JP2009280143A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の不用意な移動を抑制することができるディスクブレーキ装置を提供する。
【解決手段】ドライバのリリース要求があつた場合、PKB付きディスクブレーキに液圧が供給されるとともに、電動モータに電力が供給されて、メカロックの解除が完了したと判断された後も液圧が保持される。その後、ドライバによってアクセル操作が行われ、アクセル開度がしきい値以上となった段階で液圧が解除される。これにより、例えば車両が登坂路で前進しようとして停止している状態でリリース要求があった場合、アクセル開度が車両の後退を生じさせない程度に上昇するまで液圧が保持され、車両が発進可能と判断した段階で液圧が解除されるため、車両の後退が回避されるとともに、車両を遅延なく発進させることができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、車両の制動に用いられるディスクブレーキに係り、より詳しくは電動式駐車ブレーキ機構を付加したディスクブレーキ装置に関する。
従来の電動パーキングブレーキの一例として、特許文献1に示される電動パーキングブレーキがある。この電動パーキングブレーキでは、ドライバの駐車ブレーキ解除要求に対して速やかにメカロックを解除するようにしている。
特開2007−17799号公報
ところで、上記従来技術では、車両を遅延なく発進させられるというメリットがある。
しかしながら、上記従来技術では、メカロックの解除に伴って車両の制動力が急速に減少する。このため、上述した車両の制動力の急速減少に起因する車両の移動に対してドライバがアクセルやブレーキ等の急操作を行わなければならないという課題を有していた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、車両の不用意な移動を抑制することができるディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
本発明は、液圧手段からの液圧供給を受けて推進するピストンがブレーキパッドをディスクに押圧して制動力を発生するキャリパと、電動アクチュエータを駆動源として作動し、前記ピストンを機械的に制動位置に保持する駐車ブレーキ機構と、駐車ブレーキ解除信号により前記液圧手段を作動させて前記キャリパへ所定圧の液圧を供給するとともに前記駐車ブレーキ機構を作動させて前記ピストンの制動位置保持を解除した後に前記液圧を解除する制御手段とを有するディスクブレーキ装置において、前記制御手段は、駐車ブレーキ解除信号が入力され、前記キャリパ内の液圧を所定圧にして前記駐車ブレーキ機構を解除作動させた後、前記キャリパ内の液圧を保持するか否かを判断する液圧保持判断手段を有し、該液圧保持判断手段が保持解除と判断したときに前記液圧を解除することを特徴とする。
本発明に係るディスクブレーキ装置によれば、駐車ブレーキ解除信号が入力され、キャリパ内の液圧を所定圧にして駐車ブレーキ機構を解除作動させた後、液圧保持判断手段が保持解除と判断したときに液圧を解除するので、車両の不用意な移動を抑制することができる。
以下、本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキ装置を図1〜図7に基づいて説明する。
図1〜図4において、本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキ装置は、AT(オートマチックトランスミッション)を搭載した車両(以下、適宜、AT車という。)に用いられている。なお、第1実施形態に係るディスクブレーキ装置及び後述する各実施形態を、AT車に代えて、後述するように、MT(マニュアルトランスミッション) を搭載した車両(以下、適宜、MT車という。図14参照)に用いてもよい。図4及び図14において、破線は信号線を表している。
図1は、本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキ装置70を含むブレーキシステムを示したものである。同図中、1、1aは車両の各輪に配置されたディスクブレーキであり、特に1は、車両の後輪(RL,RR)に配置された電動式駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキ(以下、適宜、PKB付きディスクブレーキという。)である。また、2は、PKB付きディスクブレーキ1に供給する液圧を調整する液圧ユニット(液圧手段)、3は、ブレーキペダル4の操作に応じて液圧を発生するマスタシリンダである。マスタシリンダ3は、ここではタンデム型として構成されており、このマスタシリンダ3から延ばされた2系統の主ブレーキ液通路5、5´が、前記液圧ユニット2を経て各ディスクブレーキ1、1aに接続されている。ディスクブレーキ1、1aは、ここでは右前輪FRと左後輪RL、左前輪FLと右後輪RRとが組になるように、すなわちX型回路配分となるように前記主ブレーキ液通路5、5´から分岐した分岐通路5a、5a´にそれぞれ接続されている。なお、前記液圧ユニット2としては、ビークルダイナミクスコントロールシステム、アンチロックブレーキシステム、トラクションコントロールシステム等のブレーキシステム内の液圧制御ユニットが共用されている。
