JP2009270637A - 遊星差動式運動変換機構、並びにこれを具備する動力装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シャフト本体が傾くことに起因して同シャフト本体に形成された螺子及び第1プラネタリギアやこれらと噛合する螺子及びリングギアの歯面に偏磨耗や欠損が生じることを抑制することのできる遊星差動式運動変換機構を提供する。
【解決手段】遊星差動式運動変換機構100にあっては、プラネタリシャフト30が荷重Fの作用方向側に配設されるフロント側プラネタリギア32a及び螺子31を含んで構成されるシャフト本体35と、荷重Fの作用方向とは反対側に配設されるリア側プラネタリギア32bとに分割されており、シャフト本体35に形成された軸部33をリア側プラネタリギア32bに形成された軸受孔34に挿入することによりこれらが連結されている。リア側プラネタリギア32bと噛合するリア側サンギア22bの基準円半径Rbは、フロント側プラネタリギア32aと噛合するフロント側サンギア22aの基準円半径Raよりも大きく設定されている。
【選択図】図2
【解決手段】遊星差動式運動変換機構100にあっては、プラネタリシャフト30が荷重Fの作用方向側に配設されるフロント側プラネタリギア32a及び螺子31を含んで構成されるシャフト本体35と、荷重Fの作用方向とは反対側に配設されるリア側プラネタリギア32bとに分割されており、シャフト本体35に形成された軸部33をリア側プラネタリギア32bに形成された軸受孔34に挿入することによりこれらが連結されている。リア側プラネタリギア32bと噛合するリア側サンギア22bの基準円半径Rbは、フロント側プラネタリギア32aと噛合するフロント側サンギア22aの基準円半径Raよりも大きく設定されている。
【選択図】図2
Description
この発明は、円環状のロータと、このロータに内挿されるサンシャフトと、これらロータ及びサンシャフトの間に介装されるプラネタリシャフトとを備え、これらの各部材に形成されて互いに螺合する螺子の作用を利用してロータの回転運動をサンシャフトの直線運動に変換する遊星差動式運動変換機構、並びにこれを具備する動力装置に関する。
モータの回転力を利用して制御軸をその軸方向に変位させる動力装置には、モータの回転運動を制御軸の直線運動に変換する運動変換機構が搭載されている。例えば、こうした運動変換機構として、特許文献1には、モータによって回転駆動される円環状のロータにサンシャフトを内挿し、これらロータとサンシャフトとの間に複数のプラネタリシャフトを介装させるとともに、各部材にそれぞれ設けられた螺子同士を互いに螺合させた遊星差動式の運動変換機構が記載されている。
この遊星差動式運動変換機構は、いわゆる差動螺子を有しており、プラネタリシャフトに形成された螺子とサンシャフトに形成された螺子とのリード角が異なっている。これにより、ロータの回転運動に伴ってプラネタリシャフトがサンシャフトの外周面上を転動すると、このリード角の違いの分だけサンシャフトが軸方向に変位する。
ところで、こうした遊星差動式運動変換機構にあっては、サンシャフトの外周面に形成されたサンギアと、ロータの内周面に形成されたリングギアとの双方に噛合するプラネタリギアをプラネタリシャフトの両端部にそれぞれ設け、これらのギアを介してロータの回転力をプラネタリシャフトに伝達するようにしている。こうした構成によれば、ギアを介して確実に回転力が伝達されるようになるため、螺子の噛合部分における滑りを抑制してロータの回転運動をサンシャフトの直線運動に変換する効率を向上させることができる。
しかしながら、このようにプラネタリシャフトの両端部に一対のプラネタリギアが設けられていると、サンシャフト、プラネタリシャフト、ロータを一体に組み付ける際に各部材の螺子及びギアが干渉してその組み付けが困難になる。そこで特許文献1に記載の遊星差動式運動変換機構のプラネタリシャフトにあっては、プラネタリシャフトの両端部に設けられる一対のプラネタリギアのうち、一方のプラネタリギアを脱着可能にしている。具体的には、図3に示されるように螺子31が形成されたシャフト本体35に第1プラネタリギア32aが固定されている一方、第2プラネタリギア32bがシャフト本体35と別体に形成されている。そして、シャフト本体35に形成された軸部33を第2プラネタリギア32bに形成された軸受孔34に挿入することにより第2プラネタリギア32bとシャフト本体35とが相対回動自在に連結される。
こうした構成によれば、図4に示されるように第2プラネタリギア32bを取り外した状態にてサンシャフト20の周囲にシャフト本体35を配設し、この状態でロータ10をサンシャフト20及びシャフト本体35に被せてその螺子11をシャフト本体35に形成された螺子31に螺合させることができる。そして、こうしてロータ10、シャフト本体35、サンシャフト20の螺子をそれぞれ螺合させた後に第2プラネタリギア32bを組み付けることにより、各部材を容易に組み付けることができるようになる。
また、遊星差動式運動変換機構の駆動時にはロータ10の回転に伴ってプラネタリシャフト30がサンシャフト20の外周面上を転動するが、各プラネタリギア32a,32b及びこれらにそれぞれ噛合するギアの製造誤差等に起因して第1プラネタリギア32aと第2プラネタリギア32bとの回転位相に僅かな差が生じることがある。これに対して上記のようにシャフト本体35と第2プラネタリギア32bの連結部分における相対回動が許容されていれば、こうした回転位相の差に起因してプラネタリシャフト30にねじれが生じることも抑制することができる。
