JP5276958B2 - レジスト組成物、およびレジストパターン形成方法 - Google Patents

レジスト組成物、およびレジストパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、レジスト組成物、当該レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法に関する。
リソグラフィー技術においては、例えば基板の上にレジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、所定のパターンが形成されたマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。
露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のFエキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。
このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジスト組成物が用いられている。
例えばポジ型の化学増幅型レジスト組成物としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(ベース樹脂)と、酸発生剤成分とを含有するものが一般的に用いられている。かかる、レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、レジストパターン形成時に選択的露光を行うと、露光部において、酸発生剤から酸が発生し、該酸の作用により樹脂成分のアルカリ現像液に対する溶解性が増大して、露光部がアルカリ現像液に対して可溶となる。
現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用されるレジストのベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)などが一般的に用いられている(たとえば特許文献1参照)。
ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
化学増幅型レジスト組成物において使用される酸発生剤としては、これまで多種多様のものが提案されており、たとえばヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤などが知られている。
現在、酸発生剤としては、カチオン部にトリフェニルスルホニウム等のオニウムイオンを有するオニウム塩系酸発生剤が用いられている。オニウム塩系酸発生剤のアニオン部としては、アルキルスルホン酸イオンやそのアルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたフッ素化アルキルスルホン酸イオンが一般的である(たとえば特許文献2参照)。
特開2003−241385号公報 特開2005−37888号公報
今後、リソグラフィー技術のさらなる進歩、レジストパターンの微細化がますます進むなか、レジスト材料には、高解像性への要望がさらに高まっている。
しかしながら、従来のレジスト組成物においては、レジストパターンの形成に際して使用するマスクサイズ(ホールパターンにおけるホール直径や、ラインアンドスペースパターンにおけるライン幅)の変化によって露光部にあたる光の量が増減する結果、レジスト中の酸発生剤から発生する酸の量がばらつくために、狭ピッチで微細なパターン、たとえば約100nm以下のホール口径のホールパターンを形成する際、パターン形状が崩れてしまう問題があった。したがって、従来のレジスト組成物には、例えば、コンタクトホールパターンのレジストパターン形成において、マスクエラーファクター(MEF)などのリソグラフィー特性が向上して、ホールの真円性が良好なレジストパターンを形成できることがますます求められている。なお、MEFは、同じ露光量で、ピッチを固定した状態でマスクサイズを変化させた際に、サイズの異なるマスクパターンをどれだけ忠実に再現できるかを示すパラメーターである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、リソグラフィー特性が向上し、良好な形状のレジストパターンを形成することができるレジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために以下の手段を提案する。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)、および露光により塩基を発生する光塩基発生剤成分(F)を含有するレジスト組成物であって、
前記酸発生剤成分(B)が、下記一般式(b1−1−2)又は下記一般式(b1−2)で表される酸発生剤(B1)を有し、前記光塩基発生剤成分(F)が下記一般式(f1)で表される化合物からなる光塩基発生剤(F1)を含むことを特徴とするレジスト組成物である。
Figure 0005276958
[式中、A は有機カチオンであり、Q”は炭素数1〜5のアルキレン基、−O−、−S−、−O−R 94 −または−S−R 95 −であり、R 94 およびR 95 はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であり、R 7’ は置換基であり、w2は0〜3の整数であり、v2は0〜5の整数であり、m2は0または1であり、pは1〜3の整数である。]
Figure 0005276958
[式中、A は有機カチオンであり、Y は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基であり、R は置換基(ただし、窒素原子は除く。)を有していてもよい脂肪族基であり、R は炭素数1〜12のアルキレン基である。]
Figure 0005276958
[式中、RおよびRは、水素原子または置換基を有していても良い炭素数1〜30の炭化水素基であり、RおよびRがともに置換基を有していても良い炭素数1〜30の炭化水素基である場合は、互いに結合して環を形成していてもよく、Rは置換基を有していても良いアリール基または脂肪族環式基である。]
本発明の第二の態様は、支持体上に、前記第一の態様のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
本明細書および本特許請求の範囲において、「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
また、「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」は、炭素数1〜5のアルキル基である。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「構成単位」とは、高分子化合物(重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明によれば、リソグラフィー特性が向上し、良好な形状のレジストパターンを形成することができるレジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供できる。
≪レジスト組成物≫
本発明の第一の態様であるレジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)(以下「(A)成分」という。)、および露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下「(B)成分」という。)を含有する。
かかるレジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、レジストパターン形成時に選択的露光を行うと、(B)成分から酸が発生し、該酸が(A)成分のアルカリ現像液に対する溶解性を変化させる。その結果、当該レジスト膜の露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が変化する一方で、未露光部はアルカリ現像液に対する溶解性が変化しないため、アルカリ現像することにより、ポジ型の場合は露光部が、ネガ型の場合は未露光部が溶解除去されてレジストパターンが形成される。
本発明のレジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物であってもよく、ポジ型レジスト組成物であってもよい。
本発明のレジスト組成物においては、これら(A)および(B)成分に加え、さらに、露光により塩基を発生する光塩基発生剤成分(F)(以下「(F)成分」という。)を含有する。
以下、各成分について説明する。
<(A)成分>
(A)成分としては、通常、化学増幅型レジスト用の基材成分として用いられている有機化合物を1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
ここで、「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、また、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすい。
前記分子量が500以上の有機化合物は、分子量が500以上2000未満の低分子量の有機化合物(以下「低分子化合物」という。)と、分子量が2000以上の高分子量の樹脂(高分子材料)とに大別される。前記低分子化合物としては、通常、非重合体が用いられる。樹脂(重合体、共重合体)の場合は、「分子量」としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。以下、単に「樹脂」という場合は、分子量が2000以上の樹脂を示すものとする。
(A)成分としては、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂を用いることができ、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する低分子材料を用いることもできる。
本発明のレジスト組成物が「ネガ型レジスト組成物」である場合、(A)成分としてはアルカリ現像液に可溶性の基材成分が用いられ、さらに、当該ネガ型レジスト組成物には架橋剤が配合される。
かかるネガ型レジスト組成物は、露光により(B)成分から酸が発生すると、当該酸が作用して基材成分と架橋剤との間で架橋が起こり、アルカリ現像液に対して難溶性へ変化する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ネガ型レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜を選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性のまま変化しないため、アルカリ現像することによりレジストパターンが形成できる。
ネガ型レジスト組成物の(A)成分としては、通常、アルカリ現像液に対して可溶性の樹脂(以下「アルカリ可溶性樹脂」という。)が用いられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸、またはα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも一つから誘導される単位を有する樹脂、特開2005−336452号公報または特開2006−259582号公報に開示されているフッ素化アルコールを有する樹脂が、膨潤の少ない良好なレジストパターンを形成でき、好ましい。なお、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸は、カルボキシ基が結合するα位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸と、このα位の炭素原子にヒドロキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基)が結合しているα−ヒドロキシアルキルアクリル酸の一方または両方を示す。
架橋剤としては、例えば、通常は、メチロール基またはアルコキシメチル基を有するグリコールウリルなどのアミノ系架橋剤を用いると、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。架橋剤の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましい。
本発明のレジスト組成物が「ポジ型レジスト組成物」である場合、(A)成分としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分(以下「(A’)成分」という。)が用いられる。
該(A’)成分は、露光前はアルカリ現像液に対して難溶性であり、露光により前記(B)成分から酸が発生すると、該酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ポジ型レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部は、アルカリ現像液に対して難溶性から可溶性に変化する一方で、未露光部はアルカリ難溶性のまま変化しないため、アルカリ現像することによりレジストパターンが形成できる。
本発明のレジスト組成物において、(A)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分((A’) 成分)であることが好ましい。すなわち、本発明のレジスト組成物は、ポジ型レジスト組成物であることが好ましい。
該(A’)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A1)(以下「(A1)成分」ということがある。)であってもよく、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する低分子化合物成分(A2)(以下「(A2)成分」ということがある。)であってもよく、又はこれらの混合物であってもよい。
[(A1)成分]
(A1)成分としては、通常、化学増幅型レジスト用の基材成分として用いられている樹脂成分(ベース樹脂)を1種単独で、又は2種以上混合して使用することができる。
本発明において、(A1)成分としては、アクリル酸エステルから誘導される構成単位を有するものが好ましい。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことを意味する。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
また、ハロゲン化低級アルキル基として、具体的には、上記「α位の置換基としての低級アルキル基」の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。
本発明のレジスト組成物においては、特に、(A1)成分が、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有することが好ましい。
また、(A1)成分は、構成単位(a1)に加えて、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。
また、(A1)成分は、構成単位(a1)に加えて、または構成単位(a1)および(a2)に加えて、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することが好ましい。
・構成単位(a1)について
構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は(A1)成分全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、酸により解離してこの(A1)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものであり、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状または環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状または環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は、置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
ここで、本明細書において、「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。
「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。
また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
構成単位(a1)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数1〜5の低級アルコキシ基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。
また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。「脂肪族環式基」は、多環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、例えば環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には2−メチル−2−アダマンチル基や、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式(a1”−1)〜(a1”−6)で示す構成単位において、カルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の酸素原子に結合した基の様に、アダマンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基等の脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;R15、R16はアルキル基(直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、好ましくは炭素数1〜5である)を示す。]
一般式(a1”−1)〜(a1”−6)において、Rの低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。
「アセタール型酸解離性溶解抑制基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等のアルカリ可溶性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型酸解離性溶解抑制基と、当該アセタール型酸解離性溶解抑制基が結合した酸素原子との間で結合が切断される。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、R’,R’はそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基を表し、nは0〜3の整数を表し、Yは低級アルキル基または脂肪族環式基を表す。]
上記式中、nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
’,R’の低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R’,R’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Figure 0005276958
[式中、R’、n、Yは上記と同様である。]
Yの低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。
