JP2009275511A - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型車両においてもインレットサーモスタット方式を採用可能にするエンジンの冷却装置を提供する。
【解決手段】エンジン2からラジエータ3へ冷却水が流れる第1の通路4Aと、第1のサーモスタット5Aが設けられ、ラジエータ3からエンジンへ2冷却水wが流れる第2の通路4Bと、第2のサーモスタット5Bが設けられ、第1の通路4Aと第1のサーモスタット5Aを連通すると共に、ラジエータ3への冷却水wの流れをバイパスする第1のバイパス通路bAと、第3のサーモスタット5Cが設けられ、第2の通路4Bの一端部と他端部とを連通すると共に、第1のサーモスタット5Aをバイパスする第2のバイパス通路bBと、第2のサーモスタット5Bと第3のサーモスタット5Cを連通すると共に、第1のサーモスタット5Aをバイパスする第3のバイパス通路bCとを有し、第1〜第3のサーモスタット5A〜5Cの設定温度がTc<Ta<Tbである。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のエンジンとラジエータ間で冷却水を循環させてエンジンを冷却するエンジンの冷却装置に関する。
エンジンの冷却装置には、エンジンとラジエータ(ラジエタ)間で循環させる冷却水が流れる通路が備えられ、その通路に所定の温度以上になると開弁し始め、その温度未満の温度では閉弁するサーモスタットが設けられる。
このようなエンジン冷却系のサーモスタット方式(サーモスタットシステム)には、冷却水エンジン出口温度を一定に制御するアウトレットサーモスタット方式と、エンジン入口温度を一定に制御するインレットサーモスタット方式とがある。
ガソリン乗用車においては、ここ10年間で、ほぼ100%アウトレットサーモスタット方式からインレットサーモスタット方式に切り替わっているが、ディーゼルエンジン、特に商業車用ディーゼルエンジンにおいては、ほとんどアウトレットサーモスタット方式が依然として主流の状況にある。
インレットサーモスタット方式は、冷却水温の上昇が早くエンジン暖機性に優れ、水温のハンチングが少ないという利点のために、燃費性能を重視している(燃費規制が施行されている)乗用車に普及した。
例えば、従来のエンジン出口側制御方式(アウトレットサーモ方式)としては図6(a)に示すエンジンの冷却装置61aがあり、従来のエンジン入口側制御方式(インレットサーモ方式)としては図6(b)に示す従来のエンジンの冷却装置61bがある。
図6(a)のエンジンの冷却装置61aは、エンジン62とラジエータ63間を、冷却水が流れるアッパホース64とロアーホース(ボトムホース)65とでそれぞれ接続し、これらアッパホース64とロアーホース65間をさらにバイパスホース66で接続し、そのバイパスホース66とアッパホース64の接続部にサーモスタット67を設けている。ロアーホース65の下流端(エンジン62の冷却水入口部)には、ラジエータ63からの冷却水をエンジン62内に圧送するウォータポンプ68が設けられる。
このエンジンの冷却装置61aでは、
長所:エンジン出口水温が負荷に係わらず一定
短所:暖機時間が長い、水温ハンチングがある
という特徴がある。
また、図6(b)のエンジンの冷却装置61bでは、図6(a)で説明したエンジンの冷却装置61aとは異なり、バイパスホース66とロアーホース65の接続部にサーモスタット67を設けているため、
長所:暖機時間が短い、水温ハンチングがない
短所:高負荷時エンジン出口水温が上昇する
という特徴がある。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
特開平5−33648号公報 特開平6−33762号公報
インレットサーモスタット方式は、冷却水エンジン入口温度を一定に制御するため、冷却水がエンジンに入ってから出るまでの冷却水損失に相当する冷却水の温度上昇幅を、設計的に設定し、エンジン内部のオーバーヒートや、シリンダヘッドの熱負荷による耐久信頼性に問題が起きないように、入口側サーモスタットの開弁温度を設定している。