特開2007‐177912号公報
ところで、こうした遊星差動式運動変換機構において、図5に矢印で示されるようにサンシャフト20に図5における右側に向かって荷重Fが作用している場合には、プラネタリシャフト30の螺子31におけるサンシャフト20の螺子21と噛合する部分には図5の右側に向かう方向の荷重f1が作用する一方、同螺子31におけるロータ10の螺子11と噛合する部分にはロータ10から受ける抵抗力によって図5の左側に向かう方向の荷重f2が作用する。その結果、プラネタリシャフト30には、図5の中央に矢印で示されるように同プラネタリシャフト30を左周りに回転させるモーメントMが作用するようになる。また、ロータ10がサンシャフト20の中心軸を中心にして回転するのに伴いプラネタリシャフト30がサンシャフト20の外周面上を転動すると、同プラネタリシャフト30にはこれをロータ10に押し付けるような遠心力が作用する。その結果、これらのモーメントMと遠心力との作用により、シャフト本体35は、図5に破線で示されるように軸部33における軸受孔34のサンシャフト20側の内周面と接触する部分(図5における点A)を支点にして荷重Fの作用方向側の部分がロータ10側に向かって開くように傾く。その結果、ロータ10の内周面において荷重Fの作用方向側に位置する第1リングギア12aと、第1プラネタリギア32aとが接触する部分ではこれらのギア同士が傾いた状態で接触し、片当たりするようになる。また、プラネタリシャフト30の螺子31とロータ10の螺子11との噛合部分においても同様に片当たりが生じるようになり、これらの部分において偏磨耗や欠損が生じやすくなり、耐久性が低下することとなる。
この発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的はサンシャフトに作用する荷重の影響によりシャフト本体が傾くことに起因して同シャフト本体に形成された螺子及び第1プラネタリギアやこれらと噛合する螺子及びリングギアの歯面に偏磨耗や欠損が生じることを抑制することのできる遊星差動式運動変換機構、並びにこれを具備する動力装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、円環状のロータと同ロータに内挿されるサンシャフトとの間に複数のプラネタリシャフトを介装し、同プラネタリシャフトの両端部に形成された一対のプラネタリギアを前記ロータの内周面に形成された一対のリングギアと前記サンシャフトの外周面に形成された一対のサンギアとの双方にそれぞれ噛合させるとともに、同プラネタリシャフトの外周面における前記一対のプラネタリギアの間に形成された螺子を前記ロータの内周面に形成された螺子と前記サンシャフトの外周面に形成された螺子との双方に螺合させることによって各部材を噛合させ、前記サンシャフトに形成された螺子のリード角と前記プラネタリシャフトに形成された螺子のリード角との差を利用して前記ロータの回転運動を前記サンシャフトの直線運動に変換する遊星差動式運動変換機構であり、同遊星差動式運動変換機構は前記サンシャフトにその軸方向の一方に向かう荷重が常に作用する状況下で使用され、前記プラネタリシャフトが、前記荷重の作用方向側に配設される第1プラネタリギア及び前記螺子を含んで構成されるシャフト本体と、前記荷重の作用方向とは反対側に配設される第2プラネタリギアとに分割されており、前記シャフト本体に形成された軸部を前記第2プラネタリギアに形成された軸受孔に挿入することによりこれらが相対回動可能に連結されてなる遊星差動式運動変換機構において、前記サンシャフトに形成された一対のサンギアのうち、前記荷重の作用方向とは反対側に位置して前記第2プラネタリギアと噛合する第2サンギアの基準円半径を前記荷重の作用方向側に位置して前記第1プラネタリギアと噛合する第1サンギアの基準円半径よりも大きくすることをその要旨とする。
請求項1に記載の発明は、円環状のロータと同ロータに内挿されるサンシャフトとの間に複数のプラネタリシャフトを介装し、同プラネタリシャフトの両端部に形成された一対のプラネタリギアを前記ロータの内周面に形成された一対のリングギアと前記サンシャフトの外周面に形成された一対のサンギアとの双方にそれぞれ噛合させるとともに、同プラネタリシャフトの外周面における前記一対のプラネタリギアの間に形成された螺子を前記ロータの内周面に形成された螺子と前記サンシャフトの外周面に形成された螺子との双方に螺合させることによって各部材を噛合させ、前記サンシャフトに形成された螺子のリード角と前記プラネタリシャフトに形成された螺子のリード角との差を利用して前記ロータの回転運動を前記サンシャフトの直線運動に変換する遊星差動式運動変換機構であり、同遊星差動式運動変換機構は前記サンシャフトにその軸方向の一方に向かう荷重が常に作用する状況下で使用され、前記プラネタリシャフトが、前記荷重の作用方向側に配設される第1プラネタリギア及び前記螺子を含んで構成されるシャフト本体と、前記荷重の作用方向とは反対側に配設される第2プラネタリギアとに分割されており、前記シャフト本体に形成された軸部を前記第2プラネタリギアに形成された軸受孔に挿入することによりこれらが相対回動可能に連結されてなる遊星差動式運動変換機構において、前記サンシャフトに形成された一対のサンギアのうち、前記荷重の作用方向とは反対側に位置して前記第2プラネタリギアと噛合する第2サンギアの基準円半径を前記荷重の作用方向側に位置して前記第1プラネタリギアと噛合する第1サンギアの基準円半径よりも大きくすることをその要旨とする。
