JP2009272346A - レーザ発生装置及びレーザ加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境が変化しても超短パルスレーザを発生させることのできるレーザ発生装置を提供する。
【解決手段】偏光ビームスプリッター12aは、シードレーザ発振器11からの低エネルギーのフェムト秒パルスレーザ光を、非偏波保持光ファイバ12bに入射させる。レーザ光は、ファラデーローテータミラー12cにて非偏波保持光ファイバ12bを介して偏光ビームスプリッター12aに戻る。このとき、非偏波保持光ファイバ12bにより、入射時の偏光状態が光ファイバ12bの伝搬とともにランダムに変化する。偏光ビームスプリッター12aは、非偏波保持光ファイバ12bに入射した時のレーザ光の偏光状態に対して90度回転した偏光状態のレーザ光を反射させる。反射したレーザ光は、再生増幅器13にて増幅された後に、レーザパルス圧縮器14にてパルス幅が圧縮されて高ピークのフェムト秒パルスレーザ光となる。
【選択図】図1
【解決手段】偏光ビームスプリッター12aは、シードレーザ発振器11からの低エネルギーのフェムト秒パルスレーザ光を、非偏波保持光ファイバ12bに入射させる。レーザ光は、ファラデーローテータミラー12cにて非偏波保持光ファイバ12bを介して偏光ビームスプリッター12aに戻る。このとき、非偏波保持光ファイバ12bにより、入射時の偏光状態が光ファイバ12bの伝搬とともにランダムに変化する。偏光ビームスプリッター12aは、非偏波保持光ファイバ12bに入射した時のレーザ光の偏光状態に対して90度回転した偏光状態のレーザ光を反射させる。反射したレーザ光は、再生増幅器13にて増幅された後に、レーザパルス圧縮器14にてパルス幅が圧縮されて高ピークのフェムト秒パルスレーザ光となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、レーザ発生装置及びレーザ加工装置に関する。
近年、照射時間が非常に短く高エネルギーの超短パルスレーザが注目されている。超短パルスレーザ光は、パルス幅がフェムト秒(fs:10の15乗分の1秒)オーダーであって、そのパルス強度が非常に高エネルギー(テラワット:10の12乗ワット)オーダーであることから、加工、医療、計測等、各分野で応用が期待されている。特に、レーザ加工分野においては、これまでの熱溶融による「熱加工」と違って、熱溶融を起こさないで加工を行う、いわゆる「非熱加工」が実現でき、ガラス等の透明材料、熱に弱い材料の微細加工が可能となり期待されている。
超短パルスレーザは、一般に、チャープパルス増幅法にて得ることができる。チャープパルス増幅法は、シードレーザから発振した超短パルスレーザ光を、パルス幅伸長器(パルスストレッチャー)にてパルス幅を広げた後(超短パルスをスペクトル分解して長パルス化した後)に増幅し、増幅後にパルス圧縮器にてパルス幅を元のパルス幅に圧縮して高ピークパワーを得る方法である。
このチャープパルス増幅法を利用したレーザ発生装置が種々提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1では、発振器で発生するパルスを伸張器で伸張し、その伸張されたパルスを増幅器で圧縮した後に、非線形圧縮器で圧縮して短いパルスを発生させることが開示されている。
特開平10−33194号公報
ところで、上記したチャープパルス増幅法によるレーザ発生装置において、パルス幅伸張器として偏波保持型の光ファイバを使用したレーザ発生装置がある。パルス幅伸張器として偏波保持光ファイバを使用した場合、十分な伸張を行うためには、偏波保持型の光ファイバはファイバ長が400m〜1,000mのファイバ長が必要であった。偏波保持型の光ファイバは、非常に高価な光ファイバであって、ファイバ長が長いことは、レーザ発生装置のコストアップにつながっていた。
因みに、偏波保持型の光ファイバは、通常の光ファイバ(非偏波保持型の光ファイバ)に比べて複屈折性の極めて大きな光ファイバであって、直線偏光を偏波保持型の光ファイバの偏光主軸に平行又は垂直に入射する場合は、入射時の偏光状態がそのまま偏波保持光ファイバの出射端まで保たれるファイバである。従って、レーザ光の偏波面を常に精度よく整合することができるため、エネルギー損失を抑えることができる。
