JP2009275093A - 樹脂フィルムならびに樹脂フィルムを用いた照明装置および液晶ディスプレイ用バックライト - Google Patents

樹脂フィルムならびに樹脂フィルムを用いた照明装置および液晶ディスプレイ用バックライト Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、照明や液晶ディスプレイ用バックライトにおいて、ランプとの距離を近づけた際にも輝度を低下させること無くランプ由来の輝度ムラを抑制でき、かつ製造コストの低い光拡散シートを提供することを課題とする。
【解決手段】
フィルム内部に複数の分散体を含む樹脂フィルムであって、かつ分散体の最長方向の長さが100mm以上、Y方向の隣り合う分散体間の間隔が1.0mm以上100mm以下、Y方向の分散対のサイズが1.0mm以上100mm以下であり、かつフィルム表面に対して垂直に入射した光の直線透過率の最小値/最大値が0.3以上0.95以下であることを特徴とする樹脂フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂フィルムならびに樹脂フィルムを用いた照明装置および液晶ディスプレイ用バックライトに関するものである。
液晶表示装置は、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及し、液晶層の下面側にバックライトユニットが装備されている。かかるバックライトユニットは、一般的には、光源としての棒状のランプと、積層された複数枚の光学シートとを装備している。この光学シートはそれぞれ、屈折、拡散等の特定の光学的性質を有するものであり、具体的には、バックライトの上部に配設され、バックライトからの光を画面上に均等化させる効果とその他の光学シートの支持体として機能する光拡散シート、光拡散シートの表面側に配設されるプリズムシートなどの集光シートなどが該当する。近年、バックライトユニットの薄型化の要請が高まっており、そのため光学シートにおいてもシート厚みが薄く、かつ高機能なシートが求められるようになってきた。
光学シートの一部である光拡散シートでは、従来、フィルムの大部分を構成するマトリックス樹脂中に光拡散粒子が分散したシートや、基材となる透明なベースシート上にアクリルビーズなどの光学微粒子をコーティングしたシートが用いられてきた。しかし、これらの光拡散シートでは、ランプとシートとの距離を近づけることによりランプによる輝度ムラが発生し、この輝度ムラを抑制するために拡散性の向上を図るために粒子の添加量を増やすことで、輝度の低下が生じるという問題があった。
輝度の低下を生じさせること無く光拡散性の向上を図る方法として、シートの表面にプリズム状の凹凸を設ける手法が提案させている(たとえば特許文献1)。しかし、その製作には射出成型が用いられているため製造コストも高く、かつ連続して大量に製造するためには多くの射出成型機が必要であった。
特開2006−155926号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、たとえば照明装置や液晶ディスプレイ用バックライトにおいて、ランプとの距離を近づけた際にも輝度を低下させること無くランプ由来の輝度ムラを抑制でき、かつ製造コストの低い光拡散シートを提供することを課題とする。
上記目的を達成するため、フィルム内部に複数の分散体を含む樹脂フィルムであって、かつ下記式(1)、(2)、(3)を満たす分散体が5個以上存在し、かつフィルム表面に対して垂直に入射した光の直線透過率が下記式(4)を満たすことを特徴とする樹脂フィルムが提供される。
100mm ≦ L (1)
1.0mm ≦ P ≦ 100mm (2)
0.5mm ≦ W ≦ 50mm (3)
0.3 ≦ Tmin/Tmax ≦ 0.95 (4)
L:互いに直交する3方向のうち、分散体の最長方向(X方向)の長さ
P:X方向に直交しフィルム幅方向であるY方向の隣り合う分散体間の間隔
W:Y方向の分散体のサイズ
Tmax:Y方向における直線透過率の最大値
Tmin:Y方向における直線透過率の最小値
本発明の樹脂フィルムは、ランプとの距離を近づけた輝度を低下させることなくランプ由来の輝度ムラを抑制できる光拡散シートとなる。また、溶融樹脂を共押出法によりキャストするのみで製造できるため連続生産が可能となり、製造コストの低い光拡散シートとなる。また、これらの樹脂フィルムを照明装置や液晶ディスプレイ用バックライトに用いることにより、照明装置の小型化やバックライトの薄型化が可能となる。
上記目的を達成するための本発明の樹脂フィルムの詳細について以下に述べるが、本発明は以下の実施例を含む実施の形態に限定されるものではなく、発明の目的を達成できて、かつ、発明の要旨を逸脱しない範囲内においての種々の変更は当然あり得る。また、以後特記しない限り、互いに直交する3方向のうち分散体の最長方向をX方向、X方向に直交しフィルム幅方向である方向をY方向、X方向およびY方向に直交しフィルム厚み方向である方向をZ方向とする。
