JP2009279333A - クリップ処置具 - Google Patents

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Abstract

【課題】同一サイズのクリップを用いても、処置すべき部分の大きさに応じてクリップの爪部の拡開量を、操作ワイヤを一方向に引く一連のクリップ締め付け動作の中で調節することができ、最適な把持領域を把持してクリップ処置することのできるクリップ処置具を提供する。
【解決手段】閉塞端から延びる2枚の帯板が交差された交差部によって閉塞端側にターン部が形成されたクリップと、クリップのターン部を保持する保持部、および、クリップを締め付けて固定するための締付部を有する保持リングと、クリップ列を牽引する操作ワイヤとを備え、保持リングが、その保持部に、連結リングの後端に近付くにつれてその内周半径が小さくなる拡開量調整領域を有し、操作ワイヤが所定量牽引される間に、クリップのターン部が拡開量調整領域を移動することで、爪部の拡開量を増加させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、生体内等において止血や傷口の閉塞等に用いられる内視鏡用クリップ処置具に関する。
内視鏡用クリップ処置具は、生体内に挿入した内視鏡の先端からクリップを突出させて、出血部や病変組織除去後の処置部をクリップで摘み、止血や傷口の閉塞を行うために用いられる。従来のクリップ処置具は、先端が開いたクリップと、クリップを閉じて留めるための締付部品とを有しており、開いたクリップに対して締付部品を前進させることでクリップを閉じる構成となっている。
例えば、特許文献1には、クリップ爪部材を操作ワイヤに接続し、操作ワイヤを押し引き操作することで、クリップ爪部材を開閉させる結紮装置が記載されている。クリップ爪部材にはパイプ状の押さえ部材が被せられており、クリップ爪部材は、この押さえ部材に引き込まれることで、生体組織を把捉して固定される。また、特許文献1には、クリップ爪部材の腕部を少なくとも2回クロスさせて、そのクロス部の間に山部を形成し、その山部を、上記押さえ部材の先端部分に形成された小径部で押し潰すことで、クリップ爪部材の爪を開いた状態にすることが記載されている。
内視鏡用クリップ処置具による処置において、クリップの適切な開き量は、処置すべき部分の大きさや状態によって異なる。クリップの拡開量が処置すべき部分よりも小さければ、何度にも分けてクリップ処置しなければならず、逆にクリップの拡開量が処置すべき部分よりも大幅に大きければ、生体を余分に掴み過ぎてしまい、止血効果が低下するという問題がある。しかし、従来のクリップは、そのサイズや形状によって当初の拡開量が一定の値に決まっている。そのため、最適なクリップ処置をするためには、処置部分に合わせて異なるクリップをその都度付け替えて処置する必要がある。
また、本発明者の検討によれば、クリップの開き量は、処置すべき部分に対し、大きく開いた状態から閉じながら丁度良い開き量に決めるよりも、閉じた状態から開きながら決める方がやりやすく、適切な開き量を得やすい。しかし、従来用いられているクリップ処置具では、そのようにクリップの開き量を調整することはできない。
例えば、特許文献1に記載された結紮装置では、クリップ爪部材を開閉させる過程でクリップの開き量が変化するといえる。しかし、その操作は、一度操作ワイヤを押すことで、クリップを押さえ部材から押し出して、最大の開き量に開かせた後、今度は操作ワイヤを引いてクリップを閉じていき、最後に操作ワイヤを引き切ることで、押さえ部材の脆弱部を破断させて、クリップ処置を完了させるというものである。そのため、この装置でクリップを閉じた状態から開きながらその開き量を決めるためには、操作ワイヤを押しながら開き量を調整して、その後、クリップを留めるために操作ワイヤを引くという押し引き操作が必要となり、操作が複雑である。
また、1回のクリップ処置は、通常、複数のクリップを用いて行われるが、特許文献1に記載された結紮装置を始め、従来用いられているクリップ処置具は、操作ワイヤの先端に1つのクリップのみが取り付けられたもので、一回のクリップ処置を行うごとにシース全体を内視鏡から引き出し、次のクリップをセットして再びシースを内視鏡内に挿入して、次のクリップ処置を行うという煩瑣な操作が必要となっている。
