JP2009276516A - トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂微粒子、及び顔料粒子等を凝集することにより製造するトナーの製造方法において、界面活性剤の使用量が少なくても、顔料粒子の粒径が小さく、かつ、トナー中の界面活性剤の除去が容易なトナーの製造方法を提供すること。
【解決手段】樹脂粒子分散液、顔料粒子分散液を含む混合液を調製し、樹脂粒子及び顔料粒子をする凝集工程、凝集体粒子加熱融合する工程を含むトナーの製造方法であって、顔料粒子が分散された顔料粒子分散液は、顔料、界面活性剤、及び、水系媒体を少なくとも含有する顔料混合液を、渦流状の気体を噴射するための気体噴射口を周囲に配した液体吐出口を有するノズルを用いて、7.0×10−2/min〜11.0×10−2/minの噴霧速度で噴霧する工程を含む調製方法で得られ、顔料混合液に含まれる界面活性剤が、顔料100質量部に対して、0.1質量部〜5.0質量部であることを特徴とするトナーの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用した電子写真装置に利用し得る電子写真用トナー製造方法に関する。
電子写真法のように、静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在各種の分野で広く利用されている。前記電子写真法においては、帯電工程、露光工程等を経て感光体上に静電荷像を形成し、トナー粒子を含有する現像剤を用いて前記静電荷像を現像し、転写工程、定着工程等を経て前記静電荷像が可視化される。前記トナー粒子は、現像性、転写性、クリーニング性等の観点から、粒子形状及び表面構造を意図的に制御されていることが望ましい。このため粒径制御や形状制御が比較的容易であり、印字品質の要求に答えられることから種々のケミカル化工方法により製造されるケミカルトナーが、近年市場に普及され始めており、その製造法についての検討も数多く行なわれている(非特許文献1参照)。
ケミカルトナーの製造方法の一例としては、樹脂微粒子と顔料粒子等の凝集/会合によるものが挙げられる(特許文献1〜4参照)。樹脂微粒子は乳化重合または分散、乳化等で得られる場合が多く、顔料粒子は分散で得られる場合が多く、特に顔料粒子の粒径は画像特性に大きく影響することが知られている。すなわち顔料粒子が小さければ顔料体積に対して表面積を広くすることができ、このため高い画像濃度が得られると考えられている。一般に顔料粒径を小さくするためには、表面積に対応した界面活性剤量が必要である事から、顔料の小粒径化に対して界面活性剤量の増加で対応することが一般的に行なわれている。しかしながら、この場合、樹脂微粒子等と凝集/会合後のトナー中に界面活性剤が残留する等の問題が生じる場合が多く、結果としてトナーの洗浄性や、最悪の場合、カブリや帯電以上が発生する場合があることが我々の鋭意検討の結果判明している。
一方で、顔料に対して界面活性剤の添加量が少ない場合は、顔料分散性が悪化することで顔料粒径の粗大化、画像濃度が低下、更には凝集/会合そのものに問題を生じる場合があることが、我々の鋭意検討の結果判明している。
日本画像学会誌、26−59頁、第43巻、2004年 特許公報第02537503号 特許公報第03107062号 特許公報第03247999号 特許公報第03326703号
上記状況を鑑み、本願発明は、樹脂微粒子、及び顔料粒子等を凝集/会合することにより製造するトナーの製造方法において、界面活性剤の使用量が少なくても、顔料粒子の粒径が小さく、かつ、トナー中の界面活性剤の除去が容易なトナーの製造方法を提供するものである。
従来技術および課題を鋭意検討した結果、本発明者らは下記に示す本発明を完成するに至った。
本発明の第一は、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液、及び、顔料粒子が分散された
顔料粒子分散液を含む混合液を調製し、得られた混合液に少なくとも含まれる樹脂粒子及び顔料粒子を凝集し凝集体粒子を形成する凝集工程、並びに、前記凝集体粒子を前記樹脂粒子の樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱して融合することでトナー粒子を形成する融合工程を含むトナーの製造方法であって、
前記顔料粒子が分散された顔料粒子分散液は、顔料、界面活性剤、及び、水系媒体を少なくとも含有する顔料混合液を、渦流状の気体を噴射するための気体噴射口を周囲に配した液体吐出口を有するノズルを用いて、7.0×10−2/min〜11.0×10−2/minの噴霧速度で噴霧する工程を含む調製方法で得られ、前記顔料混合液に含まれる前記界面活性剤が、前記顔料100質量部に対して、0.1質量部〜5.0質量部であることを特徴とするトナーの製造方法である。
本発明の第二は、前記顔料混合液が、せん断分散、超音波分散、高圧分散、及びメディア分散から選ばれた少なくとも1種の分散方法を用いて分散されて調製されることを特徴とする前記トナーの製造方法である。
本発明の第三は、前記顔料の含有量が、トナー粒子を構成する樹脂100質量部に対して、1質量部〜20質量部であることを特徴とする前記トナーの製造方法である。
本発明の第四は、前記ノズルに供給される気体の圧力が、0.1MPa〜0.6MPaであることを特徴とする前記トナーの製造方法である。
本発明の第五は、前記顔料粒子分散液中における顔料粒子の体積基準の90%累積粒径値(da90)が、0.5μm以下であり、下記(式1)のSD1で示される分布幅が0.1μm以下であることを特徴とする前記トナーの製造方法である。
Figure 2009276516
(前記式1において、da84は前記顔料粒子分散液中における顔料粒子の体積基準の84%累積粒径値を表し、da16は前記顔料粒子分散液中における顔料粒子の体積基準の16%累積粒径値を表す。)
本願発明によれば、樹脂微粒子、及び顔料粒子等を凝集/会合することにより製造するトナーの製造方法において、界面活性剤の使用量が少なくても、顔料粒子の粒径が小さく、かつ、トナー中の界面活性剤の除去が容易なトナーの製造方法が提供できる。
本発明のトナーの製造方法は、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液、及び、顔料粒子が分散された顔料粒子分散液を含む混合液を調製し、得られた混合液に少なくとも含まれる樹脂粒子及び顔料粒子を凝集し凝集体粒子を形成する凝集工程、並びに、凝集体粒子を樹脂粒子の樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱して融合することでトナー粒子を形成する融合工程を含むトナーの製造方法であって、顔料粒子が分散された顔料粒子分散液は、顔料、界面活性剤、及び、水系媒体を少なくとも含有する顔料混合液を、渦流状の気体を噴射するための気体噴射口を周囲に配した液体吐出口を有するノズルを用いて、7.0×10−2/min〜11.0×10−2/minの噴霧速度で噴霧する工程を含む調製方法で得られ、顔料混合液に含まれる界面活性剤が、顔料100質量部に対して、0.1質量部〜5.0質量部であることを特徴とする。
上記凝集工程では、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液、及び、顔料粒子が分散された顔料粒子分散液、並びに、必要に応じてその他トナー成分を混合して混合液を調製する。ついで、得られた混合液に少なくとも含まれる樹脂粒子及び顔料粒子を凝集し凝集体粒子を形成させる。当該凝集体粒子を形成させる方法としては、pH調整剤、凝集剤、安定剤を上記混合液中に添加・混合し、温度、機械的動力(攪拌)等を適宜加える方法が好適に例示できる。