そこで、発振器で発生するパルスを、偏光ビームスプリッターを介して、偏波保持型の光ファイバに入射させ、偏波保持型の光ファイバの終端に設けたファラデーロータミラーにて反射させ、再び偏波保持型の光ファイバを介して偏光ビームスプリッターに入射させる方法が提案されている。偏波保持型の光ファイバから偏光ビームスプリッターに入射したパルスは、増幅器に出射され増幅される。
詳述すると、ファラデーロータミラーにて反射したパルスは、偏光面を90度回転して再び偏波保持型の光ファイバを介して偏光ビームスプリッターに入射される。従って、パルスは、偏波保持型の光ファイバを往復することから、短いファイバ長で十分な伸張が行なうことができ、レーザ発生装置のコストダウンに寄与する。
しかしながら、コストダウンを図ることができるものの、パルス幅伸張器として偏波保持型の光ファイバを使用していることから、環境変化に非常に弱かった。特に、温度に非常に弱く、少しの環境の変化によっても、偏波面が変動した。この偏波面の変動は、ファラデーロータミラーの90度がそのまま加算されて偏光ビームスプリッターに再び入射されるため、偏光ビームスプリッターは、この偏波面が変動したレーザ光を増幅器に向かって反射させることはできたかった。従って、レーザ発生装置は、少しの温度変化でも全く超短パルスレーザが発生しない場合が多々生じていた。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、環境が変化しても超短パルスレーザを発生させることのできるレーザ発生装置及びレーザ加工装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から入射するレーザ光を反射又は透過の一方に出射させる偏光ビームスプリッターと、前記偏光ビームスプリッターからのレーザ光を伝送する光ファイバと、前記光ファイバからのレーザ光を反射させるとともにこのレーザ光の偏光面を90度回転させて、再び前記光ファイバに導くファラデーローテータミラーとを備えるレーザ光伸長手段と、前記レーザ光伸長手段が生成したレーザ光を、前記偏光ビームスプリッターから前記反射又は透過の他方により入射したレーザ光を増幅する増幅手段と、前記増幅手段で増幅されたレーザ光を、前記波長毎に発生させた前記時間差を相殺して超短パルスレーザ光を出射するレーザ光圧縮手段とを備えたレーザ光発生装置であって、前記光ファイバは、非偏波保持型の光ファイバで構成した。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のレーザ発生装置において、前記レーザ光伸長手段は、前記偏光ビームスプリッターから前記反射又は透過の他方に出射させて前記増幅手段に導くレーザ光を、偏波保持型の光ファイバにて導くようにした。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のレーザ発生装置において、前記増幅手段及び前記レーザ光圧縮手段は偏波保持型の構成である。
請求項4に記載の発明は、レーザ発生手段から出射されるレーザ光を加工対象物に照射して、加工対象物を加工を行うレーザ加工装置であって、前記レーザ発生手段は、請求項1又は2に記載のレーザ発生装置である。
請求項4に記載の発明は、レーザ発生手段から出射されるレーザ光を加工対象物に照射して、加工対象物を加工を行うレーザ加工装置であって、前記レーザ発生手段は、請求項1又は2に記載のレーザ発生装置である。
請求項1に記載の発明によれば、レーザ光が往復する非偏波保持型の光ファイバは、入射時の偏光状態が光ファイバの伝搬とともにランダムに変化する。従って、入射時の偏光状態から90度回転された偏光状態のレーザ光が偏光ビームスプリッターに100%入射されないものの、非偏波保持型の光ファイバの使用環境(温度等)に無関係に、偏光ビームスプリッターにて予め定めた方向に反射される偏光状態のレーザ光が常に一定の割合で存在し入射させることができる。
従って、非偏波保持光ファイバ12bの使用環境(温度等)が変動しても、一部ではあるものの、長パルス化されたレーザ光を増幅手段に出射することができる。その結果、使用環境の変化によって、100%とはいかなまでも高ピークの超短パルスレーザ光を出射することができる。光を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、時間差を発生させたレーザ光を効率よく増幅手段に導くことができる。