乗用車においては、一般走行時のエンジン負荷(ロードファクタ)が小さいために、冷却水の温度上昇幅は設計的に設定した範囲内に収まっており、ヒータ性能などに問題は発生しない。
しかしながら、商業車においては、フル積載、登坂走行条件では、ほぼアクセル全開の高負荷条件で走行するため、エンジン出口水温は上昇傾向にあり、空積載平坦路走行ではアクセル低弁開条件で走行するため、インレットサーモスタット方式の場合、アクセル全開条件でエンジン出口水温が設計的に設定した温度になることから、サーモスタットの開弁温度を低めに設定する必要がある。
逆に、一般走行時は、サーモスタットの開弁温度が低めの設定では、冷却水温度が上昇せず、ヒータ性能悪化、極端な場合は、燃費性能悪化にもつながる不具合となる可能性がある。
この乗用車と商業車の使われ方の相違が、長所の多いインレットサーモスタット方式を商業車に普及させられない大きな要因となっている。
そこで、本発明の目的は、商業車などの大型車両においても、インレットサーモスタット方式を採用可能にするエンジンの冷却装置を提供することにある。
前記目的を達成するために創案された本発明は、エンジンからラジエータへ冷却水が流れる第1の通路と、第1のサーモスタットが設けられ、前記ラジエータから前記エンジンへ冷却水が流れる第2の通路と、第2のサーモスタットが設けられ、前記第1の通路と前記第1のサーモスタットを連通すると共に、前記ラジエータへの冷却水の流れをバイパスする第1のバイパス通路と、第3のサーモスタットが設けられ、前記第2の通路の一端部と他端部とを連通すると共に、前記第1のサーモスタットをバイパスする第2のバイパス通路と、前記第2のサーモスタットと前記第3のサーモスタットを連通すると共に、前記第1のサーモスタットをバイパスする第3のバイパス通路とを有し、前記第1のサーモスタットの設定温度に対し前記第2のサーモスタットの設定温度が高い一方、前記第1のサーモスタットの設定温度に対し前記第3のサーモスタットの設定温度が低いエンジンの冷却装置である。
また、前記第2の通路の下流端に、前記ラジエータからの冷却水を前記エンジンに圧送するウォータポンプを設け、そのウォータポンプと前記第1〜第3のサーモスタットとにより、エンジン出口温度が設計値以内にある場合、前記エンジン、前記第1の通路、前記ラジエータ、前記第2の通路を経由して冷却水を循環させると共に、前記第1のバイパス通路に冷却水を流し、エンジン出口温度が設計値より高くなった場合、さらに前記第2のバイパス通路と前記第3のバイパス通路とに冷却水を流すとよい。
前記第1〜第3のサーモスタットは、ボトムバイパス型のサーモスタットであるとよい。
本発明によれば、商業車などの大型車両においても、インレットサーモスタット方式を採用することが可能になる。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態を示すエンジンの冷却装置の概略図である。
図1に示すように、本実施形態に係るエンジンの冷却装置1は、トラックをはじめとする商業車、鉄道車両などの大型車両のエンジン2と、そのエンジン2に流入させる冷却水wをはじめとするクーラントの水温を所定の温度に保つためのラジエータ3との間に設けられる。このエンジンの冷却装置1の基本的な構成は、図6(b)の従来のエンジン冷却装置61bと同じである。
すなわち、エンジンの冷却装置1は、エンジン2とラジエータ3の上部との間を接続してエンジン2からラジエータ3へ冷却水wが流れる第1の通路(流路)4Aと、エンジン2とラジエータ3の下部との間を接続し、ラジエータ3からエンジン2へ冷却水wが流れる第2の通路4Bと、これら第1の通路4Aと第2の通路4B間を接続し、ラジエータ3に流入する冷却水wの一部を第2の通路4Bに流してラジエータ3への冷却水wの流れをバイパスする第1のバイパス通路bA(バイパスA)とを有する。