これに対し、連続的なクリッピング処置を可能にする内視鏡用クリップ装置が提案されている(例えば、特許文献2および特許文献3参照。)。しかし、連発式のクリップ処置具において、その都度最適なサイズとなるクリップを見越して、使用する順番に予め装填することは、非常に難しい。
特開2006−198388号公報 特開2006−187391号公報 特開2006−087537号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、同一サイズのクリップを用いても、処置すべき部分の大きさに応じて、クリップの爪部の拡開量を、操作ワイヤを一方向に引く一連のクリップ締め付け動作の中で調節することができ、最適な把持領域を把持してクリップ処置することのできるクリップ処置具を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、閉塞端から延びる2枚の帯板が交差された交差部によって前記閉塞端側にターン部が形成され、前記交差部から開放端側の2つの腕部の先端に、互いに対向するように爪部が形成されたクリップと、
シースに進退可能に嵌入され、前記クリップの前記ターン部を保持する保持部、および、前記保持部の先端に配置された前記クリップを締め付けて固定するための締付部を有する保持リングと、
前記クリップの前記閉塞端に接続され、前記クリップを牽引する操作ワイヤとを備え、
前記保持リングは、前記保持部に、前記連結リングの後端に近付くにつれてその内周半径が小さくなる拡開量調整領域を有し、
前記操作ワイヤが所定量牽引される間に、前記クリップの前記ターン部が前記拡開量調整領域を移動することで、前記ターン部の押さえ量が増加して前記爪部の拡開量が増加し、次いで、前記クリップの前記腕部に対して前記締付部が前進することで、前記爪部が閉じられ、前記腕部の所定位置に前記締付部が到達することで、前記クリップの締め付けが完了するクリップ処置具を提供する。
ここで、複数の前記クリップが、前後のクリップと係合した状態でシース先端部に装填され、複数の前記保持リングは、その前記保持部が前記クリップの各係合部を覆って前記クリップの連結状態を維持し、前記操作ワイヤは、最後尾の前記クリップに接続され、前記複数のクリップからなるクリップ列を牽引するのが好ましい。
また、先頭の前記クリップは、前記操作ワイヤによって前記保持リングに対して牽引され、後続の前記クリップとの係合部が前記保持リングから抜け出ることで、前記後続のクリップとの連結が解除されるのが好ましい。
本発明のクリップ処置具によれば、同一サイズのクリップを用いても、処置すべき部分の大きさに応じて、クリップの爪部の拡開量を、操作ワイヤを一方向に引く一連のクリップ締め付け動作の中で調節することができ、最適な把持領域を把持してクリップ処置することができる。特に、本発明のクリップ処置具によれば、クリップの開きが小さい状態から、徐々に広げながら開き量を調整し、丁度良い開き量のところで処置部に押し付けた後に、クリップを留めるまでの動作を、操作ワイヤを一方向に牽引する操作のみで行うことができる。
本発明に係るクリップ処置具を、添付の図面に示す好適実施例に基づいて以下に詳細に説明する。本発明は、単発式および連発式のいずれのクリップ処置具にも適用可能であるが、ここでは、本発明を連発式のクリップ処置具に適用した例について説明する。
図1(A)および(B)は、本発明のクリップ処置具の一実施形態を示す模式的断面図であり、図1(B)は、図1(A)と90度異なる角度から見た図である。
図1に示すクリップ処置具10は、クリップを連続して使用できる連発式のクリップ処置具であり、複数のクリップ12(12A、12B、12C、12D)と、最後尾のクリップ12Dに接続されたダミークリップ18と、ダミークリップに接続された操作ワイヤ20と、隣り合うクリップ12の係合部を覆ってクリップ12の連結状態を維持する連結リング(保持リング)14(14A、14B、14C、14D)とを有し、これらがシース16内に嵌入されている。図1(A)および(B)は、先頭のクリップ12によるクリップ処置動作開始直前の初期状態を示している。
