工精度、光学系の仕様等により屈折パワーを最適な比率にする必要がある。
尚、レーザ光の波長に対する素材の屈折率の変化を表14に示す。
図1は、上記の対物レンズの実施例1〜9を適用した光ピックアップ装置の実施の形態の例を示す概念図である。この実施の形態の例では、半導体レーザを用いているので、特に実施例1,9の対物レンズを適用することが望ましい。光ピックアップ装置1において、光源である半導体レーザ11からの光束は、偏光ビームスプリッタ12で反射し、コリメータ13および1/4λ板14を透過して円偏光の平行光束となり、絞り3により所定開口数に絞られ、回折一体型対物レンズ15によって光情報記録媒体である高密度記録用光ディスク16の透明基板16’を介して情報記録面16’’上にスポットを形成する。半導体レーザ光の波長(基準波長)は、680nm以下であること好ましく、500nm以下であると更に好ましい。ここでは、実施例1〜9の対物レンズの仕様に合わせて、実施例1の対物レンズに対しては400nm、実施例2〜9の対物レンズに対しては、650nmのレーザ光を用いた。
情報記録面16’’で情報ビットにより変調された反射光束は、再ぴ回折一体型対物レンズ15、絞り3、1/4λ板14、コリメータ13を介して収束光となり、偏光ビ―ムスプリッタ12を透過し、シリンドリカルレンズ17と凹レンズ18と経て、非点収差と倍率変換がなされ、光検出器18に収束する。尚、図中の2は、フォーカス制御およびトラッキング制御のためのアクチュエ―タである。尚、絞り3も実施例1〜9の対物レンズの仕様に合わせて、ディスク16側の開口数が所定の値となるように適宜設定した。
対物レンズ15は、レンズ面の外側にフランジ部15aを有し、かかるフランジ部15aには、射出成形時のゲート位置に対応して切り欠き部(不図示)が設けられている。
又、実施例1〜9のいずれの対物レンズを用いた場合においても、対物レンズ15の、半導体レーザ光の波長λ(nm)におけるパワーをφ、屈折パワーをφRとしたとき、
0.3≦φR/φ≦1.5 (39)
を満たすようになっている。
更に、対物レンズ15の光情報記録媒体側とは反対側のべース面の近軸曲率半径をr1(mm)、前記対物レンズの屈折率をn、屈折の焦点距離をfR(mm)としたとき、
1.0≦r1/{(n−1)・fR}≦1.2 (40)
を満たすようになっている。
又、環境温度20℃ないし30℃の範囲内での温度変化△T(℃)に対する前記対物レンズの屈折率変化量を△nとしたとき、
−0.002/℃≦△n/△T≦−0.00005/℃ (41)
を満たすようになっている。
尚、本発明は以上の実施形態および実施例に限定されるものではない。例えば、上記の実施の形態の例では、1つの光源のみを有する光ピックアップ装置を示したが、互いに数10nm以上異なる2以上の波長の光(光源)を有する光ピックアップ装置等にも適用できるものである。また、このとき、少なくとも1つの波長の光に対して(また、場合によっては、その光が使用できる光情報記録媒体が少なくとも1つに対して)、本発明の構成を満たすものは本発明に含まれるものである。又、例えば、上記の実施の形態の例では、コリメータを用いて略平行光が対物レンズに入射される光ピックアップ装置及びそれに適した対物レンズを示したが、コリメータを使用しない、あるいは光束の発散角を変更する他の手段を使用し、対物レンズに発散光又は収束光を入射させる光ピックアップ装置にも本発明を適用できることは勿論である。
また、上記の対物レンズの実施例では、プラスチック単レンズからなる対物レンズを示したが、前述の通り、その構成を限定していない限り、少なくとも1枚のプラスチックレンズを含んでいれば、2枚以上のレンズからなる場合を含むものである。
また、本出願人によって先に出願された特願平11−287765号に記載の光ピックアップ用光学系の対物レンズ光学系、あるいは光ピックアップ装置の対物レンズ光学系に、本発明に係る対物レンズを適用することが可能である。その場合には、光源から出射された光束の発散角を変換するカップリング光学系(略平行光束とするコリメート光学系を含む)の少なくとも1つの面に設けた回折面(回折パターン)によって、本発明に係る少なくとも1つの面に回折パターンを有する対物レンズの軸上色収差を補正(小さく)したり、あるいは本発明に係る少なくとも1つの面に回折パターンを有する対物レンズを含む光学系全体の軸上色収差を補正(小さく)すること等が可能となり、そのような軸上色収差が補正された光ピックアップ装置を実現できるといった効果を奏することができる
1 光ピックアップ
2 アクチュエータ
3 絞り
11 半導体レーザ
12 偏光ビームスプリッ夕
13 コリメー夕