請求項3に記載の発明によれば、パルスレーザ光は効率よく偏波保持型の増幅手段及びレーザ光圧縮手段は入射される。
請求項3に記載の発明によれば、パルスレーザ光は効率よく偏波保持型の増幅手段及びレーザ光圧縮手段は入射される。
請求項4に記載の発明よれば、使用環境(温度等)の変動に強いレーザ発生装置を使って高エネルギー超短パルスレーザ光による加工ができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1において、レーザ発生装置10は、レーザ光源としてのシードレーザ発振器11、レーザ光伸長手段としてのレーザ光伸長器12、増幅手段としての再生増幅器13、レーザ光圧縮手段としてのレーザパルス圧縮器14を備えている。
図1において、レーザ発生装置10は、レーザ光源としてのシードレーザ発振器11、レーザ光伸長手段としてのレーザ光伸長器12、増幅手段としての再生増幅器13、レーザ光圧縮手段としてのレーザパルス圧縮器14を備えている。
シードレーザ発振器11は、低エネルギーのフェムト秒パルスレーザ光を出射するレーザ発振器である。シードレーザ発振器11は、例えば半導体レーザのレーザ励起光をイッテルビウム添加ヤグ結晶に集光して照射して低エネルギーのフェムト秒パルスレーザ光を得る。シードレーザ発振器11から出射した低エネルギーのフェムト秒パルスレーザ光は、レーザ光伸長器12に出射される。
レーザ光伸長器12は、偏光ビームスプリッター12a、非偏波保持型の光ファイバとしての非偏波保持光ファイバ12b、ファラデーローテータミラー12c、偏波保持型の光ファイバとしての偏波保持光ファイバ12dを備えている。
偏光ビームスプリッター12aは、シードレーザ発振器11から出射する低エネルギーのフェムト秒パルスレーザ光の偏波方向に対して、平行又は垂直に配置さている。偏光ビームスプリッター12aは、入射した低エネルギーのフェムト秒パルスレーザ光において、所定の偏光方向のレーザ光(P偏波)のみを通過させ、所定の偏光方向以外のレーザ光(S偏波)を通過させずに該レーザ光を予め設定した反射方向に反射させる。偏光ビームスプリッター12aを通過したレーザ光は、非偏波保持光ファイバ12bに入射される。
非偏波保持光ファイバ12bは、偏波保持型の光ファイバに対する光ファイバであって、偏波保持型の光ファイバに対して複屈折性が極めて小さな光ファイバである。つまり、非偏波保持光ファイバ12bは、直線偏光を該光ファイバの偏光主軸に平行又は垂直に入射した場合でも、入射時の偏光状態がそのまま該光ファイバ12bの出射端まで保たれず光ファイバ12bでの伝搬とともに偏光状態はランダムに変化するファイバである。
非偏波保持光ファイバ12bは、本実施形態ではファイバ長が約300mに設定されコイル状に巻回されている。そして、偏光ビームスプリッター12aから入射した低エネルギーのフェムト秒パルスレーザ光は、非偏波保持光ファイバ12bを通過することによって、伸張される。つまり、非偏波保持光ファイバ12bは、通過するレーザ光を波長毎に時間差を発生させて、即ち、通過するレーザ光をスペクトル分解して長パルス化させる。
ファラデーローテータミラー12cは、強磁界中に配置した公知の透明な結晶を備え、非偏波保持光ファイバ12bを通過してきたレーザ光を反射させ且つ該レーザ光の偏光面を90度回転させて、再び非偏波保持光ファイバ12bに戻すようになっている。
ファラデーローテータミラー12cにて非偏波保持光ファイバ12bに戻されたレーザ光は、再び非偏波保持光ファイバ12bを通過して、偏光ビームスプリッター12aに再び戻される。
従って、レーザ光は、約300mの非偏波保持光ファイバ12bを往復し、実質約600mの非偏波保持光ファイバ12b内を通過したことになる。その結果、偏光ビームスプリッター12aから出射した低エネルギーのフェムト秒パルスレーザ光は、十分に伸張され長パルス化する。
偏光ビームスプリッター12aは、非偏波保持光ファイバ12bを往復してきたレーザ光を入射する。そして、偏光ビームスプリッター12aは、該偏光ビームスプリッター12aを通過し先に非偏波保持光ファイバ12bに入射した時のレーザ光の偏光状態に対して90度回転した偏光状態のレーザ光を予め定められた方向に反射する。
