JP2009276149A - 目視検査装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高解像度画像を用いることで検査の信頼性を向上させると共に、検査時間を短縮でき、更に、高解像度画像を用いた検査の信頼性を保証できること。
【解決手段】検査対象1を撮影するカメラ11と、カメラまたは検査対象の移動を推定する移動推定装置13と、カメラが撮影した映像から、このカメラの映像の画素解像度よりも高解像度な高解像度画像を作成する高解像度画像作成装置14と、高解像度画像作成装置が作成した高解像度画像の品質を評価する画像評価装置15と、高解像画像を、この高解像画像の品質評価結果と共に、検査対象を目視検査する検査員に提示する画像出力装置16と、を有するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、検査員が検査対象を目視検査するための目視検査装置及び方法に関する。
発電プラントや工業プラントなどでは、機器の安全性を維持するために定期的な検査が実施されており、特に検査の簡便性から目視検査(VT)が多用されている。また、原子力発電プラントにおけるVTでは、遠隔で操作したカメラにより検査部を撮影し、この映像をモニタに表示して検査員が目視で確認するといった方法が多く用いられる。これは、原子力発電プラントの放射線管理区域で作業する人(作業者や検査員)の数の抑制、作業時間の短縮を目的とするものである。
また、本発明者は、原子力圧力容器内のシュラウドの欠陥を自動的に検出するシュラウド自動検査装置を発明し、特許文献1に開示している。このシュラウド自動検査装置は、シュラウドの表面上をセンシング装置が移動して撮影した映像を画像処理装置に入力し、この画像処理装置がセンシング装置からの映像信号を画像処理し、シュラウドに欠陥のおそれがある場合にその部分の立体形状を演算し、探傷装置が更に欠陥の詳細な立体形状を演算するものである。このシュラウド自動検査装置によれば、連続的に取り込まれるシュラウドの映像から欠陥を自動的に検出し、検出された欠陥箇所を更に詳細な立体形状で検出できる。
特開平11−326580号公報
前述のような目視検査では、カメラの映像を基に検査員が目視で欠陥を探すため、カメラの画素分解能が検出すべき欠陥に対して不十分である場合には、欠陥が見づらくなり、欠陥の見落としが発生する可能性がある。このような欠陥の見落としを回避するためには、カメラの撮影範囲を狭くして検査を行うのが一般的である。しかしながら、広域な検査範囲の全てを撮影範囲の狭いカメラで撮影することは多大な時間を要し、検査時間が長期化する課題がある。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、高解像度画像を用いることで検査の信頼性を向上させると共に、検査時間を短縮でき、更に、高解像度画像を用いた検査の信頼性を保証できる目視検査装置及び方法を提供することにある。
本発明に係る目視検査装置は、検査対象を撮影するカメラと、前記カメラまたは前記検査対象の移動を推定する移動推定装置と、前記カメラが撮影した映像から、このカメラの映像の画素解像度よりも高解像度な高解像度画像を作成する高解像度画像作成装置と、この高解像度画像作成装置が作製した前記高解像度画像の品質を評価する画像評価装置と、前記高解像度画像を、この高解像度画像の品質評価結果と共に、前記検査対象を目視検査する検査員に提示する画像出力装置と、を有することを特徴とするものである。
また、本発明に係る目視検査方法は、検査対象を撮影したカメラの映像から、このカメラの映像の画素解像度よりも高解像度な高解像度画像を作成し、この高解像度画像と、この高解像度画像の品質を評価した品質評価結果とを、前記検査対象を目視検査する検査員に提示することを特徴とするものである。
