JP2009278140A - 半導体チップの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体回路が形成された後のウエハにおいて、研削または研磨工程によって活性化された半導体ウエハの研削または研磨面を不活性化処理することを特徴とする。このとき、酸化剤による不活性化処理が好適である。また、前記不活性化処理が、ウエハの研削または研磨面へのオゾンの吹き付け、オゾン水による処理、あるいは、ウエハの研削または研磨面へのUV照射によることが好適である。さらに、前記不活性化処理をした後に、ダイシング用シートを貼り付けることが好適である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ウエハ裏面の処理方法であって、半導体回路が形成された後のウエハにおいて、研削または研磨工程によって活性化された半導体ウエハの研削または研磨面を不活性化処理することを特徴とする。本発明者は、ダイシング工程において、予めダイシング用シートとウエハ裏面間の粘着力を低下させておくことで、半導体チップのピックアップを容易にし、ダイシング用シートによる汚染を防止することができるという知見を基に、研削または研磨工程によって活性化されたウエハの研削または研磨面を不活性化することが、ダイシング用シートとウエハ裏面間の粘着力を低下させるのに非常に有効な処理方法であることを見出したもので、大掛かりな工程の追加・変更を必要とせずに、円滑にダイシング工程および後工程を進めることができる。
過酸化水素水を使用する場合には、通常、濃度3%程度の溶液が使用される。なお、別途、洗浄工程を設けるならば、他の酸化剤も使用可能であるし、効率は悪いが空気を大量に使用することも可能である。このように、酸化剤の種類や酸化条件を任意に選択することによって、最適条件下でウエハ裏面の安定化・不活性化を図ることができる。
不活性化処理の効果を評価するために、DISCO社製バックグラインダーDFG−840にてウエハを400μmまで研削し、不活性化処理を行ない、別途準備したUV硬化型粘着シートを1時間以内に貼付けた。そのうちの1つは日東電工社製UV照射装置UM−810にて貼付け30分後にUV照射を行ない、UV照射機排気による処理についてのみ、UV硬化型粘着シートを3時間で貼付けて、粘着力測定を行った。不活性化処理はUV照射機排気以外はすべて流量1L/minで吹き付けた。UV照射機排気についてのみ、流量3L/minで吹き付けた。もう1つは、DISCO社製ダイサーDFD−651にて5mm×7mmにダイシングし、日東電工社製UV照射装置UM−810にてUV照射を行なった後、ピックアップ評価を行った。
(1)粘着力測定
引張り角度を任意に調整可能で、一定に保持可能な、引張り試験機を用い、引張り角度15度にて粘着シートの剥離力を測定した。
(2)ピックアップ評価
日電機械社製CPS−100を用い、4本針、突き上げ量500μmという条件にてピックアップを行った。
評価用のUV硬化型粘着シートは、下記に従い作成した。
アクリル酸メチル70重量部とアクリル酸ブチル30重量部アクリル酸5重量部からなる配合組成物を酢酸エチル中で共重合させて、数平均分子量800000のアクリル系共重合物を得た。上記溶液に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名「カヤラッドDPHA」、日本化薬株式会社製)70重量部、ラジカル重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)5重量部、ポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン社製)を加えて、アクリル系紫外線硬化型粘着剤溶液を調製した。この溶液を、一方の面にコロナ処理を施した厚さ80μmのポリエチレンフィルムのコロナ処理面に塗布・加熱乾燥して、厚さ10μmの紫外線硬化型粘着剤層を形成した。次いで、前記粘着剤層の表面にセパレータを貼合せて紫外線硬化型粘着シートを製造した。前記セパレータは、粘着剤層貼合面に離型剤処理を施した厚さ38μmのポリエステルフィルム(商品名「ルミラーS−10#50」、東レ社製)を使用した。
図1は本発明に係る研削または研磨装置のウエハ裏面洗浄部の一例である。図1において、バックグラインド用テープ2がまだ貼られている状態で、ウエハ1は吸着パッド3によって真空吸着により固定された状態で回転軸11を中心に回転しながら、洗浄水吹き付けノズル5により洗浄後、オゾン吹き付けノズル4によって水分の除去とオゾンによる不活性化処理の両方を同時に行なう。オゾンは別途設けられたオゾン発生器による生成される。オゾン濃度は、装置開放時のオゾン濃度低減に必要な時間を考慮すると0.1−10ppmの範囲が好ましい。排気に関しては、ブロワー等の一般的な排気手段にて行われる。ウエハは、空気供給孔から空気を供給しながら、オゾン濃度を0.1ppm以下としてから、ウエハ取り出し口より、ウエハ吸着手段を有したロボットアームにて取り出され、所定のカセットに収納される。
