JP2009276596A - 光反射用積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】低角度の入射光に対する光反射において、反射度と拡散度の両方が高く、反射効率に優れた光反射用積層フィルムを提供すること。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムの少なくとも片面に少なくとも透明樹脂と該透明樹脂に非相溶な樹脂を含む混合物よりなる光拡散層を積層してなる光反射用積層フィルムにおいて、光拡散層側の反射度が70〜200、光拡散層側の拡散度が7.0〜50である光反射用積層フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムに光拡散層が積層された光反射用積層フィルムに関するものである。詳しくは、ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムに光拡散層が積層された光の反射度と拡散度の両特性が優れた光反射用積層フィルムに関するものである。
室内などの照明、内照式電飾パネルにおける照明、複写機における光照射あるいは液晶ディスプレイにおける照明などにおいて、光源の光量を有効に活用し上記照明における照度や輝度を高めるために、反射シートや反射板(以下、単に反射シートと称すことがある)が用いられている。
反射シートとしては、例えば、白色PETフィルムよりなる拡散反射部材が多く用いられている。該拡散反射部材は拡散性に重きをなした特性を有しており正反射性は低い。そのために均質性の高い反射が付与される反面、反射度が低いという課題を有している。
一方、上記課題を解決する方法としてアルミニウムや銀などの金属の光沢を利用した正反射性の高い反射シートが開発されている。しかしながら、該方法は反射度を高めることができるが、反射の指向性が強いので、例えば、室内や社内の照明においては、特定方向に強い反射が起こるので、方向による均質性に欠け、かつ、特定方向においては眩しさが強くなるという問題点を有する。また、内照式電飾パネルにおける照明や液晶ディスプレイの照明においては輝度の均質性が悪化するという問題点がある。さらに、該反射の指向性が強いために反射シートに部分的に皺やそりが発生した場合にさらに反射の均一性が低下するという問題点を有している。
上記課題を解決する方法として、上記の金属光沢を利用した反射シートにおいて、反射シートの表層に光の拡散性を制御する拡散層を積層して反射の拡散性を制御する方法が提案されている。
しかしながら、該提案技術は、拡散層の光線透過率が高いもの、あるいは逆に低いものの両極端な領域のものしか提案されていない。
例えば、光線透過率の高い領域に限定された方法として、例えば、特許文献1〜3が知られている。
特開平7−108643号公報 特開2007−127751号公報 特開2007−157566号公報
上記特許文献において開示されている方法は、金属光沢を利用した反射シートよりは拡散性が改善されているが、まだ指向性が強く金属光沢を利用した反射シートの有する課題が解決されてはいない。
一方、光線透過率の低い領域に限定された方法として、例えば、特許文献4〜9が知られている。
実開平5−73602号公報 特開平8−76112号公報 特開2002−1484145号公報 特開2004−341067号公報 特開2004−341068号公報 特開2005−114777号公報
上記特許文献において開示されている方法は、拡散性が大幅に改善されているが、正反射性が大幅に低下しており、白色PETフィルムよりなる拡散反射部材と同様の課題を有する。
また、白色PETフィルムよりなる拡散反射部材は、近年の光量の増加、またランプからの熱による雰囲気温度の高温化により、光反射部材の色調の変化(黄変)が問題になることがあり、より変色の少ない素材が求められるようになっていた。
該課題を解決する方法としてポリオレフィン系樹脂を用いた白色反射シートが提案されている(例えば、特許文献10〜19参照)
特開平6−298957号公報 特開平8−262208号公報 特開2002−31704号公報 特開2003−176367号公報 特開2004−167820号公報 特開2005−31653号公報 特開2005−120140号公報 特開2005−49573号公報 特開2005−202349号公報 特開2007−148391号公報
上記ポリオレフィン系樹脂を用いた白色反射シートにおいても、前述の金属光沢を利用した反射シートと同様に反射シートの表層に光の拡散性を制御する拡散層を積層して反射の拡散性を制御する方法が提案されている。
しかしながら上記開示技術についても、例えば特許文献11、18及び19の実施例に関しては光線透過率の高い領域に限定された方法であり、逆に、特許文献12、14及び特許文献18、19の比較例については、光線透過率の低い領域に限定されおり、前述の金属光沢を利用した反射シートとの複合フィルムの有する課題が解決されてはいない。
近年、地球温暖化問題や資源の枯渇問題より、上記照明分野においても省エネルギー要求が強くなってきている。
例えば、液晶ディスプレイは、薄型、小型、低消費電力などの特長を生かし、現在、時計、電卓、TV、パソコンなどの表示部に用いられている。更に近年、カラーLCDが開発されOA・AV機器を中心にナビゲーションシステム、ビュウファインダー、パソコンのモニター用など数多くの用途に使われ始めており、その市場は今後、急激に拡大するものと予想されている。特に、外部から入射した光を反射させて表示を行う反射型液晶ディスプレイは、バックライトが不要であるために消費電力が少なく、薄型、軽量化が可能である点で携帯用端末機器用途として注目されている。
上記反射型液晶ディスプレイの場合、携帯端末使用においては、反射シートへの入射角度が±20度以内の光に対する反射度が高いことが好ましいことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
日立化成テクニカルレポートNo.30、P15〜18(2002.1)
