JP2009281239A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009281239A
JP2009281239A JP2008133159A JP2008133159A JP2009281239A JP 2009281239 A JP2009281239 A JP 2009281239A JP 2008133159 A JP2008133159 A JP 2008133159A JP 2008133159 A JP2008133159 A JP 2008133159A JP 2009281239 A JP2009281239 A JP 2009281239A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target
charging efficiency
output torque
torque
calculated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008133159A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4499809B2 (ja
Inventor
Masaki Kadowaki
正樹 門脇
Hideki Hagari
秀樹 葉狩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2008133159A priority Critical patent/JP4499809B2/ja
Publication of JP2009281239A publication Critical patent/JP2009281239A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4499809B2 publication Critical patent/JP4499809B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】点火リタードによる余分な燃費の悪化や制御性能の悪化を、効果的に回避できる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン回転数と点火リタード量とに基づいて最大目標充填効率を算出する最大目標充填効率演算部B109と、第1の目標充填効率演算部B108により算出された目標充填効率を最大目標充填効率と比較し、小さい方の値を選択して、制限処理された目標充填効率として出力する第2の目標充填効率演算部B110と、制限処理された目標充填効率に基づいて目標シリンダ内空気量を算出し、当該値から内燃機関が吸入するべき目標吸入空気量を算出して、目標吸入空気量を実現するようにスロットルバルブ2を制御する目標スロットル開度演算部B112を備えて、目標出力トルクから目標吸入空気量を算出する際に、この最大目標充填効率を用いて制限処理を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は内燃機関の制御装置に関し、特に、ドライバ(運転者)の要求に応じて目標トルクが設定され、且つ、内燃機関により出力されるトルクがこの目標トルクに対応して調整されるように構成されている、内燃機関を制御するための内燃機関の制御装置に関する。
近年、ドライバや各車両システム(自動変速機制御、ブレーキ制御、トラクション制御等)からの駆動力の要求値として車両の制御に直接作用する物理量であるエンジン出力軸トルクを用い、これをエンジン出力の目標値としてエンジン制御の制御量である空気量や燃料量や点火時期を決定し、また、実際のエンジンの状態から実出力トルクを推定して各車両システムへ送信することで協調制御を実現して良好な走行性能を得る技術、所謂トルクベース制御が提案されている。
このような制御においては、エンジンの実出力トルクを精度良く算出し、目標出力トルクを精度良く達成することが重要となる。例えば、特許文献1においては、ドライバの要求に応じた内燃機関の出力トルクを求める際のマップ数を増やすことなくトルク制御性を向上させるための方法が示されている。より詳細には、アクセル開度から算出されるドライバ要求軸トルクにロストルクとISCトルクを加算し、点火時期効率補正と目標A/F効率補正の後、トルク−空気量変換処理を行っている。この点火時期効率補正における係数を、少ないマップ数で算出することを特徴としている。
また、特許文献2においては、少ない制御マップにより、精度良くエンジンの実出力トルクを推定し、また、目標出力トルクを実現するためのエンジン制御量を簡単なロジック構成で精度良く実現させる方法が示されている。より詳細には、充填効率−点火時期−出力トルクの関係を2次関数にて近似しておき、充填効率と点火時期から実出力トルクを算出し、充填効率と実出力トルクの比である充填効率−トルク変換係数を用いて、目標出力トルクから目標吸入空気量を算出している。この充填効率から実出力トルクを算出し、それらの比を基に、目標出力トルクから目標吸入空気量を算出することで、簡単なロジック構成でエンジン制御量を算出することを特徴としている。
特開2003−301766号公報 特願2007−310968号
特許文献1及び特許文献2の方法は、精度良く目標出力トルクを達成するために、点火時期を考慮に入れて目標出力トルクから目標吸入空気量へ制御量を変換しているが、いずれの文献においても、目標出力トルクが達成され得ない場合の対策について示されていない。まず、図13を参照しながら内燃機関の出力トルク特性を説明する。図13は充填効率と出力トルクの関係を示す図である。充填効率が高いほど実出力トルクは高くなり、また、点火リタード時においては充填効率が高いほど点火リタードによる実出力トルクの低下量は大きくなる。つまり、点火リタードした状態で充填効率を増加させていく場合、ある運転ポイントで実出力トルクが増加しなくなる。これらの内燃機関の出力トルク特性によると、例えばノック制御等により点火リタードした状態で目標出力トルクを増加させていく場合、目標充填効率は目標出力トルクを達成しようと増加していくが、ある運転ポイントで充填効率が増加しても実出力トルクは増加しなくなる。このときを境に、実出力トルクは目標出力トルクを達成できなくなるが、目標吸入空気量については、目標充填効率を達成しようと増加させ続けてしまう、といった現象が起こり得る。この結果、実出力トルクはこれ以上増加しないにも関らず、スロットル開度が余分に開き続けてしまい、実際の吸入空気量も余分に増加し続け、その吸入空気量に応じて燃料噴射量を算出してインジェクタを駆動するため、燃費の悪化が懸念されるという問題点があった。また、目標吸入空気量が余分に増加し続けた後に目標出力トルクを低下させる場合、スロットル開度が余分に開いた後であるため、実出力トルクの低下方向への応答性が悪くなることが懸念されるという問題点があった。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、内燃機関の運転状態に基づいて目標充填効率を適切な最大目標充填効率に制限することにより、燃費の悪化を効果的に回避し、制御性能の向上を図ることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的としている。
