JP2009280073A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラックエンド付近でアシストを制限するとともに衝撃を作用させないようにした電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【解決手段】操向ハンドル3からの入力により生じる操舵トルクに応じて、電動機4が補助トルクを発生し、補助トルクを前輪1L,1Rのステアリング系に伝達する電動パワーステアリング装置100Aにおいて、操舵トルクを検出するトルクセンサ110と操向ハンドル3との間に、操向ハンドル3の左右への回転操作量を規制する第1プレート31、第2プレート33、第3プレート35を含む回転終端機構6Aを設け、転舵角がラックエンド角になっているときに、それ以上の操向ハンドルの切り増し操作をしても、トルクセンサ110には、操舵トルクを検出させないことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や車両のステアリング系に電動機による操舵補助力を付与するようにした電動パワーステアリング装置に関し、特にラックエンド(最大転舵角)付近でアシストを制限するとともに、ラックエンドに衝撃を作用させないようにした電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置は、電動機が操舵トルクの大きさに応じた補助トルクを発生し、この補助トルクをステアリング系に伝達して、運転者が操舵する操舵力を軽減するものである。
一般的な電動パワーステアリング装置では、一定以上のステアリング用車輪の転舵を阻止するため、ラック軸にラックエンドが、ラック軸を収容するラックハウジング部にはハウジングエンドが設けられ、このラックエンドとハウジングエンドで構成するラックエンド機構によって、操向ハンドル(本発明の操作子に対応)を中立位置から左右にそれぞれ所定の角度まで操舵して、ステアリング用車輪の転舵角が最大転舵角(以下、ラックエンド角と称する)、即ち、終端に達すると、左右一方側のラックエンド機構においてラックエンドとハウジングエンドが当接して、それ以上は同方向にステアリング用車輪が転舵できないようになっている。
このため、操向ハンドルがラックエンド角近傍まで操舵され、ラックエンド角に到達すると、ステアリング用車輪を転舵できないので、運転者は更に大きな操舵トルクを入力する。この操舵トルクに応答して、電動機からステアリング機構に大きな操舵補助力が与えられることにより、ラックアンドピニオン式ステアリング系に大きな衝撃が加わって、大きな衝撃音を発生したり、特に、ラックアンドピニオン機構の構成部品で歯部や軸受け等の破損や変形等を生じたりする。そして、更に、電動機の慣性モーメントによる回転運動エネルギにより、電動機の回転がオーバーシュートし、大きな衝撃をラックアンドピニオンギアや軸受け等の構成部品に作用させ、破損や変形等を生じる。
このような問題を回避する装置として、例えば〔特許文献1〕に開示されているものがある。〔特許文献1〕に記載の装置では、操向ハンドルの操舵角(操作量)がラックエンド角近傍の所定角度に達した後、目標電流値を転舵角の増加に伴って減少させて行き、転舵角がラックエンド角に達したときに目標電流値を零にすることにより、ラックエンド機構に大きな衝撃が加わることを防止するようにしている。
ところで、〔特許文献1〕に記載の装置では、操向ハンドルがラックエンド角近傍で反対方向へ切り返された場合に、転舵角が所定角度以下になるまでの間、目標電流値に制限が加えられるため、操舵トルクに応じた十分な操舵補助力をステアリング系に与えることができず、操向ハンドルが重くなり、運転者が操作できる実質的なラックエンド角が小さくなり、機械的に設けられたラックエンド角まで操向ハンドルが切れなくなってしまう問題がある。
その対策として、〔特許文献1〕に記載の装置では、ラックエンド角付近の転舵角θ以上、且つモータ回転速度ωが設定値ω以上の場合に、操舵トルク値Tのゲインを下げるようになっている。
また、ラックエンド角付近の操舵角(操作量)以上、且つ切増し時の場合に、電動機角速度フィードバックのゲインを上げるようにしている。
特公平6−4417号公報 特開2006−248252号公報(段落[0038],[0047]参照)
しかしながら、〔特許文献2〕の技術では、左右の側の一方のラック軸のラックエンドとハウジングのハウジングエンドとが当接しているときに、運転者が操向ハンドルを更に切増し操作すると、この切増し分の大きな荷重がラックアンドピニオン機構に作用することと、トルクセンサが操舵トルクを検出して、モータに切増しの方向にアシストトルクを発生させることにより、既に当接しているラックエンドとハウジングエンドに更に強い力が加わることになる。また、モータ回転速度ωの絶対値が設定値|ω|より小さいときや、モータ回転速度ωが速い状態でラックエンドに突き当てると、電動機の慣性モーメントによる運動エネルギにより、電動機の回転がオーバーシュートし、ラックアンドピニオンギアや減速機構等の構成部品に大きな衝撃を発生させるという問題は解消されない。そのため、ラックエンドとハウジングエンドが当接状態で更に切増し操作がされても、その負荷によりステアリング系の機械的な健全性に問題を生じないように、モータや、減速機構(ウォームギア、ウォームホイールギア)や、ラックギアや、ピニオンギアや軸受けや、ハウジング等の強度を増す必要がある。また、モータに過負荷が掛かって、コイルが焼き切れる可能性がある。
そこで、本発明は、前記問題を解決するため、ラックエンド付近でアシストを制限するとともに衝撃を作用させない電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、少なくとも、操作子からの入力により生じる操舵トルクに応じて、電動機が補助トルクを発生し、補助トルクを前輪のステアリング系に伝達する電動パワーステアリング装置において、操舵トルクを検出するトルクセンサと操作子との間に、操作子の動作終端を形成する回転終端機構が設けられており、回転終端機構は、その回転中心部に設けた孔に操作子の回転をトルクセンサに伝える入力軸が挿通されて固定される第1の円盤と、その回転中心部に設けた孔に入力軸が相対的に回転可能に挿通され、且つ、電動パワーステアリングを収容するケースに固定される第2の円盤と、第1の円盤と第2の円盤との間に配置され、その回転中心部に設けた孔に入力軸が相対的に回転可能に挿通され、且つ、ケースに対しても相対回転可能な第3の円盤と、を備え、第3の円盤と、第1及び第2の円盤との間で、所定の回転角度範囲の回転を許容する嵌合構造を構成することを特徴とする。
請求項1に係る電動パワーステアリング装置によれば、操作子が動作終端に達したときには、回転終端機構が動作終端において操作子によるそれ以上の操作を阻止するので、操作子からラックアンドピニオン機構にそれ以上の操舵トルクが伝達されないとともに、トルクセンサはそれ以上の電動機による補助トルクをその阻止された方向に発生するような信号を検出できない。更に、電動機の回転がオーバーシュートしても、トルクセンサの検出する検出トルクを減少させる方向に作用させ、補助トルクを減少させることができる。
特に、第3の円盤と、第1及び第2の円盤との間に所定の回転角度範囲の回転を許容する嵌合構造を構成するので、左右にそれぞれ、例えば、180°を超える操向ハンドル(操作子)の操作量を設定できる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、第3の円盤は、第1及び第2の円盤との間に2枚以上備えられ、第3の円盤同士の間にも嵌合構造を構成することを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、第1及び第2の円盤との間に第3の円盤を複数枚配置できるので、回転終端機構は運転者に従来と同じ操向ハンドル(操作子)における左右の操舵角(操作量)範囲を与えることができる。
この回転終端機構では、第3の円盤の枚数と嵌合構造における所定の回転角度範囲の設定の2つの自由度があり、ラックエンド角に対応する操向ハンドル(操作子)の操作量を変更でき、さまざまな車種に対応できる。
また、請求項3に係る発明は、請求項1又請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、嵌合構造は、第1、第2及び第3の円盤の内の隣接する2つの円盤同士の間の一方の面に、終端部を有する所定の周長の溝を形成し、他方の面に溝に嵌まり、溝内で周方向に摺動可能な突出部を設けたものであることを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、この嵌合構造は、操作子の回転軸と同軸に配置できる単純な構成なのでバランスの良い回転終端機構の搭載ができ、回転終端機構を小型化できる。
更に、請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置において、第1、第2及び第3の円盤の内の少なくとも1つが、入力軸の軸方向の互いの間隙によるガタツキを抑制する付勢手段を有することを特徴とする。
請求項4に係る発明によれば、第1、第2及び第3の円盤の入力軸の軸方向の互いのガタツキを抑制し、回転終端機構を構成する部品のガタツキを抑制することにより、部品の磨耗を抑制することができるとともに、部品が異音を発生して車室内の乗員に不快感を与えることもない。
また、請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置において、嵌合構造の突出部は、略円柱状であり、縦方向にスリットを有し、溝に嵌った状態で、入力軸の径方向に溝の両壁を押圧し、嵌合構造のガタツキを抑制することを特徴とする。