本発明の樹脂フィルムは、フィルム内部に複数の分散体を含む樹脂フィルムであって、かつ下記式(1)、(2)、(3)を満たす分散体が5個以上存在しなければならない。ここでいう分散体とは、フィルム幅方向(Y方向)−厚み方向(Z方向)断面を光学顕微鏡を用いてフィルム厚みを全視野に捉えることができる倍率で観察した断面写真において、明度の違いとして認識しうる境界を有し、かつフィルムの過半数を構成するマトリックス樹脂に取り囲まれている領域をもって分散体とする。分散体となりうる例としては、マトリックス樹脂中に含まれマトリックス樹脂とは異なる樹脂からなる領域や、マトリックス樹脂中の一部分でありマトリックス樹脂とは異なる樹脂がほぼ均一に微分散された領域や、マトリックス樹脂中に含まれマトリックス樹脂またはマトリックス樹脂とは異なる樹脂中に無機粒子などがほぼ均一に微分散された領域などが挙げられる。また、マトリックス樹脂中に上記の樹脂や粒子が微分散されている場合、その組成をもってマトリックス樹脂とし、マトリックス樹脂中に含まれマトリックス樹脂とは異なる濃度で樹脂や粒子が微分散された領域もまた分散体とする。また、ここでいう微分散された状態とは、分散している粒子や樹脂の大きさが十分に小さく、前述の断面観察において個々の粒子や樹脂としてではなくそれらの集合として明度の違いとして認識される境界が観察される程度の分散状態をさすものである。また、ここで断面写真の撮影に用いる光学顕微鏡としてCNC画像測定システムのようにステージが稼動式であるものを用いるが、広範囲を高精度かつ高速に計測することができるため好ましい。
また、隣り合う分散体とはフィルム幅方向(Y方向)に近接する両隣の分散体のことであり、隣り合う分散体間の幅方向の間隔とは、これらの両隣の分散体との分散体の重心の位置の幅方向の距離のことである。このように計測される隣り合う分散体間の幅方向の間隔は一般的に2つの値が得られるものであり、好ましくは2つの値が下記式(2)を満たすことであるが、一方の値のみが下記式(2)を満たす場合においても輝度ムラを抑制する効果を示す。
100mm ≦ L (1)
1.0mm ≦ P ≦ 100mm (2)
0.5mm ≦ W ≦ 50mm (3)
L:互いに直交する3方向のうち、分散体の最長方向(X方向)の長さ
P:X方向に直交しフィルム幅方向であるY方向の隣り合う分散体間の間隔
W:Y方向の分散体のサイズ
また、分散体の最長方向(X方向)の長さLが100mmよりも小さい場合には、照明装置や液晶ディスプレイ用バックライトのような大面積の光源に対して光源の全面をカバーできないことから、均一に輝度ムラを抑制することができなくなる。長さの上限に特に制限はないが、連続して生産できることが好ましい。連続生産できることにより製造コストを抑制でき、かつ本発明の樹脂フィルムを適用する照明装置や液晶ディスプレイ用バックライトに対応する任意の長さに調整することも可能となる。
また、Y方向の隣り合う分散体間の間隔が1.0mmよりも小さい場合には、ランプ間の比較的輝度の低い箇所を透過する光まで強く拡散してしまい、むしろ輝度ムラの原因となる。また、Y方向の隣り合う分散体間の間隔が100mmよりも大きい場合には、分散体と分散体の間の領域における輝度ムラを抑制することができなくなる。より好ましくは、Y方向の隣り合う分散体間の間隔を、対象となる照明装置や液晶ディスプレイ用バックライトに用いられるランプの間隔とほぼ同一とすることであり、この場合、分散体をランプと対応する位置に設置することで、ランプから照射される光をより効果的に拡散させ、輝度ムラを抑制することができる。
また、Y方向の分散体のサイズが0.5mmよりも短い場合には、照明装置や液晶ディスプレイ用バックライトのランプから照射される光に対して十分な幅でないため、ランプ由来の輝度ムラを抑制することができなくなる。また、Y方向の分散体のサイズが50mmより大きい場合、ランプに対して分散体のサイズが大きくなりすぎ、むしろ分散体の中での輝度ムラが発生する原因となる。好ましくは、2.0mm以上10mm以下であり、より好ましくはランプの径の1.0倍以上5倍以下である。この場合、ランプから照射された光を分散体内で効果的に拡散されることが可能となり、ランプ由来の輝度ムラを抑制することができる。
また、上記式(1)、(2)、(3)を満たす分散体が4個以下である場合には、一般的な液晶ディスプレイ用バックライトを構成するランプの数に対して分散体の数が十分ではなく、ランプ由来の輝度ムラを抑制することが出来なくなる。分散体の個数の上限は特に制限はないものの、ランプ由来の輝度ムラの抑制効果を示すY方向の隣り合う分散体間の間隔やY方向の分散体のサイズと樹脂フィルムの幅から定められるものである。
本発明の樹脂フィルムは、フィルム表面に対して垂直に入射した光の直線透過率が下記式(4)を満たさなければならない。ここでいう直線透過率とは、分光光度計を用いて測定されるものであり、フィルム幅方向(Y方向)に2mm以下の開口部をもつマスクを用いて光が透過できる領域を限定して、そのマスクをフィルムに設置して測定した際の透過光の強度をもって直線透過率とする。Tmin/Tmaxが0.95よりも大きい場合には、分散体による光拡散効果が限定的であるため、ランプ由来の輝度ムラを抑制する効果はほとんどなくなる。また、Tmin/Tmaxが0.3よりも小さい場合には、分散体による光拡散効果が大きすぎるため、むしろ輝度ムラの原因となる。好ましくは、Tmin/Tmaxが0.5以上0.7以下である。この場合、分散体を透過する光を効果的に拡散することができ、ランプとの距離が短い場合においても効果的に輝度ムラを抑制することが可能となる。
0.3 ≦ Tmin/Tmax ≦ 0.95 (4)
