JP2009274281A - 液体噴射装置および液体噴射方法 - Google Patents

液体噴射装置および液体噴射方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、リフィル遅延や動力不足による液体の噴射不良を回避することが可能な技術を提供する。
【解決手段】プリンタ10は、ラスタ領域910を複数の主走査に分割して形成するか否かを判断し(ステップS602)、ラスタ領域910を複数の主走査に分割して形成する場合に、複数の主走査に分割して形成されるラスタ領域910をラスタ912単位に分割(ステップS710)する分割走査部330を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体を噴射する液体噴射装置に関し、特に、液体を噴射する複数のノズルを備える液体噴射装置に関する。
液体噴射装置の代表的なものとしては、例えば、紙やプラスチックなどの薄板状の記録媒体に対してインク滴を噴射して文字や図形を記録するインクジェット式プリンタがある。その他、液体噴射装置としては、液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ,有機EL(Electro Luminescence) ディスプレイ,面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)などを製造するディスプレイ製造装置において、色材や電極等を形成する液体状の各種材料を画素形成領域や電極形成領域に噴射するものがある。
液体噴射装置においては、ノズルから噴射される液体の噴射量に対して、液体供給部からノズルに供給される液体の供給量が少ない場合、すなわち、液体のリフィル速度が遅い場合、ノズルにおいて液体の噴射不良が発生してしまうという問題があった。また、ノズルから液体を噴射させる機構を駆動する動力負荷が、動力の供給量が少ない場合においても、ノズルにおいて液体の噴射不良が発生してしまうという問題があった。リフィル遅延への措置として、下記特許文献1には、インクジェット式プリンタにおいて、リフィル速度に影響を与える記録ヘッドの温度に基づいて、ドット形成を制御する技術が開示されている。
特開2004−66550号公報
しかしながら、従来、リフィル遅延や動力不足への対応について十分な検討がなされていなかった。特に、リフィル遅延や動力不足への対応を施した場合におけるドット形成と、通常のドット形成との品質のバラつきについて十分な検討がなされていなかった。
本発明は、上記した課題を踏まえ、リフィル遅延や動力不足による液体の噴射不良を回避することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 適用例1の液体噴射装置は、液体を噴射対象物に噴射する液体噴射装置であって、前記液体を噴射する複数のノズルを並べたノズル列を有し、前記複数のノズルから噴射された液体を、前記ノズル列に沿って並ぶノズル列単位の噴射ドットとして前記噴射対象物に形成するヘッドユニットと、前記噴射対象物に対して相対的に前記ヘッドユニットを前記ノズル列に交差する主走査方向へ移動させるヘッド走査を行うことによって、前記ノズル列単位の噴射ドットが前記主走査方向に複数並ぶラスタ領域を前記噴射対象物に形成する制御部と、前記ラスタ領域を複数のヘッド走査に分割して形成するか否かを判断する分割判断部と、前記ラスタ領域を複数のヘッド走査に分割して形成すると前記分割判断部が判断した場合に、前記複数のヘッド走査に分割して形成されるラスタ領域を、該ラスタ領域において前記噴射ドットが前記主走査方向に一列に並ぶラスタを単位に分割するラスタ分割部とを備えることを特徴とする。適用例1の液体噴射装置によれば、リフィル遅延や動力不足による液体の噴射不良を起こす可能性がある場合に、ラスタ領域をラスタ単位で複数のヘッド走査に分割して形成するため、一回のヘッド走査で噴射ドットを形成した部位と、複数のヘッド走査で噴射ドットを形成した部位との差異を抑制することができる。
[適用例2] 適用例1の液体噴射装置において、前記ラスタ分割部は、前記複数のヘッド走査に分割して形成されるラスタ領域を、隣接する二つ以上のラスタおきに交互に分割するとしても良い。これによって、異なるヘッド走査による噴射ドット同士が隣接する境界が減少するため、一回のヘッド走査で噴射ドットを形成した部位と、複数のヘッド走査で噴射ドットを形成した部位との差異を抑制することができる。
[適用例3] 適用例1の液体噴射装置において、前記ラスタ分割部は、前記複数のヘッド走査に分割して形成されるラスタ領域を、一つのラスタおきに交互に分割するとしても良い。これによって、異なるヘッド走査による噴射ドット同士が隣接する境界が均一になるため、一回のヘッド走査で噴射ドットを形成した部位と、複数のヘッド走査で噴射ドットを形成した部位との差異を抑制することができる。
[適用例4] 適用例1ないし適用例3のいずれかの液体噴射装置において、前記分割判断部は、第1の態様で前記液体が噴射される場合、前記ラスタ領域を複数のヘッド走査に分割して形成するか否かを判断し、前記第1の態様よりも前記液体の噴射頻度が低い第2の態様で前記液体が噴射される場合、前記ラスタ領域を複数のヘッド走査に分割して形成するか否かを判断しないとしても良い。適用例4の液体噴射装置によれば、液体の噴射頻度が低い第2の態様では、液体のリフィルが間に合わなくなる可能性が低いことから、分割判断部による処理や、ラスタ分割処理を省くことによって、液体噴射処理における処理負荷を軽減することができる。