10は、後述する駐車ブレーキ機構40を制御する(後述する駐車ブレーキ解除信号により前記液圧ユニット2を作動させて後述するキャリパ24へ所定圧の液圧を供給するとともに駐車ブレーキ機構40を作動させて前記ピストン35の制動位置保持を解除した後に前記液圧を解除する)駐車ブレーキECU(制御手段)、11は、駐車ブレーキECU10に含まれて上記液圧ユニット2を制御する液圧制御処理部、71は、液圧制御処理部11と共に駐車ブレーキECU10に含まれる液圧保持/解除判断処理部(液圧保持判断手段)である。駐車ブレーキECU10には、図1、図4及び図5に示すように、ブレーキペダル4の操作を検出するブレーキ信号検出手段12、駐車ブレーキ指示信号(駐車ブレーキ要求)を出力する駐車ブレーキスイッチ(例えば、押釦等)13並びに各ディスクブレーキ1a及びPKB付きディスクブレーキ1内の液圧を検出する液圧センサ14から信号が入力されるようになっている。駐車ブレーキECU10には、また、シフトレバーのポジションを検出するシフトポジション検出手段15aと、アクセルペダルの操作に応じた情報(アクセル開度情報)を検出して出力するアクセル信号検出手段(ACL)16と、PKB付きディスクブレーキ1に装備され、後述する駐車ブレーキ機構40を作動させるための電動モータ20の消費電力を検出するモータ電流検出手段17とから信号が入力されるようになっている。
駐車ブレーキECU10は、上述したように液圧保持/解除判断処理部71と、前記液圧制御処理部11と、を含んでいる。液圧保持/解除判断処理部71は、ブレーキ信号検出手段12からの信号、ドライバによる図示しない駐車ブレーキ解除スイッチなどの駐車ブレーキ解除手段の操作等に伴って発生される駐車ブレーキ解除信号(リリース要求)、アクセル信号検出手段16からの信号、AT(図示省略)を制御するATECU72からの信号、車両の傾斜状態を検出する加速度センサ73の信号、カメラ74(カメラ74a,74b)の情報、図示しないGPSまたはナビゲーションの情報、図示しないシートベルトスイッチの信号、図示しない着座スイッチの信号等に基づいて、メカロックを解除した後にキャリパ24内の液圧を保持するか、または解除するかを選択する(すなわちキャリパ内の液圧を保持するか否かを判断する)。液圧制御処理部11は、液圧保持/解除判断処理部71の処理結果に基づいて液圧ユニット2に液圧の保持/解除指示を出力する。
駐車ブレーキECU10(制御手段)は、液圧保持/解除判断処理部71が保持解除と判断したときにキャリパ24内の液圧を解除する機能を有しており、液圧保持/解除判断処理部71が、例えば駐車ブレーキ解除手段からの駐車ブレーキ解除信号(リリース要求)の入力を受け、キャリパ24(後述する)内の液圧を所定圧にして駐車ブレーキ機構40(後述する)を解除作動させた後に行う液圧保持/解除判断(キャリパ内の液圧を保持するか否かの判断)で解除(保持の解除)と判断したときに、前記液圧を解除するようにしている。
液圧保持/解除判断処理部71は、上述した液圧保持/解除判断(キャリパ内の液圧を保持するか否かの判断)を車両の状況に基づいて行うようにしている。なお、車両の状況は、運転者の車両操作状況〔ブレーキ信号検出手段12からの信号、アクセル信号検出手段16からの信号で把握される状況〕、車両状態〔ブレーキ信号検出手段12からの信号、アクセル信号検出手段16からの信号、ATECU72からの信号、加速度センサ73の信号で把握される状態〕又は車両周囲の状況〔カメラ74(カメラ74a,74b)の情報、図示しないGPSまたはナビゲーションの情報で把握される状況〕及び車両内状況(図示しないシートベルトスイッチの信号、図示しない着座スイッチの信号等で把握される状況)を含んでおり、対応する各種信号から、状況が把握されるようになっている。
本実施形態ではカメラ74を備え、その情報が液圧保持/解除判断処理部71に入力される場合を例にするが、カメラ74の代わりにミリ波レーダ(図示省略)を備え、その情報を用いるようにしてもよい。
また、駐車ブレーキECU10は、前記入力された各信号に基づいてPKB付きディスクブレーキ1内の液圧が所定圧となるように前記液圧制御処理部11を介して液圧ユニット2を制御し、かつ前記電動モータ20の作動を制御する。
各PKB付きディスクブレーキ1は、図2、3によく示されるように、ディスクロータ21(ディスク)を挟んでその両側に配置された一対のパッド22,23と、この一対のパッド22,23をディスクロータ21の両面に押圧させて制動力を発生するキャリパ24とを備えている。本PKB付きディスクブレーキ1は、キャリパ浮動型として構成されており、前記一対のパッド22,23およびキャリパ24は、車両の非回転部(例えば、ナックル等)にボルト止めされたキャリア25(図3)にディスクロータ21の軸方向へ移動可能に支持されている。
より詳しくは、各パッド22,23は、その両側に設けた左右の耳部26をキャリア25の左右の支柱部25aの内側に対向して設けたガイド溝27に嵌合させることにより、該キャリア25に摺動可能に支持されている(図3)。また、キャリパ24は、その左右のアーム部24aにボルト28を用いて取付けたガイドピン(図示略)を前記キャリア25のブリッジ部25b内に設けたガイド穴(図示略)に嵌入させることにより、該キャリア25に摺動可能に支持されている。なお、図3中、29はキャリア25を前記車両の非回転部にボルト止めするためのねじ孔であり、キャリア25の左右二箇所に設けられている。
キャリパ24の主体であるキャリパ本体30は、車両内側のパッド(インナパッド)22に対向する基端側にシリンダ部31を、車両外側のパッド(アウタパッド)23に対向する先端側に爪部32をそれぞれ有している。シリンダ部31には、インナパッド22側を開口部となし、他端が底壁31aにより閉じられた有底のシリンダ33が形成されており、このシリンダ33内には、ピストンシール34を介してピストン35が摺動可能に内装されている。ピストン35は、ここではカップ形状をなし、その底部がインナパッド22に対向するようにシリンダ33内に収められている。このピストン35とシリンダ底壁31aとの間は液圧室36として画成されており、この液圧室36には、前記主ブレーキ液通路5、5´から分岐した分岐通路5a、5a´(図1)を通じてマスタシリンダ3(液圧ユニット2)から液圧が供給されるようになっている。ピストン35は、その底面に設けた凹部35aにインナパッド22の背面に設けた凸部22aを係合させることにより回り止めされている。また、ピストン35の底部とキャリパ本体30との間には、シリンダ33内への異物の浸入を防ぐダストブーツ37が介装されている。