14 1/4λ板
15 回折一体型対物レンズ
16 光ディスク
17 シリンドリカルレンズ
18 凹レンズ
19 光検出器

Claims (37)

  1. 波長λ(nm)の光束を出射する光源と、
    前記光源から出射された光束を、光情報記録媒体の透明基板を介して前記光情報記録媒体の情報記録面上に集光させるための対物レンズと、
    前記光情報記録媒体からの反射光を受光するための光検出器とを有し、
    前記対物レンズは屈折パワーを有するプラスチックレンズを含み、
    前記対物レンズの少なくとも1つの面に回折パターンを有し、
    前記対物レンズの光情報記録媒体側の開口数NAは、
    NA≧0.58
    を満たすとともに、
    前記光源の波長λ(nm)の±5nmの範囲内での波長変化△λ1(nm)に対する前記対物レンズの3次軸上球面収差変化量を△SA2とし、環境温度20℃ないし30℃の範囲内での温度変化△T(℃)に対する前記対物レンズの3次軸上球面収差変化量を△SA1としたとき、
    (ΔSA2/Δλ1)*(ΔSA1/ΔT)<0λrms/(℃.nm)
    を満たすことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記3次軸上球面収差変化量△SA2は、
    △SA2/△λ1<0λrms/nm
    を満たすとともに、前記3次軸上球面収差変化量△SA1は、
    △SA1/△T>0λrms/℃
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 環境温度20℃ないし30℃の範囲内での温度変化△T(℃)に対する前記光源の波長変化量を△λ2(nm)としたとき、
    0nm/℃<△λ2/△T≦0.5nm/℃
    を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記3次軸上球面収差変化量△SA1は、
    |△SA1/△T│≦0.001λrms/℃
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  5. 波長λ(nm)の光束を出射する光源と、
    前記光源から出射された光束を、光情報記録媒体の透明基板を介して前記光情報記録媒体の情報記録面上に集光させるための対物レンズと、
    前記光情報記録媒体からの反射光を受光するための光検出器とを有し、
    前記対物レンズは屈折パワーを有するプラスチックレンズを含み、
    前記対物レンズの少なくとも1つの面に回折パターンを有し、
    前記対物レンズの光情報記録媒体側の開口数NAは、
    NA≧0.58
    を満たすとともに、
    環境温度20℃ないし30℃の範囲内での温度変化△T(℃)に対する前記対物レンズの3次軸上球面収差変化量を△SA1としたとき、
    │△SA1/△T│≦0.001λrms/℃
    を満たすことを特徴とする光ピックアップ装置。
  6. 波長λ(nm)の光束を出射する光源と、
    前記光源から出射された光束を、光情報記録媒体の透明基板を介して前記光情報記録媒体の情報記録面上に集光させるための対物レンズと、
    前記光情報記録媒体からの反射光を受光するための光検出器とを有し、
    前記対物レンズは屈折パワーを有するプラスチックレンズを含み、
    前記対物レンズの少なくとも1つの面に回折パターンを有し、
    前記対物レンズの光情報記録媒体側の開口数NAは、
    0.58>NA≧0.48
    を満たすとともに、
    環境温度20℃ないし30℃の範囲内での温度変化△T(℃)に対する前記対物レンズの3次軸上球面収差変化量を△SA1としたとき、
    │△SA1/△T│≦0.00040λrms/℃
    を満たすことを特徴とする光ピックアップ装置。
  7. 波長λ(nm)の光束を出射する光源と、
    前記光源から出射された光束を、光情報記録媒体の透明基板を介して前記光情報記録媒体の情報記録面上に集光させるための対物レンズと、
    前記光情報記録媒体からの反射光を受光するための光検出器とを有し、
    前記対物レンズは屈折パワーを有するプラスチックレンズを含み、
    前記対物レンズの少なくとも1つの面に回折パターンを有し、
    前記光源の波長λ(nm)は、
    λ≦680nm
    を満たすと共に、
    環境温度20℃ないし30℃の範囲内での温度変化△T(℃)に対する前記対物レンズの3次軸上球面収差変化量を△SA1としたとき、
    |△SA1/△T|≦0.001λrms/℃
