JP2009274394A - 保護板 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示窓保護板として必要な透明性、飛散防止性、帯電防止性、耐擦傷性に優れた機能を有する保護板を提供する。
【解決手段】硬化性混合物の硬化塗膜層、飛散防止層、基材樹脂、帯電防止層及び硬化性混合物の硬化塗膜層が順次積層された保護板であって、前記帯電防止層がπ電子共役系導電性高分子を含有する保護板であり、また前記硬化塗膜層が紫外線によって硬化された硬化塗膜である保護板であり、さらに前記樹脂基材がアクリル樹脂から構成される基材である保護板。
【選択図】なし

Description

本発明は、ディスプレイの前面板等の用途に好適な、透明性、飛散防止性、帯電防止性、耐擦傷性に優れた板状等の形状の保護板に関する。
アクリル樹脂等の透明樹脂は、工業用資材、建築用資材等として広く使用されている。特に近年では、その透明性と耐衝撃性の点から、アクリル樹脂がCRTや液晶テレビ等の各種ディスプレイの前面板として使用されるに至っている。しかし、他の樹脂と同様に、アクリル樹脂はガラスと比較して柔らかいため、引掻き等による傷が発生し易い場合がある。また、アクリル樹脂は表面固有抵抗が高いため、静電気により埃がフィルム表面に付着し、透明性が低下し易い場合がある。さらに、外部からの衝撃により割れてしまい破片が飛び散ることがある。
耐擦傷性を向上する方法としては、多官能(メタ)アクリレート等の多官能性単量体を用い、架橋樹脂層を樹脂基材の表面に形成することが知られている。しかし、従来の架橋樹脂層は、帯電防止性を全く示さないか、不十分な場合が多い。
そこで、耐擦傷性に加えて、帯電防止性を付与する方法が提案されている。例えば、酸化錫を主成分とする導電性粉末を含有する塗膜層を積層する方法が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、酸化錫等の導電性粉末を含有する帯電防止層の場合、良好な耐擦傷性が得られるまで膜厚を厚くすると、導電性粉末による着色が発生する場合がある。
また、耐擦傷性と帯電防止性の両方を満足させる方法として薄膜化した帯電防止層を架橋樹脂層と樹脂基材の間に埋め込んで積層体を形成する方法も提案されている。例えば、酸化アンチモン微粒子を有する帯電防止層(透明導電膜)の上にハードコート層(被膜)を積層する方法が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、酸化アンチモン等の導電性粉末を含有する帯電防止層を積層した場合、該積層体に虹模様や白濁が観察され外観が不良となることがある。また、導電性粉末を含有する帯電防止層を連続的に形成することが出来ないため、生産性が低いという問題があった。
一方、帯電防止性を示すとともに、耐擦傷性に優れた表面層を有する樹脂積層体を、高い生産性で製造する方法が知られている。例えば、フィルム転写による樹脂成形体の製造方法が開示されている(特許文献3参照)。しかしながら、該方法で得られた成形体は、透明性が損なわれ易く、さらなる改良が求められている。
一方、アクリル樹脂基材に飛散防止性能を付与する方法が提案されている。例えば、アクリル樹脂層と耐衝撃性を有する樹脂層を共押出成型により積層体(車両用グレージング材)とする方法が提案されている。さらにその表面にプラズマCVD法にてハードコート層を形成する方法も提案されている。しかしながら、この積層体は、帯電防止性を全く示さないか、不十分な場合が多い(特許文献4参照)。
特開昭60−181177号公報 特開昭64−56538号公報 特開2003−326538号公報 特開平6−71826号公報
本発明の目的は、透明性、飛散防止性、帯電防止性、耐擦傷性に優れた板状等の形状の表示窓保護板を提供することにある。
本発明は、硬化性混合物の硬化塗膜層、飛散防止層、基材樹脂、帯電防止層及び硬化性混合物の硬化塗膜層が順次積層された保護板であって、前記帯電防止層がπ電子共役系導電性高分子を含有する保護板である。
また、上記の保護板に係る発明において、前記樹脂基材がアクリル樹脂から構成される基材であることや、前記π電子共役系導電性高分子が、チオフェンあるいはその誘導体を構成単位として含むことが好ましい実施形態である。
本発明によれば、保護板として必要な透明性、飛散防止性、帯電防止性、耐擦傷性に優れた機能を有する樹脂積層体を提供することができる。