サンシャフトに作用する荷重に起因するモーメントと遠心力とが作用することにより、プラネタリシャフトのシャフト本体は、荷重の作用方向と反対側に位置する軸部が第2プラネタリギアに形成された軸受孔のサンシャフト側の内周面に当接するとともに、同シャフト本体における荷重の作用方向側の部分がロータの内周面に当接するまで傾くようになる。このとき、シャフト本体が傾斜する際にその両端部がそれぞれ当接するこれらの部分が同遊星差動式運動変換機構の径方向において離間しているほど、シャフト本体は傾きやすくなる。これに対して上記請求項1に記載の発明にあっては、第2プラネタリギアと噛合する第2サンギアの基準円半径を第1サンギアの基準円半径よりも大きくするようにしている。これにより、第2サンギアと噛合する第2プラネタリギアは、第2サンギアの基準円半径が大きくされた分だけ遊星差動式運動変換機構の径方向においてロータ側に位置するようになる。その結果、シャフト本体が傾斜する際にその両端部がそれぞれ当接する第2プラネタリギアに形成された軸受孔のサンシャフト側の内周面と、ロータの内周面との遊星差動式運動変換機構の径方向における距離が小さくなり、シャフト本体が傾きにくくなる。したがって、上記請求項1に記載の発明によれば、シャフト本体が傾くことに起因して同シャフト本体に形成された螺子及び第1プラネタリギアやこれらと噛合する螺子及びリングギアの歯面に偏磨耗や欠損が生じることを抑制することができるようになる。
また、上記構成によれば、プラネタリギアやリングギア等の設計を変更することなく、第2サンギアの基準円半径を第1サンギアの基準円半径よりも大きく設定する簡単な変更のみによってシャフト本体の傾きを抑制し、こうした偏磨耗や欠損が生じることを抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊星差動式運動変換機構において、前記第2サンギアは、前記シャフト本体の外周面が前記ロータの内周面に均一に当接した状態において前記軸受孔の前記サンシャフト側の内周面と前記軸部との間のクリアランスが無くなるようにその基準円半径が設定されてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、シャフト本体がロータの内周面に、より詳しくはシャフト本体の螺子及び第1プラネタリギアがロータの内周面に形成された螺子及びリングギアに均一に当接した状態において軸部と軸受孔のサンシャフト側の内周面とが当接した状態となり、軸部が軸受孔の内周面によってサンシャフト側から常に支持されるようになる。これにより、シャフト本体の姿勢を螺子及び第1プラネタリギアが均一に当接する状態に保持してサンシャフトに作用する荷重に起因するシャフト本体の傾き、及びこれに起因する偏磨耗の発生を好適に抑制することができるようになる。尚、第2サンギアの基準円半径を過剰に大きくすると、軸受孔と軸部との接触部分における接触面圧が大きくなり、この部分の摩擦の増大により遊星差動式運動変換機構の効率が低下したり、この部分における摩耗が進行しやすくなったりするおそれがある。そのため、第2サンギアの基準円半径を設定する際には、シャフト本体の螺子及び第1プラネタリギアがロータの螺子及びリングギアに均一に当接した状態においてシャフト本体の軸部が軸受孔の内周面に当接するとともに、軸受孔と軸部との接触部分における接触面圧が過剰に大きくならないようにこれを設定することが望ましい。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊星差動式運動変換機構を具備し、モータの駆動力によって前記ロータを回転させることにより前記サンシャフトを軸方向に変位させる動力装置である。
具体的には、上記構成のように請求項1又は請求項2に記載の遊星差動式運動変換機構は、ロータを回転させるモータと組み合わされ、モータの回転力を利用してサンシャフトを軸方向に変位させる動力装置に適用される。
請求項4に記載の発明は、制御軸の軸方向の変位に伴って機関バルブの最大リフト量及びリフト期間を変更する内燃機関のバルブ特性変更機構と組み合わされ、前記制御軸を軸方向に変位させる動力装置として適用される請求項3に記載の動力装置である。
機関バルブの最大リフト量及びリフト期間を変更する内燃機関のバルブ特性変更機構の制御軸には、バルブスプリングの反力によって機関バルブの最大リフト量及びリフト期間を小さくする方向に制御軸を変位させる荷重が常に作用する。そのため、請求項4に記載の発明のように、こうしたバルブ特性変更機構の制御軸を駆動する動力装置として、上記請求項3に記載の動力装置を適用することが望ましい。