本発明は、内燃機関の吸気通路に設けられたスロットルの開度を制御することで吸気通路の開口面積を変化させて吸入空気流量の可変制御を行うスロットル開度制御手段と、前記内燃機関の運転状態及び/又は車両の走行速度とドライバのアクセル操作状態とに基づいて、車両に対するドライバ要求出力を算出するドライバ要求出力算出手段と、前記ドライバ要求出力に基づいて、内燃機関が発生するべき目標出力トルク又は目標平均有効圧を算出する目標出力トルク算出手段と、前記内燃機関の運転状態に基づいて基本目標点火時期を算出し、算出した基本目標点火時期に対して、前記内燃機関の機関温度や吸入空気温度による補正、触媒を早期に活性化させるためのリタード補正、及び/又は、ノック制御によるリタード補正を行った目標点火時期を算出する目標点火時期算出手段と、少なくとも、エンジン回転数、実充填効率及び前記目標点火時期に基づいて、前記内燃機関の実出力トルク又は実平均有効圧を算出する実出力トルク算出手段と、前記実充填効率、前記実出力トルク又は実平均有効圧、及び、前記目標出力トルク又は目標平均有効圧に基づいて、目標充填効率を算出する目標充填効率算出手段と、少なくとも、前記エンジン回転数と、前記目標点火時期と前記基本目標点火時期との差である点火リタード量とに基づいて、前記目標充填効率を制限するための最大目標充填効率を算出する最大目標充填効率算出手段と、前記目標充填効率算出手段により算出された目標充填効率を、前記最大目標充填効率算出手段により算出された最大目標充填効率と比較し、小さい方の値を選択して、制限処理された目標充填効率として出力する制限手段と、前記制限手段から出力される制限処理された前記目標充填効率に基づいて目標シリンダ内空気量を算出し、前記目標シリンダ内空気量から内燃機関が吸入するべき目標吸入空気量を算出する目標吸入空気量算出手段と、前記目標吸入空気量算出手段により算出される前記目標吸入空気量を実現するように前記スロットル開度制御手段を制御してスロットルの開度を制御させる制御手段とを備えた内燃機関の制御装置である。
本発明は、内燃機関の吸気通路に設けられたスロットルの開度を制御することで吸気通路の開口面積を変化させて吸入空気流量の可変制御を行うスロットル開度制御手段と、前記内燃機関の運転状態及び/又は車両の走行速度とドライバのアクセル操作状態とに基づいて、車両に対するドライバ要求出力を算出するドライバ要求出力算出手段と、前記ドライバ要求出力に基づいて、内燃機関が発生するべき目標出力トルク又は目標平均有効圧を算出する目標出力トルク算出手段と、前記内燃機関の運転状態に基づいて基本目標点火時期を算出し、算出した基本目標点火時期に対して、前記内燃機関の機関温度や吸入空気温度による補正、触媒を早期に活性化させるためのリタード補正、及び/又は、ノック制御によるリタード補正を行った目標点火時期を算出する目標点火時期算出手段と、少なくとも、エンジン回転数、実充填効率及び前記目標点火時期に基づいて、前記内燃機関の実出力トルク又は実平均有効圧を算出する実出力トルク算出手段と、前記実充填効率、前記実出力トルク又は実平均有効圧、及び、前記目標出力トルク又は目標平均有効圧に基づいて、目標充填効率を算出する目標充填効率算出手段と、少なくとも、前記エンジン回転数と、前記目標点火時期と前記基本目標点火時期との差である点火リタード量とに基づいて、前記目標充填効率を制限するための最大目標充填効率を算出する最大目標充填効率算出手段と、前記目標充填効率算出手段により算出された目標充填効率を、前記最大目標充填効率算出手段により算出された最大目標充填効率と比較し、小さい方の値を選択して、制限処理された目標充填効率として出力する制限手段と、前記制限手段から出力される制限処理された前記目標充填効率に基づいて目標シリンダ内空気量を算出し、前記目標シリンダ内空気量から内燃機関が吸入するべき目標吸入空気量を算出する目標吸入空気量算出手段と、前記目標吸入空気量算出手段により算出される前記目標吸入空気量を実現するように前記スロットル開度制御手段を制御してスロットルの開度を制御させる制御手段とを備えた内燃機関の制御装置であるので、内燃機関の運転状態に基づいて目標充填効率を適切な最大目標充填効率に制限することにより、燃費の悪化を効果的に回避し、制御性能の向上を図ることができる。
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態における内燃機関としては、ガソリン機関のエンジンが想定されている。図1及び図2は、本発明の実施の形態1による、エンジンとそれを制御するエンジン制御部を概略的に示す構成図である。
図1において、1はエンジン、2は電子制御式スロットルバルブ、3はスロットル開度センサ、5はサージタンク、6はインマニ圧センサ(インテークマニホールド圧力センサ)、7はEGRバルブ、8はインジェクタ、9は点火コイル、10は点火プラグ、11はクランク角センサである。
図1に示すように、エンジン1に対して設けられた吸気系(吸気通路)の上流には、吸入空気流量を調整するために電子的に制御される電子制御式スロットルバルブ2が設けられている。また、電子制御式スロットルバルブ2には、それの開度を測定するために、スロットル開度センサ3が設けられている。さらに、電子制御式スロットルバルブ2の上流には、吸入空気流量を測定するエアフロセンサ4が設けられており、電子制御式スロットルバルブ2の下流の吸気系(吸気通路)の一部が、エンジン1の手前において、内径が他の部分よりも大きくなって、サージタンク5を構成している。サージタンク5には、サージタンク5内の圧力を測定するためのインマニ圧センサ6が設けられている。
なお、エアフロセンサ4とインマニ圧センサ6に関しては、両方とも設けてもよいし、いずれか一方のみが設けられていてもよい。
さらに、サージタンク5の下部には、電子制御式EGRバルブ7が接続されている。また、サージタンク5よりも下流の吸気系(吸気通路)には、燃料を噴射するインジェクタ8が設けられている。なお、インジェクタ8はエンジン1のシリンダに直接噴射できるように設けられてもよい。さらに、エンジン1には、エンジン1のシリンダ内の混合気に点火するための点火コイル9及び点火プラグ10や、エンジンの回転速度やクランク角度を検出するために、クランク軸に設けられてプレートのエッジを検出するためのクランク角センサ11が設けられている。
