JP2009276545A - 内部検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被検体Pの内部を検査するための内部検査装置1であって、被検体内部に挿入される挿入部2と、挿入部に設けられた対物光学系3と、挿入部に設けられて対物光学系の光軸方向Eに沿って照明光を発する発光部5を有する照明手段6と、対物光学系に対して発光部を接近、離間させるように位置調整する発光部位置調整手段7と、を備える。
【選択図】図2
Description
この内部検査装置においては、被検体の中心軸上に対物光学系の入射瞳(受光部)が位置する場合に、被測定物の中心軸を通る平面において、入射瞳を中心とし中心軸に沿って線状に広がる所定範囲以外に照明光学系の射出窓(光源)が配設されている。このように構成することで、射出窓から照明光を照射しても照明光の反射光が入射瞳に入射することがなく、入射瞳で得られる画像にハレーションは発生しないとされている。
本発明の内部検査装置は、被検体の内部を検査するための内部検査装置であって、前記被検体内部に挿入される挿入部と、前記挿入部に設けられた対物光学系と、前記挿入部に設けられて前記対物光学系の光軸方向に沿って照明光を発する発光部を有する照明手段と、前記対物光学系に対して前記発光部を接近、離間させるように位置調整する発光部位置調整手段と、を備えることを特徴としている。
この発明によれば、挿入部の挿入方向に対する側方を観察手段で観察することができる。また、発光部位置調整手段は発光部を位置調整することが可能であるので、被検体により反射された照明光が対物光学系に入射することを抑えることができる。
この発明によれば、挿入方向に対する側方を観察する時に被検体の壁面から対物光学系までの距離を挿入部位置調整手段により位置決めしてこの距離を調整することができる。
また、支持部が進退するのに応じて対物光学系から被検体の内部までの距離が変化するので、対物光学系から被検体の内部までの距離に応じて発光部位置調整手段により発光部の位置を調整して照明光が対物光学系に入射するのを抑えることができる。
この発明によれば、被検体の内部空間が小さくなるのに従って挿入部から被検体の壁面までの距離が短くなる。また、観察手段の観察範囲も挿入方向先端側に小さくなる。
ここで、被検体の内部空間が小さくなると支持部が後退するが、これに応じて発光部も挿入部の挿入方向先端側に離間した状態から対物光学系側に接近する。このため、例えば被検体の挿入方向先端側が行き止まりになっていても、発光部が支障とならず行き止まり近傍まで観察手段で被検体を観察しつつ、観察範囲を照明することができる。
この発明によれば、被検体に対する挿入部の位置を固定しながらも、挿入方向回りに対物光学系、照明手段、及び発光部位置調整手段を回動させることにより、挿入方向に沿う軸回り全周にわたって観察することができる。
この発明によれば、対物光学系を介して撮像された撮像信号に基づいて画像処理部で画像が作成され、この画像に生じるハレーションをハレーション検出部で検出することができる。そして、ハレーション検出部の検出結果に基づいて発光部位置調整手段により対物光学系に対して発光部を接近、離間させることで、画像に生じるハレーションを抑えるように対物光学系に対する発光部の位置を調整することができる。
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1から図10は、本発明の第1実施形態の内部検査装置の説明図である。図1は全体の説明図、図2は要部の平面図、図3は内部検査装置のブロック図である。なお説明の便宜のため、図2では部品の一部を省略している。
なお、以下の実施形態では、内部検査装置で被検体として、配管支持台Sに支持され一方の端に行き止まり部P1が形成された配管Pの内面を検査する場合を一例として説明するが、内部検査装置により検査を行う被検体は配管Pに限られることなく、断面が矩形の通路等でもよい。
