JP2009269534A - 乗員保護制御装置及び乗員保護システム - Google Patents
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Abstract
【課題】衝突発生後に乗員状態情報が変化した場合であっても、乗員保護装置を適切に起動させて乗員保護性能の低下を防止する。
【解決手段】車両に作用する加速度を検出する加速度検出手段から得られる加速度情報と、前記車両内における乗員の状態に関する情報を検出する乗員情報検出手段から得られる乗員状態情報とに基づいて乗員保護装置の起動制御を行う乗員保護制御装置であって、前記加速度情報及び乗員状態情報に基づいて乗員保護装置の種類に応じた衝突判定を行う衝突判定手段と、前記衝突判定手段による衝突判定結果に応じて乗員保護装置の起動を指示する起動指示手段と、前記衝突判定手段によって最初の衝突有りを示す衝突判定結果が発生した後、前記衝突判定手段における乗員状態情報の更新を禁止する情報更新禁止手段とを具備する。
【選択図】図2
【解決手段】車両に作用する加速度を検出する加速度検出手段から得られる加速度情報と、前記車両内における乗員の状態に関する情報を検出する乗員情報検出手段から得られる乗員状態情報とに基づいて乗員保護装置の起動制御を行う乗員保護制御装置であって、前記加速度情報及び乗員状態情報に基づいて乗員保護装置の種類に応じた衝突判定を行う衝突判定手段と、前記衝突判定手段による衝突判定結果に応じて乗員保護装置の起動を指示する起動指示手段と、前記衝突判定手段によって最初の衝突有りを示す衝突判定結果が発生した後、前記衝突判定手段における乗員状態情報の更新を禁止する情報更新禁止手段とを具備する。
【選択図】図2
Description
本発明は、乗員保護制御装置及び乗員保護システムに関する。
一般的に、車両衝突時に乗員を保護するためのシステムとして、SRS(Supplemental Restraint System)エアバッグシステムが知られている。このSRSエアバッグシステムとは、車両の各部に設置されたサテライトセンサから出力される加速度データを基に衝突が発生したことを検知し、エアバッグやシートベルトプリテンショナ(以下、プリテンショナと称す)等の乗員保護装置を起動するものである(例えば、下記特許文献1参照)。
近年では、電子制御によるシステムの知能化が進んでおり、乗員の状態に関する情報(例えばシートベルト装着の有無、シートポジション、乗員着座の有無等:以下、乗員状態情報と称す)を取得するための各種センサを設け、衝突発生時に各種センサから得られる乗員状態情報を基に乗員保護装置の起動順序や起動タイミングを変更したり、起動の許可/禁止を判断するシステムが実用化されている。例えば、シートベルト非装着の場合には、プリテンショナの起動を禁止すると共に、シートベルト装着時と比べてエアバッグの起動タイミングを早めたりするシステムが知られている。
特開2006−88916号公報
上記のように、従来のSRSエアバッグシステムでは、衝突発生時における乗員状態情報に応じて適切な乗員保護装置を適切なタイミングで起動させていた。しかしながら、この情報が衝突中に変化してしまった場合には、本来の適切な順序で乗員保護装置が起動せず、乗員の保護性能が低下してしまう虞がある。
以下、このような本来の適切なシーケンスで乗員保護装置が起動しない状況の一例を図8及び図9を参照して具体的に説明する。図8及び図9は、衝突発生の前後における各種センサから得られるシートベルト情報、シートポジション情報、乗員着座情報及び加速度情報の変化と、プリテンショナ及びエアバッグの起動タイミングを示すタイミングチャートである。なお、図8及び図9では、エアバッグを多段階的(ここでは2段階)に起動制御する場合を例示している。エアバッグの多段階的な起動制御とは、インフレータによりガスを発生させてエアバックを展開させる際に、一度に最高出力でガスを発生させるのではなく、複数のスクイブを順次段階的に点火してガスを発生させるものである。