請求項5に係る発明によれば、嵌合構造のガタツキを抑制し、回転終端機構を構成する部品のガタツキを抑制することにより、部品の磨耗を抑制することができるとともに、部品が異音を発生して車室内の乗員に不快感を与えることもない。
請求項6に係る発明は、第1、第2、第3の円盤は、略同一形状であることを特徴とする。
請求項6に係る発明によれば、第1、第2、第3の円盤をそれぞれ別々に設計製作する必要がなくなり、設計工数の削減や1個当たりの製作コストを安くすることができる。更に前記第1、第2、第3の円盤組み付け時の角度の調整が不要になるばかりか、誤組立てを防止できる。
本発明によれば、操作子が動作終端に達したときには、回転終端機構が動作終端において操作子によるそれ以上の操作を阻止するので、操作子から例えば、ラックアンドピニオン機構にそれ以上の操舵トルクが伝達されないことと、トルクセンサはそれ以上の電動機による補助トルクをその阻止された方向に発生するような信号を検出できない。そして、電動機がオーバーシュートしてもトルクセンサの検出する検出トルクを減少させ補助トルクを減少させる方向に作用させることができる。
従って、前記した従来技術の場合のように、ラックエンドとハウジングエンドが当接した状態で、更に操作子により切増しされた場合や電動機の回転のオーバーシュートによる衝撃を考えて、ステアリング系の機械強度を不必要に増加させる必要は無くなり、軽量化できる。
更に、回転終端機構の角度設定の自由度が大きく、組立てが容易である。
《第1の実施形態》
本発明の第1の実施形態を図1から図13を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成図である。
図2は、図1におけるステアリングギアボックスのトルクセンサ及びピニオンギア近傍の側面図である。
電動パワーステアリング装置100Aは、図1に示すように操向ハンドル(操作子)3が設けられたハンドル軸3aと、シャフト3cと、入力軸3dとが、2つの自在継ぎ手3bによって連結され、入力軸3dは、トーションバー111を介してピニオン軸7と接続し、又、ピニオン軸7の下端部に設けられたピニオンギア7aは、車幅方向に往復運動可能なラック軸8のラックギア8aに噛合ってラックアンドピニオン機構を構成し、ラック軸8の両端は、タイロッド9,9を介して左右の前輪1L,1Rが連結されている。
ラック軸8は、ラックガイド51(図2参照)によってラックギア8aの反対側からピニオンギア7a側に押すように、且つ左右に摺動可能に支持され、更に圧縮ばね53(図2参照)を介して調整ボルト52(図2参照)にて付勢されることでラックギア8aをピニオンギア7aに押し付けるものである。符号54(図2参照)は調整ボルト52の緩み止めのロックナットを示す。
なお、入力軸3dからトーションバー111を経たピニオン軸7はその上部、中間部、下部を軸受3e,3f,3gを介してステアリングギアボックス10Aに支持されている。
ラック軸8の両端にはラックエンド8b,8bが設けられている。また、前記したステアリングギアボックス10Aのうち、ピニオンギア7a、ラック軸8、軸受3gを収容するラックハウジング部11Aの内部に、ラック軸8を軸方向に摺動自在に軸支する滑り軸受14を設け、更に左右端部にはハウジングエンド11a,11aが設けられている。
しかし、これらのラックエンド8b,8b及びハウジングエンド11a,11aは、従来のように最大転舵角を規制するために設けるものでは無く、ステアリングギアボックス10Aを単品で組み立てる際のラック軸8の移動のセンタを出すための位置決めのために必要なだけである。
従って、本実施形態においては、後記する第1プレート31、第2プレート33、第3プレート35を含む回転終端機構6Aが設定する左右一杯の操向ハンドル3の操作量(操舵角)において、最大転舵角(ラックエンド角)を規制しており、組み立て時の位置決めのためのラックエンド8bとラックハウジング11aとは、最大転舵角において当接しないように、余裕を取って設けてある。
以下に説明する本実施形態、後記する本実施形態の回転終端機構の変形例6B、6C、及び第2、第3の実施形態の説明において、「ラックエンド角」とは、回転終端機構が規定する最大転舵角のことを言う。
この構成により、電動パワーステアリング装置100Aは、操向ハンドル3の操作時に車両の進行方向を変えることができる。ここで、ラック軸8、ラックギア8a、タイロッド9、9は転舵機構を構成する。
また、電動パワーステアリング装置100Aは、操向ハンドル3による操舵力を軽減するための補助操舵力を供給する電動機4を備えており、この電動機4の出力軸に設けられたウォームギア5aが、ピニオン軸7に設けられたウォームホイールギア5bに噛合している。
すなわち、ウォームギア5aとウォームホイールギア5bとで減速機構5Aが構成されている。また、電動機4の回転子と電動機4に連結されているウォームギア5aとウォームホイールギア5bとピニオン軸7とラック軸8とラックギア8aとタイロッド9,9等により、ラックアンドピニオン式ステアリング系が構成されている。
電動機4は、複数の界磁コイルを備えた固定子(図示せず)とこの固定子の内部で回動する回転子(図示せず)からなる3相ブラシレスモータであり、電力を機械的動力(P=ω)に変換するものである。
ここで、ωは電動機4の角速度であり、Tは電動機4の発生トルクである。
ここで、操向ハンドル3に加えられる操舵トルクをTs、減速機構5Aを介して倍力された電動機4の発生トルクによりアシストするアシスト量Aの係数を、例えば、車両の速度(以下、車速と称する)VSの関数として変化するk(VS)とする。この場合、A=k(VS)×Tsであるから、ピニオン軸7に掛かるピニオントルクTpは、次式(1)のように表される。
Tp=Ts+A
=Ts+k(VS)×Ts ・・・・・・・(1)
これより、操舵トルクTsは、次式(2)のように表現される。
Ts=Tp/(1+k(VS)) ・・・・・・・(2)
したがって、操舵トルクTsは、ピニオントルクTp(負荷)の1/{1+k(VS)}倍に軽減される。例えば、車速VS=0のときにk(0)=2ならば、操舵トルクTsは、ピニオントルクTpの1/3の軽さに制御され、車速VS=100km/hのときに、k(100)=0ならば、操舵トルクTsは、ピニオントルクTpと等しくなり、マニュアルステアリングと同等のしっかりとした重さの操舵トルクの手応え感に制御される。すなわち、車速VSに応じて操舵トルクTsを制御することにより、低速走行時には軽やかに、高速走行時にはしっかりとした安定な操舵トルクの手応え感が付与される。
また、電動パワーステアリング装置100Aは、電動機4を駆動する電動機駆動回路23と、電動機4内のレゾルバ25と、ピニオン軸7に加えられるピニオントルクTpを検出するトルクセンサ110と、トルクセンサ110の出力を増幅する差動増幅回路21と、車速を検出する車速センサSと、トルクセンサ110に入力される操向ハンドル3の動きをラックエンドにおいて規制する回転終端機構6Aと、電動機4の駆動を制御する操舵制御ECU(Electric Control Unit)200とを備えている。
なお、トルクセンサ110はトーションバー111、スライダ115等を含んで構成されているが、詳細な説明は後記する。
電動機駆動回路23は、例えば、3相のFETブリッジ回路のような複数のスイッチング素子を備え、操舵制御ECU200からのDUTY(DUTY U、DUTY V、DUTY W)信号(図11参照)を用いて、矩形波電圧を生成し、電動機4を駆動するものである。
また、電動機駆動回路23は図示しないホール素子を用いて3相の電動機電流I(IU、IV、IW)を検出する機能を備えている。
レゾルバ25は、電動機4の電動機回転角θを検出し、角度信号θを出力するものであり、例えば、磁気抵抗変化を検出するセンサを周方向に等間隔の複数の凹凸部を設けた磁性回転体に近接させたものがある。
車速センサSは、車速を単位時間あたりのパルス数として検出するものであり、車速VSを示す車速信号を出力する。
(トルクセンサ)
次に図2から図4を参照しながらトルクセンサ110の構成について説明する。図3はトルクセンサの詳細な構成図であり、図2におけるA−A矢視断面図である。図4は操舵トルクが加わった状態におけるトルクセンサ110の上部遊動部112、下部遊動部113及びスライダ115の変位を説明する図であり、(a)はニュートラル状態を示し、(b)は左操舵トルクを掛けてピニオン軸が約30°左回転している状態を示し、(c)は右操舵トルクを掛けてピニオン軸が約30°右回転している状態を示す図である。
トルクセンサ110は、操向ハンドル3に加えられる操舵トルクTsの大きさと方向を検出するものであり、ラックハウジング部11A部の上にフランジ接続されたリッド部13Aの中に、入力軸3d、ピニオン軸7と一体に組み立てられて、軸受3e,3fとともに収容されている。
図2に示すようにトルクセンサ110は、軸受3e,3fと、入力軸3dとピニオン軸7との間に同軸に設けられた図示されない軸受により相対回転可能に支承されるとともに、入力軸3dとピニオン軸7がトーションバー111により接続されている。そして、トルクセンサ110は、トーションバー111でピニオン軸7と接続された入力軸3dの下端側の上部遊動部112と、ピニオン軸7の上端側の下部遊動部113と、上部遊動部112及び下部遊動部113のそれぞれの外周面に固定されたピン117A,117A,117B,117B(図3参照)と、スライダ115、と第1検出コイル114A及び第2検出コイル114Bとを含んで構成されている。