上記pH調整剤としては、アンモニア、水酸化ナトリウム等のアルカリ、硝酸、クエン酸等の酸があげられる。上記凝集剤としては、上記粒子の分散に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤や、塩化ナトリウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウム等の無機金属塩の他、2価以上の金属錯体があげられる。上記安定剤としては、主に界面活性剤そのものまたはそれを含有する水系媒体などが挙げられる。
ここで形成される凝集粒子の平均粒径としては、特に制限はないが、通常、得ようとするトナー粒子の平均粒径と同じ程度になるように制御するとよい。制御は、例えば、上記凝集剤等の添加・混合時の温度と上記攪拌混合の条件を適宜設定・変更することにより容易に行うことができる。
上記融合工程では、上記凝集体粒子を樹脂粒子の樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱して融合することでトナー粒子を形成する。例えば、凝集工程と同様の攪拌下で、界面活性剤の添加やpH調整等により、凝集の進行を止め、樹脂粒子の樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱を行うことにより凝集体粒子を融合・合一させる。当該加熱温度としては、樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度以上である。また加熱の時間としては、融合が十分に為される程度でよく、具体的には10分間〜10時間程度行えばよい。
上記融合して得られたトナー粒子は、減圧ろ過などの固液分離工程や、洗浄工程、乾燥工程を経てトナー粒子とすることができる。この場合、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、上記トナー粒子を洗浄工程において十分に洗浄することが好ましい。なお、本発明において「十分に洗浄できた状態」は、洗浄ろ液の泡立ち、又は、後述するように洗浄工程で得られる濾液の電気伝導度で判断することが可能である。例えば、「洗浄ろ液の泡立ち」の場合、界面活性剤がトナー表面に残っている限りは界面活性剤による界面活性能でろ液の表面張力の低下に伴う、泡立ちが観測される。
上記乾燥工程では、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法など、公知の方法を採用することができる。トナー粒子の乾燥後の含水分率は、1.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.0質量%以下である。
また、本発明の、顔料粒子の粒径が小さく、かつ、トナー中の界面活性剤の除去が容易なトナーの製造方法、により得られるトナーは、画像濃度が高く、且つ、カブリが発生しにくいなどの顕著な効果を有する。
本発明に用いる樹脂粒子分散液は、樹脂粒子を水性媒体に分散させてなる。
本発明において、水系媒体とは、水を主要成分としている媒体を意味する。水系媒体の具体例としては、水そのもの、水にpH調整剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加したものが挙げられる。
上記樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子を構成する樹脂としては、下記特性を有するトナーに適した樹脂であれば特に制限されないが、電子写真装置における定着温度以下のガラス転移温度を有する熱可塑性結着樹脂が好ましい。
具体例としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニル基系モノマー、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系モノマー、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン系モノマー、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン系モノマーなどの単重合体、若しくはこれらを2種以上組み合せて得られる共重合体、又は当該単重合体及び共重合体の混合物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、若しくは非ビニル縮合系樹脂、又はこれらと上記ビニル系樹脂との混合物、或いはこれらの存在下でビニル系モノマーを重合することで得られるグラフト重合体等を挙げることができ、特にトナーとしての定着性と帯電性能の面からポリスチレン樹脂またはポリエステル樹脂が特に好ましく用いられる。これらの樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明に用いる樹脂粒子分散液は、樹脂粒子を水系媒体に分散させてなる。上記樹脂粒子分散液は公知の方法で調製される。例えば、ビニル系単量体、特にスチレン系単量体を構成要素とする樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液の場合は、当該単量体を、界面活性剤などを用いて乳化重合を実施する事で樹脂粒子分散液を調製することができる。
また、その他の方法で作製した樹脂(例えば、ポリエステル樹脂)の場合は、油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば樹脂をそれらの溶剤に解かして水中にイオン性の界面活性剤や高分子電解質と共にホモジナイザーなどの分散機により水中に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を作製することができる。また、樹脂に界面活性剤を加え、ホモジナイザーなどの分散機により水中にて乳化分散する方法や転相乳化法などにより、樹脂粒子分散液を調製してもよい。
上記ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものであり、本発明において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
(酸由来構成成分)
上記酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸が望ましく特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。
該酸由来構成成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸由来構成成分のほか、2重結合を持つジカルボン酸由来構成成分、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分等の構成成分が含まれているのが好ましい。
(アルコール由来構成成分)
上記アルコール構成成分としては脂肪族ジオールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9―ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられるが、この限りではない。
上記樹脂粒子分散液中の樹脂粒子の平均粒径は0.005μm〜1.0μmが好ましく、0.01μm〜0.4μmがより好ましい。樹脂粒子の平均粒径が1.0μmを超えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒度分布が広くなる事で、遊離粒子が発生し易くなり、トナーの性能や信頼性の低下につながる場合があるためである。
樹脂粒子の平均粒径は、例えば、動的光散乱法(DLS)、レーザー散乱法、遠心沈降法、field−flow fractionation法、電気的検知体法等を用いて測定することができる。なお、本発明における平均粒径とは、特に断りが無ければ、後述するように、20℃、0.01質量%固形分濃度で、動的光散乱法(DLS)/レーザードップラー法で測定された体積基準の50%累積粒径値(d50)の事を意味する。