また、内部検査装置1は、さらに挿入部2から挿入方向Dに直交する支持方向に進退して配管Pの内面に当接可能な支持部8を有し、支持部8によって挿入部2を配管Pに対して位置決めする挿入部位置調整手段9を備える。
図1に示すように、挿入部2の挿入方向Dの基端側には挿入方向Dに沿って延在する支持棒35が接続され、さらに支持棒35の挿入方向Dの基端側には支持棒35を介して挿入部2を支持する支持台36が配設されている。
突出部14には軸線C1に平行な支持面14aが形成されている。そして、後述するプリズム25は、光軸方向Eが挿入方向Dに直交する方向に沿うように支持面14aに支持されている。
第1のロッド19の一端と第2のロッド20の一端とは軸線C1に沿って並ぶように配置されている。そして、第1のロッド19が光軸方向Eに直交する仮想平面A1に沿って回動可能となるように第1のロッド19の一端は突出部14の挿入方向Dの先端側に支持され、第2のロッド20が仮想平面A1に沿って回動可能となるように第2のロッド20の一端は第2の摺動プレート16に支持されている。また、第1のロッド19の他端は軸線C1に沿って配置された発光部支持ベース21の挿入方向Dの基端側に回動可能に支持され、第2のロッド20の他端は発光部支持ベース21の挿入方向Dの先端側に軸線C1に沿って形成された第1のスリット21aに回動可能かつ軸線C1に沿って移動可能に支持されている。
また、発光部支持ベース21の挿入方向Dの基端側は第1のロッド19の一端を中心に発光部支持ベース21の姿勢を保ったまま回動するので、第2の摺動プレート16が挿入方向Dの基端側に移動するのに応じて、発光部支持ベース21に配設された発光部5を対物光学系3に対して挿入方向Dの先端側に離間した状態から対物光学系3側に接近させるとともに発光部5を挿入部2に対して進出した状態から後退させることができる。
そして、発光部5は発光部支持ベース21上でLEDドライバ22に駆動され照明光を発することが可能になっている。すなわち、発光部5、発光部支持ベース21、及びLEDドライバ22で上記照明手段6が構成されている。
第1の固定部材38と第2の固定部材39の間には、外筒部材12の周方向に等間隔となるように支持部ベース40が3カ所配置されている。各支持部ベース40は軸線C1に沿って配設され、その両端は第1の固定部材38と第2の固定部材39とにそれぞれ固定されている。そしてこれら3つの支持部ベース40の第1の固定部材38側には軸線C1に沿って延びる第2のスリット40aがそれぞれ形成されている。
第3のロッド42の一端と第4のロッド43の一端とは軸線C1に沿って並ぶように配置されている。そして、第3のロッド42が軸線C1を含む仮想平面A2に沿って回動可能となるように第3のロッド42の一端は支持部ベース40の挿入方向Dの先端側に支持され、第4のロッド43が仮想平面A2に沿って移動可能となるように第4のロッド43の一端は第2のスリット40aに回動可能かつ軸線C1に沿って移動可能に支持されている。また、第3のロッド42及び第4のロッド43のそれぞれの他端にはローラ44が回転可能に支持されている。
そして、各第2のリンク機構41に設けられたローラ44が配管Pの内面に当接させることで、挿入部2を挿入方向Dに進退可能に支持することができる。すなわち、支持部ベース40、第2のリンク機構41、及びローラ44で上記支持部8が構成されている。
互いに同一な構成となっている3つの第2のリンク機構41は、周方向に等間隔となるように3つ配置され、それぞれの第4のロッド43の一端が各支持部調整ロッド45により同期をとって移動するので、6つのローラ44の外面から軸線C1までの距離が全て等しくなる。従って、支持部8を構成する6つのローラ44を配管Pの内面に当接させることにより、挿入部2の軸線C1を配管Pの軸線に一致させることができる。
このように、調整スリーブ37に固定され一体となって移動する3つの支持部調整ロッド45により支持部8は同期をとって配管Pの内面を支持する。すなわち、支持部8、調整スリーブ37、及び支持部調整ロッド45で上記挿入部位置調整手段9が構成されている。
