JP2009282494A - ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents

ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】露光量が変動した際のレジストパターン寸法の変化が小さい(ELマージンが大きい)ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法の提供。
【解決手段】酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A)および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有し、(A)成分は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a2)とを有し、かつ、(B)成分は、一般式(b1)[式中、Qは酸素原子を含む2価の連結基、Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基又はフッ素化アルキレン基、Xは置換基を有していてもよい炭素数3〜30の炭化水素基、Aは有機カチオンである。]で表される化合物からなる酸発生剤(B1)を含有するポジ型レジスト組成物。
[化1]
Figure 2009282494

【選択図】なし

Description

本発明は、ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法に関する。
リソグラフィー技術においては、例えば基板の上にレジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、所定のパターンが形成されたマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のFエキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化するベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジストが用いられている。
たとえば、ポジ型の化学増幅型レジストは、ベース樹脂として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂と酸発生剤とを含有しており、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、露光部がアルカリ現像液に対して可溶となる。
これまで、化学増幅型レジストのベース樹脂としては、KrFエキシマレーザー(248nm)に対する透明性が高いポリヒドロキシスチレン(PHS)やその水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護した樹脂(PHS系樹脂)が用いられている(たとえば、特許文献1参照)。
また、その酸解離性溶解抑制基としては、1−エトキシエチル基に代表される鎖状エーテル基もしくはテトラヒドロピラニル基に代表される環状エーテル基等のいわゆるアセタール基、tert−ブチル基に代表される第3級アルキル基、tert−ブトキシカルボニル基に代表される第3級アルコキシカルボニル基等が主に用いられている。
一方、化学増幅型レジストにおいて使用される酸発生剤としては、これまで多種多様のものが提案されており、たとえばヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤などが知られている。現在、酸発生剤としては、トリフェニルスルホニウム骨格、ジナフチルモノフェニルスルホニウム骨格等を含む酸発生剤が用いられている(たとえば、特許文献2参照)。
特開平4−211258号公報 特開2005−37888号公報
近年、レジストパターンの微細化はますます進み、従来のレジスト組成物においては、より高解像性の実現とともに、種々のリソグラフィー特性の向上がこれまで以上に求められている。
たとえば、そのなかの一つとして、パターン形成の際のプロセスマージン等を向上させるため、露光量マージン(ELマージン)の向上が求められている。
「ELマージン」とは、露光量を変化させて露光した際に、ターゲット寸法に対するずれが所定の範囲内となる寸法でレジストパターンを形成できる露光量の範囲、すなわちマスクパターンに忠実なレジストパターンが得られる露光量の範囲のことであり、ELマージンは、その値が大きいほど、露光量の変動に伴うパターンサイズの変化量が小さく、プロセスの余裕度が向上するため好ましい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、露光量が変動した際のレジストパターン寸法の変化が小さい(ELマージンが大きい)ポジ型レジスト組成物、および該ポジ型レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A)、および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有するポジ型レジスト組成物であって、前記樹脂成分(A)は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a2)とを有し、かつ、 前記酸発生剤成分(B)は、下記一般式(b1)で表される化合物からなる酸発生剤(B1)を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
Figure 2009282494
[式(b1)中、Qは酸素原子を含む2価の連結基である。Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。Xは置換基を有していてもよい炭素数3〜30の炭化水素基であり、Aは有機カチオンである。]
本発明の第二の態様は、支持体上に、前記第一の態様のポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
本明細書および本特許請求の範囲において、「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
また、「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」は、炭素数1〜5のアルキル基である。
「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方又は両方を意味する。
「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。
「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「構成単位」とは、高分子化合物(重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明により、露光量が変動した際のレジストパターン寸法の変化が小さい(ELマージンが大きい)ポジ型レジスト組成物、および該ポジ型レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法が提供できる。
≪ポジ型レジスト組成物≫
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A)(以下、(A)成分という。)、および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)を含有する。
本発明のポジ型レジスト組成物において、(A)成分は、露光前はアルカリ現像液に対して不溶性であり、露光により前記(B)成分から発生した酸が作用すると、酸解離性溶解抑制基が解離し、これによって(A)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、アルカリ不溶性からアルカリ可溶性に変化する。そのため、レジストパターンの形成において、ポジ型レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないため、アルカリ現像によりレジストパターンを形成することができる。
<(A)成分>
本発明において、(A)成分は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a2)とを有する。
[構成単位(a1)]
本発明において、構成単位(a1)は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位である。
本明細書および本特許請求の範囲において、「ヒドロキシスチレン」とは、ヒドロキシスチレン、およびヒドロキシスチレンのα位の水素原子がアルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。具体的には、少なくともベンゼン環と、該ベンゼン環に結合する水酸基が維持されており、たとえば、ヒドロキシスチレンのα位に結合する水素原子が、炭素数1〜5の低級アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、ならびに、ヒドロキシスチレンの水酸基が結合したベンゼン環に、さらに炭素数1〜5の低級アルキル基が結合したものや、この水酸基が結合したベンゼン環に、さらに1〜2個の水酸基が結合したもの(このとき、水酸基の数の合計は2〜3である。)等を包含するものとする。
なお、「α位(α位の炭素原子)」とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことである。
「ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
構成単位(a1)に含まれる好適なものとしては、下記一般式(a1−1)で表される構成単位が例示できる。
Figure 2009282494
[式(a1−1)中、R’は水素原子または低級アルキル基であり;Rは低級アルキル基であり;pは1〜3の整数であり;qは0〜2の整数である。]
前記一般式(a1−1)中、R’の低級アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
R’としては、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
pは1〜3の整数であり、好ましくは1である。
水酸基の結合位置は、フェニル基のo−位、m−位、p−位のいずれでもよい。pが1である場合は、容易に入手可能で低価格であることからp−位が好ましい。pが2または3の場合は、任意の置換位置を組み合わせることができる。
qは0〜2の整数である。これらのうち、qは0または1であることが好ましく、特に工業上、0であることが好ましい。
の低級アルキル基としては、R’の低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
の置換位置は、qが1である場合はo−位、m−位、p−位のいずれでもよい。qが2である場合は、任意の置換位置を組み合わせることができる。このとき、複数のRは、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
構成単位(a1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分中の構成単位(a1)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して50〜90モル%であることが好ましく、55〜85モル%であることがより好ましく、60〜80モル%であることがさらに好ましい。該範囲内であると、レジスト組成物とした際に適度なアルカリ溶解性が得られるとともに、他の構成単位とのバランスが良好である。
[構成単位(a2)]
本発明において、構成単位(a2)は、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位である。
構成単位(a2)としては、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位であれば特に限定されるものではなく、たとえば、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(以下「構成単位(a21)」という。)、前記構成単位(a1)におけるヒドロキシ基の水素原子が酸解離性溶解抑制基又は酸解離性溶解抑制基を含む有機基により置換されてなる構成単位(以下「構成単位(a22)」という。)等が挙げられる。
前記構成単位(a21)の好適なものとしては、下記一般式(a2−1)で表される構成単位が挙げられる。
また、構成単位(a22)の好適なものとしては、下記一般式(a2−2)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2009282494
[式(a2−1)中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;Rは酸解離性溶解抑制基または酸解離性溶解抑制基を含む有機基を表す。]
前記一般式(a2−1)中、Rは、水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示す。
Rの低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
Rのハロゲン化低級アルキル基は、低級アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基である。ハロゲン化低級アルキル基における低級アルキルとしては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
Rとしては、水素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが特に好ましい。
Figure 2009282494
[式(a2−2)中、R’は水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基であり;Rは炭素数1〜5の低級アルキル基であり;pは1〜3の整数であり;qは0〜2の整数である。Rは酸解離性溶解抑制基又は酸解離性溶解抑制基を含む有機基を表す。]
前記一般式(a2−2)中、R’、pおよびqは、上記一般式(a1−1)中のR’、pおよびqとそれぞれ同じである。
前記一般式(a2−2)中、Rは、上記一般式(a1−1)中のRと同様のものが挙げられる。
−ORの結合位置は、フェニル基のo−位、m−位、p−位のいずれでもよい。pが1である場合は、容易に入手可能で低価格であることからp−位が好ましい。pが2または3の場合は、任意の置換位置を組み合わせることができる。このとき、複数の−ORは、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
前記一般式(a2−1)および(a2−2)中、RおよびRは、いずれも酸解離性溶解抑制基または酸解離性溶解抑制基を含む有機基を表す。
ここで、「酸解離性溶解抑制基」とは、露光により(B)成分から酸が発生した際に、該酸により解離し、露光後に(A)成分から脱離する基を意味する。
酸解離性溶解抑制基は、解離前は(A)成分全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、酸により解離して、この(A)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものである。
また、「酸解離性溶解抑制基を含む有機基」とは、酸解離性溶解抑制基と、酸で解離しない基又は原子(すなわち酸により解離せず、酸解離性溶解抑制基が解離した後も(A)成分に結合したままの基又は原子)とから構成される基を意味する。
以下、酸解離性溶解抑制基と、酸解離性溶解抑制基を含む有機基とを総称して「酸解離性溶解抑制基含有基」ということがある。
酸解離性溶解抑制基としては、特に限定されず、たとえばKrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、下記酸解離性溶解抑制基(I)、下記酸解離性溶解抑制基含有基(III)に例示する第3級アルキル基含有基等が挙げられる。
酸解離性溶解抑制基を含む有機基としては、特に限定されず、たとえばKrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト組成物用樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、上記で挙げた酸解離性溶解抑制基を含む有機基が挙げられ、たとえば、酸解離性溶解抑制基(I)を含む有機基としては、下記酸解離性溶解抑制基を有する有機基(II)、下記酸解離性溶解抑制基含有基(III)に例示する第3級アルキル基含有基(たとえば第3級アルキルオキシカルボニル基、第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基など)等が挙げられる。
・酸解離性溶解抑制基(I)
酸解離性溶解抑制基(I)としては、下記一般式(I−a)で表される基、下記一般式(I−b)で表される基が挙げられる。
Figure 2009282494
[式(I−a)中、R27は直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表し;Xは脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基又は炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。式(I−b)中、Xは前記式(I−a)におけるXと同じであり;Rは水素原子若しくは炭素数1〜5の低級アルキル基を表し、又は、XおよびRがそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であって、Xの末端とRの末端とが結合していてもよく;Rは水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。]
前記一般式(I−a)中、R27は、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す。