本発明に用いる顔料としては、水に対して不溶な、有機または無機の有色の化合物が挙げられる。
無機化合物の具体例としては、コバルトブルー、セルシアンブルー、コバルトバイオレット、コバルトグリーン、ジンクホワイト、チタニウムホワイト、ライトレッド、クロムオキサイドグリーン、マルスブラック等の酸化物顔料、ビリジャン、イエローオーカー、アルミナホワイト等の水酸化物顔料、ウルトラマリーン、タルク、ホワイトカーボン等のケイ酸塩顔料、金粉、銀粉、ブロンズ粉等の金属粉、カーボンブラック等が挙げられる。
有機化合物の具体例としては、βナフトール系アゾ化合物、ナフトールAS系アゾ化合物、モノアゾ型あるいはジスアゾ型アセト酢酸アリリド系アゾ化合物、ピラゾン系アゾ化合物、縮合系アゾ顔料等のアゾ系化合物、フタロシアニン系化合物、サブフタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、キナクリドン系化合物、イソインドリン系化合物、イソインドリノン系化合物、スレン系化合物、ペリレン系化合物、ぺリノン系化合物、チオインジゴ系化合物、ジオキサジン化合物、キノフタロン系化合物、ジケトピロロピロール系化合物、あるいは新規に合成した化合物が挙げられる。
なお、本発明に顔料として使用される化合物は上記に限定されるものではない。
また、以下に、黒、シアン、マゼンタ、イエローにおいて、市販されている顔料を例示する。
黒色の顔料としては、Raven1060、Raven1080、Raven1170、Raven1200、Raven1250、Raven1255、Raven1500、Raven2000、Raven3500、Raven5250、Raven5750、Raven7000、Raven5000 ULTRAII、Raven1190 ULTRAII(以上、コロンビアン・カーボン社製);Black Pearls L、MOGUL−L、Regal400R、Regal660R、Regal330R、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1300、Monarch 1400(以上、キャボット社製);Color Black FW1、Color Black FW2、Color Blac
k FW200、Color Black 18、Color Black S160、Color Black S170、Special Black 4、Special Black 4A、Special Black 6、Printex35、PrintexU、
Printex140U、PrintexV、Printex140V(以上デグッサ社製);No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学社製)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
シアン色の顔料としては、C.I.Pigment Blue−1、C.I.Pigm
ent Blue−2、C.I.Pigment Blue−3、C.I.Pigment
Blue−15、C.I.Pigment Blue−15:2、C.I.Pigment Blue−15:3、C.I.Pigment Blue−15:4、C.I.Pig
ment Blue−16、C.I.Pigment Blue−22、C.I.Pigment Blue−60等が挙げられるが、これらに限定されない。
マゼンタ色の顔料としては、C.I.Pigment Red−5、C.I.Pigm
ent Red−7、C.I.Pigment Red−12、C.I.Pigment
Red−48、C.I.Pigment Red−48:1、C.I.Pigment Red−57、C.I.Pigment Red−112、C.I.Pigment Red−122、C.I.Pigment Red−123、C.I.Pigment Red
−146、C.I.Pigment Red−168、C.I.Pigment Red−184、C.I.Pigment Red−202、C.I.Pigment Red−207等が挙げられるが、これらに限定されない。
イエローの顔料としては、C.I.Pigment Yellow−12、C.I.P
igment Yellow−13、C.I.Pigment Yellow−14、C.I.Pigment Yellow−16、C.I.Pigment Yellow−17、C.I.Pigment Yellow−74、C.I.Pigment Yellow−83、C.I.Pigment Yellow−93、C.I.PigmentYel
low−95、C.I.Pigment Yellow−97、C.I.Pigment Yellow−98、C.I.Pigment Yellow−114、C.I.Pig
ment Yellow−128、C.I.Pigment Yellow−129、C
.I.Pigment Yellow−151、C.I.Pigment Yellow−154、C.I.Pigment Yellow−155等が挙げられるが、これらに限
定されない。
本発明に用いる顔料粒子分散液は、顔料粒子を水性媒体に分散させてなる。
具体的には、本発明に用いる、顔料粒子が分散された顔料粒子分散液は、上記顔料、界面活性剤及び水系媒体を少なくとも含有する顔料混合液を、渦巻状に延在する複数本の旋回溝構造をその気体噴射口内に有し、渦流状の気体を噴射するための気体噴射口を周囲に配した液体吐出口を有するノズルを用いて、7.0×10−2/min〜11.0×10−2/minの噴霧速度で噴霧する工程(I)を含む調製方法で得られ、当該顔料混合液に含まれる界面活性剤が、顔料100質量部に対して、0.1質量部〜5.0質量部であることを特徴とする。
なお、当該顔料混合液に含まれる界面活性剤は、顔料100質量部に対して、0.5質量部〜3.0質量部であることが好ましい。
上記顔料混合液に含まれる界面活性剤が上記範囲を満たすことで、トナー粒子中の界面活性剤の除去が容易となる。結果、得られたトナー中に残留する界面活性剤量が少なくなり、トナーの画像濃度が高く、且つ、カブリが発生しにくいといった効果が得られる。
また、顔料の含有量は、トナー粒子を構成する樹脂100質量部に対して、1質量部〜20質量部であることが好ましい。顔料の含有量が1質量部未満であれば十分なトナー濃度を確保することが難しい場合があり、20質量部を超える場合は、樹脂量が通常より少なく、良好な画像が得られ難い場合があるためである。
また、上記顔料粒子の平均粒径(体積基準の50%累積粒径値[d50])は0.005〜1μmが好ましく、画像濃度の関係上0.01〜0.4μmがより好ましい。なお、顔料粒子の平均粒径が1μm以上では、トナー粒子の所望の粒径である3.0〜7.5μmの粒子を得ることが難しくなる。
さらに、上記顔料粒子分散液中における顔料粒子の体積基準の90%累積粒径値(da90)が、0.5μm以下であり、下記(式1)のSD1で示される分布幅が0.1μm
以下であることが好ましい。
Figure 2009276516
(前記式1において、da84は顔料粒子分散液中における顔料粒子の体積基準の84%累積粒径値を表し、da16は顔料粒子分散液中における顔料粒子の体積基準の16%累積粒径値を表す。)
上記SD1が0.1μmを超える場合は、分散された顔料粒子が十分に均一であるとは言えず、トナーの濃度斑または凝集斑による、トナー粒子の不均一化が発生する場合がある。
また、上記SD1は顔料粒子分散液における顔料粒子の粒度分布幅に関する値である。
従って、理想的にはSD1の値が0になれば、分散液中の顔料粒子が均一に存在している