例えば、上記特許文献19で開示されている方法においては入射角15度における反射ピーク値よりも入射角45度における反射ピーク値の方が高くなるように設計されており、上記反射型液晶ディスプレイ用の反射シートとしては好ましくない設計になっている。
本発明の目的は、上記の従来技術における問題点を解決するものであり、低角度の入射光に対する光反射において、反射度と拡散度の両方が高く、反射効率に優れた光反射用積層フィルムを提供することにある。
すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムの少なくとも片面に光拡散層を積層してなる光反射用積層フィルムにおいて、光拡散層が少なくとも透明樹脂からなる連続相と該透明樹脂に非相溶な樹脂からなる分散相を含む混合物よりなり、明細書中で記載した方法で測定される光拡散層側の反射度が70〜200、明細書中で記載した方法で測定される光拡散層側の拡散度が7.0〜50であることを特徴とする光反射用積層フィルムである。
この場合において、光拡散層の平行光線透過率が20〜80%、かつヘーズが10〜80%であることが好ましい。
また、この場合において、光拡散層の表面光沢度が10〜70%であることが好ましい。
また、この場合において、光拡散層が実質的に空洞を含まれないことが好ましい。
本発明における光反射用積層フィルムは、光反射において、反射度と拡散度の両方が高いので、室内の照明、内照式電飾パネルにおける照明、複写機における光照射あるいは液晶ディスプレイにおける照明などの各種照明において光源の光量を有効に活用し、上記照明における照度や輝度を高めることができる。
また、本発明における光反射用積層フィルムは、低角度で入射する光に対する反射において上記特性を有するので、例えば、反射型液晶ディスプレイ用の反射シートとして好適である。
また、本発明における光反射用積層フィルムは、ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムであるので、ポリエステル系白色反射フィルムに比べて長期使用した場合の黄変が少ないという特長を有している。
(ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルム)
本発明におけるポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムは、ポリオレフィン系樹脂と無機質微粒子及び/又は有機質微粒子との配合物よりなるフィルムで、かつ後述の反射特性を満たせば特に限定されない。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ4−メチルぺンテン−1、環状ポリオレフィン及びこれらの共重合樹脂が挙げられる。該樹脂は限定されないが、コストパフォーマンスの点よりポリプロピレン樹脂あるいエチレンなどの他のオレフィンモノマーを共重合したポリプロピレン系共重合樹脂の使用が好ましい。
また、ポリオレフィン系樹脂に含有させる無機質微粒子としては、炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化珪素、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ゼオライト、カオリン、タルク、酸化亜鉛、窒化硼素、シリカバルーンやガラスマイクロバルーンなどの微小中空体など用いることができる。
ポリオレフィン系樹脂に含有させる有機質微粒子としては、有機顔料、架橋された高分子からなる微粒子、溶融混練により微分散した熱可塑性樹脂微粒子などを用いることができる。
上記微粒子は、単独使用であっても複数の併用であっても構わない。また、該無機質微粒子及び/又は有機質微粒子は各種表面処理剤で表面処理されたものであっても構わない。さらに、蛍光増白剤を併用することも可能である。
上記ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムは、未延伸、一軸延伸及び二軸延伸のいずれでも構わないが耐熱性や強度、寸法安定性などの点より二軸延伸フィルムが好ましい。
また、反射特性の点では一軸延伸フィルムが好ましい。
耐熱性や強度、寸法安定性、反射特性の全てをバランスさせるため、二軸延伸フィルムと一軸延伸フィルムを積層した白色フィルムでも構わない。
上記ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムは、無孔タイプ、多孔タイプ及び空洞含有タイプのいずれでも構わないが、光の反射特性や軽量性などの点より、空洞含有タイプが好ましい。
上記の空洞含有タイプのポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムの組成や製造法は特に限定されないが、以下に例示する方法が好ましい一例である。
空洞含有タイプのポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムとは、微細な空洞が多数均一に分散されたポリオレフィン系フィルムであり、見かけ比重が好ましくは0.50〜0.80、より好ましくは0.55〜0.75である。見かけ比重が0.80を超える場合、反射特性や軽量性が劣り、逆に0.50未満の場合、フィルムの腰及び機械的強度が劣り好ましくない。
ポリオレフィン系樹脂としては、上述したようなポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリ4−メチルぺンテン−1、環状ポリオレフィン樹脂などの公知のオレフィンをモノマー成分とする単独重合体や共重合体もしくはそれらの任意の混合物が使用される。
無機質微粒子及び/又は有機質微粒子は、空洞形成開始剤として延伸工程において、ポリポリオレフィン系樹脂との界面で剥離が生じて空洞を形成し得るものであり、ポリオレフィン系樹脂と非相溶であり、ポリオレフィン系樹脂の溶融成形温度で溶融することがなく、かつ同温度に耐える耐熱性を有しかつ耐溶剤性を有する材料からなるものであれば特に制限はなく、例えば、次の無機質微粒子や有機質微粒子が挙げられる。