該アルキレン基は、炭素数1〜5であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましく、炭素数1〜2であることがさらに好ましい。
前記式(I−a)および(I−b)中、Xは、それぞれ独立して、脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基又は炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。
ここで、本明細書および特許請求の範囲における「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを意味し、飽和または不飽和のいずれでもよく、通常は飽和であることが好ましい。
における脂肪族環式基は1価の脂肪族環式基である。脂肪族環式基は、たとえば、従来のArFレジストにおいて多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。脂肪族環式基の具体例としては、たとえば、炭素数5〜7の脂肪族単環式基、炭素数10〜16の脂肪族多環式基が挙げられる。
炭素数5〜7の脂肪族単環式基としては、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が例示でき、具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサンなどから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
炭素数10〜16の脂肪族多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの中でもアダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が工業上好ましく、特にアダマンチル基が好ましい。
の芳香族環式炭化水素基としては、炭素数10〜16の芳香族多環式基が挙げられる。具体的には、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、1−ピレニル基等が挙げられ、2−ナフチル基が工業上特に好ましい。
の低級アルキル基としては、上記一般式(a1−1)のR’の低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基又はエチル基がより好ましく、エチル基が最も好ましい。
前記式(I−b)中、Rの低級アルキル基としては、上記一般式(a1−1)のR’の低級アルキル基と同様のものが挙げられる。工業的にはメチル基又はエチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
は、低級アルキル基または水素原子を表す。Rの低級アルキル基としては、Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。Rは、工業的には水素原子であることが好ましい。
特に、RおよびRのいずれか一方が水素原子であって、他方がメチル基であることが好ましい。
また、前記一般式(I−b)においては、XおよびRが、それぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であって、Xの末端とRの末端とが結合していてもよい。
この場合、前記一般式(I−b)においては、Rと、Xと、Xが結合した酸素原子と、該酸素原子およびRが結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
酸解離性溶解抑制基(I)としては、レジストパターン形状等に優れることから、Rが水素原子であり、かつ、Rが水素原子または低級アルキル基であることが好ましい。
酸解離性溶解抑制基(I)の具体例としては、たとえばXが低級アルキル基である基、すなわち1−アルコキシアルキル基としては、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−iso−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、iso−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基等が挙げられる。
また、Xが脂肪族環式基である基としては、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−(2−アダマンチル)オキシメチル基、下記式(I−a−1)で表される1−(1−アダマンチル)オキシエチル基等が挙げられる。
が芳香族環式炭化水素基である基としては、下記式(I−b−1)で表される1−(2−ナフチル)オキシエチル基等が挙げられる。
これらの中でも、1−エトキシエチル基が特に好ましい。
Figure 2009282494
・酸解離性溶解抑制基を有する有機基(II)
酸解離性溶解抑制基を有する有機基(II)としては、下記一般式(II)で表される基が挙げられる。かかる構造を有する有機基(II)においては、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸により、Yに結合した酸素原子と、RおよびRが結合した炭素原子との間の結合が切れて、−C(R)(R)−OXが解離する。
Figure 2009282494
[式(II)中、Xは脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基または炭素数1〜5の低級アルキル基を表し;Rは水素原子若しくは低級アルキル基を表し、又は、XおよびRがそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であって、Xの末端とRの末端とが結合していてもよく;Rは低級アルキル基または水素原子を表し;Yは2価の脂肪族環式基を表す。]
前記一般式(II)中、X、R、Rとしては、上記一般式(I−b)中のX、R、Rとそれぞれ同じである。
Yにおける2価の脂肪族環式基としては、上記Xにおける脂肪族環式基からさらに水素原子1つを除いた基が挙げられる。
・酸解離性溶解抑制基含有基(III)
酸解離性溶解抑制基含有基(III)は、上記酸解離性溶解抑制基(I)および酸解離性溶解抑制基を有する有機基(II)(以下、これらをまとめて「酸解離性溶解抑制基等(I)〜(II)」ということがある。)に分類されない酸解離性溶解抑制基含有基である。
酸解離性溶解抑制基含有基(III)としては、従来公知の酸解離性溶解抑制基含有基のうち、上記酸解離性溶解抑制基等(I)〜(II)に分類されない任意の酸解離性溶解抑制基含有基が使用できる。
酸解離性溶解抑制基含有基(III)として具体的には、たとえば、第3級アルキル基含有基が好適なものとして挙げられる。
ここで、本明細書において、「第3級アルキル基」とは、第3級炭素原子を有するアルキル基を示す。「アルキル基」は、上述のように、1価の飽和炭化水素基を示し、鎖状(直鎖状、分岐鎖状)のアルキル基および環状構造を有するアルキル基を包含する。
「第3級アルキル基含有基」は、その構造中に第3級アルキル基を含む基を示す。
第3級アルキル基含有基は、第3級アルキル基のみから構成されていてもよく、第3級アルキル基と、第3級アルキル基以外の他の原子又は基とから構成されていてもよい。
第3級アルキル基とともに第3級アルキル基含有基を構成する前記「第3級アルキル基以外の他の原子又は基」としては、カルボニルオキシ基、カルボニル基、アルキレン基、酸素原子等が挙げられる。
第3級アルキル基含有基としては、環状構造を有さない第3級アルキル基含有基、環状構造を有する第3級アルキル基含有基等が挙げられる。
環状構造を有さない第3級アルキル基含有基は、第3級アルキル基として分岐鎖状の第3級アルキル基を含有し、かつ、その構造内に環状構造を有さない基である。
分岐鎖状の第3級アルキル基としては、たとえば、下記一般式(III−a)で表される基が挙げられる。
Figure 2009282494
式(III−a)中、R21〜R23は、それぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である。該アルキル基の炭素数は1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
炭素数が1〜5のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
また、一般式(III−a)で表される基の全炭素数が4〜7となるように、上記R21〜R23のアルキル基を組み合わせることが好ましく、全炭素数が4〜6となるように該アルキル基を組み合わせることがより好ましく、全炭素数が4〜5となるように該アルキル基を組み合わせることが最も好ましい。一般式(III−a)で表される基の具体例としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基等が好ましく挙げられ、tert−ブチル基がより好ましい。
環状構造を有さない第3級アルキル基含有基としては、上述した分岐鎖状の第3級アルキル基;上述した分岐鎖状の第3級アルキル基が直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基に結合してなる第3級アルキル基含有鎖状アルキル基;第3級アルキル基として上述した分岐鎖状の第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニル基;第3級アルキル基として上述した分岐鎖状の第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基等が挙げられる。
第3級アルキル基含有鎖状アルキル基におけるアルキレン基としては、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜2のアルキレン基がさらに好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、たとえば下記一般式(III−b)で表される基が挙げられる。式(III−b)中のR21〜R23は、前記式(III−a)中のR21〜R23とそれぞれ同様である。鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)、tert−ペンチルオキシカルボニル基が好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、たとえば下記一般式(III−c)で表される基が挙げられる。式(III−c)中のR21〜R23は、前記式(III−a)中のR21〜R23とそれぞれ同様である。fは1〜3の整数であり、1または2が好ましい。鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、tert−ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ペンチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチルオキシカルボニルエチル基が好ましい。
Figure 2009282494
これらの中で、環状構造を有さない第3級アルキル基含有基としては、第3級アルキルオキシカルボニル基または第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基が好ましく、第3級アルキルオキシカルボニル基がより好ましく、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)が特に好ましい。
環状構造を有する第3級アルキル基含有基は、その構造内に、第3級炭素原子と環状構造とを有する基である。
環状構造を有する第3級アルキル基含有基において、環状構造は、環を構成する炭素数が4〜12であることが好ましく、5〜10であることがより好ましく、6〜10であることが最も好ましい。環状構造としては、例えばモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
環状構造を有する第3級アルキル基含有基としては、例えば、第3級アルキル基として下記(1)または(2)の基を有する基等が挙げられる。
(1)環状のアルキル基(シクロアルキル基)の環を構成する炭素原子に、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合し、該炭素原子が第3級炭素原子となっている基。
(2)シクロアルキル基の環を構成する炭素原子に、第3級炭素原子を有するアルキレン基(分岐鎖状のアルキレン基)が結合している基。
前記(1)の基における直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜5であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、1〜3であることが最も好ましい。
(1)の基の具体例としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基などの2−アルキル−2−アダマンチル基;1−メチル−1−シクロアルキル基、1−エチル−1−シクロアルキル基等が挙げられ、より具体的には、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、2−イソプロピル−2−アダマンチル基等が挙げられる。
前記(2)の基において、分岐鎖状のアルキレン基が結合しているシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
(2)の基の具体例としては、たとえば、下記一般式(IV)で表される基が挙げられる。
Figure 2009282494
式(IV)中、R24は、置換基を有していてもよく有していなくてもよいシクロアルキル基である。該シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
25、R26は、それぞれ独立して、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基としては、前記式(III−a)中のR21〜R23のアルキル基と同様のものが挙げられる。
また、環状構造を有する第3級アルキル基含有基としては、例えば、下記一般式(V)で表される基等も挙げられる。
Figure 2009282494
[式(V)中、Yは2価の連結基を示し、Xは脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基を示す。]
式(V)中、Yは2価の連結基を示す。
の2価の連結基としては、アルキレン基、2価の脂肪族環式基またはヘテロ原子を含む2価の連結基が挙げられる。
該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられること以外は前記環状構造を有する第3級アルキル基含有基についての説明における環状構造と同様のものを用いることができる。
がアルキレン基である場合、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。
が2価の脂肪族環式基である場合、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンから水素原子が2個以上除かれた基であることが特に好ましい。
がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、「−A−O(酸素原子)−B−(ただし、AおよびBはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。)」等が挙げられる。
が−NH−の場合における置換基(アルキル基、アシル基等)の炭素数としては1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜5であることが特に好ましい。
が「A−O−B」である場合、AおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。
炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が、水素原子以外の基または原子で置換されていることを意味する。
Aにおける炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
Aにおける脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
Aにおける脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、2〜5がさらに好ましく、2が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか又は鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。
多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
Aとしては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数2〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、エチレン基が最も好ましい。
Bにおける炭化水素基としては、前記Aで挙げたものと同様の2価の炭化水素基が挙げられる。
Bとしては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基またはアルキルメチレン基が特に好ましい。
アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
式(V)中、Xは、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基を示す。
の脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、特に限定されず、たとえばKrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、第3級アルキル基として説明した上記(1)または(2)の基等が挙げられる。
