JP2009281361A - クランクシャフトの回転角度推定装置 - Google Patents

クランクシャフトの回転角度推定装置 Download PDF

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和千男 小林
Yasushi Ando
靖志 安藤
Masatomo Yoshihara
正朝 吉原
Katsushi Hashizume
勝志 橋爪
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Abstract

【課題】始動用電動機の出力軸に設けられたピニオンギヤとピニオンギヤの回転力をクランクシャフトに伝達するリングギヤとが常時噛み合う始動装置を備える内燃機関において、機関停止時のクランクシャフトの回転角度を推定することのできる推定装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の電子制御装置は、クランクポジションセンサが出力するクランク信号が所定期間ΔT以上出力されない場合において、直近のクランク信号に対応するクランクシャフトの回転角度である第1の回転角度が逆回転領域にある場合には、第1の回転角度から所定回転角度遅角した第2の回転角度を機関停止時のクランクシャフトの回転角度とし(ステップS13〜S16)、第1の回転角度が逆回転領域にない場合には第1の回転角度を機関停止時のクランクシャフトの回転角度とする(ステップS13,S17)。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の停止時におけるクランクシャフトの回転角度を推定する回転角度推定装置に関するものである。
従来、複数の気筒を備える内燃機関では、同機関の始動時にクランクシャフトやカムシャフトの回転角度をセンサにより検出することにより複数の気筒のうちの燃料噴射や点火を行うべき気筒を判別するようにしている。このように機関始動時に気筒判別を行う場合、クランクシャフトやカムシャフトの回転角度を検出すべくこれらのシャフトをある程度回転させる必要があるため、その分だけ始動時の燃料噴射や点火が遅れて同機関の始動完了に遅れが生じることとなる。
そこで特許文献1に記載される内燃機関の気筒判別装置では、機関停止指令後にクランクシャフトの逆回転が生じたときの回転角度よりも若干遅角側の回転角度でクランクシャフトが停止するといった知見に基づき、同停止指令後のクランクポジションセンサの出力信号に基づいてクランクシャフトの逆回転を検出することによって機関停止時のクランクシャフトの回転角度を予測するようにしている。そしてこの気筒判別装置では、予測されたクランクシャフトの回転角度に基づいて同機関停止状態における気筒判別を行うようにしている。
特開2001−214791号公報
ところで、内燃機関においては、スタータモータの出力軸に設けられたピニオンギヤと同ピニオンギヤの回転力をクランクシャフトに伝達するリングギヤとが常時噛み合う始動装置を備えるものがある。このように内燃機関が常時噛み合う始動装置を備える場合、クランクシャフトが逆回転しようとするとスタータモータがその逆回転の抵抗となるため、機関停止の際にクランクシャフトの逆回転が生じにくい。したがって、この種の内燃機関においては、上記特許文献1に記載のものとは異なった態様で機関停止時におけるクランクシャフトの回転角度を推定することが求められる。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、始動用電動機の出力軸に設けられたピニオンギヤと同ピニオンギヤの回転力をクランクシャフトに伝達するリングギヤとが常時噛み合う始動装置を備える内燃機関において、機関停止時のクランクシャフトの回転角度を推定することのできる推定装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、始動用電動機の出力軸に設けられたピニオンギヤと同ピニオンギヤの回転力をクランクシャフトに伝達するリングギヤとが常時噛み合う始動装置を備える内燃機関に適用されて、同機関の停止時における前記クランクシャフトの回転角度を推定する回転角度推定装置であって、前記クランクシャフトが所定角度回転する毎にクランク信号を出力するクランクポジションセンサと、前記クランク信号が所定期間以上出力されない場合において、直近に出力された前記クランク信号に対応する前記クランクシャフトの回転角度を第1の回転角度とし、同第1の回転角度が前記クランクシャフトの逆回転が生じる逆回転領域にあることを条件に前記第1の回転角度よりも所定の回転角度遅角させた第2の回転角度を前記機関の停止時における前記クランクシャフトの回転角度として推定し、前記第1の回転角度が前記逆回転領域外にあることを条件に同第1の回転角度を前記機関の停止時における前記クランクシャフトの回転角度として推定する推定手段とを備えることを要旨とする。
