JP2009280107A - シートベルトリトラクタ及びシートベルト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】不要な巻取部材のロックを防止し、乗員に不快感を与えるのを抑制することができるシートベルトリトラクタ及びシートベルト装置を得る。
【解決手段】ウエビングをシートベルトリトラクタ14から引き出す前は、制御部の指示により、ソレノイドはリング部材58を円柱部56と当るロック阻止位置へと配置する。ウエビングがシートベルトリトラクタ14から引き出され、トーションバー38が矢印A方向へ回転し、係合部材46に遠心力が生じて係合部材46が揺動しようとする。しかし、リング部材58がロック阻止位置に配置されているため、リング部材58の円孔58Aへ係合部材46に設けられた円柱部56が当り、係合部材46は、非係合位置に配置された状態となる。このようにリング部材58をロック阻止位置へ配置させることで、不要な巻取部材36のロックを防止し、乗員に不快感を与えるのを抑制することができる。
【選択図】図1
【解決手段】ウエビングをシートベルトリトラクタ14から引き出す前は、制御部の指示により、ソレノイドはリング部材58を円柱部56と当るロック阻止位置へと配置する。ウエビングがシートベルトリトラクタ14から引き出され、トーションバー38が矢印A方向へ回転し、係合部材46に遠心力が生じて係合部材46が揺動しようとする。しかし、リング部材58がロック阻止位置に配置されているため、リング部材58の円孔58Aへ係合部材46に設けられた円柱部56が当り、係合部材46は、非係合位置に配置された状態となる。このようにリング部材58をロック阻止位置へ配置させることで、不要な巻取部材36のロックを防止し、乗員に不快感を与えるのを抑制することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ウエビングを巻き取るシートベルトリトラクタ、及びこれを備えたシートベルト装置に関する。
特許文献1には、ELR(エマージェンシー・ロッキング・リトラクター)式のシートベルトリトラクタが記載されている。
詳細には、このシートベルトリトラクタは、ウエビングを巻き取るスプールと、このスプールのウエビング引き出し方向の回転をロックするロッキング機構とを備えている。さらに、ウエビングの引き出し速度を検知する検知手段が設けられており、この検知手段が、ウエビングの引き出し速度を検知して緊急時にロッキング機構を作動させ、スプールのウエビング引き出し方向の回転をロックする構成となっている。
このように、緊急時にウエビングの引出しをロックすることで、乗員を拘束して保護する構成となっている。
特開2006−327556号公報
しかしながら、このロッキング機構によると、検知手段が検知したウエビングの引き出し速度に基づいてスプール(巻取部材)をロックさせるため、例えば、乗員がウエビングを急いで引き出そうとした際にも、スプール(巻取部材)がロックしてしまうことが考えられる。
本発明は、上記事実を考慮し、不要な巻取部材のロックを防止し、乗員に不快感を与えるのを抑制することが課題である。
本発明の請求項1に係るシートベルトリトラクタは、回転してウエビングを巻き取り又は送り出す巻取部材と、前記巻取部材の回転速度又は加速度の変化に基づき作動して、前記巻取部材のウエビング送り出し方向の回転をロックするロック手段と、前記ロック手段による前記巻取部材のロックを阻止するロック阻止位置と、前記巻取部材のロックを可能とするロック可能位置に移動可能とされるロック阻止手段と、制御部の信号を受けて前記ロック阻止手段を、ロック阻止位置とロック可能位置へ切替える切替部材と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、巻取部材は、回転してウエビングを巻き取り又は送り出す。そして、前記巻取部材の回転速度又は加速度の変化に基づき緊急時には、ロック手段が作動して巻取部材のウエビング送り出し方向(引き出し方向)の回転をロックする。
ここで、ロック手段による巻取部材のロックをロック阻止位置で阻止するロック阻止手段が設けられており、さらに、切替部材は、制御部の信号を受けてロック阻止手段を巻取部材のロックを阻止するロック阻止位置と、巻取部材のロックを可能とするロック可能位置へ切替える。