本発明は、硬化性混合物の硬化塗膜層、飛散防止層、基材樹脂、帯電防止層及び硬化性混合物の硬化塗膜層が順次積層された保護板であって、前記帯電防止層がπ電子共役系導電性高分子を含有する保護板である。
まず、硬化塗膜層について説明する。
硬化塗膜層は、樹脂積層体表面の耐擦傷性を向上させるものであり、この耐擦傷性をもたらす各種の硬化性化合物からなる硬化性混合物を膜状に硬化させたものである。硬化性混合物としては、後述する紫外線硬化性混合物のようなラジカル重合系の硬化性化合物からなる硬化性混合物や、アルコキシシラン、アルキルアルコキシシランなど、熱重合系の硬化性化合物からなる硬化性混合物を挙げることができる。これらの硬化性化合物は、例えば、電子線、放射線、紫外線などの活性エネルギー線を照射することにより硬化するか、或いは加熱により硬化するものである。これらの硬化性化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、複数の硬化性を有する化合物を組み合わせて用いてもよい。場合によっては、ラジカル重合系の硬化性化合物と熱重合系の硬化性化合物とを組み合わせてもよい。なお、硬化性化合物単独で用いる場合も便宜的に「硬化性混合物」という。
本発明において、硬化塗膜層は紫外線によって硬化された硬化塗膜層であることが好ましい。以下、紫外線硬化性混合物を硬化させてなる硬化塗膜層を形成する工程について説明する。
紫外線硬化性混合物としては、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物、及び光開始剤からなる紫外線硬化性混合物を用いることが生産性の観点から好ましい。
例えば、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物としては、1モルの多価アルコールと2モル以上の(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物、多価アルコールと多価カルボン酸又はその無水物と(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物等が挙げられる。
前記の、1モルの多価アルコールと2モル以上の(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物の具体例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキルジオールのジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等の3官能以上のポリオールのポリ(メタ)アクリレート;などが挙げられる。
さらに、多価アルコールと多価カルボン酸又はその無水物と(メタ)アクリル酸又はその誘導体とから得られるエステル化物において、多価アルコールと多価カルボン酸又はその無水物と(メタ)アクリル酸の好ましい組合せとしては、例えば、マロン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セバシン
酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸等が挙げられる。これら各化合物の組み合わせから、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が得られる。
分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物のその他の例としては、トリメチロールプロパントルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネートの3量化により得られるポリイソシアネート1モル当たり、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、1,2,3−プロパントリオール−1,3−ジ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の活性水素を有するアクリル系モノマー3モル以上を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート又はトリ(メタ)アクリレート等のポリ[(メタ)アクリロイルオキシエチレン]イソシアヌレート;エポキシポリ(メタ)アクリレート;ウレタンポリ(メタ)アクリレート;などが挙げられる。ここで「(メタ)アクリ」とは、「メタクリ」又は「アクリ」を意味する。