図8に示すように、衝突発生後においてシートベルト情報が「シートベルト非装着(プリテンショナ起動禁止)」のまま一定である場合、プリテンショナの起動は行われず、あるタイミング(加速度情報に基づく衝突判定により衝突発生と判定されたタイミング)で1stエアバッグ(1段階目)の起動が行われ、さらに所定時間経過後に2ndエアバッグ(2段階目)の起動が行われる。なお、これら1stエアバッグ及び2ndエアバッグの起動タイミングは、シートベルト情報及びシートポジション情報に応じて変更され、起動の許可/禁止は乗員着座情報に応じて変更される。
一方、図9に示すように、例えば乗員がシートベルトを装着しようとしている最中に衝突が発生し、衝突発生後においてシートベルト情報が「シートベルト非装着(プリテンショナ起動禁止)」から、1stエアバッグの起動タイミング以降のタイミングで「シートベルト装着(プリテンショナ起動許可)」に変化してしまった場合、本来であればプリテンショナの起動は1stエアバッグの起動前に実施されるべきところが、1stエアバッグの起動後に実施されることになる。このような場合、乗員は展開した1stエアバッグに対して前のめりになっている状態から、プリテンショナの起動によって後方に強く引っ張られるため、肩や胸部に大きな衝撃が加わり、プリテンショナが起動しない場合よりも乗員の負う傷害値が大きくなる虞がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、衝突発生後に乗員の状態に関する情報(乗員状態情報)が変化した場合であっても、乗員保護装置を適切に起動させて乗員保護性能の低下を防止することの可能な乗員保護制御装置及び乗員保護システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、乗員保護制御装置に係る第1の解決手段として、車両に作用する加速度を検出する加速度検出手段から得られる加速度情報と、前記車両内における乗員の状態に関する情報を検出する乗員情報検出手段から得られる乗員状態情報とに基づいて乗員保護装置の起動制御を行う乗員保護制御装置であって、前記加速度情報及び乗員状態情報に基づいて乗員保護装置の種類に応じた衝突判定を行う衝突判定手段と、前記衝突判定手段による衝突判定結果に応じて乗員保護装置の起動を指示する起動指示手段と、前記衝突判定手段によって最初の衝突有りを示す衝突判定結果が発生した後、前記衝突判定手段における乗員状態情報の更新を禁止する情報更新禁止手段とを具備することを特徴とする。
また、乗員保護制御装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前記加速度情報を基に乗員の移動量を算出する移動量算出手段と、前記加速度情報を基に乗員の移動速度変化を算出する速度変化算出手段とを備え、前記衝突判定手段は、前記乗員状態情報に基づいて前記移動量及び移動速度変化の相関関係に対する衝突判定閾値を乗員保護装置の種類毎に設定すると共に、前記移動量算出手段にて算出された移動量及び前記速度変化算出手段にて算出された移動速度変化の相関関係が前記衝突判定閾値を超えたか否かを判定することを特徴とする。
さらに、本発明では、乗員保護システムに係る解決手段として、車両に作用する加速度を検出する加速度検出手段と、前記車両内における乗員の状態に関する情報を検出する乗員情報検出手段と、前記衝突発生時に前記車両の乗員を保護するための乗員保護装置と、前記加速度検出手段から得られる加速度情報と、前記乗員情報検出手段から得られる乗員状態情報とに基づいて前記乗員保護装置の起動制御を行う上記の乗員保護制御装置とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、衝突判定手段によって最初の衝突有りを示す衝突判定結果が発生した後、衝突判定手段における乗員状態情報の更新を禁止するので、衝突発生後に乗員状態情報に変化が生じた場合であっても、最初の衝突有りを示す衝突判定結果の発生前の乗員状態情報に基づいて乗員保護装置を適切に起動制御することができ、その結果、乗員保護性能の低下を防止することが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る乗員保護制御装置を備える乗員保護システムの構成概略図である。なお、以下では、本実施形態に係る乗員保護システムとして、車両の衝突時に乗員保護装置(エアバッグ及びプリテンショナ)を起動制御するSRSエアバッグシステムを例示して説明する。