1つのクリップ12と1つの連結リング14は、1つの内視鏡用止血クリップ体を構成し、クリップ処置具10は、この止血クリップ体が長尺なシース16の先端内部に複数装填されたものである。連続する止血クリップ体の終端は、ダミークリップ18に噛み合い結合し、操作ワイヤ20は、シース16の基端部まで延びて、図示しない操作部につながっている。操作部から操作ワイヤ20を所定の長さだけ牽引し、ダミークリップ18を一方向に所定長さ移動させることで、一連のクリップ12が同量だけ移動し、先頭のクリップ12による止血やマーキング等のためのクリップ処置(クリッピング)が行われる。先頭のクリップ12によるクリッピングが完了した後、シース16を操作部側へ所定の長さだけ引くことで、次のクリップ12が使用可能な状態(スタンバイ状態)となり、続けてクリッピングを行うことができる。
図1(A)および(B)は、先頭のクリップ12Aがシース16の先端から突出した状態の図としてあるが、クリップ12等をシース16へ装填するときは、先頭のクリップ12Aがシース16の内部に完全に納まった状態でセットされる。また、図1ではクリップ12を4つとし、4連発式のクリップ処置具としてあるが、クリップ12の数は、2つ以上いくつであってもよい。
図2は、クリップ12の斜視図である。クリップ12は、爪部22に対して180度ターンしたターン部24を有するクローズクリップである。すなわち、クリップ12は、一枚の長細い板を180度湾曲させて閉塞端を作った後、その両片を交差させ、かつ、2つの開放端に、端部が対向するように屈曲させて爪部22,22を形成した形状をしている。この交差部26を境にして、開放端側が腕部28,28であり、閉塞端側がターン部24である。クリップ12には、生体適合性のある金属を用いることができ、例えば、ばね用ステンレス鋼であるSUS631を用いることができる。
初期状態におけるクリップ12の拡開量、すなわち爪部22,22の間の開きは、ターン部24の径に依存する。ターン部24を押圧して径を小さくすれば、拡開量は大きくなり、ターン部24の径を大きくすれば、拡開量は小さくなる。
クリップ12は、その交差部26に嵌められた連結リング14の先端部分(後述する締付部40)が、腕部28,28を押圧しながら爪部22,22の方へ向かって所定量移動することにより、その腕部28,28および爪部22,22が閉じ、爪部22,22において所定の勘合力を発揮する。
爪部22,22は、対象部を確実に摘むために、V字のオス型とメス型に形成するのが好ましい。また、図2に示すように、クリップ12の腕部28は、交差部26から腕部28の中央部に掛けて徐々に幅が広くなっている。
図1(A)および(B)に示すように、第1クリップ12Aと第2クリップ12Bは、第2クリップ12Bの爪部22が第1クリップ12Aのターン部24に係合して閉じた状態で連結リング14Aに保持されることで、連結状態とされる。図1(A)に示すように、第2クリップ12Bの爪部22,22は、第1クリップ12Aのターン部24に直交方向に噛みあって結合し、第1クリップ12Aと第2クリップ12Bは、90度異なる向きで連結される。同様に、以下の各クリップ12C、12Dは、90度ずつ交互に向きを変えて連結される。
連結リング14は、2つのクリップ12,12の係合部を覆って連結状態を維持しつつ、シース16に進退可能に嵌入されている。すなわち、連結リング14は、外径がシース16の内径とほぼ等しく、クリップ12の移動に伴ってシース16内をスムーズに進退移動することができる。図3(A)〜(C)に、連結リング14の概略構成を示す。図3(A)は、連結リング14の正面図、図3(B)は断面図、図3(C)は、底面図である。
連結リング14は、締付部40と保持部42とから成る。連結リング14は、樹脂製の保持部42の先端に、金属製の締付部40を固定し、2部材で一体構造とされている。樹脂製の保持部42が連結状態の維持およびクリップの連結リング内での保持を担当し、金属製の締付部40がクリップの締め付けを担当する。なお、連結リング14は、締付部40および保持部42の両機能を発揮できれば、1部材で形成してもよい。連結リング14を樹脂製の1部材とする場合には、先端部分(締付部40に相当する部分)の内壁(内周面)に微小凹凸を形成し、この微小凹凸により、クリップの締め付け力(摩擦力)を発揮するようにしてもよい。