クランクポジションセンサによるクランク信号が所定期間以上出力されない場合には、クランクシャフトが停止して内燃機関が停止したものと考えられる。ここで上記構成では、内燃機関が常時噛み合う始動装置を備えているため、内燃機関が停止する際にクランクシャフトの逆回転が生じにくい。したがって、直近のクランク信号に対応する第1の回転角度が上記逆回転領域にない場合には、第1の回転角度をそのまま機関停止時におけるクランクシャフトの回転角度として推定することができる。また、第1の回転角度が逆回転領域にあるときには、クランクシャフトが第1の回転角度から所定の回転角度逆回転した角度に相当する第2の回転角度を機関停止時におけるクランクシャフトの回転角度として推定することができる。このように常時噛み合う始動装置を備える場合には機関停止時のクランクシャフトの逆回転が生じにくいため、第1の回転角度が予め設定した逆回転領域にあるか否かに基づいて機関停止時のクランクシャフトの回転角度を容易に推定することができる。
請求項1に記載の発明は、具体的には請求項2に記載の発明によるように、前記クランクシャフトの逆回転領域は、前記機関の圧縮行程中の気筒においてピストンが上死点に位置するときの前記クランクシャフトの回転角度から同角度よりも遅角側の前記クランクシャフトの回転角度までの所定角度領域に設定されるといった態様を採用することができる。
圧縮行程中の気筒においては、ピストンが下死点から上死点へ変位して燃焼室の容積を収縮させるため、このときに圧縮される混合気によりピストンに対して同ピストンを上死点側から下死点側へ変位させる抵抗力が作用する。そして、この抵抗力はピストンが上死点近傍に位置するときには大きくなるため、機関停止時に圧縮行程となる気筒においてピストンが上死点近傍に位置するときにはクランクシャフトが逆回転しやすくなる。したがって、請求項2に記載の発明によるように、上記逆回転領域を圧縮行程中の気筒においてピストンが上死点近傍に位置するときに対応したクランクシャフトの角度領域に設定することが好ましい。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記機関の温度を検出する温度検出手段を備え、前記推定手段は、前記検出される前記機関の温度が高いほど前記第2の回転角度を求めるための前記所定の回転角度を大きく設定することを要旨とする。
機関温度が高いほど内燃機関の各部位が潤滑油によって潤滑されやすく、同機関の各部位に生じる摩擦力が小さい。したがって、内燃機関の停止時にクランクシャフトの逆回転が生じる場合には、機関温度が高いほどその逆回転量が大きくなる。この点、上記構成によれば、内燃機関の温度が高いほど第1の回転角度から第2の回転角度を求めるための所定の回転角度を大きく設定している。したがって、機関停止時のクランクシャフトの回転角度を推定するにあたり、第1の回転角度が逆回転領域にある場合には、機関温度が高いほど第1の回転角度からの逆回転量を大きく設定して第2の回転角度を求めることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記推定手段により推定される前記機関の停止時における前記クランクシャフトの回転角度を、前記機関の次回の運転開始時における前記クランクシャフトの回転角度として記憶する記憶手段を備えることを要旨とする。
上記構成によれば、機関停止時のクランクシャフトの回転角度を次回の運転開始時におけるクランクシャフトの回転角度として用いることができるため、次回の機関運転時において早期に燃料噴射等を実施することができ、始動性を向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記機関は自動停止及び自動始動を行うことを要旨とする。
内燃機関が自動停止と自動始動を行う場合には停止と始動とが頻繁に繰り返されるため、自動始動の際に早期に燃料噴射等を行って始動性を向上させることが特に要求される。したがって、自動停止及び自動始動を行う内燃機関に上記態様で機関停止時のクランクシャフトの回転角度を推定する装置を適用することにより、始動性向上の効果をより顕著に発揮することができる。
以下、本発明にかかるクランクシャフトの回転角度推定装置を具体化した一実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
図1に、本発明にかかる推定装置が適用される車載用内燃機関において、その内燃機関の下方に設けられたオイルパン2の後端部分周辺における部分断面図を示す。なお本実施形態の内燃機関についてその全体構成の図示は省略するが、本実施形態の内燃機関は直列4気筒のガソリンエンジンである。
この図1に示すように、オイルパン2の後端の上方には、ラダービーム4に回転可能に支持されたクランクシャフト6の後端が配置されている。
クランクシャフト6の後端にはフライホイール8、アウターレース支持プレート10及びリングギヤ12が取り付けられている。
アウターレース支持プレート10は、フライホイール8と共にクランクシャフト6の後端にボルトにて締結固定され、クランクシャフト6と共に回転する。