図1は、本実施形態に係る乗員保護制御装置を備える乗員保護システムの構成概略図である。なお、以下では、本実施形態に係る乗員保護システムとして、車両の衝突時に乗員保護装置(エアバッグ及びプリテンショナ)を起動制御するSRSエアバッグシステムを例示して説明する。
この図1に示すように、本実施形態に係る乗員保護システムは、車両100のフロント部の左側に設置されたフロントクラッシュセンサ(以下、L−FCSと称す)10と、車両100のフロント部の右側に設置されたフロントクラッシュセンサ(以下、R−FCSと称す)20と、運転席側シートベルトに設けられたバックルスイッチ(BSW)30と、運転席に設置されたシートポジションセンサ(SPS)40及び着座センサ50と、車両100の内部中央に設置されたSRSユニット(乗員保護制御装置)60と、運転席側に設置されたエアバッグ70及びプリテンショナ80とから概略構成されている。
なお、上記のBSW30、SPS40、着座センサ50、エアバッグ70及びプリテンショナ80におけるSPS40は運転席側のみに設けられ、また、着座センサ50は助手席側のみに設けられていることが一般的であるが、本実施形態では説明の便宜上、全ての構成を含んだ状態にて説明する。SPS40または着座センサ50の1つが無い場合でも同様な動作を行う。
L−FCS10及びR−FCS20は、バスを介してSRSユニット60と接続されたサテライトセンサであり、それぞれ加速度センサ等の衝突による衝撃を検出するセンサ本体と、SRSユニット60とのデータ通信を行う制御回路とがユニット化された構成となっている。これらL−FCS10及びR−FCS20は、主に正面衝突の衝撃によって発生する加速度を加速度センサで検出し、この加速度センサの出力信号を制御回路によってデジタルデータである加速度データに変換してSRSユニット60に送信する。
BSW30は、乗員の状態に関する情報(乗員状態情報)として運転席側の乗員のシートベルト情報を検出し、その検出結果に応じた信号をSRSユニット60に出力する。具体的には、このBSW30は、シートベルト情報が「シートベルト装着」の場合はハイレベル信号を、「シートベルト非装着」の場合はローレベル信号をSRSユニット60に出力する。
SPS40は、乗員状態情報として運手席側のシートの位置情報(シートポジション情報)を検出し、その検出結果に応じた信号をSRSユニット60に出力する。具体的には、このSPS40は、シートポジション情報が「Near(ハンドルに近い位置)」の場合はハイレベル信号を、「Far(ハンドルから遠い位置)」の場合はローレベル信号をSRSユニット60に出力する。
着座センサ50は、乗員状態情報として運転席側の乗員着座情報を検出し、その検出結果に応じた信号をSRSユニット60に出力する。具体的には、この着座センサ50は、乗員着座情報が「着座」の場合はハイレベル信号を、「空席」の場合はローレベル信号をSRSユニット60に出力する。
SRSユニット60は、上記のL−FCS10及びR−FCS20から受信した加速度データと、BSW30、SPS40及び着座センサ50の出力信号(乗員状態情報)と、後述する内部に設置されたメインセンサ60aから得られる加速度データとに基づいて、衝突発生時に乗員保護装置、つまりエアバッグ70及びプリテンショナ80の起動制御を行う。
エアバッグ70は、SRSユニット60による制御の下、衝突発生時に展開して衝突の衝撃から乗員を保護する。なお、このエアバッグ70のインフレータ内部には、段階的に点火してガスを発生させるための複数(本実施形態では2個)のスクイブが設けられている。つまり、本実施形態では、エアバッグ70を多段階的(2段階)に起動制御する場合を例示している。プリテンショナ80は、SRSユニット60による制御の下、運転席側シートベルトを巻き取って、乗員に対するシートベルトの拘束力を増大させるものである。
