JP2009274266A - 半導体チップ及び、インクジェット記録ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造コストを増加させることなく、密着向上膜に変わる来歴情報を識別するパターンを金属膜により形成したインクジェット記録ヘッド用の半導体チップを提供する。
【解決手段】 本発明の半導体チップは、厚膜の金属膜によって来歴情報を識別するパターンを設けること、また外部電気接続部に形成されるバンプと同一材料で同時に形成することで課題をクリアする。
【選択図】 図3
【解決手段】 本発明の半導体チップは、厚膜の金属膜によって来歴情報を識別するパターンを設けること、また外部電気接続部に形成されるバンプと同一材料で同時に形成することで課題をクリアする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、半導体チップの当該チップ毎の来歴情報を読み取るための構造に関して、半導体チップに適用する有効な技術に関する。また、例えば、紙、糸、ガラス、木材、セラミックスなど種々の被記録媒体に記録するためのインクジェット記録ヘッドに使用する半導体チップに適用する有効な技術に関する。
なお、本発明において『記録』とは、文字や図形などの意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を付与することも意味する。
ダイシング前のウエハ−における半導体チップ毎の来歴情報の刻印に関しては、来歴情報記録専用パターンを予め半導体チップ内に設け、そこに刻印用のレーザー装置によってダメージを与えることにより来歴情報を刻印する方法が、特許文献1に開示されている。刻印内容としては、ウエハー内のチップ位置情報、ウエハーのロット番号、ウエハー番号等が明記されており、半導体チップの解析用に有益な情報を刻印することが可能であると明記されている。
一方、一般的なインクジェット記録ヘッドは、小型化、高密度化に対し、基板内に半導体製造技術を用いて、インク吐出圧エネルギー発生素子を駆動するための電気制御回路を内蔵した構成が提案されている。前記する高機能なインクジェット記録ヘッドは基板裏面より基板を貫通させて共通インク供給口を形成して、その基板の開口部の左右両側にノズルを多数配置することによって小型化、かつ高画質化を実現している。上記のような構造は、特許文献2に開示されている。
また、シリコン基板とノズル層との密着性に関しては、ノズル密着向上層としてポリエーテルアミド樹脂を基板とノズル層との間に挟み込む構造が提案されている。上記のような構造は特許文献3に開示されている。
特開平5−74748号公報
特開2003−311964号公報
特開平11−348290号公報
しかしながら、ダイシング前のウエハ−における半導体チップ毎の来歴情報の刻印に関しては、費用対効果の関係より、最小限の初期投資且つ、低ランニングコストで最大限の効果を出すことが望ましい。また、一度刻印した来歴情報は、製造プロセスの解析用としてだけでなく、市場に出て、商品としての寿命が尽きるまでの長い期間においても解析用として視認性を維持することが望ましい。
ところが、インクジェット記録ヘッドの現状の来歴情報を読み取る構造としては、ノズル密着向上層上にフォトリソ技術にてレジストフォトマスクを形成し、エッチングによって、ノズル密着向上層の抜きパターン6を形成し、来歴情報を刻印している。
来歴情報としては、チップ毎、個別に情報が重複されることなく識別できることが重要であるため、レジストフォトマスクを用いて形成する場合、一括露光(マスクとウエハーのパターンサイズが一対一の関係になる)を用いることで、重複することなく識別できるパターンを形成することが可能となる。しかし、密着層を形成するパターンは更なる精度向上が求められ、一括露光方式ではパターンの重ね合わせ精度が障害になるため、より微細化に対応するため、一括露光から、ステップアンドリピート方式の露光に切り替えることが予定されている。
(一括露光の場合は大面積を一括で露光するため、中心、外周など場所によっての歪みによるズレが生じるが、ステップアンドリピート方式の露光は、領域を細かく分割して露光を繰り返すため、どの場所も同じ精度で加工ができる。)
しかしステップアンドリピート方式では領域を分割して露光を繰り返すため、個別情報は分割された領域毎に繰り返されて、重複する情報が発生する問題が生じる。その対策として、レーザ装置を用いてチップ個別に来歴情報を描画する方法もあるが、そのために新たに工程設定、装置導入を図らなくてはならず製造原価のコストアップとなってしまうので、選択としては望ましくない。
しかしステップアンドリピート方式では領域を分割して露光を繰り返すため、個別情報は分割された領域毎に繰り返されて、重複する情報が発生する問題が生じる。その対策として、レーザ装置を用いてチップ個別に来歴情報を描画する方法もあるが、そのために新たに工程設定、装置導入を図らなくてはならず製造原価のコストアップとなってしまうので、選択としては望ましくない。
なお、図12は、従来技術に係る図1の来歴情報刻印領域3の拡大図である。
又、図13は、図12のA−A‘断面を示す模式的断面図である
以上のような状況を鑑みて、本発明は、製造原価をコストアップすることなく、来歴情報を形成した半導体チップを提供することを目的とする。更に、前記半導体チップを使用したインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
以上のような状況を鑑みて、本発明は、製造原価をコストアップすることなく、来歴情報を形成した半導体チップを提供することを目的とする。更に、前記半導体チップを使用したインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の半導体チップは、厚膜の金属膜によって来歴情報を識別するパターンを設けること、また外部電気接続部に形成されるバンプと同一材料で同時に形成することを特徴とする。