また、アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、下記一般式(p2)で示される基も挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、R17、R18はそれぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基または水素原子であり、R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基である。または、R17およびR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であって、R17の末端とR19の末端とが結合して環を形成していてもよい。]
17、R18において、アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。特に、R17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
19が環状の場合は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19が、それぞれ独立に、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
構成単位(a1)としては、下記一般式(a1−0−1)で表される構成単位および下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
Figure 0005276958
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;Xは酸解離性溶解抑制基を示す。]
Figure 0005276958
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;Xは酸解離性溶解抑制基を示し;Yは2価の連結基を示す。]
一般式(a1−0−1)において、Rの低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。
は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定されることはなく、例えば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基、アセタール型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基が好ましい。
一般式(a1−0−2)において、Rは上記と同様である。
は、式(a1−0−1)中のXと同様である。
の2価の連結基としては、アルキレン基、2価の脂肪族環式基若しくはヘテロ原子を含む2価の連結基、又はこれらの組合せが挙げられる。
該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられること以外は、前記「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。
がアルキレン基である場合、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。
が2価の脂肪族環式基である場合、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンから水素原子が2個以上除かれた基であることが特に好ましい。
がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NR04−(R04はアルキル基、アシル基等)、−NH−C(=O)−、=N−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、「−A−O(酸素原子)−B−(ただし、AおよびBはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。)」等が挙げられる。
の−NR04−において、R04の炭素数としては、1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜5であることが特に好ましい。
が「−A−O−B−」である場合、AおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が、水素原子以外の基または原子で置換されていることを意味する。
Aにおける炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
Aにおける脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
Aにおける脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、2〜5がさらに好ましく、2が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか又は鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。
多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
Aとしては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数2〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基又はエチレン基が最も好ましい。
Bにおける炭化水素基としては、前記Aで挙げたものと同様の2価の炭化水素基が挙げられる。
Bとしては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基またはアルキルメチレン基が特に好ましい。
アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
の2価の連結基としては、アルキレン基、2価の脂肪族環式基、アルキレン基とヘテロ原子を含む2価の連結基がより好ましく、アルキレン基とヘテロ原子を含む2価の連結基が特に好ましい。
構成単位(a1)として、より具体的には、下記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、X’は第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を表し、Yは炭素数1〜5の低級アルキル基、または脂肪族環式基を表し;nは0〜3の整数を表し;Yは2価の連結基であり;Rは前記と同じであり、R’、R’はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。]
前記式中、X’は、前記Xにおいて例示した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基と同様のものが挙げられる。
’、R’、n、Yとしては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性溶解抑制基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるR’、R’、n、Yと同様のものが挙げられる。
としては、上記一般式(a1−0−2)におけるYと同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 0005276958
Figure 0005276958
Figure 0005276958
Figure 0005276958
Figure 0005276958
Figure 0005276958
Figure 0005276958
構成単位(a1)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その中でも、一般式(a1−1)又は(a1−3)で表される構成単位が好ましく、具体的には(a1−1−1)〜(a1−1−4)、(a1−1−20)〜(a1−1−23)、(a1−3−25)〜(a1−3−32)からなる群から選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、特に式(a1−1−1)〜式(a1−1−3)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるもの、式(a1−1−16)〜(a1−1−17)および式(a1−1−20)〜(a1−1−23)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)で表されるもの、式(a1−3−25)〜(a1−3−26)の構成単位を包括する下記一般式(a1−3−01)で表されるもの、式(a1−3−27)〜(a1−3−28)の構成単位を包括する下記一般式(a1−3−02)で表されるもの、又は式(a1−3−29)および(a1−3−31)の構成単位を包括する下記一般式(a1−3−03)で表されるものも好ましい。
Figure 0005276958
(式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し、R11は低級アルキル基を示す。)
Figure 0005276958
(式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し、R12は低級アルキル基を示す。hは1〜6の整数を表す。)
一般式(a1−1−01)において、Rについては上記と同様である。R11の低級アルキル基はRにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(a1−1−02)において、Rについては上記と同様である。R12の低級アルキル基はRにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。hは1又は2が好ましく、2が最も好ましい。
Figure 0005276958
(式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;R14は低級アルキル基であり、R13は水素原子またはメチル基であり、aは1〜10の整数である。)
Figure 0005276958
(式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;R14は低級アルキル基であり、R13は水素原子またはメチル基であり、aは1〜10の整数であり、n’は1〜6の整数である。)
Figure 0005276958
(式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;R14は低級アルキル基であり、R13は水素原子またはメチル基であり、aは1〜10の整数である。)
本発明においては、構成単位(a1)を、少なくとも2種有することが好ましい。
この場合、該少なくとも2種のうち、少なくとも1種が、前記一般式(a1−1−01)で表される構成単位、前記一般式(a1−1−02)で表される構成単位および前記一般式(a1−3−03)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
この場合、該少なくとも2種の構成単位(a1)は、前記一般式(a1−1−01)で表される構成単位、前記一般式(a1−1−02)で表される構成単位および前記一般式(a1−3−03)で表される構成単位からなる群から選択されるもののみから構成されてもよく、これらの構成単位の少なくとも1種と、これらに該当しない構成単位(a1)との組み合わせであってもよい。
前記一般式(a1−1−01)で表される構成単位、前記一般式(a1−1−02)で表される構成単位および前記一般式(a1−3−03)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種と組み合わせて用いることが出来る、これらに該当しない構成単位(a1)としては、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−7)〜(a1−1−15)で表される構成単位、前記一般式(a1−2)で表される構成単位、前記一般式(a1−4)で表される構成単位、前記一般式(a1−3−01)で表される構成単位、前記一般式(a1−3−02)で表される構成単位等が挙げられる。
前記一般式(a1−3−01)〜(a1−3−03)において、Rについては上記と同様である。
13は、水素原子が好ましい。
14の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基、エチル基、またはイソプロピル基が好ましい。
前記一般式(a1−3−01)または(a1−3−02)においてaは、1〜8の整数が好ましく、2〜5の整数が特に好ましく、2が最も好ましい。
前記一般式(a1−3−03)においてaは、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数が特に好ましく、1が最も好ましい。
共重合体(A1)中、構成単位(a1)の割合は、共重合体(A1)を構成する全構成単位に対し、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、30〜70モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A1)成分中、一般式(a1−1−01)又は一般式(a1−1−02)で表される構成単位の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対して10〜80モル%が好ましく、15〜70モル%がより好ましく、15〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A1)成分中、一般式(a1−3−01)〜(a1−3−03)で表される構成単位の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対して5〜50モル%が好ましく、5〜30モル%がより好ましく、5〜25モル%がさら好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
前記一般式(a1−3−01)〜(a1−3−03)で表される構成単位を誘導するモノマー(以下、まとめて「モノマーW」という。)は、たとえば以下に示す製造方法により製造することができる。
モノマーWの製造方法:
塩基の存在下、下記一般式(X−1)で表される化合物(以下「化合物(X−1)」という。)が反応溶媒に溶解した溶液に、下記一般式(X−2)で表される化合物(以下「化合物(X−2)」という。)を添加し、反応させることにより下記一般式(X−3)で表される化合物(以下「化合物(X−3)」という。)を得た後、化合物(X−3)が溶解した溶液に、下記一般式(X−4)で表される化合物を、塩基の存在下で添加し、反応させることにより、モノマーWが得られる。
化合物(X−2)は、たとえば、X11−B−C(=O)−OHと、X−Hとを反応させることにより得られる。また、化合物(X−2)の代わりに、X11−B−C(=O)−OHと、X−Hとをそれぞれ別個に用いてもよい。
塩基としては、たとえば水素化ナトリウム、KCO、CsCO等の無機塩基;トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ピリジン等の有機塩基等が挙げられる。
反応溶媒としては、原料である化合物(X−1)および化合物(X−2)を溶解できるものであればよく、具体的には、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル等が挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり;AおよびBはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Xは酸解離性溶解抑制基であり、X10およびX12はそれぞれ独立して水酸基またはハロゲン原子であって、X10およびX12のいずれか一方が水酸基であり、他方がハロゲン原子であり、X11はハロゲン原子である。uは0又は1である。]
前記式中、R、X、A、Bは、いずれも上記と同じである。
10、X11およびX12におけるハロゲン原子としては、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等が挙げられる。
10またはX12のハロゲン原子としては、反応性に優れることから、塩素原子、臭素原子が好ましい。
11としては、反応性に優れることから、臭素原子または塩素原子が好ましい。
上記モノマーWの製造方法は、u=0の場合、前記一般式(a1−3−01)又は(a1−3−02)で表される構成単位を誘導する各モノマーの製造方法を示し、u=1の場合、前記一般式(a1−3−03)で表される構成単位を誘導する各モノマーの製造方法を示す。
・構成単位(a2)について
構成単位(a2)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、(A1)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、水を含有する現像液との親和性を高めたりするうえで有効なものである。
構成単位(a2)としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、4〜6員環ラクトンから水素原子を1つ除いた基、たとえばβ−プロピオノラクトンから水素原子を1つ除いた基、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基、δ−バレロラクトンから水素原子を1つ除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり;R’はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基または−COOR”であり、R”は水素原子またはアルキル基であり;R29は単結合または2価の連結基であり、s”は0または1〜2の整数であり;A”は酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子であり;mは0または1の整数である。]
一般式(a2−1)〜(a2−5)におけるRは、前記構成単位(a1)におけるRと同様である。
R’の炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
R’の炭素数1〜5のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。
R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
R”が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
A”としては、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
29は単結合または2価の連結基である。2価の連結基としては、前記一般式(a1−0−2)中のYで説明した2価の連結基と同様であり、それらの中でも、アルキレン基、エステル結合(−C(=O)−O−)、もしくはそれらの組み合わせであることが好ましい。R29における2価の連結基としてのアルキレン基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基がより好ましい。具体的には、前記YのうちAにおける脂肪族炭化水素基で挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
s”は1〜2の整数が好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位の具体例を例示する。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 0005276958
Figure 0005276958
Figure 0005276958
Figure 0005276958
Figure 0005276958
共重合体(A1)において、構成単位(a2)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