締付部40は、連結リング14の先端側に取り付けられた金属製の円筒状(リング状)の部品であり、クリップ12の交差部26近傍の幅よりも大きく、凸部30の幅よりも小さい内径の穴が形成されている。したがって、締付部40は、保持するクリップ12の交差部26の近傍を移動することができるが、凸部30を超えて先端側へは抜けられない。
締付部40は、クリップ12の交差部26の近傍の所定位置にセットされる。締付部40は、その初期位置から、クリップ12の腕部28が幅広になる腕部28の中央部へ移動することで、拡開しているクリップ12の両方の腕部28,28を閉じさせて固定する締め付け機能を有している。締付部40には、生体適合性のある金属が用いられ、例えばステンレス鋼SUS304を用いることができる。締付部40を金属製とすることで、金属製のクリップ12に対して締付力となる摩擦力を発揮させることができる。
保持部42は、樹脂成形された概略円筒状(リング状)の部品である。保持部42は、先のクリップ12を保持する第1領域32と、先のクリップに連結した状態で次のクリップ12を保持する連結保持領域である第2領域34とを有している。
第1領域32は、領域長さとして、クリップ12の、初期位置にセットされた締付部40の内周面下端に対応する位置から、そのクリップ12のターン部24に係合する次のクリップ12の爪部22の上端までとほぼ等しい長さを有している。第1領域32には、クリップ12のターン部24を収容可能な、締付部40の穴よりも大きな円形の穴が形成されている。第1領域32の先端部の外面には、締付部40を嵌めるための段付き部が形成されており、締付部40と保持部42とは、シース16に装填された状態およびクリッピング操作時において外れない程度の締まり嵌めで嵌め合わされている。
第1領域32には、先端側、すなわち締付部40に隣接する側に、ストレート領域78が、後端側に、拡開量調整領域80が設けられている。図3(B)に示すように、拡開量調整領域80は、後端側(図中、下側)へ向かって内側へ傾斜する傾斜面82を有しており、先端側へ行くほど内周半径が大きく、後端側へ行くほど小さくなっている。ストレート領域78は、拡開量調整領域80の先端側の広がった径と同じ径でストレートに形成されている。拡開量調整領域80では、クリップ12が連結リング14の内部を軸方向に後端側に移動するにつれて、傾斜面82によってクリップ12のターン部24の押さえ量が大きくなる。それによって、クリップ12の爪部22,22の拡開量が徐々に小さくなる。この構成については、後に詳述する。
また、第1領域32は、連結リング14本体の軸に対してスカート状に傾斜して広がるスカート部38を有している。スカート部38は、先端側、すなわち図3における上方の付け根が保持部42の本体につながっており、下方の広がり部分が、本体から一部切り離されて、半径方向に広がったり閉じたりするようになっている。スカート部38は、クリップ12の牽引方向、すなわち図3の上下方向において同じ位置に、180度離れた2箇所に形成されている。
スカート部38,38は、外力が無い状態では、図3(A)に示すように、スカート状に広がる。一方、連結リング14がシース16内へ装填されるときは、例えば、図1(B)の2つめの連結リング14Bに示すように、スカート部38が内側に押し込まれて内部空間へ入り込み、スカート部38の内周側の部分が、第1領域32に保持されるクリップ12Bのターン部24の側面(エッジ部)を押圧して、クリップ12Bが連結リング14B内で回転方向および進退方向に移動しないように保持する。なお、スカート部38が、第2領域34に保持されるクリップ、すなわち後ろ側のクリップを押圧して保持するようにしてもよい。
スカート部38,38は、図1(A)の1つめの連結リング14Aに示すように、シース16の先端から抜け出ると同時に開き、クリップ12Aの保持を解除するとともに、シース16の内径よりも広幅となって、連結リング14Aのシース16内への後退を阻止する。この状態で操作ワイヤ20が引かれ、クリップ12Aが後退することで、連結リング14Aがクリップ12Aに対して相対的に前進し、クリップ12Aを締め付ける。