続いて、図2を参照してSRSユニット60の内部構成について詳細に説明する。図2に示すように、SRSユニット60は、メインセンサ(加速度検出手段)60a、LPF(Low Pass Filter)60b、速度変化算出部(速度変化算出手段)60c、移動量算出部(移動量算出手段)60d、衝突判定部(衝突判定手段)60e、OR回路60f、情報更新禁止部(情報更新禁止手段)60g、第1AND回路60h、P/T起動信号発生部60i、第2AND回路60j、第1A/B起動信号発生部60k、遅延回路60m、第3AND回路60n及び第2A/B起動信号発生部60pから構成されている。
なお、上記の第1AND回路60h、P/T起動信号発生部60i、第2AND回路60j、第1A/B起動信号発生部60k、遅延回路60m、第3AND回路60n及び第2A/B起動信号発生部60pは、本発明における起動指示手段を構成するものである。
メインセンサ60aは、車両の前後方向に作用する加速度を検出し、その検出した加速度に応じた加速度信号(加速度情報)をLPF60bに出力する。LPF60bは、メインセンサ60aから出力される加速度信号からノイズ成分である高周波成分を除去して速度変化算出部60c及び移動量算出部60dに出力する。
速度変化算出部60cは、LPF60bの出力信号をデジタルデータ(つまり加速度データ)に変換し、この加速度データを一次区間積分することにより乗員の移動速度変化ΔVnを算出し、その算出結果を衝突判定部60eに出力する。移動量算出部60dは、LPF60bの出力信号を加速度データに変換し、この加速度データを二次区間積分することにより乗員の移動量ΔSnを算出し、その算出結果を衝突判定部60eに出力する。
衝突判定部60eは、情報更新禁止部60gを介して入力されるBSW30、SPS40及び着座センサ50の出力信号(乗員状態情報)と、速度変化算出部60cから入力される移動速度変化ΔVnと、移動量算出部60dから入力される移動量ΔSnと、L−FCS10及びR−FCS20から受信した加速度データとに基づいて、エアバッグ70とプリテンショナ80の各々に対応する衝突判定を行い、それらの判定結果に応じた信号を出力する。
具体的には、この衝突判定部60eは、移動速度変化ΔVと移動量ΔSとの相関関係を示すS−Vマップ(例えば、移動量ΔSを横軸、移動速度変化ΔVを縦軸とする直交座標)上において、エアバッグ70とプリテンショナ80の起動に関する衝突判定閾値を、サテライトセンサ(L−FCS10またはR−FCS20)にて所定の大きさの衝突が検知されたか否かの判定結果、および、BSW30にて検出されたシートベルト情報、および、SPS40にて検出されたシートポジション情報、着座センサ50にて検出された乗員着座情報を参照しつつ、エアバック70とプリテンショナ80とで異なるように設定する。
そして、衝突判定部60eは、速度変化算出部60cから入力される移動速度変化ΔVnおよび移動量算出部60dから入力される移動量ΔSnの相関関係が衝突判定閾値を超えたか否かを各乗員保護装置毎に判定し、プリテンショナ80の起動に関する衝突判定閾値を超えた場合には、ハイレベルのP/T信号を第1AND回路60h及びOR回路60fへ出力し、また、1段階目のエアバック70の起動に関する衝突判定閾値を超えた場合には、ハイレベルの第1A/B信号を第2AND回路60j、OR回路60f及び遅延回路60mに出力し、2段階目のエアバッグ70の起動に関する衝突判定閾値を超えた場合には、ハイレベルの第2A/B信号を遅延回路60mに出力する。
OR回路60fは、衝突判定部60eから入力されるP/T信号と第1A/B信号との論理和信号を情報更新禁止部60gに出力する。情報更新禁止部60gは、OR回路60fから入力される信号がローレベルの場合、BSW30、SPS40及び着座センサ50の出力信号を衝突判定部60eに通過させる一方、OR回路60fから入力される信号がハイレベルに遷移した場合、このハイレベル遷移時におけるBSW30、SPS40及び着座センサ50の出力信号の状態を保持して衝突判定部60eに出力する。つまり、衝突判定部60eによって最初の衝突有りを示す衝突判定結果が発生した(P/T信号と第1A/B信号とのいずれか一方が最初にハイレベルに遷移した)後、衝突判定部60eにおける乗員状態情報の更新が禁止されることになる。