構成単位(a2)として、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。なかでも、化学式(a2−1−1)、(a2−2−1)、(a2−2−7)、(a2−3−1)および(a2−3−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
共重合体(A1)中の構成単位(a2)の割合は、共重合体(A1)を構成する全構成単位の合計に対して、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a3)について
構成単位(a3)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
(A1)成分が構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、水酸基が特に好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該多環式基の炭素数は7〜30であることが好ましい。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
構成単位(a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基のときは、アクリル酸のヒドロキシエチルエステルから誘導される構成単位が好ましく、該炭化水素基が多環式基のときは、下記式(a3−1)で表される構成単位、下記式(a3−2)で表される構成単位、下記式(a3−3)で表される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、Rは前記と同じであり、jは1〜3の整数であり、kは1〜3の整数であり、t’は1〜3の整数であり、lは1〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。]
式(a3−1)中、jは、1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。jが2の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位と5位に結合しているものが好ましい。jが1の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
jは1であることが好ましく、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが特に好ましい。
式(a3−2)中、kは1であることが好ましい。シアノ基は、ノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
式(a3−3)中、t’は1であることが好ましい。lは1であることが好ましい。sは1であることが好ましい。これらは、アクリル酸のカルボキシ基の末端に、2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールは、ノルボルニル基の5又は6位に結合していることが好ましい。
構成単位(a3)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
共重合体(A1)中、構成単位(a3)の割合は、当該共重合体(A1)を構成する全構成単位に対し、5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより、構成単位(a3)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a4)について
(A1)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位(a4)を含んでいてもよい。
構成単位(a4)は、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
構成単位(a4)としては、例えば酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位などが好ましい。該多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特に、トリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
Figure 0005276958
[式中、Rは前記と同じである。]
かかる構成単位(a4)を(A1)成分に含有させる際、構成単位(a4)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対して1〜30モル%が好ましく、10〜20モル%がより好ましい。
本発明において、共重合体(A1)は、構成単位(a1)、(a2)および(a3)を有する共重合体を含有することが好ましく、かかる共重合体としては、たとえば、上記構成単位(a1)、(a2)および(a3)からなる共重合体、上記構成単位(a1)、(a2)、(a3)および(a4)からなる共重合体等が例示できる。
(A)成分中、共重合体(A1)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
本発明おいては、共重合体(A1)としては、特に下記の様な構成単位の組み合わせを含むものが好ましい。
Figure 0005276958
Figure 0005276958
上記一般式(A1−11)中、Rは前記と同じであり、複数のRはそれぞれ同じであってもよく異なっていてもよい。R11、R14、aおよびbは、いずれも前記と同じである。
前記式(A1−11)中、R11の低級アルキル基は、エチル基またはイソプロピル基であることが最も好ましい。
14の低級アルキル基は、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
aは1〜10の整数であり、1または2が特に好ましく、1が最も好ましい。
bは1〜10の整数であり、1または2が特に好ましく、1が最も好ましい。
上記一般式(A1−12)中、Rは前記と同じであり、複数のRはそれぞれ同じであってもよく異なっていてもよい。R11は前記と同じであり、複数のR11はそれぞれ同じであってもよく異なっていてもよい。A”は前記と同じである。
前記式(A1−12)中、R11の低級アルキル基は、エチル基またはイソプロピル基であることが最も好ましい。
A”はメチレン基(−CH−)または酸素原子(−O−)であることが好ましい。
(A1)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソ酪酸ジメチルのようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等により重合させることによって得ることができる。
また、(A1)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH−CH−CH−C(CF−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
(A1)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではなく、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限値以下であると、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限値以上であると、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
[(A2)成分]
(A2)成分としては、分子量が500以上2000未満であって、上述の(A1)成分の説明で例示したような酸解離性溶解抑制基と、親水性基とを有する低分子化合物が好ましい。具体的には、複数のフェノール骨格を有する化合物の水酸基の水素原子の一部が上記酸解離性溶解抑制基で置換されたものが挙げられる。
(A2)成分は、たとえば、非化学増幅型のg線やi線レジストにおける増感剤や、耐熱性向上剤として知られている低分子量フェノール化合物の水酸基の水素原子の一部を上記酸解離性溶解抑制基で置換したものが好ましく、そのようなものから任意に用いることができる。
かかる低分子量フェノール化合物としては、たとえば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールまたはキシレノールなどのフェノール類のホルマリン縮合物の2、3、4核体などが挙げられる。勿論これらに限定されるものではない。
酸解離性溶解抑制基も特に限定されず、上記したものが挙げられる。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記のなかでも、(A)成分としては、(A1)成分を含有することが好ましい。
本発明のレジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
<(B)成分>
本発明のレジスト組成物は、露光により酸を発生する光酸発生剤成分(B)「以下、(B)成分という。」を含有し、該(B)成分は、下記一般式(Ia)で表されるアニオン部を有する酸発生剤(B1)(以下、(B1)成分という。)を含有する。
Figure 0005276958
[式中、Xは置換基を有していてもよい炭素数3〜30の炭化水素基であり、Qは酸素原子を含む2価の連結基であり、Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。]
[(B1)成分]
式(Ia)中、Qは酸素原子を含む2価の連結基である。Qは、酸素原子以外の原子を含有してもよく、酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、酸素原子(エーテル結合;−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基;該非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。
該組み合わせとしては、たとえば、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−(式中、R91〜R93はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等が挙げられる。
91〜R93におけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。
としては、エステル結合またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、なかでも、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−または−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−が好ましい。
式(Ia)中、Yのアルキレン基としては、前記Qで挙げたアルキレン基のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。
フッ素化アルキレン基としては、該アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
として、具体的には、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CF(CFCF)−、−C(CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−、−CF(CFCFCF)−、−C(CF)(CFCF)−;−CHF−、−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−、−CH(CF)CH−、−CH(CFCF)−、−C(CH)(CF)−、−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CH(CF)CHCH−、−CHCH(CF)CH−、−CH(CF)CH(CF)−、−C(CFCH−;−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCHCH)−、−C(CH)(CHCH)−等が挙げられる。
としては、フッ素化アルキレン基が好ましく、特に、隣接する硫黄原子に結合する炭素原子がフッ素化されているフッ素化アルキレン基が好ましい。このようなフッ素化アルキレン基としては、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−;−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−;−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CHCFCFCF−等を挙げることができる。
これらの中でも、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、又はCHCFCF−が好ましく、−CF−、−CFCF−又は−CFCFCF−がより好ましく、−CF−が特に好ましい。
前記アルキレン基またはフッ素化アルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が「置換基を有する」とは、当該アルキレン基またはフッ素化アルキレン基における水素原子またはフッ素原子の一部または全部が、水素原子およびフッ素原子以外の原子または基で置換されていることを意味する。
アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
式(Ia)中、Xの炭化水素基は、芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。
芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いたアリール基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族炭化水素基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
Xにおける脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
Xにおいて、脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
Xにおける「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基、または環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)が好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5が好ましく、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば下記式(L1)〜(L5)、(S1)〜(S4)等が挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、Q”は炭素数1〜5のアルキレン基、−O−、−S−、−O−R94−または−S−R95−であり、R94およびR95はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは0または1の整数である。]
式中、Q”、R94およびR95におけるアルキレン基としては、それぞれ、前記R91〜R93におけるアルキレン基と同様のものが挙げられる。
これらの脂肪族環式基は、その環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
前記アルコキシ基、ハロゲン原子はそれぞれ前記水素原子の一部または全部を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
本発明において、Xは、置換基を有していてもよい環式基であることが好ましい。該環式基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましい。
前記芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L5)、(S3)〜(S4)等が好ましい。
(B1)成分が有するカチオン部としては、特に制限されず、従来、オニウム塩系酸発生剤のカチオン部として知られているものを適宜用いることができる。かかるカチオン部としては、通常、有機アニオンが用いられる。該有機アニオンとしては、スルホニウムイオンまたはヨードニウムイオンが好ましく、特にスルホニウムイオンが好ましい。
具体例として、たとえば、下記一般式(Ib−1)または(Ib−2)で表されるカチオン部が挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、R11’〜R 13’は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよいアルキル基であり、R11’〜R13 ’のうち少なくとも1つは前記アリール基であり、R11’〜R13 ’のうちの2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していてもよい。R15’〜R 16’は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよいアルキル基であり、R15’〜R 16’のうち少なくとも1つは前記アリール基である。]
11’〜R 13’のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20の無置換のアリール基、該無置換のアリール基の水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基等で置換された置換アリール基が挙げられる。
無置換のアリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
置換アリール基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
置換アリール基におけるアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることが最も好ましい。
置換アリール基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
置換アリール基におけるアルコキシアルキルオキシ基としては、たとえば、一般式:−O−C(R47)(R48)−O−R49[式中、R47、R48はそれぞれ独立して水素原子または直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、R49はアルキル基である。
47、R48において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜5であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
47、R48は、少なくとも一方が水素原子であることが好ましい。特に、一方が水素原子であり、他方が水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
49のアルキル基としては、好ましくは炭素数が1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
49における直鎖状、分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
49における環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
置換アリール基におけるアルコキシカルボニルアルキルオキシ基としては、たとえば、一般式:−O−R50−C(=O)−O−R51[式中、R50は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基であり、R51は第3級アルキル基である。]で表される基が挙げられる。
