JP2009277282A - 磁気ディスク装置筐体におけるはんだ封止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】構成材料がアルミニウム系合金であっても、該低密度ガスが漏洩しにくい高い信頼性を有するはんだ接続構造を実現することを課題とする。
【解決手段】ベースとフィードスルーを非接触とし、両者を概ね最大で1mm空け、その間隙にはんだを充填する際、ベースとフィードスルーの位置決めをテフロンのようにはんだがぬれず高融点の樹脂を加工した治具にて行なう際、治具の直接はんだが接触する場所にベースの上側と下側を貫通させる穴を明け、はんだ付け時に発生するフラックスアウトガスを排出しやすくすることを特徴としたはんだ封止方法を行なうことによって実現する。
【選択図】図10
【解決手段】ベースとフィードスルーを非接触とし、両者を概ね最大で1mm空け、その間隙にはんだを充填する際、ベースとフィードスルーの位置決めをテフロンのようにはんだがぬれず高融点の樹脂を加工した治具にて行なう際、治具の直接はんだが接触する場所にベースの上側と下側を貫通させる穴を明け、はんだ付け時に発生するフラックスアウトガスを排出しやすくすることを特徴としたはんだ封止方法を行なうことによって実現する。
【選択図】図10
Description
本発明は、磁気ディスク装置に係り、特に、装置内部にヘリウムガスなどの低密度の気体を封入するのに好適な密封型磁気ディスク装置に関するものである。
近年の磁気ディスク装置は、大容量・高記録密度に対する要求から、ディスクを高速回転させ、ヘッドジンバルアセンブリを高速駆動させている。このため、少なからず、空気の乱れ(風乱)が生じ、ディスクやヘッドジンバルアセンブリに振動が発生する。この風乱振動は、高密度に記録されたディスク上のトラックにヘッドを位置決めする際の大きな障害となる。風乱は空気の乱れに起因するため、その発生はランダムであり、その大きさや周期を予測することは難しく、迅速かつ正確な位置決め制御をしようとすると、その制御が複雑・困難になるためである。また、風乱振動は騒音の音源ともなり装置の静粛性を
損なう要因ともなる。
損なう要因ともなる。
高速回転に伴う装置内の空気の作用で発生する問題としては、上記以外に消費電力の増加がある。ディスクを高速で回転させると、その近傍の空気も一緒に引きずられて回転する。一方ディスクから離れた空気は静止しているため、この間にせん断力が発生し、ディスク回転を止めようとする負荷となる。これは風損と呼ばれ、高速回転になればなるほど大きくなる。この風損に逆らって高速回転を行うには、モータは大きな出力を必要とし、大きな電力を必要とする。
ここで、前記風乱及び風損は装置内部の気体の密度に比例することに着目し、密封された磁気ディスク装置内において、空気の代わりに低密度の気体を封入して風乱や風損を低減しようとするアイデアが以前から考えられていた。
低密度の気体としては、水素、窒素、ヘリウムなどが考えられるが、実使用を考慮すると、効果が大きく、安定していて安全性の高いヘリウムが最適と考えられる。ヘリウムガスを密閉した磁気ディスク装置では、上記問題を解決し、迅速かつ正確な位置決め制御、省電力、良好な静粛性を実現できる。また、省電力を考慮しない場合は、より高速なディスクの回転あるいはヘッドジンバルアセンブリの駆動を実現でき、装置性能の向上を図ることができる。
しかし、ヘリウムは、その分子がきわめて小さく、拡散係数は大きいため、通常の磁気ディスク装置に用いられている筐体では、密閉性が低く、通常使用中に、ヘリウムが簡単に漏出し性能が維持できなくなってしまうという課題がつきまとっていた。
そこで、漏れやすいヘリウムを長期間密封可能にすべく、例えば、下記特許文献1のような従来例が提案されている。
ここで、従来例について、説明する。
図1には、従来例に係る密封型磁気ディスク装置の筐体のカバーがない状態の上面図が示される。