このとき、該偏光ビームスプリッター12aを通過した時の偏光状態のレーザ光は、100%90度回転された偏光状態となって偏光ビームスプリッター12aに入射されない。つまり、非偏波保持光ファイバ12bを通過してきたことから、入射時の偏光状態がそのまま該光ファイバ12bの出射端まで保たれず光ファイバ12bでの伝搬とともに偏光状態がランダムに変化するためである。
これは、ランダムに変化することは、90度回転された偏光状態のレーザ光が偏光ビームスプリッター12aに100%入射されないものの、非偏波保持光ファイバ12bの使用環境(温度等)に無関係に、90度回転された偏光状態のレーザ光が常に一定の割合(例えば、約50%)で存在してそれが入射されることを意味する。
従って、入射時の50%程度のレーザ光が90度回転された偏光状態になって偏光ビームスプリッター12aに入射され、その50%程度のレーザ光が、予め定められた方向に反射される。
偏光ビームスプリッター12aを予め定められた方向に反射したレーザ光は、偏波保持光ファイバ12dに入射される。偏波保持光ファイバ12dは、偏光ビームスプリッター12aから予め定められた方向に反射されるレーザ光を入射する。偏波保持光ファイバ12dは、複屈折性の極めて大きな光ファイバであって、90度回転された偏光状態がそのまま偏波保持光ファイバ12dの出射端まで保たれて再生増幅器13に出射される。
再生増幅器13は、偏波保持型構造になっていて、偏波保持光ファイバ12dから出射されるレーザ光を効率よく導きエネルギー損失を抑えている。再生増幅器13は、共振構造をもった公知の増幅器であって、十分に伸張し長パルス化されパルスレーザ光を飽和レベルまで増幅し、レーザパルス圧縮器14に出射する。レーザパルス圧縮器14は、偏波保持型構造になっていて、再生増幅器13から出射されるレーザ光を効率よく導きエネルギー損失を抑えている。レーザパルス圧縮器14は、2枚の回折格子を有した公知の圧縮器であって、増幅された長パルス化されたパルスレーザ光について時間的にパルス幅を圧縮する。つまり、波長毎に時間差を発生させたパルスレーザ光について、その波長毎に発生させた時間差を相殺する。これによって、レーザパルス圧縮器14は、パルス幅が圧縮された分だけ高ピークのフェムト秒パルスレーザ光を出射する。
図2は、上記レーザ発生装置10を使ったレーザ加工装置としてのレーザマーキング装置20の概略構成図を示す。
図2に示すように、レーザマーキング装置20は、高ピークのフェムト秒パルスレーザ光を出射するレーザ発生手段としての前記レーザ発生装置10、レーザ駆動装置21、制御装置22、入力装置23、記憶装置24を備えている。
図2に示すように、レーザマーキング装置20は、高ピークのフェムト秒パルスレーザ光を出射するレーザ発生手段としての前記レーザ発生装置10、レーザ駆動装置21、制御装置22、入力装置23、記憶装置24を備えている。
レーザ駆動装置21は、レーザ発生装置10を発振駆動させる。レーザ駆動装置21は、レーザ発生装置10に対して、制御装置22からの制御信号に基づいて駆動信号を供給する。そして、レーザ駆動装置21から供給される駆動信号に基づいて、レーザ発生装置10から出射されるパルスレーザ光のパワーが変更される。
入力装置23は、ユーザがレーザ発生装置10から出射するパルスレーザ光のパワーを設定するため操作スイッチを備え、操作スイッチを操作して設定した設定値を制御装置22に出力する。
制御装置22は、中央処理装置(CPU)を備え、入力装置23から出力された設定値を入力する。制御装置(CPU)22は記憶装置24に記憶した制御プログラム及びアプリケーションプログラムに従って、レーザ駆動装置21を介してレーザ発生装置10の駆動制御等、各種の処理動作を実行するようになっている。
詳述すると、制御装置(CPU)22は、入力装置23から入力した設定値に基づいて、レーザ駆動装置21からレーザ発生装置10に設定値に相応する駆動信号を供給させて、レーザ発生装置10から入力装置23で指定した設定値のパワーのパルスレーザ光を出射せる。