リングギヤ12は、クランクシャフト6の後端の外周部分にあって、ワンウェイクラッチ14のインナーレース16とベアリング18とを介して取り付けられており、ワンウェイクラッチ14が非係合状態にある時には、このリングギヤ12はクランクシャフト6の回転とは独立して回転可能である。さらに、同リングギヤ12の周縁部にはリング状のギヤ部12aが形成されている。このギヤ部12aは、始動用電動機であるスタータモータ30の出力軸34に設けられたピニオンギヤ35に常時噛み合わされており、スタータモータ30からの回転力を受けることによりリングギヤ12を回転させる。なお、ギヤ部12aの歯数はピニオンギヤ35の歯数よりも多くされており、スタータモータ30が回転駆動されると、その回転トルクは減速された状態でクランクシャフト6に伝達される。
ワンウェイクラッチ14のアウターレース22は、アウターレース支持プレート10の外周部分にあって、リングギヤ12の内周部分に取り付けられたインナーレース16に対向するように取り付けられている。こうして、リングギヤ12とアウターレース支持プレート10との間にワンウェイクラッチ14が設けられている。
機関始動時にスタータモータ30がピニオンギヤ35を介してリングギヤ12を回転させる時、すなわちリングギヤ12がクランクシャフト6に対して正回転する場合には、ワンウェイクラッチ14によってアウターレース支持プレート10とリングギヤ12とが係合状態にされ、リングギヤ12側からクランクシャフト6にトルクが伝達される。これにより、スタータモータ30によってクランクシャフト6は回転される、すなわちクランキングが行われる。
そして、機関が完爆する、換言すればスタータモータ30の力を借りることなく内燃機関が自立回転するようになると、クランクシャフト6に連動するアウターレース支持プレート10の回転速度がリングギヤ12の回転速度よりも速くなる。すなわちこの状態では、リングギヤ12に対してクランクシャフト6が正回転(機関運転中の回転方向に回転)し、ワンウェイクラッチ14の係合が解除され、換言すればワンウェイクラッチ14は空転するようになる。そして、これによりクランクシャフト6とスタータモータ30との駆動連結は解除される。
このように本実施形態において内燃機関の始動を行うための始動装置は、スタータモータ30のピニオンギヤ35とリングギヤ12のギヤ部12aとが常時噛み合う、いわゆる常時噛合式の始動機構となっている。そして、機関始動時におけるクランクシャフト6とスタータモータ30との駆動連結、及び機関完爆後におけるクランクシャフト6とスタータモータ30との駆動連結の解除は、ワンウェイクラッチ14によって行われる。
またベアリング18やワンウェイクラッチ14には、シリンダブロックやクランクシャフト6内の油路等を介してオイルが供給されており、これにより同ベアリング18や同ワンウェイクラッチ14の潤滑がなされる。ここで、ワンウェイクラッチ14のアウターレース22とリングギヤ12との間にはリング状の第1シール部材24が配置されており、これによりアウターレース支持プレート10とリングギヤ12との間に配置されたワンウェイクラッチ14からのオイル漏れが抑制される。この第1シール部材24は、リングギヤ12の中間に形成された円筒状の段差部12bの内周面12cに嵌合された状態でリングギヤ12側に固定されている。この第1シール部材24の内周側に形成されているシールリップ24aは、アウターレース22の外周面に摺動可能に接触し、オイルのシールを行っている。
段差部12bを挟んで第1シール部材24の反対側には、第1シール部材24よりも大径の第2シール部材26が配置されている。この第2シール部材26は、クランクシャフト6より下方側では主にオイルパン2の後端2aの内周面2bに、クランクシャフト6より上方側では主にシリンダブロックの後端の内周面に嵌合されている。この第2シール部材26の内周側に形成されているシールリップ26aは、段差部12bの外周面12dに摺動可能に接触し、オイルのシールを行っている。
車両には内燃機関の各種制御を実行するための電子制御装置50が搭載されている。電子制御装置50は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、バックアップRAM、外部入力回路、及び外部出力回路等から構成されている。
電子制御装置50の入力ポートには、内燃機関や車両の状態を検出する各種センサが接続されており、同装置50の出力ポートには内燃機関の各種機構の駆動回路などが接続されている。各種センサとしては、例えばクランクシャフト6の回転速度、すなわち機関回転速度NEを検出するクランクポジションセンサ40や、アクセル踏込み量を検出するアクセルポジションセンサ41、ブレーキペダルの操作状態を検出するブレーキセンサ42、機関冷却水を検出する水温センサ43、及び車両走行速度を検出する車速センサ44が挙げられる。そして電子制御装置50は、これら各種センサの検出結果に基づいて燃料噴射量や点火時期といった内燃機関の各種制御を行う。