上記本発明によれば、厚膜の金属膜によって来歴情報を識別するパターンを設けること、また外部電気接続部に形成されるバンプと同一材料で同時に形成することで製造工程を増やすことなく、また、製造原価をコストアップすることなく来歴情報が識別可能な半導体チップを提供することが可能となる。それにより、製造プロセスの解析用としてだけでなく、市場に出て、商品としての寿命が尽きるまでの長い期間においても解析用として来歴情報を効率よく活用していくことが可能となり、商品の品質向上に寄与できると期待できる。
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、インクジェット記録ヘッドに使用する半導体チップの模式的な斜視図である。本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、電気熱変換素子2が所定のピッチで2列に並んで形成されたシリコン基板1を有している。シリコン基板1には、共通インク供給口13が、電気熱変換素子2の2つの列の間に開口されている。シリコン基板1上にノズル形成部材を構成するノズル層9には、各電気熱変換素子素子2の上方に開口するインク吐出口11と、共通インク供給口13から各インク吐出口11に連通するインク流路が形成されている。
また各電機熱変換素子2に電力を供給するための外部電気接続部にはバンプ9が形成されている。このインクジェット記録ヘッドは、共通インク供給口13が形成された面が被記録媒体の記録面に対面するように配置される。そして共通インク供給口13を介してインク流路内に充填されたインクに、電気熱変換素子2によって発生する圧力によって、インク吐出口11からインク液滴を吐出させ、記録媒体に付着させることによって記録を行う。
図2は本発明の実施例に係る半導体チップの模式的上面図である。
この図2は、図1の来歴情報刻印領域4の拡大図となる。
図2で示すように、来歴情報刻印領域4の部分に来歴情報を識別するパターン20(以下来歴識別パターンとする)と、外部電気接続部にはめっきバンプ10が同一平面上に形成されている。次に、シリコン基板1上の膜構成に関して、図3を用いて説明する。
図3は、図2のA−A‘部の断面図である。まず、インク吐出を行うための電気熱変換素子(不図示)、配線層102、保護膜103が半導体設備にて積層してあるシリコン基板1を用意する。このシリコン基板1上にで、外部電気接続部は、保護膜103が除去され、配線層102を露出するスルーホールが形成されている。更に露出した部分に対し、めっき法を用いたバンプが形成される。このめっき法を用いて、来歴情報識別パターン20は保護膜103上に同時に形成される。来歴情報識別パターン20としては文字、記号、数字、いかなる形態であれ、チップ個別で重複することがなければ、形成パターンに制限はない。
その後ノズル密着向上層7が所定の形状でパターニングされている。本実施形態においては、来歴情報識別パターン20の全ての領域はノズル密着向上層7が被服する状態で形成される。一方外部電気接続部のバンプ10はノズル密着向上層7で被服することなく露出される。
次に、そのノズル層密着向上層7上に、ノズル層9が所定の形状にパターニングされ、ノズル密着向上層7と同様に、来歴情報識別パターン20の全ての領域はノズル層9が被服する状態で形成され、一方、外部電気接続部のバンプ10はノズル層9で被服することなく露出される。
以下図4〜図11を参照して、図2および図3に示した半導体チップ及びその基板の製造方法について詳細に説明する。
図4は、シリコン基板1上に電気熱変換素子(不図示)、配線層102、保護膜103が半導体設備にて積層してあるシリコン基板1を用意する。配線層102は電気的にコンタクトを取るためスルーホール106が形成されている。
図5は、高融点金属材料のTiW等の密着向上層(バリアメタル)14を真空成膜装置等により、約200nmで全面成膜する。更に配線用金属として優れているめっき用導体金104を真空成膜装置等により、約50nmで全面成膜する。
図6は、めっき用導体金104の表面に、フォトレジスト107をスピンコート法により塗布する。この時、任意の高さに形成するめっきの厚みよりも、フォトレジスト107の膜厚は厚く塗布し、フォトリソグラフィー法にてレジスト露光・現像を行う。
その際の露光においては、バンプパターン、来歴情報識別パターンが描画されたフォトマスクを用いて、一括露光方式の露光機でフォトレジストパターンを焼き付ける。ここで一括露光方式の露光装置を使用するにあたっては、バンプは下地との重ね合わせ精度が比較的緩く、一括露光方式であっても精度問題を生じないためであり、また来歴情報識別パターンにおいては、重ね合わせが不要であるため、一括露光方式の露光機でのパターン焼き付けが可能となる。前記バンプパターン、及び来歴情報識別パターンのフォトレジストは0.01mm以上の線幅で完成させた。図7は、電解めっき法によって、めっき用導体金104に所定の電流を流せばフォトレジスト107で覆われていない所定の領域に金めっきが析出して、厚膜の金属膜が形成される。めっきの厚さとしては0.02〜0.07mmの厚さになるよう電流印加の時間を調整した。
図8で所定の時間フォトレジストの剥離液に浸漬させることで、フォトレジスト107の除去を行い、めっき用導体金104を露出させる。
図9は、めっき用導体金104を、窒素系有機化合物を含むよう素+よう化カリウムのエッチング液に所定の時間浸漬させることで、高融点金属材料のTiW等の密着向上層(バリアメタル)14を露出させ、H2O2系のエッチング液に所定の時間浸漬させることで、めっきによるバンプ10、及び来歴情報識別パターン20を完成させた。
図10は、後に形成するノズル層9とインク吐出を行うための電気熱変換素子2、配線層102、保護膜103が形成されたシリコン基板1の密着性を良好なものとするために、ノズル密着向上層7となる例えばポリエーテルアミド樹脂の塗布を任意の厚さでスピンコート法により塗布する。