上記一般式(V)で表される基の具体例を以下に示す。
Figure 2009282494
(式中、R14は低級アルキル基であり、R13は水素原子またはメチル基であり、aは1〜10の整数である。rは0または1である。)
Figure 2009282494
(式中、R14は低級アルキル基であり、R13は水素原子またはメチル基であり、aは1〜10の整数であり、n’は1〜6の整数である。rは0または1である。)
前記一般式(a1−3−01)または(a1−3−02)において、R13は、水素原子が好ましい。
14の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましい。
aは、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1又は2が特に好ましい。
rは、1であることが好ましい。
酸解離性溶解抑制基含有基(III)において、第3級アルキル基含有基としては、レジストパターン形状又はリソグラフィー特性(焦点深度幅(DOF)等)に優れる点から、前記一般式(III−b)で表される鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基がより好ましく、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)が最も好ましい。
また、第3級アルキル基含有基としては、リソグラフィー特性(ELマージン、ラインワイズラフネス(LWR)等)に優れる点から、上記(1)の基を有する基、すなわち、環状のアルキル基(シクロアルキル基)の環を構成する炭素原子に、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合し、該炭素原子が第3級炭素原子となっている基を有する基(以下「第3級アルキル基含有基(1)」という。)も好ましい。
上記の中でも、前記一般式(a2−1)におけるR、又は式(a2−2)におけるRは、酸解離性溶解抑制基(I)、酸解離性溶解抑制基含有基(III)であることがより好ましく、酸解離性溶解抑制基(I)であることが特に好ましい。
酸解離性溶解抑制基(I)のなかでも、前記一般式(I−b)で表される基が最も好ましい。
酸解離性溶解抑制基含有基(III)のなかでも、前記一般式(III−b)で表される鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基、前記第3級アルキル基含有基(1)であることがより好ましく、前記一般式(III−b)で表される鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基であることが最も好ましい。
酸解離性溶解抑制基(I)は、露光により(A)成分から解離する際の脱保護エネルギーが小さいため、容易に解離できることから好ましい。前記一般式(III−b)で表される基は、前記脱保護エネルギーも小さく、リソグラフィー特性(特に焦点深度幅(DOF))が向上しやすいことからも好ましい。
構成単位(a2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のなかでも、構成単位(a2)は、本発明の効果がより良好なことから、構成単位(a22)を含有することがより好ましく、前記一般式(a2−2)で表される構成単位を含有することが特に好ましい。また、構成単位(a2)は、前記一般式(I−b)で表される酸解離性溶解抑制基を含む構成単位であることも、本発明の効果がより良好なことから好ましい。
(A)成分中の構成単位(a2)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して5〜70モル%が好ましく、5〜65モル%がより好ましく、5〜60モル%がさらに好ましく、5〜55モル%であることが最も好ましい。該範囲の下限値以上とすることにより、レジスト組成物とした際に良好なレジストパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスが良好である。
[他の構成単位]
(A)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)および(a2)以外の他の構成単位を含んでいてもよい。
他の構成単位としては、上述の構成単位(a1)および(a2)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではない。
他の構成単位は、例えば、スチレンから誘導される構成単位、酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位、極性基含有脂肪族炭化水素基(たとえば、水酸基含有環状アルキル基、水酸基含有鎖状アルキル基など)を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位等、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはKrFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
ここで、本明細書において、「ラクトン含有環式基」とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称し、これらを包含するものとする。
「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。
(スチレンから誘導される構成単位)
(A)成分は、上述したように、スチレンから誘導される構成単位(以下「構成単位(a3)」という。)を含んでいてもよい。構成単位(a3)を有することにより、アルカリ現像液に対する溶解性を調整することができる。また、レジスト組成物とした際、耐熱性やドライエッチング耐性が向上する。
本明細書において、「スチレン」とは、スチレンおよびスチレンのα位の水素原子がアルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体(ただし、上記ヒドロキシスチレンを除く。)を含む概念とする。また、フェニル基の水素原子が炭素数1〜5の低級アルキル基等の置換基で置換されたもの等も包含するものとする。
「スチレンから誘導される構成単位」とは、スチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
構成単位(a3)の好適なものとしては、下記一般式(a3−1)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2009282494
[式(a3−1)中、R’は前記と同じであり;Rは炭素数1〜5の低級アルキル基であり;rは0〜3の整数である。]
前記一般式(a3−1)中、R’およびRは、上記一般式(a1−1)中のR’およびRとそれぞれ同様のものが挙げられる。
rは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、工業上、0であることが特に好ましい。
rが1である場合、Rの置換位置は、フェニル基のo−位、m−位、p−位のいずれでもよい。rが2または3である場合には、任意の置換位置を組み合わせることができる。このとき、複数のRは、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
(A)成分中の構成単位(a3)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して1〜40モル%が好ましく、3〜30モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。該範囲の下限値以上であると、構成単位(a3)を有することによる効果が高く、上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
本発明のポジ型レジスト組成物において、(A)成分は、構成単位(a1)と構成単位(a2)とを有する樹脂成分である。
(A)成分のなかで好適なものとしては、構成単位(a1)と(a2)とを有する共重合体(A1)(以下「(A1)成分」という。)が挙げられる。かかる共重合体としては、たとえば、上記構成単位(a1)および(a2)からなる共重合体、上記構成単位(a1)、(a2)および(a3)からなる共重合体等が例示できる。
(A1)成分としては、特に下記の様な構成単位の組み合わせを含む共重合体(A1−1)、共重合体(A1−2)、共重合体(A1−3)、共重合体(A1−4)が例示できる。
Figure 2009282494
[式中、R’、R、RおよびXはそれぞれ上記と同じである。複数のR’はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。]
前記式(A1−1)中、R’は、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
およびRは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であることが好ましく、いずれか一方が水素原子で、かつ、他方がメチル基であることが最も好ましい。
は、炭素数1〜5の低級アルキル基であることが好ましく、エチル基であることが最も好ましい。
Figure 2009282494
[式中、R’は上記と同じである。R〜Rはそれぞれ独立して炭素数1〜5の低級アルキル基である。]
前記式(A1−2)中、R’は、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
〜Rの低級アルキル基は、R’における低級アルキル基と同様のものが挙げられ、R〜Rがいずれも直鎖状のアルキル基であるもの、R〜Rの炭素数が同じアルキル基であるものが好ましい。そのなかでも、R〜Rがいずれも直鎖状であって、かつ、炭素数が同じアルキル基であるものが特に好ましく、R〜Rがいずれもメチル基(tert−ブチル基)であるものが最も好ましい。
Figure 2009282494
[式中、R’は上記と同じである。Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し、R10は炭素数1〜5の低級アルキル基である。]
前記式(A1−3)中、R’は、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
Rは、上記Rと同じであり、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
10の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基、エチル基又はイソプロピル基が好ましい。
Figure 2009282494
[式中、R’は上記と同じである。Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;R14、aはそれぞれ前記と同じである。]
前記式(A1−4)中、R’は、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
Rは、上記Rと同じであり、水素原子またはメチル基が特に好ましい。
14の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましい。
aは、1〜5の整数がより好ましく、1又は2が特に好ましい。
(A)成分は、1種単独であってもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、(A)成分は、(A1)成分であることが好ましく、共重合体(A1−1)又は共重合体(A1−2)であることがより好ましい。そのなかでも、本発明の効果に加えてリソグラフィー特性がより良好であることから、共重合体(A1−1)、又は共重合体(A1−1)と共重合体(A1−2)との混合樹脂組成物が特に好ましい。
当該混合樹脂組成物における共重合体(A1−1)と共重合体(A1−2)との混合割合は、質量比で(A1−1)/(A1−2)=1/99〜99/1であることが好ましく、10/90〜90/10であることがより好ましく、20/80〜85/15であることがさらに好ましい。
共重合体(A1−1)が共重合体(A1−2)に対して上記の範囲内であることにより、解像性と、DOF等の他のリソグラフィー特性とのバランスがより優れる。
また、本発明において、(A)成分は、リソグラフィー特性(ELマージン、ラインワイズラフネス(LWR)等)に優れる点から、共重合体(A1−3)であることも好ましい。
(A)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを、たとえばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
また、(A)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH−CH−CH−C(CF−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
(A)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではなく、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限値以下であると、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限値以上であると、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
本発明のポジ型レジスト組成物において、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜の膜厚に応じて調整すればよい。
<(B)成分>
(B)成分は、下記一般式(b1)で表される化合物からなる酸発生剤(B1)(以下、(B1)成分という。)を含有する。
Figure 2009282494
[式(b1)中、Qは酸素原子を含む2価の連結基である。Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。Xは置換基を有していてもよい炭素数3〜30の炭化水素基であり、Aは有機カチオンである。]
前記式(b1)中、Qは酸素原子を含む2価の連結基である。
は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、酸素原子(エーテル結合;−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基;該非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。
該組み合わせとしては、たとえば、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−(式中、R91〜R93はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等が挙げられる。
91〜R93のアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。
としては、エステル結合、エステル結合を含む2価の連結基、エーテル結合、またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、なかでも、エステル結合、エーテル結合、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、または−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−がより好ましく、エステル結合、−R91−O−、または−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−が特に好ましい。
前記式(b1−1)中、Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。
のアルキレン基としては、前記Qで挙げたアルキレン基(R91〜R93)のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。
フッ素化アルキレン基としては、該アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
として、具体的には、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CF(CFCF)−、−C(CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−、−CF(CFCFCF)−、−C(CF)(CFCF)−;−CHF−、−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−、−CH(CF)CH−、−CH(CFCF)−、−C(CH)(CF)−、−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CH(CF)CHCH−、−CHCH(CF)CH−、−CH(CF)CH(CF)−、−C(CFCH−;−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCHCH)−、−C(CH)(CHCH)−等が挙げられる。
としては、フッ素化アルキレン基が好ましく、特に、隣接する硫黄原子に結合する炭素原子がフッ素化されているフッ素化アルキレン基が好ましい。かかる場合、露光により(B1)成分から、強い酸強度を有する酸が発生する。これにより、レジストパターン形状がより良好になり、また、リソグラフィー特性もより向上する。
このようなフッ素化アルキレン基としては、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−;−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−;−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CHCFCFCF−等を挙げることができる。