このように、ロック阻止手段を設けることで、巻取部材のロックが不要な際に、制御部の信号を受けた切替部材が、ロック阻止手段をロック阻止位置へ切替えることで不要な巻取部材のロックを防止し、乗員に不快感を与えるのを抑制することができる。
本発明の請求項2に係るシートベルトリトラクタは、請求項1に記載において、前記ロック手段は、前記巻取部材の外周に設けられる被係合部材と、回転する前記巻取部材と共に回転し、前記巻取部材の回転速度又は加速度の変化に基づき、前記巻取部材の回転力を受けて前記被係合部材と噛み合いが解除される非係合位置から前記被係合部材と噛み合う係合位置へ移動する係合部材と、前記係合部材を非係合位置へ付勢する付勢部材と、を備え、ロック阻止手段は、前記係合部材に設けられた移動規制部材と、前記移動規制部材と当り、前記係合部材の前記非係合位置から前記係合位置への移動を阻止する阻止部材と、を備え、前記切替部材は、前記阻止部材を前記移動規制部材と当るロック阻止位置と、前記移動規制部材と離間するロック可能位置とに切替えることを特徴とする。
上記構成によれば、付勢部材が、係合部材をリトラクタ本体に設けられた被係合部材と噛み合いが解除される非係合位置へ付勢している。
そして、緊急時に、ウエビングの引出速度が変化し、巻取部材の回転速度又は加速度が変化すると、非係合位置に付勢されていた係合部材は、巻取部材の回転力を受けて非係合位置から被係合部材と噛み合う係合位置へ移動する。これにより、ウエビング送り出し方向の巻取部材の回転がロックされる。
ここで、係合部材には、阻止部材と当り、係合部材の非係合位置から係合位置への移動を阻止する移動規制部材が設けられており、切替部材は、制御部の信号を受けて阻止部材を移動規制部材と当るロック阻止位置と、移動規制部材と離間するロック可能位置とに切替える。
そして、巻取部材のロックが不要な際に、制御部の信号を受けて切替部材が、阻止部材をロック阻止位置へ切替えることで不要な巻取部材のロックを防止し、乗員に不快感を与えるのを簡易な構成で抑制することができる。
本発明の請求項3に係るシートベルトリトラクタは、請求項2に記載において、前記係合部材は、前記巻取部材に設けられた軸部に揺動可能に支持され、前記巻取部材の回転速度又は加速度が変化することで前記係合部材に生じる遠心力によって、前記係合部材が前記非係合位置から前記係合位置へ移動することを特徴とする。
上記構成によれば、巻取部材に揺動可能に支持される係合部材は、巻取部材の回転速度又は加速度が変化することで係合部材に生じる遠心力によって、非係合位置から係合位置へ揺動する。
このように、遠心力を利用して容易に、係合部材を非係合位置から係合位置へ移動させることができる。
本発明の請求項4に係るシートベルト装置は、請求項1〜3何れか1項に記載されたシートベルトリトラクタと、ウエビングに取り付けられるタングプレートが、車体に保持されたバックルに係合すると、前記シートベルトリトラクタに設けられた切替部材を作動させ、ロック阻止手段をロック可能位置へ移動させ、前記タングプレートと前記バックルとの係合が解除されると、ロック阻止手段をロック阻止位置へ移動させる制御部と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、制御部は、ウエビングに取り付けられるタングプレートが、バックルに係合すると、切替部材を作動させ、ロック阻止手段をロック可能位置へ移動させる。これに対し、タングプレートとバックルとの係合が解除されると、制御部は、ロック阻止手段をロック阻止位置へ移動させる。
つまり、乗員が、ウエビングを装着しようとしてタングプレートをバックルに係合させようとしている際は、巻取部材のロックが阻止されている。このため、乗員がウエビングを急いで引き出しても、巻取部材がロックしないため、乗員が不快に感じることを防止することができる。
本実施の実施形態に係るシートベルトリトラクタが採用されたシートベルト装置の一例について図1〜図8に従って説明する。
(全体構成)
図8に示されるように、シートベルト装置10は、1本のウエビング12が乗員の腰部を拘束するラップウエビング12Aと乗員の上体を拘束するショルダウエビング12Bとを構成する所謂3点式シートベルト装置10とされている。