第1のバイパス通路bAと第2の通路4Bの接続部には、所定の温度(設定温度、あるいは開弁温度)Ta以上になると開弁し始め、その温度Ta未満の温度では閉弁する第1のサーモスタット5A(ThermoA)が設けられる。第2の通路4Bの下流端には、ラジエータ3からの冷却水wをエンジン2内に圧送するウォータポンプ(冷却水ポンプ)6が設けられる。
さて、さらにエンジンの冷却装置1は、第2の通路4Bの一端部(ラジエータ側の端部)と他端部(エンジン側の端部)とを連通すると共に、ラジエータ3側から第1のサーモスタット5Aに流入する冷却水wの一部が流れて第1のサーモスタット5Aをバイパスする第2のバイパス通路bB(バイパスB)と、第1のバイパスbAと第2のバイパス通路bB間を接続し、第1のバイパス通路bA側から第1のサーモスタット5Aに流入する冷却水wの一部が流れて第1のサーモスタット5Aをバイパスする第3のバイパス通路bC(バイパスC)とを有する。
第1のバイパス通路bAと第3のバイパス通路bCの接続部には、所定の温度Tb以上になると開弁し始め、その温度Tb未満の温度では閉弁する第2のサーモスタット5B(ThermoB)が設けられる。第2のバイパス通路bBと第3のバイパス通路bCの接続部には、所定の温度Tc以上になると開弁し始め、その温度Tc未満の温度では閉弁する第3のサーモスタット5C(ThermoC)が設けられる。
本実施形態では、第1の通路4Aとしてエンジン2で熱せられた冷却水wが流れるアッパホースを用い、第2の通路4Bとしてラジエータ3で冷やされた冷却水wが流れるロアーホースを用い、各バイパス通路としてバイパスホースを用いた。
各第1〜第3のサーモスタット5A〜5Cには、ボトムバイパス型のサーモスタットを用いる。ボトムバイパス型のサーモスタットは、弁ハウジング7内に収容される。この弁ハウジング7には、前述したいずれかの通路の入口端あるいは出口端が接続される3つのポートが形成される。3つのポートは、アップポートupと、アップポートupに対向して形成されるボトムポートbpと、そのボトムポートbpの側方に形成されるサイドポートspとからなる。
サーモスタットには、中心にニードルが設けられ、その上下にアップポートupを開閉するアップ弁とボトムポートbpを開閉するボトム弁が設けられ、これら弁の間にサーモスタット感温部(ワックスペレット)を収容したケースが設けられ、そのケースの周りにボトム弁を閉弁方向に付勢するコイルバネが設けられる。
ボトムバイパス型のサーモスタットでは、所定の温度未満では、サイドポートspとボトムポートbpが常時開き、アップポートupが閉じており、サイドポートspからボトムポートbpへ冷却水wが流れる(状態X)。また、ボトムバイパス型のサーモスタットでは、所定の温度になると、その温度が融点であるワックスペレットが溶けて熱膨張し、ニードルを押し下げることで、アップ弁が開弁し始めると共に、ボトム弁が閉弁し始め、サイドポートspからボトムポートbpへ冷却水wを流すと共に、サイドポートspからボトムポートbpへ冷却水wを流す(状態Y)。さらに、ボトムバイパス型のサーモスタットでは、全開温度になると、アップ弁が全開すると共に、ボトム弁が全閉し、サイドポートspからアップポートupへ冷却水wが流れる(状態Z)。
以下の説明では、状態Xをサーモスタットの全閉状態(Close)、状態Yをサーモスタットの開弁状態(Open)、状態Zをサーモスタットの全開状態とする。このボトムバイパス型のサーモスタットのサーモ特性は、図3にその一例を示すように一般的なものである。
図1に戻り、より詳細に言えば、第1のサーモスタット5Aは、アップポートupに第2の通路4Bの上流側の出口端が接続され、ボトムポートbpに第2の通路4Bの下流側の入口端が接続され、サイドポートspに第1のバイパス通路bAの下流側の出口端が接続される。