そして後ほど詳述するように、調整スリーブ37により発光部調整ロッド46を移動させ、第1の摺動プレート15及び第2の摺動プレート16を介して第1のリンク機構18の外側に配設された発光部5を移動させることが可能となっている。すなわち、第1の摺動プレート15、第2の摺動プレート16、第1のリンク機構18、及び発光部調整ロッド46で上記発光部位置調整手段7を構成している。
内筒回転モータ50の出力軸には駆動ギア53が同軸を有するように接続され、駆動ギア53に噛み合う補助ギア54は内筒部材13に回転可能に支持されている。そして、補助ギア54は外筒部材12の内周面に形成された内歯部12aに噛み合っている。これにより、内筒回転モータ50による回転トルクは、駆動ギア53、補助ギア54を介して内筒部材13に伝達され、外筒部材12に対して内筒部材13を軸線C1回りに回転させることが可能となっている。
そして、この初期位置から挿入方向Dを向いて内筒部材13を右回り(時計回り)に約180°回転させた時、又は初期位置から左回りに約180°回転させた時に外筒部材12に形成された凸部がリミットスイッチ55を押すことにより信号が副制御部52に送られ、副制御部52は内筒回転モータ50の駆動を停止させるようになっている。これにより、初期位置を中心に左右約180°以上回転することが規制されている。
なお、後述するように内部検査装置1はまず3つの支持部8を配管Pの内面に当接させ配管Pに対して外筒部材12を固定させる。
そしてこの初期位置で、内筒部材13を停止させた状態で静止画を画像処理部66で生成し、指定された方向に前述した165°を所定分割数で割った一定角度だけ内筒部材13を外筒部材12に対して軸線C1回りに回転させる、ということを初期位置から回転角度が165°に達するまで繰り返して、プリズム25の周囲の配管Pの内面の静止画を撮像していく。回転角度が165°に達すると、主制御部65は回転方向を反転させて一度初期位置に戻り、反対側の撮像を続けていく。
主制御部65には撮像信号に基づいて画像を生成する画像処理部66が設けられ、画像処理部66で生成した画像情報は表示部67に送信され表示される。
すなわち、観察手段4として対物光学系3及び撮像素子28aを有し、観察ユニット71として画像処理部66及び表示部67を有することで、配管Pの内面を観察することが可能となっている。
また、図1及び図3に示すように、主制御部65、表示部67、端子台61、タップ69、及び直流電圧変換装置70は収納ラック71aに収容され、主制御部65にはさらにキーボード71bとマウス71cが接続されている。
動画表示エリア72には、撮像素子28aで撮像され画像処理部66で生成された画像が動画として表示される。また、ユーザーインターフェイスエリア(以下、「UIFエリア」と称する)73は、主制御部65により内部検査装置1を遠隔から制御するための各種ボタンが配設されている。そして、静止画表示エリア74には、動画表示エリア72に表示される動画のうちの所望の静止画が表示される。
画面右上の「×」と表示されている終了ボタン75を押すと、この制御プログラムの実行が強制的に終了される。
「設定」と表示されている設定ボタン76を押すと、その下部に「カメラ」、「モータ」又は「ユーザ」の文字が表示される。この時に「カメラ」を選択すると、動画を表示する動画表示エリア72の大きさや、動画を滑らかに表示するための1秒あたりのフレーム数を変更することができる。また、「モータ」を選択すると、外筒部材12に対して内筒部材13を軸線C1回りに断続的に回転させる時の1回当たりの回転角度を変更することができる。そして、「ユーザ」を選択すると、発光部5の明るさや、隣り合う静止画同士が重なって撮像される範囲等の使用者がよく使う変数を変更することができる。