本実施形態において、上記キャリパ本体30の後端には、ハウジング38が複数のボルト39により固定されており、このハウジング38内とキャリパ本体30のシリンダ部31内には、シリンダ底壁31aを挟んで駐車ブレーキ機構40が配設されている。駐車ブレーキ機構40は、シリンダ33内からシリンダ底壁31aに設けた貫通孔41を挿通してハウジング38内に一端側が延ばされ、ピストン35のカップ部内に位置する他端側に雄ねじ42を有するシャフト43と、ピストン35のカップ部内に配置され、内面の雌ねじ44を前記シャフト43の雄ねじ42に噛合わせたナット45と、ハウジング38内に配設され、前記電動モータ20(図1)により駆動されて、前記シャフト43を回転させる歯車機構(減速機構)46とから概略構成されている。なお、シリンダ底壁31aの貫通孔41の内面にはシャフト43との間をシールするシール部材47が配設されており、これによりシリンダ33内の液圧室36の液密が維持されている。
上記シャフト43は、シリンダ33の軸線上に配置されており、その中間部が、シリンダ底壁31aの両側に配置した2つの軸受(スラスト軸受)48と49とにより回動可能に支持されている。シャフト43の中間部にはシリンダ33内に配置した一方の軸受48に当接可能なフランジ部50が設けられると共に、ハウジング38内まで延ばされたその一端部にはダブルナット51を螺合可能なねじ部52が設けられており、シャフト43は、そのねじ部52にダブルナット51を締込むことにより2つの軸受48と49に対して強固に軸方向へ拘束されている。
シャフト43に噛合うナット45は、ピストン35の内面にシール部材53を介して摺動可能に嵌合されている。ナット45はまた、その後端に設けたフランジ部54に軸方向へ延ばして植立したピン55を、ピストン35に設けた軸方向のピン穴56に摺動可能に嵌入させることにより、その回転が規制されている。ナット45は、シャフト43の回転に応じて直動し、そのフランジ部54をピストン35の後端に当接させて該ピストン35に推進方向の押圧力を加える。また、ナット45の先端開口部には蓋板57が装着され、さらに、ピストン35には、該ピストン35の内底と前記蓋板57を含むナット45の先端との間のエアを抜くためのエア抜孔58が半径方向に貫設されている。
一方、シャフト43を回転させる歯車機構46は、電動モータ20の回転軸60に固定されたウォーム61と、シャフト43の一端部にキー62を介して回転不能に取付けられると共に、前記ウォーム61に噛合わされたウォームホイール63とからなっている。ウォームホイール63は、前後一対の軸受64を介してハウジング38に回動可能に支持されている。本実施形態において、電動モータ20は、図3によく示されるように、ハウジング38の外面の下側にボルト65を用いて固定され、その回転軸60は、ハウジング38内を横断して下側から上方向へ延ばされている。前記回転軸60の先端部は、ハウジング38を貫通してその外部(上部)に延出されており、その延出端部60aは、回転治具の把持に適するように二面幅加工されている。この二面幅加工された回転軸60の延出端部60aは、常時はキャップ66により覆われている。なお、図2は、中心線の上側と下側とを異なる切り口(断面)で示している。
以下、上記のように構成されたPKB付きディスクブレーキ1の作用を説明する。
通常ブレーキすなわちサービスブレーキとして作動する際には、電動モータ20が停止状態にあり、ブレーキペダル4の操作に応じてマスタシリンダ3からキャリパ24の液圧室36に液圧が供給される。すると、電動モータ20の停止によりナット45が不動となっていることから、ピストン35のみが推進してインナパッド22をディスクロータ21に押圧する。そして、この時の反力でキャリパ本体30が車両内側へ移動し、その爪部32がアウタパッド23をディスクロータ21の他面に押圧し、これによってディスクロータ21が一対のパッド22,23により挟まれ、液圧に応じた制動力が発生する。一方、この状態から液圧室36の液圧が解放されると、ピストンシール34の弾性復元力によりピストン35が後退し、これに応じて一対のパッド22,23がディスクロータ21から離間し、ブレーキが解放される。
駐車ブレーキを作動させる場合は、前記駐車ブレーキスイッチ13の操作に応じて駐車ブレーキECU10の液圧制御処理部11から液圧ユニット2に制御信号が出力され、キャリパ24の液圧室36に液圧ユニット2から所定圧の液圧が供給される。そして、この液圧供給によってピストン35が推進し、通常ブレーキ時と同様に所定の制動力が発生する。一方、前記液圧室36への液圧供給の開始とほぼ同時に駐車ブレーキECU10からの指令で電動モータ20が起動される。すると、歯車機構46を介してシャフト43が回転し、ナット45が直動(前進)してそのフランジ部54がピストン35の後端に当接し、ピストン35を推進方向へ押圧する。その後、電動モータ20が停止されるとほぼ同時に駐車ブレーキECU10から液圧制御処理部11に指令が送出され、液圧ユニット2内の回路が切換えられて液圧室36の液圧が解放される。この時、ピストン35から受ける軸力で、雄ねじ42と雌ねじ44との噛合部に大きな摩擦力が発生しており、また歯車機構46が非可逆性となっているので、シャフト43の回転が阻止され、ナット45はその位置に保持される。すなわち、電動モータ20を停止させかつ液圧を解放しても、駐車ブレーキ機構40によってピストン35は制動位置に機械的に保持(ロック)され、これによって駐車ブレーキが確立する。
