JP2009274642A - 車両用シートベルト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルト装着性を向上させた車両用シートベルト装置の提供。
【解決手段】(1)ベルト着用時に上下に延びる左右一対のショルダベルト11、12と、ショルダベルトを上方に巻き取る第1のベルト巻取り装置20、21と、ショルダベルトを下方に巻き取る第2のベルト巻取り装置22、23と、帯体40と、保持手段50と、を備え、帯体40が持ち上げられた時にベルト未着用状態となり、帯体40が乗員腰部、腹部、胸部の何れかの部位に下げられた時にベルト着用状態となる、車両用シートベルト装置10。バックルレス構造となる。(2)左右のショルダベルトの一方のショウルダベルト11の下端にタングプレート29を取り付けて左右の一方のみバックル有り構造とした。(3)左右のショルダベルト11、12の胸部前方で摺動自在に係止する係止体43を設けた。乗員の左右の拘束性が高まるとともに女性の胸部の違和感が軽減される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ベルト装着性、および意匠性を向上させた車両用シートベルト装置に関する。
ほとんどの車両が3点式シートベルト装置を採用している。しかし、3点式シートベルト装置は、前面衝突時やファーサイド側突(側面衝突時の車両内側方向)、ロールオーバ時における上半身の拘束性能をさらに向上させる点で改善の余地がある。
前面衝突時、ファーサイド側突、ロールオーバ時の上半身の拘束を改善するために、特許文献1は、両端にタングプレートを有するX字状のシートベルトを、ウエビングをX字状の弾性被覆体にて覆うことによりはね上げ可能にシートバック上端部に取付けた4点式シートベルト装置を開示している。
特開2000−016238
しかし、特許文献1の車両用シートベルト装置にも、つぎの解決すべき課題がある。
(i)ベルト装着性がよくない。
X字状シートベルトの両下端部に取り付けられた、2つのタングプレートを、シート両側に設けられた、2つのあるバックルに、それぞれ装着しなければならないので、1つのタングプレートを1つのバックルに装着する場合に比べて、ベルト装着性が低下する。
(ii)ベルト未着用状態では、X字状弾性被覆体がシートバック上端部から跳ね上がっており、見栄えがよくなく、意匠性がよくない。
本発明の目的は、ベルト装着性、および意匠性を向上させた車両用シートベルト装置を提供することにある。
上記課題を解決する、または上記目的を達成する本発明の車両用シートベルト装置は、つぎのとおりである。
(1) ベルト着用時に上下に延びる左右一対のショルダベルトと、
前記左右一対のショルダベルトの上端部に繋がる、ショルダベルトを上方に巻き取る第1のベルト巻取り装置、および/または、前記左右一対のショルダベルトの下端部に繋がる、ショルダベルトを下方に巻き取る第2のベルト巻取り装置、を含むベルト巻取り装置と、
左右一対のショルダベルトを挿通させるベルト挿通部を有し、ベルト着用時に上方に凸のアーチ状をなす帯体と、
車両のルーフに設けられベルト未着用時に前記帯体を車両のルーフに保持する保持手段と、
を備え、
前記帯体が持ち上げられた時にベルト未着用状態となり、前記帯体が乗員腰部、腹部、胸部の何れかの部位に下げられた時にベルト着用状態となる、車両用シートベルト装置。
上記(1)の構成は、本発明の全実施例に共通である。
上記(1)は、つぎの態様をとることができる。
第1のベルト巻取り装置は、車両のルーフまたはシートバックに取付けられてもよい。
第2のベルト巻取り装置は、車両のフロアまたはシートクッションに取付けられてもよい。
(2) 前記帯体が持ち上げられベルト未着用状態となった時に、帯体は、帯体の車両外側端が車両内側端より車両後方に位置するように、車幅方向に対して傾けられて保持される(1)記載の車両用シートベルト装置。
上記(2)の構成は、本発明の全実施例に適用可能である。
(3) 前記帯体が、左右一対のショルダベルトをそれぞれ摺動自在に挿通させる左右のベルト挿通部と該左右のベルト挿通部を繋ぐ左右に延びる連結部を有し、前記連結部の両端部に、左右一対のショルダベルトを該連結部の両端部から上下に離れるにつれて左右に遠ざかるように折り曲げる折り曲げ部を有し、
前記左右一対のショルダベルトのうち前記折り曲げ部より下側部分と前記帯体はラップベルト部として働き、
左右の前記ラップベルト部の少なくとも一方の下端部が第2の巻取り装置に繋がっている(1)記載の車両用シートベルト装置。
上記(3)の構成は、本発明の実施例1に適用される。
(4) 前記帯体が、左右一対のショルダベルトをそれぞれ摺動自在に挿通させる左右のベルト挿通部と該左右のベルト挿通部を繋ぐ左右に延びる連結部を有し、前記連結部の両端部に、左右一対のショルダベルトを該連結部の両端部から上下に離れるにつれて左右に遠ざかるように折り曲げる折り曲げ部を有し、
前記左右一対のショルダベルトのうち前記折り曲げ部より下側部分と前記帯体はラップベルト部として働き、
左右のラップベルト部の一方の下端部は第2の巻取り装置に繋がっており、
左右のラップベルト部の他方の下端部にはタングプレートが取り付けられており、該タングプレートはシート下部または車両フロアに設けられたバックルに着脱される(1)記載の車両用シートベルト装置。
上記(4)の構成は、本発明の実施例2の形態1に適用される。
(5) 前記左右のラップベルト部のうち車両外側のラップベルト部は前記タングプレートに摺動可能に挿通されて車両内側に向かって折り返され、車両内側部でシート下部または車両フロアに連結されるか前記第2のベルト巻取り装置に接続される(4)記載の車両用シートベルト装置。
上記(5)の構成は、本発明の実施例2の形態2に適用される。
(6) 左右一対のショルダベルトを、左右一対のベルトが近接した状態で、乗員の胸部中央でベルトに対して摺動可能に係止する係止体と、前記帯体の他に設けたラップベルトとを、さらに備えた(1)記載の車両用シートベルト装置。
上記(6)の構成は、本発明の実施例3に適用される。