また、自動移動チェックボックス78にチェックを入れないまま運転制御ボタン79を押すと、内筒部材13を1回当たりの回転角度だけ回転させた後で主制御部65は次の命令が出されるまで待機する。また、自動移動チェックボックス78にチェックを入れた後で運転制御ボタン79を押すと、一度停止した内筒部材13は所定の待機時間が経過した後で再び回転を開始するようになる。なお、運転制御ボタン79が一度押され内筒部材13が回転している間は、運転制御ボタン79の表示は「開始」から「停止」に切り替わっていて、表示が「停止」の時に運転制御ボタン79を押すと内筒部材13の回転は強制的に停止されることになる。
「撮影」と表示されている撮影ボタン86を押すと、撮影ボタン86が押された時の対物光学系3の向きで静止画が撮像され、その静止画が静止画表示エリア74に表示される。そして上述のようなファイル名が主制御部65により自動的に与えられ、主制御部65内の図示しない記憶部内に自動的に静止画の画像データが保存される。
また、「撮影(NG)」と表示されている撮影不良ボタン87を押すと、撮影不良ボタン87が押された時の対物光学系3の向きで静止画が撮像され、上記の撮影ボタン86が押された時に自動的に与えられるファイル名の末尾に「NG」という文字をさらに加えたファイル名で静止画の画像データが保存される。なお、この撮影不良ボタン87は、配管Pの内面を検査する間に配管Pの内面に傷等を見つけた時に、撮像され保存される画像データを他の画像データと区別させるために用いられる。
そして、撮影ボタン86又は撮影不良ボタン87のいずれかが押された時には、静止画表示エリア74内において静止画は静止画範囲74a内に、ファイル名はファイル名範囲74b内にそれぞれ表示される。
「照明ON」と表示されている照明切替えボタン90を押すと、発光部5から光軸方向Eに沿って照明光が発せられる。なお、発光部5から照明光が発せられている間は、照明切替えボタン90の表示は「照明ON」から「照明OFF」に切り替わっていて、表示が「照明OFF」の時に照明切替えボタン90を押すと発光部5から照明光が発せられなくなる。
また、「リセット」と表示されているリセットボタン91を押すと副制御部52がリセットされ、副制御部52で設定された条件が初期値に戻される。
まず、被検体である配管Pの両端部を配管支持台Sで支持して配管Pを固定し、プラグ68を図示しないコンセントに差し込む。すると、主制御部65、表示部67、直流電圧変換装置70、及びDC−DCコンバータ58等に電圧が供給され、内部検査装置1の制御プログラムが実行され表示部67に図4で示した画面が表示される。
次に、調整スリーブ37を挿入方向Dの基端側に移動させた状態で、支持棒35に接続され支持台36に支持された挿入部2を配管Pの内部の入り口側に配設し、調整スリーブ37を外筒部材12に対して挿入方向Dの先端側に移動させる。
すると、図6に示すように、調整スリーブ37に固定された3つの支持部調整ロッド45、及び1つの発光部調整ロッド46は、第1の固定部材38に形成されたガイド孔38a及び第2の固定部材39に形成されたガイド孔39aにそれぞれ導かれ、挿入方向Dの先端側に移動する。
なお、第3のロッド42の他端と第4のロッド43の他端にはそれぞれローラ44が回転可能に支持されているので、配管Pの軸線と外筒部材12の軸線C1とを一致させながらも、配管Pに対して内部検査装置1を挿入方向Dに移動させることができる。
このように、発光部位置調整手段7は、挿入方向Dと直交する方向に支持部8が進退するのに応じて進退し、配管Pの壁面近傍となるように発光部5を位置調整可能である。また、発光部位置調整手段7は、支持部8が挿入部2に対して進出した状態から後退するのに応じて、発光部5を対物光学系3に対して挿入方向先端側に離間した状態から対物光学系3側に接近させる構成となっている。
配管Pの内径が大きい場合には、配管Pの内面近傍に配置された支持ベース21に配設された発光部5から光軸方向Eに沿って発せられた照明光Lは図に示すように、配管Pの内面に1回目に反射される時には光軸方向Eに沿うように配置された配管Pの内面に反射される。このため、配管Pの内面にまだ1回しか反射されていない強い照明光Lが撮像素子28aに入射することを抑えることができる。
