JP2009274128A - 流体送給管管端継手部の加工方法および加工装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被加工管体の内側に位置させた内側転造ロール5と、前記管体の外側に位置させた成形環状溝を有する外側転造ロール6を用いて、転造法により前記管体の端部外周面に係止突条を形成する際に、前記管体に対して該管体の軸方向の押圧力を付与しながら係止突条を形成することにより、係止突条の形成に必要な管体材料の流動を十分に行わせて、高さおよび肉厚が均等な係止突条を安定的に形成する。
【選択図】図4
Description
これらのハウジング型の管継手としては、例えば特許文献1に記載されているように、接続すべき管体の端部外周に亘って嵌合されたリング状のガスケットと、このガスケットを抱持するようにして両端部が固着具により連結された一対のハウジングからなるものであって、各ハウジングの内周面側開口縁が、管体の端部外周面に形成された環状溝や管体端部外周面に溶接接合された環状係止部材に係合することにより、ハウジングより管体が抜け出すのを防止する構造のものが一般的であった。
さらに、上記特許文献2および特許文献3には、管体の端部外周面へかかる係止突条を形成する方法として、図2に示すとおり、被加工管体2の内側に位置させた成形突条5bを有する内側転造ロールと5、被加工管体2の外側に位置させた成形環状溝6bを有する外側転造ロール6を、被加工管体2の円周方向に沿って回転させながら互いに接近する方向へ加圧することにより、管体の端部外周面に係止突条を転造することが記載されている。
係止突条の両側のへこみは、管体内径を小径化して流路抵抗の増大を招くし、十分な高さのない係止突条はハウジングとの係合を不確実にする。よって、これらは施工後の液漏れや抜管の原因となるため、流体送給管管端継手部の係止突条として、あってはならないものである。
管体に対する該管体の軸方向への押圧力の付与は、転造工程の開始時から行ってもよいし、転造工程の途中から行ってもよい。
押圧プレートが管体の回転および偏芯に伴って回転および偏芯するように、前記軸押しシリンダーはスライドプレートに固定されており、前記押圧プレートは可動プレートに固定されており、前記スライドプレートのスライド面は前記可動プレートのスライド面より面積が大きくされているとともに、前記スライドプレートと前記可動プレートは互いのスライド面が摺動可能になるように相対して取り付けられていることが好ましい。
さらに、本発明の流体送給管管端継手部の加工装置によれば、被加工管体に対する該管体への軸方向の押圧力の付与を確実に行うことができる。
以下にその詳細を説明する。
本発明の流体送給管管端継手部の加工装置は、図3に示すように、一方側に係止突条を転造する機構が、他方側に被加工管体に押圧力を付与する機構が配置されている。
係止突条を転造する機構は、内側転造ロール5、外側転造ロール6を備えている。また、内側転造ロール5には図2に5aとして示されているような位置決めフランジ(図示せず)が設けられている。
図示はしないが、さらに、内側転造ロール5に接続する駆動源が転造加工装置本体内に設けられており、外側転造ロール6を下方に押圧する機構が設けられている。
以下に、好ましい形態について説明する。
一方、軸押しシリンダー8は、被加工管体2の軸方向に配置されており、押圧プレート7を管体2に押し付ける方向に作動する。軸押しシリンダー8の先端にはスライドプレート10がボルト12等で固定されている。スライドプレート10の周囲に固定された断面L字状のロックプレート11が、可動プレート9の前面に立設された凸部9bにより形成される押圧プレート7の裏面と可動プレート9の平板部9aの前面との間の空隙部に入り込む形態で、前記可動プレート9の平板部9aの周囲を拘束している。また、スライドプレート10の摺動面10aは可動プレート9の平板部9a裏面の摺動面より大きくなるような構造とされている。なお、図3中、12はスライドプレート10を軸押しシリンダーに固定するためのボルトである。また、13はロックプレート11をスライドプレート10に固定するためのボルトである。
上記のような構造とすることにより、スライドプレート10に対して、押圧プレート7は回転可能であり、偏芯可能、図3上では上下方向に移動可能となっている。すなわち、被加工管体2の回転および偏芯に追従して押圧プレート7の回転および偏芯が可能なため、軸押しシリンダー8による押圧力が押圧プレート7を介して被加工管体2に適切に付与されることになる。
なお、可動プレート9の凸部9bとロックプレート11との間隔、およびスライドプレート10の摺動面10aと裏面が摺動面となる可動部プレート9の平板部9aの大きさは、押圧プレート7が必要な範囲で偏芯できるような関係で決められる必要がある。
被加工管体2の端部外周に係止突条2aを成形するに当っては、まず鋸盤等の切断手段(図示せず)を使用して、各管体2の端部を管軸に対し直角となるよう切断し、切断時発生したバリを除去し、端面角部の面取りを行う。
そして、内側転造ロール5が被加工管体2の内側となるように、管体2を流体送給管管端継手部の加工装置にセットする。管体2の反対側の端部に、押圧プレート7を介して押圧力を付与するように軸押しシリンダー8をセットする。
外側転造ロール6を下方に押圧する機構により外側転造ロール6を下方に移動させて被加工管体2に達すると、外側転造ロール6も、被加工管体2の回転に従動して内側転造ロール5と反対方向に回転される。
この際、被加工管体2の回転、下降に伴って押圧プレート7は回転しながら下降する。その結果、軸押しシリンダー8による被加工管体2への均一な押圧力が維持される。