(7) 前記帯体の他にラップベルトをさらに備え、車両衝突時に、前記帯体と前記ラップベルトとは分離し、分離した前記帯体が乗員の胸部まで持ち上がるようになっている(1)記載の車両用シートベルト装置。
上記(7)の構成は、本発明の実施例4に適用される。
上記(1)の車両用シートベルト装置によれば、左右一対のショルダベルトを上下に巻き取るベルト巻取り装置(第1、第2のベルト巻取り装置)を設けたので、左右一対のショルダベルトの両下端をバックルレス(バックル無し)か、あるいはバックルを設けたとしても、左右一対のショルダベルトの一方の下端だけとすることが可能となり、特許文献1のようにX字状ショルダベルトの両下端にバックルを設けてタングプレートを着脱させる場合に比べて、ベルトの着脱性を向上させることができる。
また、ベルト着用時に上方に凸のアーチ状をなす帯体を設けたので、特許文献1のようにX字状の弾性被覆体をはね上げ可能にシートバック上端部に取付けた場合に比べて、ベルト未着用時の意匠性を改善することができる。
上記(2)の車両用シートベルト装置によれば、帯体が持ち上げられベルト未着用状態となった時に、帯体は、帯体の車両外側端が車両内側端より車両後方に位置するように、車幅方向に対して傾けられて保持されるので、シートの乗降側が開放され、乗員の乗降に際し乗員とショルダベルトとが干渉することが抑制される。
上記(3)の車両用シートベルト装置によれば、左右のラップベルト部の下端部はそれぞれ第2の巻取り装置に繋がっているので、左右一対のショルダベルトの両下端をバックルレスとすることができ、特許文献1のようにX字状ショルダベルトの両下端にバックルを設けてタングプレートを着脱させる場合に比べて、ベルトの着脱性を大幅に向上させることができる。
また、左右一対のショルダベルトのうち折り曲げ部より下側部分と帯体はラップベルト部として働くので、ショルダベルトとラップベルトを別々に設ける場合に比べて、構造を単純化でき、それによってコスト低減をはかることができる。
上記(4)の車両用シートベルト装置によれば、左右一対のラップベルトの一方のラップベルトの下端のみをタングプレートとバックルの挿脱構造とし、他方のラップベルトの下端はバックルレスとしたので、特許文献1のようにX字状ショルダベルトの両下端ともタングプレートを設けてバックルに挿脱させる場合に比べて、ベルトの着脱性を向上させることができる。
また、左右のラップベルト部のタングプレート取付け側を車両外側とすることにより、タングプレートをバックルから外した時にシートの乗降側が開放され、乗員の乗降に際し乗員とショルダベルトとの干渉を抑制できる。
上記(5)の車両用シートベルト装置によれば、左右のラップベルト部のうち車両外側のラップベルト部は前記タングプレートに摺動可能に挿通されて車両内側に向かって折り返され、車両内側部でシート下部または車両フロアに連結されるか第2のベルト巻取り装置に接続されるので、上記(4)の装置による効果に加えて、折り返し部がラップベルトとして働き、帯体に加えてラップベルトを追加したことで、乗員の腹部、腰部の拘束が向上するとともに、腹部、腰部への応力集中も分散できる。また、車両外側下部の第2のベルト巻取り装置を廃止でき、車両外側下部に第2のベルト巻取り装置を設ける場合に比べてコストダウンをはかることができる。
上記(6)の車両用シートベルト装置によれば、左右一対のショルダベルトを、左右一対のベルトが近接した状態で、乗員の胸部中央でベルトに対して摺動可能に係止する係止体を設けたので、女性に対する通常使用時のベルト違和感が軽減される。
また、ショルダベルトが乗員胸部側部を通るようにすることができ、乗員の左右方向の拘束性が改善される。
上記(7)の車両用シートベルト装置によれば、車両衝突時に帯体とラップベルトとが分離し、帯体が乗員の胸部まで持ち上がる。この結果、乗員の胸部の拘束性能および乗員の大腿部の拘束性能を向上することができる。
以下に、本発明の車両用シートベルト装置を、図面を参照して説明する。
図1〜図10および図11は本発明の実施例1を示し(図11は実施例1の変形例)、図12〜図21は本発明の実施例2を示し、図22〜図27は本発明の実施例3を示し、図28〜図30は本発明の実施例4を示す。
本発明の実施例1〜4に共通する構成部分には、本発明の実施例1〜4にわたって同じ符号を付してある。
また、シートベルトは所定(約60mm)の幅をもった布製ベルトである。図はシートが運転席である場合を示しているが、どの位置のシートにも適用可能である。例えば、助手席、後部座席、3列シートの中間座席でもよい。また、図中、OUTは車両外側を示し、UPは上方を示し、Frは車両前方を示す。
〔実施例1〕
まず、本発明の実施例1の車両用シートベルト装置を、図1〜図10および図11を参照して、説明する。
〔シートベルト装置の全体構成〕
本発明の車両用シートベルト装置10は、4点式シートベルト装置である。本発明の車両用シートベルト装置10は、ベルト着用時に上下に延びる左右一対のショルダベルト11、12と、ショルダベルト11、12を上方に巻き取る第1のベルト巻取り装置20、21、および/または、ショルダベルト11、12を下方に巻き取る第2のベルト巻取り装置22、23、を含むベルト巻取り装置と、左右一対のショルダベルト11、12を挿通させるベルト挿通部(40a、および/または、40b)を有し、ベルト着用時に上方に凸のアーチ状をなす帯体(ラップ帯体ともいう)40と、車両のルーフ2に設けられベルト未着用時に帯体40を車両のルーフ2に保持する保持手段50とを、備える。
帯体40は、左右一対のショルダベルト11、12をそれぞれ摺動自在に挿通させる左右のベルト挿通部40a、40bと該左右のベルト挿通部40a、40bを繋ぐ左右に延びる連結部40cを有していてもよい。
第1のベルト巻取り装置20、21は、車両のルーフ2またはシート1のシートバック1aに取付けられてもよい。第2のベルト巻取り装置22、23は、車両のフロアまたはシートクッション1bに取付けられてもよい。
本発明の車両用シートベルト装置10は、帯体40がルーフ2部位またはルーフ近傍部位に持ち上げられた時にベルト未着用状態となり、帯体40が乗員腰部、腹部、胸部の何れかの部位(たとえば、乗員腰部または腹部)に下げられた時にベルト着用状態となる。図1〜図3は、帯体40が乗員の腰部または腹部に下げられる場合を示す。