駐車ブレーキを解除する場合は、駐車ブレーキスイッチ13の操作に応じて駐車ブレーキECU10から液圧ユニット2の液圧制御処理部11に制御信号が出力され、液圧ユニット2から液圧室36に液圧が供給され、これとほぼ同時に駐車ブレーキECU10からの指令で電動モータ20が逆方向に回転駆動される。すると、歯車機構46を介してシャフト43が逆回転し、ナット45が後退しようとする。しかし、駐車ブレーキ時と同等以上のピストン推力が得られるまで(キャリパ24内の液圧室36の液圧が所定圧以上となるまで)は、雄ねじ42と雌ねじ44との非可逆性および歯車機構46の非可逆性によってシャフト43の回転が阻止される。そして、駐車ブレーキ時を超えるピストン推力が得られるまで液圧が高まると、ピストン35からナット45にかかる軸力が急減し、これに合せてシャフト43が回転(逆回転)し、これによってナット45が後退する。その後は、ナット45が元の位置に戻ると同時に電動モータ20の回転が停止され、続いて液圧ユニット2によって液圧室36内の液圧が解放され、これにて駐車ブレーキは完全に解除(リリース)される。
なお、駐車ブレーキ中、万一電動モータ20が故障した場合は、液圧室36に液圧を供給した後、ハウジング38の外部に突出している回転軸60の延出端部60aに適宜の回転治具を係合させて、外部から回転軸60を強制的に回転させる。これにより歯車機構46を介してシャフト43が回転し、ナット45が後退して駐車ブレーキが解除される。すなわち、手動で簡単に駐車ブレーキを解除することができる。
液圧保持/解除判断処理部71は、図6に示す判断処理第1ルーチンR1を実行し、液圧保持及びその解除に係る判定処理(ステップS102)を行って、液圧保持に対応する判定処理結果(ステップS102でNO判定)、及び液圧解除に対応する判定処理結果(ステップS102でYES判定)を得る。そして、本実施形態では、液圧保持/解除判断処理部71の前記判定処理結果〔液圧保持に対応する判定処理結果(ステップS104)及び液圧保持及び解除に対応する判定処理結果(ステップS103)〕を駐車ブレーキECU10が用いて演算処理して液圧ユニット2を制御することにより、PKB付きディスクブレーキ1,1の液圧の保持及び解除が行われる(ステップS103,S104参照)。
液圧保持/解除判断処理部71が実行する判断処理第1ルーチンR1について、図6に基づいて以下に詳述する。
図6において、判断処理第1ルーチンR1が起動されると、まず、アクセル信号検出手段165からのアクセル開度情報が取得される(ステップS101)。ステップS101に続くステップS102では、アクセル開度が予め求められたしきい値(以下、アクセル開度しきい値という。)以上であるか否かが判定される。ステップS102で用いるアクセル開度しきい値は、加速度センサ73から得られる車両の傾斜状態及び進行方向、ATECU72から得られるドライバの要求進行方向としてのATレンジ、等に基づいて決定する。
ステップS102で、YESと判定されると、PKB付きディスクブレーキ1,1の液圧を解除する処理が行われ(ステップS103)、当該制御周期における判断処理第1ルーチンR1が終了し、次の制御周期における判断処理第1ルーチンR1が開始される。
ステップS102で、NOと判定されると、PKB付きディスクブレーキ1,1の液圧を保持する処理が行われ(ステップS104)、当該制御周期における判断処理第1ルーチンR1が終了し、次の制御周期における判断処理第1ルーチンR1が開始される。
上述したように構成された第1実施形態に係るディスクブレーキ装置70では、図7に示すように、ドライバのリリース要求があつた場合、PKB付きディスクブレーキ1,1に液圧が供給されるとともに、電動モータ20,20に電力が供給される。その後、モータ電流が所定のストール電流を継続し、これによりメカロックの解除が完了したと判断された後も液圧が保持される。その後、ドライバによってアクセル操作が行われ、アクセル開度がしきい値以上となった段階で液圧が解除される。
これにより、例えば車両が登坂路で前進しようとして停止している状態でリリース要求があった場合、アクセル開度が車両の後退を生じさせない程度に上昇するまで液圧が保持され、車両が発進可能と判断した段階で液圧が解除されるため、車両の後退が回避されるとともに、車両を遅延なく発進させることができる。
従来技術では、上記と同様に車両が登坂路で前進しようとして停止している状態でリリース要求があった場合、図7中に破線で示すように、メカロックの解除完了とともに制動力が解放され、これにより車両が一時的に後退してしまうという問題点があった。これに対して、本実施形態によれば、上述したように、アクセル開度が車両の後退を生じさせない程度に上昇するまで液圧が保持され、車両が発進可能と判断した段階で液圧が解除されるため、上記従来技術が惹起する問題点(車両の後退)を回避できる。
上記作用説明は、車両が登坂路で前進しようとして停止している状態でリリース要求があった場合を例にしたが、このことは、車両が降坂路で後退しようとして停止している状態でリリース要求があった場合においても前進と後退を置き換えることにより同様に言えることである。
なお、車両の後退の有無を判断できるのであれば、アクセル開度以外の情報に基づいて処理を行うことができる。
上述したように、本実施形態のディスクブレーキ装置70によれば、リリース要求があった場合にも一時的に液圧が保持され、車両操作、すなわちアクセル操作に基づいて液圧の解除可否が判断されて液圧が解除されるため、車両の後退や急発進が回避されるという効果が得られる。