したがって、スカート部38は、シース16の内部では内側へ閉じ、シース16の先端から出るとスカート状に広がるように、弾性を有していることが必要である。それとともに、スカート部38は、シース16の内部でクリップ12を保持できる剛性と、シース16の先端でクリップ12の締付力の反力に耐える剛性とを有していることも必要である。
これらの観点から、保持部42には、生体適合性があり、かつ、スカート部38に要求される弾性および剛性を満たす材料が用いられる。また、その形状は、スカート部38に要求される弾性および剛性を満たすように定められる。このような保持部42の材料としては、例えば、PPSU(ポリフェニルサルホン、polyphenylsulfone)を用いることができる。製造の容易さから、保持部42は、一体成形されるのが好ましい。
第2領域34は、第1領域32の基端側に設けられており、第1領域32に保持されるクリップ12に係合する次のクリップ12を、その爪部22,22が先のクリップ12のターン部24の閉塞端(尾部)を挟んで閉じた状態で保持する。
第2領域34は、領域長さとして、クリップ12に対して初期位置にセットされた締付部40が、クリップ12の締め付けを完了するまでに要する移動長さとほぼ等しい長さを有している。すなわち、連結リング14の第2領域34は、クリップ12が連結リング14に対して相対的に後退して締め付けられていく間、その内部に保持する2つのクリップ12,12の連結を保持して、後ろのクリップ12の牽引力が先端のクリップ12へ伝達されるようにするとともに、締め付けが完了したときには、2つのクリップ12,12の係合部が第2領域34から外れることにより、そのクリップ12,12の連結を解除する。
第2領域34には、図3(C)に示すように、第1領域32の基端側部分、すなわち、拡開量調整領域80の後端の径と同じ内径の穴43が形成され、さらに、その対向する2箇所に、溝(凹部)43aが形成されている。溝43a,43aは、第2領域34に保持されるクリップ12の腕部28,28を、爪部22,22が閉じた状態で収容可能である。また、第2領域34には、図3(A)〜(C)に示すように、その基端から切り込むスリット44が2箇所に形成されている。
溝43a,43aは、第2領域34に保持されるクリップ12の爪部22の開閉方向(図3中、左右方向)の2箇所に設けられている。第2領域34に保持されるクリップ12の腕部28,28の板面は、溝43a,43aの内壁に当接する。溝43aの幅(開口幅)は、クリップ12の腕部28の最大幅よりわずかに大きく、一方の溝43aの壁面から他方の溝43aの壁面までの距離は、クリップ12の2つの爪部22,22の長さ(拡開方向の長さ)を足し合わせた長さにほぼ等しい。また、溝43aの幅は、腕部28に形成された凸部30の幅よりは小さい。したがって、第2領域34に保持されるクリップ12の凸部30は、溝43aに進入できない。
なお、両溝43a,43aの壁面から壁面までの距離は、先のクリップ12のターン部24と、次のクリップ12の爪部22,22との係合が外れない寸法にすればよく、2つの爪部22,22の長さと、ターン部24の爪部22,22が係合する部分の幅とを足し合わせた長さよりも短くすればよい。例えば、第2領域34に保持されるクリップ12の爪部22,22は、少し重なった状態となっていてもよいし、爪部22,22の間にわずかな隙間がある状態で、先のクリップ12との連結が維持されるようにしてもよい。
2つのクリップ12,12の係合部は、第2領域34の、第1領域32との境目に近接する部分に保持される。先のクリップ12(例えば、図1(B)の連結リング14Bにおけるクリップ12B)は、シース16の内部においては、ターン部24が第1領域32の閉じたスカート部38によって保持されているので、進退移動および回転移動が抑えられている。また、先のクリップ12に係合する次のクリップ12(例えば、図1(B)の連結リング14Bにおけるクリップ12C)は、第2領域34の溝43a,43aによって先のクリップと90度異なる方向に保持されることにより、回転移動が抑えられ、進退移動が抑えられた先のクリップに係合することにより、進退移動が抑えられている。すなわち、前後のクリップの係合部は、遊びが非常に小さい状態で、連結リング14によって保持される。