なお上記クランクポジションセンサ40は、より詳細にはクランクシャフト6が所定角度回転する毎にクランク信号を出力し、このクランク信号が電子制御装置50の入力ポートに入力される。具体的には、クランクシャフト6にはシグナルロータ(図示略)が取付けられており、このシグナルロータの外周部にはクランクシャフト6の軸線を中心とする所定角度(本実施形態では10°)毎に合計34個の突起と1個の欠歯とが設けられている。そして、上記クランクポジションセンサ40はこのシグナルロータの近傍に設けられており、突起が順次クランクポジションセンサ40の側方を通過することにより、クランクポジションセンサ40からクランク信号が出力される。またクランクポジションセンサ40が欠歯を検出すると、電子制御装置50はクランクシャフト6が1回転したもの判断し、クランク信号と同クランク信号に基づくクランクシャフト6の回転角度との間にずれが生じていた場合にはこの欠歯検出時にずれを解消してクランク信号とクランクシャフト6の回転角度とを整合させる。このようにして電子制御装置50はクランク信号に基づいてクランクシャフト6の回転角度を導出し、これに基づいて点火時期等の制御を行う。
また、電子制御装置50の入力ポートには、車両の運転者により切り換え操作され、現在の操作位置に対応した信号を出力するイグニッションスイッチ45も接続されている。そして、このイグニッションスイッチ45が始動位置に操作される、即ち機関始動操作が行われると、上記スタータモータ30を駆動させるとともに、燃料噴射及び燃料点火を開始して機関始動を行う。一方、イグニッションスイッチ45がオフ位置にされる、即ち機関停止操作が行われると、燃料噴射及び燃料点火を停止して混合気の燃焼を中止することにより機関運転を停止させる。
さらに本実施形態では、電子制御装置50が、内燃機関の始動及び停止を自動的に行う自動始動及び自動停止制御も実行するように構成されている。例えば、車両が走行状態から停止状態に移行したときには、内燃機関を自動的に停止させる。一方、ブレーキペダルの操作状態等に基づいて車両が停止状態から発進状態に移行すると判断されたときや、自動停止中にあって空調機器を構成するコンプレッサの駆動要求があるとき、あるいは自動停止中にあってバッテリの充電要求があるとき等のように自動始動条件が成立しているときには、内燃機関を自動的に始動させる。なお、このような自動始動及び自動停止制御は、上述したクランクポジションセンサ40、アクセルポジションセンサ41、ブレーキセンサ42及び車速センサ44等の検出結果やバッテリ容量などに基づいて実行される。
ところで、内燃機関においてイグニッションスイッチ45がオフ状態とされるときや自動停止制御が行われる際には、燃料噴射や燃料点火が中止されることによって混合気の燃焼が中止される。そのため、クランクシャフト6の正回転方向への回転速度は徐々に低下し、最終的にはクランクシャフト6の回転は停止する。
ここでクランクシャフト6の回転が停止する直前においては、気筒内で圧縮された混合気による抵抗力によってクランクシャフト6が逆回転することがある。そして本実施形態においては、内燃機関がスタータモータ30のピニオンギヤ35とリングギヤ12のギヤ部12aとが常時噛み合う常時噛合式の始動機構を備えているため、常時噛合式でない始動機構を備える場合と比べてこの機関停止時の逆回転が生じにくい構成となっている。すなわち、クランクシャフト6の逆回転が発生する場合には、クランクシャフト6がリングギヤ12に対し逆回転する状態となり、換言すればクランクシャフト6に対してリングギヤ12が相対的に正回転する状態となるため、ワンウェイクラッチ14が係合状態となる。したがって、クランクシャフト6が逆回転するためには、ワンウェイクラッチ14を通じてスタータモータ30までも逆回転させる力が必要となることから、クランクシャフト6が逆回転しようとするとスタータモータ30がこの逆回転の抵抗となり、クランクシャフト6が逆回転しにくくなる。なお、リングギヤ12に対してスタータモータ30の減速比は小さくなっているため、クランクシャフト6側から始動機構側への回転抵抗はより大きくなる。
このように本実施形態においては、機関停止時においてクランクシャフト6の逆回転が生じにくくなり、仮に逆回転が発生した場合でも逆回転する回転角度が常時噛合式でない始動装置を有する内燃機関に比して小さくなる。そこで本実施形態では、電子制御装置50が推定手段として上記知見に基づいて以下の態様で機関停止時におけるクランクシャフト6の回転角度を推定するようにしている。
本実施形態における機関停止時のクランクシャフト6の回転角度の推定処理を図2〜図4に基づいて説明する。なお、この推定処理は、電子制御装置50によって所定周期毎に繰り返し実行される。なお、ここでは内燃機関が自動停止及び自動始動制御される場合を例示して説明するが、イグニッションスイッチ45の操作による機関停止及び機関始動が行われる場合においても同様の処理が行われる。
本処理が開始されると、まずステップS11においてクランクポジションセンサ40がクランク信号を所定期間ΔT以上出力していないか否かが判定される。
ここで図3は、内燃機関がアイドル運転状態となって自動停止制御が実行されてから自動始動制御が実行されるまでにおけるクランクシャフト6の回転速度の推移とクランク信号と出力態様を示している。この図3に示すように、時刻t1以前のアイドル運転時においてはクランクシャフト6が一定のアイドル回転速度で回転する。そして、このときにはクランクポジションセンサ40によるクランク信号が一定間隔に出力されるとともに、クランクシャフト6の一回転毎に図3の矢印に示すように欠歯検出がなされる。