第2のサーモスタット5Bは、サイドポートspに第1のバイパス通路bAの上流側の出口端が接続され、ボトムポートbpに第1のバイパス通路bAの下流側の入口端が接続され、アップポートupに第3のバイパス通路bCの入口端が接続される。
第3のサーモスタット5Cは、アップポートupに第2のバイパス通路bBの上流側の出口端が接続され、ボトムポートbpに第2のバイパス通路bBの下流側の入口端が接続され、サイドポートspに第3のバイパス通路bCの出口端が接続される。
従って、エンジンの冷却装置1では、第2のサーモスタット5Bと第1のバイパス通路bAにより、第1の通路4Aと第1のサーモスタット5Aが連通し、第3のサーモスタット5Bと第2のバイパス通路bBにより、第2の通路4Bの一端部と他端部が連通し、第3のバイパス通路bCにより、第2のサーモスタット5Bと第3のサーモスタット5Cが連通するようにできる。
また、第1のサーモスタット5Aと第2のサーモスタット5Bとしては、冷却水wの流入時に混入するエアーを抜くためのジグル弁、あるいはリーク穴を有する一般的なボトムバイパス型のサーモスタットを用いる。第2のサーモスタット5Bとしては、開弁温度がTbに達するまでは完全な閉弁状態を維持するために、一般的なボトムバイパス型のサーモスタットからジグル弁、あるいはリーク穴がないものを使用する。
エンジンの冷却装置1では、第1のサーモスタット5Aの設定温度Taに対し第2のサーモスタット5Bの設定温度Tbが高い一方、第1のサーモスタット5Aの設定温度Taに対し第3のサーモスタット5Cの設定温度Tcが低く、エンジン要求水温特性で変化するがエンジン2の排気量によらず、Tc<Ta<Tbである。
本実施形態では、通常後述するように、一般走行時はエンジン出口温度とエンジン入口温度の差(エンジンの熱負荷)ΔTが約10℃であり、高負荷条件ではエンジンの熱負荷ΔTが約20℃であって、高負荷条件下でエンジン2をさらに冷却する必要があるため、予めTcを60℃、Taを80℃、Tbを100℃に設定した。また、ラジエータ3の冷却能力は、少なくともラジエータ3に流入した100℃の冷却水wを60℃以下にしてラジエータ3から流出するようにした。
次に、図2(a)および図2(b)を用いて、本実施形態の作用をエンジンの冷却装置1の動作と共に説明する。ただし、図2(a)および図2(b)では、冷却水wが流れる経路をよりわかりやすくするため、第2の通路4B、各バイパス通路A〜Cを簡略化した例で示した。
各サーモスタット5A〜5Cの設定温度は、Tc<Ta<Tbの関係が必要であり、機能説明を容易にするために、エンジンの熱負荷ΔT、各サーモスタット5A〜5Cの設定温度、一定走行時のエンジン入口水温およびエンジン出口設計水温を下記の条件
一般走行時:ΔT=10℃、高負荷走行時:ΔT=20℃
各サーモスタット設定温度:Ta=80℃、Tb=100℃、Tc=60℃
一般走行時のエンジン入口水温=80℃
エンジン出口設計水温=90℃
に仮定する。
(1)エンジン出口設計水温が設計値内にある場合(一般走行時)…(図2(a))
この場合、エンジンの冷却装置1の動作は、基本的には、図6(b)で説明した従来のエンジンの冷却装置61bの動作と同じである。
すなわち、エンジン出口温度が80℃未満の場合、エンジン2を運転すると、その動力でウォータポンプ6が駆動される。80℃の冷却水wは、ThermoBがTb=100℃であるため全閉で作動せず、しかもThermoAが全閉なので、エンジン2、第1の通路4A、バイパスAを通ってThermoAに流入する。これにより、冷却水wがエンジン2、第1の通路4A、バイパスA、ThermoAを通って再びエンジン2に流入する。
また、エンジン出口温度が80℃からエンジン出口設計水温の90℃までの場合、ThermoAはTa=80℃なので90℃の冷却水wにより開弁する。ThermoAが開弁すると、ラジエータ3からの低温の冷却水wがThermoAに流れ込み、バイパスAからの90℃の冷却水wと混合されることで、ThermoAのサーモスタット感温部の温度は90℃より低くなる。ThermoBが全閉なのでThermoCは全閉を維持し、ThermoCにはThermoBからの冷却水wは流入しない。