これらの中でも、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、又はCHCFCF−が好ましく、−CF−、−CFCF−又は−CFCFCF−がより好ましく、本発明の効果が特に良好に得られることから、−CF−が最も好ましい。
前記アルキレン基またはフッ素化アルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が「置換基を有する」とは、当該アルキレン基またはフッ素化アルキレン基における水素原子またはフッ素原子の一部または全部が、水素原子およびフッ素原子以外の原子または基で置換されていることを意味する。
アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
前記式(b1)中、Xは、置換基を有していてもよい炭素数3〜30の炭化水素基である。
Xの炭化水素基は、芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。
芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いたアリール基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族炭化水素基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
Xにおける脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
Xにおいて、脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
Xにおける「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基、または環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)が好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5が好ましく、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば下記式(L1)〜(L5)、(S1)〜(S4)等が挙げられる。
Figure 2009282494
[式中、Q”は炭素数1〜5のアルキレン基、−O−、−S−、−O−R94−または−S−R95−であり、R94およびR95はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは0または1の整数である。]
Q”、R94およびR95におけるアルキレン基としては、それぞれ、前記R91〜R93のアルキレン基についての説明における炭素数1〜5のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
これらの脂肪族環式基は、その環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
前記アルコキシ基、ハロゲン原子はそれぞれ前記水素原子の一部または全部を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
本発明において、Xは、置換基を有していてもよい環式基であることが好ましい。該環式基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましい。
前記芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L5)、(S3)〜(S4)等が好ましい。
また、(B1)成分は、本発明の効果に優れることから、アニオン部のフッ素化率(アニオン部に含まれるフッ素原子と水素原子との合計数に対するフッ素原子数の割合(%))が、1〜95%であることが好ましく、5〜90%であることがより好ましく、8〜50%であることがさらに好ましい。
式(b1)中、Aの有機カチオンとしては、特に制限されず、従来、オニウム塩系酸発生剤のカチオン部として知られているものを適宜用いることができる。かかるカチオン部としては、スルホニウムイオンまたはヨードニウムイオンが好ましく、特にスルホニウムイオンが好ましい。
具体例としては、たとえば、下記一般式(I−1)または(I−2)で表されるカチオン部が挙げられる。
Figure 2009282494
[式中、R”〜R”は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよいアルキル基であり、R”〜R”のうち少なくとも1つは前記アリール基であり、R”〜R”のうちの2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していてもよい。式中、R”〜R”は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよいアルキル基であり、R”〜R”のうち少なくとも1つは前記アリール基である。]
式(I−1)中、R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。
また、R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R”〜R”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
”〜R”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20の無置換のアリール基、該無置換のアリール基の水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基等で置換された置換アリール基、−(R’)−C(=O)−R’が挙げられる。R’は炭素数1〜5のアルキレン基である。R’はアリール基である。R’のアリール基としては、前記R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
無置換のアリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
置換アリール基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
置換アリール基におけるアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることが最も好ましい。
置換アリール基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
置換アリール基におけるアルコキシアルキルオキシ基としては、たとえば、一般式:−O−C(R47)(R48)−O−R49[式中、R47、R48はそれぞれ独立して水素原子または直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、R49はアルキル基である。
47、R48において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜5であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
47、R48は、少なくとも一方が水素原子であることが好ましい。特に、一方が水素原子であり、他方が水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
49のアルキル基としては、好ましくは炭素数が1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
49における直鎖状、分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
49における環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
置換アリール基におけるアルコキシカルボニルアルキルオキシ基としては、たとえば、一般式:−O−R50−C(=O)−O−R51[式中、R50は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基であり、R51は第3級アルキル基である。]で表される基が挙げられる。
50における直鎖状、分岐鎖状のアルキレン基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられる。
51における第3級アルキル基としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロペンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルペンチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基などが挙げられる。
”〜R”のアリール基としては、それぞれ、フェニル基またはナフチル基であることが好ましい。
”〜R”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、イオウ原子を含めて3〜10員環を形成していることが好ましく、5〜7員環を形成していることが特に好ましい。
”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、残りの1つは、アリール基であることが好ましい。前記アリール基は、前記R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
式(I−1)で表されるカチオン部の具体例としては、たとえば、トリフェニルスルホニウム、(3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(2−アダマントキシメチルオキシ)−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(2−アダマントキシメチルオキシ)フェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)フェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(2−メチル−2−アダマンチルオキシカルボニルメチルオキシ)フェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(2−メチル−2−アダマンチルオキシカルボニルメチルオキシ)−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウム、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウム、モノフェニルジメチルスルホニウム、ジフェニルモノメチルスルホニウム、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウム、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウム、ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウム、1−フェニルテトラヒドロチオフェニウム、1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオフェニウム、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム、1−(4−メトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム、1−(4−エトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム、1−フェニルテトラヒドロチオピラニウム、1−(4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウム、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウム、1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオピラニウム等が挙げられる。
式(I−2)中、R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のすべてがアリール基であることが好ましい。
”〜R”のアリール基としては、R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
”〜R”のアルキル基としては、R”〜R”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R”〜R”は、すべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(I−2)で表されるカチオン部の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム等が挙げられる。
また、好ましいカチオン部として、下記一般式(I−5)または(I−6)で表されるカチオン部が挙げられる。
Figure 2009282494
[式中、R40は水素原子またはアルキル基であり、R41はアルキル基、アセチル基、カルボキシ基、またはヒドロキシアルキル基であり、R42〜R46はそれぞれ独立してアルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、またはヒドロキシアルキル基であり;n〜nはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、ただし、n+nは5以下であり、nは0〜2の整数である。]
一般式(I−5)または(I−6)中のR40〜R46において、アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基であることが特に好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
OR40に付された符号nが2以上の整数である場合、複数のOR40はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
41〜R46に付された符号n〜nが2以上の整数である場合、複数のR41〜R46はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
は、好ましくは0又は1である。
は、好ましくは0〜2である。
およびnは、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0又は1である。
としては、式(I−1)または(I−5)で表されるカチオン部が好ましく、特に、下記式(I−1−1)〜(I−1−10)、(I−5−1)〜(I−5−4)で表されるカチオン部が好ましい。中でも、式(I−1−1)〜(I−1−8)で表されるカチオン部等の、トリフェニル骨格のカチオン部がより好ましい。
式(I−1−9)〜(I−1−10)中、R、Rは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基または炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、水酸基である。
uは1〜3の整数であり、1または2が最も好ましい。
Figure 2009282494
Figure 2009282494
本発明において、(B1)成分としては、下記一般式(b1−1)又は下記一般式(b1−2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2009282494
[式(b1−1)中、X、YおよびAはそれぞれ前記と同じであり、Qは単結合またはアルキレン基であり、m0は0または1である。]
式(b1−1)中、Xとしては、置換基を有していてもよい脂肪族環式基、または置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基が好ましい。中でも、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含む脂肪族環式基が好ましい。
のアルキレン基としては、上記Qで挙げたアルキレン基と同様のものが挙げられる。
としては、単結合またはメチレン基が特に好ましい。中でも、Xが置換基を有していてもよい脂肪族環式基である場合は、Qが単結合であることが好ましく、Xが芳香族炭化水素基である場合は、Qがメチレン基であることが好ましい。
m0は0であってもよく、1であってもよい。Xが置換基を有していてもよい脂肪族環式基である場合は、m0が1であることが好ましく、Xが芳香族炭化水素基である場合は、m0が0であることが好ましい。
Figure 2009282494
[式(b1−2)中、Rは置換基(ただし、窒素原子は除く。)を有していてもよい脂肪族基であり;R11はアルキレン基であり;YおよびAはそれぞれ前記と同じである。]
式中、Rは、置換基(ただし、窒素原子は除く。)を有していてもよい脂肪族基であり、具体的には、前記式(b1−1)中のXについての説明における、置換基を有していてもよい脂肪族環式基と同様のもの(ただし、窒素原子または窒素原子を含む置換基を有する脂肪族環式基を除く。)が挙げられる。
11は、前記式(b1−1)におけるQについての説明におけるアルキレン基と同様のものが挙げられる。
およびAは、前記式(b1−1)におけるYおよびAとそれぞれ同様のものが挙げられる。
(B1)成分としては、特に、下記一般式(b1−1−1)〜(b1−1−5)で表される化合物、下記一般式(b1−2−1)〜(b1−2−3)で表される化合物が好ましい。
Figure 2009282494
[式中、Q”、Aはそれぞれ前記と同じであり、tは1〜3の整数であり、m1〜m5はそれぞれ独立に0または1であり、v1〜v5はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、w1〜w5はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、R17は置換基である。]