以下、この発明にかかる遊星差動式運動変換機構を、電動モータの駆動力によってバルブ特性変更機構の制御軸を軸方向に変位させる動力装置に搭載される遊星差動式運動変換機構として具体化した一実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は本実施形態にかかる遊星差動式運動変換機構100の一部を破断してその内部構造を示す破断斜視図である。尚、以下の説明では、図1における右方向を遊星差動式運動変換機構100におけるフロント側、図1における左方向をリア側として説明を行う。図1に示されるように本実施形態の遊星差動式運動変換機構100は、円筒状のロータ10にサンシャフト20を内挿するとともに、サンシャフト20とロータ10との間に複数のプラネタリシャフト30を介装させることにより構成されている。尚、本実施形態の遊星差動式運動変換機構100にあっては、サンシャフト20を取り囲むように9本のプラネタリシャフト30を等角度間隔で配設している。
以下、遊星差動式運動変換機構100の内部構造を更に詳しく説明する。図1に示されるようにロータ10の内周面には、その中央部分にフロント側からリア側に向かって左回りに進行する5条の左螺子からなる螺子11が形成されている。更にロータ10の内周面にはこの螺子11を挟むようにフロント側リングギア12aとリア側リングギア12bとが固定されている。各リングギア12a,12bは、その歯すじがロータ10の中心軸延伸方向に沿って延びる平歯ギアである。
一方、このロータ10に内挿されたサンシャフト20の外周面には、ロータ10に形成された螺子11と対向する位置にフロント側からリア側に向かって右回りに進行する4条の右螺子からなる螺子21が形成されている。また更にサンシャフト20の外周面にはこの螺子21を挟むようにフロント側サンギア22aとリア側サンギア22bとが形成されている。各サンギア22a,22bは、その歯すじがサンシャフト20の中心軸延伸方向に沿って延びる平歯ギアである。
そして、これらロータ10とサンシャフト20との間に介装された各プラネタリシャフト30の外周面には、図1に示されるようにロータ10の内周面に形成された螺子11とサンシャフト20の外周面に形成された螺子21との双方に螺合する螺子31が形成されている。この螺子31はフロント側からリア側に向かって左回りに進行する1条の左螺子である。
また、図1に示されるように各プラネタリシャフト30には、この螺子31を挟むように、そのフロント側端部にフロント側プラネタリギア32aが、リア側端部にリア側プラネタリギア32bがそれぞれ形成されている。これらの各プラネタリギア32a,32bは、その歯すじがプラネタリシャフト30の中心軸延伸方向に沿って延びる平歯ギアである。そして、フロント側プラネタリギア32aはロータ10に形成されたフロント側リングギア12aとサンシャフト20に形成されたフロント側サンギア22aとの双方に噛合しており、リア側プラネタリギア32bはロータ10に形成されたリア側リングギア12bとサンシャフト20に形成されたリア側サンギア22bとの双方に噛合している。
このように本実施形態の遊星差動式運動変換機構100にあっては、ロータ10、サンシャフト20及びプラネタリシャフト30のそれぞれが各部材に形成された螺子及びギアを介して互いに噛合している。
ここで、ロータ10の螺子11とプラネタリシャフト30の螺子31にあっては、そのピッチ円径の比と螺子条数の比とがどちらも「5:1」に設定されている。これにより、ロータ10の螺子11とプラネタリシャフト30の螺子31にあっては、そのリード角がともに等しくなっている。そのため、プラネタリシャフト30がロータ10の内周面に沿って転動したとき、ロータ10とプラネタリシャフト30との間では軸方向の相対的な変位は生じない。
一方、プラネタリシャフト30の螺子31とサンシャフト20の螺子21にあっては、ピッチ円径の比と螺子条数の比とが異なっている。具体的にはピッチ円径の比が「1:3」に設定されているのに対して、上述したようにプラネタリシャフト30の螺子31の螺子条数が1条であり、サンシャフト20の螺子21の螺子条数は4条であるため、螺子条数の比は「1:4」に設定されている。これにより、サンシャフト20の螺子21とプラネタリシャフト30の螺子31にあっては、そのリード角が異なっている。そのため、プラネタリシャフト30が、サンシャフト20の外周面に沿って転動した場合にはこのリード角の差の分だけサンシャフト20とプラネタリシャフト30とが軸方向にずれて、その相対的な位置が変化するようになる。
上記のように遊星差動式運動変換機構100にあっては、螺子及びギアを介してロータ10、サンシャフト20及びプラネタリシャフト30が互いに噛合されている。そのため、ロータ10をサンシャフト20に対して相対回動させることにより、ロータ10の回転力が螺子及びギアを介してプラネタリシャフト30に伝達され、プラネタリシャフト30がサンシャフト20の外周面上で転動するようになる。そして、プラネタリシャフト30がサンシャフト20の外周面上で転動すると、上述したリード角の違いの分だけサンシャフト20が軸方向に変位するようになる。すなわち遊星差動式運動変換機構100を通じてロータ10に入力される回転運動をサンシャフト20の直線運動に変換して出力することができる。