ノズル密着向上層7上にフォトリソグラフィー法でフォトレジストの塗布、露光、現像、ノズル密着向上層7をドライエッチングし、フォトレジストの剥離によってパターンを形成させた。
ここで、バンプ10はノズル密着向上層7が被覆されずに露出し、来歴情報識別パターン10については、ノズル密着向上層7が被覆される構成とした。
図11でノズル材密着向上層7の上に、ノズル層9を任意の厚さでスピンコート法により塗布し、フォトリソグラフィー法にて露光・現像を行い、インクを吐出する吐出口11(不図示)を形成し、半導体チップ及び基板を完成させた。
1 シリコン基板
2 電気熱変換素子
4 来歴情報刻印領域
6 ノズル密着向上層抜きパターン
7 ノズル密着向上層
9 ノズル層
10 バンプ
11 インク吐出口
13 共通インク供給口
14 TiW等の密着向上層(バリアメタル)
20 来歴情報識別パターン
102 配線層
103 保護膜
104 めっき用導体金
107 フォトレジスト
2 電気熱変換素子
4 来歴情報刻印領域
6 ノズル密着向上層抜きパターン
7 ノズル密着向上層
9 ノズル層
10 バンプ
11 インク吐出口
13 共通インク供給口
14 TiW等の密着向上層(バリアメタル)
20 来歴情報識別パターン
102 配線層
103 保護膜
104 めっき用導体金
107 フォトレジスト
Claims (5)
- 来歴情報が識別可能な半導体チップにおいて、厚膜の金属膜によって来歴情報
を識別するパターンが設けられていることを特徴とする半導体チップ。 - 来歴情報が識別可能なインクジェット記録ヘッドにおいて、厚膜の金属膜によって来歴情報を識別するパターンが設けられた半導体チップを使用することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
- 前記半導体チップは、インクを吐出するために用いる熱エネルギーを発生する電気熱変換素子と、該電気熱変換素子に電圧を印可するために外部配線と接合される外部電気接続部と、該外部電気接続部はめっきにより厚膜のバンプが形成されていることを特徴とする半導体チップであって、
厚膜の金属膜によって来歴情報を識別するパターンは、前記バンプと同一材料で同時に形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体チップ。 - 前記バンプと来歴情報を認識するパターンは0.002mm〜0.007mmの厚さで、且つ線幅は0.01mm以上金めっきで形成されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体チップ。
- 来歴情報が識別可能なインクジェット記録ヘッドにおいて、
請求項3又は請求項4に記載の半導体チップを使用することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008125974A JP2009274266A (ja) | 2008-05-13 | 2008-05-13 | 半導体チップ及び、インクジェット記録ヘッド |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008125974A JP2009274266A (ja) | 2008-05-13 | 2008-05-13 | 半導体チップ及び、インクジェット記録ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009274266A true JP2009274266A (ja) | 2009-11-26 |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012045931A (ja) * | 2010-07-27 | 2012-03-08 | Canon Inc | 液体吐出ヘッドおよびその製造方法 |
KR101331318B1 (ko) | 2009-08-25 | 2013-11-20 | 캐논 가부시끼가이샤 | 액체 토출 헤드 및 그 제조 방법 |
JP2014141040A (ja) * | 2013-01-25 | 2014-08-07 | Canon Inc | 半導体チップの製造方法 |
-
2008
- 2008-05-13 JP JP2008125974A patent/JP2009274266A/ja active Pending
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US8408678B2 (en) | 2010-07-27 | 2013-04-02 | Canon Kabushiki Kaisha | Liquid ejection head and method for producing the same |
JP2014141040A (ja) * | 2013-01-25 | 2014-08-07 | Canon Inc | 半導体チップの製造方法 |
US9266330B2 (en) | 2013-01-25 | 2016-02-23 | Canon Kabushiki Kaisha | Process for producing a semiconductor chip |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Effective date: 20100201 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 |
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RD01 | Notification of change of attorney |
Effective date: 20100630 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 |