図3に示すように上部遊動部112は、対向する遊動片112a,112aを有している。下部遊動部113(図2参照)は、中心部にトーションバー111が配置され、その外周面との間で間隙を設けた中空部113aを有する厚肉の筒状体の形状であり、筒状体の側面が、対向する側面において薄肉となるように形成された薄肉周面部113b,113bと、薄肉でない残りの側面部分の突出周面部113c,113cとを有している。
図3に示すようにスライダ15の内側は、薄肉周面部113bの径方向外側に遊動片112aを重ねるように上部遊動部112(図2参照)と下部遊動部113(図2参照)が組み合わせられている。このとき上部遊動部112と下部遊動部113とは、薄肉周面部113bの外周面と遊動片112aの内周面とで間隙を有し、所定の相対回転角度、例えば、−5°〜+5°回動可能になっている。これ以上の相対回転に対しては、遊動片112aの周方向端部と突出周面部113cの周方向端部とが当接してそれ以上トーションバー111が捩じれないようになっている。
なお、上部遊動部112の遊動片112aの外周面の径と、下部遊動部113の突出周面部113cの外周面の径は同じである。上部遊動部112及び下部遊動部113の外周面に摺動可能に筒状体のスライダ115がかぶさる。スライダ115には、ピン117A,117Aが挿通する軸方向に縦長の長孔118A,118Aが対向して穿たれ、ピン117B,117Bが挿通する斜め長孔118B,118Bが対向して穿たれている。そして、ピン117A,117A,117B,117Bは、トーションバー111、上部遊動部112、下部遊動部113を組み合わせてから、長孔118A,118A及び斜め長孔118B,118Bそれぞれを通して、遊動片112a,112aに設けられたピン孔及び突出周面部113c,113cに設けられたピン孔に圧入して組み立てる。
スライダ115は、磁性コア材でできている。図2に示すようにスライダ115の外周面に対向するようにリッド部13Aの内周面に固定され、ヨーク材で囲まれた第1の検出コイル114A、第2の検出コイル114Bが上下2段に配置されている。
ここで、ピン117A,117A,ピン117B,117B、長孔118A,118A、斜め長孔118B,118Bはカム機構を構成し、上部遊動部112と下部遊動部113とが捩じれると、図4に示すようにスライダ115は長孔118Aと斜め長孔118Bに誘導されて軸方向上下に移動する。
このような磁性体コアでできたスライダ115の上下方向の変位が、第1検出コイル114A、第2検出コイル114Bの周辺に磁束密度の変化を生じさせ、第1検出コイル114Aと第2検出コイル114Bのインダクタンスは一方が大きくなり、他方が小さくなるようにそれぞれ変化し、第1検出コイル114Aと第2検出コイル114Bは、それぞれ図5に示すようなトルク検出電圧VT1,VT2を出力する。
第1検出コイル114A、第2検出コイル114Bからのトルク検出電圧VT1,VT2は、差動増幅回路21で増幅され、トルク検出電圧(トルク信号)VT3を操舵制御ECU200に出力する。
(回転終端機構)
次に図6から図10を参照しながら適宜図1、図2を参照して、ステアリング用車輪の転舵角が最大転舵角に達するラックエンド角において操向ハンドル3の動きを規制する回転終端機構6Aについて説明する。図6は本実施形態における回転終端機構の模式的な部品構成図であり、第1プレートから第3プレートの3枚の円盤と、それを挿通する入力軸との組み合わせ斜視図である。図7は、回転終端機構を構成する第1プレートから第3プレートの3枚の円盤を斜め下から見た斜視図である。図8の(a)は、第2プレートの下面側を示す平面図であり、(b)は、第3プレートの下面側を示す平面図であり、図9は、図8の(a)におけるB−B矢視断面図である。
図10は本実施形態における回転終端機構の第1プレート、第2プレート及び第3プレートの回転位置を説明する上方から見た模式的な平面図であり、(a)は、目一杯の左操舵状態(「左ラックエンド」の状態)を示し、(b)は操向ハンドルが左右に対してニュートラル位置に有る場合を示し、(c)は、目一杯の右操舵状態(「右ラックエンド」の状態)を示している。
回転終端機構6A(図2参照)は、第1プレート31、第2プレート33、第3プレート35、入力軸3dのセレーション部129、及びリッド部13Aの内周面に設けられたセレーション部128(図2参照)から構成されている。
ここで、第1プレート31は請求項に記載の「第1の円盤」を、第2プレート33は請求項に記載の「第3の円盤」を、第3プレート35は請求項に記載の「第2の円盤」を構成する。
図1に示すように回転終端機構6Aは入力軸3dの軸方向位置において、トルクセンサ110の設けられている位置よりも操向ハンドル3側に配置され、図6に示すように入力軸3dがその上端から、3枚の円盤形状の第1プレート31、第2プレート33、第3プレート35にその順に、それぞれの回転中心部に穿かれた孔31a,33a,35aを通して挿通される。第1プレート31、第2プレート33、第3プレート35は、例えば、硬質のエンジニアリングプラスチックで構成されている。
第1プレート31にはボス部31c(図6及び図7参照)が一体的に形成され、その孔31aの内周面にはセレーション31bが刻まれ、図6に示す上部遊動部112の上方の入力軸3dの外周に設けられた位置決め突出部134のすぐ上に刻まれたセレーション部129に圧入されて固定される。第1プレート31の上面には、図6に示すように縦方向のスリット131が形成された略円柱形状の突出部31dが一体に設けられている。このスリット131は、略円柱形状の突出部31dを第1プレート31の外周方向に沿って半円柱に割り、突出部31dの第1プレート31径方向の外形を広げるように形成され、溝33bに嵌合された際の隙間(ガタ)を除去している。
ちなみに、突出部31dの上端は、図示省略してあるが、溝33bにはめ込み易いようにチャンファを取ってある。
第1プレート31の上には第2プレート33が重ねられるが、孔33aの内径は入力軸3dの回転終端機構設置領域127のセレーション部129より上の外径よりやや大きく、第2プレート33は入力軸3dのセレーション部129より上の外周面と摺接して相対的に回動可能となっている。第2プレート33の下面には、図7に示すように溝終端部137,139を有する溝33bが形成されており、この溝33bに前記した突出部31dが嵌り、突出部31dと溝33bとで請求項に記載の嵌合構造を構成している。
また、第2プレート33の下面側には、図8の(a)に示すように前記溝終端部137,139の間の溝33bが形成されていない部分に、略径方向外方側に伸びる切り欠き133,133で区切られた外周端側において、下方側に突出した凸部135を有した、平面形状が略四角形の片持ち梁状の切片(付勢手段)33eを形成してある。
なお、切片33eの背面側は図9に示すように空洞136になっており、凸部135が第1プレート31の上面と当接して、切片33eが空洞136側に弾性的に撓んで、入力軸3dの軸方向の押圧力を発生するようになっている。
更に、第2プレート33の前記した切片33eを設けた周方向位置の上面側に、突出部31d同様にスリット131が形成された略円柱形状の突出部33cが一体に設けられている。突出部33cの形状は前記した突出部31dの形状と同じであり、このスリット131は、略円柱形状の突出部33cを第2プレート33の外周方向に沿って半円柱に割り、突出部33cの第2プレート33径方向の外形を広げるように形成され、溝35cに嵌合された際の隙間(ガタ)を除去している。
ちなみに、突出部33cの上端は、図示省略してあるが、溝35cにはめ込み易いようにチャンファを取ってある。
第2プレート33の上には第3プレート35が重ねられるが、孔35aの内径は入力軸3dの回転終端機構設置領域127のセレーション部129より上の外径よりやや大きく、第3プレート35は入力軸3dのセレーション部129より上の外周面と摺接して相対的に回動可能となっている。第3プレート35の下面には、図7に示すように溝終端部137,139を有する溝35cが形成されており、この溝35cに前記した突出部33cが嵌り、突出部33cと溝35cとで請求項に記載の嵌合構造を構成している。
第3プレート35の外周には、セレーション35bが刻まれ、図2に示すように電動パワーステアリング100Aのケースの一部であるトルクセンサ110を収容するケースのリッド部13Aの上部の軸受3eを保持するくびれ部直下の内周面に形成されたセレーション部128に圧入され、固定される(図2参照)。
ちなみに、突出部31d及び突出部33cの形状、つまり、外径及び高さは互いの間で同一であり、又、溝33b及び溝35cの形状、つまり、溝の幅、溝の深さ、溝の周方向長さは互いの間で同一である。
回転終端機構6Aを組み立てるときには、先ず、第3プレート35を所定の方向に合わせて、例えば、図10に示すように溝35cが設けられていない周方向部分を前方側に向けて、リッド部13Aのセレーション部128(図2参照)に圧入して固定しておき、第1プレート31を所定の方向、例えば、図10の(b)に示すように突出部31dが前方側に向くように合わせて、入力軸3dのセレーション部129に圧入し、更に、第2プレート33を入力軸3dに挿通させ、且つ、突出部31dが溝33bに嵌った状態で、リッド部13A(図1参照)の下側開口から第2プレート33、第1プレート31を装着した入力軸3dを挿入して、突出部33cを溝35cに嵌めて、組み立てる。
そして、リッド部13Aの内部にある入力軸3d、回転終端機構6A、トルクセンサ110、ウォームホィールギア5b、ピニオンギア7aまでを一式組立てたサブ組立て品を、ラック軸8のセンタ位置にあわせて挿入し、ラックハウジング部11Aに固定する。その際に回転終端機構6Aのセンタ位置とラック軸8のセンタ位置を合わせることが重要であり、回転終端機構の組立て時の角度誤差は気にする必要がない。