本発明の車両用シートベルト装置10では、帯体40の両端にタングプレートおよびバックルを設けていないが、帯体40の一端にタングプレートおよびバックルを設けてもよい。何れの場合にも、通常の挿脱時は従来のように乗員の左右両側でタングプレートをバックルに挿脱する必要がなくなる。
車両用シートベルト装置10の各構成部品を、さらに詳細に、説明する。
〔ショルダベルト11、12〕
一対のショルダベルト11、12のうちショルダベルト11が車両外側に位置するベルトであり、ショルダベルト12が車両内側に位置するベルトである。車両外側、内側は、乗員から見ての車両外側、内側である。ベルト着用状態において、一対のショルダベルト11、12は、ルーフ2部位またはシートクッション1b上部に設けられたショルダアンカ24、25(ショルダアンカ24が車両外側、ショルダアンカ25が車両内側)から、乗員の頭部の両側を通過し、乗員の鎖骨部前方を通過して、下方に延び、乗員胸部前方で互いに交差せずに下方に延び、乗員腰部または腹部に装着されている帯体40の左右のベルト挿通部40a、40bの連結部40cへの接続部側端40d、40eに向かって延びる。一対のショルダベルト11、12は、ベルト着用時に、乗員前方で、X字状に互いに交差しない。
ショルダベルト11、12は、帯体40の左右のベルト挿通部40a、40bの連結部40cへの接続部側端40d、40eで、帯体40のベルト挿通部40a、40bに摺動自在に挿入される。ショルダベルト11、12は、帯体40のベルト挿通部40a、40bを摺動自在に挿通し、帯体40のベルト挿通部40a、40bから出て、下方に延び、車両下部の、シートクッション1b両側に位置するベルトガイド26、27を摺動自在に挿通して、第2の巻取り装置22、23に向かって延びる。帯体40の摺動抵抗は、左右のショルダベルト11、12が、帯体40の左右両端から帯体の中央の連結部40cへと向かう方向に摺動する時の摺動抵抗が小さく、それと反対方向に摺動する時の摺動抵抗が大きくなるように、設定されていることが好ましい。ショルダアンカ24、25、ベルトガイド26、27は、本発明の4点式シートベルト装置10の4点を構成する。
一対のショルダベルト11、12は、図11の変形例(実施例1の変形例)に示すように、ショルダアンカ24、25から、乗員の頭部の両側を通過し、乗員の鎖骨部前方を通過して、下方に延び、乗員胸部前方で互いに交差せずに下方に延び、乗員腰部または腹部に装着されている帯体40の中央部内に入り、帯体40に固定または摺動自在とされてもよい。図11の場合は、一対のショルダベルト11、12が、互いに一体に繋がってもよい。また、帯体40の両端に、左右のラップベルト13、14(ラップベルト13、14は、図11の変形例では、ショルダベルト11、12とは別体に形成されている)の上端が固定され、ラップベルト13、14の下端は第2のベルト巻取り装置22、23に連結していてもよい。
〔ショルダベルト11、12のラップベルト部13、14〕
ショルダベルト11、12の、ベルト挿通部40a、40bに挿入される部位40d、40eを含み挿入される部位より下側(第2の巻取り装置22、23側)および連結部40cは、ラップベルト部13、14として働く。ラップベルト部13、14のうちラップベルト部13が車両外側のラップベルト部であり、ラップベルト部14が車両内側のラップベルト部である。ラップベルト部13、14は、ショルダベルト11、12の一部である。
図11の変形例では、ラップベルト13、14はラップベルト13、14の上端で帯体40の両端に固定されており、ラップベルト13、14の下端で第2の巻取り装置22、23に連結されている。
〔帯体40〕
帯体40は、アーチ状(弧状、または湾曲状)の1本の棒状体からなる。したがって、2本の棒状体が交差するX字状体ではない。帯体40は弾性変形可能な可撓性材料、たとえば樹脂、から構成され、乗員の腰部または腹部に密着して巻きつくことができる。帯体40のベルト挿通部40a、40bは、ラップベルト部13、14の一部を摺動可能に覆っている。ラップベルト部13、14のうち帯体40で覆われている部分では、ベルト着用時に、帯体40が乗員に接触する。
〔第1、第2の巻取り装置20、21、22、23〕
一対のショルダベルト11、12は、上部で、ショルダアンカ24、25を摺動自在に挿通して第1、第2のベルト巻取り装置20、21に至る。一対のラップベルト部13、14(ショルダベルト11、12の下部)は、ベルトガイド26、27を摺動自在に挿通し、第2のベルト巻取り装置22、23に至る。図示例では、第1、第2のベルト巻取り装置20、21、22、23が、リトラクタからなる場合を示しているが、リトラクタに限るものではない。すなわち、第1、第2のベルト巻取り装置20、21、22、23は、リトラクタからなるか、またはベルト巻取りモータからなるか、リトラクタまたはベルト巻取り装置とフォースリミッタおよび/またはプリテンショナを備えた装置から構成されてもよい。これらのリトラクタ、ベルト巻取りモータ、フォースリミッタ、プリテンショナ、およびそれらの組み合わせ装置には、それぞれ、従来公知のリトラクタ、ベルト巻取りモータ、フォースリミッタ、プリテンショナ、およびそれらの組み合わせ装置を用いることができる。
下部の第2のベルト巻取り装置22、23は、左右のラップベルト部13、14を1つの第2のベルト巻取り装置22につないで、1つのベルト巻取り装置22で巻き取るようにしてもよい(図9)。これによって、第2のベルト巻取り装置22、23を1つ廃止でき、コスト低減が可能となる。また、1つの第2のベルト巻取り装置22をシート下部に設けてその第2のベルト巻取り装置22に左右からのラップベルト部13、14を該左右のラップベルト部13、14が互いに対向するように連結すると、衝突時に第2のベルト巻取り装置22にかかる左右ラップベルト部13、14からの力が相殺して、第2のベルト巻取り装置22の取付け部の必要強度を低減することが可能となる(図9)。
同様に、上部の第1のベルト巻取り装置20、21は、左右のショルダベルト11、12を1つの第1のベルト巻取り装置20につないで、1つのベルト巻取り装置20で巻き取るようにしてもよい。こうすることによって、第1のベルト巻取り装置のコストを低減できる。