Tmax:Y方向における直線透過率の最大値
Tmin:Y方向における直線透過率の最小値
本発明の樹脂フィルムは、少なくとも1つの分散体において、下記式(5)を満たすことが好ましい。この場合、ランプ由来の輝度ムラを効果的に抑制しつつ、フィルム厚みを薄くすることができる。好ましくは、フィルム中の全ての分散体で下記式(5)を満たすことであり、より好ましくはフィルム中の全ての分散体でH/Wが0.1以上0.25以下であることである。この場合、全ての光源から照射された光に対して輝度ムラを抑制することができる。
0.01 ≦ H/W ≦ 0.5 (5)
H:X方向およびY方向に直交しフィルム厚み方向であるZ方向の分散体のサイズ
本発明の樹脂フィルムは、隣り合う分散体のうち少なくとも一組において、任意の位置での間隔P1と分散体の最長方向に100mm離れた位置での間隔P2が下記式(6)を満たすことが好ましい。この場合、特に蛍光灯や液晶ディスプレイ用バックライトのように直線状のランプがならぶ光源に対して、ランプと分散体とを精度良く配置させることができ、ランプ由来の輝度ムラを抑制する効果がより顕著となる。より好ましくは、すべての隣り合う分散体において、間隔P1とP2が下記式(6)を満たすことであり、すべての分散体とランプとを精度良く配置することができるため、光源全面において輝度ムラをほぼ抑制することができる。
0.95 ≦ P1/P2 ≦ 1.05 (6)
本発明の樹脂フィルムは、分散体がフィルム幅方向(Y方向)に規則的で周期性をもって配置していることが好ましい。この場合、照明装置や液晶ディスプレイ用バックライトを構成するランプに対して精度良く配置させることができ、ランプ由来の輝度ムラを抑制する効果が顕著となる。好ましくは、分散体がフィルム幅方向に規則的で周期性をもつことに加えてフィルム表面に対して平行に配置していることである。この場合、各分散体とランプとの距離を均一とすることができ、ランプ由来の輝度ムラをより抑制できる。また、分散体のフィルム幅方向への配列は一列であってもよいが、複数列存在することも好ましい。この場合、各層の配列を調整することによりランプからの光を効果的に拡散することが可能となり、ランプ由来の輝度ムラをほぼ抑制することができる。また、Y方向の隣り合う分散体間の間隔が均一であることも好ましい。一般的な照明装置や液晶ディスプレイ用バックライトにおいてランプはほぼ等間隔で配置されていることから、Y方向の隣り合う分散体間の間隔が均一な場合分散体をランプに対して精度良く配置することができ、ランプ由来の輝度ムラを抑制することができる。
本発明の樹脂フィルムは、フィルム幅方向(Y方向)−厚み方向(Z方向)断面での分散体の断面形状は特に制限されるものでなく、四角形や円など目的に応じて適宜選択可能なものである。特に、照明装置や液晶ディスプレイ用バックライトを構成するランプのように、ランプから照射される光の強度がランプからの角度により異なる場合には、略円形や略半円形とすることにより、ランプに由来する輝度ムラを抑制することができ、好ましいものである。
本発明の樹脂フィルムに用いられる樹脂としては、熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリスチレン・ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂、脂環族ポリオレフィン樹脂、ナイロン6・ナイロン66などのポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート・ポリブチレンテレフタレート・ポリプロピレンテレフタレート・ポリブチルサクシネート・ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、4フッ化エチレン樹脂・3フッ化エチレン樹脂・3フッ化塩化エチレン樹脂・4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体・フッ化ビニリデン樹脂などのフッ素樹脂、PMMAなどのアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリ乳酸樹脂、などを用いることができる。この中でも、照明や液晶ディスプレイ用バックライトでは高い透明性や耐湿熱性が求められるため、ポリスチレン、脂環族ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
また、樹脂としてはホモ樹脂であってもよく、共重合または2種類以上のブレンドであってもよい。本発明においては、共重合や2種類以上のブレンドの場合、その配合比が異なるものは別の樹脂として取り扱うこととする。また、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、屈折率調整のためのドープ剤などが添加されていてもよい。
本発明の樹脂フィルムは、分散体が光拡散粒子を含んでなることが好ましい。ここでいう光拡散粒子とは、光拡散能を有するものでかつ微分散化されたもとし、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、ガラスビーズ、ケイ酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化チタン、シリカなどの無機粒子に限らず、マトリックス樹脂や分散体の過半数を構成する樹脂とは異なりかつ微分散化している樹脂も含むものとする。この場合、樹脂フィルムに光拡散能を付与することができ、ランプ由来の輝度ムラを抑制することができる。