照明光Lの2回目の反射以降も照明光Lは配管Pの内周面に沿って反射されているので、配管Pの内面で反射した照明光Lが撮像素子28aに入射しハレーションが生じることを効果的に抑えることができる。
そして、図8に示すように配管の内径が小さくなり配管Qのようになっても、発光部5を配管Qの内面近傍に配置させ光軸方向Eに沿って照明光Lを発することで、ハレーションが生じることを効果的に抑えることができる。
なお、図7に示すように、ハレーションを生じにくくするために、撮像素子28aによる観察範囲を狭くする遮蔽板Gをプリズム25に設けたり、発光部支持ベース21に設けたりしてもよい。
図9に示すように、撮像素子28aで受光できる観察範囲は、レンズ部26の軸線C1上の点からプリズム25で屈折し光軸方向Eに沿って放射状に広がる範囲となる。
配管Pのように内径が大きい場合には配管Pの内周面における撮像素子28aで受光できる範囲は観察範囲R1となり、配管の内径が小さくなり配管Qにようになった場合には観察範囲R2と狭くなる。
挿入方向Dにおけるプリズム25の中心を基準に考えた場合、配管Pのように内径が大きい時にはプリズム25の中心が行き止まり部P1から挿入方向Dの基端側に観察範囲R1の半分の長さの範囲にあれば行き止まり部P1の内周面まで撮像素子28aで撮像することができる。一方、配管Qのように内径が小さくなるとプリズム25の中心は行き止まり部Q1から挿入方向Dの基端側に観察範囲R2の半分の長さの範囲にないと行き止まり部Q1の内周面まで撮像素子28aで撮像できなくなる。
すなわち、配管Pから配管Qに変化して内径が小さくなると、行き止まり部の内周面まで撮像可能なプリズム25の位置は、観察範囲R1の半分の長さから観察範囲R2の半分の長さを引いた値だけ小さくなり、その分プリズム25を挿入方向Dの先端側まで寄せる必要がある。
従って、配管Pの内径が小さくなるに応じて発光部支持ベース21を対物光学系3に対して挿入方向Dの基端側に移動させることで、プリズム25を行き止まり部P1の挿入方向Dのより先端側まで寄せることが可能となり、行き止まり部P1の内周面まで観察手段4で観察しつつ、観察範囲を照明することができる。
すなわち、測定する配管Pの内径が小さくなるのに応じて、発光部5を対物光学系3側に移動させるとともに、発光部5を挿入方向Dの基端側に移動させる。このように構成することで、ハレーションが生じることを抑えながらも、発光部5が支障とならず行き止まり部P1近傍まで観察手段4で観察しつつ、観察範囲を照明することができる。
続いて、図5に示す自動撮影チェックボックス77及び自動移動チェックボックス78にチェックを入れ、オプションボタン80は「右」を指定した状態で「開始」と表示されている運転制御ボタン79を押す。
すると、主制御部65は、運転制御ボタン79が押された時の外筒部材12に対する内筒部材13の位置を初期位置として、内筒部材13を停止させた状態で静止画を画像処理部66で生成し、図示しない記憶部内に保存する。この時、生成した静止画は静止画範囲74a内に、画像データのファイル名はファイル名範囲74b内にそれぞれ表示される。
こうして、挿入方向Dにおいて最も行き止まり部P1に近い場所での配管Pの内面全周の撮像が終わった場合には、支持棒35を牽引することにより挿入部2を挿入方向Dの基端側に所定長さだけ移動させて固定し、再びその挿入方向Dの位置での配管Pの内面全周の撮像を行う。これを配管Pの全長にわたり繰り返して行うことで、配管Pの内面全体を観察することができる。
また、挿入方向Dに対する側方を観察する時に配管Pの内面から対物光学系3までの距離を挿入部位置調整手段9により位置決めして、外筒部材12の軸線C1と配管Pの軸線とが一致するように調整することができる。
また、支持部8が進退するのに応じて対物光学系3から配管Pの内面までの距離が変化するので、対物光学系3から配管Pの内面までの距離に応じて発光部位置調整手段9により発光部5の位置を調整することが可能となり、照明光Lが対物光学系3に入射することを抑えることができる。