このときThermoAは、混合された冷却水wの温度がThermoAの開弁温度よりも高い場合、弁リフト量を維持して冷却水温度をさらに低下させ、ウォータポンプ6に流入する冷却水wの水温をThermoAの開弁温度である80℃にサチュレートさせる。
これにより、冷却水wが主にエンジン2、第1の通路4A、ラジエータ3、第2の通路4B、ThermoAを通って再びエンジン2に流入して循環すると共に、エンジン2、第1の通路4A、バイパスA、ThermoAを通って再びエンジン2に流入する。従って、バイパスB,Cに冷却水wは流れない。
(2)エンジン出口水温が設計値より高くなった場合(高負荷条件)…(図2(b)) 図2(b)に示すように、エンジンの冷却装置1が(1)の状態にあり、エンジン2を高負荷条件で、特に連続運転すると、エンジン2内での冷却水温度上昇ΔTが図2(a)の10℃から20℃に増加し、エンジン出口水温が設計値の90℃から一例として100℃に上昇する。
このとき、バイパスAに設置されているThermoBが開弁して100℃の冷却水wがバイパスAからバイパスCに流れ、ThermoCに100℃の冷却水wが供給される。さらにThermoCはTc=60℃なので100℃の冷却水wにより開弁する。ThermoCが開弁すると、ラジエータ3からの低温の冷却水wがThermoCに流れ込む。
ThermoCはTc=60℃に設定されているため、ThermoCの出口温度は60℃に制御される。また、エンジン入口温度(ウォータポンプ入口温度)は、ThermoAも開弁状態であるため、ThermoAからの80℃の冷却水wとThermoCからの60℃の冷却水wが第2の通路4BとバイパスCの接続部で合流して混合され、70℃に低下する。
これにより、エンジンの冷却装置1でΔT=20℃が吸収され、エンジン出口温度は設計値の90℃を上回ることはない。
このように、エンジンの冷却装置1では、一般走行時のエンジン入口水温は80℃(熱負荷ΔT=10℃)に、高負荷条件では70℃(熱負荷ΔT=20℃)に制御され、エンジン出口水温は、一般走行時も高負荷条件でも設計値の90℃を上回る状態が発生したとしても持続しない。
エンジンの冷却装置1は、図6(b)で説明したエンジンの冷却装置61bの構成に加え、第1のバイパス通路bAに第2のサーモスタット5Bを接続して第3のバイパス通路bCを形成し、第2の通路4Bに第1のサーモスタット5Aをバイパスする第2のバイパス通路bBを形成すると共に、その第2のバイパス通路bBに第3のサーモスタットを接続している。
さらにエンジンの冷却装置1では、各サーモスタット5A〜5Cの設定温度をTc<Ta<Tbにしているため、車両の一般走行時には図2(a)の大きい矢印で示した経路(第1のサーモスタット5Aと第1のバイパス通路bAを通る経路)で動作させ、車両のフル積載、登坂走行などの高負荷条件では図2(b)の大きい矢印で示した経路(すべてのサーモスタットを通る経路)で動作させる。
つまりエンジンの冷却装置1は、車両の一般走行時に機能する経路と、前述した高負荷条件でウォータポンプ入口水温を第1のサーモスタット5Aの設定温度Taよりもさらに低い温度に制御するための経路とを有し、エンジン2の熱負荷条件によって、ウォータポンプ入口水温を2段階に設定でき、いわばエンジン冷却水温度2段階設定式サーモスタット装置(インレットサーモスタット装置)である。
エンジンの冷却装置1では、大型車両の通常走行時に冷却水wの設計設定温度を維持しておいて、エンジン高負荷時に冷却水温度が上昇した場合に、第2のサーモスタット5Bを開弁してこれを第3のサーモスタット5Cのスイッチとして利用することで、冷却水wの温度をさらに低下させるように、前述した2つの経路を適宜切り替えている。