また、マトリックス樹脂中においても光拡散粒子を含んでなり、かつ光拡散粒子の面積分率が分散体に含まれる光拡散粒子の面積分率よりも低いことが好ましい。ここでいう面積分率とは、フィルム幅方向(Y方向)−厚み方向(Z方向)断面でマトリックス樹脂や分散体に含まれる光拡散粒子の断面積の総和のフィルム断面積に対する割合であるとし、たとえば電界放射走査型電子顕微鏡などを用いて個別に確認できる倍率で観察することで計測されるものである。この場合、分散体を透過する光は強く散乱されるのに対して、分散体を透過しない光はより透過してくるため、ランプに由来する輝度ムラをほとんど抑制することができる。
また、マトリックス樹脂中においても光拡散粒子を含んでなり、かつ光拡散粒子の粒子径が分散体に含まれる光拡散粒子の粒子径よりも大きいことも好ましい。ここでいう粒子径とは、光拡散粒子が無機粒子などの場合には粒子径を、光拡散粒子が樹脂の場合には分散径をさすものであり、粒子径や分散径にばらつきがある場合にはその平均値をとることとする。この場合も、分散体を透過する光は強く散乱されるのに対して、分散体を透過しない光はより透過してくるため、ランプに由来する輝度ムラをほとんど抑制することができる。
本発明の樹脂フィルムは、照明装置や液晶ディスプレイ用バックライトなどに用いることが出来る。特に、直線状のランプを備える蛍光灯や液晶ディスプレイ用バックライトにおいては、分散体とランプの位置を合わせることで顕著な輝度ムラを抑制する効果がある。このため、光源やバックライトとの距離を接近させることができ、照明装置の小型化、バックライトの薄型化などの利点があり好ましいものである。また、本発明の樹脂フィルムは、拡散フィルム、集光フィルムなどのその他光学フィルムと組み合わせて用いることも好ましく、高い輝度ムラの抑制効果に加えて集光機能による輝度向上の効果も付与することができる。
次に、本発明の積層フィルムの好ましい製造方法を以下に説明する。マトリックス樹脂と分散体となる樹脂の2種類をペレットなどの形態で用意する。また、各々の樹脂に光拡散粒子を添加する場合には、あらかじめ樹脂中に光拡散粒子を混練したペレットを用いてもよく、上述のペレットに光拡散粒子を均一に混ぜ合わせて用いても良い。ペレットは、必要に応じて、事前乾燥を熱風中あるいは真空下で行った後、押出機に供給する。押出機内において、加熱溶融された樹脂は、ギヤポンプ等で樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異物や変性した樹脂などを取り除く。
これらの2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出された樹脂は、次にダイに送り込まれる。本発明の好ましいダイの一例を、図1〜3に示す。図1は、ダイ1のフィルム幅方向(Y方向)の中央におけるフィルム厚み方向(Z方向)−流動方向(X方向)の断面図である。図2は、ダイ1のフィルム厚み方向(Z方向)の中央におけるフィルム幅方向(Y方向)−流動方向(X方向)の断面図である。図3は、ダイ1の図1、図2に示すA−A断面図である。
次にダイ1の各部品について詳細を説明する。ダイ1には、分散体となる樹脂を供給するための導入口2とマトリックス樹脂を供給するための導入口3が設けられている。導入口2は流路4を経てマニホールド5へと連通しており、マニホールドの流動方向下流側には、多数の孔7からなる多孔板6が設けられている。図4に多孔板6を流動方向上流側から見た装置図を示す。一方、導入口3は、流路8を経てマニホールド9へと連通している。多孔板6とマニホールド9はそれぞれ合流部10に連通しており、ダイ外へと樹脂を吐出するためのリップ11へとつながっている。合流部10では、マニホールド9を経て合流部10に供給されたマトリックス樹脂中に、多孔板6中の孔7を経て合流部10に供給された分散体となる樹脂が吐出させることにより、マトリックス樹脂中に孔の形状に対応した形状の分散体を形成された複合流を得ることができる。
本発明における多孔板6の孔の形状、個数、間隔などは所望する樹脂フィルムの断面形状に応じて適宜変更されるものであるが、孔はフィルム幅方向(Y方向)に規則的で周期性をもって配置されることや、フィルム幅方向に対して列状に配置されることも好ましい。この場合、得られた樹脂フィルム中の分散体を規則的で周期性をもって配置させたり、フィルム表面に対して平行に配置させたりすることができ、前述のとおり照明装置や液晶ディスプレイ用バックライトにおけるランプ由来の輝度ムラを抑制することができる。
かくしてダイ内で形成された分散体を含む複合流は、ダイから吐出され、キャスティングドラムやカレンダリングロール等にて、冷却固化される。ダイからの吐出の際、ネックダウン現象によって、分散体の間隔が変動することがあるため、ダイリップ端部にエッジガイドを設けることが好ましい。エッジガイドとは、ダイから吐出された樹脂フィルムの端部を拘束するべく、ダイリップと冷却体間に設けられたものであり、エッジガイドと樹脂がわずかに接触することにより、表面張力にてネックダウンを抑制できる。こうすることにより、ダイから吐出された樹脂フィルムは、吐出量と引き取り速度の関係によって、厚み方向(Z方向)に薄膜化されるものの、幅方向(Y方向)寸法は変化しなくなるため、各層の幅方向精度が向上する。