図1において、スピンドルモータ11及び該スピンドルモータ11により回転駆動される、情報記録再生媒体としての磁気ディスク12が設けられる。また、ボイスコイルモータを含むアクチュエータアセンブリ13と、アクチュエータアセンブリ13により回転駆動される、ヘッドジンバルアセンブリ14が設けられる。ヘッドジンバルアセンブリ14の先端部には、磁気ディスク12との間で情報の記録、再生を行うための磁気ヘッド15が、磁気ディスク12との間で空気軸受面(ABS)を有するスライダを介して、設けられ、ヘッドジンバルアセンブリ14が磁気ディスク12の半径方向に回転駆動して、磁気ヘッド15が磁気ディスク12上に位置決めされ、記録再生が行われる。さらに、FPCアセンブリ16は、磁気ヘッド15や各モータと、これらを駆動制御するための筐体外の回路基板を接続し、磁気ヘッド15が記録再生する情報や、各モータを駆動するための電源を伝送させる。上述した筐体内のスピンドルモータ11、磁気ディスク12、アクチュエータアセンブリ13、ヘッドジンバルアセンブリ14及びFPCアセンブリ16(以下、HDAという)と筐体外の回路基板により、磁気ディスク装置が機能する。
上記HDAが搭載された筐体にヘリウムを密封すべく、ヘリウム環境内でカバーの取り付けが行われる。そして、取り付けと同時に筐体内部が、ヘリウムガスで満たされ、密封型磁気ディスク装置となる。
図2には、従来例に係る密封型磁気ディスク装置の断面図の一例が示される。
ここで、筐体内のヘリウムが漏れる可能性が高い箇所として、スピンドルモータ11などが搭載された筐体22とカバー23の接合箇所が挙げられる。当該箇所を完全に密封すべく、接合位置24において、筐体22側壁の上部とカバー23をレーザ溶接あるいははんだ接合する。
そして、レーザ溶接あるいははんだ接合を行う場合は、その耐久性・信頼性やコストの観点から、筐体22とカバー23の材料を選定する必要があり、例えば、アルミニウムダイキャストで成型した筐体及びプレスあるいは切削により形成されたアルミニウムのカバー、あるいは、銅とマグネシウムの含有量が比較的少ないアルミニウム合金から冷鍛で形成した筐体及びプレスあるいは切削により形成されたアルミニウムのカバーが選定されるのが望ましい。
さらに、筐体内のヘリウムが漏れる可能性が高い箇所として、筐体内のFPCアセンブリと筐体外の回路基板をつなぐ電気配線を通すための筐体22底面の小さな開口部が挙げられる。当該開口部を完全に密封し、かつ電気配線を行うべく、図2に示すような複数のピン26を有するコネクタ25を用い、FPCアセンブリ側の配線を、筐体内のピンに接続し、回路基板側の配線を、筐体外のピンに接続するようにする。
図3、4には、コネクタの側面図と上面図が示される。
コネクタのフランジ31は、筐体の接合位置32において、筐体35底面の開口部に接合される。フランジ31には、複数のスチールピン33が、フランジ31平面に垂直方向に伸びるように設けられるが、この際、フランジ31とスチールピン33の間には、スチールピン33の周囲を囲むように、ガラスあるいはセラミックなどのシール材料34が充填されている。
フランジ31の材料は、シール材料34及び筐体35の材料に適合し、接合位置32にかかる応力を低減するように選択され、筐体35がアルミニウムである場合は、フランジ31はニッケル合金あるいはステンレススチールであることが望ましい。
ディスクと、該ディスクを回転駆動するスピンドルモータと、ディスク上で情報を記録再生するヘッドと、該ヘッドを前記ディスク上の任意の位置に移動するためのヘッドジンバルアセンブリと、該ヘッドジンバルアセンブリを駆動するためのアクチュエータアセンブリと、前記ヘッド、スピンドルモータ及びアクチュエータアセンブリと電気接続するためのFPCアセンブリが筐体に設けられ、該筐体は、該FPCアセンブリと電気接続するためのコネクタ部を有し、前記筐体をカバーにより接合し、接合された空間に低密度のガスを密封した密封型磁気ディスク装置であって、該低密度のガスを封止するコネクタの接続をはんだにて行う従来の場合についての課題について説明する。
このコネクタと筐体のはんだ付けの工程は、以下の手順に従って行われる。
(1)コネクタや筐体のはんだぬれが必要な部分へのフラックス塗付を行う。
(2)コネクタを筐体に配置する。
(3)コネクタと筐体との境界へのはんだおよびフラックスの供給を行う。
(4)コネクタを搭載した筐体全体をリフロー炉によって加熱する。
(5)加熱が終了し、冷却が完了したら、筐体のフラックス残渣などの洗浄を行なう。
(1)コネクタや筐体のはんだぬれが必要な部分へのフラックス塗付を行う。
(2)コネクタを筐体に配置する。