本発明に係る目視検査装置及び方法によれば、カメラによる検査対象の時系列の映像から、このカメラの映像の画素解像度よりも高い画素解像度の高解像度画像をソフト的に作成して検査員に提示するので、この高解像度画像を用いて検査員が検査対象を目視検査する際の検査の信頼性を向上できると共に、検査時間を短縮できる。また、前記高解像度画像の品質を定量的に評価して検査員に提示するので、高解像度画像を用いた検査の信頼性を保証することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。但し、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
[A]第1の実施の形態(図1〜図7)
図1は、本発明に係る目視検査装置における第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。この図1に示すように、目視検査装置10は、検査対象1を撮影するために図示しない駆動装置に取り付けられたカメラ11と、このカメラ11の映像を取り込んでデジタル画像とする画像入力装置12と、カメラ11または検査対象1の移動(本実施形態ではカメラ11の移動)を推定する移動推定装置13と、カメラ11の映像を取り込んだ画像入力装置12からのデジタル画像から、カメラ11の画素解像度よりも高解像度な高解像度画像を作成する高解像度画像作成装置14と、この高解像度画像作成装置14が作成した高解像度画像の品質を評価する画像評価装置15と、高解像度画像作成装置14が作成した高解像度画像と画像評価装置15が評価した高解像度画像の品質とを検査員に提示する画像出力装置16とを有して構成される。
カメラ11は駆動装置により、検査対象1に対して縦横に走査しながら検査対象1を撮影し、この撮影した映像が画像入力装置12に出力される。画像入力装置12では、入力されたカメラ11の映像をデジタル変換し、このデジタル画像を移動推定装置13と高解像度画像作成装置14へカメラ画像として出力する。
移動推定装置13は、画像入力装置12から出力されたカメラ画像(デジタル画像)を逐次記録しておき、記録している以前の画像と、画像入力装置12から出力された最新の画像とを画像処理して比較し、これら2枚の画像中におけるカメラ11の走査運動(移動)を1画素以下のサブピクセル精度で推定する。推定方法として例えば、上述の2枚の画像を拡大処理することで画像の解像度を上げ、これら2枚の拡大画像を、輝度の分散に基づくブロックマッチング処理などにより比較することでカメラ11の移動位置を推定する。図2は、ブロックマッチング処理の説明図である。
ブロックマッチング処理では、移動推定装置13は、以前に保持していたカメラ画像を拡大処理した拡大画像17Aと、画像入力装置12から出力された最新の画像を拡大処理した拡大画像17Bとを用い、拡大画像17Bにおいて、拡大画像17Aのカメラ11の移動を拡大画像17Aの各画素で推定する。
具体的な処理方法は、拡大画像17Aのカメラ11の移動位置を推定する画素18を中心とした矩形ブロック19を設定し、この矩形ブロック19内の輝度の分散を求める。矩形ブロック19内の輝度の分散があるしきい値以上である場合には、拡大画像17Bに対してブロック走査20を行い、輝度の差を用いた方法や輝度の相関を用いた方法などにより、輝度の分散が矩形ブロック19に最も類似した位置を拡大画像17Bにおいて求める。本処理で輝度の分散が矩形ブロック19に最も類似していると判断した位置が、画素18の拡大画像17Bにおけるカメラ11の移動推定位置となる。ブロックマッチング処理は、この処理を拡大画像17Aの全画素に対して実行する。
また、矩形ブロック19内の輝度の分散があるしきい値未満の画素についてはブロックマッチング処理が実行されず、拡大画像17Bにおけるカメラ11の移動位置を推定できない。このようにブロックマッチング処理が実行されない画素については、ブロックマッチング処理が実行された周辺の画素の結果から、拡大画像17Bにおけるカメラ11の移動位置を推定する。