50における直鎖状、分岐鎖状のアルキレン基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられる。
51における第3級アルキル基としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロペンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルペンチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基などが挙げられる。
11’〜R13’のアリール基としては、それぞれ、置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。すなわち、式(Ib−1)で表されるカチオン部は、トリフェニルスルホニウム骨格を有するカチオン部であることが好ましい。
11’〜R13’のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
11’〜R13’のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、イオウ原子を含めて3〜10員環を形成していることが好ましく、5〜7員環を形成していることが特に好ましい。
11’〜R13’のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、残りの1つは、アリール基であることが好ましい。前記アリール基は、前記R11’〜R13’のアリール基と同様のものが挙げられる。
式(Ib−1)で表されるカチオン部の具体例としては、たとえば、トリフェニルスルホニウム、(3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(2−アダマントキシメチルオキシ)−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(2−アダマントキシメチルオキシ)フェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)フェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(2−メチル−2−アダマンチルオキシカルボニルメチルオキシ)フェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(2−メチル−2−アダマンチルオキシカルボニルメチルオキシ)−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウム、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウム、モノフェニルジメチルスルホニウム、ジフェニルモノメチルスルホニウム、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウム、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウム、ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウム、1−フェニルテトラヒドロチオフェニウム、1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオフェニウム、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム、1−(4−メトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム、1−(4−エトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム、1−フェニルテトラヒドロチオピラニウム、1−(4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウム、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウム、1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオピラニウム等が挙げられる。
式(Ib−1)で表されるカチオン部としては、特に、下記式(Ib’−1−1)〜(Ib’−1−8)で表されるカチオン部等のトリフェニルスルホニウム骨格のカチオン部がより好ましい。
式(Ib’−1−4)中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基である。該アルキル基は、直鎖または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、特にメチル基またはn−ブチル基が好ましい。
Figure 0005276958
式(Ib−2)中、R15’〜R16’はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R15’〜R16’のうち、少なくとも1つはアリール基を表し、R15’〜R16’のすべてがアリール基であることが好ましい。
15’〜R16’のアリール基としては、R11’〜R13’のアリール基と同様のものが挙げられる。
15’〜R16’のアルキル基としては、R11’〜R13’のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R15’〜R16’は、すべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(Ib−2)で表されるカチオン部の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム等が挙げられる。
また、(B1)成分は、後述する(B2)成分が有するカチオン部と同様のカチオン部を有していてもよい。
ただし、本発明において、(B1)成分と(B2)成分とは異なるものである。
本発明において、(B1)成分としては、下記一般式(b1−1)又は下記一般式(b1−2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005276958
[式(b1−1)中、XおよびYはそれぞれ前記と同じであり、Qは単結合またはアルキレン基であり、m0は0または1であり、Aは有機カチオンである。]
式(b1−1)中、Xとしては、置換基を有していてもよい脂肪族環式基、置換基を有していてもよい直鎖状の脂肪族炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基が好ましい。中でも、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含む脂肪族環式基が好ましい。
のアルキレン基としては、上記Qで挙げたアルキレン基と同様のものが挙げられる。
としては、単結合またはメチレン基が特に好ましい。中でも、Xが置換基を有していてもよい脂肪族環式基である場合は、Qが単結合であることが好ましく、Xが芳香族炭化水素基である場合は、Qがメチレン基であることが好ましい。
m0は0であってもよく、1であってもよい。Xが置換基を有していてもよい脂肪族環式基である場合は、m0が1であることが好ましく、Xが置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、または置換基を有していてもよい直鎖状の脂肪族炭化水素基である場合は、m0が0であることが好ましい。
の有機カチオンとしては、(B1)成分が有するカチオン部として前記で挙げた有機カチオンと同様のものが挙げられ、前記一般式(Ib−1)で表されるカチオン部が最も好ましい。
Figure 0005276958
[式(b1−2)中、YおよびAはそれぞれ前記と同じであり、Rは置換基(ただし、窒素原子は除く。)を有していてもよい脂肪族基であり;Rはアルキレン基である。]
式中、Rは、置換基(ただし、窒素原子は除く。)を有していてもよい脂肪族基であり、具体的には、前記式(b1−1)中のXについての説明における、置換基を有していてもよい脂肪族環式基と同様のもの(ただし、窒素原子または窒素原子を含む置換基を有する脂肪族環式基を除く。)が挙げられる。
は、前記式(b1−1)におけるQについての説明におけるアルキレン基と同様のものが挙げられる。
(B1)成分としては、特に、下記一般式(b1−1−1)〜(b1−1−7)で表される化合物、下記一般式(b1−2−1)〜(b1−2−3)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005276958
[式中、Q”、Aはそれぞれ前記と同じであり、R7’は置換基であり、w1〜w5はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、v1〜v5はそれぞれ独立に0〜5の整数であり、m1〜m5はそれぞれ独立に0または1であり、pは1〜3の整数であり、z1〜z2はそれぞれ独立に1〜6の整数である。]
7’の置換基としては、前記Xにおいて、脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基、芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
7’に付された符号(w1〜w5)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のR7’はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
v1〜v5はそれぞれ独立に0〜5であることが好ましく、0〜3であることが更に好ましい。
w1〜w5はそれぞれ独立に0〜2であることが好ましく、0が最も好ましい。
pは、1または2が好ましい。
z1〜z2はそれぞれ独立に1〜4であることがより好ましく、1が最も好ましい。
Figure 0005276958
[式中、A、pは前記と同じであり、R’は置換基であり、r1は0〜3の整数であり、q1〜q3はそれぞれ独立に1〜12の整数であり、gは1〜20の整数である。]
’の置換基としては、前記R7’と同様のものが挙げられる。
’に付された符号(r1)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のR’はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
r1は0〜2の整数であることが好ましく、0または1であることが更に好ましい。
q1〜q3はそれぞれ独立に1〜5であることが好ましく、1〜3であることが更に好ましい。
gは1〜15であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましい
(B1)成分は、従来公知の方法により製造できる。たとえば、前記一般式(b1−1)で表される化合物、および前記一般式(b1−2)で表される化合物は、それぞれ以下のようにして製造できる。
[前記一般式(b1−1)で表される化合物の製造方法]
前記一般式(b1−1)で表される化合物は、下記一般式(b0−1)で表される化合物(b0−1)と、下記一般式(b0−2)で表される化合物(b0−2)とを反応させることにより製造できる。
Figure 0005276958
式(b0−1)および(b0−2)中、X、Q、m0、Y、Aは、それぞれ前記式(b1−1)中のX、Q、m0、Y、Aと同じである。
は、アルカリ金属イオンである。該アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン、リチウムイオン、カリウムイオン等が挙げられ、ナトリウムイオンまたはリチウムイオンが好ましい。
は、非求核性イオンである。
該非求核性イオンとしては、たとえば臭素イオン、塩素イオン等のハロゲンイオン、化合物(b0−1)よりも酸性度が低い酸になり得るイオン、BF 、AsF 、SbF 、PF またはClO 等が挙げられる。
における化合物(b0−1)よりも酸性度が低い酸になりうるイオンとしては、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等のスルホン酸イオンが挙げられる。
化合物(b0−1)、化合物(b0−2)としては、市販のものを用いてもよく、公知の手法により合成してもよい。
化合物(b0−1)の製造方法は特に限定されないが、たとえば、下記一般式(b0−1−11)で表される化合物を、テトラヒドロフラン、水等の溶媒中、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液中で反応させて下記一般式(b0−1−12)で表される化合物とした後、該化合物を、ベンゼン、ジクロロエタン等の有機溶剤中にて、酸性触媒の存在下にて、下記一般式(b0−1−13)で表されるアルコールと脱水縮合させることにより、前記一般式(b0−1)におけるm0が1である化合物(下記一般式(b0−1−1)で表される化合物)が得られる。
Figure 0005276958
[式中、R21は炭素数1〜5のアルキル基であり、X、Q、Y、Mはそれぞれ式(b0−1)中のX、Q、Y、Mと同じである。]
また、たとえば、フッ素銀と、下記一般式(b0−1−01)で表される化合物と、下記一般式(b0−1−02)で表される化合物とを、無水ジグリム等の有機溶剤中にて反応させることにより、下記一般式(b0−1−03)で表される化合物を得、該化合物を、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン等の有機溶剤中、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物と反応させることにより、前記一般式(b0−1)におけるm0が0である化合物(下記一般式(b0−1−0)で表される化合物)が得られる。
式(b0−1−02)中のXのハロゲン原子としては、臭素原子または塩素原子が好ましい。
Figure 0005276958
[式中、X、Q、Y、Mはそれぞれ式(b0−1)中のX、Q、Y、Mと同じであり、Xはハロゲン原子である。]
化合物(b0−2)は、たとえば、従来化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているオニウム塩系酸発生剤のカチオン部を有するオニウム塩に酸解離性溶解抑制基含有基を導入することにより製造できる。
酸解離性溶解抑制基含有基を導入する方法としては、特に限定されず、公知の方法を利用できる。たとえば、前記オニウム塩として、カチオン部に水酸基、カルボキシ基等の親水基を有するものを用意し、該親水基の水素原子を酸解離性溶解抑制基含有基で置換する方法が挙げられる。
前記化合物(b0−1)と化合物(b0−2)とは、たとえば、これらの化合物を、水、ジクロロメタン、アセトニトリル、メタノール、クロロホルム、塩化メチレン等の溶媒に溶解し、撹拌する等により反応させることができる。
反応温度は、0℃〜150℃程度が好ましく、0℃〜100℃程度がより好ましい。反応時間は、化合物(b0−1)および化合物(b0−2)の反応性や反応温度等によっても異なるが、通常、0.5〜10時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
上記反応における化合物(b0−2)の使用量は、通常、化合物(b0−1)1モルに対して、0.5〜2モル程度が好ましい。
反応終了後、反応液中の化合物(b1−1)を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
得られた化合物(b1−1)の構造は、H−核磁気共鳴(NMR)スペクトル法、13C−NMRスペクトル法、19F−NMRスペクトル法、赤外線吸収(IR)スペクトル法、質量分析(MS)法、元素分析法、X線結晶回折法等の一般的な有機分析法により確認できる。
[前記一般式(b1−2)で表される化合物の製造方法]
前記一般式(b1−2)で表される化合物は、下記一般式(b0−01)で表される化合物(b0−01)と、下記一般式(b0−02)で表される化合物(b0−02)とを反応させることにより製造できる。
式中、Z’の非求核性イオンとしては、たとえば臭素イオン、塩素イオン等のハロゲンイオン、化合物(b0−01)よりも酸性度が低い酸になり得るイオン、BF 、AsF 、SbF 、PF またはClO 等が挙げられる。
Z’における化合物(b0−01)よりも酸性度が低い酸になりうるイオンとしては、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等のスルホン酸イオンが挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、R、R、Y、M、Aは、それぞれ前記と同じであり、Z’は非求核性イオンである。]
化合物(b0−01)は、たとえば、下記一般式(1−3)で表される化合物(1−3)と、下記一般式(2−1)で表される化合物(2−1)とを反応させることにより合成できる。
Figure 0005276958
[式中、R、R、Y、Mはそれぞれ前記と同じであり、X22はハロゲン原子である。]
22のハロゲン原子としては、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等が挙げられ、反応性に優れることから、臭素原子または塩素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
化合物(1−3)、(2−1)はそれぞれ市販のものを用いてもよく、合成してもよい。
化合物(1−3)の好ましい合成方法として、下記一般式(1−1)で表される化合物(1−1)と、下記一般式(1−2)で表される化合物(1−2)とを反応させて化合物(1−3)を得る工程を有する方法が挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、R、Y、Mはそれぞれ前記と同じであり、Rは、置換基として芳香族基を有していてもよい脂肪族基である。]
前記式(1−1)中、Rは、置換基として芳香族基を有していてもよい脂肪族基である。
該脂肪族基は、飽和脂肪族基であってもよく、不飽和脂肪族基であってもよい。また、脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、それらの組み合わせであってもよい。
脂肪族基は、炭素原子および水素原子のみからなる脂肪族炭化水素基であってもよく、該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換された基であってもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換された基であってもよい。
前記ヘテロ原子としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。脂肪族基が環式基を含む場合、これらの置換基を当該環式基の環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、−COOR96、−OC(=O)R97、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
96およびR97はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基である。
96およびR97におけるアルキル基が直鎖状または分岐鎖状の場合、その炭素数は1〜10であることが好ましく、1〜5であることがより好ましく、1または2がさらに好ましい。具体的には、後述する直鎖状または分岐鎖状の1価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる。