(3)コネクタと筐体との境界へのはんだおよびフラックスの供給を行う。
(4)コネクタを搭載した筐体全体をリフロー炉によって加熱する。
(5)加熱が終了し、冷却が完了したら、筐体のフラックス残渣などの洗浄を行なう。
また、これに従い、はんだ付けを行う際、接続部は図5のようになっているが、溶融したはんだは、コネクタと筐体との狭い間隙部をぬれ広がることで分配される。
また、図6に示すように該間隙部の大部分では、はんだを挟み込むコネクタ表面および筐体表面は平行の関係にある。
従って、はんだの大部分は該間隙部に留まり、平面的に薄く広がった形状をしている。
そのため、鉛フリーはんだの中では接続信頼性が最高レベルにあるSn−3Ag−0.5Cu(単位:質量%)を接続用はんだとして使用し、前述の接続形状を形成し、加速試験として接続部の温度サイクル試験を実施すると、実使用寿命5年を達成できず、はんだ接続部内に発生したクラックが低密度ガスのリークパス(漏洩経路)を形成してしまうことがわかった。
この原因は、該コネクタのフランジの構成材料が多くの場合、鉄系材料であるコバール(線膨張係数:約5ppm/℃)であり、該筐体の構成材料がアルミニウム系合金(線膨張係数: 約12ppm/℃)であることで、これらの部材間に線膨張係数の差が存在することから、実使用時にこれら異種材料間に発生する熱機械的な負荷に対して、これらの材料を接合するはんだ材料が早期のうちに耐えられなくなるためである。
また、該コネクタのフランジの構成材料であるコバールの線膨張係数が該筐体のアルミニウム系合金のそれよりも著しく小さくせざるを得ない理由は、図7に示すように、該コネクタのフランジと該コネクタの電気信号伝達用スチールピンとの間の絶縁にガラスあるいはセラミックなどのシール材料を使用しており、該シール材料と該コネクタのフランジとの線膨張係数の差を小さくすることにより、使用環境下での温度変化により両材料間に空隙ができ、該低密度ガスがこの空隙を伝わって漏洩するのを抑止する必要があるからである。
従って、本発明では、該コネクタのフランジの構成材料が鉄系材料であるコバールであり、該筐体の構成材料がアルミニウム系合金であっても、該低密度ガスが漏洩しにくい高い信頼性を有するはんだ接続構造を実現することが課題となる。
高信頼化のためには、特願2007-110485号において、該低密度のガスを封止するコネクタの接続をはんだにて行い、図8に示すように筐体内部および外部にはんだフィレット(はんだ付けの際のはんだ溶融時に、はんだの表面張力を利用し安定的に形成され、単純な表面形状を持った三次元的なはんだ溜り)を形成し、少なくとも1箇所の該はんだフィレットの形成部において、はんだの流動性やぬれ性を局所的に制御することなどにより、はんだフィレット形状の安定化を図ることを特徴としたはんだ封止方法を行なうことによって実現するという提案がなされている。
ただし、上記提案の方法により、加速試験として接続部の温度サイクル試験を実施すると、実使用寿命5年を達成できることはわかるものの、さらなる長寿命化が必要な製品への適用は困難で、長期使用を想定した製品対応の技術開発が課題となっている。
本発明の目的は、上記の課題を解決することにあり、この課題を解決するために、高い信頼性を有するはんだ接続による低密度ガスの封止構造を実現する以下の方法を提案する。
まず第一に、ベースとフィードスルーを非接触とし、両者を概ね最大で1mm空け、その間隙にはんだを充填する際、ベースとフィードスルーの位置決めをテフロンのようにはんだがぬれず高融点の樹脂を加工した治具にて行なう際、治具の直接はんだが接触する場所にベースの上側と下側を貫通させる穴を明け、はんだ付け時に発生するフラックスアウトガスを排出しやすくすることを特徴としたはんだ封止方法を提案する。
さらに上記の案において、ベースとフィードスルーの間に存在するはんだ内に巨大な引け巣が形成されるのを抑止するために、はんだをSn−Ag−Cu、Sn−Zn、Sn−Cu等の合金系の共晶組成に近く固液共存温度幅が概ね5℃以内のはんだや純Snを用いることを特徴としたはんだ封止方法を提案する。
また、上記二つの案において、はんだ合金系をSn−Ag−Cu系とする場合、穴径を0.5〜1.5mmとすることを特徴としたはんだ封止方法を提案する。