さらに、左右のショルダベルト11、12が車室内からショルダアンカ24、25を上方に通過しルーフ2とルーフ内装部材2aとの間の隙間空間に入った所で左右のショルダベルト11、12を繋ぎ、繋いだショルダベルトの一端を下部の第2のベルト巻取り装置22または23で巻き取るようにし、繋いだショルダベルトの他端を下部のアンカ28に固定することにより、上部の第1のベルト巻取り装置20、21を2つとも廃止してもよい(図10)。こうすることによって、さらなる第1のベルト巻取り装置のコスト低減をはかることができる。ただし、その場合は、下部の第2のベルト巻取り装置22、23のいずれか少なくとも一方を設けることが必要があり、その設けた第2のベルト巻取り装置で、1本ものの左右のベルト11、12の全体を巻き取るようにする。
〔保持手段50〕
保持手段50は、車両のルーフ2に設けられ、ベルト未着用時に帯体40を車両のルーフ2に保持する。保持手段50は、磁石または金属からなる。帯体40には、帯体40の左右方向中央部に、保持手段50に吸着可能な金属または磁石からなる被保持手段41が設けられている。保持手段50が磁石の場合は、帯体40の被保持手段41は金属または磁石(保持手段に対向する面の磁性が保持手段の磁石の磁性と逆の磁石)であり、保持手段50が金属の場合は、帯体40の被保持手段41は磁石である(図7)。なお、保持手段50は、磁石または金属に代えて、フックであってもよい(図8)。保持手段50がフック(保持手段と同じのため、フックの符号も50)の場合は、帯体40はフック50に掛けられる。
保持手段50は、車両前後方向に延びており、所望の保持手段位置に帯体40を保持することができる(図6)。
保持手段50は、帯体40が持ち上げられベルト未着用状態となった時に、帯体40の車両外側端が車両内側端より車両後方に位置するように、車両前後方向に傾けて、帯体40を保持する(図5、図6)。こうすることによって、帯体40が持ち上げられベルト未着用状態となった時に、乗員の車両外側が開放され、ベルトに干渉することなく、車両に乗降することができる。
保持手段50は、ルーフ2に、乗員の頭部中心の上方位置から車両外側に位置をずらして設けられる(図4)。これによって、帯体40の中心が乗員の頭部中心の上方位置から車両外側にずれており、乗員の手(帯体40に近い方の手)が帯体40に届きやすくなる。
以上の構成は、本発明のすべての実施例に共通に適用可能である。
つぎに、本発明の実施例1に特有な構成を説明する。
本発明の実施例1では、ベルト着用状態において、第1、第2のショルダベルト11、12は、ショルダアンカ24、25から帯体40に向かって、第1、第2のショルダベルト11、12間の間隔を徐々に狭めながら、延びている。第1、第2のショルダベルト11、12が乗員前方で交差することはない。帯体40の連結部40cの両端部位40d、40eは、第1、第2のショルダベルト11、12を、連通部40cの両端部位40d、40eから上下方向に離れるにつれて左右方向に互いに遠ざかる方向に折り曲げる折り曲げ部40d、40e(連通部40cの両端部位40d、40eと同じであるため、折り曲げ部の符号も40d、40eとする)として働く。第1、第2のショルダベルト11、12のうち、帯体40の折り曲げ部40d、40eより下の部分、すなわち帯体40およびウエビング(ラップベルト部)は、ラップベルト部13、14として働く。ただし、ラップベルト部13、14のうち帯体40のベルト摺動部40a、40b内にある部分は、帯体40で覆われている。
ラップベルト部13、14は帯体40の左右のベルト挿通部40a、40bを挿通した後下部ベルトガイド26、27に至り、下部ベルトガイド26、27を挿通した後第2のベルト巻取り装置22、23に至り、第2のベルト巻取り装置22、23に連結される(図1〜図5)。ただし、ラップベルト部13、14を1つの第2のベルト巻取り装置22に連結して、ラップベルト部13、14を1つの第2のベルト巻取り装置22で巻き取るようにしてもよい(図9)。また、ショルダベルト11、12を上部でつなぎ、一方のラップベルト部13のみを下部で第2のベルト巻取り装置22につなぎ、他方のラップベルト部14の下端はラップベルトアンカ28に固定するようにしてもよい(図10)。
実施例1では、ラップベルト部13、14の下端は、直接、第2のベルト巻取り装置22、23または22に連結されている。これによって、タングプレートのバックルへの挿脱無しに、ベルト着脱が可能な4点シートベルト装置となっている。
つぎの本発明の実施例1の作用、効果を説明する。
ベルトを装着する時には、乗員がシートクッション1b上に着座し、乗員の上方に保持手段50によって保持されている帯体40を下方に向かって引っ張り、ショルダベルト11、12を第1のベルト巻取り装置20、21または20(図10の場合は第2のベルト巻取り装置22)から引出すとともに、ラップベルト部13、14を第2のベルト巻取り装置22、23または22に巻取り、帯体40を腹部または腰部に装着する。ショルダベルト11、12は乗員の鎖骨部位と胸部を前方から拘束し、帯体40およびウエビング(ラップベルト部)13、14が腰部および/または腹部を前方および左右両側から拘束する。前面衝突、および、ファーサイド側突、ロールオーバ時の乗員拘束性能に優れる。また、帯体40を下方に手で移動させるだけでベルト装着が完了するため、装着性に優れる。また、帯体40があるため、ベルト装着時における帯体40による腹部、腰部への入力が、ベルトだけの場合に比べて、分散する。さらに、ベルトがからまるのを防止できる。
ベルト装着を解除する時には、帯体40を手で上方に持ち上げ、ラップベルト部13、14を第2のベルト巻取り装置22、23または22から引き出すとともに、ショルダベルト11、12を第1のベルト巻取り装置20、21または20(図10の場合は第2のベルト巻取り装置22)で巻き取る。帯体40は持ち上げられて、ルーフ2部位で保持手段50で保持される。左右のラップベルト部13、14は上部で帯体40で左右に拡げられているため、乗員の前方と側方が開放され(図4、図5)、自由に乗降可能となる(図3、図4)。