光開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等のリン化合物;などが挙げられる。
光開始剤の添加量は、紫外線硬化性混合物100質量%中、紫外線照射による硬化性の観点から0.1質量%以上が好ましく、硬化塗膜層の良好な色調を維持する観点から10質量%以下が好ましい。また、前記光開始剤は2種類以上を併用してもよい。
硬化性混合物は、該硬化性混合物を含む硬化塗膜層形成用の塗料として使用することが好ましい。前記塗料には、必要に応じて、レベリング剤、導電性無機微粒子、導電性を有さない無機微粒子、光安定剤(紫外線吸収剤、HALS等)等の各種成分をさらに添加できる。積層体の透明性の観点から、その添加量は硬化性混合物100質量%中、10質量%以下が好ましい。
硬化塗膜層としては、その膜厚が1μm〜100μmであることが好ましい。かかる範囲においては、十分な表面硬度を有し外観も良好である。より好ましくは、1μm〜30μmである。
本発明で用いる飛散防止層は、樹脂基材が衝撃力を受けた際、該基材が破砕しその破片が飛散するのを防止するためのものであり、この飛散防止性能をもたらす飛散防止層は、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−トリアリルイソシアネート共重合体、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、シリコーン、ポリカーボネート、ポリアリレートから選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましい。
これらの樹脂の中では、透明性、飛散防止性能の観点から、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体がより好ましい。
上記飛散防止層には、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、蛍光剤、架橋剤等が添加されていても良い。
飛散防止層の膜厚としては、150μm〜1000μmであることが好ましい。かかる範囲においては、十分な飛散防止性能を有しかつ外観不良などが発生しない。
また、予め形成された飛散防止フィルムを飛散防止層として用いることができる。このような飛散防止フィルムは市販されており、例えば、積水化学工業(株)製商品名「エスレックフィルム」、ソルーシアジャパン(株)製商品名「セーフレックス」、オカダエンジニアリング(株)製商品名「Tecoflex」などが挙げられる。飛散防止フィルムは紫外線硬化性混合物が硬化する程度の紫外線透過性と、飛散防止性能を併せ持つことが好ましい。
本発明で用いる帯電防止層は、π電子共役系導電性高分子を含有する層からなる。
π電子共役系導電性高分子としては、アニリンあるいはその誘導体、ピロールあるいはその誘導体、イソチアナフテンあるいはその誘導体、アセチレンあるいはその誘導体、チオフェンあるいはその誘導体等を構成単位として含むことが好ましい。それらの中でも着色が少ない点から、チオフェンあるいはその誘導体を構成単位として含むことが好ましい。
チオフェンあるいはその誘導体を構成単位として含む導電性高分子としては、特に限定されないが市販のものが好適に使用可能である。例えば、スタルク社製バイトロンPシリーズ(商品名)、ナガセケムテックス製デナトロンP−502RG、P−502S、インスコンテック製コニソルF202、F205、F210、P810(以上、商品名)、信越ポリマー製CPS−AS−X03(商品名)等が挙げられる。
帯電防止層中に含有するπ電子共役系導電性高分子の配合量は、積層体の帯電防止性能を良好に発現させる観点から、帯電防止層中に10質量%以上90質量%以下であることが好ましく、10質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。