また、配管Pに対する挿入部2の位置を固定しながらも、挿入方向D回りに対物光学系3、照明手段6、及び発光部位置調整手段7を回動させることにより配管Pの内部を全周にわたって観察することができる。
しかし、図11に示すように、この第1のリンク機構18の替わりに、互いに等しい長さを有する第1のロッド96及び第2のロッド97のそれぞれの一端側が軸線C1に沿う方向に並ぶように各ロッド96、97の一端側を突出部14又は内筒部材13にそれぞれ回転可能に固定するとともに、各ロッド96、97が互いに平行になるように各ロッド96、97の一端側が発光部支持ベース21に回転可能に支持され、各ロッド96、97が内筒部材13の径方向外方よりも挿入方向Dの基端側に傾斜して突出したものにおいて、第1のロッド96の中間部と第2の摺動プレート16とのそれぞれに回転可能に接続された第2の発光部調節ロッド98を有するものを用いてもよい。
このように、第1のロッド96、第2のロッド97、及び第2の発光部調節ロッド98で構成された第1のリンク機構99は、図12に示すように、第2の摺動プレート16が挿入方向Dの先端側に移動した時に第1のロッド96がその一端側を中心に回転することにより、発光部支持ベース21の姿勢を保ったまま、内筒部材13の径方向外側に突出させるとともに挿入方向Dの先端側に移動させることが可能となる。
このように構成された第1のリンク機構103は、図14に示すように、第2の摺動プレート16が挿入方向Dの先端側に移動した時に操作ワイヤ101の基端が挿入方向Dの先端側に押込められ、内筒部材13に形成された第1のガイド孔13b及び伸縮ロッド100内に形成された第2のガイド孔100aに案内されて伸縮ロッド100の先端を軸線C1に対して角度θをなす方向に伸長させる。これにより、発光部支持ベース21の姿勢を保ったまま、内筒部材13の径方向外側に突出させるとともに挿入方向Dの先端側に移動させることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図15から図20は、本発明の第2実施形態の内部検査装置の説明図である。図15は要部の平面図、図16は内部検査装置のブロック図である。なお説明の便宜のため、部品の一部を省略して示している。
図15及び図16に示すように、本実施形態では発光部調整ロッド46及び第1の摺動プレート15は設けられず、発光部位置調整手段111は、内筒部材13に内蔵された発光部位置調整モータ112と、発光部位置調整モータ112によりその軸線回りに回転するボールネジ部113と、発光部位置調整モータ112を駆動する発光部位置調整モータドライバ114と、第2の摺動プレート16と、第1のリンク機構18と、を有する。
第2の摺動プレート16にはその厚さ方向に雌ネジ部16aが形成されていて、ボールネジ部113が螺合している。
そして、本実施形態では発光部調整ロッド46及び第1の摺動プレート15は設けられていない。
また、各発光部支持ベース21の配管Pの内面に対向する面にはそれぞれ配管Pまでの距離を検出する近接センサ116が設けられ、それぞれが副制御部52に接続されている。近接センサ116は、配管Pの内面までの距離が所定値より小さくなるとオフからオンになり、その状態を副制御部52に送信する。
また、本実施形態では、連結棒31及びピント調整用摘み32は設けられておらず、ピント調整ギア30はピント調整モータ120の出力軸に同軸に接続され、ピント調整モータ120はピント調整モータドライバ121により駆動される。
発光部位置調整モータドライバ114及びピント調整モータドライバ121は、副制御部52にそれぞれ接続されて制御され、またDC−DCコンバータ58からそれぞれ直流24Vが供給されている。