図2おいて、12はアクセル開度センサであり、13は電子制御ユニット(以下、「ECU」と称す)である。他の構成については、図1と同じであるため、同一符号を付して示し、ここではその説明を省略する。エアフロセンサ4で測定された吸入空気流量と、インマニ圧センサ6で測定されたインマニ圧と、スロットル開度センサ3で測定された電子制御式スロットルバルブ2の開度と、クランク角センサ11より出力されるクランク軸に設けられたプレートのエッジに同期したパルスとが、ECU13に入力される。また、前記以外のアクセル開度センサ12やその他の各種センサからもECU13に測定値が入力され、さらに、他のコントローラ(例えば、自動変速機制御、ブレーキ制御、トラクション制御等の制御システム)からのトルク要求値も入力される。ECU13では、入力された各種データに基づいて、後述する方法を用いて、実出力トルクが算出され、また、アクセル開度やエンジンの運転状態、さらに他のコントローラからのトルク要求値などを基にして目標出力トルク(又は目標平均有効圧)が設定される。設定された目標出力トルクを達成するよう後述する方法を用いて目標吸入空気流量及び目標点火時期が算出され、目標吸入空気流量を達成するように電子制御式スロットルバルブ2は制御され、目標点火時期を達成するように点火コイル9への通電が行われる。また、運転状態に応じて電子制御式EGRバルブ7の開度は制御され、目標空燃比を達成するようにインジェクタ8は駆動される。さらに、前記以外の各種アクチュエータへの指示値も算出される。
次に、図3を参照しながら、ECU13内で行うトルクベース制御の概要について説明する。図3はトルクベース制御全体の構成を示した概略図である。図3において、14はトルク制御部であり、15はトルクインターフェース部(以下、「トルクI/F部」と称す。)、16はエンジン制御部である。エンジン制御部16には、吸気量制御部16aと、燃料制御部16bと、点火時期制御部16cと、その他制御部16dが設けられている。
トルク制御部14では、アクセル開度センサ12で測定されたアクセル開度や他のコントローラからのトルク要求から、目標出力トルク(又は目標平均有効圧)を算出して、トルクI/F部15へ送られる。
トルクI/F部15では、トルクと充填効率の相互変換処理や、トルクと点火時期の相互変換処理を実施して、実出力トルクを算出するとともに、目標充填効率や目標点火時期を算出する。実出力トルクはトルク制御部14に送られ、目標充填効率や目標点火時期はエンジン制御部16に送られる。
エンジン制御部16の吸気量制御部16aでは、目標充填効率から目標シリンダ吸気量を算出し、さらに、目標吸入空気量を算出する。この算出した目標吸入空気量を精度良く達成するよう、エンジン制御部16は、エアフロセンサ4やインマニ圧センサ6を用いて、電子制御式スロットルバルブ2をフィードバック制御する。また、エアフロセンサ4で測定された吸入空気流量からシリンダ吸気量を推定し、実充填効率の算出も行う。燃料制御部16bでは、吸気量制御部16aで算出した実充填効率を用いて、目標空燃比を達成するための燃料噴射量を算出し、インジェクタ8を駆動する。点火時期制御部16cでは吸気量制御部16aで算出した実充填効率を用いて基本点火時期を算出し、トルクI/F部15へ出力する。トルクI/F部15で最終的な目標点火時期を算出したのち、再度、算出された目標点火時期が点火時期制御部16cに送られて、点火コイル9への通電が行われる。これら以外にも、その他制御部16dにより、EGRバルブ開度の制御や、OBDや通信などの処理も合わせて行われる。この様な構成とすることで、ドライバの要求出力や他制御からのトルク要求に精度良く対応することが可能となる。
次に、図4を参照しながら、トルク制御部14について詳しく説明する。図4は、本実施の形態1に係るトルク制御部の構成を示す図である。図4に示すように、トルク制御部14には、ドライバ要求トルク演算部B101と、ISC要求トルク演算部B102と、車両要求トルク演算部B103と、第1の目標出力トルク演算部B104と、第2の目標出力トルク演算部B105とを備えている。なお、B116は、トルクI/F部15に備えられた第2の実出力トルク演算部である。
ドライバ要求トルク演算部B101において、アクセル開度センサ12で測定されたアクセル開度とエンジン回転数等のエンジンの運転状態又は車速等の車両の走行状態とからドライバ要求トルクを算出する。次にISC要求トルク演算部B102においては、エンジン回転数とエンジン水温とエンジン補機負荷のスイッチ情報(以下、SW情報と称す。)等を基にISC要求トルクを算出する。なお、エンジン水温の代わりにエンジン油温を基にISC要求トルクを算出してもよい。ISC要求トルクにはエンジンのフリクションロストルク、ポンピングロストルク及びエンジン補機負荷トルクが含まれ、ISC目標エンジン回転数を維持するために必要なトルクである。車両要求トルク演算部B103ではブレーキ制御、スタビリティ制御、自動変速機制御等の他のコントローラからの要求トルクと、トルクI/F部15の第2の実出力トルク演算部B116にて演算される実際にエンジンが出力しているトルクに相当する第2の実出力トルクとを基に、車両要求トルクを算出する。また、複数のコントローラからのトルク要求が重複した場合には、ブレーキ制御等の車両の安全性確保により重要となるトルク要求を優先するトルク調停を実施して車両要求トルクを算出する。
第1の目標出力トルク演算部B104では、ドライバ要求トルク演算部B101で算出されたドライバ要求トルクとISC要求トルク演算部B102で算出されたISC要求トルクのうち、吸気量により制御されるトルクを、第1の目標出力トルクとして算出する。なお、第1の目標出力トルク演算部B104で、第1の目標出力トルクの代わりに、ドライバ要求トルク演算部B101で算出されたドライバ要求トルクから内燃機関の目標平均有効圧を算出するようにしてもよい。第2の目標出力トルク演算部B105では、車両要求トルク演算部B103で算出された車両要求トルクとISC要求トルク演算部B102で算出されたISC要求トルクのうち、点火時期により制御されるトルクを、第2の目標出力トルクとして算出する。第2の目標出力トルクが、車両要求トルクやエンジン補機負荷トルク等、瞬時にトルク変化を行う必要がある要求トルクであるのに対し、第1の目標出力トルクは、ドライバ要求トルクやエンジンのフリクションロストルク等、トルクの変化幅が大きい要求トルクや、変化速度が遅くても差し支えない要求トルクである。また、第1の目標出力トルクと第2の目標出力トルクはお互いに監視しており、予め設定された基準値以上に急激なトルク変化を行わないよう、トルク制限を設けている。なお、車両側からのトルク要求がない場合には、第2の目標出力トルクは第1の目標出力トルクと同じ値とする。なお、ゼロ又は最大トルク値などの所定値を入れるようにしてもよい。
次に、図5を参照しながら、トルクI/F部15とエンジン制御部16について詳しく説明する。図5は、本実施の形態1に係るトルクI/F部15とエンジン制御部16の構成を示す図である。なお、トルク制御部14については、以下の説明に必要な部分のみを図示しており、全体の構成については、図4に示した通りである。