第1AND回路60hは、衝突判定部60eから入力されるP/T信号と、例えば所定値以上の加速度(あるいは減速度)を検出した際にハイレベルのセーフィング信号を出力する機械式または電子式等のセーフィングセンサ10aから出力されるセーフィング信号との論理積信号をP/T起動信号発生部60iに出力する。P/T起動信号発生部60iは、第1AND回路60hの出力信号に応じてプリテンショナ80を起動させるため指令信号を出力する。
第2AND回路60jは、衝突判定部60eから入力される第1A/B信号と、セーフィングセンサ10aから入力されるセーフィング信号との論理積信号を第1A/B起動信号発生部60kに出力する。第1A/B起動信号発生部60kは、第2AND回路60jの出力信号に応じて、1段階目に対応するエアバッグ70の起動を指示するための指令信号を出力する。
遅延回路60mは、衝突判定部60eから出力される第1A/B信号及び第2A/B信号に基づき、エアバック70の1段階目での起動以後に2段階目での起動を実行するタイミング、つまり第2A/B信号を出力するタイミングを制御する。第3AND回路60nは、遅延回路60mから入力される第2A/B信号と、セーフィングセンサ10aから入力されるセーフィング信号との論理積信号を第2A/B起動信号発生部60pに出力する。第2A/B起動信号発生部60pは、第3AND回路60nの出力信号に応じて、2段階目に対応するエアバッグ70の起動を指示するための指令信号を出力する。
次に、上記のように構成された本実施形態に係る乗員保護システム(特にSRSユニット60)の動作について、図3のフローチャートを参照して説明する。なお、図3に示す動作は所定の情報更新周期で繰り返されるものである。
まず、図3に示すように、SRSユニット60における衝突判定部60eは、情報更新周期が到来すると、乗員状態情報の更新が禁止されているか否かを判定し(ステップS1)、更新が禁止されていなければ(「No」)、情報更新禁止部60gを介して入力されるBSW30、SPS40及び着座センサ50の出力信号をサンプリングすることにより、今回の情報更新周期における乗員状態情報を取得する(ステップS2)。
まず、図3に示すように、SRSユニット60における衝突判定部60eは、情報更新周期が到来すると、乗員状態情報の更新が禁止されているか否かを判定し(ステップS1)、更新が禁止されていなければ(「No」)、情報更新禁止部60gを介して入力されるBSW30、SPS40及び着座センサ50の出力信号をサンプリングすることにより、今回の情報更新周期における乗員状態情報を取得する(ステップS2)。
そして、衝突判定部60eは、上記のように取得した乗員状態情報(シートベルト情報、シートポジション情報、乗員着座情報)と、速度変化算出部60cから入力される移動速度変化ΔVnと、移動量算出部60dから入力される移動量ΔSnと、L−FCS10及びR−FCS20から受信した加速度データとに基づいて、エアバッグ70とプリテンショナ80の各々に対応する衝突判定を行う(ステップS3)。
具体的には、例えば、シートベルト情報が「シートベルト非装着(N/B)」、且つシートポジション情報が「Far」、且つFCS10、20の少なくとも一方にて所定の大きさの衝突が検知されていない(FCS OFF)場合、図4に示すように、S−Vマップ上において、エアバック70の1段階目の起動およびプリテンショナ80の起動に関する衝突判定閾値Goff(例えば、図4に示す点線Goff)を、少なくとも移動速度変化ΔVまたは移動量ΔSが相対的に高い値となる領域でエアバック70及びプリテンショナ80の起動許可を指定するような値(乗員保護装置の起動が不要とされる低速衝突を排除することができる程度に高い値)に設定される。
また、S−Vマップ上において、移動量ΔSが相対的に小さく、かつ、移動速度変化ΔVが相対的に大きい領域には、FCS10、20の検知結果に関わらずに、エアバック70の2段階目の起動に関する衝突判定閾値A/B2(例えば、図4に示す実線A/B2)が設定されている。