上記実施形態では、駐車ブレーキECU10(制御手段)が、駐車ブレーキ解除信号により液圧ユニット2(液圧手段)を作動させてキャリパ24へ所定圧の液圧を供給するとともに駐車ブレーキ機構40を作動させてピストン35の制動位置保持を解除した後に前記液圧を解除するように駐車ブレーキ機構40を制御し、液圧保持/解除判断処理部71(液圧保持判断手段)が、駐車ブレーキ解除信号の入力を受け、キャリパ24内の液圧を所定圧にして駐車ブレーキ機構40を解除作動させた後、キャリパ24内の液圧を保持するか否かを判断し、液圧保持/解除判断処理部71が否(液圧を解除する)と判断したときに液圧を解除する場合を例にしたが、これに代えて、次のように構成してもよい。
すなわち、駐車ブレーキ解除信号により液圧ユニット2を作動させてキャリパ24へ所定圧以上の液圧を供給してから駐車ブレーキ機構40を作動させてピストン35の制動位置保持を解除した後に前記液圧を解除する制御手段を備え、この制御手段は、駐車ブレーキ解除信号が入力され、キャリパ24内の液圧を前記所定圧以上にして駐車ブレーキ機構40を解除作動させた後、運転者の車両操作、車両状態または車両周囲の状況に基づいてキャリパ24内の液圧を保持するか否かを判断する液圧保持判断手段を有し、該液圧保持判断手段が保持解除と判断したときに前記液圧を解除するように構成してもよい。
次に、本発明の第2実施形態を、図8〜図13に基づき、図4及び図5を参照して説明する。
本発明の第2実施形態は、駐車ブレーキECU10の液圧保持/解除判断処理部71(図5参照)が、前記第1実施形態では判断処理第1ルーチンR1を実行するのに対して、図8〜図11に夫々示す判断処理第2、第3、第4、第5ルーチンR2,R3,R4,R5を実行すること、この判断処理第2〜第5ルーチンR2〜R5を実行するために各種センサの検出データ(加速度センサ73の検出信号、カメラ74からの情報、シートベルト信号等)を用いることが主に異なっている。液圧保持/解除判断処理部71が液圧保持及び解除の判定(判断)を行なうことは、前記第1実施形態と同様である。
判断処理第2〜第5ルーチンR2〜R5は、所定の制御周期で繰り返し実行される。判断処理第2ルーチンR2(図8)の処理により当該判断処理第2ルーチンR2に基づく液圧解除可第1フラグf1の値(1又は0)が得られ、判断処理第3ルーチンR3(図9)の処理により当該判断処理第3ルーチンR3に基づく液圧解除可第2フラグf2の値(1又は0)が得られ、判断処理第4ルーチンR4(図10)の処理により当該判断処理第4ルーチンR4に基づく液圧解除可第3フラグf3の値(1又は0)が得られる。
そして、液圧保持/解除判断処理部71は、判断処理第5ルーチンR5(図11)で判断処理第2〜第4ルーチンR2〜R4の処理結果などを用いて後述するように液圧保持及び解除の判定処理を行う。また、駐車ブレーキは、判断処理第5ルーチンR5の前記判定処理を用いて液圧保持・解除の制御を行なう。
以下、判断処理第2〜第5ルーチンR2〜R5について、図8〜図11に基づいて順次詳述する。
図8に示す判断処理第2ルーチンR2は、車両がドライバの要求進行方向と逆方向に移動するかどうかを判断するものであり、それが成立する(車両がドライバの要求進行方向と逆方向に移動する)場合には液圧解除可第1フラグf1にOをセットし、成立しない(車両がドライバの要求進行方向と逆方向に移動しない)場合には液圧解除可第1フラグf1に1をセットする処理を行う。なお、同様の処理が可能であれば、他の処理手順を採ることもできる。
図8において、判断処理第2ルーチンR2が起動されると、まず、加遠度センサ111の信号が取得される(ステップS111)。ステップS111に続くステップS112では、ATECU72からATレンジが取得される。
次に、勾配の絶対値が、車両のずり落ちがないように決定されたしきい値(以下、勾配しきい値という。)以下であるか否かが判断される(ステップS113)。ステップS113でYES(勾配の絶対値が勾配しきい値以下である。)と判定すると、ステップS117の処理が実行され、NO(勾配の絶対値が勾配しきい値を超えた値である。)と判定すると、ステップS114の処理が実行される。
ステップS114では、車両が登坂路に停車している状態か否かが判断される。ステップS114でYES(車両が登坂路に停車している状態である。)と判定すると、ステップS115の処理が実行され、NOと判定する(車両が登坂路に停車している状態ではない。)とステップS116の処理が実行される。
ステップS115では、ATレンジがRまたはPであるか否かが判断される。ステップS115でYES(ATレンジがRまたはPである。)と判定すると、ステップS118の処理が行われ、NO(ATレンジがR及びP以外のレンジである。)と判定すると、ステップS119の処理が実行される。
ステップS116では、ATレンジがDまたはPであるか否かが判断される。ステップS116でYES(ATレンジがDまたはPである。)と判定されると、ステップS120の処理が行われ、NO(ATレンジがDまたはP以外のレンジである。)と判定されると、ステップS121の処理が実行される。
ステップS117では、液圧を解除しても車両の移動がないと判断されたことを受け、液圧解除可第1フラグf1に1をセットする処理が行われる。ステップS118では、登坂路でドライバが車両の後退を要求している、または車両が後退しないと判断されたことを受け、液圧解除可第1フラグf1に1をセットする処理が行われる。ステップS119では、登坂路でドライバが車両の前進を要求していると判断されたことを受け、液圧解除可第1フラグf1にOをセットする処理が行われる。ステップS120では、降坂路でドライバが車両の前進を要求している、または車両が前進しないと判断されたことを受け、液圧解除可第1フラグf1に1をセットする処理が行われる。ステップS121では、降坂路でドライバが車両の後退を要求していると判断されたことを受け、液圧解除可第1フラグf1にOをセットする処理が行われる。前記ステップS117〜S121の処理結果は判断処理第5ルーチンR5で利用可能となっている。