図5に示すように、トルクI/F部15は、第1の実出力トルク演算部B106と、充填効率−トルク変換係数算出部B107と、第1の目標充填効率演算部B108と、最大目標充填効率演算部B109と、第2の目標充填効率演算部B110と、第2の目標点火時期演算部B111と、第2の実出力トルク演算部B116と、第1の目標出力トルク補正演算部B117と、第3の実出力トルク演算部B118とを備えている。
また、エンジン制御部16は、目標スロットル開度演算部B112と、実充填効率演算部B113と、第1の目標点火時期演算部B114と、最終目標点火時期演算部B115とを備えている。
第1の実出力トルク演算部B106において、実充填効率演算部B113にて演算される実充填効率と第1の目標点火時期演算部B114にて演算される第1の目標点火時期とを用いて、第1の実出力トルクが演算される。この実出力トルクの演算方法については後述する。なお、第1の実出力トルク演算部B106において、実出力トルクの代わりに、実充填効率と第1の目標点火時期とから実平均有効圧を算出するようにしてもよい。充填効率−トルク変換係数算出部B107では、第1の実出力トルク演算部B106にて演算された第1の実出力トルクと後述する実充填効率演算部B113にて演算された実充填効率との比から、充填効率−トルク変換係数を算出し、平滑化のためのフィルタ処理を実施する。なお、フィルタ処理に用いるフィルタ定数は、アイドル運転時とオフアイドル運転時で切換えることにより、アイドル運転時の安定性とオフアイドル運転時の応答性が両立できる。この充填効率−トルク変換係数は、現時点での運転条件における熱効率と相関する係数であり、極端に点火時期がリタード側に設定されるような場合を除き、全域においてほぼ一定の値となる。なお、エンジン始動時は充填効率−トルク変換係数をエンジン始動時のエンジン水温又はエンジン油温により決定されるある所定値で与えることにより、エンストを防止することができる上、始動性が良くなる。
第1の目標充填効率演算部B108では、トルク制御部14の第1の目標出力トルク演算部B104により演算された第1の目標出力トルクに、充填効率−トルク変換係数算出部B107で算出された充填効率−トルク変換係数を乗算することにより、第1の目標充填効率を演算する。このように充填効率−トルク変換係数を用いることで、トルクと充填効率の相互変換を簡単な演算で行っている。最大目標充填効率演算部B109では、エンジン制御部16の後述する第1の目標点火時期演算部B114にて算出される基本点火時期と第1の目標点火時期との差から点火リタード量を算出するとともに、この点火リタード量を用いて最大目標充填効率を演算する。この最大目標充填効率の演算方法については後述する。第2の目標充填効率演算部B110では、第1の目標充填効率演算部B108にて演算された第1の目標充填効率と、最大目標充填効率演算部B109にて演算された最大目標充填効率との間で最小値選択を行うことにより、最大目標充填効率に制限された第2の目標充填効率が演算される。なお、エンジン始動時やアイドル運転時は、最大目標充填効率による制限を禁止することにより、エンストを防止することができる。
エンジン制御部16では、目標スロットル開度演算部B112で、トルクI/F部15の第2の目標充填効率演算部B110によって演算された上述の第2の目標充填効率と、エンジン回転数(アイドル時は目標エンジン回転数)とから、目標吸入空気量を算出するとともに、この目標吸入空気量を精度良く達成できる目標スロットル開度を算出し、電子制御式スロットルバルブ2を実際に駆動する。その結果として、エアフロセンサ4又はインマニ圧センサ6での検出結果を基に、実充填効率演算部B113では、サージタンク5の充填遅れを1次フィルタ処理等で模擬して実充填効率が算出される。この実充填効率を用いて、第1の目標点火時期演算部B114で、基本目標点火時期が算出され、エンジン水温や吸入空気温度による補正、触媒を早期に活性化させる場合のリタード補正、及び/又は、ノック制御によるリタード補正等の補正後、第1の目標点火時期が算出される。この後、再度、算出された第1の目標点火時期トルクが、I/F部15の第1の実出力トルク演算部B106に入力され、上記の演算が繰り返し実行される。このような構成とすることで、定常運転時には第1の目標出力トルクと第1の実出力トルクは一致することができる。
トルク制御部14の第2の目標出力トルク演算部B105で、車両側からのトルク要求を受け、第2の目標出力トルクが演算された場合、第2の目標点火時期演算部B111では、第2の目標点火時期が算出される。この第2の目標点火時期演算方法については後述する。エンジン制御部16の最終目標点火時期演算部B115では、第1の目標点火時期演算部B114で算出された第1の目標点火時期と第2の目標点火時期演算部B111で算出された第2の目標点火時期のうち、第2の目標出力トルクが第1の目標出力トルクより小さい場合で且つ遅角可能な運転状態と判断された場合や、逆に大きい場合で且つ進角可能な運転状態と判断された場合は、第2の目標点火時期を選択し、それ以外の場合は第1の目標点火時期を選択して、最終目標点火時期として決定する。なお、最大目標充填効率演算部B109で算出される点火リタード量は、第1の目標点火時期演算部B114にて算出された基本点火時期と最終目標点火時期演算部B115にて算出された最終目標点火時期との差から算出してもよい。
トルクI/F部15の第2の実出力トルク演算部B116では、第2の目標点火時期演算部B111で算出された第2の目標点火時期と実充填効率演算部B113で算出された実充填効率とから、第2の実出力トルクが算出される。なお、第2の実出力トルク演算部B116の第2の実出力トルク演算方法は第1の実出力トルク演算部B106の第1の実出力トルク演算方法と同様である。続く第1の目標出力トルク補正演算部B117では第1の目標出力トルク補正量の演算が行われる。これは第2の目標出力トルクが演算された時点で演算された第2の実出力トルクが第2の目標出力トルクより大きい場合、点火リタードだけでは第2の目標出力トルクが達成できないと判断され、第1の目標出力トルクを補正することで吸気量をも制御して第2の目標出力トルクを達成するための補正であり、第2の実出力トルクと第2の目標出力トルクの差に対し、さらに、所定量を加算するか、所定の係数を乗算して第1の目標出力トルク補正量を演算するもので、当該第1の目標出力トルク補正量は第1の目標出力トルク演算部B104で反映される。この第1の目標出力トルク補正量は、第2の目標出力トルクによる点火リタード中は保持される。なお、第2の目標出力トルクによるリタード制御中でも、吸気量制御は第1の目標出力トルクに応じて行われる。このような構成とすることで、第2の目標出力トルクと第2の実出力トルクは一致することができる。第3の実出力トルク演算部B118では、実際にエンジンが出力しているトルクに相当する第3の実出力トルクを演算し、それを基に車両要求トルクを算出する。なお、第3の実出力トルク演算部B118の第3の実出力トルク演算方法は第1の実出力トルク演算部B106の第1の実出力トルク演算方法と同様である。