このため、エンジンの冷却装置1によれば、商業車などの大型車両においても、エンジン冷却系のサーモスタット方式としてインレットサーモスタット方式を採用することが可能になり、エンジン暖機性能を向上でき、実用燃費の向上も図れる。
ここで、エンジン入口方式でエンジン暖機時間の短い理由を簡単に説明する。
エンジン出口方式では、冷却水注入時に混入するエアーを抜くために、サーモスタットにジグル弁またはリーク穴が設けてあり、エンジン始動と共にサーモスタットが開いていなくても、エアーをこのジグル弁またはリーク穴の通路からラジエータにエアーを逃がす構成になっている。エンジン冷却水は、エンジン始動と共に水温が上昇してゆき、圧力が上昇していくが、エンジン出口方式では、このジグル弁から冷却水がラジエータ側に流出してしまい、その分だけ冷たい冷却水がエンジンに流入してしまう。
これに対し、エンジン入口方式では、同じくウォータポンプ前にジグル弁付サーモスタットが装着されており、ウォータポンプの吸い込み負圧のために、ジグル弁が閉じ方向に働き、ジグル弁から冷たい冷却水が流入することはない。これにより、エンジン入口方式ではエンジン暖機時間が短い。
また、エンジンの冷却装置1では、大型車両においてもインレットサーモスタット方式を採用可能であるため、走行時のエンジン冷却水の水温ハンチングを防止でき、エンジン制御(燃料噴射量、EGR(排気ガス再循環)制御など)の変動も防止でき、この点からも実用燃費の向上が図れる。
ここで、エンジン入口方式で水温ハンチングのない理由を簡単に説明する。
エンジン暖機が終了してサーモスタットが開いた場合、エンジン出口方式では、ラジエータからの冷たい冷却水がそのままエンジンに流入し、エンジン内部を一巡してサーモスタットのところに到達する。このときサーモスタットが、初めて閉弁を開始するため、応答遅れにより、水温の低下が発生し、この繰り返しが数サイクル続く。
一方、エンジン入口方式では、ラジエータからの冷たい水が入口サーモスタットに到達しても、バイパス通路からの温かい水と合流し、サーモスタット設定温度の冷却水がエンジンに流入するために、水温ハンチングは発生しない。
さらに、エンジンの冷却装置1では、既存のサーモスタットとホースのみを用いて、冷却水wが流れる経路をメカニカル的に制御しており、システムを簡素化できるという利点もある。
エンジンの冷却装置1を作動させるには、第3のサーモスタット5Cに流入させる冷却水wの水温を、第3のサーモスタット5Cの開弁温度(前述した例では60℃)以下にする必要がある。
また、第3のサーモスタット5Cに流入する冷却水温が、第3のサーモスタット5Cの開弁温度に近くなるクーリングシステム(冷却能力に余裕がない)ほど、冷却水wが流れる各通路径(ホースの外径)比率を変える必要が生じる。エンジンクーリングシステムは、エンジン発熱とラジエータ放熱のバランスで成立するものなので、その能力の余裕度により実際の設定仕様は変化する。
さらに、ホースの外径については、エンジンクーリングシステムが成立している(オーバーヒートのしない冷却システム)であることが前提だが、冷却水wが流れる通路径に特に条件の制約はない。一般的にラジエータのアッパホース径ならびにボトムホース径は、最大でもバイパスホース径の2.5倍程度なので、そのようなホース外径比率の範囲内であれば成立する。
以上の点を考慮し、エンジンの冷却装置1のより詳細な一例を実施例として説明する。
(1)前提条件
ラジエータシステムの最大冷却能力:ラジエータシステム(ラジエータ+クーリングファンまたは電動ファン)の最大冷却能力は、図6(b)で説明した従来のシステムにおいて、エンジン冷却限界性能を満足し、オーバーヒート(エンジン入口水温95℃以上)はしないことが前提である。従ってエンジンの冷却装置1は、図6(b)の従来のシステムにウォータポンプ入口温度を2段階に設定できる装置を付加したものであるから、エンジンの冷却装置1においても、エンジン冷却限界性能は確保される。
(2)サーモスタット設定温度と冷却水流路面積の設定