ことを示しており、SD1の値は小さければ小さいほど好ましい。
さらに、90%累積粒径値(da90)は、顔料粒子の粗大粒子の有無に関する値である。従ってその値が50%累積粒径値(da50)に近づけば近づくほど、粒子が均一化している事を意味する。
上記界面活性剤としては、水溶性高分子、無機化合物、及び、イオン性または非イオン性の界面活性剤が挙げられ、分散性の問題から分散性が高いイオン性、特にアニオン性界面活性剤が好ましく使われる。
また、洗浄性の観点から、界面活性剤の分子量の上限値は10,000が好ましく、より好ましくは5,000である。一方、界面活性能の観点から下限値は100が好ましく、より好ましくは200である。
当該界面活性剤の具体例としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、の等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機化合物等が挙げられる。なお、これらは1種単独で用いても良く、また、必要に応じて2種以上を組み合せて用いてもよい。
上述のように、本発明に用いる顔料粒子分散液は、上記顔料混合液を、(I)渦巻状に延在する複数本の旋回溝構造をその気体噴射口内に有し、渦流状の気体を噴射するための気体噴射口を周囲に配した液体吐出口を有するノズルを用いて、7.0×10−2/min〜11.0×10−2/minの噴霧速度で噴霧する工程を含む調製方法で得られる顔料粒子分散液である。
当該特定のノズルを用いて、特定の速度で顔料混合液を噴霧する工程(I)に用いられる顔料分散液製造装置としては、顔料混合液に含まれる界面活性剤が、顔料100質量部に対して、0.1質量部〜5.0質量部であっても、顔料粒子分散液中の顔料粒子の粒度分布が上記特定の範囲を満足させることができる顔料分散液製造装置であれば特に限定されない。
当該顔料分散液製造装置としては、例えば、特開2004−261659号公報や特開2
000−254554号公報に記載されているような製造装置が挙げられる。また、通常は混合に用いられる、スプレー式混合装置(バイオメディア社製)もその一例として挙げられる。
以下、本発明に用いられる顔料分散液製造装置の一例を具体的に示す。
図1は、上記顔料分散液製造装置(以下、単に製造装置ともいう)の具体例を示す図である。図に示すように、製造装置は、得られた顔料粒子分散液を収容する容器であるバッチ槽10及び上記顔料混合液21を貯蔵するためのタンクである混合液タンク12を備える。同図に示すように、バッチ槽10には、顔料混合液を槽内に投入するためのノズル11が設けられている。混合液タンク12には、同タンクから混合液給送管13が取付けられている。混合液給送管13は、流量調節手段としての可変絞り弁14を介して流動体給送管15に結合されている。流動体給送管15から供給された顔料混合液は、ノズル11を介して、バッチ槽10内に送り込まれる。また、ノズル11には、気体供給手段としての空気供給管16も結合されており、圧縮空気が供給される。空気供給管16には、上流側へ向かって順次、空気圧センサ17、圧力調節弁18、圧縮空気リザーバ19が結合されている。また、図1に示すように、当該製造装置はコンプレッサ20を備える。
詳細については後述するがノズル11の先端部分には流動体供給口に連通している流動体吐出口と、その周囲に形成されている気体噴射口とが設けられている。流動体給送管15を介してノズル11の流動体供給口に供給された顔料混合液21はノズル11の流動体吐出口から吐出されるが、ノズル11の前方には気体噴出口から噴出された空気の渦流が形成される事によって、当該顔料混合液は分散された状態となった噴霧状の混合物としてバッチ槽10内へ噴出される。
ノズルから噴霧された顔料分散物27は円錐形状の末広がりに拡散して広い面積に放出されるが、この噴霧状の顔料分散物は、霧状のエアロゾルであるためにバッチ槽10内を漂い、なかなかバッチ槽10の底の方へ下降しない。そのため、霧状を抑え、顔料分散物と空気とを分離させるための装置を用いるとよい。従って、当該顔料分散液製造装置の一例では、ノズル先端に円錐状の分散液回収装置26を取付け、ノズル11から噴出された噴霧状の顔料分散を通過させることで分散液25を回収している。なお、分散液回収装置は噴霧状の顔料分散と空気とを分離させる装置であれば良く、板状の回収装置や蛇管でも代用できる。
また、本製造装置は、必要に応じて分散液輸送ポンプ23により分散液輸送管24を通じて、分散液を混合液タンク12に輸送することができ、循環運転による多パス分散も可能である。
次に、図2〜図5を用いて、ノズル11の構造について説明する。なお、図2はノズル11の斜視図を、図3はノズル11の部品構成を示す分解斜視図を、図4はノズル11の断面図を、図5は、同ノズル11において、ノズルボディの気体噴出口内側領域にある高速渦流発生部を形成する液体通路部材上端部の構成を示す正面図を示している。
図2〜図4に示すように、ノズル11は、略円筒状の中空ケーシング31の内部に略円筒状の中子41を挿入してねじ込んだ構造になっている。ケーシング31の先端にはノズル11の中心軸線Aと中心が一致した横断面が円形である開口孔32が形成されている。ケーシング31の側面にはノズル11の中心軸線Aに対して垂直な軸線を有するようにして気体供給口としての孔33が穿設されている。この孔33の内周面には雌ネジ溝が切られていて空気供給管16を螺入して結合できるようになっている。
中子41は、その中心軸線Aに沿って内部はくり抜かれて中空になっており、基端部の流動体供給口としての孔42を形成している。また、その外径はケーシング31の中空の
孔にぴったりと嵌入するような寸法になっていて、長手方向の略中央部付近の外径はやや細く形成されて、ケーシング31の内面との間において円環筒状の空間50が残されるようになっている。この空間50は前述のケーシング31に設けられた孔33に連通していて、孔33を介して圧縮空気などの気体が導入される。中子41の先端部には、基端部の流動体供給口としての孔42から内部の中空空間を通って連通してなる流動体吐出口としての孔43が開口していて、その周囲の膨大部分はスパイラル形成体44として形成されている。そして、スパイラル形成体44の先端面とケーシング31の先端の内面との間には渦流室51が形成されている。渦流室51を構成している中子41の先端端面は、前述のケーシング31の開口孔32との間にて隙間を有していて、これが気体噴射口52を構成する。
図5に示すノズル11の正面図に示すように、中子41は、中心に円形の流動体吐出口としての孔43が配置され、その周囲にスパイラル形成体に形成された複数本の旋回溝45が存在している。この構造により以下のように流動体がノズルにより噴霧されることとなる。すなわち、気体供給口としての孔44から供給された圧縮空気などの気体は、上記空間50を通過して、スパイラル形成体44に形成されている断面積の小さい旋回溝45を通り抜ける際に圧縮されて高速気流となる。この高速気流は渦流状の旋回気流となって、絞られた円環状の気体噴射口52から噴射されてノズル11の前方に気体の高速渦流を形成する。この渦流はケーシング31の先端に近接した前方位置を焦点とするような先細りの円錐形に形成される。
このとき、基端部の流動体供給口としての42には顔料混合液が流動体給送管15を経由して供給される。中子41の中空部分を通って流動体吐出口としての孔43から吐出された顔料混合液は、気体噴射口52から噴射された気体の高速渦流によって微粒子に破砕されて、渦流の回転に伴って強制的に混合されて、顔料粒子分散物としてノズル11の前方へ向けて噴霧状に放出される。
また、上記顔料分散液製造装置を用い、顔料混合液を噴霧する工程において、顔料混合液を噴霧する速度は、7.0×10−2/min.〜11.0×10−2/mi
n.であり、9.5m/min〜11.0m/minであることが好ましく、10.