次に、図6乃至図8を参照しながら、第1の実出力トルク演算部B106(及び、第2の実出力トルク演算部B116、第3の実出力トルク演算部B118)の実出力トルク演算と、第2の目標点火時期演算部B111の第2の目標点火時期演算について詳しく説明する。図6は実出力トルクと点火時期の関係を示す概念図であり、図7は実出力トルク演算の実施の形態を示す図である。
図6は、あるエンジン回転数と充填効率の運転条件下において、出力トルク(図示平均有効圧)yは上死点TDCを基準として進角側を正に取った点火時期xと2次関数で近似した場合を示しており、これらの関係は次式(1)で表される。
Figure 2009281239
ここで、本2次関数は常時上に凸となるので、aは負の値をとる。a,b,cをマップにて与えることで、点火時期に応じた出力トルクの算出が可能となる。ところで、点火時期が基本点火時期マップ値xaにて運転されている場合の出力トルク(基本出力トルク)yaをマップ化しておけば、下式(2)により、cが算出できるので、cはマップ化する必要はない。
Figure 2009281239
以上を基に、図7に示す実出力トルク演算(第1の実出力トルク演算部B106)の実施の形態について説明する。図7に示すように、第1の実出力トルク演算部B106には、基本出力トルク算出部B201と、係数a算出部B202と、係数b算出部B203と、係数c演算部B204と、実出力トルク演算部B205とが設けられている。
基本出力トルク算出部B201では、実充填効率演算部B113で算出された実充填効率と別途算出されたエンジン回転数(アイドル時は目標エンジン回転数)とを基に、基本出力トルクyaが算出される。同様に、係数a算出部B202および係数b算出部B203において係数a,bが算出される。続いて、係数c算出部B204では、第1の目標点火時期演算部B114で算出される基本点火時期xaと基本出力トルク算出部B201で算出される基本出力トルクyaとから、式(2)に従って、係数cが算出される。実出力トルク演算部B205では、これまでに算出した、係数a,b,cと実際の点火時期である第1の目標点火時期x1とから、式(1)により実出力トルクy1が算出される。
なお、第2の実出力トルク演算部B116にて第2の実出力トルクを演算する場合は、実出力トルク演算部B205にて、係数a,b,cと第2の目標点火時期x2から同様に式(1)により第2の実出力トルクy2が算出され、第3の実出力トルク演算部B118にて第3の実出力トルクを演算する場合は、実出力トルク演算部B205にて、係数a,b,cと最終目標点火時期xfから同様に式(1)により第3の実出力トルクyfが算出される。
図8は、第2の目標点火時期演算について実施の形態を示す図である。図6において、目標出力トルクytが与えられた場合の目標点火時期xは、下式(3)に示す通り、式(1)を点火時期xについて解くことで得ることができる。
Figure 2009281239
なお、2次関数は上に凸であり、目標点火時期としては常にMBTよりリタード側しかとらないので、±の+側の値を用いることになり、目標点火時期xは次式(4)で表される。
Figure 2009281239
以上で示した第2の目標点火時期演算の概念を基に、図8に示す、第2の目標点火時期演算部B111による第2の目標点火時期演算の実施の形態について説明する。図8に示すように、第2の目標点火時期演算部B111には、第2の目標点火時期演算部B206と、リタード限界演算部B207とが設けられている。
第2の目標点火時期演算部B206では、第1の実出力トルク演算部B106にて演算された係数a,b,cと、第2の目標出力トルク演算部にて演算された第2の目標出力トルクyt2とから、式(4)を用いて第2の目標点火時期xt2が算出される。続くリタード限界演算部B207では、別途算出された点火時期のリタード限界と比較することで第2の目標点火時期xt2はリタード限界で制限される。すなわち、第2の目標点火時期xt2が予め設定された所定のリタード限界の値以下のときはリタード限界演算部B207からそのままの値が出力され、逆に大きいときは、リタード限界の値が出力される。このような構成とすることで、実出力トルク演算と第2の目標点火時期演算が実現できる。以上のような構成とすることで、吸入空気量によりトルク制御されるドライバ要求出力と、点火時期によりトルク制御される車両側のトルク要求とを、簡単なロジック構成で実現できる。
次に、図9を参照しながら、最大目標充填効率演算部B109による最大目標充填効率演算について詳しく説明する。図9は最大目標充填効率演算の実施の形態を示す図である。図9に示すように、最大目標充填効率演算部B109には、点火リタード量演算部B208と、最大目標充填効率演算部B209と、フィルタ処理部B210とが設けられている。
点火リタード量演算部B208では、第1の目標点火時期演算部B114で算出される基本点火時期xaと第1の目標点火時期x1との差から点火リタード量Δxが算出される。最大目標充填効率演算部B209では、点火リタード量演算部B208で算出された点火リタード量Δxと別途算出されたエンジン回転数Neとを基に、最大目標充填効率zが算出される。ここでは、点火リタード量Δxとエンジン回転数Neとを軸とした予め用意されたマップを用いて最大目標充填効率zを決定している。このような構成とすることで、精度良く最大目標充填効率zを算出できる。続いて、フィルタ処理部B210では最大目標充填効率zに対して平滑化のためのフィルタ処理を下式(5)により実施する。なお、フィルタ処理に用いるフィルタ定数Kは、最大目標充填効率zが増加側に変化する時と減少側に変化する時で切換えることにより、点火リタード状態から復帰する時の目標充填効率の応答性と、点火リタード時の目標充填効率の急激な変化の抑制を両立できる。
Figure 2009281239
このフィルタ後の最大目標充填効率zと、第1の目標充填効率演算部B108で算出された第1の目標充填効率とを比較することにより、第2の目標充填効率演算部B110で、第2の目標充填効率を演算する。
なお、最大目標充填効率演算部B109では、エンジン回転数を軸とした複数のテーブルを用いて最大目標充填効率を近似して算出してもよい。図10及び図11を参照しながら、この場合の最大目標充填効率演算部B109の最大目標充填効率演算について詳しく説明する。図10は点火リタード量と最大目標充填効率の関係を示す概念図であり、図11は点火リタード量と最大目標充填効率の関係を所定の演算式を用いて近似した場合の実施の形態を示す図である。図11において、B211は係数k1演算部であり、B212は係数k2演算部であり、B213は最大目標充填効率演算部である。なお、B208およびB210は、図9と同様である。