また、上記三つの案において、はんだ接続部の近傍とベースの少なくとも一箇所のステーションとの間のベース肉厚を3〜10mm程度で一定とし、ステーションに超音波加振器を接続させ、はんだ接続部に超音波振動を伝えることにより、はんだのぬれ性を向上させ、ボイドを減少させることを特徴としたはんだ封止方法を提案する。
次に、これらの提案により信頼性が向上する理由を説明する。
まず、図9のように、ベースとフィードスルーを非接触とし、両者を概ね1mm空け、その間隙にはんだを充填する際、ベースとフィードスルーの位置決めをテフロンのようにはんだがぬれず高融点の樹脂を加工した治具にて行なうことは先願(特願2007-110485号)で提案してきた。
しかし、使用するフラックスの活性度や有機溶媒の含有率によっては、活性成分が化学変化したものや有機溶媒が気化したもの、いわゆるアウトガスが、はんだの中に残留した状態でボイドとなって凝固してしまう場合がある。
このボイドは、はんだがストレスを受けた場合、はんだの中に発生し進展するクラックと連結する場合が多く、こうなった場合はんだの中にヘリウムのリークパス(経路)が比較的短時間でできてしまうので、はんだを大量に供給して応力緩和が図れても、平均的な寿命は著しく向上しない。
特に、図9のベース内側に形成されたはんだフィレットは、ストレスが最も小さくなる場所のため、クラックの進展速度が遅く、この部分にボイドのない高品質なはんだづけができれば、はんだによるヘリウム封止寿命の著しい向上が可能となる。
しかし、この部分のはんだは上部をフィードスルーに塞がれているためアウトガスは大きなサイズに成長しないと浮力だけでは上部からぬけることができず、その大部分がぬけたとしてもその一部が高い確率で残留してしまう。
この問題を解決する方法として、図10のように、治具の直接はんだが接触する場所にベースの上側と下側を貫通させる穴を明け、はんだ付け時に発生するフラックスアウトガスを治具から排出しやすくすれば、残留ボイドは無くなるか、そのサイズは信頼性に悪影響を及ぼさない程度まで小さくなる。
さらに上記の案において、ベースとフィードスルーの間に存在するはんだ内に巨大な引け巣が形成されるのを抑止するために、はんだをSn−Ag−Cu、Sn−Zn、Sn−Cu等の合金系の共晶組成に近く固液共存温度幅が概ね5℃以内のはんだや純Snを用いることにより、引け巣がはんだ中に発生し進展するクラックと連結できないようにする。
また、上記二つの案において、はんだ合金系をSn−Ag−Cuとする場合、穴径を0.5〜1.5mmとすれば、フラックスアウトガスのみを治具に空けた穴から排出でき、さらに溶融したSn−Ag−Cu系はんだはその表面張力の大きさゆえに穴を通り抜けることができない。
仮に、穴径が0.5mm未満であると、フラックスアウトガスがぬけ、溶融はんだが通りぬけることはないが、フラックスの残渣が穴に詰まりはんだ付けの途中にアウトガス排出性能が低下する。また、穴に洗剤がはいりこまないため残渣の洗浄もできず再利用もできない。
さらに、穴径が1.5mmを超えると、フラックスアウトガスだけでなく、溶融はんだも通りぬけるため、治具としては使用できない。
また、上記三つの案において、はんだ接続部の近傍とベースの少なくとも一箇所のステーションとの間のベース肉厚を3〜10mm程度で一定とし、ステーションに超音波加振器を接続させ、はんだ接続部に超音波振動を伝えることにより、信頼性を著しく低下させる大きなボイドを減少させる。
大きなボイドが減少する理由は、超音波振動は溶融はんだを部分的に加速でき、ボイドに近接した溶融はんだを加速してボイドを押し出したり、溶融はんだをボイドごと砕いて小さくできるためであると考えられる。
提案の方法を実施することで、筐体内に封止した低密度ガスのコネクタ接続部からのリーク寿命を向上させ、実使用において低密度ガスがリークすることのない高信頼度のはんだ接続による完全密封構造の実現が可能となる。
さらに、完全密封されたヘリウムによれば、迅速かつ正確な位置決め制御、省電力、良好な静粛性を実現でき、また、省電力を考慮しない場合は、より高速なディスクの回転あるいはヘッドジンバルアセンブリの駆動を実現でき、装置性能の向上を図ることができる。
さらに、完全密封されたヘリウムによれば、迅速かつ正確な位置決め制御、省電力、良好な静粛性を実現でき、また、省電力を考慮しない場合は、より高速なディスクの回転あるいはヘッドジンバルアセンブリの駆動を実現でき、装置性能の向上を図ることができる。