帯電防止層には、π電子共役系導電性高分子以外に、硬化塗膜層との密着性の向上、帯電防止層の塗膜強度の向上のために、他の樹脂成分を含有させることが好ましい。該他の樹脂成分として、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル樹脂、及びメラミン樹脂などが挙げられる。前記樹脂成分としては、硬化塗膜層との密着性や導電性ポリマーとの相溶性の観点から、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、あるいはポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂等のウレタン系の樹脂が好ましく、透明性や硬化塗膜層との密着性、柔軟性の観点から、ポリエステル樹脂がより好ましい。
帯電防止層中に含有する他の樹脂成分の配合量は、積層体の帯電防止性能を良好に発現させる観点から、帯電防止層中に10質量%以上90質量%以下であることが好ましく、30質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
帯電防止層には、帯電防止層と硬化塗膜層との密着性を向上させるために、界面活性剤を含有させることが好ましい。帯電防止層中に含有する界面活性剤の配合量は、帯電防止層の外観と密着性の観点から、帯電防止層100部に対して0.1質量部以上10質量部以下が好ましい。界面活性剤の含有量が少ない場合には、外観の向上の効果が不足する場合があり、逆に、界面活性剤の含有量が多い場合には硬化塗膜層との密着性が不良となる場合がある。
帯電防止層には、滑り性付与のための各種のフィラーや、色調調整のための顔料や色素を含有させてもよく、さらに分散剤、pH調整剤、防腐剤等を含有させても良い。
帯電防止層の厚みは、目的とする帯電防止性を達成すれば特に限定されないが、0.001μm以上10μm以下が好ましい。帯電防止層の厚みが0.001μm以上の場合には、帯電防止性が充分となる。また、帯電防止層の厚みが10μm以下の場合には、透明性が良好となる。より好ましくは、0.005μm以上5μm以下である。
樹脂基材としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、メタクリル酸メチル単位を主構成成分とする共重合体、ポリスチレン、スチレン−メチルメタクリレート共重合体の成形品が挙げられる。透明性、耐候性の観点から、ポリメチルメタクリレート、メタクリル酸メチル単位を主構成成分とする共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などのアクリル樹脂から構成される樹脂基材が好ましい。また、樹脂基材に着色剤や光拡散剤などを添加しても良い。樹脂積層体の厚みは、通常1mm〜15mm程度である。
また、この樹脂積層体には、必要に応じて、例えば硬化塗膜層の表面に反射防止層などの他の機能層を設けることもできる。例えば、反射防止層を形成する場合、市販の反射防止用塗料を樹脂基材に塗布、乾燥させて形成する方法(湿式法)、あるいは、蒸着法やスパッタリング法などの物理気相堆積法などが挙げられる。また、硬化塗膜層の表面は平坦でもマット状でも良い。また防汚膜をさらに積層してもよい。
本発明における樹脂基材への、帯電防止層、硬化塗膜層の積層方法としては、樹脂基材へ直接帯電防止層、硬化塗膜層を順次形成する方法、帯電防止層、硬化塗膜層が予め形成されたフィルムを用いて接着層を介して樹脂基材へ転写する方法、型に予め硬化塗膜層、帯電防止層(これらを併せて「帯電防止積層膜」と呼ぶことがある。)を形成した後、注型重合を行い、重合終了後、型から剥離する方法などが挙げられる。特に、転写フィルムにより型へ帯電防止積層膜を形成した後、注型重合を行い、重合終了後、型から剥離する方法が好ましい。
本発明における樹脂基材への、飛散防止層、硬化塗膜層の積層方法としては、樹脂基材へ直接飛散防止層、硬化塗膜層を順次形成する方法、飛散防止層、硬化塗膜層が予め形成されたフィルムを用いて接着層を介して樹脂基材へ転写する方法などが挙げられる。特に、型に予め硬化塗膜層、飛散防止層(以下、これらを併せて「飛散防止積層膜」と呼ぶことがある。)を形成した後、注型重合を行い、重合終了後、型から剥離する方法が好ましい。型への飛散防止積層膜の形成方法としては、前記硬化性混合物を含む塗料で形成した塗布層を介在させて前記のような飛散防止フィルムを型に貼り合わせて飛散防止層とし、前記硬化性混合物を硬化させて硬化塗膜層とする方法と、硬化塗膜層と、飛散防止層とを順次形成する方法とが挙げられる。