17の置換基としては、前記Xにおいて、脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基、芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
17に付された符号(w1〜w5)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のR17はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
としては、上述したように、スルホニウムイオンまたはヨードニウムイオンが好ましく、前記一般式(I−1)または(I−5)で表されるカチオン部がより好ましく、前記一般式(I−1)で表されるカチオン部が最も好ましい。
Figure 2009282494
[式中、Aは前記と同じであり、tは1〜3の整数であり、v0は0〜3の整数であり、q1、q2およびq3はそれぞれ独立して1〜12の整数であり、r1およびr2はそれぞれ独立して0〜3の整数であり、gは1〜20の整数であり、R17’は置換基である。]
17’の置換基としては、前記Rにおいて、脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
17’に付された符号(r1、r2)が2以上の整数である場合、当該化合物における複数のR17’は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
tは、1または2が好ましい。
v0は、0〜2であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、0がさらに好ましい。
q1、q2およびq3は、それぞれ独立して1〜5であることが好ましく、1〜3であることが更に好ましい。
r1およびr2は、それぞれ独立して0〜2の整数であることが好ましく、0または1であることがさらに好ましい。
gは1〜15であることが好ましく、1〜10であることがさらに好ましい。
(B1)成分としては、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分中、(B1)成分の割合は、(B)成分の総質量に対し、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよく、100質量%であることが最も好ましい。(B1)成分の割合が上記範囲の下限値以上であると、本発明の効果が向上する。
(B1)成分は、従来公知の方法により製造できる。
(B1)成分として、たとえば、前記一般式(b1−1)で表される化合物、および前記一般式(b1−2)で表される化合物は、それぞれ以下のようにして製造できる。
[前記一般式(b1−1)で表される化合物の製造方法]
前記一般式(b1−1)で表される化合物は、下記一般式(b0−1)で表される化合物(b0−1)と、下記一般式(b0−2)で表される化合物(b0−2)とを反応させることにより製造できる。
Figure 2009282494
式(b0−1)および(b0−2)中、X、Q、m0、Y、Aは、それぞれ前記式(b1−1)中のX、Q、m0、Y、Aと同じである。
は、アルカリ金属イオンである。該アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン、リチウムイオン、カリウムイオン等が挙げられ、ナトリウムイオンまたはリチウムイオンが好ましい。
は、非求核性イオンである。
該非求核性イオンとしては、たとえば臭素イオン、塩素イオン等のハロゲンイオン、化合物(b0−01)よりも酸性度が低い酸になり得るイオン、BF 、AsF 、SbF 、PF またはClO 等が挙げられる。
における化合物(b0−01)よりも酸性度が低い酸になりうるイオンとしては、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等のスルホン酸イオンが挙げられる。
化合物(b0−1)、化合物(b0−2)としては、市販のものを用いてもよく、公知の手法により合成してもよい。
化合物(b0−1)の製造方法は特に限定されないが、たとえば、下記一般式(b0−1−11)で表される化合物を、テトラヒドロフラン、水等の溶媒中、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液中で反応させて下記一般式(b0−1−12)で表される化合物とした後、該化合物を、ベンゼン、ジクロロエタン等の有機溶剤中にて、酸性触媒の存在下にて、下記一般式(b0−1−13)で表されるアルコールと脱水縮合させることにより、前記一般式(b0−1)におけるm0が1である化合物(下記一般式(b0−1−1)で表される化合物)が得られる。
Figure 2009282494
[式中、R02は炭素数1〜5のアルキル基であり、X、Q、Y、Mはそれぞれ式(b0−1)中のX、Q、Y、Mと同じである。]
また、たとえば、フッ素銀と、下記一般式(b0−1−01)で表される化合物と、下記一般式(b0−1−02)で表される化合物とを、無水ジグリム等の有機溶剤中にて反応させることにより、下記一般式(b0−1−03)で表される化合物を得、該化合物を、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン等の有機溶剤中、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物と反応させることにより、前記一般式(b0−1)におけるm0が0である化合物(下記一般式(b0−1−0)で表される化合物)が得られる。
式(b0−1−02)中のXのハロゲン原子としては、臭素原子または塩素原子が好ましい。
Figure 2009282494
[式中、X、Q、Y、Mはそれぞれ式(b0−1)中のX、Q、Y、Mと同じであり、Xはハロゲン原子である。]
前記化合物(b0−1)と化合物(b0−2)とは、たとえば、これらの化合物を、水、ジクロロメタン、アセトニトリル、メタノール、クロロホルム、塩化メチレン等の溶媒に溶解し、撹拌する等により反応させることができる。
反応温度は、0℃〜150℃程度が好ましく、0℃〜100℃程度がより好ましい。反応時間は、化合物(b0−1)および化合物(b0−2)の反応性や反応温度等によっても異なるが、通常、0.5〜10時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
上記反応における化合物(b0−2)の使用量は、通常、化合物(b0−1)1モルに対して、0.5〜2モル程度が好ましい。
[前記一般式(b1−2)で表される化合物の製造方法]
前記一般式(b1−2)で表される化合物は、下記一般式(b0−01)で表される化合物(b0−01)と、下記一般式(b0−02)で表される化合物(b0−02)とを反応させることにより製造できる。
Figure 2009282494
[式中、Rは置換基(ただし、窒素原子は除く。)を有していてもよい脂肪族基であり;R11はアルキレン基であり;Yは炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基であり;Mはアルカリ金属イオンであり;Aは有機カチオンであり、Zは非求核性アニオンである。]
式中、R、R11、Y、M、A、Zは、それぞれ前記と同じである。
化合物(b0−01)は、たとえば、下記一般式(1−3)で表される化合物(1−3)と、下記一般式(2−1)で表される化合物(2−1)とを反応させることにより合成できる。
Figure 2009282494
[式中、R、R11、Y、Mはそれぞれ前記と同じであり、X22はハロゲン原子である。]
22のハロゲン原子としては、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等が挙げられ、反応性に優れることから、臭素原子または塩素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
化合物(1−3)、(2−1)はそれぞれ市販のものを用いてもよく、合成してもよい。
化合物(1−3)の好ましい合成方法として、下記一般式(1−1)で表される化合物(1−1)と、下記一般式(1−2)で表される化合物(1−2)とを反応させて化合物(1−3)を得る工程を有する方法が挙げられる。
Figure 2009282494
[式中、R11、Y、Mはそれぞれ前記と同じであり、R12は、置換基として芳香族基を有していてもよい脂肪族基であり、Mはアルカリ金属イオンである。]
としては、前記Mで挙げたアルカリ金属イオンと同様のものが挙げられる。
前記式(1−1)中、R12は、置換基として芳香族基を有していてもよい脂肪族基である。
該脂肪族基は、飽和脂肪族基であってもよく、不飽和脂肪族基であってもよい。また、脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、それらの組み合わせであってもよい。
脂肪族基は、炭素原子および水素原子のみからなる脂肪族炭化水素基であってもよく、該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換された基であってもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換された基であってもよい。
前記ヘテロ原子としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。脂肪族基が環式基を含む場合、これらの置換基を当該環式基の環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、−COOR96、−OC(=O)R97、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
96およびR97はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基である。
96およびR97におけるアルキル基が直鎖状または分岐鎖状の場合、その炭素数は1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましく、1または2がさらに好ましい。具体的には、後述する直鎖状または分岐鎖状の1価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる。
96およびR97におけるアルキル基が環状である場合、該環は単環であってもよく、多環であってもよい。その炭素数は3〜15であることが好ましく、4〜12であることがより好ましく、5〜10がさらに好ましい。具体的には、後述する環状の1価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基、または炭素数3〜30の環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)が好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10がさらに最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10がさらに最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、炭素数2〜5が好ましく、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
前記式(1−1)中のR12において、前記脂肪族基は、置換基として芳香族基を有していてもよい。
芳香族基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いたアリール基;これらのアリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。
これらの芳香族基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数が1〜4であることがさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。該ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子などが挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
なお、化合物(1−1)におけるR12が芳香族基であると、つまりR12に隣接する酸素原子が、脂肪族基を介さずに直接芳香環に結合していると、化合物(1−1)と化合物(1−2)との反応は進行せず、化合物(1−3)は得られない。
化合物(1−1)、(1−2)は、それぞれ市販のものを用いてもよく、公知の手法を利用して合成してもよい。
たとえば化合物(1−2)は、下記一般式(0−1)で表される化合物(0−1)をアルカリの存在下で加熱し、中和することにより下記一般式(0−2)で表される化合物(0−2)を得る工程(以下、塩形成工程という。)と、
前記化合物(0−2)を、化合物(1−2)よりも酸強度の強い酸の存在下で加熱することにより化合物(1−2)を得る工程(以下、カルボン酸化工程という。)と、を含む方法が挙げられる。
Figure 2009282494
[式中、R01はアルキル基であり、Y、Mは前記と同じである。]
01のアルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
これらの中でも炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
化合物(0−1)としては市販のものを使用できる。
塩形成工程は、たとえば、化合物(0−1)を溶媒に溶解し、該溶液にアルカリを添加し、加熱することにより実施できる。
溶媒としては、化合物(0−1)を溶解するものであればよく、たとえば水、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
アルカリとしては、式(0−2)中のMに対応するアルカリが用いられ、該アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられる。
アルカリの使用量は、化合物(0−1)1モルに対し、1〜5モルが好ましく、2〜4モルがより好ましい。
加熱温度は、20〜120℃程度が好ましく、50〜100℃程度がより好ましい。加熱時間は、加熱温度等によっても異なるが、通常、0.5〜12時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
前記加熱後の中和は、前記加熱後の反応液に塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸等の酸を添加することにより実施できる。
このとき、中和は、酸添加後の反応液のpH(25℃)が6〜8となるように実施することが好ましい。また、中和時の反応液の温度は、20〜30℃であることが好ましく、23〜27℃であることがより好ましい。
反応終了後、反応液中の化合物(0−2)を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
カルボン酸化工程では、前記塩形成工程で得た化合物(0−2)を、化合物(1−2)よりも酸強度の強い酸の存在下で加熱することにより該化合物(1−2)を得る。
「化合物(1−2)よりも酸強度の強い酸(以下、単に強酸ということがある。)」とは、化合物(1−2)における−COOHよりも、pKa(25℃)の値が小さい酸を意味する。かかる強酸を用いることにより、化合物(0−2)中の−COOが−COOHとなり、化合物(1−2)が得られる。
強酸としては、公知の酸のなかから、前記化合物(1−2)における−COOHのpKaよりもpKaが小さい酸を適宜選択して用いればよい。化合物(1−2)における−COOHのpKaは、公知の滴定法により求めることができる。
強酸として、具体的には、アリールスルホン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。アリールスルホン酸としては、たとえばp−トルエンスルホン酸が挙げられる。アルキルスルホン酸としては、たとえばメタンスルホン酸やトリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。強酸としては、有機溶剤への溶解性や精製のし易さから、特にp−トルエンスルホン酸が好ましい。
カルボン酸化工程は、たとえば化合物(0−2)を溶媒に溶解し、酸を添加して加熱することにより実施できる。
溶媒としては、化合物(0−2)を溶解するものであればよく、たとえばアセトニトリル、メチルエチルケトン等が挙げられる。
強酸の使用量は、化合物(0−2)1モルに対し、0.5〜3モルが好ましく、1〜2モルがより好ましい。
加熱温度は、20〜150℃程度が好ましく、50〜120℃程度がより好ましい。加熱時間は、加熱温度等によっても異なるが、通常、0.5〜12時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
反応終了後、反応液中の化合物(1−2)を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
化合物(1−3)と化合物(2−1)とを反応させる方法としては、特に限定されないが、たとえば、反応溶媒中で、化合物(1−3)および化合物(2−1)を接触させる方法が挙げられる。該方法は、たとえば、塩基の存在下、化合物(1−3)が反応溶媒に溶解した溶液に、化合物(2−1)を添加することにより実施できる。
反応溶媒としては、原料である化合物(1−3)および化合物(2−1)を溶解できるものであればよく、具体的には、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル等が挙げられる。
塩基としては、たとえばトリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ピリジン等の有機塩基;水素化ナトリウム、KCO、CsCO等の無機塩基等が挙げられる。