[適用例5] 適用例4の液体噴射方法は、制御装置を用いて、液体を噴射対象物に噴射する液体噴射方法であって、制御装置が備える噴射制御手段が、前記液体を噴射する複数のノズルを並べたノズル列を有するヘッドユニットを制御することによって、前記複数のノズルから噴射された液体を、前記ノズル列に沿って並ぶノズル列単位の噴射ドットとして前記噴射対象物に形成する工程と、制御装置が備える走査制御手段が、前記噴射対象物に対して相対的に前記ヘッドユニットを前記ノズル列に交差する主走査方向へ移動させるヘッド走査を行うことによって、前記ノズル列単位の噴射ドットを前記主走査方向に複数並べたラスタ領域を、前記噴射対象物に形成する工程と、制御装置が備える分割判断手段が、前記ラスタ領域を複数のヘッド走査に分割して形成するか否かを判断する工程と、制御装置が備えるラスタ分割手段が、前記ラスタ領域を複数のヘッド走査に分割して形成すると前記分割判断手段が判断した場合に、前記複数のヘッド走査に分割して形成されるラスタ領域を、該ラスタ領域において前記噴射ドットが前記主走査方向に一列に並ぶラスタを単位に分割する工程とを備えることを特徴とする。適用例4の液体噴射方法によれば、リフィル遅延や動力不足による液体の噴射不良を起こす可能性がある場合に、ラスタ領域をラスタ単位で複数のヘッド走査に分割して形成するため、一回のヘッド走査で噴射ドットを形成した部位と、複数のヘッド走査で噴射ドットを形成した部位との差異を抑制することができる。なお、制御装置は、液体噴射装置の一部として構成されても良いし、液体噴射装置と別体に構成されても良い。
本発明の形態は、液体噴射装置に限るものではなく、例えば、液体噴射装置の制御方法、液体噴射装置を制御する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムなどの他の形態に適用することもできる。また、本発明は、前述の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
以上説明した本発明の構成および作用を一層明らかにするために、以下本発明を適用した液体噴射装置について説明する。なお、本実施形態では、液体噴射装置の一形態である画像記録装置に代表されるインクジェット式プリンタを例に挙げて説明する。
A.第1実施例:
A1.プリンタの構成:
図1は、プリンタ10の外観構成を主に示す説明図である。プリンタ10は、紙やラベルなどの印刷媒体900にインク滴を噴射して文字や画像などのデータを印刷するインクジェット式プリンタである。本実施例では、プリンタ10は、いわゆる複合機としてスキャナやコピーなどの各種機能を有する。
プリンタ10は、カードスロット140と、通信コネクタ150とを備える。プリンタ10のカードスロット140は、フラッシュメモリや小型ハードディスクなどの記憶媒体を内蔵するメモリカード810とデータをやり取り可能に接続するインタフェースである。プリンタ10の通信コネクタ150は、パーソナルコンピュータやデジタルスチルカメラ,デジタルビデオカメラなどの外部機器820とデータをやり取り可能に接続するインタフェースである。本実施例では、プリンタ10は、通信コネクタ150に接続された外部機器820からの印刷要求に基づいて印刷する機能に加え、カードスロット140に接続されたメモリカード810や通信コネクタ150に接続された外部機器820に記憶されている画像データを印刷する機能を有する。
プリンタ10は、更に、スキャナ部130と、ディスプレイ160と、操作パネル170とを備える。プリンタ10のスキャナ部130は、原稿台に載置された原稿を読み取ってデジタルデータに変換(スキャン、scan)する。プリンタ10のディスプレイ160は、プリンタ10のユーザに向けて文字や画像を表示する。プリンタ10の操作パネル170は、プリンタ10のユーザからの指示入力を受け付ける。
図2は、プリンタ10の内部構成を主に示す説明図である。プリンタ10は、図1で説明したカードスロット140や通信コネクタ150などの他、更に、プリンタ10の各部を制御する制御装置であるメイン制御部110と、印刷媒体900への印刷を実行する印刷機構部120とを備える。
プリンタ10の印刷機構部120は、図2に示すように、キャリッジ200と、ヘッドユニット210と、キャリッジ駆動部240と、搬送部250とを備える。印刷機構部120のキャリッジ駆動部240は、印刷媒体900の上方で、キャリッジ200を主走査(ヘッド走査)方向に駆動する。印刷機構部120の搬送部250は、キャリッジ200が移動する主走査方向に交差する副走査方向に、印刷媒体900を搬送する。
印刷機構部120のキャリッジ200は、ヘッドユニット210を保持すると共に、インクカートリッジ220,230を搭載する。キャリッジ200に搭載されたインクカートリッジ220,230は、ヘッドユニット210にインクを供給する液体供給部として機能する。インクカートリッジ220は、ブラックのインクを収容する。インクカートリッジ230は、シアン,ライトシアン,マゼンダ,ライトマゼンダ,イエロの5色のインクを収容する。
印刷機構部120のヘッドユニット210は、ブラック,シアン,ライトシアン,マゼンダ,ライトマゼンダ,イエロの各色のインク毎に計6個の噴射ヘッド211,212,213,214,215,216を備える。噴射ヘッド211〜216の各々は、それぞれ対応する色のインクを噴射する。印刷媒体900への印刷は、印刷機構部120の噴射ヘッド211〜216,キャリッジ駆動部240,搬送部250の各部が、メイン制御部110の指示に基づいて協働することによって実現される。
図3は、プリンタ10における噴射ヘッド211の配置構成を模式的に示す説明図である。噴射ヘッド211は、インクカートリッジ220から共通して供給されるインクを噴射する複数のノズル2110を並べたノズル列を有する。これら複数のノズル2110の各々に対応するピエゾ素子(図示しない)の電圧調整によって噴射および噴射停止が制御される。本実施例では、ノズル2110は、大ドット,中ドット,小ドットの三種類の大きさで噴射ドットを形成することができる。
図3では、噴射ヘッド211におけるノズル2110の配置構成を印刷媒体900に投影した様子が示されている。本実施例では、噴射ヘッド211は、複数のノズル2110を並べたA列,B列,C列から成る三つのノズル列を並列に有する。本実施例では、主走査方向に向かう方からA列,B列,C列が順に並び、A列とB列とは、主走査方向に40ショットすなわち40ドット離れており、B列とC列とは、104ショット分すなわち104ドット離れている。