96およびR97におけるアルキル基が環状である場合、該環は単環であってもよく、多環であってもよい。その炭素数は3〜15であることが好ましく、4〜12であることがより好ましく、5〜10がさらに好ましい。具体的には、後述する環状の1価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜30の直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、炭素数2〜10の直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基、または炭素数3〜30の環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)が好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10がさらに最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10がさらに最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、炭素数2〜5が好ましく、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
前記式(1−1)中のRにおいて、前記脂肪族基は、置換基として芳香族基を有していてもよい。
芳香族基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いたアリール基;これらのアリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。
これらの芳香族基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数が1〜4であることがさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。該ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子などが挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
なお、化合物(1−1)におけるRが芳香族基であると、つまりRに隣接する酸素原子が、脂肪族基を介さずに直接芳香環に結合していると、化合物(1−1)と化合物(1−2)との反応は進行せず、化合物(1−3)は得られない。
化合物(1−1)、(1−2)は、それぞれ市販のものを用いてもよく、公知の手法を利用して合成してもよい。
たとえば化合物(1−2)は、下記一般式(0−1)で表される化合物(0−1)をアルカリの存在下で加熱し、中和することにより下記一般式(0−2)で表される化合物(0−2)を得る工程(以下、塩形成工程という。)と、
前記化合物(0−2)を、化合物(1−2)よりも酸強度の高い酸の存在下で加熱することにより化合物(1−2)を得る工程(以下、カルボン酸化工程という。)と、を含む方法が挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、R01はアルキル基であり、Y、Mは前記と同じである。]
01のアルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
これらの中でも炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
化合物(0−1)としては市販のものを使用できる。
塩形成工程は、たとえば、化合物(0−1)を溶媒に溶解し、該溶液にアルカリを添加し、加熱することにより実施できる。
溶媒としては、化合物(0−1)を溶解するものであればよく、たとえば水、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
アルカリとしては、式(0−2)中のMに対応するアルカリが用いられ、該アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられる。
アルカリの使用量は、化合物(0−1)1モルに対し、1〜5モルが好ましく、2〜4モルがより好ましい。
加熱温度は、20〜120℃程度が好ましく、50〜100℃程度がより好ましい。加熱時間は、加熱温度等によっても異なるが、通常、0.5〜12時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
前記加熱後の中和は、前記加熱後の反応液に塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸等の酸を添加することにより実施できる。
このとき、中和は、酸添加後の反応液のpH(25℃)が6〜8となるように実施することが好ましい。また、中和時の反応液の温度は、20〜30℃であることが好ましく、23〜27℃であることがより好ましい。
反応終了後、反応液中の化合物(0−2)を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
カルボン酸化工程では、前記塩形成工程で得た化合物(0−2)を、化合物(1−2)よりも酸強度の高い酸の存在下で加熱することにより該化合物(1−2)を得る。
「化合物(1−2)よりも酸強度の高い酸(以下、単に強酸ということがある。)」とは、化合物(1−2)における−COOHよりも、pKa(25℃)の値が小さい酸を意味する。かかる強酸を用いることにより、化合物(0−2)中の−COOが−COOHとなり、化合物(1−2)が得られる。
強酸としては、公知の酸のなかから、前記化合物(1−2)における−COOHのpKaよりもpKaが小さい酸を適宜選択して用いればよい。化合物(1−2)における−COOHのpKaは、公知の滴定法により求めることができる。
強酸として、具体的には、アリールスルホン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。アリールスルホン酸としては、たとえばp−トルエンスルホン酸が挙げられる。アルキルスルホン酸としては、たとえばメタンスルホン酸やトリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。強酸としては、有機溶剤への溶解性や精製のし易さから、特にp−トルエンスルホン酸が好ましい。
カルボン酸化工程は、たとえば化合物(0−2)を溶媒に溶解し、酸を添加して加熱することにより実施できる。
溶媒としては、化合物(0−2)を溶解するものであればよく、たとえばアセトニトリル、メチルエチルケトン等が挙げられる。
強酸の使用量は、化合物(0−2)1モルに対し、0.5〜3モルが好ましく、1〜2モルがより好ましい。
加熱温度は、20〜150℃程度が好ましく、50〜120℃程度がより好ましい。加熱時間は、加熱温度等によっても異なるが、通常、0.5〜12時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
反応終了後、反応液中の化合物(1−2)を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
化合物(1−3)と化合物(2−1)とを反応させる方法としては、特に限定されないが、たとえば、反応溶媒中で、化合物(1−3)および化合物(2−1)を接触させる方法が挙げられる。該方法は、たとえば、塩基の存在下、化合物(1−3)が反応溶媒に溶解した溶液に、化合物(2−1)を添加することにより実施できる。
反応溶媒としては、原料である化合物(1−3)および化合物(2−1)を溶解できるものであればよく、具体的には、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル等が挙げられる。
塩基としては、たとえばトリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ピリジン等の有機塩基;水素化ナトリウム、KCO、CsCO等の無機塩基等が挙げられる。
化合物(2−1)の添加量は、化合物(1−3)に対し、およそ1〜3当量が好ましく、1〜2当量がより好ましい。
反応温度は、−20〜40℃が好ましく、0〜30℃がより好ましい。反応時間は、化合物(1−3)および化合物(2−1)の反応性や反応温度等によっても異なるが、通常、1〜120時間が好ましく、1〜48時間がより好ましい。
化合物(b0−01)と、化合物(b0−02)との反応は、従来公知の塩置換方法と同様にして実施できる。たとえば、化合物(b0−01)と、化合物(b0−02)とを、水、ジクロロメタン、アセトニトリル、メタノール、クロロホルム等の溶媒に溶解し、撹拌する等により反応させることができる。
反応温度は、0℃〜150℃程度が好ましく、0℃〜100℃程度がより好ましい。反応時間は、化合物(b0−01)および化合物(b0−02)の反応性や反応温度等によっても異なるが、通常、0.5〜10時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
反応終了後、反応液中の化合物(b1−2)を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
得られた化合物(b1−2)の構造は、H−核磁気共鳴(NMR)スペクトル法、13C−NMRスペクトル法、19F−NMRスペクトル法、赤外線吸収(IR)スペクトル法、質量分析(MS)法、元素分析法、X線結晶回折法等の一般的な有機分析法により確認できる。
(B1)成分としては、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分中、(B1)成分の割合は、(B)成分の総質量に対し、5〜100質量%が好ましく、25〜100質量%がより好ましく、30〜100質量%がさらに好ましく、50〜100質量%が最も好ましい。(B1)成分の割合が上記範囲内であると、本発明の効果が向上する。
[(B2)成分]
本発明のレジスト組成物は、(B)成分として、上記(B1)成分以外の酸発生剤(以下、(B2)成分という。)を含有してもよい。
(B2)成分としては、上記(B1)成分に該当しないものであれば特に限定されず、これまで公知の任意の酸発生剤を使用できる。具体的には、上記(B1)成分に該当しないものであって、下記一般式(IIb)で表されるカチオン部を有するイオン性酸発生剤を(B2)成分として挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、R11”〜R13”は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基含有基、または置換基を有していてもよいアルキル基であり、R11”〜R13”のうち少なくとも1つは前記芳香族炭化水素基含有基である(ただし、R11”〜R13”がすべて置換基を有していてもよいフェニル基である場合を除く)か、またはR11”〜R13”のうちの2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成しており、R11”〜R13”のうちの環を形成していない残りの1つはアルキル基、アリール基、又は−(R’)−C(=O)−R’であり、R’は炭素数1〜5のアルキレン基であり、R’はアリール基である。]
式(IIb)中、R11”〜R 13”の芳香族炭化水素基含有基としては、特に制限はなく、例えば、置換基を有していてもよいアリール基、該アリール基に2価の連結基が結合したアリール基含有基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリール基としては、前記R11’〜R 13’におけるアリール基と同様のものが挙げられる。
アリール基含有基における連結基としては、炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基等が挙げられる。
該連結基におけるアルキレン基としては、前記Qにおいて、R91〜R93におけるアルキレン基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、前記Qと同様のものが挙げられる。
該連結基としては、特に−(R’)−C(=O)−[R’は炭素数1〜5のアルキレン基である。]が好ましい。すなわち、アリール基含有基としては、−(R’)−C(=O)−R’[R’は炭素数1〜5のアルキレン基であり、R’はアリール基である。]が好ましい。
11”〜R 13”の置換基を有していてもよいアルキル基としては、前記R11’〜R 13’におけるアルキル基と同様のものが挙げられる。
11”〜R13”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、イオウ原子を含めて3〜10員環を形成していることが好ましく、5〜7員環を形成していることが特に好ましい。
11”〜R13”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、残りの1つは、アルキル基、アリール基、又は−(R’)−C(=O)−R’[R’、 R’はそれぞれ前記と同じである。]であり、アリール基であることが好ましい。前記アリール基は、前記R11”〜R13”のアリール基と同様のものが挙げられる。
本発明においては、R11”〜R13”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成しているか、またはR11”〜R13”がすべて置換基を有していてもよいアリール基であることが好ましい。
ただし、R11”〜R13”がすべて置換基を有していてもよいフェニル基であるものは(B2)成分には含まれず、R11”〜R13”がすべて置換基を有していてもよいアリール基である場合、それらのうちの少なくとも1つは、フェニル基以外のアリール基(たとえばナフチル基)である。
前記式(IIb)で表されるカチオン部としては、下記一般式(IIb−1)〜(IIb−7)のいずれかで表されるカチオン部が好ましく、式(IIb−1)、(IIb−3)〜(IIb−5)のいずれかで表されるカチオン部がより好ましく、式(IIb−1)で表されるカチオン部が特に好ましい。
Figure 0005276958
[式中、R41”〜R46”およびR51”〜R56”はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアセチル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、カルボキシ基、水酸基またはヒドロキシアルキル基であり、R47”〜R48”はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基であり;R49”〜R50”はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基であり;n〜nおよびn〜n12はそれぞれ独立して0〜3の整数であり、nは0〜2の整数であり、aは1〜3の整数である。]
41”〜R46”およびR51”〜R56”において、アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基であることが特に好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
41”〜R46”およびR51”〜R56”にそれぞれ付された符号n〜n12がそれぞれ2以上の整数である場合、複数のR41”〜R46”およびR51”〜R56”はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
〜nおよびn〜n12は、それぞれ独立して0〜3の整数であり、より好ましくは0である。
は0〜2の整数であり、より好ましくは0である。
47”〜R48”はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基であり、該アルキル基としては、前記R11”〜R 13”におけるアルキル基と同様のものが挙げられ、直鎖または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましく、特にn−ブチル基が好ましい。
49”〜R50”はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基であり、該アリール基としては前記R11”〜R 13”におけるアリール基と同様のものが挙げられる。
aは1〜3の整数であり、1または2が最も好ましい。
(B2)成分が有するアニオン部としては、特に制限されず、従来、オニウム塩系酸発生剤のアニオン部として知られているものを適宜用いることができる。かかるアニオン部としては、たとえば下記一般式(IIa−0)で表されるアニオン部が挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、R”は、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表す。]
”における直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
”における環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したフッ素化アルキル基(パーフルオロアルキル基)が、酸の強度が強くなるので好ましい。
”としては、直鎖状もしくは環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
式(IIa−0)で表されるアニオン部として、具体的には、トリフルオロメタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。
また、(B2)成分が有するアニオン部として好ましいものとして、下記一般式(IIa−1)または(IIa−2)で表されるアニオン部が挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
(B2)成分は、市販のものを用いてもよく、従来公知の方法により製造してもよい。
たとえば前記一般式(IIb−1)で表されるカチオン部を有する化合物は、下記一般式(b2−0−21)で表される化合物と、下記一般式(b2−0−22)で表される化合物とを、安息香酸銅(II)等の触媒を用いて、クロロベンゼン、ヨードベンゼン等の溶媒中で、80〜130℃、より好ましくは100〜120℃にて、0.5〜3時間、より好ましくは1〜2時間反応させることで得ることができる。
式(b2−0−22)中、Xのアニオン部としては、前記(B2)成分が有していてもよいアニオン部として挙げたものと同様のものが挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、R41”〜R43”、n1〜n3はそれぞれ前記と同じであり、Xはアニオン部である。]
(B2)成分としては、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分中に(B2)成分を含有する場合は、当該(B2)成分の割合は(B)成分の総質量に対し、1〜90質量%が好ましく、5〜70質量%がより好ましく、10〜65質量%がさらに好ましい。
(B)成分中に(B2)成分を含有する場合において、当該(B)成分中、(B1)成分および(B2)成分の含有量の比(モル比)は、(B1)成分:(B2)成分=99:1〜1:99が好ましく、90:10〜30:70がより好ましく、85:15〜60:40がさらに好ましい。
また、当該(B)成分中、(B1)成分および(B2)成分の合計量は、本発明の効果を考慮すると、(B)成分の総質量に対し、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。
[(B3)成分]
本発明のレジスト組成物は、(B)成分として、さらに、上記(B1)成分および(B2)成分以外の酸発生剤(以下、(B3)成分という。)を含有してもよい。
(B3)成分としては、上記(B1)成分および(B2)成分に該当しないものであれば特に限定されず、これまで公知の任意の酸発生剤を使用できる。具体的には、上記(B1)成分および(B2)成分に該当しないイオン性酸発生剤(たとえばオニウム塩系酸発生剤)、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