また、冷却固化する際に、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させる方法や、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させる方法、ロールにて冷却体に密着させる方法を用いることが好ましい。特に本発明では、静電気力によりキャスティングドラムに密着させる方法が好ましい。得られた積層フィルムは、必要に応じて延伸等を行い、ワインダーにて巻きとられる。本発明の積層フィルムにおいては、未延伸フィルムもしくは一軸延伸フィルムであることが好ましい。より好ましくは未延伸フィルムである。
本発明に使用した物性値の評価法を記載する。
(物性値の評価法)
(1)分散体の個数、Y方向の隣り合う分散体間の間隔、Y方向の分散体のサイズ、Z方向の分散体のサイズ
まず、研磨機により観察するフィルム幅方向(Y方向)−厚み方向(Z方向)断面の平滑化処理を行った。カッターナイフを用いてフィルム断面を切り出し、このフィルムの両表面を厚さ2mmのアクリル板ではさみ、治具に固定した。次に、研磨機(NAP−240、日新化成社製)を用い、研磨板に#6000番手の研磨フィルム(砥粒、酸化アルミニウム)を貼り付け、研磨液に純水を用い、研磨板の回転数240rpmで10分間研磨することにより平滑な断面とした。この処理をフィルム全幅について、順次行った。
次に、光学顕微鏡の一種であるCNC画像計測システム(NEXIV VMR−H3030TZ、Nikon社製)を用いて、上述のとおり作製した樹脂フィルムの断面の画像撮影を行った。非接触三次元測定機の試料台中央部に平滑にした断面が見えるように試料を置き、倍率3倍で撮影した。なお、1回のストローク範囲内で撮影が完了しない場合は、サンプルをずらしてセットし直し、継続して計測を行った。得られた画像について、付属の画像処理ソフトで分散体の個数、Y方向の隣り合う分散体間の間隔、Y方向の分散体のサイズ、Z方向の分散体のサイズの測定を行った。
(2)直線透過率
分光光度計(U4100、日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて以下の方法で直線透過率を測定した。測定には、開口部が2mm×10mmであるマスクを使用した。まず、マスクのみをセットした状態でブランク測定を行った。続いて、マスクを樹脂フィルムの分散体のフィルム幅方向(Y方向)の中央に開口部がくるように配置させ、マスクが受光部側になるようにサンプルをセットして測定を行い、得られた透過率のうち545nmでの透過率をここでの直線透過率とした。なお、測定条件は以下に記載のとおりである。同様に、マスクを分散体と分散体の中間地点に開口部がくるように配置させた場合についても測定を行った。得られた2つの直線透過率のより大きい値をTmax、小さい値をTminとした。
測定範囲:400nm〜850nm
検出速度:600nm/min
サンプリング間隔:1.00nm
スリット:2.00nm。
(3)Y方向の隣り合う分散体の間隔P1、P2
Y方向の隣り合う分散体間の間隔の計測を行った断面を採取した位置より分散体の最長方向に100mm離れた位置において、(1)と同様の方法でフィルム幅方向(Y方向)−厚み方向(Z方向)断面での分散体の間隔の測定を行った。ここで2枚の断面画像において、それぞれ同一とみなすことができる1組の分散体の間隔をそれぞれP1、P2とした。
(4)光拡散粒子の面積分率と粒子径
ミクロトームを用いてフィルム幅方向(Y方向)−厚み方向(Z方向)断面を切り出し、白金−パラジウムを蒸着した後、電界放射走査型電子顕微鏡(JSM−6700F、日本電子社製)で3000〜5000倍の写真を撮影した。撮影された画像中に。次に、画像処理ソフト(Image‐Pro Plus ver.4、販売元 プラネトロン)を用いて断面積の計測を行った。上記ソフトのCount/Sizeダイアログボックスの測定メニューから、測定項目のうち、“面積”と“サイズ(長さ)”を選択し、Countボタンを押し、自動測定を行った。こうして画像中の全ての光拡散粒子に関して面積を求め、その総和の画像中の全面積に対する割合を面積分率とした。また、計測された光拡散粒子の径の平均値を粒子径とした。
(実施例1)
マトリックス樹脂として、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂とポリメチルペンテン(PMP)[三井化学製DX820]樹脂を99:1の割合でブレンダーを用いて均一に混合したものを用いた。また、分散体となる樹脂として、PET樹脂とPMP樹脂を60:40の割合でブレンダーを用いて均一に混合したものを用いた。上記PET樹脂は、以下に記す方法にて重合されたものである。まず、ジメチルテレフタレート100重量部とエチレングリコール60重量部の混合物に、エステル交換反応触媒として酢酸カルシウムを添加し、加熱昇温してメタノールを留出させてエステル交換反応を行った。次いで、該エステル交換反応生成物に、重合触媒として三酸化アンチモン、熱安定剤としてリン酸を加え重縮合反応槽に移行した。次いで、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧し、290℃減圧下で内部を攪拌しメタノールを留出させながら重合し、PET樹脂を得た。なお、PET樹脂はPMP樹脂と混合させる前に真空条件下180度で3時間乾燥させたものを使用した。