A列,B列,C列の三つのノズル列には、それぞれ等間隔で複数のノズル2110が形成されている。A列,B列,C列の三つのノズル列は、ノズル2110の間隔を三分の一にした距離ずつ列方向にずらして配列されている。これによって、A列,B列,C列の三つのノズル列における複数のノズル2110を一直線上に並べたノズル列が仮想的に形成される。本実施例では、A列,B列,C列の三つのノズル列には、1080ディーピーアイ(Dots Per Inch、以下「dpi」と表記)の間隔で複数のノズル2110がそれぞれ形成され、A列,B列,C列の三つのノズル列は、360dpiずつ列方向にずらして配列されている。本実施例では、A列,B列,C列の三つのノズル列は、それぞれ128個のノズル2110を有し、これによって、合計384個のノズル2110を一直線上に並べたノズル列が仮想的に形成される。
複数のノズル2110から噴射されたインクは、ノズル列に沿って並ぶノズル列単位の噴射ドットとして印刷媒体900に形成される。本実施例では、A列,B列,C列の三つのノズル列における複数のノズル2110から噴射された384個の噴射ドットがノズル列単位の噴射ドットとして形成される。ノズル列単位の噴射ドットを主走査方向にずらして順次形成することによって、ノズル列単位の噴射ドットが主走査方向に複数並ぶラスタ領域が印刷媒体900に形成される。本実施例では、シアン,ライトシアン,マゼンダ,ライトマゼンダ,イエロの各色のインクにそれぞれ対応する噴射ヘッド212,213,214,215,216における配置構成は、図3に示すブラックのインクに対応する噴射ヘッド211ののうちA列の配置構成と同様である。本実施例では、各色インクを用いて印刷するカラー印刷モードでは、ブラックインクを噴射するA列,B列,C列の三つのノズル列のうちA列のみを用いて印刷が実施され、ブラックインクを主に用いて印刷するモノクロ印刷モードでは、ブラックインクを噴射するA列,B列,C列の三つのノズル列を用いて印刷が実施される。
図4は、A列およびB列によってノズル列単位の噴射ドットが形成される様子を示す説明図である。図4には、一回の主走査で形成されるラスタ領域910が白丸および黒丸で模式的に表現されている。図4では、黒丸は、図4における噴射ヘッド211の位置で形成される噴射ドットの位置を示し、白丸は、噴射ヘッド211が別の位置にある場合に形成される噴射ドットを示す。ラスタ領域910は、噴射ドットが主走査方向に一列に並ぶ複数のラスタ912で構成される。本実施例では、384個のノズル2110に対応する384個のラスタ912がラスタ領域910に形成される。図4では、ラスタ領域910は、紙送り方向に「N」個の噴射ドットを有し、主走査方向に「L」個の噴射ドットを有し、合計「N×L」個の噴射ドットを有する。図4では、B列の列位置「i」が「1≦i≦104」の場合、すなわち、B列が第1列から第104列までの場合におけるノズル列単位の噴射ドットが形成される様子が示されている。この場合、A列およびB列において噴射ドットの形成が実施され、C列ではインク噴射は停止される。
図5は、A列,B列,C列によってノズル列単位の噴射ドットが形成される様子を示す説明図である。図5におけるラスタ領域910は、図4と同様の形式で表現されている。図5では、B列の列位置「i」が「105≦i≦(L−40)」の場合、すなわち、B列が第105列から第(L−40)列までの場合におけるノズル列単位の噴射ドットが形成される様子が示されている。この場合、A列,B列,C列の全ノズル列において噴射ドットの形成が実施される。
図6は、B列およびC列によってノズル列単位の噴射ドットが形成される様子を示す説明図である。図6におけるラスタ領域910は、図4と同様の形式で表現されている。図6では、B列の列位置「i」が「(L−39)≦i≦L」の場合、すなわち、B列が第(L−39)列から第L列までの場合におけるノズル列単位の噴射ドットが形成される様子が示されている。この場合、B列およびC列の全ノズル列において噴射ドットの形成が実施され、A列ではインク噴射は停止される。
図2の説明に戻り、プリンタ10のメイン制御部110は、印刷データ取得部310と、印刷制御部370と、噴射量算出部320と、分割走査部330とを備える。メイン制御部110の印刷データ取得部310は、カードスロット140に接続されたメモリカード810や、通信コネクタ150に接続された外部機器820から印刷データを取得する。
メイン制御部110の印刷制御部370は、印刷データを印刷するように印刷機構部120に指示する。印刷制御部370は、噴射制御部372と、走査制御部374とを備える。印刷制御部370の噴射制御部372は、印刷データ取得部310で取得された印刷データに基づくノズル列単位の噴射ドットが印刷媒体900に形成されるようにヘッドユニット210を制御する。印刷制御部370の走査制御部374は、印刷データ取得部310で取得された印刷データに基づくラスタ領域910が印刷媒体900に形成されるようにキャリッジ駆動部240および搬送部250を制御する。
メイン制御部110の噴射量算出部320は、ラスタ領域910を構成するノズル列単位の噴射ドット毎に、そのノズル列単位の噴射ドットを形成するのに必要なインクの噴射量を算出する。メイン制御部110の分割走査部330は、分割判断部およびラスタ分割部として動作し、噴射量算出部320によって算出された噴射量をノズル列単位の噴射ドットが形成される順に並べた噴射量の推移変化に応じて、ラスタ領域910を複数の主走査に分割して形成する。