また、帯体40はベルト着用時には上方に凸のアーチ状をなし、ベルト未着用時にはルーフ部位に持ち上げられて保持手段50により保持されるので、特許文献1のようにX字状の弾性被覆体をはね上げ可能にシートバック上端部に取付けた場合に比べて、ベルト未着用時の意匠性を改善することができ、かつ、乗員の乗降に帯体40がより一層邪魔にならないようにすることができる。
図5、図6、図7に示すように、帯体40が持ち上げられベルト未着用状態となった時に、帯体40が、帯体の車両外側端が車両後方に位置し帯体の車両内側端が車両前方に位置するように、水平方向において車両前後方向に傾けられて保持される場合は、傾けられない場合に比べて、シートの乗降側が大きく開放され、乗員の乗降に際し乗員と外側ショルダベルト11とが干渉することが抑制される。
以上の作用、効果は、本発明のすべての実施例に共通に適用可能である。
つぎに、本発明の実施例1に特有な作用、効果を説明する。
本発明の実施例1では、左右のラップベルト部13、14の下端部がそれぞれ第2の巻取り装置22、23に繋がっているので、左右一対のラップベルト部13、14の両下端をバックルレス(バックル無し)とすることができ、特許文献1のようにX字状ショルダベルトの両下端にバックルを設けてタングプレートを着脱させる場合に比べて、ベルトの着脱性を大幅に向上させることができる。ベルトの着脱が帯体40の上げ下げだけで行われ、タングプレートのバックルへの挿脱を必要としないので、ベルトの着脱性を大幅に向上させることができる。
〔実施例2〕
つぎに、本発明の実施例2を説明する。本発明の実施例2は、図12〜図15の形態1(ラップベルト部を折り返さない形態)と、図16〜図21の形態2(ラップベルト部を折り返して折り返した部分をラップベルトとした形態)を含む。
上記の本発明の実施例1の説明のうち、全実施例に共通に適用可能な構成、作用、効果は本発明の実施例2にも適用される。
以下では、本発明の実施例2に特有な構成、作用、効果を説明する。
まず、本発明の実施例2の形態1、形態2の両方に適用できる構成を説明する。
本発明の実施例2の形態1、形態2では、図12〜図21に示すように、ベルト着用状態において、第1、第2のショルダベルト11、12は、ショルダアンカ24、25から帯体40に向かって、第1、第2のショルダベルト11、12間の間隔を徐々に狭めながら、延びており、帯体40の折り曲げ部40d、40eに至る。第1、第2のショルダベルト11、12が乗員前方で交差することはない。帯体40は、連結部40cの両端部位に、第1、第2のショルダベルト11、12を、連通部40cの両端部位から上下方向に離れるにつれて左右方向に互いに遠ざかる方向に折り曲げる折り曲げ部40d、40eを有する。第1、第2のショルダベルト11、12のうち、帯体40の折り曲げ部40d、40eより下の部分および帯体40は、ラップベルト部13、14として働く。ただし、ラップベルト部13、14のうち帯体40のベルト挿通部40a、40b内にある部分は、帯体40で覆われている。ラップベルト部13、14は帯体40の左右のベルト挿通部40a、40bを挿通した後、下方へと延びる。
左右のラップベルト部13、14のうち一方の(車両内側の)ラップベルト部14の下端部は第2のベルト巻取り装置23に繋がっている。左右のラップベルト部13、14のうち他方の(車両外側の)ラップベルト部13の下端部には、タングプレート29が取り付けられている。タングプレート29は車両外側のシート下部または車両フロアに設けられたバックル30に挿脱可能である。バックル30は、ワイヤまたはウエビング33により車両フロアまたはシートクッション1bに繋がっている。
左右のショルダベルト11、12は、ショルダアンカ24、25を通過した後、互いにつなげてもよい(図12〜図15)。その場合は、上部の第1のベルト巻取り装置20、21は不要となり、下部の第2のベルト巻取り装置23でベルトの巻取りを行う。
ただし、左右のショルダベルト11、12を上部でつなげないで、左右のショルダベルト11、12をそれぞれ第1のベルト巻取り装置20、21に繋げるようにしてもよい。第1のベルト巻取り装置20、21を設ける場合、ルーフ2とルーフ内装部材2aとの間の隙間空間に設けてもよいし、あるいはシートバック1aの上部に設けてもよい。
つぎに、本発明の実施例2の形態1にのみ適用できる構成を説明する。
本発明の実施例2の形態1では、図12〜図15に示すように、車両外側のラップベルト部13はタングプレート29部位で折り返されずに、タングプレート29に連結、固定されている。したがって、ラップベルト部13を折り返して形成したラップベルト15はない。
つぎに、本発明の実施例2の形態2にのみ適用できる構成を説明する。
本発明の実施例2の形態2では、図16〜図21に示すように、左右のラップベルト部13、14のうち車両内側のラップベルト部14の下端部は第2のベルト巻取り装置23に繋がっている。左右のラップベルト部13、14のうち車両外側のラップベルト部13の下端部には、ベルトに摺動自在に、タングプレート29が配置されている。
左右のラップベルト部13、14のうち車両外側のラップベルト部13は、タングプレート29のベルト挿通穴に摺動可能に挿通されて車両内側に向かって折り返され、ラップベルト15として乗員腰部の前方を通過して車両内側部に至り、車両内側部でシート下部または車両フロア(のアンカ28)に連結されるか(図16〜図20)、または、車両内側の第2のベルト巻取り装置23に巻取り可能に連結されている(図21)。図21ではラップベルト部14とラップベルト15との2本のウエビングが第2のベルト巻取り装置23によって巻き取られる。
図16〜図21では、ラップベルト部13の折り返し部からなるラップベルト15を露出させて摺動自在に帯体40に保持するガイド部42が、帯体40に設けられる。ガイド部42を設けることによって、帯体40をルーフ2部位に持ち上げた時にラップベルト15も持ち上がる(図18、図19)。
本発明の実施例2の特有な作用、効果を説明する。
まず、本発明の実施例2の形態1と形態2の両方に適用できる作用、効果を説明する。