次に、押出機1にマトリックス樹脂を、押出機2に分散体となる樹脂を供給し、それぞれの押出機にて280℃で溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、図1〜4に示す形状のダイへと流入させた。ここで用いたダイの多孔板では、すべての孔において隣り合う孔の間隔が25mm、半径が2mmである半円状の孔がフィルム幅方向(Y方向)に一列に13個配置されていた。このダイのリップから吐出された複合流は、静電印加にて表面温度25℃に保たれたキャストドラム上で急冷固化して、未延伸の樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムは、分散体の最長方向に連続なものであり、フィルム厚み1.5mm、Y方向の分散体のサイズ10mm、Z方向の分散体のサイズ0.5mm、Y方向の隣り合う分散体間の間隔25mmの分散体がフィルム表面に対して平行に13個配置されたものであり、ランプ間の間隔が25mmである液晶ディスプレイ用バックライトに直接配置してもランプからの光を効果的に拡散でき、ランプ由来の輝度ムラを抑制できるものであった。結果を表1に示す。
(実施例2)
マトリックス樹脂として、ポリカーボネート(PC)[出光興産製タフロンLC1700]樹脂とシリカ(Si)粒子を99:1の割合でブレンダーを用いて均一に混合したものを用いた。また、分散体となる樹脂として、PC樹脂とSi粒子を90:10の割合でブレンダーを用いて均一に混合したものを用いた。なお、PC樹脂はSi粒子と混合させる前に大気中110度で6時間乾燥させたものを使用した。
これらの樹脂を用いる以外は、実施例1と同様の装置・条件にて製膜し、樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムは、分散体の最長方向に連続なものであり、フィルム厚み1.5mm、Y方向の分散体のサイズ10mm、Z方向の分散体のサイズ0.5mm、Y方向の隣り合う分散体間の間隔25mmの分散体がフィルム表面に対して平行に13個配置されたものであり、ランプ間の間隔が25mmである液晶ディスプレイ用バックライトに直接配置してもランプからの光を効果的に拡散でき、ランプ由来の輝度ムラを抑制できるものであった。結果を表1に示す。
(実施例3)
マトリックス樹脂として、ポリメチルメタクリレート(PMMA)[住友化学性MGSS]樹脂とSi粒子を99:1の割合でブレンダーを用いて均一に混合したものを用いた。また、分散体となる樹脂として、PMMA樹脂とSi粒子を90:10の割合でブレンダーを用いて均一に混合したものを用いた。なお、PMMA樹脂はSi粒子と混合させる前に大気中80度で6時間乾燥させたものを使用した。
これらの樹脂を用いる以外は、実施例1と同様の装置・条件にて製膜し、樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムは、分散体の最長方向に連続なものであり、フィルム厚み1.5mm、Y方向の分散体のサイズ10mm、Z方向の分散体のサイズ0.5mm、Y方向の隣り合う分散体間の間隔25mmの分散体がフィルム表面に対して平行に13個配置されたものであり、ランプ間の間隔が25mmである液晶ディスプレイ用バックライトに直接配置してもランプからの光を効果的に拡散でき、ランプ由来の輝度ムラを抑制できるものであった。結果を表1に示す。
(実施例4)
マトリックス樹脂として、ポリスチレン(PS)[日本ポリスチレン製G120K]樹脂とSi粒子を99:1の割合でブレンダーを用いて均一に混合したものを用いた。また、分散体となる樹脂として、PS樹脂とSi粒子を95:5の割合でブレンダーを用いて均一に混合したものを用いた。
また、実施例1と同様の装置を用い、分散体となる樹脂の吐出量を調整して分散体のZ方向のサイズが1.0mmとなる条件で製膜し、樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムは、分散体の最長方向に連続なものであり、フィルム厚み1.5mm、Y方向の分散体のサイズ10mm、Z方向の分散体のサイズ1.0mm、Y方向の隣り合う分散体間の間隔25mmの分散体がフィルム表面に対して平行に13個配置されたものであり、ランプ間の間隔が25mmである液晶ディスプレイ用バックライトに直接配置してもランプからの光を効果的に拡散でき、ランプ由来の輝度ムラを抑制できるものであった。結果を表1に示す。
(実施例5)
マトリックス樹脂として、シクロオレフィン・コポリマー(COC)[ポリプラスティック社製TOPAS5013]樹脂とSi粒子を99:1の割合でブレンダーを用いて均一に混合したものを用いた。また、分散体となる樹脂として、PS樹脂とSi粒子を95:5の割合でブレンダーを用いて均一に混合したものを用いた。