図8に示されるように、シートベルト装置10は、1本のウエビング12が乗員の腰部を拘束するラップウエビング12Aと乗員の上体を拘束するショルダウエビング12Bとを構成する所謂3点式シートベルト装置10とされている。
具体的には、シートベルト装置10は、ウエビング12が収容されるシートベルトリトラクタ14を備えており、このシートベルトリトラクタ14に設けられた巻取部材36のスプール40(図6参照)にはウエビング12の一端側が引き出し可能に巻き取られている。また、シートベルトリトラクタ14には、図示しない巻取スプリングが内蔵されており、この巻取スプリングはスプール40をウエビング12の巻取方向に付勢している。
本実施形態では、シートベルトリトラクタ14は、拘束対象である乗員が着座するシート16に対し車幅方向外側部分の車体の下部、具体的にはセンターピラー18の下部に2本のボルト28で固定されている。無論、シートベルトリトラクタ14の位置はこれに限定されず、例えば、センターピラー18の上部や、あるいは車両の天井パネル内であってもよい。なお、シートベルトリトラクタ14については詳細を後述する。
一方、ウエビング12の他端には、板金プレートで形成されたラップアウタアンカ20が設けられ、ラップアウタアンカ20は、シートベルトリトラクタ14の下方(シートベルト装置の構成等によっては下方でなくてもよい)、すなわちシート16に対しシートベルトリトラクタ14と同じ側に配設されたブラケット32にボルト30で固定されている。つまり、このラップアウタアンカ20は、ウエビング12の張力を支持するようになっている。
さらに、シートベルト装置10は、ウエビング12を挿通させた挿通孔22Aを有するスルーアンカ(ショルダアンカ)22を備えている。スルーアンカ22は、シートベルトリトラクタ14の上方であって、乗員の肩よりも若干上側に相当する位置で車体(センターピラー18の上部)にボルト34によって固定されおり、ウエビング12の張力を支持する構成とされている。なお、スルーアンカ22は、車体に対する向きや高さを調整し得る構成としても良い。
また、このスルーアンカ22の挿通孔22Aは、ウエビング12に対応して扁平状に形成されており、通過するウエビング12の捻れを防止するようになっている。そして、スルーアンカ22における挿通孔22Aの下縁には、ウエビング12の中間部が摺動可能に巻き掛けられている。これにより、ウエビング12は、スルーアンカ22のシートベルトリトラクタ14側とラップアウタアンカ20側とで張力方向が異なるように、このスルーアンカ22に張力を支持されるようになっている。
さらに、ウエビング12におけるラップアウタアンカ20とスルーアンカ22との間の部分には、タングプレート24が設けられている。タングプレート24は、その挿通孔24Aにウエビング12を挿通させることで、ウエビング12に対し摺動(長手方向に沿う相対変位)可能とされている。また、タングプレート24は、シート16における車幅方向内側で、車体に保持されたバックル26に係合可能とされている。
つまり、タングプレート24は、バックル26に押し込まれてバックル26に係合し、バックル26の解除ボタン26Aを押圧操作することで係合状態が解除される構成となっている。なお、バックル26は、車体に直接保持されてもよいし、シート16を介して間接的に車体に保持されてもよい。
したがって、シートベルト装置10では、タングプレート24をバックル26に係止した状態では、ウエビング12におけるタングプレート24とラップアウタアンカ20との間の部分がラップウエビング12Aを構成し、ウエビング12におけるタングプレート24とスルーアンカ22との間の部分がショルダウエビング12Bを構成するようになっている。
一方、タングプレート24とバックル26との係合状態が解除されると、ウエビング12は、シートベルトリトラクタ14の巻取スプリングの付勢力によってシートベルトリトラクタ14に設けられたスプール40(図6参照)に巻き取られる構成である。そして、ラップアウタアンカ20とスルーアンカ22との間でウエビング12が車体上下方向に沿って略直線状を成す状態が、ウエビング12におけるシートベルトリトラクタ14に巻取可能な全量がシートベルトリトラクタ14に巻き取られた完全巻取状態とされる。