上記(B1)成分および(B2)成分に該当しないイオン性酸発生剤としては、たとえば、下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、R”〜R”は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよいアルキル基であり、R”〜R”のうち少なくとも1つは前記アリール基であり、R”〜R”のうちの2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していてもよく;R”は、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表し;R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R” は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、または置換基を有していてもよいアルキル基であり、R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表す。]
”〜R”はそれぞれ前記式(Ib−1)中のR11’〜R13’と同様のものが挙げられる。
”は前記式(IIa−0)中のR”と同様のものが挙げられる。
”〜R”はそれぞれ前記式(Ib−2)中のR15’〜R16’と同様のものが挙げられる。
また、(B1)成分および(B2)成分に該当しないイオン性酸発生剤として、下記一般式(b−3)で表される酸発生剤が挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基である。ただし、−SO における硫黄原子に結合する炭素原子にはフッ素原子は結合していない。Zは有機カチオンである。]
前記式(b−3)中、Zの有機カチオンとしては、特に限定されず、前記(B1)成分のカチオン部として挙げたものと同様のものが挙げられる。
における炭化水素基は、置換基を有していてもよく有していなくてもよい。ただし、−SO における硫黄原子に結合する炭素原子には、フッ素原子は結合していない。
該置換基は、フッ素原子を含有しないものが好ましく、たとえば炭素数1〜5の低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
における炭素数1〜12の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよい。炭素数1〜12の炭化水素基であることにより、レジストパターンの矩形性が向上する。
における炭化水素基が脂肪族炭化水素基である場合、該脂肪族炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよく、通常は飽和であることが好ましい。
また、脂肪族炭化水素基は、鎖状(直鎖状、分岐鎖状)であってもよく、環状であってもよい。
鎖状の炭化水素基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、該アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数が1〜8であることがより好ましく、3〜8であることがさらに好ましい。
直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。これらの中でもメチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基が好ましく、特にn−オクチル基が好ましい。
の環状の脂肪族炭化水素基としては、脂肪族環式基や、鎖状の炭化水素基の水素原子の少なくとも1つが脂肪族環式基で置換された基(脂肪族環式基含有基)等が挙げられる。
前記「脂肪族環式基」としては、前記(A)成分の酸解離性溶解抑制基における「脂肪族環式基」として挙げたものと同様のものが挙げられ、炭素数が3〜12であることが好ましく、炭素数が4〜10であることがより好ましい。
脂肪族環式基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。
単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましく、たとえばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等が例示できる。
多環式基としては、炭素数7〜12が好ましく、具体的には、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基等が挙げられる。
これらの中でも、多環式基が好ましく、工業上、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が好ましい。また、これらの脂肪族環式基は、上述したように、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。
前記「脂肪族環式基含有基」における脂肪族環式基としては、上記と同様のものが挙げられる。「脂肪族環式基含有基」において脂肪族環式基が結合する鎖状の炭化水素基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5の低級アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、これらの中でも、直鎖状のアルキル基が好ましく、工業的にはメチル基またはエチル基が好ましい。
が環状の炭化水素基であるスルホン酸イオンの具体例としては、たとえば下記式(b3−2−1)〜(b3−2−7)で表されるものが挙げられる。これらの中でも、式(b3−2−1)で表されるアニオンが好ましい。
Figure 0005276958
の炭化水素基において、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、フェネチル基、ナフチル基などが挙げられる。芳香族炭化水素基は、上述したように、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。
が芳香族炭化水素基である場合の具体例としては、たとえば下記式(b3−3−1)または(b3−3−2)で表される基が挙げられる。
Figure 0005276958
式(b3−3−1)中、R61およびR62は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基である。
61およびR62のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、特にメチル基が好ましい。
61およびR62のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられ、特にメトキシ基、エトキシ基が好ましい。
dおよびeは、それぞれ独立に、0〜4の整数であり、好ましくは0〜2であり、最も好ましくは0である。
dおよび/またはeが2以上の整数であって、R61および/またはR62が複数存在する場合、複数のR61および/またはR62は、互いに同じであってもよく異なっていてもよい。
式(b3−3−2)中、R63は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基である。
63のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、特にメチル基が好ましい。
63のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられ、特にメトキシ基、エトキシ基が好ましい。
fは0〜3の整数であり、好ましくは1又は2であり、最も好ましくは1である。
fが2以上の整数であって、R63が複数存在する場合、複数のR63は互いに同じであってもよく異なっていてもよい。
オキシムスルホネート系酸発生剤としては、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、露光によって酸を発生する特性を有するものが挙げられる。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 0005276958
(式(B−1)中、R31、R32はそれぞれ独立に有機基を表す。)
31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005276958
[式(B−2)中、R33は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R34はアリール基である。R35は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。]
Figure 0005276958
[式(B−3)中、R36はシアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R37は2または3価の芳香族炭化水素基である。R38は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。p”は2または3である。]
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は、好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、国際公開第04/074242号パンフレット(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 0005276958
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B3)成分は、上記酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B3)成分を含有する場合、(B)成分中の(B3)成分の割合は、(B)成分の総質量に対し、0.5〜10質量%が好ましく、より好ましくは1〜5質量%である。
本発明のレジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましい。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
<(F)成分>
本発明のレジスト組成物は、露光により塩基を発生する光塩基発生剤成分(F)「以下、(F)成分という。」を含有し、該(F)成分は、下記一般式(f1)で表される化合物からなる塩基発生剤(F1)(以下「(F1)成分」という。)を含む。
Figure 0005276958
[式中、RおよびRは、水素原子または置換基を有していても良い炭素数1〜30の炭化水素基であり、RおよびRがともに置換基を有していても良い炭素数1〜30の炭化水素基である場合は、互いに結合して環を形成していてもよく、Rは置換基を有していても良いアリール基または脂肪族環式基である。]
(F)成分が、該(F1)成分を含むことにより、本発明のレジスト組成物を用いて、例えば、コンタクトホールパターンのレジストパターンを形成する場合に、マスクエラーファクター(MEF)などのリソグラフィー特性が向上して、ホールの真円性の良好なレジストパターンを形成することができる。
前記一般式(f1)中、Rは、水素原子または置換基を有していても良い炭素数1〜30の炭化水素基である。
の置換基を有していても良い炭素数1〜30の炭化水素基は、芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。
芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いたアリール基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1〜2であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族炭化水素基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
前記一般式(f1)中のRにおける脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
前記一般式(f1)中のRにおいて、脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
前記一般式(f1)中のRにおける「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基、または環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)が好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5が好ましく、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
前記一般式(f1)中のRにおける、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)は置換基を有していてもよい炭素数3〜30の脂肪族環式基である。
前記一般式(f1)中のRにおいて、脂肪族環式基は、当該脂肪族環式基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族環式基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
前記一般式(f1)中のRにおける「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。これらの置換基は、環構造中に含まれていてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜30であり、5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば下記式(L1)〜(L5)、(S1)〜(S4)等が挙げられる。
Figure 0005276958
[式中、Q”は炭素数1〜5のアルキレン基、−O−、−S−、−O−R94−または−S−R95−であり、R94およびR95はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは0または1の整数である。]
式中、Q”、R94およびR95におけるアルキレン基としては、それぞれ、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は1〜5であり、1〜3であることが好ましい。
該アルキレン基として具体的には、たとえば、メチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。
これらの脂肪族環式基は、その環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
前記アルコキシ基、ハロゲン原子はそれぞれ前記水素原子の一部または全部を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
本発明において、前記一般式(f1)中のRの、置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L5)、(S3)〜(S4)等が好ましい。
前記一般式(f1)中のRが置換基を有していても良い炭素数1〜30の炭化水素基である場合、隣接する炭素原子と環を形成していてもよい。形成される環としては、単環でも多環でもよい。炭素数は(結合した炭素原子を含めて)5〜30が好ましく、5〜20がより好ましい。
具体的には、(結合した炭素原子も環の一部と見なして)上述したRにおける環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)のうち、炭素数5〜30の脂肪族環式基が挙げられる。
本発明において、前記一般式(f1)中のRは、水素原子または置換基を有していてもよい環式基であることが好ましい。該環式基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であってもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であることが好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L5)、(S3)〜(S4)等が好ましい。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいフェニル基がより好ましい。
本発明において、前記一般式(f1)中のRは、水素原子または置換基を有していてもよいフェニル基が最も好ましい。
前記一般式(f1)中のRにおける、アリール基としては、前記一般式(f1)のRにおける芳香族炭化水素基として挙げたものから、アリールアルキル基を除いたものが挙げられる。Rにおけるアリール基として、より好ましくはフェニル基である。
前記一般式(f1)中のRにおける、脂肪族環式基としては、前記一般式(f1)中のRにおける、脂肪族環式基と同様である。Rにおける脂肪族環式基として、好ましくは脂肪族多環式基であり、より好ましくはポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基であり、特に好ましくはアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基である。
の芳香族炭化水素基や脂肪族環式基が有していても良い置換基としては、前記一般式(f1)中のRにおいて挙げた置換基と同様のものが挙げられる。
前記一般式(f1)中のRとしては、前記一般式(f1)におけるRと同様のものが挙げられる。
本発明において、前記一般式(f1)中のRは、置換基を有していてもよい環式基であることが好ましい。該環式基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であってもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であることが好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L5)、(S3)〜(S4)等が好ましい。
本発明において、前記一般式(f1)中のRは、置換基を有していてもよいナフチル基または置換基を有していてもよいフェニル基がより好ましく、置換基を有していてもよいフェニル基が最も好ましい。
本発明において、前記一般式(f1)中のRおよびRがともに置換基を有していても良い炭素数1〜30の炭化水素基である場合は、互いに結合して環を形成していてもよい。形成される環としては、単環でも多環でもよい。炭素数は、前記一般式(f1)中でRおよびRが結合した炭素原子も含めて、5〜30が好ましく、5〜20がより好ましい。
具体的には、前記一般式(f1)中でRおよびRが結合した炭素原子も当該形成された環の一部であると見なして、上述したRにおける環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)のうち、炭素数5〜30の脂肪族環式基が挙げられる。
前記一般式(f1)で表される化合物からなる塩基発生剤(F1)の具体例を以下に挙げる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 0005276958
Figure 0005276958
本発明の(F)成分おける(F1)成分としては、上記化学式(f1−1)〜(f1−22)で表される化合物のうち、(f1−11)および(f1−12)が好ましい。
(F)成分においては、前記(F1)成分以外の光塩基発生剤(F2)(以下「(F2)成分」と
いう。)を前記(F1)成分と併用してもよい。
(F2)成分としては、前記(F1)成分以外であれば特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の光塩基発生剤として提案されているものを使用することができる。
このような光塩基発生剤としては、例えば、トリフェニルスルホニウム化合物、トリフェニルメタノール;ベンジルカルバメートおよびベンゾインカルバメート等の光活性なカルバメート;o−カルバモイルヒドロキシルアミド、o−カルバモイルオキシム、アロマティックスルホンアミド、アルファーラクタムおよびN−(2−アリルエチニル)アミド等のアミド;オキシムエステル、α−アミノアセトフェノン、コバルト錯体等、および特開2007−279493に記載されているものが知られている。