無機質微粒子は、ポリオレフィン系樹脂に不活性な無機質微粒子であり、例えば炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化珪素、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ゼオライト、カオリン、タルク酸化亜鉛、窒化硼素などが挙げられる。
有機質微粒子としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、スチレン−ブタジエンブロックコポリマーなどのスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、シクロペンタジエン系の石油樹脂などの高分子からなる微粒子が挙げられる。これらの高分子は、付加重合法、重縮合法、重付加反応法などの任意の方法で製造される。中でも特に耐熱性及び耐溶剤性に優れることから、架橋された高分子からなる微粒子が好ましい。このような架橋された高分子は、ポリオレフィン系樹脂への分散性が良好で、微細な空洞を均一に形成でき、高品質の空洞含有フィルムが得られることから、(メタ)アクリル系モノマーやスチレン系モノマーをモノマー単位として含んで架橋された樹脂が好ましく、特に(メタ)アクリル−スチレン系の共重合架橋高分子が好ましい。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸又はそのエステル誘導体が挙げられ、これらのモノマーは単独で使用してもよく、あるいは2種以上を併用することもできる。また、少量であれば(メタ)アクリル酸の金属塩、アミド誘導体、ヒドロキシエチルエステル、ジメチルアミノエステルなどの誘導体を併用しても構わない。
スチレン系モノマーとしては、例えばスチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン又はその誘導体が挙げられる。また全モノマー成分中の含有率が20質量%程度以下であれば酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリルなどのビニル系モノマーを配合することも有効である。
架橋法としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、シランカップリング剤、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどの多官能性モノマーを架橋剤として使用し、高分子製造時に架橋させて微粒子とするか、あるいは非架橋構造の高分子製造後に架橋させて高分子微粒子とするか、どちらの方法であってもよい。
上記の空洞形成開始剤は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、好ましくは1.6〜40質量部、より好ましくは2.0〜30質量部含有される。この含有量が1.6質量部未満の場合、ポリオレフィン系フィルムに十分な空洞を形成することができず、得られるフィルムの軽量性及びクッション性が不十分となり、逆に40質量部を超えるとポリオレフィン系樹脂の含有量が少なくなって、得られるフィルムの柔軟性や腰などの機械的特性が劣り、またフィルムの製膜性、延伸性が劣るので好ましくない。
また上記無機質微粒子及び/又は有機質微粒子の平均粒径は、好ましくは0.1〜7μm、より好ましくは0.5〜5.0μmである。この平均粒径が0.1μm未満の場合、微粒子の含有量がたとえ多くても十分な空洞を形成することができず、得られるフィルムの反射特性や軽量性が不十分となり、逆に7μmを超える場合は、フィルムの製膜性、延伸性が劣るので好ましくない。上記微粒子は粒度分布の小さいものが好ましい。
上記した空洞含有タイプの白色フィルムは、上記した蛍光増白剤、紫外線吸収剤及び酸化防止剤などの添加剤を配合しても構わない。
(光拡散層)
本発明における光拡散層は、積層フィルムの光拡散層側の反射度が70〜200、かつ光拡散層側の拡散度が7.0〜50である拡散特性及び反射特性を満たすために重要な役割を果たす。
光拡散層は、積層フィルムの光拡散層側の拡散特性及び反射特性が上記範囲を満たされれば特に限定されないが、少なくとも透明樹脂からなる連続相と該透明樹脂に非相溶な樹脂からなる分散相を含む混合物よりなることが重要である。
光拡散層は、透明樹脂からなる連続相と該透明樹脂に非相溶な樹脂からなる分散相を含むことによって、光拡散層の表面に形成される凹凸による光拡散層と空気の界面での光の屈折・半射によって拡散特性及び反射特性を発現することができるものと考えられる。また、光拡散層中における透明樹脂の連続相と非相溶な樹脂からなる分散相の界面での光の屈折・反射によって本発明の拡散特性及び反射特性を発現することができるものと考えられる。
光拡散層は、空洞を実質的に含まないことが好ましい。光拡散層中における透明樹脂の連続相と非相溶な樹脂からなる分散相の界面に空洞が存在する場合、その界面での屈折・半射によって、本願発明の拡散特性及び反射特性を発現にとって好ましくない場合がある。
透明樹脂からなる連続相と該透明樹脂に非相溶な樹脂からなる分散相を含む混合物よりなる光拡散層とは、透明樹脂の連続相中に相溶していない別の樹脂が微分散している層である。
光拡散層の作製方法としては、例えば、(1)連続相となる透明樹脂に分散相となる樹脂を溶融混練して微分散させてフィルム状に押出す方法、更にそのフィルムを一軸方向又は2軸方向に延伸する方法や(2)連続相となる透明樹脂に分散相となる樹脂の微粒子を溶融混練して分散させてフィルム状に押出す方法、更にそのフィルムを一軸方向又は2軸方向に延伸する方法や(3)連続相となる透明樹脂を溶剤に溶かした溶液中に分散相となる樹脂の微粒子を分散させてから該溶液をフィルム状にコーティングし乾燥固化する方法、更にそのフィルムを一軸方向又は2軸方向に延伸する方法、などが挙げられる。