本実施例では、プリンタ10のメイン制御部110は、セントラルプロセッシングユニット(Central Processing Unit、以下、CPUという),リードオンリメモリ(Read Only Memory、以下、ROMという),ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、以下、RAMという)などのハードウェアを有するASIC(Application Specific Integrated Circuits)を備える。本実施例では、メイン制御部110には、印刷データ取得部310、印刷制御部370、噴射量算出部320、分割走査部330の各機能を実現させるためのソフトウェアがインストールされている。メイン制御部110の動作についての詳細は後述する。
A2.プリンタの動作:
A2−1.画像印刷処理:
図7は、プリンタ10のメイン制御部110によって実行される画像印刷処理(ステップS10)を示すフローチャートである。本実施例では、通信コネクタ150に接続された外部機器820からの印刷要求が受け付けられた場合や、カードスロット140に接続されたメモリカード810や通信コネクタ150に接続された外部機器820に記憶されている画像データの印刷要求がプリンタ10のユーザから操作パネル170を介して受け付けられた場合に、プリンタ10のメイン制御部110は、画像印刷処理(ステップS10)を開始する。本実施例では、画像印刷処理(ステップS10)は、ブラックインクを主に用いて印刷するモノクロ印刷モードにおいて実行される。本実施例では、画像印刷処理(ステップS10)は、メイン制御部110のCPUがソフトウェアに基づいて動作することによって実現されるが、他の実施形態として、メイン制御部110の電子回路がその物理的な回路構成に基づいて動作することによって実現されても良い。
プリンタ10のメイン制御部110は、画像印刷処理(ステップS10)を開始すると、印刷データ取得部310として動作することによって、印刷データ取得処理(ステップS100)を実行する。印刷データ取得処理(ステップS100)において、メイン制御部110は、カードスロット140や通信コネクタ150を通じて印刷データを取得する。その後、メイン制御部110は、印刷データ取得処理(ステップS100)で取得された印刷データに基づいて、一回の主走査分の印刷データを準備する(ステップS202)。
一回の主走査分の印刷データが準備された後(ステップS202)、メイン制御部110は、列番号iを「1」に設定すると共に、ノズル列単位の噴射ドットに必要とされるインク噴射量の推移変化を評価するための評価値Cを「0」に設定する(ステップS204)。その後、メイン制御部110は、一回の主走査分の印刷データにおいて、インク噴射量の推移変化に連続性があるか否かを評価する連続性評価処理を実行する(ステップS300)。連続性評価処理(ステップS300)の詳細については後述する。
連続性評価処理(ステップS300)においてインク噴射量の推移変化に連続性があると判定された場合(ステップS402:「YES」)、メイン制御部110は、補給性評価処理を実行する(ステップS500)。補給性評価処理(ステップS500)において、メイン制御部110は、一回の主走査分の印刷データにおいて、連続性を有するインク噴射量の推移変化の後にヘッドユニット210へ十分なインクを補給可能な補給性があるか否かを判断する。補給性評価処理(ステップS500)の詳細については後述する。
補給性評価処理(ステップS500)においてヘッドユニット210へ十分なインクを補給可能な補給性がないと判定された場合(ステップS602:「NO」)、メイン制御部110は、分割走査部330として動作することによって、分割走査処理を実行する(ステップS710)。分割走査処理(ステップS710)において、メイン制御部110は、判定中にある一回の主走査分のラスタ領域910を複数の主走査に分割して形成する。分割走査処理(ステップS710)の詳細については後述する。
連続性評価処理(ステップS300)においてインク噴射量の推移変化に連続性がないと判定された場合(ステップS402:「NO」)、補給性評価処理(ステップS500)においてヘッドユニット210へ十分なインクを補給可能な補給性があると判定された場合(ステップS602:「YES」)、メイン制御部110は、列番号iに「1」を加算、すなわち、列番号iをインクリメントする(ステップS604)。その後、列番号iがラスタ領域910の最終列Lを超えない場合(ステップS606:「NO」)、メイン制御部110は、連続性評価処理(ステップS300)からの処理を繰り返し実行する。一方、列番号iがラスタ領域910の最終列Lを超える場合(ステップS606:「YES」)、判定中にある一回の主走査分のラスタ領域910をそのまま一回の主走査で形成する通常走査処理(ステップS720)を実行する。
分割走査処理(ステップS710)または通常走査処理(ステップS720)の後、メイン制御部110は、印刷データ取得処理(ステップS100)で取得された印刷データにおける一回の主走査分の印刷データのうち、連続性評価処理(ステップS300)や補給性評価処理(ステップS500)で判定されていない後続の印刷データがあるか否かを判断する(ステップS802)。判定されていない後続の印刷データがある場合(ステップS802:「YES」)、メイン制御部110は、後続の印刷データについても同様に判定を実施する(ステップS804)。判定されていない後続の印刷データがない場合(ステップS802:「NO」)、メイン制御部110は、画像印刷処理(ステップS10)を終了する。なお、各色インクを用いて印刷するカラー印刷モードでは、図7の画像印刷処理(ステップS10)に代えて、連続性評価処理(ステップS300)や、補給性評価処理(ステップS500)、分割走査処理(ステップS710)およびこれらに関連する処理を実行することなしに印刷を実施する画像印刷処理が実行される。これによって、ブラックインクについてA列のみを用いて印刷するカラー印刷モードでは、ブラックインクのリフィルが間に合わなくなる可能性が低いことから、連続性評価処理(ステップS300)、補給性評価処理(ステップS500)、分割走査処理(ステップS710)を省くことによって、画像印刷処理における処理負荷を軽減することができる。