レーザ発生装置10から出射されたパルスレーザ光は、ガルバノミラー25を介して加工対象物Wに照射される。ガルバノミラー25は、図示しないモータ等からなる駆動源にて駆動される。これにより、レーザ発生装置10からのパルスレーザ光がガルバノミラー25を介して加工対象物Wに照射され、多種多様な文字、記号、図形等がマーキングされる。
次に、上記のように構成した実施形態の作用効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、低エネルギーのフェムト秒パルスレーザ光を波長毎に時間差を発生させて長パルス化させるレーザ光伸長器12を、偏光ビームスプリッター12a、非偏波保持光ファイバ12b、ファラデーローテータミラー12c及び偏波保持光ファイバ12dで構成した。そして、偏光ビームスプリッター12aにて、非偏波保持光ファイバ12bに入射させ、非偏波保持光ファイバ12bに入射し伝搬したレーザ光を、ファラデーローテータミラー12cにて非偏波保持光ファイバ12bに戻し、再び非偏波保持光ファイバ12bを介して偏光ビームスプリッター12aに再び戻すようにした。
(1)上記実施形態によれば、低エネルギーのフェムト秒パルスレーザ光を波長毎に時間差を発生させて長パルス化させるレーザ光伸長器12を、偏光ビームスプリッター12a、非偏波保持光ファイバ12b、ファラデーローテータミラー12c及び偏波保持光ファイバ12dで構成した。そして、偏光ビームスプリッター12aにて、非偏波保持光ファイバ12bに入射させ、非偏波保持光ファイバ12bに入射し伝搬したレーザ光を、ファラデーローテータミラー12cにて非偏波保持光ファイバ12bに戻し、再び非偏波保持光ファイバ12bを介して偏光ビームスプリッター12aに再び戻すようにした。
従って、レーザ光は、非偏波保持光ファイバ12bを往復し、実質2倍の非偏波保持光ファイバ12b内を通過したことになり、偏光ビームスプリッター12aから出射した低エネルギーのフェムト秒パルスレーザ光を、安価な非偏波保持光ファイバ12bにて十分に伸張し長パルス化させることができる。
(2)上記実施形態によれば、レーザ光が往復する非偏波保持光ファイバ12bは、複屈折性が極めて小さく入射時の偏光状態がそのまま該光ファイバ12bの出射端まで保たれず光ファイバ12bでの伝搬とともに偏光状態はランダムに変化する。従って、入射時の偏光状態から90度回転された偏光状態のレーザ光が偏光ビームスプリッター12aに100%入射されないものの、非偏波保持光ファイバ12bの使用環境(温度等)に無関係に、偏光ビームスプリッター12aにて予め定めた方向に反射される偏光状態のレーザ光が常に一定の割合(例えば、約50%)で存在しそれを入射させることができる。
従って、非偏波保持光ファイバ12bの使用環境(温度等)が変動しても、一部ではあるものの、長パルス化されたレーザ光を再生増幅器13に出射することができる。その結果、使用環境の変化によって、100%とはいかなまでも高ピークのフェムト秒パルスレーザ光を出射することができる。
因みに、非偏波保持光ファイバ12bに代えて偏波保持型の光ファイバを使用した場合、使用環境の変化で偏波状態が変化し時その状態が保持されるため、偏光ビームスプリッター12aでは、予め定めた方向に100%反射されず、高ピークのフェムト秒パルスレーザ光を全く出射させることがでない。
従って、本実施形態では、使用環境が変動しないための高価で高精度の設備を用意する必要もなく、高ピークのフェムト秒パルスレーザ光を得ることができる。
(3)上記実施形態によれば、偏光ビームスプリッター12aから予め定めた方向に反射した伸張されてレーザ光を、偏波保持光ファイバ12dを介して再生増幅器13に出射した。従って、伸張されたレーザ光を効率よく再生増幅器13に出射することができる。
(3)上記実施形態によれば、偏光ビームスプリッター12aから予め定めた方向に反射した伸張されてレーザ光を、偏波保持光ファイバ12dを介して再生増幅器13に出射した。従って、伸張されたレーザ光を効率よく再生増幅器13に出射することができる。
(4)上記実施形態によれば、レーザマーキング装置20は、フェムト秒パルスレーザ光を出射するレーザ発生装置10をしたので、使用環境(温度等)の変動に強い高エネルギー超短パルスレーザ光を使って加工対象物Wに対してレーザ加工ができる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、シードレーザ発振器11は、イッテルビウム添加ヤグ結晶を媒体体として低エネルギーのフェムト秒パルスレーザ光を得るようにした発振器であったが、これに限定されるものではなく、要は、低エネルギーの超短パルスレーザ光を得るレーザ媒体で構成された発振器であればなんでもよい。