本発明により得られる保護板は、耐擦傷性、透明性、飛散防止性などの特徴により携帯電話等の携帯型情報端末の表示窓保護板として好適であるが、その他、デジタルカメラやハンディ型ビデオカメラなどのファインダー部、携帯型ゲーム機の表示窓保護板など、耐擦傷性、透明性、飛散防止性が要求される分野での各種部材としても使用できる。
例えば、本発明の保護板から、携帯型情報端末の表示窓保護板を作成するには、まず必要に応じ、印刷、穴あけ等の加工を行い、所望の大きさに切断すればよい。印刷工程において、静電気によりインクの飛び、ホコリ付着という静電気に由来する欠陥が発生することがあるため、帯電防止層が積層されている面へ印刷を行うことが好ましい。また、組み付け(セット)工程においては、印刷が施された帯電防止層側を携帯型情報端末の液晶面側に向けてセットすることが、セット時のホコリ付着に伴う歩留まり低下を抑制する観点で好ましい。しかる後に、耐擦傷性、透明性、帯電防止性、飛散防止性などを兼ね備えた表示窓とすることができる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。ここで、実施例、比較例で使用した化合物の略称は以下の通りである。
「MMA」:メタクリル酸メチル
「AIBN」:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
「C6DA」:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
「TAS」:コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合混合物(大阪有機化学工業(株)製)
「BEE」:ベンゾインエチルエーテル(精工化学(株)製)
「IRGACURE184」:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(チバ・ジャパン(株)製)
「IRGACURE819」:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・ジャパン(株)製)
「エスレッククリアーフィルム」:飛散防止フィルム(積水化学工業(株)製)
「セーフレックスRB41」:飛散防止フィルム(ソルーシアジャパン(株)製)
「セーフレックスDS31」:飛散防止フィルム(ソルーシアジャパン(株)製)
「セーフレックスAG21」:飛散防止フィルム(ソルーシアジャパン(株)製)
「Tecoflex」:飛散防止フィルム(オカダエンジニアリング(株)製)
「ビュートバーB74」:ポリビニルブチラール粉末(ソルーシアジャパン(株)製)
「ビュートバーB76」:ポリビニルブチラール粉末(ソルーシアジャパン(株)製)
「アクリライトL001」:ポリメチルメタクリレート板(三菱レイヨン(株)製)。
なお、実施例における物性の評価は下記の方法に基づいて行った。
<全光線透過率及びヘーズ>
日本電色製HAZE METER NDH2000(商品名)を用いてJIS K7136に示される測定法に準拠して、全光線透過率及びヘーズを測定した。
<耐擦傷性>
擦傷試験の前後におけるヘーズの変化(△ヘーズ)をもって評価した。即ち、#000のスチールウールを装着した直径25.4mmの円形パッドを積層体の硬化塗膜層表面上に置き、9.8Nの荷重下で、20mmの距離を100回往復擦傷し、擦傷前と擦傷後のヘーズ値の差を下式(1)より求めた。なお、帯電防止積層膜、飛散防止積層膜、それぞれに積層されている硬化塗膜層の評価を行った。
[△ヘーズ(%)]=[擦傷後ヘーズ値(%)]−[擦傷前ヘーズ値(%)]・・(1)
<飛散防止性能>
JIS K 7211−1に準じ落錘試験にて1kgの錘を高さ150mmから落下させ積層体の割れた破片が飛び散るかどうか評価した。なお、帯電防止積層膜、飛散防止積層膜それぞれを上向きにセッティングして、両方の面へ錘を落下させて評価した。
○:割れるが破片の飛び散りはない。
×:割れて破片が飛び散る。
<樹脂積層体の表面抵抗値>
超絶縁抵抗計(TOA製、商品名:ULTRA MEGOHMMETER MODEL SM−10E)を使用し、測定温度23℃、50%相対湿度の条件で、樹脂積層体の帯電防止積層膜側について印加電圧500Vで1分後の表面抵抗値(Ω/□)を測定した。測定用の試料としては、予め23℃、50%相対湿度で1日間調湿したものを用いた。
<灰付着性試験>