(要部構成)
次に、ウエビング12が巻き取られるシートベルトリトラクタ14等について説明する。
次に、ウエビング12が巻き取られるシートベルトリトラクタ14等について説明する。
図5に示されるように、シートベルトリトラクタ14には、回転してウエビング12を巻き取り又は送り出す巻取部材36が設けられている。
詳細には、巻取部材36は、図示せぬ本体フレーム部材に回転可能に支持される円柱状のトーションバー38と、トーションバー38に保持されウエビング12の端部が固定されてウエビング12が巻き付けられる略円筒状のスプール40(図6参照)と、スプール40に隣接してトーションバー38に固定された円盤状のベースプレート42を含んで構成されている。
また、本体フレーム部材(図示省略)には、巻取部材36のウエビング12の送り出し方向の回転をロックするロック手段を構成する板状の被係合部材44が固定されている。この板状の被係合部材44には、円形状の開口が設けられ、この開口の内側には、前述したベースプレート42が配置されている。さらに、この開口の開口縁部には、ノコギリ状の被係合歯44Aが形成されている。
また、この被係合歯44Aと噛み合う係合歯46Aを備えた円弧状の係合部材46が、ベースプレート42に揺動可能に軸支されている。具体的には、図3、図5に示されるように、円盤状のベースプレート42の片面(スプール40が配置される側と反対側の面)には、係合部材46が配置される凹部48が、トーションバー38に対して対称に2個設けられている。さらに、この凹部48内には、2本の円柱状の軸部50がトーションバー38の軸方向と同じ方向に延びて設けられている(図5参照)。
また、係合部材46には、軸部50が挿入される円孔46Bが形成され、さらに、凹部48を構成する壁面48Aと当る端面46Cが設けられている。また、凹部48の壁面48Aには、有底の円孔48B(図5参照)が形成されている。この円孔48B内には、一端が円孔48Bの底面に固定され、他端が係合部材46の端面46Cに固定されて端面46Cを壁面48Aに向けて付勢するコイルスプリング54が設けられている。
この構成により、通常時は、コイルスプリング54の付勢力で、係合部材46の端面46Cが壁面48Aと当接し、係合部材46の係合歯46Aが被係合部材44に設けられた被係合歯44Aから離間する非係合位置に係合部材46は配置される。
これに対し、ウエビング12(図6参照)が引き出され、トーションバー38が矢印A方向に回転し、トーションバー38の回転速度又は加速度の変化が決められた値に達すると、図4に示されるように、係合部材46に生じる遠心力により、係合部材46は、コイルスプリング54の付勢力に対抗し、軸部50を中心に揺動する。遠心力により軸部50を中心に係合部材46が揺動することで、コイルスプリング54が延びて、係合部材46は、係合歯46Aと被係合歯44Aとが噛み合う係合位置へ揺動するようになっている。係合歯46A及び被係合歯44Aは、ノコギリ状に形成されており、係合状態では、トーションバー38のウエビング12引き出し方向(矢印A)の回転がロックされるようになっている。
つまり、係合部材46が係合位置に揺動した後に、ウエビング12を無理に引き出そうとすると、トーションバー38がねじれて変形し、ウエビング12に加えられる荷重が制限される構成となっている。
一方、図5に示されるように、係合部材46には、軸方向に沿って外側(スプール40が配置される側と反対側)に突出する移動規制部材としての円柱状の円柱部56が形成されている。さらに、非係合位置に配置される係合部材46の円柱部56へ径方向外側から当る円孔58Aが形成された阻止部材としてのトーナッツ状のリング部材58が設けられている。
このリング部材58の外周には、対向するように、リング部材58を支持する支持部58Bが2個突設しており、この支持部58Bには、軸方向に貫通する貫通孔58Cが形成されている。
さらに、この貫通孔58Cに挿通される円柱状のガイド部材60が設けられ、このガイド部材60の基端部は被係合部材44に固定されている。これにより、リング部材58は、軸方向にガイド部材60に沿って移動可能とされている。そして、リング部材58は、円孔58Aが円柱部56と当って係合部材46の係合位置への移動を阻止するロック阻止位置(図6参照)と、円孔58Aが円柱部56と離間して係合部材46の係合位置への移動を可能とするロック可能位置(図7参照)との間を移動可能となっている。