図10は、あるエンジン回転数の運転条件下において、最大目標充填効率zが基本点火時期を基準とした点火リタード量Δxに2乗相関すると近似した場合を示しており、これらの関係は次式(6)で表される。
Figure 2009281239
ここで、この2次関数は常時上に凸となるので、係数k1は負の値をとる。また、点火リタード量が0である基準の最大目標充填効率である係数k2と、点火リタード量に応じて最大目標充填効率を補正する係数k1は、エンジン回転数を軸としたテーブルを用いて設定することで、点火リタード量に応じた最大目標充填効率の算出が可能となる。なお、基本点火時期より進角側においても、点火リタード量と最大目標充填効率の関係を適切に表した多項式を用いて近似することで対応可能である。この関係を基に、図11に示す最大目標充填効率演算(最大目標充填効率演算部B109)の実施の形態について説明する。
係数k1演算部B211では、エンジン回転数Neを基にして係数k1が算出される。同様に、係数k2演算部B212においては、エンジン回転数Neを基にして係数k2が算出される。続いて、最大目標充填効率演算部B213では、点火リタード量演算部B208で算出された点火リタード量Δxと、係数k1演算部B211および係数k2演算部B12で算出されたk1,k2とから、式(6)に従って、最大目標充填効率が算出される。この最大目標充填効率を用いて、フィルタ処理部B210で平滑化のためのフィルタ処理が実施されて、フィルタ後の最大目標充填効率が演算される。この所定の演算式を用いて最大目標充填効率を算出する方法は、エンジン回転数を軸としたテーブル2枚しか用いないため、少ないROM使用量での演算が可能である。以上のような構成とすることで、内燃機関の運転状態に基づいて目標充填効率は適切な最大目標充填効率に制限され、燃費の悪化及び制御性能の悪化を効果的に回避することができる。
これまでの説明には、現在一般的となったEGR、VVT(可変バルブタイミング)、リーンバーン、更に今後普及が見込まれるVVL(可変バルブリフト)の付いたエンジンへの適用については述べていない。以下で、これらの機構や制御が付いたエンジンへの適用方法について述べる。これらが付くことによる影響は、図6の実出力トルクと点火時期の関係及び図10の最大目標充填効率と点火時期の関係が変わる。ここでは一例として最大目標充填効率演算部B209の最大目標充填効率に対し、VVTの補正を行う場合について説明するが、係数k1演算部B211及び係数k2演算部B212の係数k1,k2に対する補正や、基本出力トルク算出部B201及至ブロックB203の基本出力トルク、係数a,bに対する補正や、EGRや空燃比による補正についても全く同様の方法で差し支えない。
図12は最大目標充填効率演算部B209の最大目標充填効率に対し、VVTの補正を行う場合の実施の形態を示す図である。最大目標充填効率演算部B209に、最大目標充填効率演算部B301と、VVT補正係数演算部B302と、VVT補正部B303とが設けられている。
最大目標充填効率演算部B301では、点火リタード量Δxとエンジン回転数Neとから最大目標充填効率(基準)を算出する。最大目標充填効率(基準)とは、例えば、VVT位相角が基準位置に固定された場合の最大目標充填効率を意味している。次に、VVT補正係数演算部B302では、点火リタード量Δxとエンジン回転数NeとからVVT補正係数を算出する。VVT補正係数はVVT位相角が所定の位相角となったときの最大目標充填効率と最大目標充填効率(基準)の比又は差であり、これがマップに格納されている。
VVT補正部B303では、最大目標充填効率演算部B301で演算された最大目標充填効率(基準)に対して、VVT補正係数演算部B302で演算したVVT補正係数を用いて、VVT補正を実施する。ここではVVT位相角が基準位置であれば、VVT補正は実施せず、VVT位相各が所定の位相角となっていれば、VVT補正係数を乗算又は加算することでVVT補正を実施する。この際、目標VVT位相角と実VVT位相角の比を基に、VVT補正係数の反映量を補正してもよい。以上のような構成とすることで、現在一般的となったEGR、VVT(可変バルブタイミング)、リーンバーン、更に今後普及が見込まれるVVL(可変バルブリフト)の付いたエンジンへの適用を、簡単なロジック構成で実現できる。
このように、実出力トルク演算部及び最大目標充填効率演算部は、EGRバルブ開度、EGR率、バルブタイミング、バルブリフト量、空燃比のうち、少なくとも1つに基づいて、実出力トルク及び最大目標充填効率をそれぞれ補正する。
以上のように、本実施の形態1においては、エンジン回転数及び点火リタード量等の内燃機関の運転状態に基づいて最大目標充填効率を設定しておき、目標出力トルクから目標吸入空気量を算出して、目標出力トルクを実現するための目標充填効率を決定する際に、この最大目標充填効率を用いて制限処理を行うようにしたので、不必要にインジェクタが駆動されることもなく、また、スロットル開度が余分に開き続けることもないため、応答性がよく、燃費の悪化及び制御性能の悪化を効果的に回避できるという優れた効果を得ることができる。
この発明の実施の形態によるエンジンを概略的に示す構成図である。 この発明の実施の形態によるエンジンの制御装置を示すブロック図である。 この発明の実施の形態によるトルクベース制御の概要を示すブロック図である。 この発明の実施の形態によるトルク制御部を示すブロック図である。 この発明の実施の形態によるトルクI/F部とエンジン制御部を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による出力トルクと点火時期の関係を示す図である。 この発明の実施の形態1による実出力トルク算出手段を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による目標点火時期算出手段を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による最大目標充填効率を演算するブロック図である。 この発明の実施の形態1による最大目標充填効率と点火リタード量の関係を示す図である。 この発明の実施の形態1による最大目標充填効率を演算するブロック図である。 この発明の実施の形態1によるVVT補正手段を示すブロック図である。 従来技術の課題を説明するための充填効率と出力トルクの関係を示す図である。
符号の説明
1 エンジン、2 電子制御式スロットルバルブ、3 スロットル開度センサ、4 エアフロセンサ、5 サージタンク、6 インマニ圧センサ、7 EGRバルブ、8 インジェクタ、9 点火コイル、10 点火プラグ、11 クランク角センサ、12 アクセル開度センサ、13 電子制御ユニット(ECU)、14 トルク制御部、15 トルクI/F部、16 エンジン制御部。

Claims (7)

  1. 内燃機関の吸気通路に設けられたスロットルの開度を制御することで吸気通路の開口面積を変化させて吸入空気流量の可変制御を行うスロットル開度制御手段と、