    を満たすことを特徴とする光ピックアップ装置。
  8. 前記光源の波長λ(nm)は、
    λ≦500nm
    を満たすことを特徴とする請求項7に記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記光源の波長λ(nm)と前記対物レンズの光情報記録媒体側の開口数NAとは、
    0.00015/nm≦(NA)/λ≦40/nm
    を満たすことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記光源の波長λ(nm)と前記対物レンズの光情報記録媒体側の開口数NAとは、
    10nm≦λ/NA≦1100nm
    を満たすことを特微とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  11. 前記光源の波長λ(nm)の±5nmの範囲内での波長変化△λ1(nm)に対する前記対物レンズの3次軸上球面収差変化量を△SA2としたとき、
    │△SA2/△λ1|≦0.10λrms/nm
    を満たすことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の光ピックアッ
    プ装置。
  12. 前記光源の波長λ(nm)の±5nmの範囲内での波長変化△λ1(nm)に対する前記対物レンズの焦点位置変化量を△f(μm)としたとき、
    |△f/△λ1│≦200
    を満たすことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  13. 前記対物レンズの少なくとも1つの面は非球面であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  14. 前記対物レンズの少なくとも2つの面は非球面であること
    を特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  15. 前記回折パターンは光軸を略中心とする同心円状の複数輪帯の形状を有し、前記複数輪帯の各輪帯の位置を表す光路差関数が、少なくともべき級数の6次項を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の光ピックアッア装置。
  16. 前記対物レンズは、前記プラスチックレンズの単レンズからなることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  17. 前記対物レンズの前記光源の波長λ(nm)におけるパワーをφ、屈折パワーをφRとしたとき、
    0.3≦φR/φ≦1.5
    を満たすことを特徴とする請求項16に記載の光ピックアップ装置。
  18. 前記対物レンズの光情報記録媒体側とは反対側のべース面の近軸曲率半径をr1(mm)、前記対物レンズの屈折率をn、屈折の焦点距離をfR(mm)としたとき、
    1.0≦r1/{(n−1)・fR}≦1.2
    を満たすことを特徴とする請求項16又は17に記載の光ピックアップ装置。
  19. 環境温度20℃ないし30℃の範囲内での温度変化△T(℃)に対する前記対物レンズの屈折率変化量を△nとしたとき、
    −0.002/℃≦△n/△T≦−0.00005/℃
    を満たすことを特徴とする請求項16〜18のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  20. 前記対物レンズは、非晶質ポリオレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂及びフルオレン系樹脂のいずれかの樹脂からなることを特徴とする請求項16〜19のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  21. 前記対物レンズの光学機能部の外周にフランジ部を有することを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  22. 前記フランジ部の一部に切り欠き部を有することを特徴とする請求項21に記載の光ピックアップ装置。
  23. 光ピックアップ装置用対物レンズにおいて、屈折パワーを有し少なくとも一つの面に回折パターンを有するプラスチックの単レンズからなり、光情報記録媒体が配置される側とは反対側のベース面の近軸曲率半径をr1(mm)、屈折率をn、屈折の焦点距離をfR(mm)としたときに、
    1.0≦r1/{(n−1)・fR}≦1.2
    を満たすことを特徴とする光ピックアップ装置用対物レンズ。
