JP2009276596A - 光反射用積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムの少なくとも片面に少なくとも透明樹脂と該透明樹脂に非相溶な樹脂を含む混合物よりなる光拡散層を積層してなる光反射用積層フィルムにおいて、光拡散層側の反射度が70〜200、光拡散層側の拡散度が7.0〜50である光反射用積層フィルム。
【選択図】なし
Description
しかしながら、該提案技術は、拡散層の光線透過率が高いもの、あるいは逆に低いものの両極端な領域のものしか提案されていない。
例えば、光線透過率の高い領域に限定された方法として、例えば、特許文献1〜3が知られている。
該課題を解決する方法としてポリオレフィン系樹脂を用いた白色反射シートが提案されている(例えば、特許文献10〜19参照)
しかしながら上記開示技術についても、例えば特許文献11、18及び19の実施例に関しては光線透過率の高い領域に限定された方法であり、逆に、特許文献12、14及び特許文献18、19の比較例については、光線透過率の低い領域に限定されおり、前述の金属光沢を利用した反射シートとの複合フィルムの有する課題が解決されてはいない。
例えば、液晶ディスプレイは、薄型、小型、低消費電力などの特長を生かし、現在、時計、電卓、TV、パソコンなどの表示部に用いられている。更に近年、カラーLCDが開発されOA・AV機器を中心にナビゲーションシステム、ビュウファインダー、パソコンのモニター用など数多くの用途に使われ始めており、その市場は今後、急激に拡大するものと予想されている。特に、外部から入射した光を反射させて表示を行う反射型液晶ディスプレイは、バックライトが不要であるために消費電力が少なく、薄型、軽量化が可能である点で携帯用端末機器用途として注目されている。
日立化成テクニカルレポートNo.30、P15〜18(2002.1)
この場合において、光拡散層の平行光線透過率が20〜80%、かつヘーズが10〜80%であることが好ましい。
また、この場合において、光拡散層の表面光沢度が10〜70%であることが好ましい。
また、この場合において、光拡散層が実質的に空洞を含まれないことが好ましい。
また、本発明における光反射用積層フィルムは、低角度で入射する光に対する反射において上記特性を有するので、例えば、反射型液晶ディスプレイ用の反射シートとして好適である。
また、本発明における光反射用積層フィルムは、ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムであるので、ポリエステル系白色反射フィルムに比べて長期使用した場合の黄変が少ないという特長を有している。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムは、ポリオレフィン系樹脂と無機質微粒子及び/又は有機質微粒子との配合物よりなるフィルムで、かつ後述の反射特性を満たせば特に限定されない。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ4−メチルぺンテン−1、環状ポリオレフィン及びこれらの共重合樹脂が挙げられる。該樹脂は限定されないが、コストパフォーマンスの点よりポリプロピレン樹脂あるいエチレンなどの他のオレフィンモノマーを共重合したポリプロピレン系共重合樹脂の使用が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂に含有させる有機質微粒子としては、有機顔料、架橋された高分子からなる微粒子、溶融混練により微分散した熱可塑性樹脂微粒子などを用いることができる。
上記微粒子は、単独使用であっても複数の併用であっても構わない。また、該無機質微粒子及び/又は有機質微粒子は各種表面処理剤で表面処理されたものであっても構わない。さらに、蛍光増白剤を併用することも可能である。
また、反射特性の点では一軸延伸フィルムが好ましい。
耐熱性や強度、寸法安定性、反射特性の全てをバランスさせるため、二軸延伸フィルムと一軸延伸フィルムを積層した白色フィルムでも構わない。
空洞含有タイプのポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムとは、微細な空洞が多数均一に分散されたポリオレフィン系フィルムであり、見かけ比重が好ましくは0.50〜0.80、より好ましくは0.55〜0.75である。見かけ比重が0.80を超える場合、反射特性や軽量性が劣り、逆に0.50未満の場合、フィルムの腰及び機械的強度が劣り好ましくない。
本発明における光拡散層は、積層フィルムの光拡散層側の反射度が70〜200、かつ光拡散層側の拡散度が7.0〜50である拡散特性及び反射特性を満たすために重要な役割を果たす。
光拡散層は、積層フィルムの光拡散層側の拡散特性及び反射特性が上記範囲を満たされれば特に限定されないが、少なくとも透明樹脂からなる連続相と該透明樹脂に非相溶な樹脂からなる分散相を含む混合物よりなることが重要である。
光拡散層の作製方法としては、例えば、(1)連続相となる透明樹脂に分散相となる樹脂を溶融混練して微分散させてフィルム状に押出す方法、更にそのフィルムを一軸方向又は2軸方向に延伸する方法や(2)連続相となる透明樹脂に分散相となる樹脂の微粒子を溶融混練して分散させてフィルム状に押出す方法、更にそのフィルムを一軸方向又は2軸方向に延伸する方法や(3)連続相となる透明樹脂を溶剤に溶かした溶液中に分散相となる樹脂の微粒子を分散させてから該溶液をフィルム状にコーティングし乾燥固化する方法、更にそのフィルムを一軸方向又は2軸方向に延伸する方法、などが挙げられる。