5m/min〜11.0m/minであることがより好ましい。顔料混合液の噴霧速度が、7.0×10−2/min.未満では均一な分散状態を得ることができず、1
1.0×10−2/min.を超える場合は安定した顔料粒子分散液の供給が困難な
ためである。
上記噴霧速度は、供給される圧縮空気の圧力を調整することで上記範囲に調節することが可能である。
なお、本発明において、上記噴霧速度は、顔料混合液のノズルへの供給速度を測定することで得られる値である。
本発明において、上記ノズルに供給される気体の圧力は、0.1MPa〜0.6MPaの範囲であることが好ましい。なお、上記ノズルに供給される気体の圧力が0.1MPa未満であれば、均一な分散状態を得ることが困難な傾向にあり、0.6MPaを超える場合は、安定した顔料粒子分散液の供給が難しい傾向にあるためである。
本発明において、上記顔料混合液は、顔料混合液を噴霧する工程(I)に供される前に、せん断分散、超音波分散、高圧分散、及びメディア分散から選ばれた少なくとも1種の分散方法を用いて分散されて調製されること(以下、前分散工程ともいう)が好ましい。
上記の分散方法には、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、圧力式ホモジナイザー、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。
当該前分散工程の意義は、顔料混合液を、上記分散方法を用いてあらかじめ分散し、当該顔料混合液中の顔料粒子の体積基準の90%累積粒径値(d90)を2.0μm以下とすることである。
上記せん断分散における「せん断」とは300m/min.〜10000m/min.の範囲によるせん断のことを意味し、一般的にこのせん断とは回転運動で得られる場合が多いが、本発明におけるせん断は回転運動によって得られるもののみを意味するものではない。
上記超音波分散とは、発振周波数が20kHz〜200kHzの範囲で分散することを意味し、好ましくは20kHz〜50kHzの範囲で分散することを意味する。
上記高圧分散とは、10MPa〜250MPaの高圧で細孔を通過させることにより分散させる方式で分散することを意味し、特に好ましくは100〜250MPaで分散することを意味する。
上記メディア分散とは、0.03mm〜1mmの範囲のガラス、ジルコニア、酸化アルミ等の球状メディアを用いた分散方法を意味する。当該方法では、高比重で小粒径メディアを使用した際に良好な分散体を得ることができることから、0.03〜0.2mmジルコニアビーズの使用がより好ましい。なお、上記分散方法は、単独もしくは組み合せて用いてもよい。
本発明のトナー製造方法においては、上記混合液を調製する工程において、帯電制御粒子が分散された帯電制御粒子分散液をさらに添加することも可能である。
当該帯電制御粒子分散液に用いられる帯電制御剤としてはクロム系アゾ染料、鉄系アゾ染料、アルミニウムアゾ染料、サリチル酸金属錯体などが使用できる。
本発明のトナー製造方法においては、上記混合液を調製する工程において、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液をさらに添加することも可能である。
なお、本発明のトナーの製造方法で得られるトナーは、離型剤を含有することが好ましい。離型剤を含有することで、定着工程での離型性が向上する。従って、接触加熱型定着方式では定着ロールに塗布する離型オイルを減少すること、またはなくすことができる。これにより、離型オイルによる定着ロール寿命の低下やオイル筋等のディフェクトを回避することができ、また低コスト化にもつながる。
上記離型剤粒子分散液に用いられる離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックスなどが挙げられる。
上記離型剤の融点は40℃〜120℃が好ましく、本発明に用いられる樹脂の融点以下であることがより好ましい。離型剤の融点が40℃未満では離型剤の変化温度が低く、耐ブロッキング性が低下する傾向にあり、また、複写機内温度が高まった時に現像性が低下する傾向にある。一方、120℃を超える場合には、離型剤の変化温度が高く、樹脂の低温定着性を損ねる傾向にある。
また、本発明において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いても良い。
離型剤の含有量としては、トナー粒子を構成する樹脂100質量部に対し、好ましくは1質量部〜20質量部、より好ましくは2質量部〜15質量部である。
離型剤の含有量が、1質量部未満であると離型剤の添加効果が少なくなる。一方、離型剤の含有量が20質量部を超えると、トナーの帯電性に対する悪影響が現れやすくなる。
具体的には、二成分系現像剤の場合、現像機内部においてトナーが破壊されやすくなるため離型剤や樹脂のキャリアへのスペントが生じ易く、トナーの帯電性が低下しやすくなる等の影響が現れる可能性が高くなる。さらに、例えば、カラートナーを用いた場合は、定着時の画像表面への染み出しが不十分になり易く、画像中に離型剤が在留しやすくなってしまうため、透明性が低下する傾向にある。
本発明のトナーの製造方法で得られるトナー粒子の重量平均粒径(D4)は3.0μm〜7.5μmであることが好ましく、3.5μm〜6.5μmであることがより好ましい。
トナー粒子の重量平均粒径(D4)が3.0μmより小さいと帯電性が十分得られない場合がある。また、流動性低下による帯電分布の広がりにより、背景へのカブリや現像器からのトナーこぼれ等が生じやすくなる。一方、トナー粒子の重量平均粒径(D4)が7.5μmより大きいと、解像度が低下する傾向にあるため、十分な画質が得られ難くなる場合がある。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の配合における部数は特に説明が無い場合は質量部である。
最初に各種粒子の解析方法について記す。
(混合液及び分散液中の各種粒子の粒度分布解析)
本発明において、混合液及び分散液中の樹脂粒子、顔料粒子等の粒子の粒度分布の解析には、動的光散乱法/レーザードップラー法を用いたUPA−EX150(日機装社製)を使用する。測定は、試料として0.01質量%固形分濃度のものを用い、20℃で測定を行い、体積基準の50%累積粒径値(d50)を体積平均粒径とする。
また、顔料粒子に関しては、体積基準における90%累積粒径値(da90)、及び、下記(式1)から求められるSD1(分布幅)を求める。
Figure 2009276516
(上記[式1]において、da84は顔料粒子分散液中における顔料粒子の、体積基準における84%累積粒径値を表し、da16は顔料粒子分散液中における顔料粒子の、体積基準における16%累積粒径値を表す。)
(トナー粒子の粒度分布解析)
上記トナー粒子の粒度分布はコールター法による粒度分布解析にて測定する。測定装置として、コールターカウンターTA−II(コールター社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い測定する。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%塩化ナトリウム水溶液を調製する。該電解液として、例えば、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。具体的な測定方法としては、電解水溶液100ml〜150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1ml〜5ml加え、さらに測定試料(トナー粒子)を0.5mg〜50mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行う。得られた分散処理液を、アパーチャーとして100μmアパーチャーを装着した上記測定装置により、2.00μm以上40.00μm以下のトナー粒子の体積、個数を測定してトナー粒子の体積分布と個数分布とを算出する。その算出結果から、トナー粒子の重量平均粒径(D4)を求める。
<顔料混合液1の製造例>
アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)3質量部を997質量部のイオン交換水に溶解した後、シアン顔料(大日精化社製:Pigment Blue 15:3)100質量部を添加し、攪拌式高速せん断型のホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクス)を用い、24000rpmで30分間顔料を分散して、顔料混合液1を製造した。なお、得られた顔料混合液1中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表1に記載した。