化合物(2−1)の添加量は、化合物(1−3)に対し、およそ1〜3当量が好ましく、1〜2当量がより好ましい。
反応温度は、−20〜40℃が好ましく、0〜30℃がより好ましい。反応時間は、化合物(1−11)および化合物(1−12)の反応性や反応温度等によっても異なるが、通常、1〜120時間が好ましく、1〜48時間がより好ましい。
化合物(b0−01)と、化合物(b0−02)との反応は、従来公知の塩置換方法と同様にして実施できる。たとえば、化合物(b0−01)と、化合物(b0−02)とを、水、ジクロロメタン、アセトニトリル、メタノール、クロロホルム等の溶媒に溶解し、撹拌する等により反応させることができる。
反応温度は、0℃〜150℃程度が好ましく、0℃〜100℃程度がより好ましい。反応時間は、化合物(b0−01)および化合物(b0−02)の反応性や反応温度等によっても異なるが、通常、0.5〜10時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
反応終了後、反応液中の化合物(b1−1)を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
得られた化合物(b1−1)の構造は、H−核磁気共鳴(NMR)スペクトル法、13C−NMRスペクトル法、19F−NMRスペクトル法、赤外線吸収(IR)スペクトル法、質量分析(MS)法、元素分析法、X線結晶回折法等の一般的な有機分析法により確認できる。
[(B2)成分]
本発明のレジスト組成物は、(B)成分として、必要に応じて、上記(B1)成分以外の酸発生剤(以下「(B2)成分」という。)を含有してもよい。
(B2)成分としては、上記(B1)成分に該当しないものであれば特に限定されず、これまで提案されている、公知の任意の酸発生剤を使用できる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2009282494
[式(b−1)中、R”〜R”は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよいアルキル基であり、R”〜R”のうち少なくとも1つは前記アリール基であり、R”〜R”のうちの2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していてもよい。式(b−2)中、R”〜R”は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよいアルキル基であり、R”〜R”のうち少なくとも1つは前記アリール基である。式(b−1)および式(b−2)中、R”は、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表す。]
式(b−1)中、R”〜R”は、それぞれ、前記式(I−1)中のR”〜R”と同じである。
式(b−2)中、R”〜R”は、それぞれ、前記式(I−2)中のR”〜R”と同じである。
式(b−1)中、R”は、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表す。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したフッ素化アルキル基(パーフルオロアルキル基)が、酸の強度が強くなるので好ましい。
”としては、直鎖状もしくは環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR”としては、上記式(b−1)のR”と同様のものが挙げられる。
式(b−1)、(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−フェニルテトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−エトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−フェニルテトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部がメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
また、前記一般式(b−1)又は(b−2)において、アニオン部を下記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオンに置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b−1)又は(b−2)と同様)。
Figure 2009282494
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。
該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
また、カチオン部が前記一般式(I−5)又は(I−6)で表されるカチオンである場合において、アニオン部を、前記一般式(b−1)もしくは式(b−2)におけるアニオン部(R”SO )等のフッ素化アルキルスルホン酸イオン、前記一般式(b−3)又は式(b−4)で表されるアニオンに置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる。かかるアニオン部としては、これらの中でも、フッ素化アルキルスルホン酸イオンが好ましく、炭素数1〜4のフッ素化アルキルスルホン酸イオンがより好ましく、炭素数1〜4の直鎖状のパーフルオロアルキルスルホン酸イオンが特に好ましい。具体例としては、トリフルオロメチルスルホン酸イオン、ヘプタフルオロ−n−プロピルスルホン酸イオン、ノナフルオロ−n−ブチルスルホン酸イオン等が挙げられる。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 2009282494
(式(B−1)中、R31、R32はそれぞれ独立に有機基を表す。)
31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある。)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009282494
[式(B−2)中、R33は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R34はアリール基である。R35は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。]
Figure 2009282494
[式(B−3)中、R36はシアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R37は2または3価の芳香族炭化水素基である。R38は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。p”は2または3である。]
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していてもよい。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は、好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、国際公開第04/074242号パンフレット(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 2009282494
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B2)成分は、上記酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のポジ型レジスト組成物における(B)成分全体の総含有量は、(A)成分100質量部に対して0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
<任意成分>
[(D)成分]
本発明のポジ型レジスト組成物は、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに、任意の成分として含窒素有機化合物成分(D)(以下「(D)成分」という。)を含有することが好ましい。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いればよいが、環式アミン、脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。ここで、脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)が挙げられる。その具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミン等が挙げられる。
これらの中でも、アルキルアルコールアミン又はトリアルキルアミンが好ましく、アルキルアルコールアミンが最も好ましい。アルキルアルコールアミンの中でもトリエタノールアミンやトリイソプロパノールアミンが最も好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
[(E)成分]
本発明のポジ型レジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下「(E)成分」という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸およびその誘導体としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分としては、有機カルボン酸が好ましく、特にサリチル酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物には、塗布性向上のため、架橋性ポリビニルエーテル化合物を含有させることができる。
架橋性ポリビニルエーテル化合物は、ビニルオキシ基(CH=CH−O−)の酸素原子が炭素原子に結合した、ビニルエーテル基を有する化合物である。具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、テトラメチレングリコール、テトラエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ペンタエリスリトール、シクロヘキサンジメタノール等のモノビニルエーテル又はジビニルエーテルが挙げられる。なかでも、下記化学式で表される化合物(シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル:CHMVE)等の環骨格を有する化合物が好適なものとして挙げられる。
Figure 2009282494
架橋性ポリビニルエーテル化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
架橋性ポリビニルエーテル化合物は、(A)成分100質量部当り0.1〜10質量部の割合で用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
[(S)成分]
本発明のポジ型レジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下「(S)成分」という。)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい。];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は、特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、露光量が変動した際のレジストパターン寸法の変化が小さい(ELマージンが大きい)という効果を有する。その理由は明らかではないが、以下のように推測される。
本発明のポジ型レジスト組成物は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a2)とを有する樹脂成分(A)を含有する。構成単位(a1)を有すると、(A)成分のアルカリ溶解性が向上する。また、構成単位(a2)は、酸の作用により酸解離性溶解抑制基が解離して(A)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。
また、本発明のポジ型レジスト組成物は、前記一般式(b1)で表される化合物からなる酸発生剤(B1)を含有する。(B1)成分は、アニオン部に酸素原子を含む置換基を有しており、ノナフルオロブタンスルホネート等の従来の酸発生剤のアニオン部に比べて、極性が高く、立体的に嵩高いバルキーな構造を有している。これによって、(B1)成分は、露光により発生する酸(アニオン部)のレジスト膜内での拡散が化学的にも物理的にも抑制され、従来に比べて拡散長が短い。
かかる(A)成分と、(B1)成分とを組み合わせて用いることにより、露光量がわずかに変動しても、(B1)成分から発生する酸の影響を受けにくく、(A)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性が大きくは変化しないため、形成されるレジストパターン寸法の変化が小さい(ELマージンが大きい)と推測される。
また、本発明のポジ型レジスト組成物は、良好な形状のレジストパターンを形成でき、優れたリソグラフィー特性も得られる。その理由は以下のように推測される。
(B1)成分は、酸強度が強い酸を露光により発生する。これにより、前記構成単位(a2)における酸解離性溶解抑制基を容易に解離でき、また、良好なアルカリ溶解性が得られる構成単位(a1)を有することから、解像性が向上する。
また、(B1)成分は、レジスト膜を形成した際、レジスト膜内に均一に分布しやすいと考えられる。さらに、上記のように、レジスト膜内で、露光域で発生した酸の未露光域への拡散が格段に抑制される。
以上のことから、当該レジスト組成物においては、未露光域と露光域とのアルカリ現像液に対する溶解性の差(溶解コントラスト)が充分に得られるため、良好な形状のレジストパターンを形成でき、優れたリソグラフィー特性(たとえば、マスクエラーファクタ(MEF)、焦点深度幅(DOF)、近接効果(Proximity)、ラインワイズラフネス(LWR)等)も得られると推測される。
なお、「MEF」とは、ピッチを固定した際に、線幅や口径の異なるマスクパターンを、同じ露光量で、どれだけ忠実に再現できるか(マスク再現性)を示すパラメーターであり、その値が1に近いほどマスク再現性が良好であることを意味する。
「DOF」とは、同一の露光量において、焦点を上下にずらして露光した際に、ターゲット寸法に対するずれが所定の範囲内となる寸法でレジストパターンを形成できる焦点深度の範囲、すなわちマスクパターンに忠実なレジストパターンが得られる範囲のことであり、その値が大きいほど好ましい。
「Proximity」とは、マスク寸法一定として形成されるレジストパターン寸法が、ピッチの変化に対して受ける影響の程度を示すパラメーターであり、Proximityが小さいほど、プロセスの余裕度が向上する。
「LWR」とは、レジストパターンを形成した際における、ラインパターンの線幅の不均一さを意味し、パターンが微細化するほどその改善が重要となる特性をいう。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明のレジストパターン形成方法は、支持体上に、上記本発明のポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
本発明のレジストパターン形成方法は例えば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まず支持体上に、上記ポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばKrF露光装置などにより、KrFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いで、これをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いてアルカリ現像処理し、好ましくは純水を用いて水リンスを行い、乾燥を行う。また、場合によっては、上記アルカリ現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)が挙げられる。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線等の放射線を用いて行うことができる。上記ポジ型レジスト組成物は、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EBまたはEUVに対して有効であり、KrFエキシマレーザーに対して特に有効である。
レジスト膜の露光は、空気や窒素等の不活性ガス中で行う通常の露光(ドライ露光)であってもよく、液浸露光であってもよい。
液浸露光では、上述したように、露光時に、従来は空気や窒素等の不活性ガスで満たされているレンズとウェーハ上のレジスト膜との間の部分を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たした状態で露光を行う。
より具体的には、液浸露光は、上記のようにして得られたレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で、所望のマスクパターンを介して露光(浸漬露光)することによって実施できる。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ、当該浸漬露光によって露光されるレジスト膜の有する屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつレジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、CHCl、COCH、COC、C等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<酸発生剤成分(B)の合成>
実施例において、(B)成分として用いた酸発生剤(B)−4〜(B)−7は、以下の合成例によりそれぞれ得た。
[合成例1:酸発生剤(B)−4の合成]