しかし、本発明における上記特性範囲を満たすには光拡散層における光の透過率や拡散性をより高い精度で制御する必要がある。従って、上記方法が好ましい実施態様である。該方法は、市場で求められている上記特性範囲の光反射用積層フィルムを安定して生産することにおいて無機粒子や空洞を利用する方法よりも優位となる。
また、上記の好ましい実施対応の方法は、無機粒子を配合する方法に比べて製膜工程におけるポリマーフィルターの目詰まりが抑制できるという特長を有する。
また、ポリエステル系樹脂を連続相となる透明樹脂として使用する場合は、分散相となる樹脂としてポリエステル樹脂と相溶しない、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などを溶融混練することで微分散したものを用いることができる。
連続相となる透明樹脂としては、上記のポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂の他にも、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂などの熱可塑性樹脂を使用することができる。
連続相となる透明樹脂としては、上記のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂などの熱可塑性樹脂を使用することができる。
溶融しないか又は融点が連続相の透明樹脂の融点より高い樹脂の微粒子としては、架橋ポリスチレン系微粒子、架橋ポリアクリル酸エステル系微粒子、シリコーン系微粒子、ポリベンゾグアナミン系微粒子などを使用することができる。
連続相となる透明樹脂及び分散相となる樹脂の微粒子は、上記(1)、(2)で例示したものを用いることができる。
ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムに直接に上記コーティングを行って光拡散層を形成しても構わない。
上記光拡散層は、別々に作製した上記のポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムに上記の光拡散層としての光学特性を有する光拡散性フィルムを積層しても良いし、上記したポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムの製造時に多層押し出し法や、押し出しラミネート法で光拡散層を積層してもよい。
ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムと上記構成の光拡散性フィルムとを積層する方法の場合は、両フィルムを接着剤や粘着剤で貼り合わせてもよいし、両フィルムを単に重ね合わせて使用してもよい。接着剤や粘着剤で貼り合わせる場合の、接着剤や粘着剤の種類などは限定されないが、透明性の優れた光学用の銘柄を使用するのが好ましい。
従って、本発明においては、上記光拡散層に実質的に空洞が含まれないことが好ましい実施態様である。
ここで、光拡散層に実質的に空洞が含まれないこととは、共焦点レーザ顕微鏡により光拡散層の島部分を観察して、該島部の周りの空洞の有無を観察して判定した。ランダムに10個の島部の観察で空洞が見られないものを実質的に空洞が含まれないと判定した。
また、光拡散層の厚みは1〜250μmが好ましく、3〜200μmがより好ましい。
自動変角光度計(GP−200:株式会社村上色彩研究所製)を用いて測定を行う。
光線入射角:15°、受光角度:−45°〜90°、SENSITIVITY:500、HIGH VOLTON:600、フィルター:ND10使用、光束絞り:10.5mm(VS−1 3.0)、受光絞り:9.1mm(VS−3 4.0)および変角間隔0.1度の条件で測定し得られる反射ピークの半分の高さの位置のピーク幅を角度で表示してθとする。該θの値を拡散度とした。
上記測定に際しては、光反射用積層フィルムの巻きの縦方向が縦方向になるように試料ホルダーに固定し、拡散層側を測定面として測定する。
上記拡散度測定で得られた反射ピーク値と、同条件で測定した標準板(SphereOptics社製ZRS−99−020W ゼニス標準反射板 MODEL#:SG3051)の反射ピークとの比を求めて、該ピーク比をSとする。
該Sと上記方法で測定した拡散度θとの積を反射度とする。反射ピークの半値幅ピーク面積に対応する値である。
ヘーズは15〜75%であることがより好ましい。ヘーズが10%未満では拡散度が低下するので好ましくない。逆に、80%を超えた場合は、反射度が低下するので好ましくない。
例えば、従来技術で開示されている全光線透過率は散乱光を含めた光線透過率であるので、従来技術で注目されて拡散性の尺度としては有効である。反射度と拡散度の両立を目指す本発明においては、必ずしも有効な特性とは言い難い面がある。実際に、本発明においては全光線透過率は85〜97%という狭い範囲に設定するのが好ましい。全光線透過87〜95%がより好ましい。全光線透過率が85%未満では反射度が低下するので好ましくない。逆に、97%を超えた場合は、拡散度が低下するので好ましくない。
表面光沢度が10%未満では反射度が低下するので好ましくない。逆に、70%を超えた場合は、拡散度が低下するので好ましくない。
自動変角光度計(GP−200:株式会社村上色彩研究所製)を用いて測定を行った。
光線入射角:15°、受光角度:−45°〜90°、SENSITIVITY:500、HIGH VOLTON:600、フィルター:ND10使用、光束絞り:10.5mm(VS−1 3.0)、受光絞り:9.1mm(VS−3 4.0)および変角間隔0.1度の条件で測定し得られる反射ピークの半分の高さの位置のピーク幅を角度で表示してθとした。該θの値を拡散度とした。
上記測定に際しては、光反射用積層フィルムの巻きの縦方向が縦方向になるように試料ホルダーに固定し、拡散層側を測定面として測定した。