本発明の実施例2の車両用シートベルト装置10では、左右一対のラップベルト部13、14の一方のラップベルト部13の下端のみをタングプレート29とバックル30との挿脱構造とし、他方のラップベルト部14の下端はバックルレスとしたので、特許文献1のようにX字状ショルダベルトの両下端ともタングプレートを設けてバックルに挿脱させる場合に比べて、タングプレートのバックルへの挿脱操作が簡単であり、ベルトの着脱性を向上させることができる。
しかも、左右のラップベルト部13、14のタングプレート取付け側を車両外側とすることにより、タングプレート29をバックル30から外した時にシート1の乗降側が開放され、乗員の乗降に際し乗員とショルダベルト11との干渉を抑制できる。
つぎに、本発明の実施例2の形態2のみに適用できる作用、効果を説明する。
本発明の実施例2の形態2の車両用シートベルト装置10では、左右のラップベルト部13、14のうち車両外側のラップベルト部13はタングプレート29に摺動可能に挿通されて車両内側に向かって折り返され、車両内側部でシート下部または車両フロアに連結されるか第2のベルト巻取り装置23に接続されるので、ラップベルト部のタングプレート29での折り返し部位より折り返し後の部分もラップベルト15として働く。その結果、帯体40に加えてラップベルト15を追加したこととなり、乗員の腹部、腰部への応力集中を分散できる。
〔実施例3〕
つぎに、本発明の実施例3を図22〜図27を参照して説明する。
上記の本発明の実施例1の説明のうち、全実施例に共通に適用可能な構成、作用、効果は本発明の実施例3にも適用される。
以下では、本発明の実施例3に特有な構成、作用、効果を説明する。
本発明の実施例3の特有な構成を説明する。
本発明の実施例3の車両用シートベルト装置10は、上下に延びる左右一対のショルダベルト11、12を、乗員の胸部中央でショルダベルト11、12を近接させ、ベルトに対して摺動可能な係止体43により、摺動可能にガイドした。車両用シートベルト装置10は、ラップベルト15を備えている。
ラップベルト15に対し、左右に長い帯体40が設けられており、帯体40の左右部にショルダベルト11、12を規定範囲内で移動可能に挿通させるガイド(ベルト挿通部)40a、40bが設けられている。ガイド(ベルト挿通部)40a、40bが設けられることにより、操作性が向上する。
左右のショルダベルト11、12の上端は、ショルダアンカ24、25を挿通して第1のベルト巻取り装置20、21に連結している。左右のショルダベルト11、12の下端部であるラップベルト部13、14は、それぞれ、シート下部、または、車両フロア部に設けたアンカ部に設けた、ジョイント26、27(ジョイント26は車両外側のジョイント、ジョイント27は車両内側のジョイント)へ結合されている。
ラップベルト15の一端は車両外側のジョイント26に繋がっている。ラップベルト15の他端は車両内側のジョイント27に繋がっているか、または、シート下部、または、車両フロア部に設けたアンカ部に繋がっている。
ジョイント26、27がスリップジョイントの場合、ショルダベルト11、12とラップベルト15は、スリップジョイント部位で摺動自在に、繋がる。
車両外側のジョイント26はスリップジョイントであることが望ましい。
車両外側のジョイント26がスリップジョイントである場合、車両外側のスリップジョイント26は、ウエビング、または、ワイヤ33等を介して、第2の巻取り装置22(たとえば、リトラクタ)に繋がっている(図22の(イ))。車両内側のジョイント27部も、車両外側と同様な構成にして、第2の巻取り装置23(たとえば、リトラクタ)を設けると、操作性がよくなる(図22の(ロ))。第2の巻取り装置23を設けた場合、車両外側のジョイント26にショルダベルト11とラップベルト15を摺動しないように固定してもよい。
左右のショルダベルト11、12の下端部であるラップベルト部13、14とラップベルト15は、第1、第2の巻取り装置22、23に共に巻き取られるようにしてもよい(図22の(ハ))。
あるいは、ラップベルト15を車両内側でスリップジョイント27を挿通させて第2の巻取り装置23で巻き取るようにするとともに、車両内側のラップベルト部14をアンカに固定してもよい。この場合は車両外側のジョイント26はスリップジョイントとして、ラップベルト15とラップベルト部13を繋げる(図22の(ニ))。
図22の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)の何れの場合も、シートベルトを外す場合には、車両外側のスリップジョイント26でベルトを摺動させて、帯体40を車両上方へ持ち上げる。これによって、シートベルト非着用状態になる。シートベルトを装着する場合は、上方に持ち上がっていた帯体40を下げて大腿部に掛ける。
左右のショルダベルト11、12の下端部からなるラップベルト部13、14(ラップベルト部13、14はショルダベルト11、12の一部)とラップベルト15との接続点(ジョイント26、27)は、シートクッション1bの上面よりも大幅に低い位置に設定してある。これにより、ラップベルト15が確実に乗員腰部に掛かり、サブマリン現象が起きにくくなる。
また、ショルダベルト11、12とラップベルト15の乗員に接触する位置における上下方向の間隔が拡がるため、乗員の腹部側面の荷重が分散され、障害が低減する。
また、ショルダベルト11、12が胸部側面をも拘束するので、胸部の左右方向の拘束力も向上できる。
ショルダベルト11、12のショルダアンカ24、25部位に、シートベルト非装着時にショルダベルト11、12間隔を左右方向に拡げるショルダ帯体44、45が設けられている。ショルダベルト11、12はショルダ帯体44、45に摺動自在に挿通している。これによって、シートベルト着脱時に、ベルトが乗員の頭部に接触するのを防止して、着脱性を向上させた。
本発明の実施例3の特有な作用、効果を説明する。
本発明の実施例3の車両用シートベルト装置10では、左右一対のショルダベルト11、12を、左右一対のベルトが近接した状態で、乗員の胸部中央でベルトに対して摺動可能に係止する係止体43を設けたので、女性に対する通常使用時のベルト違和感が軽減される。また、ショルダベルト11、12が乗員胸部側部を通るようにすることができ、乗員の左右方向の拘束性が改善される。