また、完全密封された筐体によれば、気圧変動、湿度変動のHDAへの影響を除去することができ、HDA内のモータオイルなどの酸化劣化を防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に沿って詳細に説明する。
低密度のガスを密封する密封型磁気ディスク装置を生産するために、低密度のガスを封止するコネクタ(フィードスルー)とベース(筐体)を非接触とし、両者を概ね最大で0.75mm空け、その間隙にはんだを充填する際、ベースとフィードスルーの位置決めをテフロンを加工した治具にて行なう際、治具の直接はんだが接触する場所にはベースの上側と下側を貫通させる直径0.7mmの穴が明いており、はんだ付けにはSn−3Ag−0.5Cuはんだを使用した。
また、比較用に貫通穴を持たないテフロン治具を使用してはんだ付けしたベースも用意した。
そして、ベースにフィードスルーを配置する際、フィードスルーをテフロン製の治具で固定しベースとフィードスルーの位置関係を調節した。
次に、これらの筐体にディスクと、該ディスクを回転駆動するスピンドルモータと、ディスク上で情報を記録再生するヘッドと、該ヘッドを前記ディスク上の任意の位置に移動するためのヘッドジンバルアセンブリと、該ヘッドジンバルアセンブリを駆動するためのアクチュエータアセンブリと、前記ヘッド、スピンドルモータ及びアクチュエータアセンブリと電気接続するためのFPCアセンブリを筐体に取り付け、該FPCアセンブリとコネクタ部を電気接続後、前記筐体をカバーにより接合し、接合された空間に低密度のガスを密封した密封型磁気ディスク装置を生産した。
その後、目標の実使用寿命を7年とした温度サイクル試験を実施した。
・磁気ディスク装置は1条件につき20個、合計40個用意した。
・低密度ガスにはヘリウムを使用し、リークレートが1×10―11(Pa・m3/sec)以下を合格とした。
・磁気ディスク装置は1条件につき20個、合計40個用意した。
・低密度ガスにはヘリウムを使用し、リークレートが1×10―11(Pa・m3/sec)以下を合格とした。
その結果、各サンプルで目標の実使用寿命7年を達成できなかった個数は、以下となった。
貫通穴のある治具を使用してはんだ付けをしたもの:20個中0個
貫通穴を持たない治具を使用してはんだ付けをしたもの:20個中1個
また、貫通穴を持たない治具を使用した場合の接続不良原因を断面観察により調べたところ、フラックスのアウトガス起因の直径0.3mm程度のボイドがはんだ内に形成したことによるリークパスの早期形成が原因であった。
貫通穴を持たない治具を使用してはんだ付けをしたもの:20個中1個
また、貫通穴を持たない治具を使用した場合の接続不良原因を断面観察により調べたところ、フラックスのアウトガス起因の直径0.3mm程度のボイドがはんだ内に形成したことによるリークパスの早期形成が原因であった。
これにより、フラックスのアウトガスを治具に設けた貫通穴により逃がすことにより、低密度ガスのはんだによる封止信頼性の向上に効果があることがわかった。
低密度のガスを密封する密封型磁気ディスク装置を生産するために、低密度のガスを封止するコネクタ(フィードスルー)とベース(筐体)を非接触とし、両者を概ね最大で0.75mm空け、その間隙にはんだを充填する際、ベースとフィードスルーの位置決めをテフロンを加工した治具にて行なう際、治具の直接はんだが接触する場所にはベースの上側と下側を貫通させる直径1.0mmの穴が明いており、はんだ付けにはSn−3Ag−0.5Cuはんだを使用した。
また、比較用にSn−3Ag−0.5Cu(固相線温度:217℃、液相線温度:220℃)のような共晶組成に近いものとは異なるものの、15℃程度低い温度ではんだ付けできるSn−4Ag−0.5Cu−7In(固相線温度:198℃、液相線温度:211℃)を使用してはんだ付けしたベースも用意した。
そして、ベースにフィードスルーを配置する際、フィードスルーをテフロン製の治具で固定しベースとフィードスルーの位置関係を調節した。