  24. 前記回折パターンは光軸を略中心とする同心円状の複数輪帯の形状を有し、前記複数輪帯の各輪帯の位置を表す光路差関数が、少なくともべき級数の6次項を含むことを特徴とする請求項23に記載の光ピックアッア装置用対物レンズ。
  25. 少なくとも1つの面は非球面であることを特徴とする請求項23又は24に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
  26. 両面が非球面であることを特徴とする請求項23又は24に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
  27. 屈折パワーを有する少なくとも1つのプラスチックレンズを含み、少なくとも1面を非球面としたことによって、環境温度変化による軸上球面収差変化量を補正したとともに、少なくとも1面に回折パターンを設けたことによって、球面収差を補正したことを特徴とする光ピックアップ装置用対物レンズ。
  28. 前記対物レンズは、前記プラスチックレンズの単レンズからなることを特徴とする請求項27に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
  29. 屈折パワーを有するプラスチックレンズを含み、少なくとも1つの面に回折パターンを有する対物レンズに、測定光源から波長λ(nm)の光束を入射させ、環境温度20℃ないし30℃の範囲内での温度変化△T(℃)に対する前記対物レンズの3次軸上球面収差変化量△SAXを測定したときに、前記3次軸上球面収差変化量△SAXは、
    |△SAX/△T|≦0.001λrms/℃
    を満たすことを特徴とする光ピックアップ装置用対物レンズ。
  30. 前記測定は、フィゾー型干渉計又はトワイマングリーン干渉計により行うことを特徴とする請求項29又は30に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
  31. 前記測定光源の波長λ(nm)は、680nm以下であることを特徴とする請求項29又は30に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
  32. 前記測定光源の波長λ(nm)は、633nmであることを特徴とする請求項29又は30に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
  33. 前記測定光源の波長λ(nm)は、500nm以下であることを特徴とする請求項29又は30に記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
  34. 前記対物レンズにおける、光束を射出する側の開口数が0.58以上であることを特徴とする請求項29乃至33のいずれかに記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
  35. 前記対物レンズにおける、光束を射出する側の開口数が0.62以上であることを特徴とする請求項29乃至33のいずれかに記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
  36. 前記測定によって得られる波面収差の3次軸上球面収差成分の絶対値が、環境温度20℃ないし30℃の範囲内で0.07λrms以下であることを特徴とする請求項29乃至35のいずれかに記載の光ピックアップ装置用対物レンズ。
  37. 光源からの光を用いて、透明基板を備えた光情報記録媒体に対して情報の記録及び/又は再生を行う光ピックアップ装置に用いる光ピックアップ装置用対物レンズであって、屈折パワーを有するプラスチックレンズを含み、
    前記対物レンズに対して、前記光ピックアップ装置の光源からの光束と略同一の波長を有する測定光を照射可能な測定光源と、前記光情報記録媒体の透明基板と略同一の屈折率及び厚さを有する測定媒体とを、前記光ピックアップ装置の光源及び透明基板に対する位置関係と等価に設定し、
    前記対物レンズに、前記測定光源から波長λ(nm)の測定光を入射させ、前記対物レンズの温度を20℃ないし30℃の範囲内で変化させたときにおける、温度変化△T(℃)に対する前記対物レンズの3次軸上球面収差変化量△SAXを測定したときに、前記3次軸上球面収差変化量△SAXは、
    |△SAX/△T|≦0.001λrms/℃
    を満たすことを特徴とする光ピックアップ装置用対物レンズ。
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