〔実施例4〕
つぎに、本発明の実施例4を図28〜図30を参照して説明する。
上記の本発明の実施例1の説明のうち、全実施例に共通に適用可能な構成、作用、効果は本発明の実施例4にも適用される。
以下では、本発明の実施例4に特有な構成、作用、効果を説明する。
本発明の実施例4の特有な構成を説明する。
本発明の実施例4の車両用シートベルト装置10は、完全バックルレス構成である。本発明の実施例4の車両用シートベルト装置10は、上下に延びる左右一対のショルダベルト11、12は、上方から下方に帯体40に向かって延びる。帯体40の折り曲げ部40d、40eに至る。第1、第2のショルダベルト11、12は乗員前方で交差することはない。第1、第2のショルダベルト11、12の下端部側は図28の構成か、または図29の構成(図28の構成とは異なる構成)を採ることができる。
図28の構成では、一対のショルダベルト11、12は、帯体40内に入り、帯体40内で互いに遠ざかる側に折れ曲がってラップベルト部13、 14となる。ラップベルト部13、14は、帯体40を出て、ジョイント(スリップジョイント)26、27に至り、ジョイント26、27部位で折り返されてラップベルト15に繋がる。ジョイント26、27は、ウエビングまたはワイヤ33により第2のベルト巻取り装置22、23に接続しており、ウエビングまたはワイヤ33は第2のベルト巻取り装置22、23に巻き取られる。
ラップベルト15は、支持部46で帯体40に支持されている。車両衝突時に、ラップベルト15に所定値以上の張力がかかると、支持部46が切れるとともに、ウエビングまたはワイヤ33が第2のベルト巻取り装置22、23から引き出されて、帯体40とラップベルト15は、乗員胸部へと持ち上がる。
図29の構成では、一対のショルダベルト11、12は、帯体40内に入り、帯体40内で互いに近づく側(帯体40の中心側)に向かって折れ曲がって、互いに一体に結合する。左右のラップベルト部13、14のそれぞれの上端は、帯体40の左右両端部に固定される。左右のラップベルト部13、14は下方に延びてジョイント26、27に至りジョイント26、27に固定されるか、ジョイント26、27を摺動自在に挿通し、折り返されてラップベルト15に連結される。ジョイント26、27は、ウエビングまたはワイヤ33により第2のベルト巻取り装置22、23に接続しており、ウエビングまたはワイヤ33は第2のベルト巻取り装置22、23に巻き取られる。
ラップベルト15は、ラップベルト15の左右方向の中央部に余長部15aを有する。車両衝突時に、ラップベルト15に所定値以上の張力がかかると、余長部15aが伸びるとともに、ウエビングまたはワイヤ33が第2のベルト巻取り装置22、23から引き出されて、帯体40は、乗員胸部へと持ち上がり、ラップベルト15は下がって、乗員の腰部にかかる。
本発明の実施例4の特有な作用、効果を説明する。
本発明の実施例4の車両用シートベルト装置10では、車両衝突時に帯体40とラップベルト15とが分離し、帯体40が乗員の胸部まで持ち上がる。図29、図30の例では、帯体40が乗員の胸部まで持ち上がるとともに、ラップベルト15が下がる。この結果、乗員の胸部の拘束性能および乗員の大腿部の拘束性能を向上することができる。
本発明の実施例1(完全バックルレスである場合)の車両用シートベルト装置のベルト着用状態の正面図である。 本発明の実施例1の車両用シートベルト装置のベルト着用状態の車両内側から車両外側に向かって見た側面図である。 本発明の実施例1の車両用シートベルト装置のベルト着用状態の平面図である。 本発明の実施例1の車両用シートベルト装置のベルト未着用状態の正面図である。 本発明の実施例1の車両用シートベルト装置のベルト未着用状態の車両内側から車両外側に向かって見た側面図である。 本発明の実施例1の車両用シートベルト装置のベルト未着用状態の平面図である。 本発明の実施例1の車両用シートベルト装置のベルト未着用状態の要部拡大平面図である。 本発明の実施例1の車両用シートベルト装置の、保持手段がフックである場合の、ベルト未着用状態の要部拡大側面図である。 本発明の実施例1(完全バックルレスである場合)で第1、第2のショルダベルトを上部で互いに繋ぎ第1、第2のショルダベルトを下部で1つのベルト巻取り装置に連結した場合のベルト着用状態の車両用シートベルト装置の正面図である。 本発明の実施例1(完全バックルレスである場合)で、第1、第2のショルダベルトを上部で互いに繋ぎ第1、第2のショルダベルトの一方の下端を1つのベルト巻取り装置に連結し他方の下端をアンカに連結した場合のベルト着用状態の車両用シートベルト装置の正面図である。 本発明の実施例1の変形例(完全バックルレスである場合)で、第1、第2のショルダベルトを帯体部位で一体に連結し、帯体の両端に固定した第1、第2のラップベルト部の下端をそれぞれ第1、第2のベルト巻取り装置に連結した、車両用シートベルト装置の正面図である。 本発明の実施例2(左右のショルダベルトの一方の下端のみにタングプレート、バックルを設け、他方の下端はバックルレスとした場合)の形態1(ラップベルト部を折り返さない形態)の、車両用シートベルト装置のベルト着用状態の正面図である。 本発明の実施例2の形態1の車両用シートベルト装置のベルト着用状態の車両内側から車両外側に向かって見た側面図である。 本発明の実施例2の形態1の車両用シートベルト装置のベルト未着用状態の正面図である。 本発明の実施例2の形態1の車両用シートベルト装置のベルト未着用状態の車両内側から車両外側に向かって見た側面図である。 本発明の実施例2(左右のショルダベルトの一方の下端のみにタングプレート、バックルを設け、他方の下端はバックルレスとした場合)の形態2(ラップベルト部を折り返す形態)の、車両用シートベルト装置のベルト着用状態の正面図である。 本発明の実施例2の形態2の車両用シートベルト装置のベルト着用状態の車両内側から車両外側に向かって見た側面図である。 本発明の実施例2の形態2の車両用シートベルト装置のベルト未着用状態の正面図である。 本発明の実施例2の形態2の車両用シートベルト装置のベルト未着用状態の車両内側から車両外側に向かって見た側面図である。 