なお、第1検出コイル114A、第2検出コイル114Bは、第1プレート31及び第2プレート33を入力軸3dに装着する前にスライダ115の外側にトルクセンサ110部分の図示しない軸受けとともに嵌め込み、第1プレート31及び第2プレート33とともにリッド部13Aの内部に挿入し、冶具を使って第1検出コイル114A、第2検出コイル114Bは軸方向位置決めをして、例えば、リッド部13Aの壁を貫通する図示省略のシール付きのビスを外周側からねじ込んでリッド部13Aの内周面に固定する(図2参照)。
ちなみに、図6、図7及び図9に示すように、第1プレート31の突出部31dのスリット131を挟んだ半円柱形状の両片は、第1プレート31の径方向外方側及び径方向内方側にやや開くように形成され、突出部31dの外周面と、溝33bの径方向外方側の壁及び径方向内方側の壁とは、弾性的に若干の押圧力が互いに発生するようになっている。
この結果、隣り合う第1プレート31と第2プレート33とは、突出部31dが溝33b内で周方向に所定の角度範囲“a”(図8の(a)参照)、例えば、300°の範囲で周方向に摺動して相対的に回動可能であり、且つ、車両の振動等のより第1プレート31と第2プレート33が前記嵌合構造の部分でがたついて異音を発したり、突出部31dが振動接触により磨耗したりすることを防止できる。
第2プレート33の突出部33cのスリット131を挟んだ半円柱形状の両片も同様に、第2プレート33の径方向外方側及び径方向内方側にやや開くように形成され、突出部33cの外周面と、溝35cの径方向外方側の壁及び径方向内方側の壁とは、弾性的に若干の押圧力が互いに発生し、与圧するようになっている。
この結果、隣り合う第2プレート33と第3プレート35とは、突出部33cが溝35c内で周方向に所定の角度範囲“b”(図8の(b)参照)、例えば、300°の範囲で周方向に摺動して相対的に回動可能であり、且つ、車両の振動等により第2プレート33と第3プレート35が前記嵌合構造の部分でがたついて異音を発したり、突出部33cが振動接触により磨耗したりすることを防止できる。
また、第2プレート33の凸部135が第1プレート31の上面と当接し、切片33eが空洞136側に弾性的に撓んで、入力軸3dの軸方向に第1プレート31及び第3プレート35を押す押圧力を発生するようになっているので、前記したようにリッド部13A内に回転終端機構6Aを組み込んだ状態で、切片33eが軸方向の付勢力を発生し、車両の振動等により第1プレート31と第3プレート35との間で第2プレート33が、軸方向にがたついて異音を発したりすることを防止できる。
図10の(a)に示すように、ラック軸8が目一杯の左操舵により、仮に従来の構成におけるようにラックエンド8bとハウジングエンド11aが当接した「左ラックエンド」の状態においては、第1プレート31の突出部31dは、周方向に反時計回りに第2プレート33の溝終端部137に当接し、第2プレート33の突出部33cは、周方向に反時計回りに第3プレート35の溝終端部137に当接するまで、つまり、操向ハンドル3をニュートラルの位置から左300°まで回転可能であり、これ以上左に回しても、それ以上の回転や操作力がトーションバー111に伝わらない。即ち、操向ハンドル3からラックアンドピニオン機構にそれ以上の操舵トルクが伝達されない。
更に、前輪1L,1Rからの負荷トルクをTとすると、路面からの負荷トルクTの反力が操向ハンドル3に掛かっている場合は、トルクセンサ110にはトルクは検出されるが、それ以上操向ハンドル3から操舵トルクを入力しても、それ以上のトルクは検出されない。また、氷上のように路面から負荷トルクTが無いくらい小さい場合は、終端であってもトルクは検出されない。特に、本実施形態ではラックエンド8bとハウジングエンド11aがラック軸8の組み立て時の位置決めのために用意されているものであり、回転終端機構6Aが規制する左右目一杯の操向ハンドル3の操舵角(操作量)において、ラックエンド8bとハウジングエンド11aが当接しないように若干の余裕を持って設定してあるので、電動機4の回転がオーバーシュートしても、トルクセンサ110の検出する操舵トルクTsを減少させる方向に作用し、電動機4の操舵補助力を減少させる。
図10の(b)に示すように、操向ハンドル3がニュートラル位置の場合、第1プレート31の突出部31dは前方に向いているのに対し、第2プレート33の突出部33cは、後方を向いた状態を中心にして時計回り及び反時計回りに150°の範囲で任意の位置に位置できる。
図10の(c)に示すように、逆にラック軸8が目一杯の右操舵により、仮に従来の構成におけるようにラックエンド8bとハウジングエンド11aが当接した「右ラックエンド」の状態においては、第1プレート31の突出部31dは、周方向に時計回りに第2プレート33の溝終端部139に当接し、同時に第2プレート33の突出部33cは、周方向に時計回りに第3プレート35の溝終端部139に当接するまで、つまり、操向ハンドル3をニュートラルの位置から右300°まで回転可能であり、操向ハンドル3をこれ以上右に回しても、それ以上の回転や操作力がトーションバー111に伝わらない。前記目一杯の左操舵の場合と同様にラックエンド8bとハウジングエンド11aが当接しないように若干の余裕を持って設定してあるので、電動機4の回転がオーバーシュートしても、トルクセンサ110の検出する操舵トルクTsを減少させる方向に作用する。
なお、図10の(a),(b),(c)においては、トーションバー111の捩じれ量が小さい場合を想定して説明している。
(操舵制御ECU)
次に図11、図12を参照しながら適宜図1を参照して操舵制御ECUについて説明する。図11は操舵制御ECUの機能ブロック図であり、図12の(a)はベース信号演算部における入力であるトルク信号に対して出力するベース信号の関係を示すデータテーブルであり、(b)はダンパ補償信号演算部における入力である電動機の回転速度に対して出力する補償信号の関係を示すデータテーブルである。
操舵制御ECU200は、CPU,ROM,RAM等を備えるマイクロコンピュータ及びプログラムからなり、図11の機能ブロック図に記載される機能を実現する。
操舵制御ECU200は、ベース信号演算部220と、イナーシャ補償信号演算部210と、ダンパ補償信号演算部225と、Q軸(トルク軸)PI制御部240と、D軸(磁極軸)PI制御部245と、2軸3相変換部260と、PWM変換部270と、3相2軸変換部265と、電動機速度算出部280と、励磁電流生成部285とを備える。
3相2軸変換部265は、電動機駆動回路23(図1参照)が検出する、電動機4の3相電流IU,IV,IWを、電動機4の回転子の磁極軸であるD軸と、このD軸に対して電気的に90度回転した軸であるQ軸との2軸に変換するものであり、Q軸電流IQは電動機4の発生トルクTに比例し、D軸電流IDは励磁電流に比例する。電動機速度算出部280は、角度信号θを微分演算して角速度信号ωを生成する。励磁電流生成部285は、電動機4の励磁電流「0」の目標信号を生成するが、必要に応じD軸電流とQ軸電流とを略等しくする等の制御を実施することにより、弱め界磁制御を行い、転舵追従性を向上させることができる。
ベース信号演算部220は、トルク信号VT3と車速VSを示す車速信号とから出力トルクT’の目標信号IMの基準となるベース信号Dを生成する。この信号生成は、予め実験測定等によって設定されたべーステーブル220aをトルク信号VT3と車速VSを示す車速信号とで参照することによって行われ、図12の(a)にべーステーブル220aに格納されているベース信号Dの特性を示す。ベース信号演算部220は、トルク信号VT3の値が小さいときはベース信号Dがゼロに設定される不感帯N1が設けられ、トルク信号VT3の値がこの不感帯N1よりも大きくなるとゲインG1で直線的に増加する特性を備えている。また、ベース信号演算部220は、所定のトルク値で出力はゲインG2で増加し、さらにトルク値が増加すると出力が飽和する特性を備えている。
また、一般に車両は、走行速度に応じて路面の負荷(路面反力)が異なるため、車速VSを示す車速信号によりゲインが調整される。車速ゼロの据え切り操作時が最も負荷が重く中低速では比較的負荷が軽くなる。このため、ベース信号演算部220は、車速VSが大きく高速になるにしたがってゲイン(G1,G2)を低く、且つ、不感帯N1を大きく設定して、マニュアルステアリング領域を大きくとって路面情報を運転者に与える。すなわち、車速VSの増大に応じてしっかりとした操舵トルクTsの手応え感が付与される。このとき、マニュアルステアリング領域においてもイナーシャ補償がなされることが必要である。
図11に戻り、ダンパ補償信号演算部225は、車両が高速走行時に収斂性が低下する際にこれを補償するステアリングダンパ機能を有するために設けられるものであり、角速度信号ωがダンパテーブル225aを参照することによって、ダンパ補償値Iが求められる。図12の(b)に、ダンパテーブル225aの補償値Iを求めるための特性関数を示が、電動機4の回転速度ωが増加するほど補償値Iが直線的に増加し、所定速度で補償値が急激に増加する特性を備えている。
また、車速VSの値が高いほど、ゲインを大きくして電動機4の回転速度、すなわち、操舵速度(操舵回転速度)に応じて電動機4の出力トルクT’を減衰させている。
言い換えれば、操向ハンドル3を切るときには、電動機4の電流を減じ、逆に戻すときには電動機4に大きな電流が供給される。例えば、操向ハンドル3を戻す際に電動機4の回転速度が速くなると、電動機4の慣性によって直ぐには回転速度が低下しないので、この現象を回避するために、ダンパ補償信号演算部225は、電動機4の電流を増大させて供給し、操向ハンドル3の戻り時の回転速度を抑制制御している。