前記ステップS117〜S121の各処理が行われると、当該制御周期における判断処理第2ルーチンR2が終了し、次の制御周期における判断処理第2ルーチンR2が開始される。
図9に示す判断処理第3ルーチンR3は、車両の進行方向に人または物が存在するかどうかを判断するものであり、それが成立する(車両の進行方向に人または物が存在する)場合には液圧解除可第2フラグf2にOをセットし、成立しない(車両の進行方向に人または物が存在しない)場合には液圧解除可第2フラグf2に1をセットする処理を行う。なお、同様の処理が可能であれば、他の処理手順を採ることもできる。
図9において、判断処理第3ルーチンR3が起動されると、まず、カメラ74の情報、図示しないミリ波レーダやGPSまたはナビゲーションの情報が取得される(ステップS131)。ステップS131に続くステップS132では、ATECU72からATレンジが取得される。
次に、ATレンジがDであるか否かが判断され(ステップS133)。ステップS133でYESと判定すると、ステップS134の処理が行われ、NOと判定すると、ステップS135の処理が行われる。
ステップS134では、カメラ74の情報、図示しないミリ波レーダやGPSまたはナビゲーションの情報に基づいて、車両の前方に人または物が存在しないか否かが判断される。ステップS134でYES(車両の前方に人または物が存在しない。)と判定すると、ステップS137の処理が行われ、NO(車両の前方に人または物が存在する。)と判定すると、ステップS138の処理が行われる。
ステップS135では、ATレンジがRであるか否かが判断される。ステップS135でYESと判定すると、ステップS136の処理が行われ、NOと判定すると、ステップS141の処理が行われる。
ステップS136では、カメラ74の情報、図示しないミリ波レーダやGPSまたはナビゲーションの情報に基づいて、車両の後方に人または物が存在しないか否かが判断され、これが成立する場合にはステップS139の処理が行われ、成立しない場合にはステップS140の処理が行われる。
ステップS137では、ドライバに走行の意図があり、かつドライバの要求進行方向に人または物が存在しないと判断されたことを受け、液圧解除可第2フラグf2に1をセットする処理が行われる。ステップS138では、ドライバに走行の意図があり、かつドライバの要求進行方向に人または物が存在すると判断されたことを受け、液圧解除可第2フラグf2にOをセットする処理が行われる。ステップS139では、ドライバに走行の意図があり、かつドライバの要求進行方向に人または物が存在しないと判断されたことを受け、液圧解除可第2フラグf2に1をセットする処理が行われる。ステップS140では、ドライバに走行の意図があり、かつドライバの要求進行方向に人または物が存在すると判断されたことを受け、液圧解除可第2フラグf2にOをセットする処理が行われる。ステップS141では、ドライバに走行の意図がないと判断されたことを受け、液圧解除可第2フラグf2に1をセットする処理が行われる。
前記ステップS137〜S141の処理結果は判断処理第5ルーチンR5で利用可能となっている。
前記ステップS137〜S141の各処理が行われると、当該制御周期における判断処理第3ルーチンR3が終了し、次の制御周期における判断処理第3ルーチンR3が開始される。
図10に示す判断処理第4ルーチンR4は、駐車ブレーキ解除信号が誤って入力されたかどうかを判断するものであり、それが成立する(駐車ブレーキ解除信号が誤って入力された)場合には液圧解除可第3フラグf3にOをセットし、成立しない(駐車ブレーキ解除信号が誤って入力されていない)場合には液圧解除可第3フラグf3に1をセットする処理を行う。なお、同様の判断が可能であれば、他の処理手順を採ることもできる。
図10において、判断処理第4ルーチンR4が起動されると、まず、図示しないシートベルトスイッチの信号が取得される(ステップS151)。ステップS151に続くステップS152では、図示しない着座スイッチの信号が取得される。
次に、シートベルトスイッチの信号がオンか否かが判断される(ステップS153)。ステップS153でYES(シートベルトスイッチの信号がオン)と判定すると、ステップS154の処理が実行され、NO(シートベルトスイッチの信号がオフ)と判定すると、ステップS156の処理が実行される。
ステップS154では、着座スイッチの信号がオンか否かが判断される。ステップS154でYES(着座スイッチの信号がオン)と判定すると、ステップS155の処理が実行され、NO(着座スイッチの信号がオフ)と判定すると、ステップS156の処理が実行される。
ステップS155では、ドライバが運転可能状態にあり、すなわち駐車ブレーキ解除信号がドライバの操作によるものと判断されたことを受け、液圧解除可第3フラグf3に1をセットする処理が行われる。
ステップS156では、ドライバが運転可能状態になく、すなわち駐車ブレーキ解除信号が誤操作によるものと判断されたことを受け、液圧解除可第3フラグf3に0をセットする処理が行われる。
前記ステップS155、S156の処理結果は判断処理第5ルーチンR5で利用可能となっている。
前記ステップS155、S156の各処理が行われると、当該制御周期における判断処理第4ルーチンR4が終了し、次の制御周期における判断処理第4ルーチンR4が開始される。