また、多孔板に設けられた半円状の孔の半径が0.5mmである以外は実施例1と同様の装置を用い、分散体となる樹脂の吐出量を調整して分散体のZ方向のサイズが1.0mmとなる条件で製膜し、樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムは、分散体の最長方向に連続なものであり、フィルム厚み1.5mm、Y方向の分散体のサイズ2mm、Z方向の分散体のサイズ1mm、Y方向の隣り合う分散体間の間隔25mmの分散体がフィルム表面に対して平行に13個配置されたものであり、ランプ間の間隔が25mmである液晶ディスプレイ用バックライトに直接配置してもランプからの光を拡散できるものの、分散体の周囲で若干の輝度ムラがあった。結果を表1に示す。
(実施例6)
分散体となる樹脂として、PET樹脂とチタン(Ti)粒子を99:1の割合でブレンダーを用いて均一に混合したものを用いた以外は、実施例1と同様の装置・条件にて製膜し、樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムは、分散体の最長方向に連続なものであり、フィルム厚み1.5mm、Y方向の分散体のサイズ10mm、Z方向の分散体のサイズ0.5mm、Y方向の隣り合う分散体間の間隔25mmの分散体がフィルム表面に対して平行に13個配置されたものであり、ランプ間の間隔が25mmである液晶ディスプレイ用バックライトに直接配置してもランプからの光を効果的に拡散できるものの、実施例1と比較すると分散体を透過する光に輝度ムラが生じており、全体輝度も若干低下しているものであった。結果を表1に示す。
(実施例7)
マトリックス樹脂として、PET樹脂とTi粒子を99.9:0.1の割合でブレンダーを用いて均一に混合したものを、分散体となる樹脂としてPET樹脂とPMP樹脂を60:40の割合でブレンダーを用いて均一に混合したものを用いた以外は、実施例1と同様の装置・条件にて製膜し、樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムは、分散体の最長方向に連続なものであり、フィルム厚み1.5mm、Y方向の分散体のサイズ10mm、Z方向の分散体のサイズ0.5mm、Y方向の隣り合う分散体間の間隔25mmの分散体がフィルム表面に対して平行に13個配置されたものであり、ランプ間の間隔が25mmである液晶ディスプレイ用バックライトに直接配置してもランプからの光を効果的に拡散できるものの、実施例1と比較すると若干分散体と分散体との間での領域での輝度が低下し、全体としても若干の輝度ムラが観測された。結果を表1に示す。
(実施例8)
分散体となる樹脂としてポリブチレンテレフタレート(PBT)[東レ製トレコン1401X06]樹脂と実施例5と同様の装置を用いて、分散体となる樹脂の吐出量を調整して分散体のZ方向のサイズが0.1mmとなる条件にて製膜し、樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムは、分散体の最長方向に連続なものであり、フィルム厚み1.5mm、Y方向の分散体のサイズ2mm、Z方向の分散体のサイズ0.1mm、Y方向の隣り合う分散体間の間隔25mmの分散体がフィルム表面に対して平行に13個配置されたものであり、ランプ間の間隔が25mmである液晶ディスプレイ用バックライトに直接配置してもランプからの光を効果的に拡散できるものの、実施例1と比較すると分散体を透過する光に輝度ムラが生じており、全体輝度も若干低下しているものであった。結果を表1に示す。
(実施例9)
ダイの多孔板として、すべての孔において隣り合う孔の間隔が1mm、フィルム幅方向(Y方向)のサイズが0.2mm、フィルム厚み方向(Z方向)のサイズが1mmである長方形の孔が100個フィルム幅方向に一列に配置された多孔板を用いた以外は、実施例1と同様の装置を用い、分散体となる樹脂の吐出量を調整してZ方向の分散体のサイズが0.3mmとなる条件で製膜し、樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムは、分散体の最長方向に連続なものであり、フィルム厚み1.5mm、Y方向の分散体のサイズ0.5mm、Z方向の分散体のサイズ0.3mm、Y方向の隣り合う分散体間の間隔1mmの分散体がフィルム表面に対して平行に100個配置されたものであり、間隔1mmのランプが平行に配列した小型照明装置に直接配置したところ、ランプからの光を効果的に拡散できるもの、分散体と分散体との間での若干の輝度の低下が拡散され、さらに分散体の間隔に若干の変動が生じるため照明装置のほんの一部ではあるが輝度ムラが確認された。結果を表1に示す。
(実施例10)
分散体となる樹脂として、PET樹脂とPMP樹脂を90:10の割合でブレンダーを用いて均一に混合したものを用い、ダイの多孔板として、すべての孔において隣り合う孔の間隔が100mm、フィルム幅方向(Y方向)のサイズが15mm、Z方向のサイズが5mmである二等辺三角形の孔がフィルム幅方向に一列に5個設けられている多孔板を用いた以外は実施例1と同様の装置を用い、分散体となる樹脂の吐出量を調整してZ方向の分散体のサイズが0.5mmとなる条件で製膜し、樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムは、分散体の最長方向に連続なものであり、フィルム厚み1.5mm、Y方向の分散体のサイズ50mm、Z方向の分散体のサイズ0.5mm、Y方向の隣り合う分散体間の間隔100mmの分散体がフィルム表面に対して平行に5個配置されたものであり、間隔が100mmである照明用蛍光灯の輝度ムラの抑制に用いたところ、照度を極端に落とすこと低下させることなく効果的に光を拡散することができた。結果を表1に示す。