分かり易く言うと、切り増し時には、操向ハンドル3の回転速度が高くなるに従って、電動機4への電流を小さくして操向ハンドル3の操舵感を重く切りづらくし、操向ハンドル3の戻し時には電動機4への電流を大きくして戻りづらくしている。このステアリングダンパ効果により、操向ハンドル3の収斂性を向上させ、車両の旋回運動特性を安定化させることができる。
再び図11に戻り、加算器251は、操向ハンドル3を切っているときは、ベース信号演算部220の出力信号Dからダンパ補償信号演算部225の出力信号を減算するものであり、逆に操向ハンドル3を戻すときにはダンパ補償信号演算部225の出力信号を加算する。加算器250は、加算器251の出力信号とイナーシャ補償信号演算部210の出力信号とを加算するものである。なお、ベース信号演算部220とダンパ補償信号演算部225と加算器251とで基本的なアシスト制御が行われる。
イナーシャ補償信号演算部210は、ステアリング系の慣性による影響を補償するものであり、トルク信号VT3がイナーシャテーブル210aを参照することによって演算される。
また、イナーシャ補償信号演算部210は、電動機4の回転子の慣性による応答性の低下を補償している。言い換えれば、電動機4は正回転から逆回転に、又は、逆回転から正回転に回転方向を切り替える際、慣性によってその状態を持続させようとするので直ぐには回転方向が切り替わらない。そこで、イナーシャ補償信号演算部210は、電動機4の回転方向の切り替わりが操向ハンドル3の回転方向が切り替わるタイミングに一致するように制御している。このようにして、イナーシャ補償信号演算部210は、ステアリング系の慣性(や粘性)による操舵の応答遅れを改善してすっきりした操舵感を付与している。
また、FF(Front engine Front wheel drive)やFR(Front engine Rear wheel drive)車、RV(Recreation Vehicle)やセダン等の車両特性や車速、路面等の車両状態によって異なる操舵特性に対して、実用上十分な特性が付与される。
加算器250の出力信号IMは、電動機4のトルクを規定するQ軸電流の目標信号であり、加算器252は出力信号IMからQ軸電流IQを減算し、偏差信号IEを生成する。Q軸(トルク軸)PI制御部240は、偏差信号IEが減少するように、P(比例)制御及びI(積分)制御を行う。加算器253は、励磁電流生成部285の出力信号からD軸電流IDを減算するものである。D軸(磁極軸)PI制御部245は、加算器253の出力信号が減少するようにPI帰還制御を行う。
2軸3相変換部260は、Q軸(トルク軸)PI制御部240の出力信号VQとD軸(磁極軸)PI制御部245の出力信号VDとの2軸信号を3相信号UU,UV,UWに変換する。PWM変換部270は、3相信号UU,UV,UWの大きさに比例したパルス幅のON/OFF信号[PWM(Pulse Width Modulation)信号]であるDUTY信号(DUTY U,DUTY V,DUTY W)を生成する。
なお、2軸3相変換部260、及び、PWM変換部270は、電動機4の角度信号θが入力され、回転子の磁極位置に応じた信号が出力される。
(回転終端機構の作用、効果)
次に、図1、図10及び図13を参照しながら本実施形態における回転終端機構6Aの作用、効果について説明する。
ラック軸8とラックハウジング部11Aとの位置関係が、図1において、仮に回転終端機構6Aが無く、更にラックハウジング部11Aの右端のハウジングエンド11aとラック軸8のラックエンド8bとが係合接触、又は逆にラックハウジング部11Aの左端のハウジングエンド11aとラック軸8のラックエンド8bとが係合接触しているときに、更に右、又は左に操向ハンドル3を回動すると、従来の電動パワーステアリング装置では、前輪1L、1Rからの負荷よりも大きな負担がピニオン軸7からラック軸8に加えられる。
これには、次のような2つの理由がある。
ラック軸8とラックハウジング部11Aとの位置関係が終端、つまり、左右いずれかに目一杯前輪1L,1Rを切った状態でない場合には、前輪1L,1Rからの負荷トルクをTとすると、操舵トルクTsとアシスト量AとピニオントルクTpとの間には、次式のような関係にある。
Ts+A=Tp=T ・・・・・(3)
しかし、左右いずれかに目一杯前輪1L,1Rを切った状態で、ラックエンド8bとハウジングエンド11aが当接している状態で、更にその方向に運転者が操向ハンドル3に操作力を加えている(切り増ししている)場合は、前輪1L,1Rから加わる負荷トルクTは、それ以上増加しないにも拘わらず、操向ハンドル3からラックアンドピニオン機構にそれ以上の操舵トルクが伝達される。同時にトーションバー111がより大きく捩じられ、トルクセンサ110において操舵トルクTsは大きく検出され、操舵制御ECU200では、電動機4に電流値を増大させる指令を電動機駆動回路23に出力する。そして、アシスト量Aが増大しても操舵トルクTsは減少しないので、ピニオンギア7a、ラックギア8aを経て、ラック軸8に負荷トルクTよりも大きいトルクが加えられる。
Ts+A=Tp>T ・・・・・(4)
そのような場合、電動機4、ウォームギア5a、ウォームホイールギア5b、ピニオンギア7a、ラックギア8a、軸受3e,3f,3gやラックエンド8b、ラックハウジング部11Aに、ラックエンド角に至っていない通常時の負荷の約1.3倍の負荷が掛かる。
また、ラックエンド8bとハウジングエンド11aが当接した瞬間を考える。ここで電動機4の回転角速度をω、回転慣性モーメントをIとすると、電動機4には次式のように運動エネルギEが蓄えられている。
=(1/2)・I・ω ・・・・・(5)
この運動エネルギがウォームギア5a、ウォームホイールギア5b、ピニオンギア7a、ラックギア8a、軸受3e,3f,3gやラックエンド8b、ハウジングエンド11a等の弾性変形により吸収され、そのときの衝撃負荷は、ラックエンド角に至っていない通常負荷の1.5倍程度に高くなる。
これら、アシスト量Aと操舵トルクTsや衝撃負荷により、電動機4、ウォームギア5a、ウォームホイールギア5b、ピニオンギア7a、ラックギア8a、軸受3e,3f,3gやラックエンド8b、ラックハウジング部11Aに通常の負荷の約2倍の負荷が掛かり、これらの構成部品の耐久性を確保するには、従来、軸受のサイズを大きくしたり、ギアのモジュールを大きくしてサイズを大きくしたり、ラックハウジング部11Aの肉厚を厚くしたり、補強リブを設ける等、構成部品の重さが大きくなる問題があった。電気関係では、電動機駆動回路23や電動機4が過負荷になって焼き切れる可能性があった。
しかし、本実施形態によれば、位置決め用のラックエンド8bとハウジングエンド11aが当接する前に、回転終端機構6Aにおいて既に入力軸3dがそれ以上切り増しできないように、突出部31d,33cがそれぞれ摺動可能に嵌まっている溝33b,35cの溝終端部137又は溝終端部139に当接しており、それ以上の操向ハンドル3からの切り増しの操作力はトーションバー111には伝わらないので操向ハンドル3からラックアンドピニオン機構にそれ以上の操舵トルクが伝達されない。そして、同時にトーションバー111も負荷トルクTによる捩じれ以上の捩じれを生じないので、操舵トルクTsとアシスト量AとピニオントルクTpと負荷トルクをTとの間には、式(3)の関係が保たれ、切り増しによる電動機4からの更なるアシスト量Aは発生しない。そればかりか、位置決め用のラックエンド8bとハウジングエンド11aとは、最大転舵角(ラックエンド角)よりも余裕をとって設けてあるので、電動機4の回転がオーバーシュートすれば、トルクセンサ110の検出する操舵トルクTsを減少させ、アシスト量Aを減少させる。その結果次式(6)のようになる。
Ts+A=Tp<T ・・・・・(6)
となる
次に、操向ハンドル3をラックエンド角まで大きく切る操作の場合の転舵角及びトルク信号VT3の挙動を、図13を参照しながら説明する。
図13の(a)は操向ハンドルの操作量の時間推移を示す図であり、(b)はトルクセンサから出力されるトルク信号VT3の時間推移を示す図であり、(c)は実際の前輪の転舵角の変化の時間推移を示す図である。
図13の(a)に示すように大きく操向ハンドル3を切って、ラックエンド角近くまで操作すると、本実施形態の場合の曲線x1に示すように、ラックエンド8bとハウジングエンド11aが当接する前にトーションバー111は捩じれており、時間t1において回転終端機構6Aにより操向ハンドル3の操作量増加が阻止される。 そして(b)の曲線y1に示すように、時間t1までは操向ハンドル3の操作量の大きな変化によりトルク信号は時間t1まで増加を続けるが、時間t1において操向ハンドル3の操作量の増加がゼロとなるので、トルク信号の増加は止まり、操向ハンドル3からラックアンドピニオン機構にそれ以上の操舵トルクが伝達されない。そして(c)の曲線z1に示すように前輪lL,1Rの転舵角は、ラックエンド角より若干オーバーシュートする。このオーバーシュートにより(b)の曲線y1に示すようにトルク信号VT3は減少する。このオーバーシュートは電動機4の慣性モーメントによる運動エネルギの結果発生するものである。
これに対し、従来技術では、図13の(c)に曲線z2で示すように、ラックエンド8bとハウジングエンド11aが当接するので、転舵角の変化(増大)が阻止される。しかし(a)の曲線x2のように操向ハンドル3の操作量は運転者の操向ハンドル3の操作によるハンドル慣性モーメントの影響で増大し、そして収斂する。
このとき、(b)の曲線y2に示すようにラックエンド角においてトルク信号VT3は一時的に急上昇するとともに、電動機4の慣性モーメントによる運動エネルギが衝撃力をギア類(ウォームギア5a,ウォームホイールギア5b、ラックギア8a、ピニオンギア7a等)に発生させる。
従って、従来は(c)の曲線z2に示すようにラックエンド角においてラックエンド8bとハウジングエンド11aとの衝突が生じるとともに、(b)に示すようにトルク信号VT3が更に増大し、しかも電動機4の運動エネルギによる衝撃が作用している。