UIFエリア73の下方に配置された「照明位置」の枠内において、「閉」と表示されている閉ボタン123を押すと、光部位置調整モータ112が所定の向きに回転して発光部支持ベース21間の距離が狭くなる。また、「開」と表示されている開ボタン124を押すと、光部位置調整モータ112が所定の向きとは逆向きに回転して発光部支持ベース21間の距離が広くなる。そして、「自動」と表示されている自動調整ボタン125を押すと、後述する方法によりハレーションが生じることを抑えるように発光部支持ベース21間の距離が自動設定される。
「ピント位置」の枠内において、「近」と表示されている近距離ボタン126を押すと、ピント調整モータ120が所定の向きに回転してより近くに配置された被検体に対して焦点が合うようにレンズ部26を調整する。また、「遠」と表示されている遠距離ボタン127を押すと、ピント調整モータ120が所定の向きとは逆向きに回転してより遠くに配置された被検体に対して焦点が合うようにレンズ部26を調整する。
図18は、発光部支持ベース21の間隔を自動設定する方法を示すフローチャートである。
なお、自動設定を行う前には、図19に示すように、挿入部2を配管Pの内部に配設させた後で調整スリーブ37を挿入方向Dの先端側に移動させ支持部8を配管Pの内面に当接させることで、挿入部2の軸線C1を配管Pの軸線に一致させている。
ステップS2では、ハレーション検出部118は、入射した照明光に基づいて画像処理部66で生成された画像にハレーションエリアがあるか否かを検出する。そして、ハレーションエリアがあると判断した時(YES)は、ステップS3へ移行する。また、ハレーションエリアがないと判断した時(NO)は処理を終了する。
そして、ハレーションエリアの面積が減少したと判断した時(YES)は、ステップS4へ移行する。前回発光部支持ベース21の間隔を大きくしてハレーションエリアの面積が減少したので、まだその傾向が続くと考えられるからである。
また、ハレーションエリアの面積が減少していないと判断した時(NO)は一連の処理を終了する。ハレーションエリアの面積の減少傾向が飽和したと考えられるからである。
なお、ハレーションエリアの面積は、輝度が閾値より大きな画素の数等で代用することができる。また、ハレーション検出部118がハレーションエリアの面積を求めたのが初めての場合には、ステップS4へ移行する。
ステップS5では、ハレーション検出部118は副制御部52を介して近接センサ116がオフの状態か否かを判断する。そして、近接センサ116がオフの状態であると判断した時(YES)は、ステップS1へ移行する。また、近接センサ116がオンの状態であると判断した時(NO)は、発光部支持ベース21が配管Pの内面に近づき過ぎていると判断し一連の処理を終了する。
図20の(a)は、間隔の自動設定を行う前の画像である。
この画像において発光部5からの照明光は図の左右から入射していて、範囲H2はハレーションがある範囲、範囲H1はハレーションがある範囲でかつ左右のハレーションが重なって強められている範囲を示す。
この状態からハレーション検出部118でハレーションエリアを検出しながら発光部支持ベース21の間隔を大きくすると、図20の(b)に示すように左右のハレーションが重なって強められた範囲H1は無くなり、画像の中央部をハレーションがない範囲H3が占め、画像の左右の端部に範囲H2が残るだけになる。
さらに発光部支持ベース21の間隔を大きくすると、図20の(c)に示すように画像の中から範囲H1及び範囲H2が無くなってハレーションが無くなる。本実施形態においては、前述した輝度の閾値として、範囲H2と範囲H3との境界に当たる輝度を選ぶことでハレーションエリアを低減させることができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明するが、前記第1実施形態及び第2実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態では、発光部位置調整手段と発光部位置調整手段とを同一の構成が兼ねることになる。これらの両手段は、図21に示すように、第1のロッド19の一端と第2のロッド20の一端とが軸線C1に沿って並ぶように配置させた第1のリンク機構18と、第1のロッド19の一端を回動可能に支持するとともに突出部14に固定された第1の支持部材131と、軸線C1に沿って形成されたスリット部132aにより第2のロッド20の一端を回動可能かつ軸線C1に沿って移動可能に支持する内筒部材13に固定された第2の支持部材132と、第1のロッド19の他端と第2のロッド20の他端とが径方向外側に突出するように付勢する付勢部材133と、発光部支持ベース21の配管Pの内面に対向する両端部に設けられた配管Pの内面との摩擦を低減させるローラ等の滑り部材135と、で構成されている。