その方法の一例として、図3に示すように、カメラ11の移動位置を推定する画素21を囲む、ブロックマッチング処理が実行された最低3つの画素22、23、24を検索する。次に、これらの検索した3つの画素22、23、24により、画像の横方向をX軸、縦方向をY軸とし、3つの画素22、23、24の移動位置を推定したX軸及びY軸に対する推定位置の方向をZ軸とした3次元空間を作成する。この3次元空間において、3つの画素22、23、24のそれぞれについて移動が推定された推定位置22A、23A、24Aを結ぶ仮想平面25を計算で求める。そして、カメラ11の移動位置を推定する画素21の推定位置21Aがこの仮想平面25上にあると仮定し、推定する画素21のX軸及びY軸の位置から、カメラ11の移動を推定する画素21の推定位置21A(Z軸の値)を計算する。この例では、3つの画素22、23、24を用いた仮想平面25を仮定したが、3つ以上の画素を利用して計算できる多項式の面でもよい。
上述のようにブロックマッチング処理の例では、輝度の分散の高い矩形ブロック19についてのみ処理を実行する。輝度の分散が高いということは画像のテクスチャが特徴的であり、マッチング処理に適しているということである。逆に輝度の分散が低いということは、画像のテクスチャが一様であり特徴的でないためにマッチング処理を実行した結果の信頼性が低い可能性がある。このように各矩形ブロック19についてのブロックマッチング処理の実行の是非を、輝度の分散に基づいて判断することで、信頼性の高いカメラ11の移動位置の推定が可能となる。また、画像のテクスチャの特徴性を評価できる、輝度の分散以外の情報を用いてカメラ11の移動位置を推定し判断してもよい。
尚、本実施形態では、カメラ11の移動をカメラ11の映像から推定する方法を説明したが、駆動装置の駆動情報と、検査対象1とカメラ11間の物理的な情報とを用いて、カメラ11の移動位置を幾何学的に推定する方法でもよい。
図1に示すように、高解像度画像作成装置14は、画像入力装置12から出力されたカメラ画像(デジタル画像)と、このカメラ画像に対応した移動推定装置13からのカメラ11の移動推定位置とを記録しておき、複数のカメラ画像をカメラ11の移動推定位置に基づいて組み合わせて、カメラ11の画素解像度よりも高解像度な高解像度画像を作成する。
図4に高解像度画像の作成方法の一例を示す。カメラ画像26A、26Bは、高解像度画像作成装置14に記録している、画像入力装置12からの画像(デジタル画像)を示している。また、高解像度画像27は、この例では、画素解像度をカメラ画像26A、26Bに対して2倍に設定している。カメラ画像26Aの画素28Aが、高解像度画像27の1A、2A、1B、2Bの座標の画素だとすると、カメラ画像26Bの画素28Bは、移動推定装置13によるカメラ11の位置推定結果を用いてカメラ画像26Aからの相対位置が計算され、高解像度画像27における座標が計算される。この例では、カメラ画像26Bの画素28Bは、高解像度画像27において座標2B、3B、2C、3Cの画素となる。
次に、高解像度画像27の輝度を計算する。図4の例において、高解像度画像27の座標2Bは、カメラ画像26Aの画素28Aとカメラ画像26Bの画素28Bが重なった座標であり、高解像度画像27における座標2Bの画素の輝度は、画素28Aと画素28Bの輝度から、例えば画素28Aと画素28Bの平均輝度として設定される。本例では、高解像度画像の作成方法を2枚のカメラ画像26A、26Bで説明したが、高解像度画像作成装置14では、複数のカメラ画像を用いて高解像度画像が作成される。また、本例の処理で作成した高解像度画像27は、平均輝度で作成しているために画像のコントラストが低いことが想定される。よって、高解像度画像作成装置14では、次にコントラストを上げるコントラスト改善処理を実行する。
図5にコントラスト改善処理の説明図を示す。このコントラスト改善処理では、高解像度画像27の画素29のコントラストを上げる処理を例としたものであり、まず、画素29を中央とする中央範囲30と周辺範囲31を設定する。この周辺範囲31は、中央範囲30よりも広い範囲でなければならない。図5では、中央範囲30が3×3画素、周辺範囲が5×5画素で図示してある。中央範囲30、周辺範囲31の各々の平均輝度を求め、中央範囲30の平均輝度αから周辺範囲31の平均輝度βを差し引く。この差し引いた輝度(α−β)がプラスの場合には、中央範囲30が周辺範囲31よりも明るく、逆にマイナスの場合には中央範囲30が周辺範囲31よりも暗いことになる。本コントラスト改善処理では、この差し引いた輝度(α−β)を画素29の輝度に加算することで、中央範囲30が周辺範囲31よりも明るい場合には、画素29を更に明るくし、中央範囲30が周辺範囲31よりも暗い場合には、画素29を更に暗くして、画素29のコントラストを改善する。