ところで、本実施形態にかかる遊星差動式運動変換機構100におけるプラネタリシャフト30は、リア側プラネタリギア32bが取り外し可能に構成されている。具体的には図1に示されるようにプラネタリシャフト30は、螺子31及びフロント側プラネタリギア32aが一体に形成されたシャフト本体35と、リア側プラネタリギア32bとによって構成されている。これは、プラネタリシャフト30の各端部にフロント側プラネタリギア32aとリア側プラネタリギア32bとが形成された状態では、ロータ10、サンシャフト20及びプラネタリシャフト30を互いに組み付ける際に、それぞれの部材に形成されたギア及び螺子が干渉してしまい、その組み付けが困難になるためである。
リア側プラネタリギア32bには、その中心軸に沿って延びる軸受孔34が形成されている。これに対してシャフト本体35には螺子31側の先端部にこの軸受孔34に挿入される軸部33が設けられている。これにより、シャフト本体35に形成された軸部33をリア側プラネタリギア32bの軸受孔34に挿入することによってリア側プラネタリギア32bとシャフト本体35とを相対回動自在に連結することができる。
このようにリア側プラネタリギア32bをシャフト本体35から取り外すことができるようにプラネタリシャフト30を構成しておけば、リア側プラネタリギア32bをシャフト本体35から取り外した状態でロータ10、サンシャフト20、シャフト本体35を互いに組み付けることにより、これらを容易に組み付けることができるようになる。具体的には、リア側プラネタリギア32bを取り外した状態においてサンシャフト20の周囲にシャフト本体35を配設し、この状態でサンシャフト20及びシャフト本体35にシャフト本体35の軸部33側からロータ10を被せてその螺子11をシャフト本体35の螺子31に螺合させる。そして、このようにロータ10、シャフト本体35、サンシャフト20の螺子をそれぞれ螺合させた後に、リア側プラネタリギア32bをシャフト本体35に組み付けることにより、容易に各部材を組み付けることができる。そして、このように各部材を組み付けた後に、ロータ10にリングギア12a,12bを固定することにより遊星差動式運動変換機構100を容易に組み立てることができる。
また、遊星差動式運動変換機構100の駆動中には上述したようにロータ10の回転に伴ってプラネタリシャフト30がサンシャフト20の外周面上を転動するが、フロント側プラネタリギア32a、リア側プラネタリギア32b及びこれらにそれぞれ噛合するギアの製造誤差等によってフロント側プラネタリギア32aとリア側プラネタリギア32bとの回転位相には僅かな差が生じることがある。このとき、上記のように軸受孔34に軸部33を挿入することにより、シャフト本体35とリア側プラネタリギア32bとを連結していれば、これらの相対回動が許容されるため、こうした回転位相の差に起因してプラネタリシャフト30にねじれが生じることも抑制することができる。
この遊星差動式運動変換機構100は、内燃機関の吸気バルブの最大リフト量及びリフト期間を変更するバルブ特性変更機構の制御軸を駆動する動力装置に搭載される。具体的には、ロータ10の外周面上に永久磁石が取り付けられて同ロータ10が電動モータのロータとして機能するように構成される。そして、図1の右側に示されるサンシャフト20の先端部24がバルブ特性変更機構の制御軸に連結される。尚、バルブ特性変更機構は、制御軸の軸方向の変位に伴って機関バルブの最大リフト量及びリフト期間を変更するものである。
また、図1の右側に示されるようにサンシャフト20の外周面にはストレートスプライン23が形成されている。このストレートスプライン23は、遊星差動式運動変換機構100がバルブ特性変更機構の動力装置として内燃機関に固定された際に、内燃機関のケーシングの開口部分に形成されているストレートスプラインに噛み合わされる。これにより、サンシャフト20はストレートスプライン23の作用によって軸方向移動は許されるが、軸方向の回動は規制されるようになる。
このように本実施形態の遊星差動式運動変換機構100をバルブ特性変更機構の動力装置に適用して内燃機関に取り付けることにより、モータの回転運動を同遊星差動式運動変換機構100を通じて制御軸の軸方向の直線運動に変換し、制御軸の軸方向位置を調節することができるようになる。すなわち、モータの回転量を制御することによりバルブ特性変更機構を制御して吸気バルブの最大リフト量及びリフト期間を任意に変更することができるようになる。
ところで、バルブ特性変更機構の制御軸には、バルブスプリングの反力によって吸気バルブの最大リフト量及びリフト期間を小さくする方向に同制御軸を変位させる荷重Fが常に作用する。そのため、遊星差動式運動変換機構100のサンシャフト20にも図1に矢印で示されるように一方向の荷重Fが常に作用することになる。そして、この荷重Fの作用に起因してプラネタリシャフト30のシャフト本体35には、同シャフト本体35を傾けるモーメントが作用するようになる。また、ロータ10がサンシャフト20の中心軸を中心にして回転するのに伴いプラネタリシャフト30がサンシャフト20の外周面上を転動すると、同プラネタリシャフト30にはこれをロータ10に押し付けるような遠心力が作用する。その結果、これらモーメントと遠心力との作用により、シャフト本体35は、同シャフト本体35のフロント側部分が遊星差動式運動変換機構100の径方向に開くように傾くようになる。