図2は本発明に係るウエハカセットにてオゾン処理する際の一例である。図2において、バックグラインド用テープ2がまだ貼られている状態で、ウエハ1はウエハカセット6に収納されており、ウエハカセット6はオゾン供給部および排気部を設けた容器中に入れられ、第1実施例と同様の条件により不活性化処理される。カセットは、空気供給孔から空気を供給しながら、オゾン濃度を0.1ppm以下としてから、密閉容器上部を開いて、取り出される。
図3は本発明に係るウエハを枚葉にてオゾン処理する際の一例である。図3において、バックグラインド用テープ2がまだ貼られている状態で、ウエハ1は、チャックテーブル7に固定されている。オゾン吹き付けノズル4は吹き付け方向をウエハ上のいずれの位置にも向けられるように可動軸に取り付けられており、適宜移動して、ウエハ全面にオゾンを吹き付け可能である。処理条件、取り出し方法は第1実施例と同様である。
図4は本発明に係るダイシングテープ貼付装置のウエハ裏面オゾン処理部の一例である。洗浄水の吹き付けがない以外は基本的には第1実施例と同様である。オゾン吹き付けノズル4は吹き付け方向をウエハ上のいずれの位置にも向けられるように可動軸に取り付けられており、適宜移動して、ウエハ全面にオゾンを吹き付け可能である。通常、ダイシングテープ貼付装置にはアライナーが設けられており、アライナー部にオゾン吹き付け部を設けるのが、スペースを減らすためには望ましい。処理条件、ウエハの取り扱いは第1実施例と同様である。
図5は本発明に係るダイシングテープ貼付装置のウエハ裏面UV装置排気吹き付け部の一例である。流量は十分あるため、スリット状または、全面をカバーするような大きさのものを設けるのが、吹き付け量UPのためにもより好ましい。UV装置の排気は通常数10℃であるため、23℃付近の室温状態よりも反応性向上のためには好ましい。一方、基材の種類によってもその影響は異なるが、ウエハ1が80℃程度以上となると、一般にバックグラインドテープの基材が軟化してウエハが反る、あるいは収縮してバックグラインドテープが剥れる、などの不具合が発生しやすいため、被着体の温度は、別途を設けて吹き付け量をコントロールすることにより70℃程度以下にコントロールするのが好ましい。
図6は本発明に係る研削または研磨装置のウエハ裏面洗浄部の一例である。図6において、バックグラインド用テープ2がまだ貼られている状態で、ウエハ1は吸着パッド3によって真空吸着により固定され回転されながら、洗浄水吹き付けノズル9により、オゾン水を吹き付け、洗浄後、空気吹き付けノズル10によって、水分の除去を行なう。なお、本実施例は、独立した装置として設けることも可能である。オゾン水は一般的な生成装置から供給可能であり、3−15ppm程度が好ましい。また、オゾン水の替わりに、過酸化水素水を使用することも可能である。通常、3%程度の濃度のものが使用される。
上記のような不活性処理を行わずに、ダイシングテープを貼り付け、評価試験を行った。
2 バックグラインド用テープ
3 吸着パッド
4 オゾン吹き付けノズル
5 洗浄水吹き付けノズル
8 UV照射装置排気孔
9 オゾン水吹き付けノズル
10 空気吹き付けノズル
Claims (8)
- 半導体回路が形成された後のウエハにおいて、研削または研磨工程によって活性化された半導体ウエハの研削または研磨面を不活性化処理することを特徴とするウエハ裏面の処理方法。
- 前記不活性化処理が、酸化剤によるものであることを特徴とする請求項1に記載のウエハ裏面の処理方法。
- 前記不活性化処理が、ウエハの研削または研磨面へのオゾンの吹き付けによるものであることを特徴とする請求項1に記載のウエハ裏面の処理方法。
- 前記不活性化処理が、オゾン水での処理によるものであることを特徴とする請求項1に記載のウエハ裏面の処理方法。
- 前記不活性化処理が、ウエハの研削または研磨面への紫外線(UV)照射によるものであることを特徴とする請求項1に記載のウエハ裏面の処理方法。
- 前記不活性化処理をした後に、ダイシング用シートを貼り付けることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のウエハ裏面の処理方法。
- オゾンをウエハの研削または研磨面に吹き付ける機構を有することを特徴とするダイシング用シート貼付け装置。
- ウエハ表面のUV硬化型保護テープに照射するためのUV照射機構を有し、ランプ冷却済の排気をウエハの研削または研磨面に吹き付ける機構を有することを特徴とするダイシング用シート貼付け装置。
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