そしてこのアイドル運転が所定時間続くと、時刻t1において、電子制御装置50は、アクセルポジションセンサ41、ブレーキセンサ42及び車速センサ44などの検出結果に基づいて内燃機関の自動停止制御を実行する。これにより時刻t1以降においては燃料噴射や点火制御等が中止され、クランクシャフト6の正回転方向への回転速度が低下し、クランクポジションセンサ40が出力するクランク信号の間隔は徐々に長くなる。そして、時刻t2においては、クランク信号Aが出力されてから所定期間ΔT以上クランク信号が出力されない状態となり、クランクシャフト6の回転が停止したと判断することができる。このようにステップS11においては、クランクポジションセンサ40がクランク信号を所定期間ΔT以上出力していないことを判定することにより、クランクシャフト6の回転が停止したか否かを判定するようにしている。
なお本実施形態において所定期間ΔTは、例えば機関停止の際にクランクシャフト6の回転速度が減速しつつ同シャフト6が正回転しているときに各クランク信号が出力される最長間隔よりも長い期間でかつ極力短い期間に設定される。このようにΔTを設定することにより、クランクシャフト6が回転停止する直前の正回転による最後のクランク信号を検出することができるとともに、機関停止時にクランクシャフト6の逆回転が生じる場合に、逆回転によって出力されるクランク信号を、正回転による最後のクランク信号として誤検出することを抑制することができる。すなわち図3において、クランクシャフト6の正回転によるクランク信号Aが出力された後に逆回転が生じ、この逆回転により二点鎖線で示すクランク信号Bが出力された場合を検討する。そうすると、電子制御装置50が機関停止時にクランクシャフト6の回転角度を推定するにあたり、正回転による最後のクランク信号Aに基づいて機関停止時のクランクシャフト6の回転角度を推定することになり、逆回転によるクランク信号Bを回転角度が推定の際に誤って用いるといった事態が生じることを抑制することができる。なお所定期間ΔTの設定はこの態様に限らず、クランクシャフト6が正回転しているときに各クランク信号が出力される最長間隔よりも長い期間であればよい。
このようにしてステップS11(図2)においては、図3の時刻t1以前に本ルーチンが実行されているときには、クランク信号が所定期間ΔT以上出力されていないといった判定がなされないためエンドに移る。そして、時刻t2においては、クランク信号が所定期間ΔT以上出力されていないと判定されてステップS12に移る。
ステップS12においては、回転角度推定フラグが「1」となっているか否かが判定される。このフラグは、本ルーチンによって行われる停止時のクランクシャフト6の回転角度の推定が実行されると「1」に設定され、回転角度推定後に再び内燃機関が始動された場合には「0」に設定される。したがって、このステップS12において回転角度推定フラグが「1」に設定されていれば、既に機関停止時のクランクシャフト6の回転角度の推定が終了していることから、エンドに移り本処理を一旦終了する。一方、回転角度推定フラグが「0」に設定されていれば、停止時のクランクシャフト6の回転角度の推定が未だなされていないため、クランクシャフト6の回転角度の推定を行うべくステップS13に移る。
ステップS13においては、直近のクランク信号に対応するクランクシャフト6の回転角度を第1の回転角度として導出し、この第1の回転角度が逆回転領域にあるか否かの判定を行う。すなわち、図3において時刻t2において所定期間ΔT以上クランク信号が出力されていないため、直近のクランク信号であるクランク信号Aに対応するクランクシャフト6の回転角を導出し、このクランク信号Aに対応する第1の回転角度が逆回転領域にあるか否かを判定する。
ここで図4は、クランクシャフト6の逆回転領域を示すマップである。本実施形態の内燃機関は上述したように直列4気筒エンジンであり、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程の各行程が、第3気筒、第4気筒、第2気筒及び第1気筒の順に行われる。そして、クランクシャフト6の回転が停止するときに圧縮行程となる気筒においては、ピストンが下死点から上死点へ変位して燃焼室の容積を収縮させるため、このときにピストンに対して同ピストンを上死点側から下死点側へ変位させる抵抗力が作用する。ここで、この抵抗力はピストンが上死点近傍に位置するときには大きくなるため、機関停止時に圧縮行程となる気筒においてピストンが上死点近傍に位置するときにはクランクシャフトが逆回転しやすくなる。したがって本実施形態では、各気筒が圧縮行程となるときに同気筒内においてピストンが上死点(TDC)に位置するときに対応したクランクシャフトの回転角度から同角度よりも遅角側のクランクシャフトの回転角度までの角度領域Rが逆回転領域となる。なお、本実施形態では、図4に示すようにピストンが上死点(TDC)に位置するときに対応したクランクシャフトの回転角度からその回転角度よりも60クランク角度(以下「°CA」と記す)遅角側の回転角度までを逆回転領域として設定している。したがって、第3気筒が圧縮行程となる90〜180°CAにおいては、120°CAから第3気筒においてピストンが上死点に位置する180°CAまでの角度領域Rが逆回転領域となる。同様に、第4気筒が圧縮行程となる回転角度(270〜360°CA)のうちの300°CAからピストンが上死点となる360°CAの角度領域R、第2気筒が圧縮行程となる回転角度(450〜540°CA)のうちの480°CAからピストンが上死点となる540°CAの角度領域R、第1気筒が圧縮行程となる回転角度(630〜720°CA)のうち660°CAからピストンが上死点となる720°CAの角度領域Rが逆回転領域に設定される。