前記した従来の技術等における光拡散層の光の透過率や拡散性を制御する方法としては、無機粒子を配合したり、空洞を発生させたりする方法が多く採用されていた。該方法は、光拡散層の基材樹脂と無機粒子や空洞との間の屈折率差が大きいために光の透過率や拡散性を効率よく変化させることができる点で優位な方法であり、従来の技術が目指していた拡散層の光線透過率が高いものと、逆に低いものとの両極端な領域に限定された範囲を制御する方法として有効であった。
しかし、本発明における上記特性範囲を満たすには光拡散層における光の透過率や拡散性をより高い精度で制御する必要がある。従って、上記方法が好ましい実施態様である。該方法は、市場で求められている上記特性範囲の光反射用積層フィルムを安定して生産することにおいて無機粒子や空洞を利用する方法よりも優位となる。
また、上記の好ましい実施対応の方法は、無機粒子を配合する方法に比べて製膜工程におけるポリマーフィルターの目詰まりが抑制できるという特長を有する。
(1)連続相となる透明樹脂に分散相となる樹脂を溶融混練して微分散させてフィルム状に押出す方法としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂を連続相となる透明樹脂として使用する場合は、分散相となる樹脂として相溶しない別のポリオレフィン系樹脂を混合したり、ポリエステル樹脂やポリアミド樹脂などのポリオレフィン樹脂と相溶しない他の熱可塑性樹脂を混合したものを用いることができる。
また、ポリエステル系樹脂を連続相となる透明樹脂として使用する場合は、分散相となる樹脂としてポリエステル樹脂と相溶しない、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などを溶融混練することで微分散したものを用いることができる。
連続相となる透明樹脂としては、上記のポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂の他にも、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂などの熱可塑性樹脂を使用することができる。
本発明においては、本発明の有する特徴の一つである長期使用における変色(黄変)を抑制する意味において、上記光拡散層を構成する連続相となる透明樹脂はポリオレフィン系樹脂よりなることが好ましい。さらに、分散相となる樹脂もポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。
上記光拡散層としてポリオレフィン樹脂に非相溶なポリオレフィン樹脂を配合する方法においては、ポリプロピレンあるいはその共重合樹脂とポリエチレンあるいはその共重合樹脂との配合物の使用が好ましい。上記ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との配合比は限定されないが、それぞれ1/9〜9/1の範囲で求められる反射特性などに応じて適宜選択すれば良い。
(2)連続相となる透明樹脂に分散相となる樹脂の微粒子を溶融混練して分散させてフィルム状に押出す方法としては、(1)の方法における分散相となる樹脂を溶融混練して微分散させる代わりに微粒子状の溶融しないか又は融点が連続相の透明樹脂の融点より高い樹脂からなる微粒子を溶融混練して分散させる方法である。
連続相となる透明樹脂としては、上記のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂などの熱可塑性樹脂を使用することができる。
溶融しないか又は融点が連続相の透明樹脂の融点より高い樹脂の微粒子としては、架橋ポリスチレン系微粒子、架橋ポリアクリル酸エステル系微粒子、シリコーン系微粒子、ポリベンゾグアナミン系微粒子などを使用することができる。
また、(3)連続相となる透明樹脂を溶剤に溶かした溶液中に分散相となる樹脂の微粒子を分散させてから該溶液をフィルム状にコーティングし乾燥固化する方法としては、連続相となる透明樹脂を適当な溶剤に溶かした溶液に分散相となる樹脂の微粒子を分散させた微粒子分散溶液をフィルム状にコーティングし、乾燥し固化する方法が挙げられる。
連続相となる透明樹脂及び分散相となる樹脂の微粒子は、上記(1)、(2)で例示したものを用いることができる。
ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムに直接に上記コーティングを行って光拡散層を形成しても構わない。
(積層フィルム)
上記光拡散層は、別々に作製した上記のポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムに上記の光拡散層としての光学特性を有する光拡散性フィルムを積層しても良いし、上記したポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムの製造時に多層押し出し法や、押し出しラミネート法で光拡散層を積層してもよい。
ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムと上記構成の光拡散性フィルムとを積層する方法の場合は、両フィルムを接着剤や粘着剤で貼り合わせてもよいし、両フィルムを単に重ね合わせて使用してもよい。接着剤や粘着剤で貼り合わせる場合の、接着剤や粘着剤の種類などは限定されないが、透明性の優れた光学用の銘柄を使用するのが好ましい。
実施例において例示するように、上記の積層体の構成方法により反射特性が大幅に変化する場合がある。市場要求に併せて適宜選択するのが良い。
例えば、上記した無機質微粒子を用いて拡散性を制御する方法においては、例えば、基材樹脂との屈折率差が大きいとか、延伸過程で空洞形成が発生するために後述の該拡散層の光線透過率、ヘーズ及び表面光沢度を精密に制御することが困難であり、前述したごとく、従来技術においては拡散性の高い領域ないしは、逆に低い領域に限定されていた。
従って、本発明においては、上記光拡散層に実質的に空洞が含まれないことが好ましい実施態様である。
ここで、光拡散層に実質的に空洞が含まれないこととは、共焦点レーザ顕微鏡により光拡散層の島部分を観察して、該島部の周りの空洞の有無を観察して判定した。ランダムに10個の島部の観察で空洞が見られないものを実質的に空洞が含まれないと判定した。