樹脂積層体の帯電防止積層膜を有する面を乾いた面布で10回摩擦した後、帯電防止積層膜を有する面を、平面上のたばこの灰に一定の距離を隔てて近づけた際の、灰の付着性の評価を行った。
○:10mmの距離まで近づけても灰が付着しない。
△:50mmから10mmまで近づけた時、その途中で灰が付着する。
×:50mmの距離で灰が付着する。
<エッジライト試験>
積層体を短辺10cm、長辺20cmに切断し、暗室にて片短辺側より30Wの蛍光灯の光を入射させ、積層体の面を目視で観察した。
○:異常なし。
×:輝点や濁りが認められる。
<干渉模様>
暗室にて100Wの白熱電球の光を上部20cmの位置から積層体に照射し、干渉模様が目視確認できるか否かを判断した。
○:干渉模様確認できず。
×:干渉模様確認できる。
<異物による外観欠陥の評価>
後述する方法により得られた樹脂積層体中の異物数をカウントした。
○:異物なし。
×:異物が無数に認められる。
[実施例1]
(帯電防止層形成用の帯電防止塗料1の作成)
インスコンテック製コニソルF205 10質量部、イソプロピルアルコール60質量部、水30質量部を混合し帯電防止塗料1を得た。
(転写フィルムの作成)
東洋紡製剥離層付25μm厚のPETフィルム(TN100)の剥離層の上に帯電防止塗料1をバーコーダーを用いて乾燥後の膜厚が50nmとなるように塗布し、80℃で10分乾燥し帯電防止層を有する転写フィルムを得た。なお、帯電防止層の厚みは、乾燥前の塗布重量及び面積からウェット状態の膜厚を求め、その値にコニソルF205の固形分(アクリル樹脂成分含有)濃度2.2質量%を乗じて算出した。
(帯電防止積層膜の作成)
1枚の型となるステンレス(SUS304)板上に、TAS50質量部、C6DA50質量部、BEE1.5質量部からなる紫外線硬化性混合物からなる塗料を塗布した。
紫外線硬化性混合物を含む塗膜上に、前記転写フィルムの帯電防止層側を型側に向けて前記転写フィルムを重ね、JIS硬度40°のゴムロールを用い、紫外線硬化性混合物を含む塗膜の厚みが15μmとなるように過剰な塗料をしごき出しながら、気泡を含まないように圧着させた。尚、紫外線硬化性混合物を含む塗膜の厚みは、この紫外線硬化性混合物を含む塗料の供給量および展開面積から算出した。次いで、10秒経過後、前記転写フィルムを介して出力40Wの蛍光紫外線ランプ(東芝(株)製、商品名:FL40BL)の下20cmの位置を0.3m/minのスピードで通過させて、紫外線硬化性混合物の硬化を行った。
その後、前記転写フィルムを剥離すると、帯電防止層は全て、硬化塗膜層へ転写していた。次いで、ステンレス板の前記帯電防止積層膜のある面を上にして、出力9.6kWの高圧水銀灯の下20cmの位置を3.0m/minのスピードで通過させて、硬化塗膜層をさらに硬化させ、膜厚が13μmの帯電防止積層膜を得た。尚、帯電防止積層膜の膜厚は、得られた製品の断面の微分干渉顕微鏡写真から測定して求めた。
(飛散防止積層膜の作成)
ステンレス(SUS304)板上に、TAS50質量部、C6DA50質量部、BEE1.5質量部からなる紫外線硬化性混合物を含む塗料を塗布した。
ステンレス板に形成させた紫外線硬化性混合物を含む塗膜上に、飛散防止フィルムとして膜厚500μmのエスレッククリアーフィルムを重ね、JIS硬度40°のゴムロールを用い、紫外線硬化性混合物を含む塗膜の厚みが15μmとなるように過剰な塗料をしごき出しながら、気泡を含まないように圧着させた。尚、紫外線硬化性混合物を含む塗膜の厚みは、この紫外線硬化性混合物を含む塗料の供給量及び展開面積から算出した。
次いで、エスレッククリアーフィルムを介して出力9.6kWの高圧水銀灯の下20cmの位置を3.0m/minのスピードで通過させて、塗膜層を硬化させ、膜厚が13μmの硬化塗膜層を得た。飛散防止積層膜の膜厚は513μmであった。尚、硬化塗膜層及び、飛散防止積層膜の膜厚は、得られた製品の断面の微分干渉顕微鏡写真から測定して求めた。
(樹脂積層体の作成)