したがってステップS13(図2)では、直近のクランク信号Aに対応する第1の回転角度が図4の4つの角度領域Rに示される逆回転領域にあるか否かを判定する。そして第1の回転角度が例えば330°CAと導出された場合には、第1の回転角度が逆回転領域にあるため、ステップS14に移る。
ステップS14においては、水温センサ43によって検出される機関冷却水温が所定温度(例えば80℃)以上であるか否が判定される。すなわち、機関温度が高いほど内燃機関の各部位が潤滑油によって潤滑されやすく、同機関の各部位に生じる摩擦力が小さくなるため、クランクシャフト6の逆回転が生じる場合にはその逆回転量が大きくなる。したがって、このステップS14においては、機関温度としての冷却水温に基づいて、同冷却水温が高いほど逆回転角度が大きくなるものとして、クランクシャフト6の回転角度を推定する。すなわち本実施形態では、水温センサ43が温度検出手段を構成する。
ステップS14において、冷却水温が所定温度以上であると判定されるとステップS15に移り、第1の回転角度(330°CA)から所定の回転角度N1°CA(例えば20°CA)遅角させた第2の回転角度(310°CA)を機関停止時の回転角度として推定する。一方、ステップS14において、冷却水温が所定温度未満であると判定されると、逆回転する回転角度は少ないと考えられるため、ステップS16に移り、第1の回転角度(330°CA)から上記回転角度N1°CAよりも小さい所定の回転角度N2°CA(例えば10°CA)遅角させた第2の回転角度(320°CA)を機関停止時の回転角度として推定する。このようにして、機関冷却水温が高いほど第1の回転角度から大きく遅角させた第2の回転角度を機関停止時のクランクシャフト6の回転角度として推定する。
一方、ステップS13において、図3のクランク信号Aに対応する第1の回転角度が逆回転領域にないと判定されるとステップS17に移り、この第1の回転角度を機関停止時のクランクシャフト6の回転角度として推定する。すなわち例えばクランク信号Aに対応する第1の回転角度が200°CAと導出された場合には、図4に示す角度領域Rにないため、この場合はクランクシャフト6が逆回転しないものとして、第1の回転角度(200°CA)をそのまま機関停止時のクランクシャフト6の回転角度として推定する。
そしてステップS15,16及び17において機関停止時6のクランクシャフト6の回転角度を推定した後、ステップS18に移り、電子制御装置50は記憶手段としてこの推定された機関停止時のクランクシャフト6の回転角度を記憶する。そして、このように回転角度の推定処理が実行されたため、ステップS19において回転角度推定フラグを「1」に設定してエンドに移る。
以上のようにして電子制御装置50は、機関停止時におけるクランクシャフト6の回転角度の推定を行う。そして例えば電子制御装置50は、時刻t3において運転者がブレーキペダルの踏込みを解除するとともにアクセルペダルが踏み込まれると、アクセルポジションセンサ41及びブレーキセンサ42等の検出結果に基づいて内燃機関が自動始動されるように制御する。そして電子制御装置50は、上述したように機関停止時のクランクシャフト6の回転角度を推定して記憶しているため、この再始動時においては、このようにして記憶された機関停止時のクランクシャフト6の回転角度をクランクシャフト6の回転角度として用いる。したがって、次回の機関始動時には始動開始直後からこの推定される回転角度に基づいて燃料噴射及び点火時期などを決定することができる。なお、仮に推定されたクランクシャフト6の回転角度と実際の回転角度との間に若干のずれがあったとしても、再始動後の欠歯検出を通じてこのずれが解消されることとなる。
以上詳述した上記実施形態によれば以下の作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、内燃機関がリングギヤ12のギヤ部12aとスタータモータ30の出力軸34に設けられたピニオンギヤ35とが常時噛み合う始動装置を備えている。そして電子制御装置50は、クランクポジションセンサ40のクランク信号が所定期間ΔT以上出力されない場合に、直近のクランク信号に対応するクランクシャフト6の第1の回転角度が逆回転領域にあることを条件に、第1の回転角度よりも所定の回転角度遅角させた第2の回転角度を機関停止時におけるクランクシャフト6の回転角度として推定する。また、電子制御装置50は、第1の回転角度が逆回転領域外にあることを条件に第1の回転角度を機関停止時におけるクランクシャフト6の回転角度として推定する。このように本実施形態では、内燃機関が常時噛み合う始動装置を備えることにより機関停止時にクランクシャフト6の逆回転が生じにくく、電子制御装置50が、第1の回転角度が予め設定した逆回転領域にあるか否かに基づいて機関停止時のクランクシャフト6の回転角度を容易に推定することができる。