本実施形態によれば前記したように、操向ハンドル3のラックエンド角近傍における切り増し操作の際や、ラックエンド角までの大きな切り回し操作において、ラックエンド8bとハウジングエンド11aとの衝突が回避できるので、ピニオントルクTpはラックエンド角に至っていない通常時の際のピニオントルクTpと同程度以下に低減できる。
従って、電動機4、ウォームギア5a、ウォームホイールギア5b、ピニオンギア7a、ラックギア8a、軸受3e,3f,3gやラックエンド8b、ラックハウジング部11Aの設計上想定すべき負荷を低減でき、従来これらの構成部品の耐久性を確保するために、軸受のサイズを大きくしたり、ギアのモジュールを大きくしてサイズを大きくしたり、ラックハウジング部11Aの肉厚を厚くしたり、補強リブを設ける等、構成部品の重さが大きくなる問題が解消され、構成部品を小型、軽量化でき、車両への搭載性、特に小型車両への搭載性が向上する。
また、ラックエンドの状態での更なる切り増し操作をしても電動機駆動回路23や電動機4が焼き切れないように、電流容量に余裕を持たせる必要があったが、それが緩和され、電動機4を軽量化できる。
また、それぞれエンジニアリングプラスチックで一体的に成型された第1プレート31、第2プレート33を、入力軸3dに重ねて装着し、リッド部13Aのセレーション部128に固定された第3プレート35に組み合わせるという簡単な構成であり、回転終端機構6Aを組み立て易い。
《回転終端機構の変形例》
本発明における回転終端機構は前記実施形態におけるものに限定されるものではなく、例えば、以下のような種々の変形が可能である。
(第1の変形例)
次に回転終端機構の第1の変形例について図14を参照しながら、適宜図1を参照して説明する。
図14は、本変形例の回転終端機構の第1プレートから第3プレートとの軸方向配置を説明する図であり、斜め下方から見た斜視図である。本変形例の回転終端機構6Bは、第1の実施形態における回転終端機構6Aと異なり、第1プレート31と第3プレート35との間に配置される第2プレート33が2枚になっている。他の構成は第1の実施形態と同じ構成であり、同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本変形例では、図14における下側の第2プレート33の突出部33cは、その上に位置する第2プレート33の下面側の溝33bに摺動可能に嵌合し、下側の第2プレート33の突出部33cと上側の第2プレート33の溝33bも請求項に記載の嵌合構造を形成している。
本変形例の回転終端機構6Bによれば、第1プレート31と下側の第2プレート33との間に構成された嵌合構造における許容回転角度範囲300°、下側の第2プレート33と上側の第2プレート33との間に構成された嵌合構造における許容回転角度範囲300°、上側の第2プレート33と第3プレート35との間に構成された嵌合構造における許容回転角度範囲300°を合わせて、左ラックエンド状態から右ラックエンド状態までの操向ハンドル3の許容回転角度範囲は900°とすることができ、ニュートラル状態から左右のラックエンドの状態まで、それぞれ許容回転角度範囲を450°に設定できる。つまり、ラックエンド角に対応する操向ハンドル3の操作量を回転終端機構6Aよりも拡大変更できる。また、操向ハンドル3の操作量を回転終端機構6Aよりも拡大変更するときに、単に第2プレート33の枚数を増やすだけで容易にでき、ギア等の減速手段を用いた操作量拡大方法よりも簡単な構成であり、組み立て易い。
本変形例においても、第1の実施形態と同様に、既にラック軸8がラックエンド状態から運転者が更に操向ハンドル3を切り増し操作しても、回転終端機構6Bに回転操作が阻止され、切り増しの操作力はトーションバー111には伝わらない。そして、操舵トルクTsとアシスト量AとピニオントルクTpと負荷トルクをTとの間には、式(3)や式(6)の関係が保たれ、切り増しによる電動機4からの更なるアシスト量Aや操舵トルクTsは発生しない。
また、ラックエンド状態に到るような大きな切り回し操作においても、従来のようにラックエンド角を規制するラックエンド8bとハウジングエンド11aとを有しないので衝突は回避される。
従って、電動機4、ウォームギア5a、ウォームホイールギア5b、ピニオンギア7a、ラックギア8a、軸受3e,3f,3gやラックエンド8b、ラックハウジング部11Aの設計上想定すべき負荷を低減でき、従来これらの構成部品の耐久性を確保するために、軸受のサイズを大きくしたり、ギアのモジュールを大きくしてサイズを大きくしたり、ラックハウジング部11Aの肉厚を厚くしたり、補強リブを設ける等、構成部品の重さが大きくなる問題が解消され、構成部品を小型、軽量化でき、車両への搭載性、特に小型車両への搭載性が向上する。また、電流容量に余裕ができ電動機4を軽量化できる。
なお、第1の変形例における第2プレート33の枚数は2枚に限定されるものではなく、それ以上の枚数としても良い。
例えば、第2プレート33の枚数を3枚とし、第2プレート33の溝33b及び第3プレート35の溝35cの周方向長さを調整して、隣接する第1プレート31及び第2プレート33との間の嵌合構造、隣接する第2プレート33同士の間の嵌合構造嵌合、隣接する第2プレート33及び第3プレート35との間の嵌合構造における許容回転角度範囲を全て同じ270°とすると、左ラックエンドの状態から右ラックエンドの状態までで合計1080°の許容回転角度範囲を確保でき、つまり、ニュートラル状態から左右にそれぞれ270°の操向ハンドル3の操作量を確保できる。
(第2の変形例)
次に、図15、図16を参照しながら、適宜図6を参照して第2の変形例の回転終端機構について説明する。図15は本変形例の回転終端機構を適用した図1におけるステアリングギアボックスのトルクセンサ及びピニオンギア近傍の側面図である。図16は、本変形例の回転終端機構の第1プレートから第3プレートとの軸方向配置を説明する図であり、斜め下方から見た斜視図である。
本変形例の回転終端機構6Cは、第1の変形例の回転終端機構6Bと異なり、図15に示すように4枚の円盤が下から第2プレート33A、2枚の第2プレート33、第2プレート33Bの順に配置されている。また、第1の変形例の回転終端機構6Bでは、最下段の第1プレート31が入力軸3dの外周面に固定され、最上段の第3プレート35がリッド部13Aの内周面に固定されていたが、本変形例では最下段の第2プレート33Aがリッド部13Aの内周面に固定され、最上段の第2プレート33Bが入力軸3dの外内周面に固定されている。
また、第1の変形例における入力軸3dの外周に設けられたセレーション部129(図6参照)は、本変形例では位置決め突出部134の直上ではなく、回転終端機構設置領域127の上端に設けられる。
他の構成は、第1の変形例と同じであり、同じ構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
ここで、第2プレート33Aは請求項に記載の「第2の円盤」を、第2プレート33は請求項に記載の「第3の円盤」を、第2プレート33Bは請求項に記載の「第1の円盤」を構成する。
更に詳しく、本変形例における第2プレート33Aと第2プレート33Bの構成について説明する。
第2プレート33Aは、図16に示すように第2プレート33の外周面にセレーション33dを刻んだだけであり、他は第2プレート33と同じ形状である。
第2プレート33Aの上には、2枚の内の下側の第2プレート33が、第2プレート33Aの突出部33cが、第2プレート33の溝33bに嵌るよう、孔33aに入力軸3dを挿通させて重ねられる。この第2プレート33Aの突出部33cと第2プレート33の溝33bとで請求項に記載の嵌合構造を構成している。
2枚の第2プレート33の上には第2プレート33Bが重ねて配置される。第2プレート33Bは、図16に示すように第2プレート33の孔33aにセレーション33fを刻んだだけであり、他は第2プレート33と同じ形状である。
2枚の内の上側の第2プレート33の上には、第2プレート33Bが、第2プレート33の突出部33cが、第2プレート33Aの溝33bに嵌るよう、孔33aに入力軸3dを挿通させて重ねられる。この第2プレート33の突出部33cと第2プレート33Bの溝33bとで請求項に記載の嵌合構造を構成している。
本変形例の回転終端機構6Cによれば、第2プレート33Aと下側の第2プレート33との間に構成された嵌合構造における許容回転角度範囲300°、下側の第2プレート33と上側の第2プレート33との間に構成された嵌合構造における許容回転角度範囲300°、上側の第2プレート33と第2プレート33Bとの間に構成された嵌合構造における許容回転角度範囲300°を合わせて、左ラックエンド状態から右ラックエンド状態までの操向ハンドル3の許容回転角度範囲は900°とすることができ、左右にそれぞれ許容回転角度範囲を450°の範囲に設定できる。つまり、ラックエンド角に対応する操向ハンドル3の操作量を拡大変更できる。
なお、第2の変形例における第2プレート33の枚数は2枚に限定されるものではなく、それ以上の枚数としても良い。
また、第1の実施形態の回転終端機構6A及びその変形例である回転終端機構6B,6Cにおいて、第2プレート33の下面と、第3プレート35(又は第2プレート33B)の下面に摺動可能な嵌合構造の溝33b,35c(33b)を形成し、それぞれの下側に隣接するプレートの上面に形成された突出部とで嵌合構造を構成するものとしたが、これに限定されるものではなく、隣接する2枚のプレートの内の下側のプレートの上面に溝を形成し、上側のプレートの下面に突出部を形成し、突出部を溝に嵌め込み、それらを摺動可能な嵌合構造としても良い。