次に、これらの筐体にディスクと、該ディスクを回転駆動するスピンドルモータと、ディスク上で情報を記録再生するヘッドと、該ヘッドを前記ディスク上の任意の位置に移動するためのヘッドジンバルアセンブリと、該ヘッドジンバルアセンブリを駆動するためのアクチュエータアセンブリと、前記ヘッド、スピンドルモータ及びアクチュエータアセンブリと電気接続するためのFPCアセンブリを筐体に取り付け、該FPCアセンブリとコネクタ部を電気接続後、前記筐体をカバーにより接合し、接合された空間に低密度のガスを密封した密封型磁気ディスク装置を生産した。
その後、目標の実使用寿命を7年とした温度サイクル試験を実施した。
・磁気ディスク装置は1条件につき20個、合計40個用意した。
・低密度ガスにはヘリウムを使用し、リークレートが1×10―11(Pa・m3/sec)以下を合格とした。
・磁気ディスク装置は1条件につき20個、合計40個用意した。
・低密度ガスにはヘリウムを使用し、リークレートが1×10―11(Pa・m3/sec)以下を合格とした。
その結果、各サンプルで目標の実使用寿命7年を達成できなかった個数は、以下となった。
Sn−3Ag−0.5Cuを使用してはんだ付けをしたもの:20個中0個
Sn−4Ag−0.5Cu−7Inを使用してはんだ付けをしたもの:20個中10個
また、Sn−4Ag−0.5Cu−7In(固相線温度:198℃、液相線温度:211℃)を使用した場合の接続不良原因を断面観察により調べたところ、引け巣の発生であった。
Sn−4Ag−0.5Cu−7Inを使用してはんだ付けをしたもの:20個中10個
また、Sn−4Ag−0.5Cu−7In(固相線温度:198℃、液相線温度:211℃)を使用した場合の接続不良原因を断面観察により調べたところ、引け巣の発生であった。
これにより、共晶組成に近いはんだを使用し引け巣を低減することにより、低密度ガスのはんだによる封止信頼性の向上に効果があることがわかった。
低密度のガスを密封する密封型磁気ディスク装置を生産するために、低密度のガスを封止するコネクタ(フィードスルー)とベース(筐体)を非接触とし、両者を概ね最大で0.75mm空け、その間隙にはんだを充填する際、ベースとフィードスルーの位置決めをテフロンを加工した治具にて行なう際、治具の直接はんだが接触する場所にはベースの上側と下側を貫通させる直径0.7mmの穴が明いており、はんだ付けにはSn−3Ag−0.5Cuはんだを使用した。
また、フラックスには塩素含有量が約0.3%の活性の低く、短時間の洗浄で済むものを使用した。そして、ベースにフィードスルーを配置する際、フィードスルーをテフロン製の治具で固定しベースとフィードスルーの位置関係を調節した。
また、ステーションとの間のベース肉厚を5mm程度で一定とし、ステーションに周波数35kHz、出力1kWの超音波加振器を10秒間接触させ、はんだ接続部に超音波振動を伝えることにより、はんだのぬれ性を向上させ、ボイドを減少させた。
また、比較用に超音波加振をせずはんだ付けしたベースも作製した。
次に、これらの筐体にディスクと、該ディスクを回転駆動するスピンドルモータと、ディスク上で情報を記録再生するヘッドと、該ヘッドを前記ディスク上の任意の位置に移動するためのヘッドジンバルアセンブリと、該ヘッドジンバルアセンブリを駆動するためのアクチュエータアセンブリと、前記ヘッド、スピンドルモータ及びアクチュエータアセンブリと電気接続するためのFPCアセンブリを筐体に取り付け、該FPCアセンブリとコネクタ部を電気接続後、前記筐体をカバーにより接合し、接合された空間に低密度のガスを密封した密封型磁気ディスク装置を生産した。
その後、目標の実使用寿命を7年とした温度サイクル試験を実施した。
・磁気ディスク装置は1条件につき20個、合計40個用意した。
・低密度ガスにはヘリウムを使用し、リークレートが1×10―11(Pa・m3/sec)以下を合格とした。
・磁気ディスク装置は1条件につき20個、合計40個用意した。
・低密度ガスにはヘリウムを使用し、リークレートが1×10―11(Pa・m3/sec)以下を合格とした。
その結果、各サンプルで目標の実使用寿命7年を達成できなかった個数は、以下となった。
超音波加振しながらはんだ付けをしたもの:20個中0個
超音波加振せずはんだ付けをしたもの:20個中7個
また、貫通穴を持たない治具を使用した場合の接続不良原因を断面観察により調べたところ、フラックスのアウトガス起因の直径0.3mm程度のボイドがはんだ内やはんだとベース、あるいははんだとフィードスルーの間に形成したことによるリークパスの早期形成が原因であった。