上記対応により、反射度と拡散度とを両立させるという本発明の効果が安定して実現ができ、工程変動によるこれらの特性の変動幅が抑制できて均質な製品を安定して生産できることを経験的に確認している。理由は定かでないが、空洞界面における光の散乱の影響が大きいものと推察している。
上記光拡散層に反射特性に悪影響を及ぼさない範囲で紫外線吸収剤や酸化防止剤などの安定剤を配合しても良い。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルム及び光拡散層の厚みは、後述の反射特性を満たせば限定されないが、ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムは10〜500μmが好ましく、25〜300μmがより好ましい。
また、光拡散層の厚みは1〜250μmが好ましく、3〜200μmがより好ましい。
本発明における光反射用積層フィルムは以下に示す方法により測定される光拡散層側の光反射度及び拡散度がそれぞれ及び70〜200及び7.0〜50であることが重要である。反射度が70未満では光の反射度が低く反射シートとして用いた場合に照明器具の照度あるいは輝度が低くなるので好ましくない。また、拡散度が7.0未満の場合は反射光の拡散性が低く、指向性が強くなり照明器具の照度あるいは輝度の均一性が悪化するので好ましくない。従って、該両特性を同時に満たすことにより反射度及び拡散度の両方が高くなるので、反射度が高いにも関わらず反射の均一性が保たれる。すなわち、照明器具の照度あるいは輝度の均一性を落とすことなく照度あるいは輝度を高めることができる。
光拡散層側の反射度と拡散度が共に高いフィルムが好ましく、反射度は90以上、拡散度は9.0以上が更に好ましい。両者を共に高いフィルムを経済的に得ることは困難であるため、両者のバランスを考慮する必要がある。本願発明においては、光拡散層側の反射度の上限は200、拡散度の上限は50にすることで反射度と拡散度のバランスが良好な光反射用積層フィルムが得られる。
〔拡散度の測定〕
自動変角光度計(GP−200:株式会社村上色彩研究所製)を用いて測定を行う。
光線入射角:15°、受光角度:−45°〜90°、SENSITIVITY:500、HIGH VOLTON:600、フィルター:ND10使用、光束絞り:10.5mm(VS−1 3.0)、受光絞り:9.1mm(VS−3 4.0)および変角間隔0.1度の条件で測定し得られる反射ピークの半分の高さの位置のピーク幅を角度で表示してθとする。該θの値を拡散度とした。
上記測定に際しては、光反射用積層フィルムの巻きの縦方向が縦方向になるように試料ホルダーに固定し、拡散層側を測定面として測定する。
〔反射度の測定〕
上記拡散度測定で得られた反射ピーク値と、同条件で測定した標準板(SphereOptics社製ZRS−99−020W ゼニス標準反射板 MODEL#:SG3051)の反射ピークとの比を求めて、該ピーク比をSとする。
該Sと上記方法で測定した拡散度θとの積を反射度とする。反射ピークの半値幅ピーク面積に対応する値である。
上記両特性を上記範囲にする方法は限定されないが、上記光拡散層の平行光線透過率が20〜80%、かつヘーズが10〜80%であることが好ましい実施態様である。平行光線透過率は25〜75%がより好ましい。平行光線透過率が20%未満では反射度が低下するので好ましくない。逆に、80%を超えた場合は、拡散度が低下するので好ましくない。
ヘーズは15〜75%であることがより好ましい。ヘーズが10%未満では拡散度が低下するので好ましくない。逆に、80%を超えた場合は、反射度が低下するので好ましくない。
上記特性を満足することにより、前記の反射度や拡散度が好ましい範囲になる理由は定かでないが、平行光線透過率が反射度に、ヘーズが拡散度により大きく寄与しており、両特性の最適化により反射度や拡散度が好ましい範囲になるものと推察している。すなわち、反射度は反射した光が平行に反射されてくることにより高くなると推察されることより平行光線透過率が反射度との相関に対する寄与が大きくなるものと考えられる。
例えば、従来技術で開示されている全光線透過率は散乱光を含めた光線透過率であるので、従来技術で注目されて拡散性の尺度としては有効である。反射度と拡散度の両立を目指す本発明においては、必ずしも有効な特性とは言い難い面がある。実際に、本発明においては全光線透過率は85〜97%という狭い範囲に設定するのが好ましい。全光線透過87〜95%がより好ましい。全光線透過率が85%未満では反射度が低下するので好ましくない。逆に、97%を超えた場合は、拡散度が低下するので好ましくない。
上記特性を満たし、さらに、上記光拡散層の表面光沢度が10〜70%であることがより好ましい実施態様である。表面光沢度は15〜65%がより好ましい。
表面光沢度が10%未満では反射度が低下するので好ましくない。逆に、70%を超えた場合は、拡散度が低下するので好ましくない。
上記光学特性の測定は、それぞれ実施例において記述するようにそれぞれのJIS法に準拠して実施されるが、全光線透過率、平行光線透過率及びヘーズの測定においては、測定試料を該試料を取り出すロールの巻きの長さ方向が上下方向に平行になるように測定試料固定部に固定して測定することにより得た測定値を用いた。また、表面光沢度の場合は、測定試料を該試料を取り出すロールの巻きの長さ方向が測定器の前後方向と平行になるように固定して測定することにより得た測定値を用いた。
また、共押し出し法で作製した光反射用積層フィルムの場合は、上記光拡散層は基材であるポリオレフィンよりなる白色フィルムと一体化されているので、該光拡散層単独での測定はできない。そこで、光拡散層組成の単層フィルムを別途作製して、該単層フィルムの光学特性を測定して代用した。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、もとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、実施例で採用した測定・評価方法は次の通りである。また、実施例中で「部」とあるのは断りのない限り「質量部」を意味し、「%」とあるのは断りのない限り「質量%」を意味する。