スリット44は、スカート部38,38から90度ずれた2箇所に、第2領域34の上端よりも浅い位置まで形成されている。言い換えれば、スリット44は、第2領域34に保持されるクリップ12の拡開方向から90度ずれた位置に設けられている。
スリット44を設けることにより、連結リング14のフレキシブル性を向上させ、クリップ処置具10に、曲率の小さい湾曲部を通過させることができる。また、スリットを設けることにより、連結リング14の裾(基端部)が一部めくれるようになるため、シース16へのクリップ12の装填前に前後のクリップ12,12を連結させる際に、連結リング14の裾をめくることで容易に連結させることができるという利点もある。
スリット44の深さは、スカート部38よりも浅い位置までとするのが好ましい。それにより、連結リング14の強度が大幅に低下するのを防止することができる。
また、スリット44の深さは、第1領域32に保持されるクリップ12の後端の位置、すなわちクリップ12,12の係合位置よりも浅い位置までとするのが好ましい。それにより、シース16に装填される前の連結クリップユニットにおいても、連結リング14の第2領域34におけるクリップ12の保持を保つことができる。
図1に示すように、第1クリップ12Aのターン部24に第2クリップ12Bの爪部22,22が係合し、その係合部を連結リング14Aが保持する。連結リング14A(その第2領域34)の内壁によって、第2クリップ12Bの爪部22,22は閉じた状態に保持されている。それにより、第1クリップ12Aと第2クリップ12Bの連結状態が維持される。同様に、第2クリップ12Bと第3クリップ12Cとの連結状態は、連結リング14Bによって、第3クリップ12Cと第4クリップ12Dとの連結状態は、連結リング14Cによって、第4クリップ12Dとダミークリップ18との連結状態は、連結リング14Dによって維持される。
最後尾のクリップ12Dには、クリップ処置には用いられないダミークリップ18が係合している。ダミークリップ18は、クリップ12の交差部26から開放端側半分の部分と類似の形状をしたバネ性を持つ部材であり、爪部を閉じた状態でクリップ12Dのターン部に係合し、爪部を開くとクリップ12Dを開放する。ダミークリップ18の根元には、操作ワイヤ20が接続されている。
シース16は、例えば、金属ワイヤを密着巻きした可撓性のコイルシースである。シース16の内径は、先のクリップ12のターン部24と、次のクリップ12の爪部22,22との係合が解除される寸法とされている。すなわち、シース16の内径は、2つの爪部22,22の長さと、ターン部24の爪部22,22が係合する部分の幅とを足し合わせた長さよりも大きい。
次に、クリップ12の締め付け動作におけるクリップ12の拡開量変化について、図1の先頭のクリップ12Aおよび連結リング14Aを例に、詳細に説明する。図4(A)〜(C)は、勘合力が発生する前のクリップ12Aの状態を模式的に示す部分断面図である。図4(A)は、図1(A)および(B)と同じ状態を示しており、図4(B)、図4(C)は、それぞれ、操作ワイヤ20を牽引していく過程における段階的な状態を示している。
なお、図4(B)および(C)において、C1およびC2は、クリップ12Aの移動量を表しており、連結リング14Aの第2領域34の先端のラインと、後ろのクリップ12Bの先端の位置とのずれで示してある。また、図示した向きではスカート部38は紙面垂直方向に位置するが、参考のために、スカート部38の位置を破線で示してある。
上述したように、クリップ12Aは、ターン部24および交差部26を有するクローズクリップであり、クリップ12Aの拡開量、すなわち爪部22,22の間の開きは、ターン部24の径(広がり)に依存する。ターン部24を押圧して径を小さくすれば、爪部22,22の拡開量は大きくなり、ターン部24の径を大きくすれば、拡開量は小さくなる。
連結リング14Aの拡開量調整領域80は、傾斜面82によってクリップ12Aのターン部24の押さえ量を調整して、爪部22,22の拡開量を調整する。拡開量調整領域80は、連結リング14Aの後端に近付くにつれてその内周半径が小さくなっているので、操作ワイヤ20の牽引によりクリップ12Aが連結リング14Aに引き込まれて、クリップ12Aのターン部24が拡開量調整領域80を後端側へ移動すると、ターン部24の押さえ量が増加して、爪部22,22の拡開量が増加する。