このようにして形成した飛散防止積層膜、帯電防止積層膜をそれぞれ有するステンレス板を1枚づつ用意しそれぞれの積層膜が内側になるように対向させ、周囲を軟質ポリ塩化ビニル製のガスケットで封じ、注型重合用の鋳型を作製した(面積300×300mm)。この鋳型内に、重量平均分子量220000のMMA重合物20質量部とMMA単量体80質量部の混合物100質量部、AIBN0.05質量部、ジオクチルスルフォサクシネートのナトリウム塩0.005質量部からなる樹脂原料を注入し、対向するステンレス板の間隔を2.5mmに調整し、80℃の水浴中で1時間、次いで130℃の空気炉で1時間重合した。その後、冷却して、ステンレス板から、得られた樹脂板を剥離することにより、片面に飛散防止積層膜、すなわち表面に硬化塗膜層を、内部に飛散防止層を有し、もう一方の面に帯電防止積層膜、すなわち表面に硬化塗膜層を、内部に帯電防止層を有する板厚2mmのアクリル樹脂積層体を得た。
得られたアクリル樹脂積層体の全光線透過率は92%、ヘーズは1.2%であり、透明性に優れていた。さらに、異物による外観欠陥、干渉模様も無く、良好な外観を有するものであった。エッジライト試験でも異常は見られなかった。また、表面抵抗値は4×1013Ω/□であり、灰付着性試験を行った結果、灰は樹脂板表面に付着しなかった。
さらに、飛散防止性能を評価した結果、割れた破片の飛散はなかった。帯電防止積層膜及び飛散防止積層膜の擦傷後のヘーズ増分は0.0%であり、飛散防止性能、耐擦傷性に優れるものであった。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、飛散防止フィルムとして膜厚760μmのセーフレックスRB41を用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂積層体を作製した。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、飛散防止フィルムとして膜厚630μmのセーフレックスDS31を用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂積層体を作製した。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、飛散防止フィルムとして膜厚510μmのセーフレックスAG21を用いたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂積層体を作製した。結果を表1に示す。
[実施例5]
型となるステンレス(SUS304)板上に、TAS50質量部、C6DA50質量部、IRGACURE184を4質量部、IRGACURE819を0.2質量部からなる紫外線硬化性混合物からなる塗料をバーコーターを用いて塗膜の厚みが15μmとなるように塗布した。尚、紫外線硬化性混合物を含む塗膜の厚みは、この紫外線硬化性混合物を含む塗料の供給量及び展開面積から算出した。次いで、空気下で出力9.6kWの高圧水銀灯の下10cmの位置を2m/minのスピードで通過させて、硬化塗膜層を硬化させ、膜厚が13μmの硬化塗膜層を得た。尚、硬化塗膜層の膜厚は、得られた製品の断面の微分干渉顕微鏡写真から測定して求めた。
次いで、エスレッククリアーフィルムをテトラヒドロフラン(THF)へ溶解し5質量%溶液を作成した。その後、該硬化塗膜層の上にTHF溶液をバーコーターを用いて塗布し、80℃の条件下で10分乾燥し飛散防止層を形成した。この作業を乾燥後の飛散防止層の膜厚が300μmとなるまで繰り返した。尚、飛散防止層の厚みは、飛散防止層の比重を1g/mLと仮定し塗布面積から概算で算出した。その後、得られた製品の断面の微分干渉顕微鏡写真から、飛散防止層の厚みが300μm、硬化塗膜層の膜厚が13μmである、合計膜厚313μmの飛散防止積層膜であることを確認した。
このようにして飛散防止積層膜を形成した後、実施例1と同様して、樹脂積層体を作製した。結果を表1に示す。
なお、本実施例及び以下の実施例において、便宜上、市販の飛散防止フィルムを用いてTHF溶液を調製したが、通常の製造の際は、相当する樹脂原料を用いて塗布溶液を調製或いは樹脂溶融物を流下するなどして飛散防止層が製造し得ることは明らかである。
[実施例6]
実施例5において、THF溶液としてセーフレックスRB41の5質量%溶液を用いたこと以外は実施例5と同様にして、樹脂積層体を作製した。結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例5において、THF溶液としてセーフレックスDS31の7質量%溶液を用いたこと以外は実施例5と同様にして、樹脂積層体を作製した。結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例5において、THF溶液としてセーフレックスAG21の5質量%溶液を用いたこと以外は実施例5と同様にして、樹脂積層体を作製した。結果を表1に示す。