1.拡散度の測定
自動変角光度計(GP−200:株式会社村上色彩研究所製)を用いて測定を行った。
光線入射角:15°、受光角度:−45°〜90°、SENSITIVITY:500、HIGH VOLTON:600、フィルター:ND10使用、光束絞り:10.5mm(VS−1 3.0)、受光絞り:9.1mm(VS−3 4.0)および変角間隔0.1度の条件で測定し得られる反射ピークの半分の高さの位置のピーク幅を角度で表示してθとした。該θの値を拡散度とした。
上記測定に際しては、光反射用積層フィルムの巻きの縦方向が縦方向になるように試料ホルダーに固定し、拡散層側を測定面として測定した。
2.反射度の測定
上記拡散度測定で得られた反射ピーク値と、同条件で測定した標準板(SphereOptics社製ZRS−99−020W ゼニス標準反射板 MODEL#:SG3051)の反射ピークとの比を求めて、該ピーク比をSとした。
該Sと上記方法で測定した拡散度θとの積を反射度とした。
3.全光線透過率、平行光線透過率及びヘーズ
日本電色工業株式会社製ヘーズ測定器「NDH−2000」を用いて、JIS K 7105−1981に準拠して測定した。
測定試料を該試料を取り出すロールの巻きの長さ方向が上下方向に平行になるように測定試料固定部に固定して測定することにより得た測定値を用いた。
4.表面光沢度
日本電色工業社製の光沢計VG2000を用いて、JIS Z 8741に準拠して測定した。この場合、測定試料を該試料を取り出すロールの巻きの長さ方向が測定器の前後方向と平行になるように固定して測定した値を用いた。
5.光拡散層に存在する空洞の観察
光拡散層に実質的に空洞が含まれないこととは、共焦点レーザ顕微鏡により光拡散層の島部分を観察して、該島部の周りの空洞の有無を観察して判定した。ランダムに10個の島部の観察で空洞が見られないものを実質的に空洞が含まれないと判定した。
(実施例1)
〔ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムの調製〕
発泡用マスターバッチとして、エポスターMA1002(日本触媒社製ポリメタクリル酸メチル系化合物からなる微粒子)20質量部とポリプロピレン樹脂FS2011DG3(住友化学社製、住友ノーブレン)80質量部とを溶融混合して得られた樹脂18質量部に、白色化マスターバッチとしてPPM7862W(大日精化社製、酸化チタン配合量60質量%)6質量部とポリプロピレン樹脂FSX21E1(住友化学社製、住友ノーブレン)76質量部を、60mmφ単軸押出機(L/D;22)内で樹脂温度240℃にて溶融混合してTダイで押出した後、60℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸し、引き続いてテンタ―式延伸機により、167℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に8倍延伸する。ついで165℃で熱固定を行って厚みが50μmの白色フィルムを得た。巻き取り直前において片面にコロナ処理を行った。
〔光拡散層となるフィルムの調製〕
ポリプロピレン樹脂FS2011DG3(住友化学社製、住友ノーブレン)65質量部にエチレン・ブテン共重合体 A1085S(三井化学社製、タフマー)35質量部を、60mmφ単軸押出機(L/D;22)内で樹脂温度240℃にて溶融混合してTダイで押出した後、20℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸し、引き続きその片面にコロナ処理をして厚み200μmの一軸延伸フィルムを得た。該光拡散層フィルムには実質的に空洞が含まれていなかった。
〔光反射用積層フィルムの調製〕
上記方法で調製したポリオレフィンよりなる白色フィルムの片面に上記方法で調製した光拡散層フィルムを光学用の両面粘着シートで貼り合わせて光反射用積層フィルムを得た。該貼り合わせに際しては、それぞれのフィルム共に巻き方向同士が一致する方向で、かつコロナ処理面同士が向かい合う形で貼り合わせて。
得られた光拡散層フィルムの特性及び光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは反射度及び拡散度の両方に優れており、高品質であった。
(比較例1)
実施例1の方法において、拡散層フィルムを積層することなくポリオレフィンよりなる白色フィルムのみの反射特性を表1に示す。
該ポリオレフィンよりなる白色フィルムは実施例1で得られた光反射用積層フィルムより反射度及び拡散度が劣っていた。特に、拡散度が著しく劣っていた。
(実施例2)
表層用樹脂として実施例1の拡散層フィルムの調製に用いた樹脂配合物を基材層樹脂として実施例1のポリオレフィンよりなる白色フィルムの調製に用いた樹脂配合物を、それぞれ45mmφ2軸押出機(L/D;19)及び60mmφ単軸押出機(L/D;22)を用いて、それぞれ押し出し温度255℃及び240℃にて溶融押出し表面層とし、基層と表面層が溶融された状態のまま、3層Tダイで積層押出しした後、60℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸し、引き続いてテンタ―式延伸機により、167℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に8倍延伸する。ついで165℃で熱固定を行って、表面層5μm、基層20μm、表面層5μmの2種3層よりなる光反射用積層フィルムを得た。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは反射度及び拡散度の両方に優れており、高品質であった。
また、本実施例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には実質的に空洞が含まれていなかった。
(比較例2)