上記拡散度測定で得られた反射ピーク値と、同条件で測定した標準板(SphereOptics社製ZRS−99−020W ゼニス標準反射板 MODEL#:SG3051)の反射ピークとの比を求めて、該ピーク比をSとした。
該Sと上記方法で測定した拡散度θとの積を反射度とした。
日本電色工業株式会社製ヘーズ測定器「NDH−2000」を用いて、JIS K 7105−1981に準拠して測定した。
測定試料を該試料を取り出すロールの巻きの長さ方向が上下方向に平行になるように測定試料固定部に固定して測定することにより得た測定値を用いた。
日本電色工業社製の光沢計VG2000を用いて、JIS Z 8741に準拠して測定した。この場合、測定試料を該試料を取り出すロールの巻きの長さ方向が測定器の前後方向と平行になるように固定して測定した値を用いた。
光拡散層に実質的に空洞が含まれないこととは、共焦点レーザ顕微鏡により光拡散層の島部分を観察して、該島部の周りの空洞の有無を観察して判定した。ランダムに10個の島部の観察で空洞が見られないものを実質的に空洞が含まれないと判定した。
〔ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムの調製〕
発泡用マスターバッチとして、エポスターMA1002(日本触媒社製ポリメタクリル酸メチル系化合物からなる微粒子)20質量部とポリプロピレン樹脂FS2011DG3(住友化学社製、住友ノーブレン)80質量部とを溶融混合して得られた樹脂18質量部に、白色化マスターバッチとしてPPM7862W(大日精化社製、酸化チタン配合量60質量%)6質量部とポリプロピレン樹脂FSX21E1(住友化学社製、住友ノーブレン)76質量部を、60mmφ単軸押出機(L/D;22)内で樹脂温度240℃にて溶融混合してTダイで押出した後、60℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸し、引き続いてテンタ―式延伸機により、167℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に8倍延伸する。ついで165℃で熱固定を行って厚みが50μmの白色フィルムを得た。巻き取り直前において片面にコロナ処理を行った。
ポリプロピレン樹脂FS2011DG3(住友化学社製、住友ノーブレン)65質量部にエチレン・ブテン共重合体 A1085S(三井化学社製、タフマー)35質量部を、60mmφ単軸押出機(L/D;22)内で樹脂温度240℃にて溶融混合してTダイで押出した後、20℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸し、引き続きその片面にコロナ処理をして厚み200μmの一軸延伸フィルムを得た。該光拡散層フィルムには実質的に空洞が含まれていなかった。
〔光反射用積層フィルムの調製〕
上記方法で調製したポリオレフィンよりなる白色フィルムの片面に上記方法で調製した光拡散層フィルムを光学用の両面粘着シートで貼り合わせて光反射用積層フィルムを得た。該貼り合わせに際しては、それぞれのフィルム共に巻き方向同士が一致する方向で、かつコロナ処理面同士が向かい合う形で貼り合わせて。
得られた光拡散層フィルムの特性及び光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは反射度及び拡散度の両方に優れており、高品質であった。
実施例1の方法において、拡散層フィルムを積層することなくポリオレフィンよりなる白色フィルムのみの反射特性を表1に示す。
該ポリオレフィンよりなる白色フィルムは実施例1で得られた光反射用積層フィルムより反射度及び拡散度が劣っていた。特に、拡散度が著しく劣っていた。
表層用樹脂として実施例1の拡散層フィルムの調製に用いた樹脂配合物を基材層樹脂として実施例1のポリオレフィンよりなる白色フィルムの調製に用いた樹脂配合物を、それぞれ45mmφ2軸押出機(L/D;19)及び60mmφ単軸押出機(L/D;22)を用いて、それぞれ押し出し温度255℃及び240℃にて溶融押出し表面層とし、基層と表面層が溶融された状態のまま、3層Tダイで積層押出しした後、60℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸し、引き続いてテンタ―式延伸機により、167℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に8倍延伸する。ついで165℃で熱固定を行って、表面層5μm、基層20μm、表面層5μmの2種3層よりなる光反射用積層フィルムを得た。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは反射度及び拡散度の両方に優れており、高品質であった。
また、本実施例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には実質的に空洞が含まれていなかった。
実施例2の方法において、表層用樹脂としてポリプロピレン樹脂、重質炭酸カルシウム及び酸化チタンをそれぞれ49質量部、1質量部及び50質量部の割合で配合した配合物に変更する以外は、実施例1と同様の方法で光反射用積層フィルムを得た。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは拡散度は優れているが反射度が低くかった。
また、比較例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には空洞が多数含まれていた。
比較例2の方法において、表層用樹脂としてポリプロピレン樹脂及び重質炭酸カルシウムをそれぞれ95質量部及び5質量部の割合で配合した配合物に変更する以外は、実施例1と同様の方法で光反射用積層フィルムを得た。