ウォータポンプ入口温度の2段階設定を成立させるためには、i)サーモスタット開弁温度の設定順位、ii)各冷却水流路の面積が重要になる。i)については前述したので、ii)について説明する。
図4と表1に、エンジン2の排気量が3〜10Lクラスの大型車両において、各通路の流路面積例を各通路に用いるホースの外径φ相当で示した。排気量の異なるエンジン2に、エンジンの冷却装置1を適合させるため、エンジン2の排気量とホースのφ相当流路面積との規定値を、図4に示した排気量3Lと10Lのφ相当のX,Yを直線で結び、面積相当で±30%となるように規定した。
Figure 2009275511
図5には、エンジンの排気量が3Lクラスの大型車両に、i)、ii)を考慮したエンジンの冷却装置51を示した。このエンジンの冷却装置51により、前述した作用効果が得られることが確認できた。
本発明の好適な実施形態を示すエンジンの冷却装置の概略図である。 図2(a)は、図1に示したエンジンの冷却装置において、エンジン出口温度が設計値内にある場合の動作を説明する概略図、図2(b)は、エンジン出口温度が設計値より高くなった場合の動作を説明する概略図である。 図1に示したエンジンの冷却装置で用いる各サーモスタットのサーモ特性を示す図である。 図1に示したエンジンの冷却装置の冷却水流路面積の設定に用いる各通路、バイパス通路の流路面積とエンジンの排気量との関係を示す図である。 図4に基づいて設定したエンジンの冷却装置の一例を示す概略図である。 図6(a)はアウトレットサーモスタット方式による従来のエンジンの冷却装置の概略図、図6(b)はインレットサーモスタット方式による従来のエンジンの冷却装置の概略図である。
符号の説明
1 エンジンの冷却装置
2 エンジン
3 ラジエータ
4A 第1の通路
4B 第2の通路
4C 第3の通路
5A 第1のサーモスタット
5B 第2のサーモスタット
5C 第3のサーモスタット
Ta 第1のサーモスタットの設定温度
Tb 第2のサーモスタットの設定温度
Tc 第3のサーモスタットの設定温度

Claims (3)

  1. エンジンからラジエータへ冷却水が流れる第1の通路と、
    第1のサーモスタットが設けられ、前記ラジエータから前記エンジンへ冷却水が流れる第2の通路と、
    第2のサーモスタットが設けられ、前記第1の通路と前記第1のサーモスタットを連通すると共に、前記ラジエータへの冷却水の流れをバイパスする第1のバイパス通路と、
    第3のサーモスタットが設けられ、前記第2の通路の一端部と他端部とを連通すると共に、前記第1のサーモスタットをバイパスする第2のバイパス通路と、
    前記第2のサーモスタットと前記第3のサーモスタットを連通すると共に、前記第1のサーモスタットをバイパスする第3のバイパス通路と
    を有し、
    前記第1のサーモスタットの設定温度に対し前記第2のサーモスタットの設定温度が高い一方、前記第1のサーモスタットの設定温度に対し前記第3のサーモスタットの設定温度が低いことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. 前記第2の通路の下流端に、前記ラジエータからの冷却水を前記エンジンに圧送するウォータポンプを設け、そのウォータポンプと前記第1〜第3のサーモスタットとにより、 エンジン出口温度が設計値以内にある場合、前記エンジン、前記第1の通路、前記ラジエータ、前記第2の通路を経由して冷却水を循環させると共に、前記第1のバイパス通路に冷却水を流し、
    エンジン出口温度が設計値より高くなった場合、さらに前記第2のバイパス通路と前記第3のバイパス通路とに冷却水を流す請求項1記載のエンジンの冷却装置。
  3. 前記第1〜第3のサーモスタットは、ボトムバイパス型のサーモスタットである請求項1または2記載のエンジンの冷却装置。
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