A2−2.連続性評価処理:
図8は、画像印刷処理(ステップS10)における連続性評価処理(ステップS300)の詳細を示すフローチャートである。プリンタ10のメイン制御部110は、連続性評価処理(ステップS300)を開始すると、噴射量算出部320として動作することによって、噴射量算出処理を実行する(ステップS320)。
噴射量算出処理(ステップS320)において、メイン制御部110は、B列のノズル列が第「i」列に位置する場合のヘッドユニット210において同一タイミングで噴射されるインクのデータ値を合算した合算データ値を算出する(ステップS322)。例えば、図4のように、列番号iが「1≦i≦104」の場合、A列およびB列における各々の噴射ドットを形成するためのデータ値を合算した合算データ値が算出される。例えば、図5のように、列番号iが「105≦i≦(L−40)」の場合、A列,B列,C列における各々の噴射ドットを形成するためのデータ値を合算した合算データ値が算出される。例えば、図6のように、列番号iが「(L−39)≦i≦L」の場合、B列およびC列における各々の噴射ドットを形成するためのデータ値を合算した合算データ値が算出される。本実施例では、大ドットに対応するデータ値は「4」であり、中ドットは「2」、小ドットは「1」、噴射停止は「0」として、それぞれの噴射ドットを形成するための噴射量が設定されている。
合算データ値が算出された後(ステップS322)、メイン制御部110は、算出された合算データ値について、A列,B列,C列における全ての噴射ドットが大ドットである場合の合算データ値と比較した比率である噴射デューティD1を算出する(ステップS324)。例えば、A列,B列,C列における全ての噴射ドットが大ドットである場合の噴射デューティD1は100%であり、A列,B列,C列における全ての噴射ドットが噴射停止である場合の噴射デューティD1は0%である。本実施例では、大ドットに対応するデータ値は「4」であり、中ドットは「2」、小ドットは「1」であることから、A列,B列,C列における全ての噴射ドットが中ドットである場合の噴射デューティD1は50%であり、A列,B列,C列における全ての噴射ドットが小ドットである場合の噴射デューティD1は25%である。
噴射量算出処理(ステップS320)の後、メイン制御部110は、噴射デューティD1が閾値Th1以上であるか否かを判断する(ステップS330)。本実施例では、閾値Th1は50%に設定されているが、プリンタ10の仕様、特に、インクカートリッジ220,230の構成、ヘッドユニット210の構成、インクの特性に応じて閾値Th1の値を適宜設定することができる。噴射デューティD1が閾値Th1以上である場合(ステップS330:「YES」)、メイン制御部110は、評価値Cに「1」を加算、すなわち、評価値Cをインクリメントする(ステップS332)。
噴射デューティD1が閾値Th1より小さい場合(ステップS330:「NO」)、メイン制御部110は、噴射デューティD1が閾値Th2以下であるか否かを判断する(ステップS340)。本実施例では、閾値Th2は25%に設定されているが、プリンタ10の仕様、特に、インクカートリッジ220,230の構成、ヘッドユニット210の構成、インクの特性に応じて閾値Th2の値を適宜設定することができる。噴射デューティD1が閾値Th2以上である場合(ステップS340:「YES」)、メイン制御部110は、評価値Cが「1」以上である場合には評価値Cから「1」を減算、すなわち、評価値Cをデクリメントし、評価値Cが「1」より小さい場合には評価値Cを「0」に設定する(ステップS342)。
噴射デューティD1が閾値Th1より小さく、かつ閾値Th2よりも大きい場合(ステップS340:「NO」)、メイン制御部110は、評価値Cを現状の値に維持する(ステップS344)。
噴射デューティD1の値を評価値Cに反映させた後(ステップS322,S342,S344)、メイン制御部110は、評価値Cが連続性判定値Pcよりも大きいか否かを判断する(ステップS350)。本実施例では、連続性判定値Pcは「8」に設定されているが、プリンタ10の仕様、特に、インクカートリッジ220,230の構成、ヘッドユニット210の構成、インクの特性に応じて連続性判定値Pcの値を適宜設定することができる。
評価値Cが連続性判定値Pcよりも大きい場合(ステップS350:「YES」)、メイン制御部110は、インク噴射量の推移変化に連続性があると判定する(ステップS352)。一方、評価値Cが連続性判定値Pc以下の場合(ステップS350:「NO」)、メイン制御部110は、インク噴射量の推移変化に連続性がないと判定する(ステップS354)。
A2−3.補給性評価処理:
図9は、画像印刷処理(ステップS10)における補給性評価処理(ステップS500)の詳細を示すフローチャートである。プリンタ10のメイン制御部110は、補給性評価処理(ステップS500)を開始すると、補給性評価処理(ステップS500)で取り扱う列番号jを、従前の列番号iに「1」を加算した値に設定する(ステップS510)。その後、メイン制御部110は、噴射量算出部320として動作することによって、噴射量算出処理を実行する(ステップS520)。
噴射量算出処理(ステップS520)において、メイン制御部110は、B列のノズル列が第「j」列に位置する場合のヘッドユニット210において同一タイミングで噴射されるインクのデータ値を合算した合算データ値を算出する(ステップS522)。合算データ値が算出された後(ステップS522)、メイン制御部110は、算出された合算データ値について、A列,B列,C列における全ての噴射ドットが大ドットである場合の合算データ値と比較した比率である噴射デューティD2を算出する(ステップS524)。