このように、高解像度画像作成装置14は、高解像度画像27の画素29の輝度を、まず、この高解像度画像27作成のために用いた複数のカメラ画像26A、26Bの画素28A、28Bの輝度の平均値として求め、次に、この高解像度画像27の画素29を含む中央範囲30と、この中央範囲30を含む周辺範囲31のぞれぞれの輝度の差(α−β)を前記平均値に加算して、高解像度画像27の画素29の輝度を決定する。
図1に示すように、画像評価装置15は、高解像度画像作成装置14が作成した高解像度画像に関して、カメラ11の画素解像度よりも高い高解像度化が正常に行われたか否か、高解像度化による物体の視認性向上の度合いが適切か否かなど、高解像度画像の品質を評価する。
この画像評価装置15による第1の評価方法について説明する。
図6は、画像評価装置15の第1の評価方法の説明図であり、カメラ画像32に対して高解像度画像33の画素解像度を2倍に設定した例である。画像評価装置15は、画像入力装置12から出力されるカメラ画像32と、高解像度画像作成装置14が作成した高解像度画像33とのそれぞれに局所範囲34、35を設定する。高解像度画像33の局所範囲35は、高解像度画像作成装置14が高解像度画像33を作成する際に使用した移動推定装置13のカメラ11の移動推定位置を用いて、カメラ画像32の局所範囲34の画素を高解像度化した位置と範囲に設定する。
次に、カメラ画像32の局所範囲34と、高解像度画像33の局所範囲35について、それぞれ輝度の分散を算出する。この算出したカメラ画像32と高解像度画像33のそれぞれの局所範囲34、35の輝度分散の比Fを次式(1)にて求める。
[数1]
F=A/B ……(1)
Fは、輝度分散の比であり、Aが高解像度画像33の局所範囲35の輝度分散を、Bがカメラ画像32の局所範囲34の輝度分散をそれぞれ示している。通常、画像を高解像化すると、物体の輪郭や模様が良く見え視認性が向上することから輝度の分散は向上する。つまり、高解像度画像33の輝度分散Aが、カメラ画像32の輝度分散Bよりも大きい場合には、高解像度画像33の物体の視認性がカメラ画像32よりも向上していると考えられる。よって、画像評価装置15では、比Fが1を超える場合に画像の品質が向上していると評価し、比Fが1以下の場合には品質が向上されていないと評価する。
画像評価装置15は、高解像度画像作成装置14が高解像度画像33を作成する際に使用した複数のカメラ画像32の全画素に対して前記処理を実行し、比Fの平均値や、全評価数に対し比Fが1を超えている割合などの評価結果を画像出力装置16に出力する。
次に、画像評価装置15による第2の評価方法について説明する。
図7は、画像評価装置15の第2の評価方法の説明図であり、カメラ画像36に対して高解像度画像37の画素解像度を2倍に設定した例である。画像評価装置15は、高解像度画像作成装置14が作成した高解像度画像37をカメラ画像36と同一の画素解像度に逆変換した、変換画像としての擬似カメラ画像38を作成する。図7の説明図では、高解像度画像37の画素解像度をカメラ画像36の画素解像度に対して2倍に設定しているため、高解像度画像37の横2画素×縦2画素がカメラ画像36の1画素に相当する。
画像評価装置15は、例えば高解像度画像37における画素39A、画素39B、画素39C、画素39Dの4画素の平均輝度を求め、この平均輝度を擬似カメラ画像38の画素40の輝度として出力する。画像評価装置15では、前記処理における高解像度画像37の4画素39A〜39Dの組み合わせが重ならないように順次ずらしながら(本例では高解像度画像37の画素解像度が2倍なので2画素ずらしながら)、擬似カメラ画像38を作成する。