(比較例1)
分散体となる樹脂として、PET樹脂とTi粒子を99:1の割合でブレンダーを用いて均一に混合したものを用いた以外は、実施例1と同様の装置・条件にて製膜し、樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムは、分散体の最長方向に連続なものであり、フィルム厚み1.5mm、Y方向の分散体のサイズ10mm、Z方向の分散体のサイズ0.5mm、Y方向の隣り合う分散体間の間隔25mmの分散体がフィルム表面に対して平行に13個配置されたものであったが、ランプ間の間隔が25mmである液晶ディスプレイ用バックライトに直接配置したところむしろ分散体による高い光拡散効果と遮蔽効果のために分散体を透過する光の輝度が低下し、顕著な輝度ムラと輝度の低下が生じていた。結果を表1に示す。
(比較例2)
樹脂として、事前に実施例1と同様の方法で乾燥したPET樹脂とPMP樹脂を90:10の割合でブレンダーを用いて均一に混合したものを用いた。この樹脂を1台の押出機に供給して280℃で溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、Tダイへと流入させた。ダイから吐出された樹脂は、静電印加にて表面温度25℃に保たれたキャストドラム上で急冷固化して、未延伸の樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムは、フィルム厚み1.5mmで均一に光拡散粒子を分散されたものであったが、ランプ間の間隔が25mmである液晶ディスプレイ用バックライトに直接配置させたところランプ由来の輝度ムラが顕著に確認されるものであった。
Figure 2009275093
本発明は、照明や液晶ディスプレイ用バックライトにおけるランプ由来の輝度ムラを解消するための拡散フィルムとして用いることができる樹脂フィルムに関するものであり、照明の小型化、バックライトの薄型化に有益なものである。
ダイ1のフィルム幅方向(Y方向)の中央におけるフィルム厚み方向(Z方向)−流動方向(X方向)の断面図 ダイ1のフィルム厚み方向(Z方向)の中央におけるフィルム幅方向(Y方向)−流動方向(X方向)の断面図 ダイ1の図1、図2のA−A断面図 多孔板6を流動方向上流側から見た装置図
符号の説明
1:ダイ
2:導入口
3:導入口
4:流路
5:マニホールド
6:多孔板
7:孔
8:流路
9:マニホールド
10:合流部
11:リップ

Claims (8)

  1. フィルム内部に複数の分散体を含む樹脂フィルムであって、かつ下記式(1)、(2)、(3)を満たす分散体が5個以上存在し、かつフィルム表面に対して垂直に入射した光の直線透過率が下記式(4)を満たすことを特徴とする樹脂フィルム。
    100mm ≦ L (1)
    1.0mm ≦ P ≦ 100mm (2)
    0.5mm ≦ W ≦ 50mm (3)
    0.3 ≦ Tmin/Tmax ≦ 0.95 (4)
    L:互いに直交する3方向のうち、分散体の最長方向(X方向)の長さ
    P:X方向に直交しフィルム幅方向であるY方向の隣り合う分散体間の間隔
    W:Y方向の分散体のサイズ
    Tmax:Y方向における直線透過率の最大値
    Tmin:Y方向における直線透過率の最小値
  2. 前記分散体の少なくとも一つが、下記式(5)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の樹脂フィルム。
    0.01 ≦ H/W ≦ 0.5 (5)
    H:X方向およびY方向に直交しフィルム厚み方向であるZ方向の分散体のサイズ
  3. 前記分散体のうち隣り合う少なくとも一組において、任意の位置での間隔P1と分散体の最長方向に100mm離れた位置での間隔P2が下記式(6)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂フィルム。
    0.95 ≦ P1/P2 ≦ 1.05 (6)
  4. 前記分散体が光拡散粒子を含んでなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂フィルム。
  5. 前記樹脂フィルムを構成するマトリックス樹脂中においても光拡散粒子を含んでなり、かつ光拡散粒子の面積分率が分散体に含まれる光拡散粒子の面積分率よりも低いことを特徴とする請求項4に記載の樹脂フィルム。
  6. 前記樹脂フィルムを構成するマトリックス樹脂中においても光拡散粒子を含んでなり、かつ光拡散粒子の粒子径が分散体に含まれる光拡散粒子の粒子径よりも大きいことを特徴とする請求項4または5に記載の樹脂フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂フィルムを用いた照明装置。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂フィルムを用いた液晶ディスプレイ用バックライト。
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