<顔料混合液2の製造例>
アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)3質量部を997質量部のイオン交換水に溶解した後、シアン顔料(大日精化社製:Pigment Blue 15:3)100質量部を添加し、超音波洗浄機(本田電子社製、W−113)を用い、28kHzで60分間顔料を分散して、顔料混合液2を製造した。なお、得られた顔料混合液2中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表1に記載した。
<顔料混合液3の製造例>
ホモジナイザーを用いた分散の後、高圧衝撃式分散機アルティマイザー(スギノマシン社製、HJP30006)を用いて200MPaで分散を行うこと以外は、顔料混合液1の製造例と同様の製造方法で顔料混合液3を製造した。なお、得られた顔料混合液3中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表1に記載した。
<顔料混合液4の製造例>
ホモジナイザーを用いた分散の後、分散機としてスターミル(登録商標)ミニツエラ(アシザワファインテック社製)を、分散メディアとして0.05mmジルコニアビーズを用いて、2m/秒の回転速度で分散を行う事以外は、顔料混合液1の製造例と同様の製造方法で顔料混合液4を製造した。なお、得られた顔料混合液4中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表1に記載した。
<顔料混合液5の製造例>
アニオン界面活性剤に代えノニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ノイゲンEA137)とする事以外は顔料混合液3の製造例と同様の製造方法で顔料混合液5を製造した。なお、得られた顔料混合液5中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表1に記載した。
<顔料混合液6の製造例>
ノニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ノイゲンEA137)の添加量、3質量部を1質量部とし、997質量部のイオン交換水量を999質量部とした以外は顔料混合液5の製造例と同様の製造方法で顔料混合液6を製造した。なお、得られた顔料混合液6中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表1に記載した。
<顔料混合液7の製造例>
ノニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ノイゲンEA137)の添加量、3質量部を0.1質量部とし、997質量部のイオン交換水量を999.9質量部とした以外は顔料混合液5の製造例と同様の方法で顔料混合液7を製造した。なお、得られた顔料混合液7中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表1に記載した。
<顔料混合液8の製造例>
シアン顔料をマゼンタ顔料(大日精化社製:ECR−186Y)とした以外は顔料混合液5の製造例と同様の製造方法で顔料混合液8を製造した。なお、得られた顔料混合液8
中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表1に記載した。
<顔料混合液9の製造例>
シアン顔料をイエロー顔料(クラリアントジャパン社製:Hansa Brill.Yellow 5GX03)とした以外は顔料混合液5の製造例と同様の方法で顔料混合液9を製造した。なお、得られた顔料混合液9中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表1に記載した。
<顔料混合液10の製造例>
シアン顔料をカーボンブラック(キャボット社製:リーガル330)とした以外は顔料混合液5の製造例と同様の方法で顔料混合液10を得た。なお、得られた顔料混合液10中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表1に記載した。
<顔料粒子分散液1の製造例>
顔料混合液1を、図2に示すノズルを備えた、ノズル径1.5mmのスプレー式混合装置(バイオメディア社製)に供給し、かつ、ノズルに供給される空気の圧力を0.5MPとして、ノズルからの噴霧速度を10.5×10−2/minに調整することで顔料粒子の分散を行い、顔料粒子分散液1を得た。なお、得られた顔料粒子分散液1中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表2に記載した。
<顔料粒子分散液2の製造例>
ノズルに供給される空気の圧力を0.3MPとして、ノズルからの噴霧速度を9.1×10−2/minに調整した以外は顔料粒子分散液1の製造例と同様の方法で顔料粒子の分散を行い、顔料粒子分散液2を得た。なお、得られた顔料粒子分散液2中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表2に記載した。
<顔料粒子分散液3の製造例>
ノズルに供給される空気の圧力を0.1MPとして、ノズルからの噴霧速度を7.2×10−2/minに調整した以外は顔料粒子分散液1の製造例と同様の方法で顔料粒子の分散を行い、顔料粒子分散液3を得た。なお、得られた顔料粒子分散液3中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表2に記載した。
<顔料粒子分散液4の製造例>
顔料混合液1を、顔料混合液2に代えた以外は顔料粒子分散液1の製造例と同様の方法で顔料粒子の分散を行い、顔料粒子分散液4を得た。なお、得られた顔料粒子分散液4中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表2に記載した。
<顔料粒子分散液5の製造例>
顔料混合液1を、顔料混合液3に代えた以外は顔料粒子分散液1の製造例と同様の方法で顔料粒子の分散を行い、顔料粒子分散液5を得た。なお、得られた顔料粒子分散液5中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表2に記載した。
<顔料粒子分散液6の製造例>
顔料混合液1を、顔料混合液4に代えた以外は顔料粒子分散液1の製造例と同様の方法で顔料粒子の分散を行い、顔料粒子分散液6を得た。なお、得られた顔料粒子分散液6中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表2に記載した。
<顔料粒子分散液7の製造例>
顔料混合液1を、顔料混合液5に代えた以外は顔料粒子分散液1の製造例と同様の方法で顔料粒子の分散を行い、顔料粒子分散液7を得た。なお、得られた顔料粒子分散液7中
の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表2に記載した。
<顔料粒子分散液8の製造例>
顔料混合液1を、顔料混合液6に代えた以外は顔料粒子分散液1の製造例と同様の方法で顔料粒子の分散を行い、顔料粒子分散液8を得た。なお、得られた顔料粒子分散液8中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表2に記載した。
<顔料粒子分散液9の製造例>
顔料混合液1を、顔料混合液7に代えた以外は顔料粒子分散液1の製造例と同様の方法で顔料粒子の分散を行い、顔料粒子分散液9を得た。なお、得られた顔料粒子分散液9中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表2に記載した。
<顔料粒子分散液10の製造例>
顔料混合液1を、顔料混合液8に代えた以外は顔料粒子分散液1の製造例と同様の方法で顔料粒子の分散を行い、顔料粒子分散液10を得た。なお、得られた顔料粒子分散液10中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表2に記載した。
<顔料粒子分散液11の製造例>