[実施例9]
実施例5において、THF溶液としてTecoflexの10質量%溶液を用いたこと以外は実施例5と同様にして、樹脂積層体を作製した。結果を表1に示す。
[実施例10]
実施例5において、THF溶液としてビュートバーB74の5質量%溶液を用いたこと以外は実施例5と同様にして、樹脂積層体を作製した。結果を表1に示す。
[実施例11]
実施例5において、THF溶液としてビュートバーB76の10質量%溶液を用いたこと以外は実施例5と同様にして、樹脂積層体を作製した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例5において、飛散防止層を形成しなかったこと以外は、実施例5と同様にして樹脂積層体を形成した。得られたアクリル樹脂積層体の全光線透過率は92%、ヘーズは0.2%であり、透明性に優れていた。さらに、異物による外観欠陥、干渉模様も無く、良好な外観を有するものであった。エッジライト試験でも異常は見られなかった。また、表面抵抗値は4×1013Ω/□であり、灰付着性試験を行った結果、灰は樹脂板表面に付着しなかった。しかしながら、飛散防止性能を評価した結果、割れた破片の飛散が見られた。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において、帯電防止層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして樹脂積層体を形成した。表面抵抗値は4×1016Ω/□であり、灰付着性試験を行った結果、灰は樹脂板表面に付着した。結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1において、ステンレス(SUS304)上へ帯電防止積層膜、飛散防止積層膜何れも形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして樹脂を形成した。表面抵抗値は4×1016Ω/□であり、灰付着性試験を行った結果、灰は樹脂板表面に付着した。また飛散防止性能を評価した結果割れた破片の飛散が見られた。さらに、擦傷後のヘーズ増分は10%であり、耐擦傷性も不良であった。結果を表1に示す。
[比較例4]
下記の質量比で混合し、次いで、公称ろ過精度1μmのフィルターで凝集物等を除去して帯電防止層形成用塗布液2を調製した。
・イソプロピルアルコール 82.0質量%
・トリエチルアミン 1.0質量%
・アクリル樹脂 10.0質量%
(三菱レイヨン製、商品名:ダイヤナールBR80)
・酸化錫微粒子 7.0質量%
(石原産業製、商品名:FSS−10M)
帯電防止層形成用塗布液2を用いて帯電防止層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂積層体を作製した。干渉模様による斑が所々に見られること、エッジライト試験では帯電防止層において光散乱のため白っぽく濁って見えることから外観的に劣るものであった。結果を表1に示す。
本発明の保護板は、CRT、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、プロジェクションテレビ等の各種ディスプレイの前面板、及び携帯電話、携帯ミュージックプレイヤー、モバイルパソコンなどの情報端末の情報表示部前面板等に好適に使用できる。

Claims (5)

  1. 硬化性混合物の硬化塗膜層、飛散防止層、基材樹脂、帯電防止層及び硬化性混合物の硬化塗膜層が順次積層された保護板であって、前記帯電防止層がπ電子共役系導電性高分子を含有する保護板。
  2. 前記硬化塗膜層が紫外線によって硬化された硬化塗膜層である請求項1に記載の保護板。
  3. 前記樹脂基材がアクリル樹脂から構成される基材である請求項1または2に記載の保護板。
  4. 前記π電子共役系導電性高分子がチオフェンあるいはその誘導体を構成単位として含む請求項1〜3のいずれかに記載の保護板。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の保護板を前面板として有する表示装置。
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