超音波加振せずはんだ付けをしたもの:20個中7個
また、貫通穴を持たない治具を使用した場合の接続不良原因を断面観察により調べたところ、フラックスのアウトガス起因の直径0.3mm程度のボイドがはんだ内やはんだとベース、あるいははんだとフィードスルーの間に形成したことによるリークパスの早期形成が原因であった。
これにより、超音波加振によりはんだのぬれを良くし、ボイドを排除することにより、低密度ガスのはんだによる封止信頼性の向上に効果があることがわかった。
本発明は、磁気ディスク装置に係り、特に、装置内部にヘリウムガスなどの低密度の気体を封入するのに好適な密封型磁気ディスク装置に利用可能である。
21…HDA、22、35…筐体、23…カバー、25…コネクタ、26、33…ピン、31…フランジ、34…ビーズ、41…堤防、42…溝、60…テフロン治具、61…貫通穴、101…はんだ、102…はんだプリフォーム。
Claims (4)
- ディスクと、該ディスクを回転駆動するスピンドルモータと、ディスク上で情報を記録再生するヘッドと、該ヘッドを前記ディスク上の任意の位置に移動するためのヘッドジンバルアセンブリと、該ヘッドジンバルアセンブリを駆動するためのアクチュエータアセンブリと、前記ヘッド、スピンドルモータ及びアクチュエータアセンブリと電気接続するためのFPCアセンブリがベースに設けられ、該ベースは、該FPCアセンブリと電気接続するためのフィードスルー部を有し、前記ベースをカバーにより接合し、接合された空間に低密度のガスを密封した密封型磁気ディスク装置であって、該低密度のガスを封止するフィードスルーの接続をはんだにて行い、ベースとフィードスルーを非接触とし、両者を概ね最大で1mm空け、その間隙にはんだを充填する際、ベースとフィードスルーの位置決めをテフロンのようなはんだがぬれず高融点の樹脂を加工した治具にて行なう際、治具の直接はんだが接触する場所にベースの上側と下側を貫通させる穴を明け、はんだ付け時に発生するフラックスアウトガスを排出しやすくすることを特徴としたはんだ封止方法。
- 請求項1において、ベースとフィードスルーの間に存在するはんだ内に巨大な引け巣が形成されるのを抑止するために、はんだをSn−Ag−Cu、Sn−Zn、Sn−Cu等の合金系の共晶組成に近く固液共存温度幅が概ね5℃以内のはんだや純Snを用いることを特徴としたはんだ封止方法。
- 請求項1、2において、はんだ合金系をSn−Ag−Cu系とする場合、穴径を0.5〜1.5mmとすることを特徴としたはんだ封止方法。
- 請求項1から3において、はんだ接続部の近傍とベースの少なくとも一箇所のステーションとの間のベース肉厚を3〜10mm程度で一定とし、ステーションに超音波加振器を接続させ、はんだ接続部に出力100W〜1kW程度の超音波振動を伝えることにより、はんだのぬれ性を向上させ、ボイドを減少させることを特徴としたはんだ封止方法。
Priority Applications (1)
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JP2008126606A JP2009277282A (ja) | 2008-05-14 | 2008-05-14 | 磁気ディスク装置筐体におけるはんだ封止方法 |
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Cited By (1)
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JP2014013467A (ja) * | 2012-07-03 | 2014-01-23 | Nec Personal Computers Ltd | ノートブック型パーソナルコンピュータ |
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2008
- 2008-05-14 JP JP2008126606A patent/JP2009277282A/ja active Pending
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