顔料混合液1を、顔料混合液9に代えた以外は顔料粒子分散液1の製造例と同様の方法で顔料粒子の分散を行い、顔料粒子分散液11を得た。なお、得られた顔料粒子分散液11中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表2に記載した。
<顔料粒子分散液12の製造例>
顔料混合液1を、顔料混合液10に代えた以外は顔料粒子分散液1の製造例と同様の方法で顔料粒子の分散を行い、顔料粒子分散液12を得た。なお、得られた顔料粒子分散液12中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表2に記載した。
<顔料粒子分散液13の比較製造例>
ノズルに供給される空気の圧力を0.3MPとして、ノズルからの噴霧速度を6.5×10−2/minに調整した以外は顔料粒子分散液1の製造例と同様の方法で顔料粒子の分散を行い、顔料粒子分散液13を得た。なお、得られた顔料粒子分散液13中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表2に記載した。
<顔料粒子分散液14の比較製造例>
ノズルに供給される空気の圧力を0.3MPとして、ノズルからの噴霧速度を11.4×10−2/minに調整した以外は顔料粒子分散液1の製造例と同様の方法で顔料粒子の分散を行い、顔料粒子分散液14を得た。なお、得られた顔料粒子分散液14中の顔料粒子の粒度分布、及びSD1(分布幅)は表2に記載した。
<樹脂粒子分散液(1)の調製>
スチレン 82.6質量部
アクリル酸n−ブチル 9.2質量部
アクリル酸 1.3質量部
ヘキサンジオールアクリレート 0.4質量部
n−ラウリルメルカプタン 3.2質量部
(以上和光純薬社製)
以上を混合し溶解した油層と、ネオゲンRK(第一工業製薬社製)1.5質量部をイオン交換水150質量部に溶解した水層を、フラスコ中に混合、分散した。さらに10分間ゆっくりと混合した後、これに過硫酸カリウム(和光純薬社製)0.15質量部を溶解したイオン交換水10質量部を投入した。窒素置換を十分行なった後、該フラスコ内を攪拌
しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、6時間そのまま乳化重合を継続した。その後この反応液を室温まで冷却した後、イオン交換水を添加することで固形分濃度が12.5質量%である、体積平均粒径が200nmの樹脂粒子分散液(1)を調製した。なお、ガラス転移温度Tg(オンセット)の測定には、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製、DSC−7)を用いた。記載の方法でガラス転移温度を測定したところ65℃であった。
<樹脂粒子分散液(2)の調製>
ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン68質量部、イソフタル酸16質量部、テレフタル酸16質量部、ジブチル錫オキシド0.03質量部をフラスコに仕込み、窒素雰囲気下で230℃にて24時間反応を続けてポリエステル樹脂を得た。当該ポリエステル樹脂の、数平均分子量(Mn)が12000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が3.2、ガラス転移温度Tg(オンセット)が60℃であった。
上記ポリエステル樹脂 250質量部
テトラヒドロフラン(和光純薬社製) 400質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK) 10質量部
上記成分を混合して溶解した後、イオン交換水1750質量部を添加後、超音波洗浄機(本田電子社製、W−113)28kHzで60分間分散し、次いで高圧衝撃式分散機アルティマイザー(スギノマシン社製、HJP30006)を用いて200MPaで分散を行なった。分散終了後、エバポレータにてテトラヒドロフランを除去した後、イオン交換水を添加することで固形分濃度が12.5質量%である樹脂粒子分散液(2)を調製した。樹脂粒子分散液(2)中の樹脂粒子の体積平均粒径は250nmであった。
<離型剤粒子分散液の調製>
パラフィンワックス 100質量部
(日本精蝋社製:HNP0190、融点90℃)
アニオン界面活性剤 10質量部
(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)
イオン交換水 1000質量部
上記成分を混合して溶解し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)を用いて分散した後に、高圧衝撃式分散機アルティマイザー(スギノマシン社製、HJP30006)で分散処理して、離型剤粒子の体積平均粒径が190nmである離型剤粒子分散液を調製した。
<実施例1>
160質量部の樹脂粒子分散液(1)、10質量部の顔料粒子分散液5、10質量部の離型剤分散液、及び0.2質量部の硫酸マグネシウムを、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、加熱用オイルバス中で65℃まで攪拌翼にて攪拌しながら加熱した。65℃で1.0時間保持することで、重量平均粒径(D4)が6.0μmである凝集体粒子が形成されていることが確認された。アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を2.2質量部加えた後、攪拌を継続しながら80℃まで昇温して30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.5μmである合一した球形粒子が観察された。その後イオン交換水を添加しながら10℃/分の速度で30℃まで降温して粒子を固化させた。その後、反応生成物を濾別した後、濾過器上の反応生成物を取り出し、720質量部のイオン交換水を加え60分間攪拌・洗浄した後に濾過を行った。当該洗浄工程を5回行い、濾液の電気伝導度が102μS/cmとなったところで十分に洗浄できたと判断した。次いで洗浄後の濾物を、真空乾燥機を用いて乾燥させることによりトナー粒子を得た。
なお、本発明において、濾液の電気伝導度は特開2006−243064号公報に従い
算出した。すなわち、濾液の最初30質量部は捨て、残部を25±0.5℃の温度とした後、電気伝導度計(堀場製作所社製:ES−12)にて測定し、次式により試料の電気伝導度を算出した。
(式)電気電導度 μS/cm=A−B
A:濾液の電気伝導度
B:洗浄に使用した水の電気伝導度
なお、イオン交換水は、電気伝導度は5μS/cm以下、かつpH7.0±1.0のものを使用した。
上記トナー粒子100質量部に、BET法で測定した比表面積が200m/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合してトナーを得た。さらに、このトナー5質量部に対し、アクリルコートされたフェライトキャリア95質量部を混合し、現像剤とした。この現像剤を、キヤノン社製カラー複写機CLC−1100改造機(定着オイル塗布機構を省いた)を用いて、15℃/10%RHの環境下において1万枚の耐久試験を実施し、初期と耐久後におけるカブリを目視にて確認した結果、初期と耐久後の何れにおいてもカブリの発生のない良好な画像が得られた。
<実施例2>
上記顔料粒子分散液5を20質量部とした以外は実施例1と同様の方法で重量平均粒径(D4)が5.7μmであるトナー粒子を得た。また、実施例1と同様の方法で上記洗浄工程を5回行った結果、濾液の電気伝導度は、124μS/cmであった。
得られたトナー粒子を用いて実施例1と同様の方法で現像剤を作成し、実施例1と同様の条件で耐久試験を実施したところ、初期と耐久後の何れにおいてもカブリの発生のない良好な画像が得られた。
<実施例3>
上記顔料粒子分散液5を40質量部とした以外は実施例1と同様の方法で重量平均粒径(D4)が5.3μmであるトナー粒子を得た。また、実施例1と同様の方法で上記洗浄工程を5回行った結果、濾液の電気伝導度は、135μS/cmであった。
得られたトナー粒子を用いて実施例1と同様の方法で現像剤を作成し、実施例1と同様の条件で耐久試験を実施したところ、初期と耐久後の何れにおいてもカブリの発生のない良好な画像が得られた。
<実施例4>
上記顔料粒子分散液5を顔料粒子分散液6に変更した以外は、実施例1と同様の方法で重量平均粒径(D4)が5.4μmであるトナー粒子を得た。また、実施例1と同様の方法で上記洗浄工程を5回行った結果、濾液の電気伝導度は、111μS/cmであった。