本比較例で得られた光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本比較例で得られた光反射用積層フィルムは反射度は優れているが拡散度が低くかった。
また、比較例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には空洞が含まれていた。
発泡用マスターバッチとして、エポスターMA1002(日本触媒社製、ポリメタクリル酸メチル系化合物からなる微粒子)20質量部とポリプロピレン樹脂FS2011DG3(住友化学社製、住友ノーブレン)80質量部とを溶融混合して得られた樹脂18質量部に、白色化マスターバッチとしてPPM7862W(大日精化社製、酸化チタン配合量60質量%)6質量部とポリプロピレン樹脂FSX21E1(住友化学社製、住友ノーブレン)76質量部を、60mmφ単軸押出機(L/D;22)内で樹脂温度240℃にて溶融混合してTダイで押出した後、60℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸して一軸延伸フィルムを得た。該一軸延伸フィルムの両面にポリプロピレン樹脂FS2011DG3(住友化学社製、住友ノーブレン)及び高密度ポリエチレン樹脂2208J(プライムポリマー社製、ハイゼックス)それぞれ50質量部づつを混合した配合物よりなる拡散層樹脂配合物を45mmφ2軸押出機(L/D;19)で溶融押し出し、該積層体を引き続いてテンタ―式延伸機により、167℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に8倍延伸する。ついで165℃で熱固定を行って、表面層5μm、基層20μm、表面層5μmの2種3層よりなる光反射用積層フィルムを得た。
本比較例で得られた光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本比較例で得られた光反射用積層フィルムは反射度は優れているが拡散度が低くかった。
実施例1の方法で得られた光反射用積層フィルムの拡散層表面に、実施例1と同じ方法で得られた拡散層フィルムをもう一枚を光学用の両面シートで貼り合わせて光反射用積層フィルムを得た。
得られた光拡散層フィルムの特性及び光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは、実施例1で得られた光反射用積層フィルムよりもさらに反射度及び拡散度の両方に優れており、高品質であった。
また、本実施例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には実質的に空洞が含まれていなかった。
実施例1の方法において、ポリオレフィンよりなる白色フィルムと光拡散層フィルムを光学用両面粘着シートで貼り合わせることなく、単に重ね合わせることにより光反射用積層フィルムを得た。
得られた光拡散層フィルムの特性及び光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは、実施例1で得られた光反射用積層フィルムよりもさらに拡散度が優れていた。
実施例2の方法で得られた一軸延伸フィルムを光反射用積層フィルムとした。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは、実施例2で得られた光反射用積層フィルムよりもさらに反射度及び拡散度の両方が優れていた。
また、本実施例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には実質的に空洞が含まれていなかった。
実施例5において、エチレン・ブテン共重合体 A1085S(三井化学社製、タフマー)を、エチレン・プロピレン共重合体 P0280(三井化学社製、タフマー)に変更する以外は、実施例5と同様の方法で光反射用積層フィルムを得た。
本比較例で得られた光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本比較例で得られた光反射用積層フィルムは反射度及び拡散度の両方が低くかった。
実施例1の方法において、光拡散層フィルムとして、マット層が、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン系樹脂の配合物よりなるマット調の二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績社製、P4166、25μm)以外は、実施例1と同様の方法で光反射用積層フィルムを得た。
得られた光拡散層フィルムの特性及び光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは、実施例1で得られた光反射用積層フィルムよりもさらに反射度及び拡散度の両方に優れていた。特に、拡散度が極めて高かった。
また、本実施例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には実質的に空洞が含まれていなかった。
実施例2の方法において、光拡散層を形成する樹脂の配合比をポリプロピレン樹脂FS2011DG3(住友化学社製、住友ノーブレン)35質量部にエチレン・ブテン共重合体 A1085S(三井化学社製、タフマー)65質量部に変更する以外は、実施例2と同様の方法で光反射用積層フィルムを得た。
得られた光拡散層フィルムの特性及び光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは、実施例2で得られた光反射用積層フィルムと同等の反射特性を有していた。