(F)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.05〜20質量部が好ましく、0.05〜15質量部がより好ましく、0.1〜10質量部が最も好ましい。(F)成分の含有量が下限値以上であることにより、本発明の効果が向上する。一方、上限値以下であることにより、(B)成分から発生する酸の量とバランスをとることができる。
<任意成分>
[(D)成分]
本発明のレジスト組成物は、任意の成分として、含窒素有機化合物成分(D)(以下「(D)成分」という。)を含有することができる。
この(D)成分は、酸拡散制御剤、すなわち露光により前記(B)成分から発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用するものであれば特に限定されず、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良く、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−オクチルアミンが最も好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.01〜1.0質量部である。上記範囲とすることにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等が向上する。
本発明において、(D)成分は含有しないことが好ましい。
[(E)成分]
本発明のレジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下「(E)成分」という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
本発明のレジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
[(S)成分]
本発明のポジ型レジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下、(S)成分ということがある)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];
ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
なかでも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が0.5〜20質量%、好ましくは1〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
以上説明した、本発明のレジスト組成物は、従来知られていない新規なものである。
本発明のレジスト組成物によれば、優れたレジストパターン形状(たとえばホールパターンを形成した際の該ホールの真円性等)を形成することができる。
また、本発明のレジスト組成物によれば、良好な感度、露光余裕度(ELマージン)、マスク再現性(たとえばマスクエラーファクタ(MEF))、CDU(面内均一性)、LWR(ラインワイズラフネス)等のリソグラフィー特性も良好である。
ここで、「ELマージン」は、露光量を変化させて露光した際に、ターゲット寸法に対するずれが所定の範囲内となる寸法でレジストパターンを形成できる露光量の範囲、すなわち、マスクパターンに忠実なレジストパターンが得られる露光量の範囲のことである。
また、「LWR」は、レジスト組成物を用いてレジストパターンを形成した際に、ラインパターンの線幅が不均一になる現象で、パターンが微細化するほどその改善が重要となる。
さらに、「MEF」は、同じ露光量で、ピッチを固定した状態でマスクサイズ(ライン幅とスペース幅、ホールの直径)を変化させた際に、サイズの異なるマスクパターンをどれだけ忠実に再現できるかを示すパラメーターであり、MEFの値が1に近いほど、マスク再現性が良好であることを示すものである。
かかる効果が得られる理由としては、定かではないが以下のように推測される。
本発明のレジスト組成物は、露光により塩基を発生する光塩基発生剤(F1)を含有する。当該レジスト組成物を用いたレジストパターン形成において、たとえば、ポジ型レジスト組成物の場合、未露光部では酸を捕捉する((F1)成分由来の)塩基成分は基本的に存在しないことになるため、塩基成分の存在分布の偏りによるパターン形状への悪影響はなくなるといえる。一方、未露光部に塩基成分が存在しないということは、露光部で発生した酸の拡散を(露光部と未露光部との境界で)ストップさせる効果もなくなるといえるため、該酸の影響によってはパターン形状悪化の方向へ寄与してしまうことも考えられるが、本願における(F1)及び(B1)成分を組み合わせた場合は、そのような問題はなく、ラフネスの少ない良好なパターンを得ることができた。通常、光塩基発生剤を有する場合は、露光量の変化によって酸発生剤から発生した酸の量が変化しても、光塩基発生剤成分から発生する塩基の量も、酸発生剤成分と同様に露光量に依存して変化する(露光量が増加すれば、各成分からそれぞれ発生する酸・塩基の量はともに増加するし、露光量が減少すればともに減少する)ため、レジスト膜中に拡散する酸が適度な量に制御されるといえることから、露光部からの酸の影響は本来少ないと予測されるが、本願における(F1)及び(B1)成分を組み合わせた場合は、特に、酸の発生が緩やかになっていることと、さらに、(B1)のアニオン部の特定構造のために露光部からの酸が与える悪影響も少ないと考えられるために、未露光部に塩基成分がなくても、結果としてラフネスの少ない良好なパターン形状が得られていると推測できる。また、上述のとおり、露光量に依存して酸・塩基の量が変化するので、ELマージンをはじめとするリソグラフィー特性を良好に保つことができる(上述の(D)成分等を用い、配合量を調整することで、未露光部における塩基成分の存在分布の偏りや、露光部からの酸の影響による問題を解決しようとした場合は、ELマージンを維持することが困難になる)。
以上により、本発明のレジスト組成物においては、リソグラフィー特性が向上して、良好な形状のレジストパターンを形成することができる、という効果を有すると推測される。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明の第二の態様であるレジストパターン形成方法は、支持体上に、前記本発明の第一の態様のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
本発明のレジストパターン形成方法は、例えば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まず支持体上に、前記レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いで、これをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いてアルカリ現像処理し、好ましくは純水を用いて水リンスを行い、乾燥を行う。また、場合によっては、上記アルカリ現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)が挙げられる。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線等の放射線を用いて行うことができる。
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EBまたはEUVに対して有効であり、ArFエキシマレーザーに対して特に有効である。
レジスト膜の露光は、空気や窒素等の不活性ガス中で行う通常の露光(ドライ露光)であってもよく、液浸露光であってもよい。
液浸露光では、露光時に、従来は空気や窒素等の不活性ガスで満たされているレンズとウェーハ上のレジスト膜との間の部分を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たした状態で露光を行う。
より具体的には、液浸露光は、上記のようにして得られたレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で、所望のマスクパターンを介して露光(浸漬露光)することによって実施できる。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ当該浸漬露光によって露光されるレジスト膜の有する屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつレジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、CHCl、COCH、COC、C等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキル化合物が好ましい。パーフルオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
液浸露光工程を含むレジストパターン形成方法において、本発明の第一の態様であるレジスト組成物は、液浸露光用レジスト組成物として好適に用いることができ、良好なリソグラフィー特性が得られる。また、3層レジスト積層体を形成する工程を含むレジストパターン形成方法において、本発明のレジスト組成物は、上層レジスト膜形成用ポジ型レジスト組成物として好適に用いることができ、良好なリソグラフィー特性が得られる。
さらに、二重露光法やダブルパターニング法においても、本発明のレジスト組成物は、適用可能である。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[合成例1](2−(2−(2−メチル−2−アダマンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)−2−オキソエタノールの合成)
温度計、冷却管及び撹拌装置を備えた2Lの三口フラスコに、グリコール酸37.6g(494mmol)、DMF700mL、炭酸カリウム86.5g(626mmol)、ヨウ化カリウム28.3g(170mmol)を入れ、室温で30分間撹拌した。その後、クロロ酢酸 2−メチル−2−アダマンチル100g(412mmol)のジメチルホルムアミド300mL溶液をゆっくりと加えた。40℃に昇温し、4時間撹拌した。反応終了後、ジエチルエーテル2000mLを加えてろ過し、得られた溶液を蒸留水500mLで3回洗浄した。トルエン(300mL)・ヘプタン(200mL)の混合溶液を用いて晶析を行い、目的物を無色固体として78g(収率67%、GC純度99%)得た。
得られた化合物の機器分析結果は、以下の通りであった。
H−NMR:1.59(d,2H,J=12.5Hz),1.64(s,3H),1.71−1.99(m,10H),2.29(m,2H),2.63(t,1H,J=5.2Hz),4.29(d,2H,J=5.2Hz),4.67(s,2H)。
13C−NMR:22.35,26.56,27.26,32.97,34.54,36.29,38.05,60.54,61.50,89.87,165.97,172.81。
GC−MS:282(M+,0.02%),165(0.09%),149(40%),148(100%),133(22%),117(2.57%),89(0.40%)。
上記の結果より、得られた化合物が2−(2−(2−メチル−2−アダマンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)−2−オキソエタノールであることが確認された。
[合成例2](2−(2−(2−メチル−2−アダマンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)−2−オキソエチル メタクリレート(化合物3)の合成)
温度計、冷却管及び撹拌装置を備えた2Lの三口フラスコに、2−(2−(2−メチル−2−アダマンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)−2−オキソエタノール165g(584mmol)、THF2000mL、トリエチルアミン105mL(754mmol)、p−メトキシフェノール0.165g(1000ppm)を入れ溶解させた。溶解後、氷浴下で塩化メタクリロイル62.7mL(648mmol)をゆっくりと加え、室温に昇温し、3時間撹拌した。反応終了後、ジエチルエーテル1000mLを加え、蒸留水200mLで5回洗浄した。抽出液を濃縮し、目的物を無色液体として198g(収率97%、GC純度99%)得た。
得られた化合物3の機器分析結果は、以下の通りであった。
H−NMR:1.58(d,J=12.5Hz,2H),1.63(s,3H),1.71−1.89(m,8H),1.98(s,3H),2.00(m,2H),2.30(m,2H),4.62(s,2H),4.80(s,2H),5.66(m,1H),6.23(m,1H)。
13C−NMR:18.04,22.15,26.42,27.14,32.82,34.38,36.11,37.92,60.44,61.28,89.42,126.79,135.18,165.61,166.30,167.20。
GC−MS:350(M+,1.4%),206(0.13%),149(47%),148(100%),133(20%),69(37%)。
[合成例3(高分子化合物(1)の合成)]
500mLビーカーに、7.77g(45.71mmol)の下記[化合物1]と、11.99g(45.71mmol)の下記[化合物2]と、前記合成例2で得られた6.22g(17.78mmol)の下記[化合物3]と、1.80g(7.62mmol)の下記[化合物4]とを入れ、127.16gのメチルエチルケトンに溶解させた。この溶液に、重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601;和光純薬製)4.1mmolを加え、溶解させた。この反応液を、窒素雰囲気下、6時間かけてセパラブルフラスコ内にて75℃に加熱したメチルエチルケトン52.98gに滴下した。滴下終了後、反応液を1時間加熱撹拌し、その後、反応液を室温まで冷却した。得られた反応重合液を減圧濃縮後、大量のメタノール/水混合溶液に滴下し、反応生成物(共重合体)を析出させる操作を行い、沈殿した反応生成物をろ別、洗浄、乾燥して、目的の高分子化合物(1)を15g得た。
この高分子化合物(1)について、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は7,400であり、分散度(Mw/Mn)は1.74であった。
また、600MHzでのカーボン13核磁気共鳴スペクトル(600MHz_13C−NMR)を測定した結果、共重合組成(下記構造式中の各構成単位の割合(モル比))は、l/m/n/o=45.3/20.0/23.4/11.3であった。
Figure 0005276958
Figure 0005276958
[合成例4(高分子化合物(2)の合成)]
500mLビーカーに、5.10g(30mmol)の下記[化合物1]、17.38g(70mmol)の下記[化合物5]、7.00g(20mmol)の[化合物3]、5.67g(24mmol)の下記[化合物4]を入れ、55.13gのメチルエチルケトンに溶解させた。この溶液に重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601;和光純薬製)を4.0mmol加え、溶解させた。この反応液を窒素雰囲気下、6時間かけてセパラブルフラスコ内にて75℃に加熱したメチルエチルケトン30.62gに滴下した。滴下終了後、反応液を1時間加熱攪拌し、その後、反応液を室温まで冷却した。得られた反応重合液を減圧濃縮後、大量のメタノール/水混合溶液に滴下し、反応生成物(共重合体)を析出させる操作を行い、沈殿した反応生成物をろ別、洗浄、乾燥して、目的の高分子化合物(2)を15g得た。
この高分子化合物(2)について、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は8200であり、分散度(Mw/Mn)は1.75であった。
また、600MHzでのカーボン13核磁気共鳴スペクトル(600MHz_13C−NMR)により求められた共重合組成比(上記構造式中の各構成単位の割合(モル比))は、l/m/n/o=25.3/35.3/14.8/24.6であった。
Figure 0005276958
Figure 0005276958
[合成例5(光酸発生剤の合成例1)]
フルオロスルホニル(ジフルオロ)酢酸メチル150g、純水375gに、氷浴中で10℃以下に保ちつつ、30%水酸化ナトリウム水溶液343.6gを滴下した。滴下後、100℃で3時間還流し、冷却後、濃塩酸で中和した。得られた溶液をアセトン8888gに滴下し、析出物を濾過、乾燥することによって、白色固体として化合物(I)184.5g(純度:88.9%、収率:95.5%)を得た。
Figure 0005276958
前記化合物(I)56.2g、アセトニトリル562.2gを仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物77.4gを添加し、110℃で3時間還流した。その後、濾過し、濾液を濃縮し、乾燥した。得られた固体にt−ブチルメチルエーテル900gを添加撹拌した。その後、濾過し、濾過物を乾燥することによって、白色固体として化合物(II)22.2g(純度:91.0%、収率:44.9%)を得た。
Figure 0005276958
前記化合物(II)17.7g(純度:91.0%)、下記式(II’)で表される化合物(II’)13g、トルエン88.3gを仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物5.85gを添加し、130℃で26時間還流した。その後、濾過し、残渣にメチルエチルケトン279.9gを添加撹拌した。その後、濾過し、メタノール84.0gを添加撹拌した。再度、濾過を行い、濾過物を乾燥することによって、白色固体として化合物(III)20.2g(純度:99.9%、収率:72.1%)を得た。
Figure 0005276958
前記化合物(III)15.0g(純度:99.9%)を純水66.4gに溶解させた。この溶液に、4−メチルトリフェニルスルホニウムブロミド13.3をジクロロメタン132.8gに溶解させて添加し、室温にて3時間撹拌した後、有機相を分液して取り出した。さらに有機相を純水66.4gにて水洗いし、有機相を濃縮、乾燥することによって、無色粘性液体として目的化合物(IV)20.2g(収率:88.1%)を得た。
Figure 0005276958
該化合物(IV)について、NMRによる分析を行った。その結果を以下に示す。
H−NMR(DMSO、400MHz):δ(ppm)=7.86−7.58(m,14H,Ha+Hb)、5.48(m,1H,Hd)、4.98(s,1H,He)、4.73−4.58(d,2H,Hf)、2.71(m,1H,Hg)、2.43(m,3H,Hc)、2.12(m,2H,Hh)。
19F−NMR(DMSO、376MHz):δ(ppm)=−106.9。
上記の結果から、化合物(IV)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 0005276958
[合成例6(光酸発生剤の合成例2)]
前記化合物(II)4.34g(純度:94.1%)、2−ベンジルオキシエタノール3.14g、トルエン43.4gを仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物0.47gを添加し、105℃で20時間還流した。反応液を濾過し、濾物にヘキサン20gを添加し、撹拌した。再度濾過し、濾物を乾燥することにより化合物(V)を1.41g(収率:43.1%)得た。
Figure 0005276958
該化合物(V)について、NMRによる分析を行った。その結果を以下に示す。
H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=4.74−4.83(t,1H,OH)、4.18−4.22(t,2H,H)、3.59−3.64(q,2H,H)。
19F−NMR(DMSO−d6、376MHz):δ(ppm)=−106.6。