得られたトナー粒子を用いて実施例1と同様の方法で現像剤を作成し、実施例1と同様の条件で耐久試験を実施したところ、初期と耐久後の何れにおいてもカブリの発生のない良好な画像が得られた。
<実施例5>
上記顔料粒子分散液5を顔料粒子分散液7に変更した以外は、実施例1と同様の方法で重量平均粒径(D4)が5.5μmであるトナー粒子を得た。また、実施例1と同様の方法で上記洗浄工程を5回行った結果、濾液の電気伝導度は、97μS/cmであった。
得られたトナー粒子を用いて実施例1と同様の方法で現像剤を作成し、実施例1と同様の条件で耐久試験を実施したところ、初期と耐久後の何れにおいてもカブリの発生のない良好な画像が得られた。
<実施例6>
上記顔料粒子分散液5を顔料粒子分散液8に変更した以外は、実施例1と同様の方法で重量平均粒径(D4)が5.5μmであるトナー粒子を得た。また、実施例1と同様の方法で上記洗浄工程を5回行った結果、濾液の電気伝導度は、82μS/cmであった。
得たれたトナー粒子を用いて実施例1と同様の方法で現像剤を作成し、実施例1と同様の条件で耐久試験を実施したところ、初期と耐久後の何れにおいてもカブリの発生のない良好な画像が得られた。
<実施例7>
樹脂粒子分散液(1)を樹脂粒子分散液(2)に代えた以外は、実施例1と同様の方法で重量平均粒径(D4)が5.6μmであるトナー粒子を得た。また、実施例1と同様の方法で上記洗浄工程を5回行った結果、濾液の電気伝導度は、68μS/cmであった。
得られたトナー粒子を用いて実施例1と同様の方法で現像剤を作成し、実施例1と同様の条件で耐久試験を実施したところ、初期と耐久後の何れにおいてもカブリの発生のない良好な画像が得られた。
<比較例1>
アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)10質量部を890質量部のイオン交換水に溶解した後、シアン顔料(大日精化社製:ECB−301)100質量部を添加し、攪拌式高速せん断型ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクス)を用い、24000rpmで30分間顔料を分散した。次いで、得られた分散物を、高圧衝撃式分散機アルティマイザー(スギノマシン社製、HJP30006)を用いて200MPaで更に分散して顔料混合物を得た。
この顔料混合物を、図2に示すノズルを備えた、ノズル径1.5mmのスプレー式混合装置(バイオメディア社製)に供給し、かつ、ノズルに供給される空気の圧力を0.5MPとして、ノズルからの噴霧速度を10.5×10−2/minに調整することで顔料粒子の分散を行い、顔料粒子分散液を得た。なお、得られた顔料粒子分散液中の顔料粒子の平均粒径(d50)は0.16μm、d90は0.43μm、SD1(分布幅)は0
.078μmであった。
得られた顔料粒子分散液10質量部、樹脂粒子分散液(1)160質量部、離型剤分散液10質量部、及び硫酸マグネシウム0.2質量部を、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、加熱用オイルバス中で65℃まで攪拌翼にて攪拌しながら加熱した。65℃で1.0時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約6.0μmである凝集体粒子が形成されていることが確認された。アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を2.2質量部加えた後、攪拌を継続しながら80℃まで昇温して30分間保持する事で、重量平均粒径(D4)が5.5μmである合一した球形粒子が観察された。その後イオン交換水を添加しながら10℃/分の速度で30℃まで降温して粒子を固化させた。その後、反応生成物を濾別した後、濾過器上の反応生成物を取り出し、720質量部のイオン交換水を加え60分間攪拌・洗浄した後に濾過を行った。当該洗浄工程を5回行った結果、濾液の電気伝導度は、250μS/cmであった。次いで、洗浄後の濾物を、真空乾燥機を用いて乾燥させることによりトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子を用いて実施例1と同様の方法で現像剤を作成し、実施例1と同様の条件で耐久試験を実施したところ、耐久後にカブリが発生し、良好な画像は得られなかった。
<比較例2>
アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)10質量部を20質量部とし、890質量部のイオン交換水を880質量部とした以外は、比較例1と同様の方法でトナー粒子を得た。また、比較例1と同様の方法で上記洗浄工程を5回行った結果、濾液の電気伝導度は、1057μS/cmであった。
得られたトナー粒子を用いて実施例1と同様の方法で現像剤を作成し、実施例1と同様の条件で耐久試験を実施したところ、初期からカブリが発生し、良好な画像は得られなかった。
Figure 2009276516
Figure 2009276516
顔料分散液製造装置の具体例を示す図である。 ノズルの斜視図 ノズルの部品構成を示す分解斜視図 ノズルの断面図 高速渦流発生部を形成する液体通路部材上端部の構成を示す正面図
符号の説明
10 バッチ槽
11 ノズル
12 混合液タンク
13 混合液輸送管
14 可変絞り弁
15 流動体給送管
16 空気供給管
17 空気圧センサ
18 圧力調節弁
19 圧縮空気リザーバ
20 コンプレッサ
21 顔料混合液
23 分散液輸送ポンプ
24 分散液輸送管
25 分散液
26 分散液回収装置
27 ノズルから噴霧された顔料分散物
31 ケーシング
32 開口孔
33 気体供給口としての孔
41 中子
42 基端部の流動体供給口としての孔
43 流動体吐出口としての孔
44 スパイラル形成体
45 旋回溝
50 円環筒状の空間
51 渦流室
52 気体噴射口

Claims (5)

  1. 樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液、及び、顔料粒子が分散された顔料粒子分散液を含む混合液を調製し、得られた混合液に少なくとも含まれる樹脂粒子及び顔料粒子を凝集し凝集体粒子を形成する凝集工程、並びに、前記凝集体粒子を前記樹脂粒子の樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱して融合することでトナー粒子を形成する融合工程を含むトナーの製造方法であって、
    前記顔料粒子が分散された顔料粒子分散液は、顔料、界面活性剤、及び、水系媒体を少なくとも含有する顔料混合液を、渦流状の気体を噴射するための気体噴射口を周囲に配した液体吐出口を有するノズルを用いて、7.0×10−2/min〜11.0×10−2/minの噴霧速度で噴霧する工程を含む調製方法で得られ、前記顔料混合液に含まれる前記界面活性剤が、前記顔料100質量部に対して、0.1質量部〜5.0質量部であることを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記顔料混合液が、せん断分散、超音波分散、高圧分散、及びメディア分散から選ばれた少なくとも1種の分散方法を用いて分散されて調製されることを特徴とする、請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記顔料の含有量が、トナー粒子を構成する樹脂100質量部に対して、1質量部〜20質量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
  4. 前記ノズルに供給される気体の圧力が、0.1MPa〜0.6MPaであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のトナーの製造方法。
  5. 前記顔料粒子分散液中における顔料粒子の体積基準の90%累積粒径値(da90)が、0.5μm以下であり、下記(式1)のSD1で示される分布幅が0.1μm以下であることを特徴とする、請求項1〜4いずれかに記載のトナーの製造方法。
    Figure 2009276516
    (前記式1において、da84は前記顔料粒子分散液中における顔料粒子の体積基準の84%累積粒径値を表し、da16は前記顔料粒子分散液中における顔料粒子の体積基準の16%累積粒径値を表す。)
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