図11に示す判断処理第5ルーチンR5は、液圧保持/解除判断処理部71が主に実行し、この実行には、前記判断処理第2〜第4ルーチンR2〜R4の処理結果(液圧解除可第1〜第3フラグf3の値)が用いられる。液圧保持/解除判断処理部71は、判断処理第2〜第4ルーチンR2〜R4の処理結果(液圧解除可第1〜第3フラグf1〜f3の値)及びアクセル開度情報を用いて、液圧保持及び解除に係る判定処理〔ステップS163,S164,S165,S166〕を行って、液圧保持に対応する判定処理結果(ステップS164、S165、S166のいずれかでNO判定)、及び液圧解除に対応する判定処理結果(ステップS163でYES判定又はステップS166でYES判定)を得る。
液圧保持/解除判断処理部71の前記判定処理結果〔液圧保持及び解除に対応する判定処理結果(ステップS167,S168,S169)〕を駐車ブレーキECU10が用いて演算処理して液圧ユニット2を制御する(ステップS167,S168,S169参照)ことにより、PKB付きディスクブレーキ1,1の液圧の保持及び解除が行われる。
このように演算処理を行う判断処理第5ルーチンR5について、図11に基づいて説明する。
判断処理第5ルーチンR5は起動されると、図11に示すように、まず、ステップS161の処理を実行する。ステップS161では、アクセル信号検出手段165からアクセル開度の情報が取得される。
ステップS161に続くステップS162では、液圧解除可第1〜第3フラグf1〜f3が取得される。
次に、アクセル開度が前記アクセル開度しきい値以上であるか否かが判断される(ステップS163)。
ステップS163で、YESと判定されると、ステップS167の処理が実行され、NOと判定されると、ステップS164の処理が実行される。
ステップS164では、液圧解除可第1フラグf1が1であるか否かが判断される。ステップS164でYESと判定すると、ステップS165の処理が実行され、NOと判定すると、ステップS169の処理が実行される。
ステップS165では、液圧解除可第2フラグf2が1であるか否かが判断される。
ステップS165でYESと判定すると、ステップS166の処理が実行され、NOと判定すると、ステップS169の処理が実行される。
ステップS166では、液圧解除可第3フラグf3が1であるか否かが判断される。
ステップS166でYESと判定すると、ステップS168の処理が実行され、NOと判定すると、ステップS169の処理が実行される。
前記ステップS167〜S169の各処理が行われると、当該制御周期における判断処理第5ルーチンR5が終了し、次の制御周期における判断処理第5ルーチンR5が開始される。
ステップS167では、液圧保持/解除判断処理部71による液圧解除に係る判定処理結果の転送処理が行われる。そして、液圧保持/解除判断処理部71のステップS167の処理に基づいて、駐車ブレーキECU10が液圧ユニット2を制御する(ステップS167,S168,S169参照)ことにより、PKB付きディスクブレーキ1,1の液圧の保持及び解除が行われる。
前記演算処理を実行する判断処理第5ルーチンR5(図11)を用いる液圧保持/解除判断処理部71を含んで構成される第2実施形態に係るディスクブレーキ装置70Aによれば、図12に示すように、ドライバのリリース要求があった場合、PKB付きディスクブレーキ1,1に液圧が供給されるとともに、電動モータ20,20に電力が供給される。その後、モータ電流が所定のストール電流を継続し、これによりメカロックの解除が完了したと判断される。但し、この状態で液圧解除可第2フラグf2と液圧解除可第3フラグf3が0であるため、メカロックの解除が完了した後も液圧が保持されている。その後、ドライバによってアクセル操作が行われ、アクセル開度がアクセル開度しきい値以上となった段階で液圧が解除される。
また、図13に示すように、ドライバのリリース要求があつた場合、PKB付きディスクブレーキ1,1に液圧が供給されるとともに、電動モータ20,20に電力が供給される。その後、モータ電流が所定のストール電流を継続し、これによりメカロックの解除が完了したと判断される。但し、この状態で液圧解除可第2フラグf2と液圧解除可第3フラグf3が0であるため、メカロックの解除が完了した後も液圧が保持されている。その後、液圧解除可第2フラグf2が1になり、さらに液圧解除可第3フラグf3が1になった段階で液圧が解除される。
上述したように、第2実施形態に係るディスクブレーキ装置70Aによれば、液圧解除可第1〜第3フラグf1〜f3、すなわち、車両操作、車両状態または車両周囲の状況等の車両の状況に基づいて液圧の保持または解除が判断、選択され、これにより、車両の後退や急発進が回避される、歩行者、ドライバの危険が回避される、車両の不用意な移動、発進が回避される、等の効果を奏する。
上記実施形態では、各実施形態に係るディスクブレーキ装置70をAT車(図4)に用いる場合を例にしたが、AT車(図4)に代えてMT車に用いるようにしてもよい。
ここで、本発明に係るディスクブレーキ装置をAT車(図4)に用いた場合の例(第3実施形態)を、次に説明する。
図14に示すMT車は、図4に示すAT車に比して、ATECU72を備えていない点と、クラッチ80を備えている点とが主に異なっており、それ以外については図4のAT車と略同等に構成されている。
この第3実施形態に係るディスクブレーキ装置70Bは、前記第1実施形態に係るディスクブレーキ装置70に比して、液圧を解除する判断として、図15に示すように、アクセル開度の代わりに車軸トルクを用いている。この第3実施形態に係るディスクブレーキ装置70Bでは、図14及び図15に示すように、ドライバのリリース要求があつた場合、PKB付きディスクブレーキ1,1に液圧が供給されるとともに、電動モータ20,20に電力が供給される。その後、モータ電流が所定のストール電流を継続し、これによりメカロックの解除が完了したと判断された後も液圧が保持される。その後、車軸トルクが予め定めたしきい値(以下、車軸トルクしきい値という。)以上となった段階で液圧が解除される。