本変形では、第1の円盤である第2プレート33Bと、第2の円盤である第2プレート33Aと、第3の円盤である第2プレート33とは、セレーション33f又はセレーション33dの有無を除いて、同じ形状としているので、同一設計の金型をベースとした金型で3種の第2プレート33,33A,33Bを成型できるので、突出部33c、溝33bの精度が良くでき、隣り合う2枚の第2プレート間に構成される嵌合構造の精度が良く、嵌合構造の許容回転角度のばらつきも小さくできる。
また、各第2プレート33,33A,33Bに切片33eを設けるので、各第2プレート33,33A,33B間の軸方向のガタツキを少なくできる。
《第2の実施形態》
次に図17を参照しながら本発明の第2の実施形態に係わる電動パワーステアリング装置について説明する。
図17は本発明の第2の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成図である。本実施形態の電動パワーステアリング装置100Bは、電動機4によりボールネジ5cを介してラック軸8をアシスト駆動するタイプである。
第1の実施形態とは、電動機4がピニオン軸7をウォームギア5a及びウォームホイールギア5bを介して駆動する代わりに、本実施形態においては、電動機4がウォームギア5aとウォームホイールギア5bで構成された減速機構5B及びボールネジ5cを駆動し、ボールネジ5cの回転運動を直接ラック軸8の直線運動に変換して駆動するところが異なっている。
また、第1の実施形態におけるトルクセンサ110の代わりに、本実施形態では磁歪膜を使用したトルクセンサ120としているところが異なる。
第1の実施形態と同じ構成については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
なお、減速機構5Bの配置が第1の実施形態と異なるので、本実施形態のステアリングギアボックス10Bのラックハウジング部11B及びリッド部13Bは、第1の実施形態と形状が異なるが機能は略同じである。
トルクセンサ120は、特開2006−322952号公報の図1、図2に記載されたものと同じ構成であり、入力軸3dの外周面に、例えば、Fe−Ni系やFe−Cr系等正の磁歪定数を示す磁歪材がメッキや蒸着等により、所定の膜厚、例えば、30ミクロン以下で、周方向全周に亘って、所定の軸方向間隔を設けて軸方向に2ヶ所形成され、第1磁歪膜121Aと第2磁歪膜121Bを構成している。しかも、それぞれ逆方向の磁気異方性が得られるように、入力軸3dに所定のトルクを印加した状態で高周波加熱により加熱し室温に戻し、トルクを取り去ることにより付与している。これにより、磁歪膜121A,121Bに捩りトルクが印加されていない場合においても、常に引っ張り応力がかかっており、引っ張りの歪が加わっているため、逆磁歪特性でのヒステリシスが小さくなっている。また、前記第1の実施形態におけるトルクセンサ110と異なって、トーションバー111を有せずその捩じれが発生しないので、操向ハンドル3の操舵角と前輪1L,1Rの転舵角とが、捩じれ差が無く対応することになる。その結果、回転終端機構6の決める許容操作量範囲に対して対応する転舵角の範囲も実質的に広くなる。
そして、トルクセンサ120における図示しない励磁コイルが第1及び第2磁歪膜121A,121Bに共通に微小の空隙を介して配置され、励磁コイルと周方向に90°離れた周方向位置に微小の空隙を介して、第1磁歪膜121Aに対しては第1検出コイル124Aが、第2磁歪膜121Bに対しては第2検出コイル124Bが、配置されている。
トルクセンサ120において、入力軸3dにトルクが作用したとき、第1及び第2磁歪膜121A,121Bにもトルクが作用し、このトルクに応じて第1及び第2磁歪膜121A,121Bに逆磁歪効果が生じる。図示しない励磁電圧供給源から前記した励磁コイルに高周波の交流電圧(励磁電圧)を供給すると、第1及び第2磁歪膜121A,121Bに掛かっているトルクにもとづく逆磁歪効果による磁界の変化を、第1及び第2検出コイル124A,124Bによりインピーダンスあるいは誘導電圧の変化としてそれぞれ検出することができる。このとき、入力軸3dの捩りトルク以外にも常に引っ張り応力が第1及び第2磁歪膜121A,121Bに印加された状態となっているため、ヒステリシスが小さい特性が得られ、このインピーダンスあるいは誘導電圧の変化から入力軸3dに加えられたトルクを検出することができる。
第1及び第2検出コイル124A,124Bそれぞれから出力される信号電圧VT1,VT2は差動増幅回路21に入力され増幅されてトルク信号VT3として操舵制御ECU200に入力される。
本実施形態においても、回転終端装置6が入力軸3dの軸方向位置において、トルクセンサ120の設けられている位置よりも操向ハンドル3側に配置される。
なお、図17において回転終端機構6は、前記した回転終端機構6A,6B,6Cを代表して表示したものであり、いずれの回転終端機構6A,6B,6Cを組み合わせても良い。
本実施形態においても、第1の実施形態及びその変形例と同様に、既にラック軸8がラックエンドの状態から運転者が更に操向ハンドル3を切り増し操作しても、回転終端機構6に回転操作が阻止され、切り増しの操作力はトルクセンサ120の第1及び第2磁歪膜121A,121Bには伝わらない。そして、操舵トルクTsとアシスト量AとピニオントルクTpと負荷トルクをTとの間には、式(3)や式(6)の関係が保たれ、切り増しによる電動機4からの更なるアシスト量Aや操舵トルクTsは発生しない。特に磁歪式のトルクセンサ120は、トーションバー111を用いないので捩り剛性が大きいが、回転終端機構により終端が規制されるので、電動機4の慣性モーメントによる衝撃をなくすことができる。
従って、電動機4、ウォームギア5a、ウォームホイールギア5b、ピニオンギア7a、ラックギア8a、軸受3e,3f,3gやラックエンド8b、ラックハウジング部11Aの設計上想定すべき負荷を低減でき、従来これらの構成部品の耐久性を確保するために、軸受のサイズを大きくしたり、ギアのモジュールを大きくしてサイズを大きくしたり、ラックハウジング部11Aの肉厚を厚くしたり、補強リブを設ける等、構成部品の重さが大きくなる問題が解消され、構成部品を小型、軽量化でき、車両への搭載性、特に小型車両への搭載性が向上する。また、電流容量に余裕ができ電動機4を軽量化できる。
なお、第2の実施形態において、図示省略するが第1の実施形態と同様に電動機4がピニオン軸7をウォームギア5a及びウォームホイールギア5bを介して駆動する構成に、磁歪膜を使用したトルクセンサ120を組み合わせても良い。
《第3の実施形態》
次に図18を参照しながら本発明の第3の実施形態に係わる電動パワーステアリング装置について説明する。
図18は本発明の第3の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成図である。本実施形態の電動パワーステアリング装置100Cは、電動機4によりウォームギア5a、ウォームホイールギア5bを介してハンドル軸3aをアシスト駆動するタイプである。
第1の実施形態とは、電動機4がピニオン軸7をウォームギア5a及びウォームホイールギア5bを介して駆動する代わりに、本実施形態においては、電動機4がウォームギア5aとウォームホイールギア5bで構成された減速機構5Aを介して、ハンドル軸3aを駆動するところが異なっている。
また、第1の実施形態におけるトルクセンサ110の代わりに、本実施形態では磁歪膜を使用したトルクセンサ120としているところが異なる。
電動パワーステアリング装置100Cは、図18に示すように操向ハンドル3のハンドル軸3aを収容するコラムハウジング15と、ステアリングギアボックス10Cのリッド部13Cの上部に突き出ているピニオン軸7との間を、シャフト3cと2つの自在継ぎ手3bによって連結した構成である。
コラムハウジング15は、その上端に設けたシール3hの下に軸受3eを配置して収容し、その下方に回転終端機構6、トルクセンサ120、軸受3i、ウォームホイールギア5b、軸受3jの順に配置して収容し、コラムハウジング15の下端から下方に延びるハンドル軸3aの下端である出力軸3kが自在継ぎ手3bに連結している。ピニオン軸7の下端部に設けられたピニオンギア7aは、車幅方向に往復運動可能なラック軸8のラックギア8aに噛合し、ラック軸8の両端には、タイロッド9,9を介して左右の前輪1L,1Rが連結されている。
第1の実施形態及び第2の実施形態と同じ構成については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
なお、減速機構5Aの配置が第1の実施形態と異なるので、本実施形態のステアリングギアボックス10Cのラックハウジング部11C及びリッド部13Cは、第1の実施形態と形状が異なるが機能は略同じである。ただし、リッド部13Cには回転終端機構6は配置されておらず、第1及び第2の実施形態におけるような回転終端機構6の保持機能は不要である。
また、本実施形態におけるトルクセンサ120はコラムハウジング15内に収容され、ハンドル軸3aの外周面上に第1及び第2磁歪膜121A,121Bを形成し、その第1及び第2磁歪膜121A,121Bに微小の空隙を介して図示しない励磁コイル、第1及び第2検出コイル124A,124Bを配置した点が第2の実施形態と異なるだけであり、本質的に第2の実施形態におけるトルクセンサ120と同一の構成である。
本実施形態においても、回転終端装置6がハンドル軸3aの軸方向位置において、トルクセンサ120の設けられている位置よりも操向ハンドル3側に配置される。
なお、図18において回転終端機構6は、前記した回転終端機構6A,6B,6Cを代表して表示したものであり、いずれの回転終端機構6A,6B,6Cを組み合わせても良い。