図4(A)は、クリップ12Aによるクリップ処置動作開始直前の初期状態を示している。クリップ12Aは、図4(A)の位置では拡開量が小さい。操作ワイヤ20が牽引されることで、クリップ12Aが連結リング14Aに対して後退すると、ターン部24が拡開量調整領域80の傾斜面82に沿って連結リング14Aの後端側(図4中下方)へ移動する。それによりターン部24の押さえつけ量が徐々に大きくなって、爪部22,22の拡開量が徐々に大きくなっていく。
図4(B)は、図4(A)の状態からクリップ12Aを連結リング14Aに対して長さC1だけ後退させた位置において、爪部22,22の拡開量が最大になった状態を示している。
さらに操作ワイヤ20を引き、クリップ12Aを後退させると、クリップ12Aのターン部24は連結リング14Aの第2領域34を移動する。この過程では、連結リング14Aによるターン部24の押さえつけ量は変化せず、クリップ12A自体の爪部22,22を拡開させようとする力は変わらない。しかし、締付部40が腕部28の先端側へ移動することにより、腕部28が内側へ押さえられて、爪部22,22が閉じていく。
そして、図4(C)に示すように、クリップ12Aを長さC2だけ後退させた、連結リング14Aの締付部40がクリップ12Aの腕部28の凸部30の直下に到達する位置で、連結リング14Aによるクリップ12Aの締め付けが完了する。また、このとき、クリップ12Aと次のクリップ12Bとの係合部が連結リング14Aの後端から抜け出て、クリップ12Bの爪部22,22がクリップ12Aのターン部24から外れ、クリップ12Aとクリップ12Bとの連結が解除される。それにより、クリップ12Aがクリップ処置具10から離脱可能となる。
図4(A)の初期状態から、図4(B)の最大拡開状態、図4(C)のクリップ締め付け完了までは、操作ワイヤ20を一方向に引く一連のクリップ締め付け動作で行われる。クリップ処置具10の操作者は、図4(A)から図4(B)までの間で、クリップ12Aがクリップ処置対象部分に対して適切な拡開量となった時点で、クリップ処置対象部分にクリップ12の爪部22,22を押し当てて、クリップ処置操作を開始することができる。このようにして、クリップ処置対象部分の幅や状態に応じて、クリップ12の拡開量を予め調整することができる。
図4(B)の状態の手前、すなわちクリップ12Aが最大拡開状態となる前に、適切な拡開量となった場合、クリップ処置対象部分にクリップ12の爪部22,22を押し当てた後も、クリップ12Aのターン部24の押さえつけ量は増加するが、爪部22,22は生体に押し付けられているため、それ以上拡開せず、調整された拡開量の状態に留まって、その部分を把持して、クリップ処置が行われる。
このように、クリップ処置部10では、クリップ12の開きが小さい状態から、徐々に広げながら開き量を調整して、丁度良い開き量を決めることができ、最適な把持領域を把持してクリップ処置することができる。
連結リング14の拡開量調整領域80は、傾斜面82によって形成されているので、クリップ12の拡開量は、設定された調整範囲で任意に調整することができる。例えば、本実施形態において、クリップ12の拡開量は2.2mm〜8.3mmの範囲で任意の値を選択可能である。
以上に説明したように、本発明のクリップ処置具10では、同一サイズのクリップ12を複数装填していても、処置すべき部分の大きさに応じてクリップ12の爪部の拡開量を調節することができるので、処置すべき部分の最適な把持領域を把持することができ、止血効果や閉塞効果の高いクリップ処置をすることができる。
上記では、連発式のクリップ処置具について説明したが、本発明は、単発式のクリップ処置具にも適用できる。単発式とする場合は、例えば、上記クリップ処置具10における、最後のクリップ12Dおよび連結リング14Dだけをシース16に装填したものを想定すればよい。また、単発式の場合のクリップ12の後端の保持および保持の解除の形態は、上記のものには限定されず、公知の方法を用いてもよい。