次に、画像評価装置15は、カメラ画像36と擬似カメラ画像38とを比較することにより高解像度画像37の画質の品質を評価する。カメラ画像36と擬似カメラ画像38との比較では、高解像度画像作成装置14が高解像度画像37を作成する際に使用した移動推定装置13によるカメラ11の移動推定位置から、カメラ画像36と擬似カメラ画像38が同一の位置になるように位置合せを行った後、両画像36、38間の差分処理により差分画像を求める。
高解像度画像37が正しく作成されている場合には、カメラ画像36と擬似カメラ画像38の輝度差が0に近い値となる。このため、画像評価装置15では、差分画像に対して任意のしきい値を設け、差分画像の平均輝度がしきい値以下の場合には、高解像度画像37が正常に作成されていると評価し、しきい値を超える場合には高解像度画像37が外部照明などの影響により正しく作成されていなと評価する。
画像評価装置15は、擬似カメラ画像38と、高解像度画像作成装置14が高解像度画像37を作成する際に使用した複数のカメラ画像36との全てについて前記処理を実行し、差分画像の平均値などの評価結果を出力装置106へ出力する。
図1に示すように、画像出力装置16は、高解像度画像作成装置14にて作成した高解像度画像と、画像評価装置15の評価結果を検査員に表示して提示する。
また、画像評価装置15による高解像度画像の品質の評価は、検査対象1の検査時に逐次実施しても良く、または、検査対象1の検査実施前と検査実施後に実施し、検査中には実施しないことで、検査の効率化を向上させた手順としても良い。
従って、本実施の形態によれば、次の効果(1)及び(2)を奏する。
(1)画像入力装置12が、カメラ11または検査対象1が移動することで得られたカメラ11による検査対象1の時系列の映像をデジタル処理してデジタル画像(カメラ画像)を作成し、高解像画像作成装置14が、これらのカメラ画像から、カメラ11の画素解像度よりも高い画素解像度の画像をソフト的に作成して、画像出力装置16を介し検査員に提示する。この結果、検査員が高解像度画像に基づいて検査対象1を目視検査することで、検査員による検査の信頼性を向上させることができると共に、狭い撮影範囲のカメラによる映像を用いて広範な検査範囲を検査する場合に比べ、検査時間を短縮できる。
(2)画像評価装置15が、高解像度画像作成装置14が作成した高解像度画像の品質を第1または第2の評価方法を用いて定量的に評価して、画像出力装置16を介し検査員に提示するので、この高解像度画像を使用した検査の信頼性を保証することができる。
[B]第2の実施の形態(図8、図9)
図8は、本発明に係る目視検査装置における第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
この第2の実施の形態における目視検査装置50が前記実施の形態の目視検査装置10と異なる点は、カメラ11に対し独立して移動して検査対象1に既知の光模様を投影する光投影装置51が追加して設けられ、この光投影装置51が投影した光模様を高解像度画像の品質の評価に用いた点である。
つまり、光投影装置51は、例えば幅が既知なライン状の光模様を検査対象1に投影する。カメラ11は、図9に示すように、検査対象1と共に、光投影装置51にて検査対象1に投影したライン状の光模様52が1つの画像に収まるように撮影する。
画像評価装置15は、高解像度画像作成装置14にて作成された高解像度画像53から画像処理により、検査対象1に投影したライン状の光模様52を抽出し、この光模様52において寸法が既知な箇所の寸法、例えばライン幅Wを計測する。次に、画像評価装置15は、光模様52において、既知の寸法(例えばライン幅W)と、高解像度画像53から画像処理により計測した寸法(例えばライン幅W)とを比較し、計測精度を算出する。
通常、画像を高解像度化すると、物体の輪郭や模様を詳細に観察できることから計測精度が向上する。よって画像評価装置15は、算出した計測精度の高低に基づいて高解像度画像53の視認性の向上度合いや、高解像度画像53が正しく作成されているか否かの高解像度画像53の品質評価を行い、画像出力装置16へ評価結果を出力する。