・上記実施形態では、シードレーザ発振器11は、イッテルビウム添加ヤグ結晶を媒体体として低エネルギーのフェムト秒パルスレーザ光を得るようにした発振器であったが、これに限定されるものではなく、要は、低エネルギーの超短パルスレーザ光を得るレーザ媒体で構成された発振器であればなんでもよい。
・上記実施形態では、再生増幅器13は、共振構造をもった増幅器であって、特に限定しなかったが、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更してもよい。
上記実施形態では、レーザパルス圧縮器14は、2枚の回折格子を有した圧縮器であっが、特に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更してもよい。
上記実施形態では、レーザパルス圧縮器14は、2枚の回折格子を有した圧縮器であっが、特に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更してもよい。
・上記実施形態では、偏光ビームスプリッター12aを通過するシードレーザ発振器11からのレーザ光を一方のレーザ光として非偏波保持光ファイバ12bに出射し、偏光ビームスプリッター12aを反射する長パルス化されたレーザ光を他方のレーザ光として偏波保持光ファイバ12dに出射させたが、これを反対にして、シードレーザ発振器11からのレーザ光を反射させて非偏波保持光ファイバ12bに出射し、長パルス化されたレーザ光を通過させて偏波保持光ファイバ12dに出射させるように実施してもよい。
10…レーザ発生装置、11…シードレーザ発振器、12…レーザ光伸張器、12a…偏光ビームスプリッター、12b…非偏波保持光ファイバ、12c…ファラデーローテータミラー、12d…偏波保持光ファイバ、13…再生増幅器、14…レーザパルス圧縮器、20…レーザマーキング装置、W…加工対象物。
Claims (4)
- レーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から入射するレーザ光を反射又は透過の一方に出射させる偏光ビームスプリッターと、前記偏光ビームスプリッターからのレーザ光を伝送する光ファイバと、前記光ファイバからのレーザ光を反射させるとともにこのレーザ光の偏光面を90度回転させて、再び前記光ファイバに導くファラデーローテータミラーとを備えるレーザ光伸長手段と、
前記レーザ光伸長手段が生成したレーザ光を、前記偏光ビームスプリッターから前記反射又は透過の他方により入射したレーザ光を増幅する増幅手段と、
前記増幅手段で増幅されたレーザ光を、波長毎に発生させた時間差を相殺して超短パルスレーザ光を出射するレーザ光圧縮手段と
を備えたレーザ光発生装置であって、
前記光ファイバは、非偏波保持型の光ファイバで構成したことを特徴とするレーザ発生装置。 - 請求項1に記載のレーザ発生装置において、
前記レーザ光伸長手段は、
前記偏光ビームスプリッターから前記反射又は透過の他方により出射させて前記増幅手段に導くレーザ光を、偏波保持型の光ファイバにて導くようにしたことを特徴とするレーザ発生装置。 - 請求項1又は2に記載のレーザ発生装置において、
前記増幅手段及び前記レーザ光圧縮手段は、偏波保持型の構成であることを特徴とするレーザ発生装置。 - レーザ発生手段から出射されるレーザ光を加工対象物に照射して、前記加工対象物を加工を行うレーザ加工装置であって、
前記レーザ発生手段は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザ発生装置であることを特徴とするレーザ加工装置。
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- 2008-04-30 JP JP2008119282A patent/JP2009272346A/ja active Pending
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