このようにシャフト本体35が傾くと、ロータ10の内周面において荷重Fの作用方向側に位置するフロント側リングギア12aと、フロント側プラネタリギア32aとが接触する部分ではこれらのギア同士が傾いた状態で接触し、片当たりするようになる。また、プラネタリシャフト30の螺子31とロータ10の螺子11との噛合部分においても同様に片当たりが生じるようになり、これらの部分において偏磨耗や欠損が生じやすくなって耐久性が低下することとなる。
そこで、本実施形態の遊星差動式運動変換機構100にあっては、リア側サンギア22bの基準円半径Rbをフロント側サンギア22aの基準円半径Raよりも大きくすることにより、シャフト本体35が傾くことを抑制するようにしている。
以下、ロータ10、サンシャフト20及びプラネタリシャフト30の噛合状態を示す図2を参照して、遊星差動式運動変換機構100におけるサンギア22a,22bの基準円半径Ra,Rbの設定態様を詳しく説明する。尚、図2は、遊星差動式運動変換機構100におけるロータ10、サンシャフト20及びプラネタリシャフト30の噛合状態、並びにリア側プラネタリギア32bとシャフト本体35との連結部分の状態を示す模式図である。
図2に示されるように、本実施形態の遊星差動式運動変換機構100にあっては、サンシャフト20のリア側サンギア22bの基準円半径Rbがフロント側サンギア22aの基準円半径Raよりも大きく設定されており、このリア側サンギア22bに噛合しているリア側プラネタリギア32bが、同リア側サンギア22bによってロータ10側に持ち上げられた状態となっている。これにより、リア側プラネタリギア32bは、螺子21及びフロント側サンギア22aに噛合しているシャフト本体35よりも僅かにロータ10側に位置している。
また、リア側サンギア22bの基準円半径Rbは、図2に示されるようにシャフト本体35がサンシャフト20と略平行になり、シャフト本体35がロータ10の内周面に均一に当接した状態において、リア側プラネタリギア32bの軸受孔34のサンシャフト側内周面と、シャフト本体35の軸部33との間のクリアランスが無くなるようにその大きさが設定されている。すなわち、シャフト本体35の螺子31及びフロント側プラネタリギア32aがロータ10の内周面に形成された螺子11及びフロント側リングギア12aと均一に接している状態において、同クリアランスが無くなるようにその大きさが設定されている。
サンシャフト20に作用する荷重Fに起因するモーメントMと遠心力とが作用することによってプラネタリシャフト30のシャフト本体35が図2において左回りに傾くときには、シャフト本体35が傾斜する際にその両端部がそれぞれ当接する部分、すなわち図2において点A及び点Bで示される部分が同遊星差動式運動変換機構100の径方向において離間しているほど、シャフト本体35は傾きやすくなる。
これに対して、本実施形態の遊星差動式運動変換機構100にあっては、上述したようにリア側サンギア22bの基準円半径Rbをフロント側サンギア22aの基準円半径Raよりも大きくすることにより、リア側プラネタリギア32bをロータ10側に持ち上げるようにしている。そのため、本実施形態の遊星差動式運動変換機構100にあっては、リア側サンギア22bの基準円半径Rbを大きくした分だけ、軸受孔34のサンシャフト20側内周面がロータ10側に位置するようになり、軸部33が当接する部分(図2における点A)とフロント側プラネタリギア32aが当接する部分(図2における点B)との距離が小さくなっている。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)シャフト本体35が傾斜する際にその両端部がそれぞれ当接するリア側プラネタリギア32bに形成された軸受孔34のサンシャフト20側の内周面(図2における点A)と、ロータ10の内周面(図2における点B)との遊星差動式運動変換機構100の径方向における距離が小さくなり、シャフト本体35が傾きにくくなる。したがって、シャフト本体35が傾くことに起因して同シャフト本体35に形成された螺子31及びフロント側プラネタリギア32aやこれらと噛合する螺子21及びリングギア12aの歯面に偏磨耗や欠損が生じることを抑制することができるようになる。
(1)シャフト本体35が傾斜する際にその両端部がそれぞれ当接するリア側プラネタリギア32bに形成された軸受孔34のサンシャフト20側の内周面(図2における点A)と、ロータ10の内周面(図2における点B)との遊星差動式運動変換機構100の径方向における距離が小さくなり、シャフト本体35が傾きにくくなる。したがって、シャフト本体35が傾くことに起因して同シャフト本体35に形成された螺子31及びフロント側プラネタリギア32aやこれらと噛合する螺子21及びリングギア12aの歯面に偏磨耗や欠損が生じることを抑制することができるようになる。
(2)また、上記実施形態の構成によれば、プラネタリギア32a,32bやリングギア12a,12b等の設計を変更することなく、リア側サンギア22bの基準円半径Rbをフロント側サンギア22aの基準円半径Raよりも大きく設定する簡単な変更のみによってシャフト本体35の傾きを抑制することができる。