噴射量算出処理(ステップS520)の後、メイン制御部110は、噴射デューティD2が閾値Th3よりも大きいか否かを判断する(ステップS530)。本実施例では、閾値Th3は25%に設定されているが、プリンタ10の仕様、特に、インクカートリッジ220,230の構成、ヘッドユニット210の構成、インクの特性に応じて閾値Th3の値を適宜設定することができる。噴射デューティD2が閾値Th3よりも大きい場合(ステップS530:「YES」)、メイン制御部110は、連続性を有するインク噴射量の推移変化の後にヘッドユニット210へ十分なインクを補給可能な補給性がないと判定する(ステップS552)。
一方、噴射デューティD2が閾値Th3以下である場合(ステップS530:「NO」)、メイン制御部110は、列番号jに「1」を加算、すなわち列番号jをインクリメントする(ステップS532)。その後、メイン制御部110は、従前の列番号iに補給期間値R1を加算した値よりも列番号jが小さい場合、または、列番号jが最終の列番号L以下である場合(ステップS540:「NO」)、メイン制御部110は、噴射量算出処理(ステップS520)からの処理を繰り返し実行する。本実施例では、補給期間値R1は「40」に設定されているが、プリンタ10の仕様、特に、インクカートリッジ220,230の構成、ヘッドユニット210の構成、インクの特性に応じて補給期間値R1の値を適宜設定することができる。
一方、列番号jが、従前の列番号iに補給期間値R1を加算した値以上である場合、または、列番号jが最終の列番号Lより大きい場合(ステップS540:「YES」)、メイン制御部110は、列番号jから「1」を減算した値に列番号iを設定すると共に、評価値Cを「0」に設定し(ステップS542)、連続性を有するインク噴射量の推移変化の後にヘッドユニット210へ十分なインクを補給可能な補給性があると判定する(ステップS554)。
A2−4.分割走査処理:
図10は、画像印刷処理(ステップS10)における分割走査処理(ステップS710)が実施される様子を示す説明図である。図10には、一回の主走査を第1主走査および第2主走査に分割して形成されるラスタ領域910が斜線丸および白丸で模式的に表現されている。図4では、斜線丸は、第1主走査で形成される噴射ドットを示し、白丸は、第1主走査に続く第2主走査で形成される噴射ドットを示す。図10に示す例では、紙送り方向に「N」個の噴射ドットを有するラスタ領域910は、第1主走査において第「1」行目から第「N/2」行目の噴射ドットによるラスタが形成され、第2主走査において残りの第「(N/2)+1」行目から第「N」行目の噴射ドットのラスタが形成される。本実施例では、一回の主走査において紙送り方向に384個の噴射ヘッドが構成されることから、第1主走査では、第「1」行目〜第「192」行目の噴射ドットのラスタが形成され、第2主走査では、残りの第「193」〜第「384」の噴射ドットのラスタが形成される。
A3.効果:
以上説明した第1実施例のプリンタ10によれば、ノズル2110における噴射量の推移変化に応じて、リフィル遅延による液体の噴射不良を起こす可能性があるラスタ領域910を複数のヘッド走査に分割して形成するため(ステップS710)、リフィル遅延による液体の噴射不良を回避することができる。また、プリンタ10におけるインクのリフィル特性に応じて各パラメータTh1,Th2,Th3,Pc,R1を設定することによって、分割走査の要否を効率良く判断することができる。また、分割走査処理(ステップS710)においてラスタ領域910がラスタ912を単位に分割されるため、分割走査処理(ステップS710)によって複数の主走査に分割して形成されるラスタ領域と、通常走査処理(ステップS720)によって一回のヘッド走査で形成されるラスタ領域との均一性を向上させることができる。また、先行の主走査で記録される画素と、後続の主走査で記録される画素とが隣接する領域では、先行の主走査で噴射されたインクドットが印刷媒体900に広がり乾燥し、後続の主走査で噴射されたインクドットを印刷媒体900に十分に広げることができなくなってしまうため、意図する記録濃度を実現することができない場合がある。実施例では、通常走査処理(ステップS720)においては、先行の主走査で記録される画素と隣接する後続の主走査で記録される画素の数を抑制するために、全てのドットを記録し終えた状態のラスタ領域910におけるノズル列方向の記録解像度がノズル2110の間隔に等しい記録方式(いわゆるバンド印刷)が採用されている。本実施例では、分割走査処理(ステップS710)においては、第1の主走査で第1行目から第192行目のラスタを記録し、第2の主走査で第193から第384行目のラスタを記録することによって、先行の主走査で記録される画素と隣接する後続の主走査で記録される画素の数を抑制し、通常走査処理(ステップS720)で記録された領域と分割走査処理(ステップS710)で記録された領域との記録濃度の差異を抑制している。
A4.第1変形例:
前述の実施例では、分割走査処理(ステップS710)において、ラスタ領域910におけるラスタ912を、紙送り方向に上下で二分割したが、他の実施形態において、隣接する二つ以上のラスタおきに交互に分割しても良い。図11は、第1変形例において分割走査処理(ステップS710)が実施される様子を示す説明図である。図11には、一回の主走査を第1主走査および第2主走査に分割して形成されるラスタ領域910が斜線丸および白丸で模式的に表現されている。図11では、斜線丸は、第1主走査で形成される噴射ドットを示し、白丸は、第1主走査に続く第2主走査で形成される噴射ドットを示す。図11に示す例では、第1主走査で形成される噴射ドットのラスタと、第2主走査で形成される噴射ドットのラスタとが、二つのラスタおきに交互に配置されるが、他の実施形態において、三つ以上のラスタおきに交互に配置されるとしても良い。これによって、異なる主走査による噴射ドット同士が隣接する境界が減少するため、一回のヘッド走査で噴射ドットを形成した部位と、複数のヘッド走査で噴射ドットを形成した部位との差異を抑制することができる。
A5.第2変形例:
前述の実施例では、分割走査処理(ステップS710)において、ラスタ領域910におけるラスタ912を、紙送り方向に上下で二分割したが、他の実施形態において、一つのラスタおきに分割しても良い。図12は、第2変形例において分割走査処理(ステップS710)が実施される様子を示す説明図である。図12には、一回の主走査を第1主走査および第2主走査に分割して形成されるラスタ領域910が斜線丸および白丸で模式的に表現されている。図12では、斜線丸は、第1主走査で形成される噴射ドットを示し、白丸は、第1主走査に続く第2主走査で形成される噴射ドットを示す。図12に示す例では、第1主走査で形成される噴射ドットのラスタと、第2主走査で形成される噴射ドットのラスタとが、一つのラスタおきに交互に配置される。これによって、異なるヘッド走査による噴射ドット同士が隣接する境界が均一になるため、一回のヘッド走査で噴射ドットを形成した部位と、複数のヘッド走査で噴射ドットを形成した部位との差異を抑制することができる。また、第2変形例によっても、先行の主走査で記録される画素と隣接する後続の主走査で記録される画素の数を抑制し、通常走査処理(ステップS720)で記録された領域と、分割走査処理(ステップS710)で記録された領域との記録濃度の差異を抑制することができる。また、第2変形例において、分割走査処理(ステップS710)では、通常走査処理(ステップS720)と同様に、各ラスタの主走査方向に並ぶ画素が一回の主走査で記録されるため、各ラスタの主走査方向に並ぶ画素を複数の主走査で記録する場合に比べて、先行の主走査で記録される画素と隣接する後続の主走査で記録される画素の数を抑制し、通常走査処理(ステップS720)で記録された領域と、分割走査処理(ステップS710)で記録された領域との記録濃度の差異を抑制することができる。
A6.第3変形例:
前述の実施例では、一方向への主走査によってラスタ領域910を形成する画像印刷について説明したが、他の実施形態において、主走査を往復して行うことによってラスタ領域910を形成する画像印刷に本発明を適用しても良い。図13は、主走査を往復して行うことによってラスタ領域910を形成する様子を示す説明図である。図13には、主走査を往復して行うことによって形成されたラスタ領域910が、斜線丸および白丸で模式的に表現されている。図13では、斜線丸は、往運動の主走査で形成される噴射ドットを示し、白丸は、復運動の主走査で形成される噴射ドットを示す。図13に示す例では、往運動の主走査で形成される噴射ドットのラスタ間に、復運動の主走査で形成される噴射ドットのラスタが形成されることによって、往運動の主走査で形成される噴射ドットのラスタと、復運動の主走査で形成される噴射ドットのラスタとが、一つのラスタおきに交互に配置される。
第3変形例における画像印刷処理(ステップS10)では、往運動の主走査で形成される列番号を「1」から「L」とし、続く復運動の主走査で形成される列番号を「L+1」から「2L」として、最大列番号を「2L」として取り扱う点の他は、前述の実施例における画像印刷処理(ステップS10)と同様である。第3変形例における分割走査処理(ステップS710)では、往運動の主走査および復運動の主走査の少なくとも一方が分割されて実施される。第3変形例おいて、分割走査処理(ステップS710)では、通常走査処理(ステップS720)と同様に、各ラスタの主走査方向に並ぶ画素が一回の主走査で記録されるため、各ラスタの主走査方向に並ぶ画素を複数の主走査で記録する場合に比べて、先行の主走査で記録される画素と隣接する後続の主走査で記録される画素の数を抑制し、通常走査処理(ステップS720)で記録された領域と、分割走査処理(ステップS710)で記録された領域との記録濃度の差異を抑制することができる。
B.その他の実施形態:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。例えば、前述の実施例では、分割走査処理(ステップS710)においてラスタ領域910を二つの主走査に分割したが、他の実施形態において、二以上の主走査に分割するとしても良い。また、前述の実施例では、インク噴射量の推移変化に応じてラスタ領域910を複数の主走査に分割して形成するとしたが、他の実施形態において、インクを噴射するための動力量(電力量)の推移変化に応じてラスタ領域910を複数の主走査に分割して形成するとしても良い。また、実施例では、全てのドットを記録し終えた状態のラスタ領域910におけるノズル列方向の記録解像度がノズル2110の間隔に等しい記録方式を採用したが、他の実施形態において、一回の主走査で記録されたラスタの間に他の主走査で記録されたラスタを記憶することによって、全てのドットを記録し終えた状態のラスタ領域におけるノズル列方向の記録解像度がノズルの間隔よりも高い記録解像度になる記録方式を採用しても良い。また、本実施例では、モノクロ印刷モードにおけるブラックインクについて分割走査処理(ステップS710)を実施したが、他の実施形態において、分割走査処理(ステップS710)をカラー印刷モードで実施しても良く、例えば、他の種類のインクについて実施しても良いし、複数の種類のインクについて実施しても良い。また、本実施例では、ブラックインクに対応するノズル列がA列,B列,C列の三つのノズル列で構成されるとしたが、他の実施形態において、三つのノズル列以外のノズル列数、例えば、1列、2列、4列、5列などで構成して分割走査処理(ステップS710)を実施しても良い。また、本実施例では、ブラックインクに対応するノズル列のみが複数のノズル列で構成されるとしたが、他の実施形態において、他の種類のインクに対応するノズル列についても複数のノズル列で構成されるとしても良い。