    前記内燃機関の運転状態及び/又は車両の走行速度とドライバのアクセル操作状態とに基づいて、車両に対するドライバ要求出力を算出するドライバ要求出力算出手段と、
    前記ドライバ要求出力に基づいて、内燃機関が発生するべき目標出力トルク又は目標平均有効圧を算出する目標出力トルク算出手段と、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて基本目標点火時期を算出し、算出した基本目標点火時期に対して、前記内燃機関の機関温度や吸入空気温度による補正、触媒を早期に活性化させるためのリタード補正、及び/又は、ノック制御によるリタード補正を行った目標点火時期を算出する目標点火時期算出手段と、
    少なくとも、エンジン回転数、実充填効率及び前記目標点火時期に基づいて、前記内燃機関の実出力トルク又は実平均有効圧を算出する実出力トルク算出手段と、
    前記実充填効率、前記実出力トルク又は実平均有効圧、及び、前記目標出力トルク又は目標平均有効圧に基づいて、目標充填効率を算出する目標充填効率算出手段と、
    少なくとも、前記エンジン回転数と、前記目標点火時期と前記基本目標点火時期との差である点火リタード量とに基づいて、前記目標充填効率を制限するための最大目標充填効率を算出する最大目標充填効率算出手段と、
    前記目標充填効率算出手段により算出された目標充填効率を、前記最大目標充填効率算出手段により算出された最大目標充填効率と比較し、小さい方の値を選択して、制限処理された目標充填効率として出力する制限手段と、
    前記制限手段から出力される制限処理された前記目標充填効率に基づいて目標シリンダ内空気量を算出し、前記目標シリンダ内空気量から内燃機関が吸入するべき目標吸入空気量を算出する目標吸入空気量算出手段と、
    前記目標吸入空気量算出手段により算出される前記目標吸入空気量を実現するように前記スロットル開度制御手段を制御してスロットルの開度を制御させる制御手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記最大目標充填効率は、前記エンジン回転数と前記点火リタード量を軸としたマップで設定されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記最大目標充填効率は、前記エンジン回転数を軸としたテーブルで設定し、所定の演算式を用いて補正すると共に、前記点火リタード量を前記所定の演算式における変数として設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記最大目標充填効率は、フィルタ処理により平滑化され、そのフィルタ定数は最大目標充填効率の増加時と減少時で切換えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記実出力トルク算出手段及び前記最大目標充填効率算出手段は、EGRバルブ開度、EGR率、バルブタイミング、バルブリフト量、空燃比のうち、少なくとも1つに基づいて、実出力トルク及び最大目標充填効率をそれぞれ補正することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 始動時又はアイドル運転時において、前記制限手段による制限処理が解除されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記目標充填効率算出手段は、
    実充填効率と実出力トルク又は実平均有効圧との比である充填効率−トルク変換係数を算出し、前記目標出力トルク又は目標平均有効圧と前記充填効率−トルク変換係数とに基づいて目標充填効率を算出するものであって、
    始動時においては、前記充填効率−トルク変換係数を算出せずに、前記充填効率−トルク変換係数として予め設定された所定値を用いることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
JP2008133159A 2008-05-21 2008-05-21 内燃機関の制御装置 Expired - Fee Related JP4499809B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008133159A JP4499809B2 (ja) 2008-05-21 2008-05-21 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008133159A JP4499809B2 (ja) 2008-05-21 2008-05-21 内燃機関の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009281239A true JP2009281239A (ja) 2009-12-03
JP4499809B2 JP4499809B2 (ja) 2010-07-07

Family

ID=41451952

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008133159A Expired - Fee Related JP4499809B2 (ja) 2008-05-21 2008-05-21 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4499809B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010236402A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Hitachi Automotive Systems Ltd エンジンの制御装置
JP2013087673A (ja) * 2011-10-17 2013-05-13 Mitsubishi Motors Corp エンジンの制御装置
CN105626274A (zh) * 2014-11-20 2016-06-01 福特环球技术公司 用于空气充气估计的方法和系统
JP2017155678A (ja) * 2016-03-03 2017-09-07 マツダ株式会社 エンジンの制御装置
CN110185548A (zh) * 2018-02-23 2019-08-30 三菱电机株式会社 内燃机的控制装置及控制方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006183506A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Hitachi Ltd エンジンの制御装置
JP2008248784A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Mitsubishi Motors Corp エンジンの燃料噴射制御装置