本実施形態によれば、第1の実施形態及びその変形例と同様に、既にラック軸8がラックエンド状態から運転者が更に操向ハンドル3を切り増し操作しても、回転終端機構6Bに回転操作が阻止され、切り増しの操作力はトルクセンサ120の第1及び第2磁歪膜121A,121Bには伝わらない。そして、操舵トルクTsとアシスト量AとピニオントルクTpと負荷トルクをTとの間には、式(3)や式(6)の関係が保たれ、切り増しによる電動機4からの更なるアシスト量Aや操舵トルクTsは発生しない。
また、ラックエンド状態に到るような大きな切り回し操作においても、従来のようにラックエンド角を規制するラックエンド8bとハウジングエンド11aとを有しないので衝突は回避される。
特に、操向ハンドル3の手元に回転終端機構6が設けられるので、操向ハンドル3のハンドル軸3aのセンタとラック軸のセンタは、自在継ぎ手3bのところで調整すれば良いので、回転終端機構6を組付けるときのセンタ合わせの必要がない。
従って、電動機4、ウォームギア5a、ウォームホイールギア5b、ピニオンギア7a、ラックギア8a、軸受3e,3f,3gやラックエンド8b、ラックハウジング部11Aの設計上想定すべき負荷を低減でき、従来これらの構成部品の耐久性を確保するために、軸受のサイズを大きくしたり、ギアのモジュールを大きくしてサイズを大きくしたり、ラックハウジング部11Aの肉厚を厚くしたり、補強リブを設ける等、構成部品の重さが大きくなる問題が解消され、構成部品を小型、軽量化できる。また、組立て時のセンタ調整は不要であり、組立て性を向上できる。更に、電流容量に余裕ができ電動機4を軽量化できる。
また、本実施形態に適用する回転終端機構として図16に示した回転終端機構6Cを用いる場合に、第1、第2、第3の円盤である第2プレート33B、第2プレート33A、第2プレート33を、外径や孔33aの内径も同一形状とすることができる。その場合、第2プレート33Bの孔33aの内周部に対応するハンドル軸3aの外形の一部を大きくして、且つ、例えば、セレーションのような固定手段を設けて第2プレート33Bを固定するとともに、の外周部に対応するコラムハウジング15の一部の内径を小さくして、且つ、例えば、セレーションのような固定手段を設けて第2プレート33Aを固定する。
このような工夫により、第2プレート33,33A,33Bを別々に設計製作する必要がなくなり、設計工数の削減や1個当たりの製作コストを安くすることができる。
更に、前記第1の円盤である第2プレート33b、第2の円盤である第2プレート33B、第3の円盤である第2プレート33を組み付けるときに、それぞれのプレートの製造に異なる金型を用いた場合に発生する製造誤差に対して必要な終端角度の調整が不要になるばかりか、誤組立てを防止できる。
また、第1の実施形態及びその変形例、並びに第2の実施形態において、回転終端機構6A,6B,6Cを電動パワーステアリング装置100A,100Bの一部であるコラム、即ちハンドル軸3aに設けても良い。そうすれば第3の実施形態と同様にステアリングギアボックス10A,10Bでの終端角度の調整が不要になる。
本発明の第1の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成図である。 図1におけるステアリングギアボックスのトルクセンサ及びピニオンギア近傍の側面図である。 トルクセンサの詳細な構成図であり、図2におけるA−A矢視断面図である。 操舵トルクが加わった状態における上部遊動部、下部遊動部及びスライダの変位を説明する図であり、(a)はニュートラル状態を示し、(b)は左操舵トルクが掛かっている状態を示し、(c)は右操舵トルクが掛かっている状態を示す図である。 トルクセンサからの電圧出力信号VT1,VT2と、差動増幅回路で増幅されたトルク検出電圧(トルク信号)VT3を説明する図である。 第1の実施形態における回転終端機構の模式的な部品構成図であり、第1プレートから第3プレートの3枚の円盤とそれを挿通する入力軸との組み合わせ斜視図である。 回転終端機構を構成する第1プレートから第3プレートの3枚の円盤を斜め下から見た斜視図である。 (a)は、第2プレートの下面側を示す平面図であり、(b)は、第3プレートの下面側を示す平面図である。 図8の(a)におけるB−B矢視断面図である。 第1の実施形態における回転終端機構の第1プレート、第2プレート及び第3プレートの回転位置を説明する上方から見た模式的な平面図である。(a)は、目一杯の左操舵状態(「左ラックエンド」の状態)を示し、(b)は操向ハンドルが左右に対してニュートラル位置に有る場合を示し、(c)は、目一杯の右操舵状態(「右ラックエンド」の状態)を示している。 操舵制御ECUの機能ブロック図である。 (a)はベース信号演算部における入力であるトルク信号に対して出力するベース信号の関係を示すデータテーブルであり、(b)はダンパ補償信号演算部における入力である電動機の回転速度に対して出力する補償信号の関係を示すデータテーブルである。 (a)は操向ハンドルの操作量の時間推移を示す図であり、(b)はトルクセンサから出力されるトルク信号VT3の時間推移を示す図であり、(c)は実際の前輪の転舵角の変化の時間推移を示す図である。 第1の変形例の回転終端機構の第1プレートから第3プレートとの軸方向配置を説明する図であり、斜め下方から見た斜視図である。 第2の変形例の回転終端機構を適用した図1におけるステアリングギアボックスのトルクセンサ及びピニオンギア近傍の側面図である。 第2の変形例の回転終端機構の第1プレートから第3プレートとの軸方向配置を説明する図であり、斜め下方から見た斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成図である。
符号の説明
1L,1R 前輪
3 操向ハンドル(操作子)
3a ハンドル軸
3d 入力軸
4 電動機
5A,5B 減速機構
5a ウォームギア
5b ウォームホイールギア
6A,6B,6B’,6C 回転終端機構
7 ピニオン軸
7a ピニオンギア
8 ラック軸
8a ラックギア
8b ラックエンド
9 タイロッド
10A,10B,10C ステアリングギアボックス
11A,11B,11C ラックハウジング部
11a ハウジングエンド
13A,13B,13C リッド部
21 差動増幅回路
23 電動機駆動回路
31 第1プレート(第1の円盤)
31a,33a,35a 孔
31b,33d,33f,35b セレーション
31c ボス部
31d,33c 突出部(嵌合構造)
33 第2プレート(第3の円盤)
33A 第2プレート(第2の円盤)
33B 第2プレート(第1の円盤)
33b,35c 溝(嵌合構造)
33e 切片(付勢手段)
35 第3プレート(第2の円盤)
100A,100B,100C 電動パワーステアリング装置
110,120 トルクセンサ
111 トーションバー
127 回転終端機構設置領域
128,129 セレーション部
131 スリット
133 切り欠き
134 位置決め突出部
135 凸部
137,139 溝終端部
200 操舵制御ECU

Claims (6)

  1. 少なくとも、操作子からの入力により生じる操舵トルクに応じて、電動機が補助トルクを発生し、該補助トルクを前輪のステアリング系に伝達する電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵トルクを検出するトルクセンサと前記操作子との間に、前記操作子の動作終端を形成する回転終端機構が設けられており、
    前記回転終端機構は、
    その回転中心部に設けた孔に前記操作子の回転を前記トルクセンサに伝える入力軸が挿通されて固定される第1の円盤と、
    その回転中心部に設けた孔に前記入力軸が相対的に回転可能に挿通され、且つ、前記電動パワーステアリングを収容するケースに固定される第2の円盤と、
    前記第1の円盤と前記第2の円盤との間に配置され、その回転中心部に設けた孔に前記入力軸が相対的に回転可能に挿通され、且つ、前記ケースに対しても相対回転可能な第3の円盤と、
    を備え、
    前記第3の円盤と、前記第1及び第2の円盤との間で、所定の回転角度範囲の回転を許容する嵌合構造を構成することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記第3の円盤は、前記第1及び第2の円盤との間に2枚以上備えられ、
    前記第3の円盤同士の間にも前記嵌合構造を構成することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記嵌合構造は、
    前記第1、第2及び第3の円盤の内の隣接する2つの円盤同士の間の一方の面に、終端部を有する所定の周長の溝を形成し、他方の面に前記溝に嵌まり、前記溝内で周方向に摺動可能な突出部を設けたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記第1、第2及び第3の円盤の内の少なくとも1つが、前記入力軸の軸方向の互いの間隙によるガタツキを抑制する付勢手段を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記嵌合構造の前記突出部は、略円柱状であり、縦方向にスリットを有し、前記溝に嵌った状態で、前記入力軸の径方向に前記溝の両壁を押圧し、前記嵌合構造のガタツキを抑制することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記第1、第2、第3の円盤は、略同一形状であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
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