このように構成された内部検査装置140は、2組設けられた第1のリンク機構18が軸線C1に対して略対称に配管Pの内面を支持するので、挿入部2の軸線C1を配管Pの軸線に一致させることができる。
例えば、上記第1実施形態から第3実施形態では、支持方向Fを挿入方向Dに直交する方向としたが、これに限らず支持部8が進退する方向を挿入方向Dに交差する方向としてもよい。このように構成しても、支持部8を配管Pの内面に交差する方向に進退させ当接させることで、配管Pを支持することができる。
また、上記第1実施形態から第3実施形態では、内部検査装置は観察手段4で挿入方向Dに対する側方を観察可能とした。しかし、内部検査装置は観察手段で挿入方向Dを観察可能となるように構成してもよい。
2 挿入部
3 対物光学系
4 観察手段
5 発光部
6 照明手段
7 発光部位置調整手段
8 支持部
9 挿入部位置調整手段
28a 撮像素子
66 画像処理部
71 観察ユニット
118 ハレーション検出部
C1 軸線
D 挿入方向
E 光軸方向
L 照明光
P、Q 配管(被検体)
Claims (6)
- 被検体の内部を検査するための内部検査装置であって、
前記被検体内部に挿入される挿入部と、
前記挿入部に設けられた対物光学系と、
前記挿入部に設けられて前記対物光学系の光軸方向に沿って照明光を発する発光部を有する照明手段と、
前記対物光学系に対して前記発光部を接近、離間させるように位置調整する発光部位置調整手段と、を備えることを特徴とする内部検査装置。 - 請求項1に記載の内部検査装置において、
前記対物光学系は、前記挿入部の挿入方向に対する側方を観察可能に設けられ、
前記発光部位置調整手段は、前記挿入部の挿入方向と交差する方向へ前記発光部を位置調整可能であることを特徴とする内部検査装置。 - 請求項2に記載の内部検査装置において、
前記挿入部に設けられ、前記挿入部の挿入方向と略直交する方向に進退して前記被検体の壁面に当接可能な支持部を有し、該支持部によって前記挿入部を前記被検体に対して位置決めする挿入部位置調整手段を備え、
前記発光部位置調整手段は、前記支持部の進退に応じて前記発光部の位置を調整することを特徴とする内部検査装置。 - 請求項3に記載の内部検査装置において、
前記対物光学系及び前記発光部は前記挿入部の挿入方向先端側に配置され、
前記発光部位置調整手段は、前記支持部が前記挿入部に対して進出した状態から後退するのに応じて、前記発光部を前記対物光学系に対して前記挿入部の挿入方向先端側に離間した状態から前記対物光学系側に接近させることを特徴とする内部検査装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の内部検査装置において、
前記対物光学系、前記照明手段、及び前記発光部位置調整手段は、一体となって前記挿入方向に沿う軸回りに回動可能であることを特徴とする内部検査装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の内部検査装置において、
前記対物光学系を介して撮像された撮像信号に基づいて画像を生成する画像処理部と、該画像に生じるハレーションを検出するハレーション検出部とを有し、
前記発光部位置調整手段は、該ハレーション検出部の検出結果に基づいて前記発光部の位置を調整することを特徴とする内部検査装置。
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