本発明の実施例2の形態2の車両用シートベルト装置のベルト下部の、ラップベルトが第2のベルト巻取り装置に連結され第2のショルダベルトがアンカに連結された場合の、ベルト着用状態の正面図である。 本発明の実施例2の形態2の車両用シートベルト装置のベルト下部の、ラップベルトと第2のショルダベルトが第2のベルト巻取り装置に連結された場合の、ベルト着用状態の正面図である。 (イ)は本発明の実施例3(完全バックルレスである場合でかつ胸部前方のベルト係止体が設けられている場合)の車両用シートベルト装置のベルト着用状態の正面図であり、(ロ)は(イ)のA部詳細1であり、(ハ)は(イ)のA部詳細2であり、(ニ)は(イ)のA部詳細3である。 本発明の実施例3の車両用シートベルト装置のベルト着用状態の車両内側から車両外側に向かって見た側面図である。 本発明の実施例3の車両用シートベルト装置のベルト着用状態の平面図である。 本発明の実施例3の車両用シートベルト装置のベルト未着用状態の正面図である。 本発明の実施例3の車両用シートベルト装置のベルト未着用状態の車両内側から車両外側に向かって見た側面図である。 本発明の実施例3の車両用シートベルト装置のベルト未着用状態の平面図である。 本発明の実施例4(完全バックルレスである場合)の第1の構成の車両用シートベルト装置のベルト着用状態の正面図である。 本発明の実施例4(完全バックルレスである場合)の第2の構成の車両用シートベルト装置のベルト着用状態の正面図である。 本発明の実施例4の第2の構成の車両用シートベルト装置の、車両衝突時に帯体が乗員胸部に持ち上がった状態の正面図である。
符号の説明
1 シート
1a シートバック
1b シートクッション
2 ルーフ
2a ルーフ内装部材
10 車両用シートベルト装置
11 第1のショルダベルト
12 第2のショルダベルト
13 第1のラップベルト部(第1のショルダベルトの一部)
14 第2のラップベルト部(第2のショルダベルトの一部)
15 ラップベルト
15a ラップベルトの余長部
20 第1のベルト巻取り装置(車両外側)
21 第1のベルト巻取り装置(車両内側)
22 第2のベルト巻取り装置(車両外側)
23 第2のベルト巻取り装置(車両内側)
24 ショルダアンカ(車両外側)
25 ショルダアンカ(車両内側)
26 ベルトガイド(車両外側)
27 ベルトガイド(車両内側)
28 アンカ(車両内側)
29 タングプレート
30 (バックル)
33 ウエビングまたはワイヤ
40 帯体(ラップ帯体)
40a ベルト挿通部(車両外側)
40b ベルト挿通部(車両内側)
40c 連結部
40d 折り曲げ部(車両外側)
40e 折り曲げ部(車両内側)
41 被保持手段
42 ガイド部
43 係止体
44 ショルダ帯体
45 ショルダ帯体
46 支持部
50 保持手段

Claims (7)

  1. ベルト着用時に上下に延びる左右一対のショルダベルトと、
    前記左右一対のショルダベルトの上端部に繋がる、ショルダベルトを上方に巻き取る第1のベルト巻取り装置、および/または、前記左右一対のショルダベルトの下端部に繋がる、ショルダベルトを下方に巻き取る第2のベルト巻取り装置、を含むベルト巻取り装置と、
    左右一対のショルダベルトを挿通させるベルト挿通部を有し、ベルト着用時に上方に凸のアーチ状をなす帯体と、
    車両のルーフに設けられベルト未着用時に前記帯体を車両のルーフに保持する保持手段と、
    を備え、
    前記帯体が持ち上げられた時にベルト未着用状態となり、前記帯体が乗員腰部、腹部、胸部の何れかの部位に下げられた時にベルト着用状態となる、車両用シートベルト装置。
  2. 前記帯体が持ち上げられベルト未着用状態となった時に、帯体は、帯体の車両外側端が車両内側端より車両後方に位置するように、車幅方向に対して傾けられて保持される請求項1記載の車両用シートベルト装置。
  3. 前記帯体が、左右一対のショルダベルトをそれぞれ摺動自在に挿通させる左右のベルト挿通部と該左右のベルト挿通部を繋ぐ左右に延びる連結部を有し、前記連結部の両端部に、左右一対のショルダベルトを該連結部の両端部から上下に離れるにつれて左右に遠ざかるように折り曲げる折り曲げ部を有し、
    前記左右一対のショルダベルトのうち前記折り曲げ部より下側部分と前記帯体はラップベルト部として働き、
    左右の前記ラップベルト部の少なくとも一方の下端部が第2の巻取り装置に繋がっている請求項1記載の車両用シートベルト装置。
  4. 前記帯体が、左右一対のショルダベルトをそれぞれ摺動自在に挿通させる左右のベルト挿通部と該左右のベルト挿通部を繋ぐ左右に延びる連結部を有し、前記連結部の両端部に、左右一対のショルダベルトを該連結部の両端部から上下に離れるにつれて左右に遠ざかるように折り曲げる折り曲げ部を有し、
    前記左右一対のショルダベルトのうち前記折り曲げ部より下側部分と前記帯体はラップベルト部として働き、
    左右のラップベルト部の一方の下端部は第2の巻取り装置に繋がっており、
    左右のラップベルト部の他方の下端部にはタングプレートが取り付けられており、該タングプレートはシート下部または車両フロアに設けられたバックルに着脱される請求項1記載の車両用シートベルト装置。
  5. 前記左右のラップベルト部のうち車両外側のラップベルト部は前記タングプレートに摺動可能に挿通されて車両内側に向かって折り返され、車両内側部でシート下部または車両フロアに連結されるか前記第2のベルト巻取り装置に接続される請求項4記載の車両用シートベルト装置。
  6. 左右一対のショルダベルトを、左右一対のベルトが近接した状態で、乗員の胸部中央でベルトに対して摺動可能に係止する係止体と、前記帯体の他に設けたラップベルトとを、さらに備えた請求項1記載の車両用シートベルト装置。
  7. 前記帯体の他にラップベルトをさらに備え、車両衝突時に、前記帯体と前記ラップベルトとは分離し、分離した前記帯体が乗員の胸部まで持ち上がるようになっている請求項1記載の車両用シートベルト装置。
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