JP2009133276A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Mitsubishi Electric Corp 内燃機関の制御装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006183506A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Hitachi Ltd エンジンの制御装置
JP2008248784A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Mitsubishi Motors Corp エンジンの燃料噴射制御装置
JP2009133276A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Mitsubishi Electric Corp 内燃機関の制御装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010236402A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Hitachi Automotive Systems Ltd エンジンの制御装置
JP2013087673A (ja) * 2011-10-17 2013-05-13 Mitsubishi Motors Corp エンジンの制御装置
CN105626274A (zh) * 2014-11-20 2016-06-01 福特环球技术公司 用于空气充气估计的方法和系统
CN105626274B (zh) * 2014-11-20 2021-01-01 福特环球技术公司 用于空气充气估计的方法和系统
JP2017155678A (ja) * 2016-03-03 2017-09-07 マツダ株式会社 エンジンの制御装置
CN110185548A (zh) * 2018-02-23 2019-08-30 三菱电机株式会社 内燃机的控制装置及控制方法
US11085378B2 (en) 2018-02-23 2021-08-10 Mitsubishi Electric Corporation Controller and control method for internal combustion engine
CN113623082A (zh) * 2018-02-23 2021-11-09 三菱电机株式会社 内燃机的控制装置及控制方法
CN110185548B (zh) * 2018-02-23 2022-01-11 三菱电机株式会社 内燃机的控制装置及控制方法
US11486320B2 (en) 2018-02-23 2022-11-01 Mitsubishi Electric Corporation Controller and control method for internal combustion engine

Also Published As

Publication number Publication date
JP4499809B2 (ja) 2010-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101561125B1 (ko) 차량용 엔진 제어 방법
JP5861779B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009133276A (ja) 内燃機関の制御装置
WO2014199443A1 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6136947B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4499809B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2008240719A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010024963A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5364636B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6446081B2 (ja) 内燃機関の制御装置
CN110869598B (zh) 内燃机的控制方法及控制装置
WO2012114495A1 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5644733B2 (ja) エンジンの制御装置
JP4457361B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6296430B2 (ja) エンジンの制御装置
JP2010163916A (ja) 内燃機関のトルク制御装置
JP5751344B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5376171B2 (ja) 車両の出力制御装置
JP5326997B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2015203388A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6271957B2 (ja) エンジン回転数演算装置、及び、エンジン制御装置
JP2011144721A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP2010270605A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6604259B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2007239564A (ja) 内燃機関の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100325

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100330

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100415

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4499809

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140423

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees