JP2009280834A - ターゲット、配線膜形成方法、薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

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悟 高澤
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研 板坂
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Abstract

【要 約】
【課題】酸素含有量が均一なバリア膜を形成する。
【解決手段】本発明のターゲット111は酸素と銅とを含有している。当該ターゲット111をスパッタリングして形成されるバリア膜25は、原子組成がターゲット111と略等しくなるので、バリア膜25中の酸素含有量を厳密に制御することが可能であり、しかも、バリア膜25中の酸素の面内分布が均一になる。酸素と銅を含有するバリア膜25はシリコン層やガラス基板への密着性が高い上に、シリコン層へ銅が拡散しないから、薄膜トランジスタ20の、ガラス基板やシリコン層に密着する電極に適している。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品向け金属配線膜、ならびに、その成膜方法としてのスパッタリングプロセスに関するものである。
従来、電子部品用の金属配線膜には、AlやCuなどの低抵抗材料やMo、Cr等が使用されている。たとえばTFT(Thin film transistor)液晶ディスプレイではパネルの大型化とともに、配線電極の低抵抗化の要求が大きくなってきており、低抵抗配線としてAlやCuを用いる必要性が高まっている。
TFTで用いられているAl配線では後工程でのヒロック発生や、Al配線をソース、ドレイン電極として用いた場合の下地Si層への拡散の問題、ITO(インジウム・錫酸化物)からなる透明電極とのコンタクト抵抗の劣化などの問題があり、それらを回避するため、MoやCr及びそれらを主成分とする合金膜を前後に積層するバリア層が必要となる。
一方、Cu配線に関しては、CuはAlより低抵抗な材料である。AlはITO透明電極とのコンタクト抵抗の劣化が問題とされるが、Cuは酸化しにくいためコンタクト抵抗も良好である。
従って、Cuを低抵抗配線膜として用いる必要性が高まっている。しかし、Cuは他の配線材料と比べて、ガラスやSi等の下地材料との密着性が悪いという問題や、ソース、ドレイン電極として用いた場合、Si層にCuが拡散するという問題があるため、Cu配線と他の層との界面に密着性の向上や拡散防止のためのバリア層が必要となる。
また半導体で用いられているCuメッキの下地Cuシード層に関しても、上記と同様に拡散の問題から、TiNやTaN等の拡散防止のバリア膜が必要となっている。
特開2001−73131号公報 特開平11−54458号公報
真空槽内に酸素を導入しながら銅ターゲットをスパッタリングして形成される酸化銅薄膜は、密着性や拡散防止性に優れ、バリア膜に適している。
酸化銅薄膜は、酸化度(酸素含有量)が変ると、密着性や電気抵抗等の特性が大きく変化するため、酸化度を厳密に制御する必要があるが、真空槽内の酸素分圧が設定値から多少でも大きくなると、酸化度が代わり、酸化度を制御することは困難であった。
また、TFTアレイ電極用のスパッタ装置は、一般に固定成膜方式であり、酸素ガス等の反応性ガスは、基板とマスクの隙間(ギャップ)に供給される。即ち、反応性ガスは、基板外周から供給される。
そのため、成膜において、基板外周部で酸素ガスが吸収され、基板中央部に供給される酸素ガス量は減少する。バリア性と密着性の確保のため、酸素ガスを多量に導入すると、基板外周部で酸素ガスが過剰になってしまう。従って、従来技術では、特に大型基板において銅酸化薄膜の面内の酸化度にばらつきが生じるという問題があった。
上記課題を解決するために、本発明はターゲットであって、Cuと酸素とを含有し、前記酸素の含有量が50原子%以下のターゲットである。
本発明はターゲットであって、Zrと、Tiと、Alと、Mgとからなる添加金属群より選択されるいずれか1種類以上の添加金属が添加されたターゲットである。
本発明は、成膜対象物の表面に配置され、前記成膜対象物の表面と密着する部分にバリア膜を有する配線膜を形成する配線膜形成方法であって、前記ターゲットを真空雰囲気中でスパッタリングし、前記バリア膜を形成する配線膜形成方法である。
本発明は配線膜形成方法であって、前記成膜対象物の表面に、半導体層とガラス層のいずれか一方又は両方を露出させておき、前記半導体層と前記ガラス層のいずれか一方又は両方と密着する前記バリア膜を形成する配線膜形成方法である。
本発明は配線膜形成方法であって、銅を主成分とし、前記ターゲットよりも酸素の含有量が少ない銅ターゲットをスパッタリングし、前記バリア膜の表面に導電膜を形成する配線膜形成方法である。
本発明は、成膜対象物上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極上にゲート絶縁層を形成する工程と、前記ゲート絶縁層上に半導体層を形成する工程と、前記半導体層上に金属配線膜を形成する工程と、前記金属配線膜をパターニングして、ソース電極とドレイン電極とを形成する工程とを有する逆スタガー型の薄膜トランジスタの製造方法であって、前記金属配線膜を形成する工程は、真空雰囲気中で前記ターゲットをスパッタリングしてバリア膜を形成する工程を含む薄膜トランジスタの製造方法である。
本発明は薄膜トランジスタの製造方法であって、前記金属配線膜を形成する工程は、前記バリア膜を形成した後、銅を主成分とし、前記ターゲットよりも酸素の含有量が少ない銅ターゲットをスパッタリングし、前記バリア膜の表面に導電膜を形成する工程を含む薄膜トランジスタの製造方法である。
本発明は、成膜対象物上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極上にゲート絶縁層を形成する工程と、前記ゲート絶縁層上に半導体層を形成する工程と、前記半導体層上に金属配線膜を形成する工程と、前記金属配線膜をパターニングして、ソース電極とドレイン電極とを形成する工程とを有する逆スタガー型の薄膜トランジスタの製造方法であって、前記ゲート電極を形成する工程は、真空雰囲気中で前記ターゲットをスパッタリングしてバリア膜を形成する工程を含む薄膜トランジスタの製造方法である。
本発明は薄膜トランジスタの製造方法であって、前記ゲート電極を形成する工程は、前記バリア膜を形成した後、銅を主成分とし、前記ターゲットよりも酸素の含有量が少ない銅ターゲットをスパッタリングし、前記バリア膜の表面に導電膜を形成する工程を含む薄膜トランジスタの製造方法である。
本発明は上記のように構成されており、ターゲットが酸素を含有するため、従来よりもバリア膜の酸化度面内分布が均一になる。
ターゲットをスパッタリングする際には、真空槽にスパッタガス(Ar等)だけを導入してもよいが、酸素ガスを導入すれば、バリア膜の酸化度を高くすることができる。この場合、金属(銅、添加金属)からなるターゲットをスパッタリングする場合に比べ、酸素導入量は微量ですむから、バリア膜の酸化度面内分布のばらつきは従来よりも小さくなる。
本発明により形成される配線膜は、半導体層や透明導電膜やガラス基板に密着する膜、具体的には、TFTのソース電極、ドレイン電極、ゲート電極、蓄積容量電極等に特に適している。また、半導体素子や配線板等の他の電子部品のバリア膜や電極(配線膜)に用いることもできる。
なお、本発明では、ポリシリコン、アモルファスシリコン等のシリコンを主成分とするシリコン層や、酸化亜鉛系半導体を半導体層と呼んでいる。
バリア膜の組成はターゲットの組成と略等しくなるから、バリア膜中の酸素含有量を正確に制御でき、しかも、バリア膜の酸素の面内分布は均一になる。本発明により成膜された配線膜は、半導体層やガラス基板に対する密着性、低抵抗、ITO透明電極とのコンタクト抵抗、ソース、ドレイン電極として用いた場合のSi層との拡散防止、ヒロック耐性に優れる。
図1の符号100は、本発明に用いる成膜装置の一例を示している。
成膜装置100は、搬出入室102と、第一の成膜室103aと、第二の成膜室103bとを有している。搬出入室102と第一の成膜室103aの間と、第一の成膜室103aと第二の成膜室103bの間は、ゲートバルブ109a、109bを介してそれぞれ接続されている。
搬出入室102と、第一、第二の成膜室103a、103bには、真空排気系113、114a、114bがそれぞれ接続されており、ゲートバルブ109a、109bを閉じ、第一、第二の成膜室103a、103bの内部を真空排気しておく。
次いで、搬出入室102と大気の間の扉を開け、搬出入室102の内部に成膜対象物21を搬入し、扉を閉じ、搬出入室102の内部を真空排気した後、ゲートバルブ109aを開け、成膜対象物21を第一の成膜室103aの内部に移動させ、基板ホルダ108に保持させる。
第一、第二の成膜室103a、103bの内部の底壁側には、本発明のターゲット111と、銅ターゲット(ここでは銅からなる純銅ターゲット)112がそれぞれ配置されており、成膜対象物21は、各ターゲット111、112と対面できるように、基板ホルダ108に保持される。
第一、第二の成膜室103a、103bにはガス導入系115a、115bがそれぞれ接続されており、第一の成膜室103aの内部を真空排気しながらガス導入系115aからスパッタリングガスを導入し、ターゲット111をスパッタリングする。
本発明のターゲット111は、酸素原子の含有量が50原子%以下、銅原子が添加金属原子よりも多量に含有されるように、金属酸化物(酸化銅と添加金属酸化物のいずれか一方又は両方)と、金属(銅と添加金属のいずれか一方又は両方)とが混合された混合物が、板状に成形されて製造されている。
従って、ターゲット111がスパッタリングされると、金属酸化物のスパッタ粒子と、金属のスパッタ粒子とが放出される。即ち、ターゲット111からは銅原子と、酸素原子とが放出される。ターゲット111に添加金属が添加された場合には、添加金属原子も放出される。
成膜対象物21の表面(成膜面)19にはガラス基板等のガラス層と、半導体層のいずれか一方又は両方が露出している。成膜対象物21は成膜面19をターゲット111に向けて基板ホルダ108に保持され、ターゲット111から放出されたスパッタ粒子は成膜面19に入射し酸素を含有する銅薄膜(バリア膜25)が成膜面19に密着して形成される(図2(a))。
第一の成膜室103aの内部にスパッタガスだけを導入してスパッタリングする場合、バリア膜25の原子組成はターゲット111の原子組成と略等しくなる。
従って、バリア膜25は酸素原子を50原子%以下含有する。ターゲット111に添加金属が添加された場合には、バリア膜25も添加金属を含有する。
第一の成膜室103aに反応ガス供給系から微量の酸化性ガス(例えばO2)を供給してスパッタリングをしてもよく、その場合、バリア膜25の酸素含有量は、ターゲット111の酸素含有量よりも多くなる。
次に、成膜対象物21が保持された基板ホルダ108を第二の成膜室103bに移動させ、ガス導入系105bからスパッタリングガスを導入し、純銅ターゲット112をスパッタリングすると、成膜対象物21の表面に、純銅ターゲット112の構成材料である銅原子から成るスパッタリング粒子が到達し、バリア膜25の表面に純銅から成る導電膜26が形成される(図2(b))。
導電膜26の酸素原子含有量が、バリア膜25よりも少なくなるのであれば、酸素(酸化銅)を含有させた銅ターゲットをスパッタリングして導電膜26を形成してもよい。また、第二の成膜室103bに酸素ガスを供給しながら純銅ターゲット112をスパッタリングしてもよい。いずれの場合も、導電膜26はバリア膜25よりも酸素原子含有量が少なくなるのだから、導電膜26の電気抵抗はバリア膜25の電気抵抗よりも小さくなる。
バリア膜25と導電膜26とからなる積層膜22aを所定形状にパターニングすれば配線膜が形成される。
配線膜はバリア膜25だけで構成してもよいが、バリア膜25を薄膜とし、導電膜26を積層させた方が、全体の電気抵抗が下がる。
また、配線膜のバリア膜25とは反対側の面が、半導体層、絶縁体層、透明導電膜(ITO膜、ZnO膜等)のいずれか一つ以上と接触する場合には、図2(b)に示す状態の成膜対象物21を第一の成膜室103aに搬入してターゲット111をスパッタリングし、導電膜26のバリア膜25とは反対側の面上に、新たなバリア膜28を形成してもよい(図2(c))。
導電膜26がバリア膜25とバリア膜28とで挟まれた積層膜22bをパターニングすると配線膜が形成される。配線膜の両面にはバリア膜25、28が位置するから、配線膜の両面が、半導体層、絶縁体層、又は透明導電膜と接触しても、配線膜が剥離し難く、しかも、半導体層への銅拡散や、透明導電膜との間の電気抵抗(コンタクト抵抗)劣化が防止される。
銅と酸化銅とを配合して成形したターゲット111をスパッタリングし、成膜対象物21表面に膜厚50nmのバリア膜25を形成した後、純銅ターゲット112をスパッタリングし、バリア膜25の表面に膜厚300nmの導電膜26が積層された積層膜22aを形成し、図2(b)に示す構造の試験片を得た。
バリア膜25と導電膜26は、第一、第二の成膜室103a、103bにスパッタリングガス(Arガス)だけを導入し、成膜対象物21を100℃に加熱しながら成膜した。成膜対象物21はシリコン基板とガラス基板の二種類を用いた。
積層膜22aが形成された試験片を、そのまま、又はアニール化処理(真空雰囲気、300℃、1時間)してから、下記の条件で「密着性」と、「バリア性」を調べ、更に、積層膜22aの「比抵抗」を測定した。その結果を下記表1、2に記載した。
<密着性>
試験片の積層膜22aが形成された面に、先端が鋭利なカッタナイフで1mm角のマスを10行×10列、計100個の刻みを入れ、粘着テープ(型番610のスコッチテープ)を貼り付けた後、粘着テープを剥がした時に残存する膜の個数で評価した。全部剥離した場合は0/100、1つも剥離しない場合は100/100となり、90/100以上であれば実用上十分である。
<バリア性>
シリコン基板の試験片から積層膜22aをエッチング除去した後、シリコン基板の表面を電子顕微鏡で観察し、表面が平滑なものを拡散「○、無」とし、表面に凹凸が形成されたものを拡散「×、有」とした。
これらの試験結果を、ターゲット111の酸素含有量(重量%、原子%)の測定値と共に、下記表1、2に記載する。
Figure 2009280834
Figure 2009280834
酸素原子の含有量が7.5原子%以上50原子%以下(2重量%以上20重量%以下)、即ち、銅原子の含有量が50原子%以上92.5原子%以下では、バリア性と、密着性の両方が高かった。また、表1を見ると、比抵抗も配線膜として使用するのに問題の無い値である。
これに対し、酸素原子の含有量が5原子%未満では、密着性とバリア性に劣り、酸素原子の含有量が50原子%を超えるターゲット111は製造できない。以上のことから、ターゲット111中の酸素原子の含有量は7.5原子%以上50原子%以下であれば、配線膜に適した積層膜が得られることが分かる。
表1、2を比較すると、表2の方が酸素原子の含有量が少なくても密着性が高く、アニール化処理すれば密着性がより向上することが分かる。
次に、ターゲット111に添加する添加金属について調べた。
銅と酸素と添加金属とからなるターゲット111を用いてバリア膜25を形成した以外は上記表1、2と同じ条件で積層膜22aを形成し、試験片を作成した。その試験片の試験結果を下記表3〜6に記載する。
Figure 2009280834
Figure 2009280834
Figure 2009280834
Figure 2009280834
ターゲット111に添加した添加金属は表3、4がTi、表5がZr、表6がAlである。また、添加金属の含有量は、表3が1重量%(1.7原子%)、表4が7.7重量%(10原子%)、表5が2重量%、表6が7重量%であった。尚、添加金属の含有量は金属成分中の含有量であり、即ち添加金属と銅の合計を100%とした場合の含有量である。
上記表3〜6を見ると、添加金属を添加した場合も、酸素原子の含有量が7.5原子%以上50原子%以下、即ち銅と添加金属の合計量が50原子%以上92.5原子%以下では、バリア性と密着性が高い。
また、表1と表3〜6を比較すると、添加金属を添加すれば、アニール化しなくても密着性が向上することが分かる。
次に、本発明のターゲット111を用いて製造されるTFT(薄膜トランジスタ)と、そのTFTを有する電子装置について説明する。
図2(a)、(b)の工程で、成膜対象物21(ここではガラス基板)の表面に積層膜22aを形成する。
積層膜22aの表面に所定形状の開口が形成されたレジスト層(不図示)を配置し、開口内に積層膜22aを露出させ、銅用のエッチング液を接触させる。
バリア膜25と導電膜26は銅を含有するから、銅用のエッチング液に溶解する。従って、積層膜22aの開口内に露出する部分がエッチング除去され、積層膜22aが所定形状にパターニングされる。
図3(a)の符号12、15はパターニングされた積層膜22aからなる電極を示しており、符号12は蓄積容量電極、符号15はゲート電極を示している。
ゲート電極15と蓄積容量電極12の、ガラス基板21と密着する側の面には酸素原子を50原子%以下含有するバリア膜25が配置されているから、ゲート電極15と蓄積容量電極12はガラス基板21に対する密着性が高い。
ゲート電極15と蓄積容量電極12は、バリア膜25の他に、酸素を含有しない、又は酸素含有量がバリア膜25よりも少ない導電膜26を有するから、抵抗値が小さい。
次に、ガラス基板21の蓄積容量電極12及びゲート電極15が形成された面上に、窒化ケイ素薄膜(SiNx)から成るゲート絶縁膜14と、アモルファスシリコンから成る半導体層16及びオーミックコンタクト層17を、記載した順番に積層し、オーミックコンタクト層17表面に、図2(a)、(b)の工程で、積層膜22aを形成する(図3(b))。
次に、積層膜22aとオーミックコンタクト層17と半導体層16をパターニングし、ゲート電極15の真上と両側に残し、他の部分はエッチング除去する。
更に、積層膜22aとオーミックコンタクト層17の、ゲート電極15の真上に位置する部分をエッチング除去し、ゲート電極15の両側に位置する部分を残すと薄膜トランジスタ20が得られる(図3(c))。
図3(c)の符号31、32は、オーミックコンタクト層17のゲート電極15の両側に残った部分からなる第一、第二のオーミックコンタクト層であり、同図の符号33、34は積層膜22aゲート電極15の両側に残った部分からなるソース、ドレイン電極33、34を示している。
この薄膜トランジスタ20では、第一、第二のオーミックコンタクト層31、32の間と、ソース電極33とドレイン電極34の間は、ゲート電極15中央の真上に位置する開口によって互いに分離されている。
第一、第二のオーミックコンタクト層31、32は半導体層16に密着している。半導体層16は第一、第二のオーミックコンタクト層31、32と同じ導電型(ここではn型)であるが、不純物濃度が低くなっている。
ゲート電極15に電圧を印加すると、半導体層16のゲート絶縁膜14を介してゲート電極15と接触する部分に低抵抗な蓄積層が形成され、該蓄積層を介して第一、第二のオーミックコンタクト層31、32が電気的に接続される。
半導体層16は、第一、第二のオーミックコンタクト層31、32と反対の導電型であってもよい。この場合、ゲート電極15に電圧を印加すると、半導体層16のゲート絶縁膜14を介してゲート電極15と接触する部分に、第一、第二のオーミックコンタクト層31、32と同じ導電型の反転層が形成され、該反転層によって第一、第二のオーミックコンタクト層31、32が電気的に接続される。
ソース電極33とドレイン電極34とを形成した工程の後工程では、ガラス基板21の薄膜トランジスタ20が形成された側の面上に窒化ケイ素薄膜からなるパッシベーション膜24を形成し、パッシベーション膜24のドレイン電極34又はソース電極33(ここではドレイン電極34)や、蓄積容量電極12上を窓開けした後、パッシベーション膜24上に、パターニングした透明導電膜からなる画素電極27を配置する(図3(d))。
画素電極27の一部はドレイン電極34に接触している。第一、第二のオーミックコンタクト層31、32を電気的に接続すると、ソース電極33からドレイン電極34に電流が流れ、画素電極27に電圧が印加される。
ソース電極33とドレイン電極34はそれぞれシリコン層(第一、第二のオーミックコンタクト層31、32)に接触している。ソース及びドレイン電極33、34のシリコン層と密着する部分はバリア膜25で構成されているから、ソース及びドレイン電極33、34からシリコン層に銅が拡散しない。
図4の符号50は、電子装置の一例である液晶表示装置を示している。
液晶表示装置50は、図3(d)の画素電極27上に液晶41を配置し、ガラス基板42の表面に対向電極45が形成されたパネル40を、液晶41上に配置して形成される。画素電極27と対向電極45に印加する電圧を制御し、液晶41の光透過率を制御することができる。
以上は、ゲート電極15がガラス基板21に密着する、所謂ボトムゲート型のTFTについて説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、ガラス基板21上に、シリコン層(ソース、ドレイン、半導体層16を含む)が配置され、該シリコン層上にゲート酸化膜を介してゲート電極が配置された構造の、所謂トップゲート型のTFTを製造することもできる。
トップゲート型のTFTでは、ソース、ドレイン電極は、層間絶縁膜を介してゲート電極上に配置され、層間絶縁膜に形成された貫通孔を介してシリコン層(第一、第二のオーミックコンタクト層)に接触する。
この場合も、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極のうち、少なくとも1つ以上の電極の、シリコン層と密着する部分(バリア膜)を本願のターゲット111を用いて製造すれば、電極がシリコン層から剥離し難く、かつ、シリコン層への拡散が防止される。
また、本発明のターゲット111により製造される配線膜は、TFTの電極に限定されず、半導体素子や配線板等の他の電子部品の配線膜に用いることができる。
アニール化処理の方法は特に限定されないが、真空雰囲気中で行うことが好ましく、また、バリア膜25、28や導電膜26が形成された状態の成膜対象物21は、大気に晒さず、真空雰囲気中で搬送することが好ましい。
スパッタガスはArに限定されず、Ar以外にもNe、Xe等を用いることもできる。
成膜対象物21に用いる基板はガラス基板に限定されず、例えば石英基板、プラスチック基板を用いることもできる。
本発明に用いるシリコン層(半導体層、オーミックコンタクト層)の種類や製造方法は特に限定されず、例えば、スパッタリング法や蒸着法等で堆積させたシリコン層(アモルファスシリコン層、ポリシリコン層)等、TFTのシリコン層に用いられるものを広く用いることができる。
上述したように、バリア膜25、28と導電膜26の積層膜で1つの電極や配線を構成する場合、導電膜26の膜厚は特に限定されないが、膜厚が厚すぎると電極全体の比抵抗が高くなりすぎるので、バリア膜25、28の膜厚は電極全体の膜厚の1/3以下が好ましい。また、半導体層やガラス基板に対する密着性と拡散防止性を考慮すると、バリア膜25、28の膜厚は10nm以上であることが好ましい。
ターゲット111に添加する添加金属は銅よりも酸化されやすい金属、即ち、銅よりもギブスの標準自由エネルギーが負に大きい(即ち標準自由エネルギーの絶対値が大きい)金属を用いる。具体的には、Zrと、Tiと、Alと、Mgと、Taと、Wと、Niと、Moと、Mn等である。
一つのターゲット111に二種以上の添加金属を添加してもよいが、添加金属の合計量(原子%)は銅の含有量(原子%)よりも少なくする。更に、ターゲット111に添加金属を添加せず、銅原子と酸素原子とでターゲット111を構成してもよい。
本発明に用いる成膜装置の一例を説明する断面図 (a)〜(c):積層膜を形成する工程を説明する断面図 (a)〜(d):TFTを製造する工程を説明する断面図 液晶表示装置の一例を説明する断面図
符号の説明
100……成膜装置 103a……第一の成膜室(真空槽) 111……ターゲット 15……ゲート電極 20……薄膜トランジスタ 21……成膜対象物 25、28……バリア膜 26……導電膜 33……ソース電極 34……ドレイン電極

Claims (9)

  1. Cuと酸素とを含有し、
    前記酸素の含有量が50原子%以下のターゲット。
  2. Zrと、Tiと、Alと、Mgとからなる添加金属群より選択されるいずれか1種類以上の添加金属が添加された請求項1記載のターゲット。
  3. 成膜対象物の表面に配置され、前記成膜対象物の表面と密着する部分にバリア膜を有する配線膜を形成する配線膜形成方法であって、
    請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のターゲットを真空雰囲気中でスパッタリングし、前記バリア膜を形成する配線膜形成方法。
  4. 前記成膜対象物の表面に、半導体層とガラス層のいずれか一方又は両方を露出させておき、
    前記半導体層と前記ガラス層のいずれか一方又は両方と密着する前記バリア膜を形成する請求項3記載の配線膜形成方法。
  5. 銅を主成分とし、前記ターゲットよりも酸素の含有量が少ない銅ターゲットをスパッタリングし、
    前記バリア膜の表面に導電膜を形成する請求項3又は請求項4のいずれか1項記載の配線膜形成方法。
  6. 成膜対象物上にゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極上にゲート絶縁層を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁層上に半導体層を形成する工程と、
    前記半導体層上に金属配線膜を形成する工程と、
    前記金属配線膜をパターニングして、ソース電極とドレイン電極とを形成する工程とを有する逆スタガー型の薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記金属配線膜を形成する工程は、真空雰囲気中で請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のターゲットをスパッタリングしてバリア膜を形成する工程を含む薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 前記金属配線膜を形成する工程は、前記バリア膜を形成した後、銅を主成分とし、前記ターゲットよりも酸素の含有量が少ない銅ターゲットをスパッタリングし、前記バリア膜の表面に導電膜を形成する工程を含む請求項6記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 成膜対象物上にゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極上にゲート絶縁層を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁層上に半導体層を形成する工程と、
    前記半導体層上に金属配線膜を形成する工程と、
    前記金属配線膜をパターニングして、ソース電極とドレイン電極とを形成する工程とを有する逆スタガー型の薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記ゲート電極を形成する工程は、真空雰囲気中で請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のターゲットをスパッタリングしてバリア膜を形成する工程を含む薄膜トランジスタの製造方法。
  9. 前記ゲート電極を形成する工程は、前記バリア膜を形成した後、銅を主成分とし、前記ターゲットよりも酸素の含有量が少ない銅ターゲットをスパッタリングし、前記バリア膜の表面に導電膜を形成する工程を含む請求項8記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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