(3)シャフト本体35とロータ10の内周面とが均一に接している状態において、リア側プラネタリギア32bの軸受孔34のサンシャフト側内周面と、シャフト本体35の軸部33との間のクリアランスが無くなるようにリア側サンギア22bの基準円半径Rbを設定するようにしている。そのため、図2に示されるようにシャフト本体35の螺子31及びフロント側プラネタリギア32aがロータ10の内周面に形成された螺子11及びリングギア12aに均一に当接した状態において軸部33と軸受孔34のサンシャフト20側の内周面とが当接した状態となり、軸部33が軸受孔34の内周面によってサンシャフト20側から常に支持されるようになる。これにより、シャフト本体35の姿勢を螺子31及びフロント側プラネタリギア32aが均一に当接する状態に保持してサンシャフト20に作用する荷重Fに起因するシャフト本体35の傾き、及びこれに起因する偏磨耗の発生等を好適に抑制することができるようになる。
尚、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・リア側サンギア22bの基準円半径Rbを過剰に大きくすると、軸受孔34と軸部33との接触部分における接触面圧が大きくなり、この部分の摩擦の増大により遊星差動式運動変換機構100の効率が低下したり、この部分における摩耗が進行しやすくなったりするおそれがある。そのため、リア側サンギア22bの基準円半径Rbを設定する際には、シャフト本体35の螺子31及びフロント側プラネタリギア32aがロータ10の螺子11及びフロント側リングギア12aに均一に当接した状態においてシャフト本体35の軸部33が軸受孔34の内周面に当接するとともに、軸受孔34と軸部33との接触部分における接触面圧が過剰に大きくならないようにこれを設定することが望ましい。
・リア側サンギア22bの基準円半径Rbを過剰に大きくすると、軸受孔34と軸部33との接触部分における接触面圧が大きくなり、この部分の摩擦の増大により遊星差動式運動変換機構100の効率が低下したり、この部分における摩耗が進行しやすくなったりするおそれがある。そのため、リア側サンギア22bの基準円半径Rbを設定する際には、シャフト本体35の螺子31及びフロント側プラネタリギア32aがロータ10の螺子11及びフロント側リングギア12aに均一に当接した状態においてシャフト本体35の軸部33が軸受孔34の内周面に当接するとともに、軸受孔34と軸部33との接触部分における接触面圧が過剰に大きくならないようにこれを設定することが望ましい。
・上記実施形態では、シャフト本体35とロータ10とが均一に当接した状態において、軸受孔34のサンシャフト20側の内周面と軸部33との間のクリアランスが無くなるようにリア側サンギア22bの基準円半径Rbを設定する構成を示した。これに対して、軸受孔34のサンシャフト20側の内周面と軸部33との間にクリアランスが存在する場合であっても、リア側サンギア22bの基準円半径Rbをフロント側サンギア22aの基準円半径Raよりも大きく設定することによってサンシャフト20に作用する荷重Fに起因してシャフト本体35が傾くことを抑制することができるようになる。すなわち、少なくともリア側サンギア22bの基準円半径Rbを大きくすることよって軸受孔34のサンシャフト20側の内周面と、ロータ10の内周面との遊星差動式運動変換機構100の径方向における距離を小さくする構成を採用すれば、シャフト本体35の傾き得る角度を小さくすることができ、シャフト本体35が傾くことを抑制できるようになる。
・上記実施形態では、バルブスプリングの反力によってサンシャフト20に図1における右向きの荷重Fが作用することを説明したが、バルブ特性変更機構の構成によってはバルブスプリングの反力によって図1における左向きの荷重が作用する場合もある。尚、この場合には、荷重の作用に起因してシャフト本体35が傾く方向が上記実施形態とは反対になり、シャフト本体35のリア側が遊星差動式運動変換機構100の径方向に開くように傾くこととなる。そのため、こうした場合にあっては、フロント側プラネタリギア32aをシャフト本体35とは別体に形成し、リア側プラネタリギア32bと螺子31とを含むシャフト本体35に形成された軸部33をフロント側プラネタリギア32aに挿入することによってこれらを連結する構成を採用する。そして、上記実施形態とは反対にフロント側プラネタリギア32aと噛合するフロント側サンギア22aの基準円半径Raをリア側サンギア22bの基準円半径Rbよりも大きく設定する構成を採用すればよい。こうした構成を採用すれば上記実施形態と同様に軸受孔34のサンシャフト20側内周面とロータ10の内周面との距離を小さくし、シャフト本体35の傾きを抑制することができるようになる。
・上記実施形態では、ロータ10の内周面に形成される螺子11を左螺子、サンシャフト20の外周面に形成される螺子21を右螺子、プラネタリシャフト30の外周面に形成される螺子31を左螺子にした構成を示したが、これらの螺子は互いに噛合する螺子の関係が同じであれば、その向きが反対であってもよい。すなわち、螺子11として5条の右螺子を形成し、螺子21として4条の左螺子を形成し、螺子31として1条の右螺子を形成することもできる。こうした構成を採用した場合であっても、ロータ10を回転させることによりサンシャフト20を軸方向に変位させることができる。