実施例2の方法において、表層用樹脂としてポリプロピレン樹脂、重質炭酸カルシウム及び酸化チタンをそれぞれ49質量部、1質量部及び50質量部の割合で配合した配合物に変更する以外は、実施例1と同様の方法で光反射用積層フィルムを得た。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは拡散度は優れているが反射度が低くかった。
また、比較例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には空洞が多数含まれていた。
(比較例3)
比較例2の方法において、表層用樹脂としてポリプロピレン樹脂及び重質炭酸カルシウムをそれぞれ95質量部及び5質量部の割合で配合した配合物に変更する以外は、実施例1と同様の方法で光反射用積層フィルムを得た。
本比較例で得られた光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本比較例で得られた光反射用積層フィルムは反射度は優れているが拡散度が低くかった。
また、比較例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には空洞が含まれていた。
(比較例4)
発泡用マスターバッチとして、エポスターMA1002(日本触媒社製、ポリメタクリル酸メチル系化合物からなる微粒子)20質量部とポリプロピレン樹脂FS2011DG3(住友化学社製、住友ノーブレン)80質量部とを溶融混合して得られた樹脂18質量部に、白色化マスターバッチとしてPPM7862W(大日精化社製、酸化チタン配合量60質量%)6質量部とポリプロピレン樹脂FSX21E1(住友化学社製、住友ノーブレン)76質量部を、60mmφ単軸押出機(L/D;22)内で樹脂温度240℃にて溶融混合してTダイで押出した後、60℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸して一軸延伸フィルムを得た。該一軸延伸フィルムの両面にポリプロピレン樹脂FS2011DG3(住友化学社製、住友ノーブレン)及び高密度ポリエチレン樹脂2208J(プライムポリマー社製、ハイゼックス)それぞれ50質量部づつを混合した配合物よりなる拡散層樹脂配合物を45mmφ2軸押出機(L/D;19)で溶融押し出し、該積層体を引き続いてテンタ―式延伸機により、167℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に8倍延伸する。ついで165℃で熱固定を行って、表面層5μm、基層20μm、表面層5μmの2種3層よりなる光反射用積層フィルムを得た。
本比較例で得られた光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本比較例で得られた光反射用積層フィルムは反射度は優れているが拡散度が低くかった。
(実施例3)
実施例1の方法で得られた光反射用積層フィルムの拡散層表面に、実施例1と同じ方法で得られた拡散層フィルムをもう一枚を光学用の両面シートで貼り合わせて光反射用積層フィルムを得た。
得られた光拡散層フィルムの特性及び光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは、実施例1で得られた光反射用積層フィルムよりもさらに反射度及び拡散度の両方に優れており、高品質であった。
また、本実施例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には実質的に空洞が含まれていなかった。
(実施例4)
実施例1の方法において、ポリオレフィンよりなる白色フィルムと光拡散層フィルムを光学用両面粘着シートで貼り合わせることなく、単に重ね合わせることにより光反射用積層フィルムを得た。
得られた光拡散層フィルムの特性及び光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは、実施例1で得られた光反射用積層フィルムよりもさらに拡散度が優れていた。
(実施例5)
実施例2の方法で得られた一軸延伸フィルムを光反射用積層フィルムとした。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは、実施例2で得られた光反射用積層フィルムよりもさらに反射度及び拡散度の両方が優れていた。
また、本実施例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には実質的に空洞が含まれていなかった。
(比較例5)
実施例5において、エチレン・ブテン共重合体 A1085S(三井化学社製、タフマー)を、エチレン・プロピレン共重合体 P0280(三井化学社製、タフマー)に変更する以外は、実施例5と同様の方法で光反射用積層フィルムを得た。
本比較例で得られた光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本比較例で得られた光反射用積層フィルムは反射度及び拡散度の両方が低くかった。
(実施例6)
実施例1の方法において、光拡散層フィルムとして、マット層が、ポリプロピレン樹脂とポリエチレン系樹脂の配合物よりなるマット調の二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績社製、P4166、25μm)以外は、実施例1と同様の方法で光反射用積層フィルムを得た。
得られた光拡散層フィルムの特性及び光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは、実施例1で得られた光反射用積層フィルムよりもさらに反射度及び拡散度の両方に優れていた。特に、拡散度が極めて高かった。
また、本実施例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には実質的に空洞が含まれていなかった。
(実施例7)
実施例2の方法において、光拡散層を形成する樹脂の配合比をポリプロピレン樹脂FS2011DG3(住友化学社製、住友ノーブレン)35質量部にエチレン・ブテン共重合体 A1085S(三井化学社製、タフマー)65質量部に変更する以外は、実施例2と同様の方法で光反射用積層フィルムを得た。