上記の結果から、化合物(V)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 0005276958
前記化合物(V)1.00gおよびアセトニトリル3.00gに対し、1−アダマンタンカルボニルクロライド0.82gおよびトリエチルアミン0.397gを氷冷下滴下した。滴下終了後、室温で20時間撹拌し、濾過した。ろ液を濃縮乾固し、ジクロロメタン30gに溶解させ水洗を3回行った。有機層を濃縮乾燥することにより化合物(VI)を0.82g(収率:41%)得た。
Figure 0005276958
得られた化合物(VI)について、NMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=8.81(s,1H,H)、4.37−4.44(t,2H,H)、4.17−4.26(t,2H,H)、3.03−3.15(q,6H,H)、1.61−1.98(m,15H,Adamantane)、1.10−1.24(t,9H,H)。
19F−NMR(DMSO−d6、376MHz):δ(ppm)=−106.61。
上記の結果から、化合物(VI)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 0005276958
化合物(VII)0.384gをジクロロメタン3.84gと水3.84gに溶解させ、前記化合物(VI)0.40gを添加した。1時間撹拌後、分液処理にて有機層を回収し、水3.84gで水洗浄を3回行った。得られた有機層を濃縮乾固することにより化合物(VIII)を0.44g(収率81.5%)得た。
Figure 0005276958
得られた化合物(VIII)について、NMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=7.57−7.87(m,14H,Phenyl)、4.40−4.42(t,2H,H)、4.15−4.22(t,2H,H)、2.43(s,3H,H)、1.60−1.93(m,15H,Adamantane)。
19F−NMR(DMSO−d6、376MHz):δ(ppm)=−106.7。
上記の結果から、化合物(VIII)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 0005276958
[合成例7(光酸発生剤の合成例3)]
前記化合物(II)5.00g、サルトン−OH(c)5.68g、トルエン100gを仕込み、p−トルエンスルホン酸一水和物0.43gを添加し、トルエンが還流するまで加熱し、その状態にて65時間反応を行った。その後、濾過し、残渣にトルエン100gを添加し、室温にて10分間撹拌し、濾過を行う工程を2回繰り返して黒色の粉末を得た。当該粉末を一晩減圧乾燥させた後、アセトン100gによる抽出を計2回行い、得られた濾液からアセトンを留去し、再度30gのアセトンに溶解させた。得られた溶液をt−ブチルメチルエーテル(TBME)300gと塩化メチレン300gにゆっくり滴下し、析出した固体を濾過により回収・乾燥させることで、白色粉体として化合物(IX)6.88g(収率:78.4%)を得た。
Figure 0005276958
得られた化合物(IX)について、H−NMR及び19F−NMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)1.73−2.49(m,4H,Ha,Hb),2.49(m,1H,Hc),3.48(m,1H,Hd), 3.88(t,1H,He),4.66(t,1H,Hf),4.78(m,1H,Hg)。
19F−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)−107.7(m,2F,Fa),(但し、ヘキサフルオロベンゼンのピークを−160ppmとした。)
上記の結果から、化合物(IX)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 0005276958
次いで、化合物(IX)3.21gを純水32.1gに溶解させ、4−メチルフェニルジフェニルスルホニウムブロミド3.72gを加えた後、塩化メチレン32.1gを加え、室温で1時間攪拌を行った。その後、分液により有機層を取り出した。その有機層を1%HCl水溶液で3回洗浄し、その後、純水で4回洗浄し、有機層を濃縮することで、白色固体として化合物(X)を4.94g(収率:86.8%)得た。
Figure 0005276958
得られた化合物(X)について、H−NMR及び19F−NMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)1.74−2.21(m,4H,anion),2.41(t,3H,PhenylCH),2.58(m,1H,anion),3.48(m,1H,anion),3.87(t,1H,anion),4.66(t,1H,anion),4.78(m,1H,anion),7.58(m,2H,Phenyl),7.64−7.84(m,12H,Phenyl)。
19F−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)−107.6(m,2F,Fa),(但し、ヘキサフルオロベンゼンのピークを−160ppmとした。)
上記の結果から、化合物(X)が上記式(X)に示す構造を有することが確認できた。
[合成例8(光塩基発生剤の合成例1)]
化合物(f−I)6.33gとTHF44.19gを10℃にて攪拌し、そこへトリエチルアミンを7.40g加え、5分間攪拌した。そこへ化合物(f−V)11.31gをTHF19.38gと混合したものを系内を10℃以下に保ち添加した。20時間攪拌後、反応液を濃縮し、乾燥した。乾燥したものをジクロロメタン125.0gに溶解させ、有機層を1%HCl水溶液125.0gにて2回、NaOH水溶液125.0gにて2回、純水125.0gにて4回洗浄を行った。有機層を濃縮し乾燥させた後、ヘキサン35.0gにて分散洗浄することにより、化合物(f−VI)を6.56g(収率52%)を得た。
得られた化合物について、NMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO、400 MHz):δ(ppm)=8.67 (s,1H,N=C−H)、8.76(d,2H,Ar)、7.46−7.55(m,3H,Ar)、7.27−7.36(m,5H,Ar)、3.87(s,2H,−CH−)。
上記の結果から、化合物(f−VI)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 0005276958
[実施例1〜5、比較例1]
表1に示す各成分を混合、溶解してポジ型のレジスト組成物を調製した。
Figure 0005276958
表1中、[ ]内の数値は配合量(質量部)を示す。また、表1中の記号はそれぞれ以下のものを示す。
(A)−1:下記化学式(A)−1[式中、数値は各構成単位のモル比を示す。]で表されるMw=7000、Mw/Mn=1.7の樹脂(A)−1。
(A)−2:前記高分子化合物(1)。
(B)−1:前記化合物(IV)。
(B)−2:前記化合物(VIII)。
(B)−3:前記化合物(X)。
(B)−4:4−メチルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート。
(F)−1:下記式(F)−1で示される化合物。
(F)−2:前記化合物(f−VI)。
(S)−1:PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤。
Figure 0005276958
Figure 0005276958
<リソグラフィー特性の評価>
得られたレジスト組成物を用い、以下の手順でレジストパターンを形成し、リソグラフィー特性を評価した。
[レジストパターン形成(実施例1〜2、比較例1)]
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚85nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該有機系反射防止膜上に、上記で得られたレジスト組成物を、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で90℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。
次いで、前記レジスト膜に対し、ArF露光装置NSR−S308F(ニコン社製;NA(開口数)=0.92,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した。
その後、90℃60秒間PEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%のTMAH水溶液NMD−W(商品名、東京応化工業株式会社製)で20秒間の条件でアルカリ現像し、その後15秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行うことにより、ラインアンドスペースのレジストパターン(L/Sパターン)を形成し、ライン幅120nm、ピッチ240nmのL/Sパターンが形成される最適露光量(感度:Eop,mJ/cm)を求めた。その結果を表2に示す。
また、得られたL/Sパターンにおけるリソグラフィー特性(MEF、ELマージン、LWR)を評価した。その結果を表2に併記する。
[ELマージン評価]
ライン幅120nmの±5%(114nm〜126nm)の範囲内で形成される際の露光量を求め、次式によりELマージン(単位:%)を求めた。その結果を表3に示す。
ELマージン(%)=(|E1−E2|/Eop)×100
E1は、ライン幅114nmのLSパターンが形成された際の露光量(mJ/cm)を示し、E2は、ライン幅126nmのLSパターンを形成された際の露光量(mJ/cm)を示す。
[マスクエラーファクター(MEF)の評価]
前記Eopにて、ライン幅のターゲットサイズを110〜130nm(5nm間隔、5点)とするマスクパターンをそれぞれ用い、ピッチ240nmのL/Sパターンをそれぞれ形成した。
このとき、ターゲットサイズ(nm)を横軸に、各マスクパターンを用いてレジスト膜に形成されたライン幅(nm)を縦軸にプロットしたときの直線の傾きをMEFとして算出した。MEF(直線の傾き)は、その値が1に近いほどマスク再現性が良好であることを意味する。
[LWR(ラインワイズラフネス)評価]
前記Eopで形成されたライン幅120nm、ピッチ240nmのL/Sパターンにおいて、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧800V、商品名:S−9220、日立製作所社製)により、ライン幅を、ラインの長手方向に5箇所測定し、その結果から標準偏差(s)の3倍値(3s)を、LWRを示す尺度として算出した。この3sの値が小さいほど線幅のラフネスが小さく、より均一幅のL/Sパターンが得られたことを意味する。
表中、当該LWRが17nm以上のものを「×」、15nm以上16nm未満を「○」、15nm未満を「◎」とした。
Figure 0005276958
[レジストパターン形成(実施例3〜5)]
上記実施例1〜2、比較例1と同様にしてライン幅120nm、ピッチ240nmのL/Sパターンを得た。、ラインアンドスペースのレジストパターン(L/Sパターン)を形成し、ライン幅120nm、ピッチ240nmのL/Sパターンが形成される最適露光量(感度:Eop,mJ/cm)を求めた。その結果を表3に示す。
また、得られたL/Sパターンにおけるリソグラフィー特性(ELマージン、LWR)を評価した。その結果を表3に併記する。
Figure 0005276958
[実施例6、比較例2〜3]
表4に示す各成分を混合、溶解してポジ型のレジスト組成物を調製した。
Figure 0005276958
表4中、[ ]内の数値は配合量(質量部)を示す。また、表4中の記号はそれぞれ以下のものを示す。
(A)−3:前記高分子化合物(2)。
(B)−2:前記化合物(VIII)。
(D)−1:ジエタノールアミン。
(D)−2:トリ−n−ペンチルアミン。
(F)−2:前記化合物(f−VI)。
(S)−1:PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤。
[レジストパターン形成(実施例6、比較例2〜3)]
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚85nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該有機系反射防止膜上に、上記で得られたレジスト組成物を、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で90℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。
次いで、前記レジスト膜に対し、ArF露光装置NSR−S308F(ニコン社製;NA(開口数)=0.92,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーン)を介して選択的に照射した。
その後、表5に示す各PEB温度条件で、それぞれ60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%のTMAH水溶液NMD−W(商品名、東京応化工業株式会社製)で20秒間の条件でアルカリ現像し、その後15秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。
その結果、各レジスト組成物において、ホール直径85nmピッチ135nmのコンタクトホールパターン(以下では、CHパターンという。)が形成された。
このときの最適露光量Eop(mJ/cm)、ホールの真円性、CDU(ホール直径の均一性)、およびマスクエラーファクター(MEF)を表5に併記した。
[真円性の評価]
上記で形成された各コンタクトホールパターンを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて上空より観察し、ホールパターンの真円性を下記の基準で評価した。その結果を表5に併記した。
◎:ホールパターンが、全体として真円性が高く(上空より観察したホールパターンの円周部の凹凸が少なく)、特に良好な形状であった。
○:ホールパターンが、全体として真円性が高く(上空より観察したホールパターンの円周部の凹凸が少なく)、良好な形状であった。
[CDU(ホール直径の均一性)評価]
得られたCHパターンについて、ホールの直径をそれぞれ測定し(20個分)、その結果から算出した標準偏差(σ)の3倍値(3σ)を求めた。このようにして求められる3σは、その値が小さいほど当該レジスト膜に形成された各ホールのCDUが高いことを、すなわち、一定範囲内に存在するホールの直径のバラツキが小さいことを意味する。当該CDUの数値が7nm未満であったものを「◎」、8nm以上10nm以下であったものは「○」とした。
[マスクエラーファクター(MEF)評価用のCHパターンについて]
上記ホール直径85nmのCHパターンにおけるマスクエラーファクタ(MEF)を評価した。
上記Eopにて、ホールの直径のサイズを92〜100nm(2nm間隔、5点)とするマスクパターンをそれぞれ用い、ピッチ135nmのCHパターンを形成した。このとき、ターゲットサイズ(nm)を横軸に、各マスクパターンを用いてレジスト膜に形成されたホールパターンの口径(nm)を縦軸にプロットしたときの直線の傾きをMEFとして算出した。その結果を表5に示す。
MEF(直線の傾き)は、その値が1に近いほどマスク再現性が良好であることを意味する。
Figure 0005276958
上記の結果より、本発明のレジスト組成物を用いることによって、例えば、ライン幅120nm、ピッチ240nmのL/Sパターンという微細パターンを形成する場合に、5%ELマージン、LWR、およびマスクエラーファクター(MEF)を向上し得ることが確認された。また、別の例として、ホール直径85nm、ピッチ135nmのCHパターンという狭ピッチで、かつ、100nm以下の微細パターンを形成する場合に、ホールの真円性、CDU(ホール直径の均一性)、およびマスクエラーファクター(MEF)を向上し得ることが確認された。
従って、本発明に係るレジスト組成物および当該レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法によれば、リソグラフィー特性が向上し、良好な形状のレジストパターンを形成し得ることが確認できた。

Claims (7)

  1. 酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)、および露光により塩基を発生する光塩基発生剤成分(F)を含有するレジスト組成物であって、
    前記酸発生剤成分(B)が、下記一般式(b1−1−2)又は下記一般式(b1−2)で表される酸発生剤(B1)を有し、
    Figure 0005276958
    [式中、A は有機カチオンであり、Q”は炭素数1〜5のアルキレン基、−O−、−S−、−O−R 94 −または−S−R 95 −であり、R 94 およびR 95 はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であり、R 7’ は置換基であり、w2は0〜3の整数であり、v2は0〜5の整数であり、m2は0または1であり、pは1〜3の整数である。]
    Figure 0005276958
    [式中、A は有機カチオンであり、Y は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基であり、R は置換基(ただし、窒素原子は除く。)を有していてもよい脂肪族基であり、R は炭素数1〜12のアルキレン基である。]
    前記光塩基発生剤成分(F)が下記一般式(f1)
    Figure 0005276958
    [式中、RおよびRは、水素原子または置換基を有していても良い炭素数1〜30の炭化水素基であり、RおよびRがともに置換基を有していても良い炭素数1〜30の炭化水素基である場合は、互いに結合して環を形成していてもよく、Rは置換基を有していても良いアリール基または脂肪族環式基である。]
    で表される化合物からなる光塩基発生剤(F1)を含むことを特徴とするレジスト組成物。
  2. 前記一般式(b1−2)で表される酸発生剤(B1)が、下記一般式(b1−2−1)〜(b1−2−3)で表される化合物群から選ばれる何れか1つ以上であることを特徴とする請求項1記載のレジスト組成物。
    Figure 0005276958
    [式中、A は有機カチオンであり、pは1〜3の整数であり、R ’は置換基であり、r1は0〜3の整数であり、q1〜q3はそれぞれ独立に1〜12の整数であり、gは1〜20の整数である。]
  3. 前記基材成分(A)が、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分である請求項1または2記載のレジスト組成物。
  4. 前記基材成分(A)が、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A1)を含み、該樹脂成分(A1)が、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有する請求項3記載のレジスト組成物。
  5. 前記樹脂成分(A1)が、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する請求項4記載のレジスト組成物。
  6. 前記樹脂成分(A1)が、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有する請求項4または5記載のレジスト組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のレジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
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