尚、本実施の形態では、画像評価装置15において、光模様52の既知の寸法と高解像度画像53から計測した寸法とを比較したが、画像入力装置12が作成したカメラ画像から同一の画像処理により光模様の寸法を計測し、このカメラ画像による計測精度と、高解像度画像53による計測精度とを比較し、高解像度画像53の計測精度がカメラ画像の計測精度に比べて高い場合に、視認性が向上し、高解像度画像53が正しく作成できていると評価してもよい。
従って、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏するほか、次の効果(3)を奏する。
(3)画像評価装置15は、光投影装置51が検査対象1に投影した光模様52の既知の寸法(ライン幅W)と、高解像度画像作成装置14にて作成された高解像度画像53から抽出した上記光模様52の寸法(ライン幅W)とを比較して計測精度を求め、この計測精度に基づいて高解像度画像53の品質を評価する。従って、この場合には、この高解像度画像53を正確に評価できるので、高解像画像53を使用した検査信頼性の保証を確実化できる。
[C]第3の実施の形態(図10、図11)
図10は、本発明に係る目視検査装置における第3の実施の形態の構成を示すブロック図である。この第3の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
この第3の実施の形態における目視検査装置60が前記第1の実施の形態の目視検査装置10と異なる点は、検査対象1の近傍に寸法既知のテストピース61が追加して設置され、このテストピース61の映像を高解像度画像の品質の評価に用いた点である。
つまり、テストピース61は、例えば幅が既知な線状ワイヤ62を備え、検査対象1の近傍に設置される。カメラ11は、図11に示すように、検査対象1とテストピース61とが1つの画像に収まるように撮影する。
画像評価装置15は、高解像度画像作成装置14にて作成された高解像度画像63から画像処理によりテストピース61を抽出し、その線状ワイヤ62において寸法が既知な箇所の寸法、例えば線状ワイヤ62の幅Xを計測する。次に、画像評価装置15は、線状ワイヤ62において、既知の寸法(例えばライン幅X)と、高解像度画像63から画像処理により計測した寸法(例えばライン幅X)とを比較し、計測精度を算出する。
通常、画像を高解像度化すると、物体の輪郭や模様を詳細に観察できることから計測精度が向上する。よって画像評価装置15は、算出した計測精度の高低に基づいて高解像度画像63の視認性の向上度合いや、高解像度画像63が正しく作成されているか否かの高解像度画像63の品質の評価を行い、画像出力装置16へ評価結果を出力する。
尚、本実施形態における図11では、テストピース61として1本の線状ワイヤ62の場合を述べたが、幅が異なる複数本の線状ワイヤ62を用い、画像評価装置15が、各線状ワイヤ62のワイヤ幅(大きさ)と計測精度の相関関係に基づいて、高解像度画像63にて視認できる最小幅を算出するなど、高解像度画像63の品質を詳細に評価してもよい。
従って、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏するほか、次の効果(4)を奏する。
(4)画像評価装置15は、テストピース61の線状ワイヤ62における既知の寸法(幅X)と、高解像画像作成装置14にて作成された高解像度画像63から抽出した上記線状ワイヤ62の寸法(幅X)とを比較して計測精度を求め、この計測精度に基づいて高解像画像63の品質を評価する。従って、この場合には、高解像度画像63を正確に評価できるので、この高解像度画像63を使用した検査信頼性の保証を確実化できる。
[D]第4の実施の形態(図12)
図12は、本発明に係る目視検査装置における第4の実施の形態の構成を示すブロック図である。この第4の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