得られた光拡散層フィルムの特性及び光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは、実施例2で得られた光反射用積層フィルムと同等の反射特性を有していた。
また、本実施例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には実質的に空洞が含まれていなかった。
(実施例8)
実施例7の方法で得た一軸延伸フィルムを光反射用積層フィルムとした。
得られた反射フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは、実施例2で得られた光反射用積層フィルムよりもさらに反射度及び拡散度の両方に優れていた。
また、本実施例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には実質的に空洞が含まれていなかった。
(実施例9)
実施例2の方法において、光拡散層を形成する樹脂の中のエチレン・ブテン共重合体 A1085S(三井化学社製、タフマー)をエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製、INFUSE(TM)、D9107.10)に切り替える以外は、実施例1と同様の方法で光反射用積層フィルムを得た。
得られた光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは、実施例2で得られた光反射用積層フィルムよりも拡散度が優れていた。
また、本実施例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には実質的に空洞が含まれていなかった。
(実施例10及び11)
厚み100μmのポリエステルフィルムの片面にポリスチレン系ポリマービーズとアクリル系樹脂よりなる拡散層をコーティング法で積層することにより、表1に示す光学特性を有したポリエステル系の光拡散層フィルム2種類を作製した。この2種類の光拡散層フィルムをそれぞれ実施例1で作製したポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムと同じ白色フィルムに重ね合わせることにより光反射用積層フィルムを得た。該重ね合わせは光拡散層フィルムの反拡散層側とポリオレフィンよりなる白色フィルムとが接するように行った。
得られた光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光反射用積層フィルムは、どちらもが反射度及び拡散度の両方が優れていた。
また、本実施例で得られた光反射用積層フィルムの光拡散層には実質的に空洞が含まれていなかった。
(比較例6及び7)
実施例10、11の方法において、光拡散層の配合組成を変化させることにより得たそれぞれ表1に示す特性を有するポリエステル系の光拡散層フィルムに変える以外は、実施例10、11と同様の方法で光反射用積層フィルムを得た。
得られた光反射用積層フィルムの特性を表1に示す。
比較例6で得られた光反射用積層フィルムは拡散度が、比較例7で得られた光反射用積層フィルムは反射度が劣っていた。
(参考例−1)
市販のポリエステル系の白色反射フィルム三種類について反射度と拡散度を測定した。
反射特性を表2に示す。いずれの白色反射フィルムも本願の光反射用積層フィルムに比べ反射度が低い。
(参考例−2)
室内照明用蛍光灯の反射板部に実施例、比較例及び参考例−1の光反射用積層フィルムや反射フィルムを貼り付けて明るさと明るさの斑を官能評価にて判定した。
実施例で得られた光反射用積層フィルムはいずれもが、蛍光灯の光の反射度が高く、かつ反射斑が少なかった。
一方、比較例1、3、4及び6で得られた光反射用積層フィルムは反射の斑が見られた。また、比較例2、5及び7で得られた光反射用積層フィルムは反射度が低かった。
また、市販の白色反射フィルムも反射度が低かった。
Figure 2009276596
Figure 2009276596
本発明における光反射用積層フィルムは、光反射において、反射度と拡散度の両方が高いので、室内や社内の照明、内照式電飾パネルにおける照明、複写機における光照射あるいは液晶ディスプレイにおける照明などの各種照明において光源の光量を有効に活用し、上記照明における照度や輝度を高めることができる。
また、本発明における光反射用積層フィルムは、低角度で入射する光に対する反射において上記特性を有するので、例えば、反射型液晶ディスプレイ用の反射シートとして好適である。
また、本発明における光反射用積層フィルムは、ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムであるので、ポリエステル系白色反射フィルムに比べて長期使用した場合の黄変が少ないという特長を有している。従って、産業界への寄与は大きい。

Claims (4)

  1. ポリオレフィン系樹脂よりなる白色フィルムの少なくとも片面に光拡散層を積層してなる光反射用積層フィルムにおいて、光拡散層が少なくとも透明樹脂からなる連続相と該透明樹脂に非相溶な樹脂からなる分散相を含む混合物よりなり、明細書中で記載した方法で測定される光拡散層側の反射度が70〜200、明細書中で記載した方法で測定される光拡散層側の拡散度が7.0〜50であることを特徴とする光反射用積層フィルム。
  2. 光拡散層の平行光線透過率が20〜80%、かつヘーズが10〜80%であることを特徴とする請求項1に記載の光反射用積層フィルム。
  3. 光拡散層の表面光沢度が10〜70%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光反射用積層フィルム。
  4. 光拡散層が実質的に空洞を含まないことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の光反射用積層フィルム。
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