フルオロスルホニル(ジフルオロ)酢酸メチル150g、純水375gに、氷浴中で10℃以下に保ちつつ、30%水酸化ナトリウム水溶液343.6gを滴下した。滴下後、100℃で3時間還流し、冷却後、濃塩酸で中和した。得られた溶液をアセトン8888gに滴下し、析出物を濾過、乾燥することによって、白色固体として化合物(I)184.5g(純度:88.9%、収率:95.5%)を得た。
Figure 2009282494
次いで、化合物(I)56.2g、アセトニトリル562.2gを仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物77.4gを添加し、110℃で3時間還流した。その後、濾過し、濾液を濃縮し、乾燥した。得られた固体にt−ブチルメチルエーテル900gを添加撹拌した。その後、濾過し、濾過物を乾燥することによって、白色固体として化合物(II)22.2g(純度:91.0%、収率:44.9%)を得た。
Figure 2009282494
次いで、化合物(II)4.34g(純度:94.1%)、2−ベンジルオキシエタノール3.14g、トルエン43.4gを仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物0.47gを添加し、105℃で20時間還流した。反応液を濾過し、濾物にヘキサン20gを添加し、撹拌した。再度濾過し、濾物を乾燥することにより化合物(V)を1.41g(収率:43.1%)得た。
Figure 2009282494
H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=4.74−4.83(t,1H,OH)、4.18−4.22(t,2H,H)、3.59−3.64(q,2H,H)。
19F−NMR(DMSO−d6、376MHz):δ(ppm)=−106.6。
上記の結果から、化合物(V)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2009282494
次いで、化合物(V)1.00gおよびアセトニトリル3.00gに対し、1−アダマンタンカルボニルクロライド0.82gおよびトリエチルアミン0.397gを氷冷下滴下した。滴下終了後、室温で20時間撹拌し、濾過した。ろ液を濃縮乾固し、ジクロロメタン30gに溶解させ水洗を3回行った。有機層を濃縮乾燥することにより化合物(VI)を0.82g(収率:41%)得た。
Figure 2009282494
得られた化合物(VI)について、NMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=8.81(s,1H,H)、4.37−4.44(t,2H,H)、4.17−4.26(t,2H,H)、3.03−3.15(q,6H,H)、1.61−1.98(m,15H,Adamantane)、1.10−1.24(t,9H,H)。
19F−NMR(DMSO−d6、376MHz):δ(ppm)=−106.61。
上記の結果から、化合物(VI)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2009282494
次いで、化合物(VII)0.384gをジクロロメタン3.84gと水3.84gに溶解させ、化合物(VI)0.40gを添加した。1時間撹拌後、分液処理にて有機層を回収し、水3.84gで水洗浄を3回行った。得られた有機層を濃縮乾固することにより化合物(VIII)を0.44g(収率81.5%)得た。
Figure 2009282494
得られた化合物(VIII)について、NMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=7.57−7.87(m,14H,Phenyl)、4.40−4.42(t,2H,H)、4.15−4.22(t,2H,H)、2.43(s,3H,H)、1.60−1.93(m,15H,Adamantane)。
19F−NMR(DMSO−d6、376MHz):δ(ppm)=−106.7。
上記の結果から、化合物(VIII)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2009282494
[合成例2:酸発生剤(B)−5の合成]
20℃以下で制御したメタンスルホン酸60.75gに対し、酸化リン8.53gと2,5−ジメチルフェノール8.81gとジフェニルスルホキシド12.2gとを少量ずつ添加した。温度を15〜20℃で制御しながら30分熟成した後、40℃まで昇温し2時間熟成した。その後、15℃以下に冷却した純水109.35gに反応液を滴下した。滴下終了後、ジクロロメタン54.68gを加え、撹拌後、ジクロロメタン層を回収した。別容器に20〜25℃のヘキサン386.86gを仕込み、ジクロロメタン層を滴下した。滴下終了後、20〜25℃で30分間熟成した後、ろ過することによって目的化合物(i)17.14g(収率70.9%)を得た。
得られた化合物(i)について、NMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6、600MHz):δ(ppm)=7.61−7.72(m,10H,phenyl),7.14(s,2H,H),3.12(s,3H,H),2.22(s,6H,H)。
上記の結果から、化合物(i)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2009282494
化合物(i)4gをジクロロメタン79.8gに溶解させた。溶解確認後、炭酸カリウム6.87gを添加し、ブロモ酢酸メチルアダマンタン3.42gを添加した。還流下、24時間反応後、ろ過、水洗浄を行い、ヘキサンで晶析した。得られた粉体を減圧乾燥することによって目的化合物(ii)3.98g(収率66%)を得た。
得られた化合物(ii)について、NMRによる分析を行った。
H−NMR(CDCl、400MHz):δ(ppm)=7.83−7.86(m,4H,Phenyl),7.69−7.78(m,6H,Phenyl),7.51(s,2H,H),4.46(s,2H,H),2.39(s,6H,H),2.33(s,2H,Adamantan),2.17(s,2H,Adamantan),1.71−1.98(m,11H,Adamantan),1.68(s,3H,H),1.57−1.61(m,2H,Adamantan)。
上記の結果から、化合物(ii)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2009282494
化合物(ii)4.77gをジクロロメタン23.83gと水23.83gに溶解させ、化合物(VI)3.22gを添加した。1時間撹拌後、分液処理にて有機層を回収し、水3.84gで水洗浄を3回行った。得られた有機層を濃縮乾固することにより化合物(iii)4.98g(収率87%)を得た。
Figure 2009282494
得られた化合物(iii)について、NMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=7.76−7.88(m,10H,Phenyl),7.62(s,2H,Phenyl),4.64(s,2H,H),4.43−4.44(t,2H、H),4.22−4.23(t,2H、H),1.51−2.36(m,38H,Adamantan+H+H)。
19F−NMR(DMSO−d6、376MHz):δ(ppm)=−106.7。
上記の結果から、化合物(iii)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2009282494
[合成例3:酸発生剤(B)−6の合成]
5.0gの2−ナフチルメチルオキシテトラフルオロエタンスルホニルフルオライドに16.7mlのテトラヒドロフランを添加し、氷浴中でその溶液に0.98gの水酸化リチウムを13.6mlの純水に溶かした水溶液を滴下した。その後、氷浴中で撹拌した。
−SOFによる−217.6ppmでの19F−NMRの吸収がなくなったことにより、全てのフッ素化スルホニル基がスルホン酸リチウムに転化したことが確認された。その後、反応溶液を濃縮、乾燥することによって白色の粘性固体を得た。得られた粗生成物を14.2mlのアセトンに溶解させ、副生成物であるLiFを除去するために濾過し、濾液を濃縮することによって5.50gの前駆体化合物(X)を得た。
次に、6.99gのトリフェニルスルホニウムブロミドを125mlの純水に溶解させ、その溶液に5.50gの前駆体化合物(X)を添加し、室温にて19時間撹拌した後、125gのジクロロメタンを添加して撹拌し、有機相を分液して取り出した。さらに有機相を40mlの純水にて水洗いした後、分液し、有機相を取り出した。取り出した有機相を濃縮後、乾燥することによって7.09gの目的化合物(XI)を得た(収率:75.2%)。
Figure 2009282494
化合物(XI)について、NMRによる分析を行った。
H−NMR(アセトン−d6、400MHz):δ(ppm)=8.01〜7.47(m,22H,H),5.23(s,2H,H)。
19F−NMR(アセトン−d6、376MHz):δ(ppm)=79.2,111.8。
上記の結果から、化合物(XI)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2009282494
[合成例4:酸発生剤(B)−7の合成]
上記合成例1で得た化合物(II)17.7g(純度:91.0%)、下記式(II’)で表される化合物(II’)13g、トルエン88.3gを仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物5.85gを添加し、130℃で26時間還流した。その後、濾過し、残渣にメチルエチルケトン279.9gを添加撹拌した。その後、濾過し、メタノール84.0gを添加撹拌した。再度、濾過を行い、濾過物を乾燥することによって、白色固体として化合物(III)20.2g(純度:99.9%、収率:72.1%)を得た。
Figure 2009282494
次いで、前記化合物(III)15.0g(純度:99.9%)を純水66.4gに溶解させた。この溶液に、4−メチルトリフェニルスルホニウムブロミド13.3をジクロロメタン132.8gに溶解させて添加し、室温にて3時間撹拌した後、有機相を分液して取り出した。さらに有機相を純水66.4gにて水洗いし、有機相を濃縮、乾燥することによって、無色粘性液体として目的化合物(IV)20.2g(収率:88.1%)を得た。
Figure 2009282494
該化合物(IV)について、NMRによる分析を行った。その結果を以下に示す。
H−NMR(DMSO、400MHz):δ(ppm)=7.86〜7.58(m,14H,Ha+Hb)、5.48(m,1H,Hd)、4.98(s,1H,He)、4.73〜4.58(d,2H,Hf)、2.71(m,1H,Hg)、2.43(m,3H,Hc)、2.12(m,2H,Hh)。
19F−NMR(DMSO、376MHz):δ(ppm)=−106.9。
上記の結果から、化合物(IV)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2009282494
<ポジ型レジスト組成物の調製−1>
表1に示す各成分を混合し、溶解して、ポジ型レジスト組成物を調製した。
Figure 2009282494
表1中の各略号は以下の意味を有する。また、[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
(A)−1:下記式(A1−11)で表される共重合体(a1/a2=61/39(モル比);Mw=8000、Mw/Mn=1.7)。
なお、Mw、Mw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準で求めた。また、下記式(A1−11)中、構成単位( )の右下に付した符号a1、a2は、共重合体中の各構成単位の割合(モル%)を示す。共重合体中の各構成単位の割合(組成比;モル%)は、カーボンNMRにより算出した。
Figure 2009282494
(A)−2:下記式(A1−21)で表される共重合体(a1/a2=61/39(モル比);Mw=8000、Mw/Mn=1.7)。
Figure 2009282494
(B)−1:ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン。
(B)−2:ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン。
(B)−3:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート。
(B)−4:下記式(B1−1)で表される化合物。
(B)−5:下記式(B1−2)で表される化合物。
(B)−6:下記式(B1−3)で表される化合物。
(B)−7:下記式(B1−4)で表される化合物。
Figure 2009282494
Figure 2009282494
(D)−1:トリイソプロパノールアミン。
(D)−2:トリエタノールアミン。
(D)−3:トリエチルアミン。
(D)−4:トリ−n−ブチルアミン。
Add−1:シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル。
(S)−1:PGMEA。
(S)−2:PGMEA:PGME=6:4(質量比)の混合溶剤。
<リソグラフィー特性の評価−1>
得られたポジ型レジスト組成物を用いて、以下に示す方法により、レジストパターンを形成してリソグラフィー特性をそれぞれ評価した。
[レジストパターン形成(1):実施例1および比較例1〜2]
8インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「DUV−42P」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で180℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚65nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該反射防止膜上に、上記で得られた実施例1および比較例1〜2のポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で100℃、90秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚300nmのレジスト膜を形成した。
次いで、前記レジスト膜に対し、KrF露光装置NSR−S205C(ニコン社製;NA(開口数)=0.68,σ=0.60)により、KrFエキシマレーザー(248nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーン)を介して選択的に照射した。
そして、110℃で90秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%のTMAH水溶液NMD−3(商品名、東京応化工業株式会社製)で60秒間の条件でアルカリ現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。その後、100℃で60秒間加熱して乾燥させた。
その結果、いずれの例においても、前記レジスト膜に、直径150nmのホールが等間隔(ピッチ640nm)に配置された、コンタクトホールパターンのレジストパターン(以下「Iso CHパターン(1)」という。)が形成された。
このとき、直径150nm、ピッチ640nmのコンタクトホールパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm;感度)を求めた。その結果を表2に示す。
次に、前記Iso CHパターン(1)が形成される最適露光量Eop(mJ/cm)にて、ホール直径150nmのホールが等間隔(ピッチ320nm)に配置されたコンタクトホールパターン(以下「Dense CHパターン(1)」という。)を形成した。
[ELマージンの評価]
前記Iso CHパターン(1)がターゲット寸法(ホール直径150nm)の±10%(135nm〜165nm)の範囲内で形成される際の露光量を求め、次式によりELマージン(単位:%)を求めた。その結果を表2に示す。
ELマージン(%)=(|E1−E2|/Eop)×100
[式中、E1は、ホール直径135nmのCHパターンが形成された際の露光量(mJ/cm)を示し、E2は、ホール直径165nmのCHパターンを形成された際の露光量(mJ/cm)を示す。]
[レジストパターン形状の評価]
上記Eopにて形成された、Dense CHパターン(1)およびIso CHパターン(1)を、走査型電子顕微鏡SEMを用いて観察し、それらの断面形状を下記の基準で評価した。その結果を表2に示す。 ○:矩形性が高い。 ×:矩形性が低い。
Figure 2009282494
表2の結果から明らかなように、本発明の実施例1のポジ型レジスト組成物は、比較例1〜2のポジ型レジスト組成物に比べて、ELマージンの値が大きいことから、露光量が変動した際のレジストパターン寸法の変化が小さい(ELマージンが大きい)ことが確認できた。
また、実施例1のポジ型レジスト組成物は、比較例1〜2のポジ型レジスト組成物に比べて、レジストパターン形状が良好であることも確認できた。
[レジストパターン形成(2):実施例2〜4]
8インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「DUV−42P」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で180℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚65nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該反射防止膜上に、上記で得られた実施例2〜4のポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で100℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚300nmのレジスト膜を形成した。