また、リング部材58の外周において対向する支持部58Bの中間部には、U字状のU溝部58Dが形成された突設部58Eが形成されている。
このU溝部58Dには、切替部材としてのソレノイド64の可動部66が固定されている。詳細には、可動部66は、軸方向に往復移動可能とされており、可動部66に設けられた凹状の取付部66AにU溝部58Dが嵌め込まれるようになっている。
また、このソレノイド64は、2本のガイド部材60の先端部に固定され板状のブラケット70の円孔70Aに図示せぬ固定具で固定されており、制御部68の指示に基づいて可動するようになっている。
この構成より、制御部68の指示に基づいてソレノイド64は、リング部材58を軸方向に往復移動させ、リング部材58を円柱部56と当接するロック阻止位置(図6参照)と、リング部材58を軸方向外側(スプール40が配置される側と反対側)へ可動させて円柱部56と離間するロック可能位置(図7参照)とに切替える構成となっている。
また、タングプレート24とバックル26(図8参照)との係合が解除されている際には、制御部68はソレノイド64を作動させてリング部材58をロック阻止位置へ移動させ、タングプレート24とバックル26が係合している際には、制御部68はソレノイド64を作動させてリング部材58をロック可能位置へ移動させる構成となっている。
(作用・効果)
図8に示されるように、本願発明のシートベルト装置10が採用された自動車では、シート16に着座した乗員は、タングプレート24をバックル26側に移動させつつウエビング12をシートベルトリトラクタ14から引き出だす。
図8に示されるように、本願発明のシートベルト装置10が採用された自動車では、シート16に着座した乗員は、タングプレート24をバックル26側に移動させつつウエビング12をシートベルトリトラクタ14から引き出だす。
乗員がウエビング12をシートベルトリトラクタ14から引き出す前は、図1に示されるように、係合部材46には遠心力が生じないため、コイルスプリング54の付勢力で、係合部材46は、非係合位置に配置されている。さらに、巻取スプリング(図示省略)によりスプール40がウエビング12を巻取方向に付勢されているため、ウエビング12には、適度な張力が付与されている。また、図1、図6に示されるように、タングプレート24とバックル26との係合が解除さているため、制御部68の指示により、ソレノイド64はリング部材58をロック阻止位置へと配置する。
さらに、ウエビング12がシートベルトリトラクタ14から引き出され、トーションバー38が矢印A方向へ回転し、係合部材46に遠心力が生じる。図2に示されるように、係合部材46に遠心力が生じて、係合部材46は軸部50を中心に揺動しようとする。しかし、リング部材58がロック阻止位置に配置されているため、リング部材58の円孔58Aへ係合部材46に設けられた円柱部56が当り、係合部材46は、非係合位置に配置された状態となる。
つまり、仮にウエビング12が急激に引き出された場合でも、係合部材46は非係合位置から移動しないため、ウエビング12の引き出しがロックさせることはない。
そして、乗員がタングプレート24をバックル26(図8参照)に係合させると、制御部68の指示により、ソレノイド64はリング部材58をロック可能位置へ移動させる。
この状態で、例えば車両衝突時等の緊急時においては、ウエビング12は、シート16に着座した乗員に押圧されてシートベルトリトラクタ14から急激に引き出される。ウエビング12が急激に引き出されることで、スプール40及びトーションバーの回転速度又は加速度が増加(変化)し、係合部材46に遠心力が生じる。
係合部材46に遠心力が生じると、係合部材46は軸部50を中心に揺動し、図3に示す非係合位置から図4に示す係合位置に移動する。図4に示されるように、係合部材46が係合位置に移動することで、係合部材46の係合歯46Aと被係合部材44の被係合歯44Aが係合し、スプール40及びトーションバー38のウエビング12引き出し方向(矢印A方向)の回転が阻止されてウエビング12の引き出しがロックされる。