本発明の液体噴射装置が対象とする液体は、前述したインクに限定するものではなく、金属ペースト,粉体,液晶など各種の流体を対象とする趣旨である。液体噴射装置の代表例としては、前述したような画像記録用のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置があるが、本発明は、インクジェット式記録装置に限らず、他の方式を用いた画像記録装置や、液晶ディスプレイを始めとするカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射装置、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)などの電極形成に用いられる電極材噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置などにも適用することができる。
プリンタ10の外観構成を主に示す説明図である。 プリンタ10の内部構成を主に示す説明図である。 プリンタ10における噴射ヘッド211の配置構成を模式的に示す説明図である。 A列およびB列によってノズル列単位の噴射ドットが形成される様子を示す説明図である。 A列,B列,C列によってノズル列単位の噴射ドットが形成される様子を示す説明図である。 B列およびC列によってノズル列単位の噴射ドットが形成される様子を示す説明図である。 プリンタ10のメイン制御部110によって実行される画像印刷処理(ステップS10)を示すフローチャートである。 画像印刷処理(ステップS10)における連続性評価処理(ステップS300)の詳細を示すフローチャートである。 画像印刷処理(ステップS10)における補給性評価処理(ステップS500)の詳細を示すフローチャートである。 画像印刷処理(ステップS10)における分割走査処理(ステップS710)が実施される様子を示す説明図である。 第1変形例において分割走査処理(ステップS710)が実施される様子を示す説明図である。 第2変形例において分割走査処理(ステップS710)が実施される様子を示す説明図である。 主走査を往復して行うことによってラスタ領域910を形成する様子を示す説明図である。
符号の説明
10…プリンタ
110…メイン制御部
120…印刷機構部
130…スキャナ部
140…カードスロット
150…通信コネクタ
160…ディスプレイ
170…操作パネル
200…キャリッジ
210…ヘッドユニット
211〜216…噴射ヘッド
220,230…インクカートリッジ
240…キャリッジ駆動部
250…搬送部
310…印刷データ取得部
320…噴射量算出部
330…分割走査部
370…印刷制御部
372…噴射制御部
374…走査制御部
810…メモリカード
820…外部機器
900…印刷媒体
910…ラスタ領域
912…ラスタ
2110…ノズル
i,j…列番号
D1,D2…噴射デューティ
C…評価値
Th1,Th2,Th3…閾値
Pc…連続性判定値
R1…補給期間値

Claims (5)

  1. 液体を噴射対象物に噴射する液体噴射装置であって、
    前記液体を噴射する複数のノズルを並べたノズル列を有し、前記複数のノズルから噴射された液体を、前記ノズル列に沿って並ぶノズル列単位の噴射ドットとして前記噴射対象物に形成するヘッドユニットと、
    前記噴射対象物に対して相対的に前記ヘッドユニットを前記ノズル列に交差する主走査方向へ移動させるヘッド走査を行うことによって、前記ノズル列単位の噴射ドットが前記主走査方向に複数並ぶラスタ領域を前記噴射対象物に形成する制御部と、
    前記ラスタ領域を複数のヘッド走査に分割して形成するか否かを判断する分割判断部と、
    前記ラスタ領域を複数のヘッド走査に分割して形成すると前記分割判断部が判断した場合に、前記複数のヘッド走査に分割して形成されるラスタ領域を、該ラスタ領域において前記噴射ドットが前記主走査方向に一列に並ぶラスタを単位に分割するラスタ分割部と
    を備える液体噴射装置。
  2. 前記ラスタ分割部は、前記複数のヘッド走査に分割して形成されるラスタ領域を、隣接する二つ以上のラスタおきに交互に分割する請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記ラスタ分割部は、前記複数のヘッド走査に分割して形成されるラスタ領域を、一つのラスタおきに交互に分割する請求項1に記載の液体噴射装置。
  4. 前記分割判断部は、第1の態様で前記液体が噴射される場合、前記ラスタ領域を複数のヘッド走査に分割して形成するか否かを判断し、前記第1の態様よりも前記液体の噴射頻度が低い第2の態様で前記液体が噴射される場合、前記ラスタ領域を複数のヘッド走査に分割して形成するか否かを判断しない請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の液体噴射装置。
  5. 制御装置を用いて、液体を噴射対象物に噴射する液体噴射方法であって、
    制御装置が備える噴射制御手段が、前記液体を噴射する複数のノズルを並べたノズル列を有するヘッドユニットを制御することによって、前記複数のノズルから噴射された液体を、前記ノズル列に沿って並ぶノズル列単位の噴射ドットとして前記噴射対象物に形成する工程と、
    制御装置が備える走査制御手段が、前記噴射対象物に対して相対的に前記ヘッドユニットを前記ノズル列に交差する主走査方向へ移動させるヘッド走査を行うことによって、前記ノズル列単位の噴射ドットを前記主走査方向に複数並べたラスタ領域を、前記噴射対象物に形成する工程と、
    制御装置が備える分割判断手段が、前記ラスタ領域を複数のヘッド走査に分割して形成するか否かを判断する工程と、
    制御装置が備えるラスタ分割手段が、前記ラスタ領域を複数のヘッド走査に分割して形成すると前記分割判断手段が判断した場合に、前記複数のヘッド走査に分割して形成されるラスタ領域を、該ラスタ領域において前記噴射ドットが前記主走査方向に一列に並ぶラスタを単位に分割する工程と
    を備える液体噴射方法。
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JP2017140849A (ja) * 2017-04-14 2017-08-17 セイコーエプソン株式会社 印刷装置および印刷方法

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