次いで、前記レジスト膜に対し、KrF露光装置NSR−S205C(ニコン社製;NA(開口数)=0.75,σ=0.70)により、KrFエキシマレーザー(248nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーン)を介して選択的に照射した。
そして、110℃で60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%のTMAH水溶液NMD−3(商品名、東京応化工業株式会社製)で60秒間の条件でアルカリ現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。その後、100℃で60秒間加熱して乾燥させた。
その結果、いずれの例においても、前記レジスト膜に、直径150nmのホールが等間隔(ピッチ640nm)に配置された、コンタクトホールパターンのレジストパターン(以下「Iso CHパターン(2)」という。)が形成された。
このとき、直径150nm、ピッチ640nmのコンタクトホールパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm;感度)を求めた。その結果を表3に示す。
次に、前記Iso CHパターン(2)が形成される最適露光量Eop(mJ/cm)にて、ホール直径150nmのホールが等間隔(ピッチ320nm)に配置されたコンタクトホールパターン(以下「Dense CHパターン(2)」という。)を形成した。
[ELマージンの評価]
前記Iso CHパターン(2)がターゲット寸法(ホール直径150nm)の±10%(135nm〜165nm)の範囲内で形成される際の露光量を求め、次式によりELマージン(単位:%)を求めた。その結果を表3に示す。
ELマージン(%)=(|E3−E4|/Eop)×100
[式中、E3は、ホール直径135nmのCHパターンが形成された際の露光量(mJ/cm)を示し、E4は、ホール直径165nmのCHパターンを形成された際の露光量(mJ/cm)を示す。]
[焦点深度幅(DOF)の評価−その1]
上記ホール直径150nmのIso CHパターン(2)における焦点深度幅(DOF)を評価した。
上記Eopで、焦点を適宜上下にずらして、実施例2〜4における[レジストパターン形成(2)]と同様にしてレジストパターンを形成し、Iso CHパターンがターゲット寸法±10%(すなわち135〜165nm)の寸法変化率の範囲内で形成できる焦点深度幅(DOF、単位:μm)を「±10%CD」として求めた。その結果を表3に示す。
なお、「DOF」とは、同一の露光量において、焦点を上下にずらして露光した際に、ターゲット寸法に対するずれが所定の範囲内となる寸法でレジストパターンを形成できる焦点深度の範囲、すなわちマスクパターンに忠実なレジストパターンが得られる範囲のことであり、その値が大きいほど好ましい。
[焦点深度幅(DOF)の評価−その2]
上記ホール直径150nmのDense CHパターン(2)における焦点深度幅(DOF)を評価した。
上記Eopにおいて、焦点を適宜上下にずらして、実施例2〜4における[レジストパターン形成(2)]と同様にしてレジストパターンを形成し、ホールパターンの形状が得られる範囲の焦点深度の幅(μm)を「Open」として求めた。その結果を表3に示す。
[マスクエラーファクタ(MEF)の評価−その1]
上記ホール直径150nm(ピッチ640nm)のIso CHパターン(2)におけるマスクエラーファクタ(MEF)を評価した。
上記Eopにて、ホール直径のターゲットのマスクサイズを170、180、190、200nm(10nm間隔、4点)とするマスクパターンをそれぞれ用い、ピッチ640nmのIso CHパターンを形成した。
このとき、ターゲットのマスクサイズ(nm)を横軸に、各マスクパターンを用いてレジスト膜に形成されたホールパターンの口径(nm)を縦軸にプロットしたときの直線の傾きをMEFとして算出した。その結果を表3に示す。
[マスクエラーファクタ(MEF)の評価−その2]
上記ホール直径150nm(ピッチ320nm)のDense CHパターン(2)におけるマスクエラーファクタ(MEF)を評価した。
上記Eopにて、ホール直径のターゲットのマスクサイズを170、180、190、200nm(10nm間隔、4点)とするマスクパターンをそれぞれ用い、ピッチ320nmのDense CHパターンを形成した。
このとき、ターゲットのマスクサイズ(nm)を横軸に、各マスクパターンを用いてレジスト膜に形成されたホールパターンの口径(nm)を縦軸にプロットしたときの直線の傾きをMEFとして算出した。その結果を表3に示す。
Figure 2009282494
表3の結果から明らかなように、本発明の実施例2〜4のポジ型レジスト組成物は、ELマージンの値が大きいことから、露光量が変動した際のレジストパターン寸法の変化が小さい(ELマージンが大きい)ことが確認できた。
また、実施例2〜4のポジ型レジスト組成物は、DOF特性およびマスク再現性のいずれも良好であることが確認できた。
[レジストパターン形成(3):実施例5〜7、比較例3]
8インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「DUV−42P」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で180℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚65nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該反射防止膜上に、上記で得られた実施例5〜7および比較例3のポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で100℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚300nmのレジスト膜を形成した。
次いで、前記レジスト膜に対し、KrF露光装置NSR−S203B(ニコン社製;NA(開口数)=0.68,σ=0.60)により、KrFエキシマレーザー(248nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーン)を介して選択的に照射した。
そして、110℃で60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%のTMAH水溶液NMD−3(商品名、東京応化工業株式会社製)で30秒間の条件でアルカリ現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。その後、100℃で60秒間加熱して乾燥させた。
その結果、いずれの例においても、前記レジスト膜に、直径150nmのホールが等間隔(ピッチ640nm)に配置された、コンタクトホールパターンのレジストパターン(以下「Iso CHパターン(3)」という。)が形成された。
このとき、直径150nm、ピッチ640nmのコンタクトホールパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm;感度)を求めた。その結果を表4に示す。
次に、前記Iso CHパターン(3)が形成される最適露光量Eop(mJ/cm)にて、ホール直径150nmのホールが等間隔(ピッチ320nm)に配置されたコンタクトホールパターン(以下「Dense CHパターン(3)」という。)を形成した。
[ELマージンの評価]
前記Iso CHパターン(3)がターゲット寸法(ホール直径150nm)の±10%(135nm〜165nm)の範囲内で形成される際の露光量を求め、次式によりELマージン(単位:%)を求めた。その結果を表4に示す。
ELマージン(%)=(|E5−E6|/Eop)×100
[式中、E5は、ホール直径135nmのCHパターンが形成された際の露光量(mJ/cm)を示し、E6は、ホール直径165nmのCHパターンを形成された際の露光量(mJ/cm)を示す。]
[近接効果(Proximity)の評価]
上記[レジストパターン形成(3)]と同様にして、ホール直径150nm、ピッチ640nmのCHパターン(Iso CHパターン)と、ホール直径150nm、ピッチ320nmのCHパターン(Dense CHパターン)とを形成した。
このとき、露光量を、Dense CHパターンが形成される最適露光量に固定してIso CHパターンとDense パターンとを形成し、Isoパターンにおけるホール直径とDenseパターンにおけるホール直径との寸法差[(I−D)寸法差、単位:nm]を求めた。その結果を表4に示す。
(I−D)寸法差が小さいほど、近接効果(ピッチの変化によるパターンサイズへの影響)が小さく好ましい。
[マスクエラーファクタ(MEF)の評価]
上記ホール直径150nmのIso CHパターン(3)におけるマスクエラーファクタ(MEF)を評価した。
上記Eopにて、ホール直径のターゲットのマスクサイズを170、180、190、200、210nm(10nm間隔、5点)とするマスクパターンをそれぞれ用い、ピッチ640nmのIso CHパターンを形成した。
このとき、ターゲットのマスクサイズ(nm)を横軸に、各マスクパターンを用いてレジスト膜に形成されたホールパターンの口径(nm)を縦軸にプロットしたときの直線の傾きをMEFとして算出した。その結果を表4に示す。
Figure 2009282494
表4の結果から明らかなように、本発明の実施例5〜7のポジ型レジスト組成物は、比較例3のポジ型レジスト組成物に比べて、ELマージンの値が大きいことから、露光量が変動した際のレジストパターン寸法の変化が小さい(ELマージンが大きい)ことが確認できた。
また、実施例5〜7のポジ型レジスト組成物は、比較例3のポジ型レジスト組成物に比べて、近接効果が良好であることも確認できた。
さらに、実施例5〜7のポジ型レジスト組成物は、比較例3のポジ型レジスト組成物に比べて、マスク再現性も良好であることが確認できた。
<ポジ型レジスト組成物の調製−2>
表5に示す各成分を混合し、溶解して、ポジ型レジスト組成物を調製した。
Figure 2009282494
表5中の各略号は以下の意味を有する。また、[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
(A)−3:下記式(A1−31)で表される共重合体(a1/a2=69/31(モル比);Mw=7200、Mw/Mn=1.39)。
なお、Mw、Mw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準で求めた。また、下記式(A1−31)中、構成単位( )の右下に付した符号a1、a2は、共重合体中の各構成単位の割合(モル%)を示す。共重合体中の各構成単位の割合(組成比;モル%)は、カーボンNMRにより算出した。
Figure 2009282494
(A)−4:下記式(A1−32)で表される共重合体(a1/a2=75/25(モル比);Mw=7400、Mw/Mn=1.41)。
Figure 2009282494
(B)−3:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート。
(B)−5:前記式(B1−2)で表される化合物。
(D)−5:トリオクチルアミン。
(S)−2:PGMEA:PGME=6:4(質量比)の混合溶剤。
<リソグラフィー特性の評価−2>
得られたポジ型レジスト組成物を用いて、以下に示す方法により、レジストパターンを形成してリソグラフィー特性をそれぞれ評価した。
[レジストパターン形成(4):実施例8〜9および比較例4〜5]
90℃にて30秒間のヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した8インチシリコン基板上に、上記調製−2で得られたポジ型レジスト組成物をそれぞれ、コーター(「クリーントラックACT−8」、東京エレクトロン(株)製)を用いて均一に塗布し、表6に示す温度で60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚60nmのレジスト膜を成膜した。
次に、該レジスト膜に対して、電子線描画機HL−800D(VSB)(Hitachi社製)を用い、加速電圧70keVにて描画(露光)を行った。
その後、表6に示す温度で60秒間のベーク(PEB)処理を行い、さらに23℃にてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38質量%水溶液(商品名:NMD−3、東京応化工業(株)製)を用いて30秒間の現像を行った後、純水にて15秒間リンスした。
その結果、いずれの例においても、ライン幅100nm、ピッチ200nmのラインアンドスペースパターン(LSパターン)が形成された。
このとき、ライン幅100nm、ピッチ200nmのLSパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm;感度)を求めた。その結果を表6に示す。
[ELマージンの評価]
LSパターンのラインがターゲット寸法(ライン幅100nm)の±10%(90nm〜110nm)の範囲内で形成される際の露光量を求め、次式によりELマージン(単位:%)を求めた。その結果を表6に示す。
ELマージン(%)=(|E1−E2|/Eop)×100
E1は、ライン幅90nmのLSパターンが形成された際の露光量(mJ/cm)を示し、E2は、ライン幅110nmのLSパターンを形成された際の露光量(mJ/cm)を示す。
このELマージン(%)の値が大きいほど、露光量の変動に伴うパターンサイズの変化量が小さく、プロセスの余裕度が高いことを示す。
[LWR(ラインワイズラフネス)の評価]
前記Eopで形成されたライン幅100nm、ピッチ200nmのLSパターンにおいて、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧800V、商品名:S−9220、日立製作所社製)により、ライン幅を、ラインの長手方向に5箇所測定し、その結果から標準偏差(s)の3倍値(3s)を、LWRを示す尺度として算出した。その結果を表6に示す。この3sの値が小さいほど線幅のラフネスが小さく、より均一幅のLSパターンが得られたことを意味する。
Figure 2009282494
表6の結果から明らかなように、本発明の実施例8〜9のポジ型レジスト組成物は、比較例4〜5のポジ型レジスト組成物に比べて、それぞれ、ELマージンの値が大きいことから、露光量が変動した際のレジストパターン寸法の変化が小さい(ELマージンが大きい)ことが確認できた。
また、実施例8〜9のポジ型レジスト組成物は、比較例4〜5のポジ型レジスト組成物に比べて、それぞれ、LWRの値が小さいことから、線幅のラフネスが小さく、より均一幅のLSパターンが得られることが確認できた。

Claims (6)

  1. 酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A)、および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有するポジ型レジスト組成物であって、
    前記樹脂成分(A)は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a1)と、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a2)とを有し、かつ、
    前記酸発生剤成分(B)は、下記一般式(b1)で表される化合物からなる酸発生剤(B1)を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
    Figure 2009282494
    [式(b1)中、Qは酸素原子を含む2価の連結基である。Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。Xは置換基を有していてもよい炭素数3〜30の炭化水素基であり、Aは有機カチオンである。]
  2. 前記構成単位(a2)が、前記構成単位(a1)におけるヒドロキシ基の水素原子が酸解離性溶解抑制基又は酸解離性溶解抑制基を含む有機基により置換されてなる構成単位(a22)を含有する請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
  3. 前記構成単位(a22)が、下記一般式(a2−2)で表される構成単位である請求項2記載のポジ型レジスト組成物。
    Figure 2009282494
    [式(a2−2)中、R’は水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基であり;Rは炭素数1〜5の低級アルキル基であり;pは1〜3の整数であり;qは0〜2の整数である。Rは酸解離性溶解抑制基又は酸解離性溶解抑制基を含む有機基を表す。]
  4. 前記構成単位(a2)が、下記一般式(I−b)で表される酸解離性溶解抑制基を含む構成単位である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
    Figure 2009282494
    [式(I−b)中、Xは脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基又は炭素数1〜5の低級アルキル基を表し;Rは水素原子若しくは炭素数1〜5の低級アルキル基を表し、又は、XおよびRがそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であって、Xの末端とRの末端とが結合していてもよく;Rは水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。]
  5. さらに、含窒素有機化合物成分(D)を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  6. 支持体上に、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
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