移動する乗員の慣性力により、ウエビング12がシートベルトリトラクタ14から無理に引き出されると、トーションバー38がねじれて変形し、ウエビング12に加えられる荷重が制限される。
その後、ウエビング12に負荷される荷重が解除され、巻取スプリング(図示省略)の付勢力により、ウエビング12がスプールに巻き取られると、トーションバー38が巻取り方向(図4に示す矢印B方向)に回転する。これにより、係合歯46Aと被係合歯44Aが離間し、コイルスプリング54の付勢力で、係合部材46が図3に示す非係合位置へ移動する。
そして、乗員が、図8に示すバックル26からタングプレート24を開放させると、制御部68の指示により、ソレノイド64はリング部材58をロック阻止位置へ移動させ、ウエビング12は巻取スプリングの付勢力により、スプール40に巻き取られ、次回の装着に備える。
このように、巻取部材36のロックが不要な際に、制御部68の信号を受けたソレノイド64がリング部材58をロック阻止位置へ配置させることで、不要な巻取部材36のロックを防止し、乗員に不快感を与えるのを抑制することができる。
また、タングプレート24とバックル26の係合が解除されている際には、制御部68が、リング部材58をロック阻止位置へ移動させることで、乗員が急いでウエビング12を引き出しても、巻取部材36がロックしない。このため、乗員が不快に感じることを防止することができる。
10・・・・シートベルト装置、12・・・・ウエビング、14・・・・シートベルトリトラクタ、36・・・・巻取部材、38・・・・トーションバー(巻取部材)、40・・・・スプール(巻取部材)、42・・・・ベースプレート(巻取部材)、44・・・・被係合部材、46・・・・係合部材、54・・・・コイルスプリング(付勢部材)、56・・・・円柱部(移動規制部材)、58・・・・リング部材(阻止部材)、68・・・・制御部
Claims (4)
- 回転してウエビングを巻き取り又は送り出す巻取部材と、
前記巻取部材の回転速度又は加速度の変化に基づき作動して、前記巻取部材のウエビング送り出し方向の回転をロックするロック手段と、
前記ロック手段による前記巻取部材のロックを阻止するロック阻止位置と、前記巻取部材のロックを可能とするロック可能位置に移動可能とされるロック阻止手段と、
制御部の信号を受けて前記ロック阻止手段を、ロック阻止位置とロック可能位置へ切替える切替部材と、
を備えるシートベルトリトラクタ。 - 前記ロック手段は、
前記巻取部材の外周に設けられる被係合部材と、
回転する前記巻取部材と共に回転し、前記巻取部材の回転速度又は加速度の変化に基づき、前記巻取部材の回転力を受けて前記被係合部材と噛み合いが解除される非係合位置から前記被係合部材と噛み合う係合位置へ移動する係合部材と、
前記係合部材を非係合位置へ付勢する付勢部材と、
を備え、
ロック阻止手段は、
前記係合部材に設けられた移動規制部材と、
前記移動規制部材と当り、前記係合部材の前記非係合位置から前記係合位置への移動を阻止する阻止部材と、を備え、
前記切替部材は、前記阻止部材を前記移動規制部材と当るロック阻止位置と、前記移動規制部材と離間するロック可能位置とに切替える請求項1に記載のシートベルトリトラクタ。 - 前記係合部材は、前記巻取部材に設けられた軸部に揺動可能に支持され、前記巻取部材の回転速度又は加速度が変化することで前記係合部材に生じる遠心力によって、前記係合部材が前記非係合位置から前記係合位置へ移動する請求項2に記載のシートベルトリトラクタ。
- 請求項1〜3何れか1項に記載されたシートベルトリトラクタと、
ウエビングに取り付けられるタングプレートが、車体に保持されたバックルに係合すると、前記シートベルトリトラクタに設けられた切替部材を作動させ、ロック阻止手段をロック可能位置へ移動させ、前記タングプレートと前記バックルとの係合が解除されると、ロック阻止手段をロック阻止位置へ移動させる制御部と、
を備えるシートベルト装置。
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2008
- 2008-05-22 JP JP2008134851A patent/JP2009280107A/ja active Pending
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