これにより、例えば車両が登坂路で前進しようとして停止している状態でリリース要求があった場合、車軸トルクが車軸トルクしきい値に上昇するまで液圧が保持され、その後、解除されるため、車両の後退が回避されるとともに、車両を遅延なく発進させることができる。
本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキ装置を含むブレーキシステムの構造を示す系統図である。 本ディスクブレーキ装置を構成する電動式駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキの構造を示す断面図である。 本電動式駐車ブレーキ機構付きディスクブレーキの一部を断面として示す正面図である。 図1のディスクブレーキ装置をこれが用いられるAT車と共に模式的に示す図である。 図1の駐車ブレーキECUを示すブロック図である。 図5の液圧保持/解除判断処理部が行う判断処理第1ルーチンR1を示すフローチャートである。 判断処理第1ルーチンR1が実行された場合の一例を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキ装置70Aに用いられる液圧保持/解除判断処理部が実行する判断処理第2ルーチンR2を示すフローチャートである。 同第2実施形態の液圧保持/解除判断処理部が実行する判断処理第3ルーチンR3を示すフローチャートである。 同第2実施形態の液圧保持/解除判断処理部が実行する判断処理第4ルーチンR4を示すフローチャートである。 同第2実施形態の液圧保持/解除判断処理部が実行する判断処理第5ルーチンR5を示すフローチャートである。 同第2実施形態の作用を示すタイムチャートの一例である。 同第2実施形態の作用で図12と異なる例を示すタイムチャートである。 本発明の第3実施形態に係るディスクブレーキ装置をこれが用いられるMT車と共に模式的に示す図である。 同第3実施形態の作用を示すタイムチャートの一例である。
符号の説明
2…液圧ユニット(液圧手段)、10…駐車ブレーキECU(制御手段)、13…駐車ブレーキスイッチ、20…電動モータ、21…ディスクロータ(ディスク)、22,23…パッド、24…キャリパ、33…シリンダ、35…ピストン、40…駐車ブレーキ機構、70,70A,70B…ディスクブレーキ装置、71…液圧保持/解除判断処理部(液圧保持判断手段)、165…アクセル信号検出手段。

Claims (4)

  1. 液圧手段からの液圧供給を受けて推進するピストンがブレーキパッドをディスクに押圧して制動力を発生するキャリパと、電動アクチュエータを駆動源として作動し、前記ピストンを機械的に制動位置に保持する駐車ブレーキ機構と、駐車ブレーキ解除信号により前記液圧手段を作動させて前記キャリパへ所定圧の液圧を供給するとともに前記駐車ブレーキ機構を作動させて前記ピストンの制動位置保持を解除した後に前記液圧を解除する制御手段とを有するディスクブレーキ装置において、
    前記制御手段は、駐車ブレーキ解除信号が入力され、前記キャリパ内の液圧を所定圧にして前記駐車ブレーキ機構を解除作動させた後、前記キャリパ内の液圧を保持するか否かを判断する液圧保持判断手段を有し、該液圧保持判断手段が保持解除と判断したときに前記液圧を解除することを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 前記液圧保持判断手段は、車両の状況に基づいて前記キャリパ内の液圧を保持するか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置。
  3. 電動アクチュエータを駆動源として作動し、液圧手段からキャリパ内への所定圧の液圧供給により推進したピストンを機械的に制動位置に保持する駐車ブレーキ機構と、駐車ブレーキ解除信号により前記液圧手段を作動させて前記キャリパへ前記所定圧以上の液圧を供給してから前記駐車ブレーキ機構を作動させて前記ピストンの制動位置保持を解除した後に前記液圧を解除する制御手段とを有するディスクブレーキ装置において、
    前記制御手段は、駐車ブレーキ解除信号が入力され、前記キャリパ内の液圧を前記所定圧以上にして前記駐車ブレーキ機構を解除作動させた後、運転者の車両操作、車両状態または車両周囲の状況に基づいて前記キャリパ内の液圧を保持するか否かを判断する液圧保持判断手段を有し、該液圧保持判断手段が保持解除と判断したときに前記液圧を解除することを特徴とするディスクブレーキ装置。
  4. ディスクを挟んでその両側に配置される一対のブレーキパッドと、有底のシリンダ内に摺動可能に配設したピストンを液圧供給によって推進し、前記一対のブレーキパッドをディスクに押圧させて制動力を発生するキャリパと、電動アクチュエータを駆動源として作動し、液圧手段から前記キャリパ内への液圧供給により推進したピストンを液圧解放後も機械的に制動位置に保持させる駐車ブレーキ機構と、駐車ブレーキ指示信号により前記液圧手段を作動させて前記キャリパへ所定圧の液圧を供給してから前記ピストンを制動位置に保持させるように前記駐車ブレーキ機構を作動させるとともに、駐車ブレーキ解除信号により前記液圧手段を作動させて前記キャリパへ前記所定圧以上の液圧を供給してから前記駐車ブレーキ機構を作動させて前記ピストンの制動位置保持を解除した後に前記液圧を解除する制御手段とを備えたディスクブレーキ装置において、
    前記制御手段は、駐車ブレーキ解除信号が入力されたとき、前記キャリパ内の液圧を前記所定圧以上にして前記駐車ブレーキ機構を解除作動させ、アクセル操作を検出したときに前記キャリパ内の液圧を解除することを特徴とするディスクブレーキ装置。
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