(2)本実施形態では、クランクシャフト6の逆回転領域は、内燃機関の圧縮行程中の気筒においてピストンが上死点に位置するときのクランクシャフト6の回転角度から同角度よりも遅角側のクランクシャフト6の回転角度までの角度領域R(120〜180,300〜360,480〜540,660〜720°CA)に設定されている。したがって、圧縮行程中の気筒においてピストンが上死点近傍に位置するときには、ピストンを上死点側から下死点側へ変位させる抵抗力が大きいためクランクシャフト6が逆回転しやすくなるといった知見に基づいて逆回転領域を設定することができる。
(3)本実施形態では、水温センサ43によって機関冷却水温を検出し、検出される冷却水温が高いほど第1の回転角度から第2の回転角度を求めるための所定の回転角度を大きく設定するようにしている。したがって、機関温度が高いほど内燃機関の各部位が潤滑油によって潤滑されやすく、同機関の各部位に生じる摩擦力が小さいため、クランクシャフト6が逆回転する場合にその逆回転量も大きくなるといった知見に基づいて機関停止時のクランクシャフト6の回転角度を求めることができる。
(4)本実施形態では、電子制御装置50が機関停止時に推定したクランクシャフト6の回転角度を、次回の運転開始時におけるクランクシャフト6の回転角度として記憶するようにしている。したがって、機関停止時のクランクシャフト6の回転角度を次回の運転開始時におけるクランクシャフト6の回転角度として用いることができるため、次回の機関運転時において早期に燃料噴射等を実施することができ、始動性を向上させることができる。
(5)本実施形態では、内燃機関が自動停止及び自動始動を行うように構成されている。このように機関停止と始動とが頻繁に繰り返される内燃機関においては、自動始動の際に早期に燃料噴射等を行って始動性を向上させることが特に要求される。したがって上記(4)に記載した効果をより顕著に発揮することができる。
(その他の実施形態)
なお上記実施形態は以下のように適宜変更してもよい。
・上記各実施形態では、内燃機関の運転中においてクランクポジションセンサ40が欠歯検出を行うことによりクランク信号とクランクシャフト6の回転角度を整合させるようにしているが、カムポジションセンサの出力によってクランク信号とクランクシャフト6の回転角度を整合させるようにしてもよい。
・上記実施形態では、内燃機関が自動停止及び自動始動を行うように構成されている。しかしながら、内燃機関が自動停止及び自動始動を行わず、イグニッションスイッチ45の操作のみにより機関停止及び始動が行われるものであってもよい。
・上記各実施形態では、電子制御装置50が内燃機関の停止時にクランクシャフト6の回転角度を推定し、推定される機関停止時の回転角度を記憶して次回始動時にこの回転角度に基づいて燃料噴射などを実行するようにしている。しかしながら、電子制御装置は単に機関停止時にクランクシャフト6の回転角度の回転角度を推定するものであってこの回転角度を記憶しないものであってもよい。
・上記各実施形態では、第1の回転角度から第2の回転角度を求めるための所定の回転角度を機関冷却水温が80℃以上か未満かによって2つの回転角度N1°CA,N2°CAを用いるようにしたが、この所定の回転角度N°CAを図5に示すように冷却水温が高くなるほど徐々に大きくなるように設定してもよい。また上記各実施形態では機関温度として水温センサ43によって検出される冷却水温を用いるようにしたが、機関温度を検出する手段として吸気温センサを用いてもよいし、運転開始からの時間を計測することにより機関温度を検出するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、内燃機関の機関温度が高いほど第1の回転角度から第2の回転角度を導出するための所定の回転角度を大きくするようにしているが、機関温度とは無関係に所定の回転角度を設定するようにしてもよい。すなわち、例えば第1の回転角度が逆回転領域にあれば、機関温度に拘わらず第1の回転角度から一定回転角度を遅角させた第2の回転角度を機関停止時のクランクシャフト6の回転角度として推定し、第1の回転角度が逆回転領域になければ同第1の回転角度を機関停止時のクランクシャフト6の回転角度として推定するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、内燃機関の逆回転領域を設定するにあたり、圧縮行程中の気筒においてピストンが上死点に位置するときのクランクシャフトの回転角度(180,360,540,720°CA)から同角度よりも60°CA遅角側となるクランクシャフトの回転角度までの角度領域Rに設定したが、逆回転領域の設定はこの態様に限定されない。内燃機関の各気筒のうち少なくとも1つの気筒において圧縮行程となっているときに対応するクランクシャフト6の回転角度を逆回転領域と設定してもよい。