図4に示すように、外側転造ロールを下方に押圧する機構により外側転造ロール6が下方に移動して被加工管体2を加圧することにより、内側転造ロール5が被加工管体2を内側から押圧して係止突条2aを形成する力が働き、被加工管体2を構成する材料が移動することにより係止突条2aが形成される。このとき、被加工管体2の径が大きい場合や、小径でも肉厚寸法が小さい場合は、被加工管体2を構成する材料の形状拘束、すなわち、管体の形状を保持しようとする力が小さいため、内側転造ロール5の係止突条2aを形成する力により、被加工管体2を構成する材料の流動がスムーズに行われ、両側にへこみのない所望の高さ寸法の成形突条が形成される。
さらに、大径で薄肉の被加工管体2に係止突条を形成する場合においても、被加工管体2を構成する材料の流動がスムーズなため、係止突条を加工することによる減肉が緩和され、管体の肉厚の均一化が計れる。
一般的に、係止突条の両側に発生するへこみは、転造工程の開始後、目的とする突起高さに至る前の段階で発生する。たとえば、直径76.3mm厚さ1.5mmの管体に5mm高さの係止突条を形成しようとしても、係止突条の高さが2〜3mmになるとへこみが発生する。したがって、へこみの出ない突起高さ2〜3mmまでの転造加工の初期は押圧力を付与することなく転造加工を行い、その後押圧力を付与しながら転造加工を続行することにより、目的の高さの係止突条を形成することができる。ただし、転造工程の開始時から押圧力の付与を行うことにより、最初から板厚減少が抑制されるため加工安定性が向上するという利点はある。
もともと管体に係止突条を転造する装置には、管端から常に同じ位置に係止突条を形成するために、内側転造ロール5の端面に図2に示すようなガイドフランジ5aが設けられているので、押圧力を被加工管体の内側転造ロールの駆動側と反対側の端面からのみ付与しても、このガイドフランジ5aが位置決め機能に加え押圧力に対する反力を与える機能を発揮するため、転造加工時に係止突条の両側の管体材料の流れ込みを促進させてへこみの発生を抑制することになる。
被加工管体に対し押圧力を付与した場合に管体が変形・座屈しない大きさが上限であり、その下限は係止突条の両側のへこみが解消できる大きさである。ただし、被加工管体がへこみの発生の問題のない管体の場合は、板厚減少が抑制される圧力が下限となる。係止突条の形成時には、管体外側へ材料が張出されると同時に管体の軸方向には縮む作用が伴う。このため、実際には押圧力は素材の降伏応力の1/10以下で十分である。
係止突条の成形中は材料の加工硬化が生じるため、それを見込んだ一定の押圧力を付与すればよい。また、係止突条の成形の進行に伴って押圧力を段階的に増加させてもよい。
軸押しシリンダーは油圧シリンダーでも良いが、エアーシリンダーで十分である。実際に必要なストローク量は、被加工管体の大きさや突起の高さ・形状にもよるが最大50mm程度である。
この際、内側転造ロールとして、外径直径61mm、幅5.0mm、コーナーのR1.5mmの寸法を、外側転造ロールとして外形直径117mm、溝幅9mm、溝深さ17mm、パイプ接触部のコーナーのR1.5mmの寸法を有する図4に示す形状の転造ロールを用いた。
そして、加工された管体に対して、形成された係止突条の頂部位置における管体の平均外径を測定するとともに、突条の高さ(加工された管体の平均外径と被加工管体の外径から算出される値)を算出した。併せて、加工された管体の突条形状を観察するとともに、その縦断面から、係止突条部の内側転造ロールのコーナー部近傍に対応する位置、すなわち係止突条の両側から立ち上がり部にかけての最小板厚を測定した。
現実に係止突条を形成する場合の好ましい押圧力は、被加工管体の材質、管体の外径、肉厚寸法により適宜定めるものである。
6:外側転造ロール 7:押圧プレート 8:軸押しシリンダー
9:可動プレート 10:スライドプレート 11:ロックプレート
Claims (5)
- 被加工管体の内側に位置させた内側転造ロールと、前記管体の外側に位置させた成形環状溝を有する外側転造ロールを用いて、転造法により前記管体の端部外周面に係止突条を形成する流体送給管管端継手部の加工方法において、前記管体に対して該管体の軸方向の押圧力を付与しながら係止突条を形成することを特徴とする流体送給管管端継手部の加工方法。
- 前記管体に対する該管体の軸方向への押圧力の付与を、転造工程の開始時から行う請求項1に記載の流体送給管管端継手部の加工方法。
- 前記管体に対する該管体の軸方向への押圧力の付与を、転造工程の途中から行う請求項1に記載の流体送給管管端継手部の加工方法。
- 内側転造ロールと、成形環状溝を有する外側転造ロールを備え、前記内側転造ロールの駆動により被加工管体の端部外周面に係止突条を形成する流体送給管管端継手部の加工装置において、被加工管体の前記内側転造ロールの駆動側と反対側の端面に位置し、前記被加工管体の回転および偏芯に伴って回転および偏芯する押圧プレートと、該押圧プレートを介して前記管体に該管体の軸方向の押圧力を付与する軸押しシリンダーとを備えたことを特徴とする流体送給管管端継手部の加工装置。
- 前記軸押しシリンダーはスライドプレートに固定されており、前記押圧プレートは可動プレートに固定されており、前記スライドプレートのスライド面は前記可動プレートのスライド面より面積が大きくされているとともに、前記スライドプレートと前記可動プレートは互いのスライド面が摺動可能になるように相対して取り付けられている請求項4に記載の流体送給管管端継手部の加工装置。
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