この第4の実施の形態における目視検査装置70が前記第1の実施の形態の目視検査装置10と異なる点は、図1に示す目視検査装置10に対して、実施判断装置71が追加して設けられ、この実施判断装置71が画像評価装置15の評価結果に基づいて、検査対象1の検査実施の可否を判断する点である。
つまり、高解像度画像作成装置14は、作成した高解像度画像と、高解像度画像の作成に使用したカメラ画像を実施判断装置71へ出力する。また、画像評価装置15は、評価した高解像度画像の品質を実施判断装置71へ出力する。実施判断装置71では、画像評価装置15による高解像度画像の品質の評価結果から、検査対象1の検査実施の可否を判断する。
この検査実施可否の判断方法としては、高解像度画像の品質に対してしきい値を設け、このしきい値を判断基準として検査対象1の検査実施の可否を決定する。つまり、実施判断装置71は、高解像度画像の品質がしきい値以上となって検査が実施可能な場合には、高解像度画像を画像出力装置16へ出力する。また、実施判断装置71は、高解像度画像の品質がしきい値未満となって検査が実施不可の場合には、検査実施不可のメッセージを画像出力装置16へ出力すると共に、画像出力装置16への高解像度画像の出力を中止するか、もしくは、画像入力装置12からのカメラ画像を画像出力装置16へ出力する。
従って、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果(1)及び(2)と同様な効果を奏するほか、次の効果(5)を奏する。
(5)実施判断装置71が、画像評価装置15が評価した高解像度画像の品質の評価結果から、検査対象1の検査実施の可否を決定して検査員に提示することから、高解像画像の品質が低い(しきい値未満の)場合の検査対象1の検査を例えば中止することで、高解像度画像を用いた検査対象1の検査信頼性の保証を確実化できる。
本発明に係る目視検査装置における第1の実施の形態の構成を示すブロック図。 図1の移動推定装置が実施するブロックマッチング処理を説明する説明図で、(a)はその以前に保持していたカメラ画像を拡大して示す拡大画像図、(b)はその最新のカメラ画像を拡大して示す拡大画像図。 図1の移動推定装置が実施するカメラの移動位置を推定する説明図。 図1の高解像度画像作成装置が実施する高解像度画像の作成方法を説明する説明図で、(a)はそのカメラ画像を示す画像図、(b)はその他のカメラ画像を示す画像図、(c)はその高解像度画像を示す画像図。 図1の高解像度画像作成装置が実施するコントラスト改善方法を説明する説明図。 図1の画像評価装置が実施する高解像度画像の第1の評価方法を説明する説明図で、(a)はそのカメラ画像を示す画像図、(b)はその高解像度画像を示す画像図。 図1の画像評価装置が実施する高解像度画像の第2の評価方法を説明する説明図で、(a)はそのカメラ画像を示す画像図、(b)はその高解像度画像を示す画像図、(c)はその模擬カメラ画像を示す画像図。 本発明に係る目視検査装置における第2の実施の形態の構成を示すブロック図。 図8の画像評価装置が実施する高解像度画像の評価方法を説明する説明図。 本発明に係る目視検査装置における第3の実施の形態の構成を示すブロック図。 図10の画像評価装置が実施する高解像度画像の評価方法を説明する説明図。 本発明に係る目視検査装置における第4の実施の形態の構成を示すブロック図。
符号の説明
1 検査対象
10 目視検査装置
11 カメラ
12 画像入力装置
13 移動推定装置
14 高解像度画像作成装置
15 画像評価装置
16 画像出力装置
17A、17B 拡大画像
26A、26B、32、36 カメラ画像
27、33、37 高解像度画像
30 中央範囲
31 周辺範囲
34、35 局所範囲
38 擬似カメラ画像
50 目視検査装置
51 光投影装置
52 光模様
53 高解像度画像
60 目視検査装置
61 テストピース
62 線状ワイヤ
63 高解像度画像
70 目視検査装置
71 実施判断装置
A、B 輝度分散

Claims (11)

  1. 検査対象を撮影するカメラと、
    前記カメラまたは前記検査対象の移動を推定する移動推定装置と、