また、拡開量調整領域は、上記各例以外の形状とすることもできる。例えば、拡開量調整領域の内面を階段状にして、クリップ12の拡開量が段階的に調整できるようにしてもよいし、クリップ12のターン部24の形状に応じて、拡開量を変化させるように、拡開量調整領域の内周半径を任意に変化させた平面や曲面や階段状の面にしてもよい。
また、クリップ12は、ターン部24を押して拡開量を変化させる形状であればよく、ターン部24が帯板を180度交差させて形成されたものには限定されず、例えば、爪部22,22とターン部24との間の部分で90度だけ捻った形状のクリップを使用してもよい。なお、上記の例ではクリップ12を90度ずつ向きを変えて連結するものとしているが、爪部22,22とターン部24との間の部分で90度だけ捻った形状のクリップを使用する場合には、連続するクリップを同じ向きで連結することができる。
以上、本発明に係るクリップ処置具について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。また、本発明のクリップ処置具は、軟性鏡のほか、硬性鏡にも用いることができる。
(A)および(B)は、本発明のクリップ処置具の一実施形態を示す部分断面図である。 クリップの斜視図である。 (A)〜(C)は、連結リングの一例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は断面図、(C)は底面図である。 (A)〜(C)は、クリップ処置動作におけるクリップの段階的な状態を示す模式的な部分断面図である。
符号の説明
10 クリップ処置具
12 クリップ
14 連結リング
16 シース
18 ダミークリップ
20 操作ワイヤ
22 爪部
24 ターン部
26 交差部
28 腕部
30 突起
32 第1領域
34 第2領域(連結保持領域)
38 スカート部
40 締付部
42 保持部
43 穴
43a 溝
44 スリット
78 ストレート領域
80 拡開量調整領域
82 傾斜面

Claims (3)

  1. 閉塞端から延びる2枚の帯板が交差された交差部によって前記閉塞端側にターン部が形成され、前記交差部から開放端側の2つの腕部の先端に、互いに対向するように爪部が形成されたクリップと、
    シースに進退可能に嵌入され、前記クリップの前記ターン部を保持する保持部、および、前記保持部の先端に配置された前記クリップを締め付けて固定するための締付部を有する保持リングと、
    前記クリップの前記閉塞端に接続され、前記クリップを牽引する操作ワイヤとを備え、
    前記保持リングは、前記保持部に、前記連結リングの後端に近付くにつれてその内周半径が小さくなる拡開量調整領域を有し、
    前記操作ワイヤが所定量牽引される間に、前記クリップの前記ターン部が前記拡開量調整領域を移動することで、前記ターン部の押さえ量が増加して前記爪部の拡開量が増加し、次いで、前記クリップの前記腕部に対して前記締付部が前進することで、前記爪部が閉じられ、前記腕部の所定位置に前記締付部が到達することで、前記クリップの締め付けが完了するクリップ処置具。
  2. 複数の前記クリップが、前後のクリップと係合した状態でシース先端部に装填され、
    複数の前記保持リングは、その前記保持部が前記クリップの各係合部を覆って前記クリップの連結状態を維持し、
    前記操作ワイヤは、最後尾の前記クリップに接続され、前記複数のクリップからなるクリップ列を牽引する請求項1に記載のクリップ処置具。
  3. 先頭の前記クリップは、前記操作ワイヤによって前記保持リングに対して牽引され、後続の前記クリップとの係合部が前記保持リングから抜け出ることで、前記後続のクリップとの連結が解除される請求項2に記載の連発式クリップ処置具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020531203A (ja) * 2017-10-02 2020-11-05 ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッドBoston Scientific Scimed,Inc. 組織を引き込む為の装置および方法

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