・上記各実施形態では、クランクポジションセンサ40によるクランク信号から第1の回転角度を求め、この第1の回転角度を図4に示すマップに適用することにより、第1の回転角度が逆回転領域にあるか否かを判定するようにしている。しかしながら、例えば図4に示すマップに代わり、クランク信号から直接的にこの信号が逆回転領域の回転角度を示すものか否かがわかるマップを用いて、第1の回転角度を求めることなく逆回転領域にあるか否かの判定を行うようにしてもよい。
・上記各実施形態では、ワンウェイクラッチをリングギヤ12とクランクシャフト6に接続されるアウターレース支持プレート10との間に設けるようにしている。しかしながら、クランクシャフトとリングギヤとは回転力を互いに常時伝達可能とし、ピニオンギヤとスタータモータ30の出力軸34との間にワンウェイクラッチを設けるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、内燃機関を直列4気筒のガソリンエンジンとしたが、内燃機関の気筒数や形状は特に限定されない。また、ディーゼルエンジンに本発明の制御装置を適用するようにしてもよい。
本発明にかかるクランクシャフトの回転角度推定装置の一実施形態において、同推定装置が適用される内燃機関の始動装置を示す部分断面図。 機関停止時におけるクランクシャフトの回転角度推定の実行手順を示すフローチャート。 (a)がクランクシャフトの回転速度の推移を示し、(b)がクランクポジションセンサによるクランク信号の出力態様を示すタイミングチャート。 クランクシャフトが逆回転する角度領域を示すタイミングチャート。 機関冷却水温に対する所定の回転角度を示すグラフ。
符号の説明
2…オイルパン、2a…後端、2b…内周面、4…ラダービーム、6…クランクシャフト、8…フライホイール、10…アウターレース支持プレート、12…リングギヤ、12a…ギヤ部、12b…段差部、12c…内周面、12d…外周面、14…ワンウェイクラッチ、16…インナーレース、18…ベアリング、22…アウターレース、24…第1シール部材、24a…シールリップ、26…第2シール部材、26a…シールリップ、30…スタータモータ、34…出力軸、35…ピニオンギヤ、40…クランクポジションセンサ、41…アクセルポジションセンサ、42…ブレーキセンサ、43…水温センサ、44…車速センサ、45…イグニッションスイッチ、50…電子制御装置。

Claims (5)

  1. 始動用電動機の出力軸に設けられたピニオンギヤと同ピニオンギヤの回転力をクランクシャフトに伝達するリングギヤとが常時噛み合う始動装置を備える内燃機関に適用されて、同機関の停止時における前記クランクシャフトの回転角度を推定する回転角度推定装置であって、
    前記クランクシャフトが所定角度回転する毎にクランク信号を出力するクランクポジションセンサと、
    前記クランク信号が所定期間以上出力されない場合において、直近に出力された前記クランク信号に対応する前記クランクシャフトの回転角度を第1の回転角度とし、同第1の回転角度が前記クランクシャフトの逆回転が生じる逆回転領域にあることを条件に前記第1の回転角度よりも所定の回転角度遅角させた第2の回転角度を前記機関の停止時における前記クランクシャフトの回転角度として推定し、前記第1の回転角度が前記逆回転領域外にあることを条件に同第1の回転角度を前記機関の停止時における前記クランクシャフトの回転角度として推定する推定手段とを備える
    ことを特徴とするクランクシャフトの回転角度推定装置。
  2. 請求項1において、
    前記クランクシャフトの逆回転領域は、前記機関の圧縮行程中の気筒においてピストンが上死点に位置するときの前記クランクシャフトの回転角度から同角度よりも遅角側の前記クランクシャフトの回転角度までの所定角度領域に設定される
    ことを特徴とするクランクシャフトの回転角度推定装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記機関の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記推定手段は、前記検出される前記機関の温度が高いほど前記第2の回転角度を求めるための前記所定の回転角度を大きく設定する
    ことを特徴とするクランクシャフトの回転角度推定装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項において、
    前記推定手段により推定される前記機関の停止時における前記クランクシャフトの回転角度を、前記機関の次回の運転開始時における前記クランクシャフトの回転角度として記憶する記憶手段を備える
    ことを特徴とするクランクシャフトの回転角度推定装置。
  5. 請求項4において、
    前記機関は自動停止及び自動始動を行う
    ことを特徴とするクランクシャフトの回転角度推定装置。
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