・また、上記実施形態において示した各螺子11,21,31の条数は、螺子21のリード角と螺子31のリード角との差を利用してロータ10の回転運動をサンシャフト20の直線運動に変換することのできる螺子条数の設定態様の一例に過ぎない。すなわち、本願発明はここで示した螺子条数で形成された螺子11,21,31を有する遊星差動式運動変換機構100に限定して適用されるものではない。
・遊星差動式運動変換機構100のロータ10に永久磁石を取り付け、ロータ10自体をモータのロータとして構成する動力装置を例示したが、本願発明にかかる遊星差動式運動変換機構100は、こうした構成の動力装置に限定して適用されるものではない。例えば、電動モータの駆動力をギアやベルト、チェーン等を介してロータ10に伝達する動力装置であっても本願発明の遊星差動式運動変換機構100を適用することができる。
・吸気バルブの最大リフト量及びリフト期間を変更するバルブ特性変更機構を駆動する動力装置として本願発明にかかる遊星差動式運動変換機構100を具備する動力装置を適用する構成を例示した。これに対して本願発明の遊星差動式運動変換機構100を具備する動力装置を排気バルブの最大リフト量及びリフト期間を変更するバルブ特性変更機構の動力装置として適用することもできる。
・また、本願発明は、上記のようなバルブ特性変更機構の動力装置に搭載される遊星差動式運動変換機構100に限らず、制御軸から一方向の荷重を受ける動力装置に搭載される遊星差動式運動変換機構全般に適用することができる。
10…ロータ、11…螺子、12a…フロント側リングギア、12b…リア側リングギア、20…サンシャフト、21…螺子、22a…フロント側サンギア、22b…リア側サンギア、23…ストレートスプライン、24…先端部、30…プラネタリシャフト、31…螺子、32a…フロント側プラネタリギア、32b…リア側プラネタリギア、33…軸部、34…軸受孔、35…シャフト本体、100…遊星差動式運動変換機構。
Claims (4)
- 円環状のロータと同ロータに内挿されるサンシャフトとの間に複数のプラネタリシャフトを介装し、同プラネタリシャフトの両端部に形成された一対のプラネタリギアを前記ロータの内周面に形成された一対のリングギアと前記サンシャフトの外周面に形成された一対のサンギアとの双方にそれぞれ噛合させるとともに、同プラネタリシャフトの外周面における前記一対のプラネタリギアの間に形成された螺子を前記ロータの内周面に形成された螺子と前記サンシャフトの外周面に形成された螺子との双方に螺合させることによって各部材を噛合させ、前記サンシャフトに形成された螺子のリード角と前記プラネタリシャフトに形成された螺子のリード角との差を利用して前記ロータの回転運動を前記サンシャフトの直線運動に変換する遊星差動式運動変換機構であり、同遊星差動式運動変換機構は前記サンシャフトにその軸方向の一方に向かう荷重が常に作用する状況下で使用され、前記プラネタリシャフトが、前記荷重の作用方向側に配設される第1プラネタリギア及び前記螺子を含んで構成されるシャフト本体と、前記荷重の作用方向とは反対側に配設される第2プラネタリギアとに分割されており、前記シャフト本体に形成された軸部を前記第2プラネタリギアに形成された軸受孔に挿入することによりこれらが相対回動可能に連結されてなる遊星差動式運動変換機構において、
前記サンシャフトに形成された一対のサンギアのうち、前記荷重の作用方向とは反対側に位置して前記第2プラネタリギアと噛合する第2サンギアの基準円半径を前記荷重の作用方向側に位置して前記第1プラネタリギアと噛合する第1サンギアの基準円半径よりも大きくする
ことを特徴とする遊星差動式運動変換機構。 - 請求項1に記載の遊星差動式運動変換機構において、
前記第2サンギアは、前記シャフト本体が前記ロータの内周面に均一に当接した状態において前記軸受孔の前記サンシャフト側の内周面と前記軸部との間のクリアランスが無くなるようにその基準円半径が設定されてなる
ことを特徴とする遊星差動式運動変換機構。 - 請求項1又は請求項2に記載の遊星差動式運動変換機構を具備し、モータの駆動力によって前記ロータを回転させることにより前記サンシャフトを軸方向に変位させる動力装置。
- 制御軸の軸方向の変位に伴って機関バルブの最大リフト量及びリフト期間を変更する内燃機関のバルブ特性変更機構と組み合わされ、前記制御軸を軸方向に変位させる動力装置として適用される
請求項3に記載の動力装置。
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JP2008121991A JP2009270637A (ja) | 2008-05-08 | 2008-05-08 | 遊星差動式運動変換機構、並びにこれを具備する動力装置 |
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JP2008121991A Pending JP2009270637A (ja) | 2008-05-08 | 2008-05-08 | 遊星差動式運動変換機構、並びにこれを具備する動力装置 |
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-
2008
- 2008-05-08 JP JP2008121991A patent/JP2009270637A/ja active Pending
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