また、本実施例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には実質的に空洞が含まれていなかった。
実施例7の方法で得た一軸延伸フィルムを光反射用積層フィルムとした。
得られた反射フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは、実施例2で得られた光反射用積層フィルムよりもさらに反射度及び拡散度の両方に優れていた。
また、本実施例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には実質的に空洞が含まれていなかった。
実施例2の方法において、光拡散層を形成する樹脂の中のエチレン・ブテン共重合体 A1085S(三井化学社製、タフマー)をエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製、INFUSE(TM)、D9107.10)に切り替える以外は、実施例1と同様の方法で光反射用積層フィルムを得た。
得られた光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは、実施例2で得られた光反射用積層フィルムよりも拡散度が優れていた。
また、本実施例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には実質的に空洞が含まれていなかった。
厚み100μmのポリエステルフィルムの片面にポリスチレン系ポリマービーズとアクリル系樹脂よりなる拡散層をコーティング法で積層することにより、表1に示す光学特性を有したポリエステル系の光拡散層フィルム2種類を作製した。この2種類の光拡散層フィルムをそれぞれ実施例1で作製したポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムと同じ白色フィルムに重ね合わせることにより光反射用積層フィルムを得た。該重ね合わせは光拡散層フィルムの反拡散層側とポリオレフィンよりなる白色フィルムとが接するように行った。
得られた光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは、どちらもが反射度及び拡散度の両方が優れていた。
また、本実施例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には実質的に空洞が含まれていなかった。
実施例10、11の方法において、光拡散層の配合組成を変化させることにより得たそれぞれ表1に示す特性を有するポリエステル系の光拡散層フィルムに変える以外は、実施例10、11と同様の方法で光反射用積層フィルムを得た。
得られた光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
比較例6で得られた光反射用積層フィルムは拡散度が、比較例7で得られた光反射用積層フィルムは反射度が劣っていた。
市販のポリエステル系の白色反射フィルム三種類について反射度と拡散度を測定した。
反射特性を表2に示す。いずれの白色反射フィルムも本願の光反射用積層フィルムに比べ反射度が低い。
室内照明用蛍光灯の反射板部に実施例、比較例及び参考例−1の光反射用積層フィルムや反射フィルムを貼り付けて明るさと明るさの斑を官能評価にて判定した。
実施例で得られた光反射用積層フィルムはいずれもが、蛍光灯の光の反射度が高く、かつ反射斑が少なかった。
一方、比較例1、3、4及び6で得られた光反射用積層フィルムは反射の斑が見られた。また、比較例2、5及び7で得られた光反射用積層フィルムは反射度が低かった。
また、市販の白色反射フィルムも反射度が低かった。
また、本発明における光反射用積層フィルムは、低角度で入射する光に対する反射において上記特性を有するので、例えば、反射型液晶ディスプレイ用の反射シートとして好適である。
また、本発明における光反射用積層フィルムは、ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムであるので、ポリエステル系白色反射フィルムに比べて長期使用した場合の黄変が少ないという特長を有している。従って、産業界への寄与は大きい。
Claims (4)
- ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムの少なくとも片面に光拡散層を積層してなる光反射用積層フィルムにおいて、光拡散層が少なくとも透明樹脂からなる連続相と該透明樹脂に非相溶な樹脂からなる分散相を含む混合物よりなり、明細書中で記載した方法で測定される光拡散層側の反射度が70〜200、明細書中で記載した方法で測定される光拡散層側の拡散度が7.0〜50であることを特徴とする光反射用積層フィルム。
- 光拡散層の平行光線透過率が20〜80%、かつヘーズが10〜80%であることを特徴とする請求項1に記載の光反射用積層フィルム。
- 光拡散層の表面光沢度が10〜70%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光反射用積層フィルム。
- 光拡散層が実質的に空洞を含まないことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の光反射用積層フィルム。
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- 2008-05-15 JP JP2008128236A patent/JP5245530B2/ja not_active Expired - Fee Related
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