    前記カメラが撮影した映像から、このカメラの映像の画素解像度よりも高解像度な高解像度画像を作成する高解像度画像作成装置と、
    この高解像度画像作成装置が作製した前記高解像度画像の品質を評価する画像評価装置と、
    前記高解像度画像を、この高解像度画像の品質評価結果と共に、前記検査対象を目視検査する検査員に提示する画像出力装置と、を有することを特徴とする目視検査装置。
  2. 前記移動推定装置は、前記カメラが撮影した複数の映像をそれぞれデジタル処理して得られた複数のカメラ画像のうち、以前の画像と最新の画像を求め、これらの画像を拡大処理した拡大画像を、輝度の分散に基づくブロックマッチング処理にて比較することで、前記カメラまたは前記検査対象の移動位置を推定するよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の目視検査装置。
  3. 前記高解像度画像作成装置は、前記カメラが撮影した複数の映像をそれぞれデジタル処理して得られた複数のカメラ画像を、移動推定装置が推定した前記カメラまたは前記検査対象の移動推定位置に基づいて組み合わせて高解像度画像を作成するよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載の目視検査装置。
  4. 前記高解像度画像作成装置は、前記高解像度画像の画素の輝度を、この高解像度画像作成のために用いた複数のカメラ画像の画素の輝度の平均値として求め、この高解像度画像の前記画素を含む中央範囲と、この中央範囲を含む周辺範囲のぞれぞれの輝度の差を前記平均値に加算して、前記高解像度画像の前記画素の輝度を決定するよう構成されたことを特徴とする請求項3に記載の目視検査装置。
  5. 前記画像評価装置は、前記高解像度画像作成装置が作成した高解像度画像と、カメラが撮影した映像をデジタル処理して得られたカメラ画像とに局所範囲をそれぞれ設定し、これらの局所範囲の輝度分散をそれぞれ算出し、前記カメラ画像と前記高解像度画像のぞれぞれの輝度分散を比較することにより、前記高解像度画像の品質を評価するよう構成されたことを特徴とする請求項1記載の目視検査装置。
  6. 前記画像評価装置は、前記高解像度画像作成装置が作成した高解像度画像を、カメラが撮影した映像をデジタル処理して得られたカメラ画像と同一の解像度に逆変換して変換画像を作成し、この変換画像と前記カメラ画像とを比較することにより、高解像度画像の品質を評価するよう構成されたことを特徴とする請求項1記載の目視検査装置。
  7. 前記画像評価装置は、前記高解像度画像作成装置が作成した高解像度画像の品質の評価を、検査対象の検査時に逐次、または検査実施の前後に実施するよう構成されたことを特徴とする請求項1記載の目視検査装置。
  8. 前記検査対象に模様を投影する投影装置を備え、画像評価装置は、前記投影装置が前記検査対象に投影した模様を、高解像度画像作成装置が作成した高解像度画像から計測して求めた精度に基づいて、前記高解像度画像の品質を評価するよう構成されたことを特徴とする請求項1記載の目視検査装置。
  9. 前記検査対象の近傍に配置される既知寸法のテストピースを備え、画像評価装置は、前記テストピースの寸法を、高解像度画像作成装置が作成した高解像度画像から計測して求めた精度に基づいて、前記高解像度画像の品質を評価するよう構成されたことを特徴とする請求項1記載の目視検査装置。
  10. 前記高解像度画像作成装置が作成した高解像度画像の品質を画像評価装置が評価した評価結果から、前記検査対象の検査実施の可否を判断する実施判断装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の目視検査装置。
  11. 検査対象を撮影したカメラの映像から、このカメラの映像の画素解像度よりも高解像度な高解像度画像を作成し、
    この高解像度画像と、この高解像度画像の品質を評価した品質評価結果とを、前記検査対象を目視検査する検査員に提示することを特徴とする目視検査方法。
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