一方、シートベルト情報が「シートベルト装着(W/B)」、且つシートポジション情報が「Far」、且つFCS10、20の少なくとも一方にて所定の大きさの衝突が検知された(FCS ON)場合、図5に示すように、S−Vマップ上において、エアバック70の1段階目の起動に関する衝突判定閾値Gon−A/B(例えば、図5に示す一点鎖線Gon−A/B)およびプリテンショナ80の起動に関する衝突判定閾値Gon−P/T(例えば、図5に示す二点鎖線Gon−P/T)およびエアバック70の2段階目の起動に関する衝突判定閾値A/B2は、少なくとも移動速度変化ΔVまたは移動量ΔSが、より低い値となる領域でエアバック70及びプリテンショナ80の起動許可を指定するような値(エアバック70及びプリテンショナ80の起動を許可し易くなるような値)に設定される。
さらに、シートベルト情報が「シートベルト装着(W/B)」、且つシートポジション情報が「Near」、且つFCS10、20の少なくとも一方にて所定の大きさの衝突が検知された(FCS ON)場合、図6に示すように、S−Vマップ上において、衝突判定閾値Gon−A/Bおよび衝突判定閾値Gon−P/Tは、図5と比較して、少なくとも移動速度変化ΔVまたは移動量ΔSが、より低い値となる領域でエアバック70及びプリテンショナ80の起動許可を指定するような値(エアバック70及びプリテンショナ80の起動を許可し易くなるような値)に設定される。
衝突判定部60eは、速度変化算出部60cから入力される移動速度変化ΔVnと、移動量算出部60dから入力される移動量ΔSnとの相関関係が、上記のようにS−Vマップ上に設定した各衝突判定閾値を超えたか否かを判定することによって衝突判定を行う。例えば、図4からわかるように、乗員保護装置の起動が不要とされる場合では、移動速度変化ΔVn及び移動量ΔSnの値に拘わらず実質的にエアバック70及びプリテンショナ80が起動されることはない。
また、例えば、図5からわかるように、乗員保護装置の起動が必要とされ、シートベルト情報が「シートベルト装着(W/B)」、且つシートポジション情報が「Far」の場合では、移動速度変化ΔV及び移動量ΔSの相関関係は、最初に衝突判定閾値Gon−P/Tを超え、次に衝突判定閾値Gon−A/Bを超え、最後に衝突判定閾値Gon−A/B2を超えることになるため、P/T信号、第1A/B信号、第2A/B信号の順にハイレベルに遷移することになる。つまり、シートベルトが装着されており、乗員保護装置の起動が必要とされる場合は、プリテンショナ80、1段階目のエアバッグ70、2段階目のエアバッグ70の順に起動されることになる。
さらに、例えば、図6からわかるように、乗員保護装置の起動が必要とされ、シートベルト情報が「シートベルト装着(W/B)」、且つシートポジションが「Near」の場合では、プリテンショナ80、1段階目のエアバッグ70、2段階目のエアバッグ70の順に起動されることに変わりはないが、衝突判定閾値Gon−A/B及びGon−P/Tは、図5と比較して、エアバック70及びプリテンショナ80の起動を許可し易くなるような値に設定されているため、プリテンショナ80及び1段階目のエアバッグ70の起動タイミングは図5の場合より早くなる。
このように、乗員状態情報に基づいて乗員保護装置の種類毎に衝突判定閾値が設定されることにより、乗員保護装置の起動順序や起動タイミングが最適化される。また、図示していないが、シートベルト情報が「シートベルト非装着(N/B)」の場合は、実質的にプリテンショナ80が起動されないような衝突判定閾値Gon−P/Tを設定することでプリテンショナ80の起動を禁止すると共に、乗員着座情報が「空席」の場合は、実質的にプリテンショナ80及びエアバッグ70が起動されないような衝突判定閾値Gon−P/T、Gon−A/B、Gon−A/B2を設定することでエアバック70及びプリテンショナ80の起動を禁止している。上述のように、シートベルト非装着(N/B)の場合や、乗員着座情報が「空席」の場合は、衝突判定閾値を起動されないように設定しているが、図示していないが起動最終段にて出力信号を禁止する方法も考えられる。
以上のような衝突判定処理が衝突判定部60eにて行われ、衝突判定結果としてP/T信号、第1A/B信号、第2A/B信号が出力されると、最初の衝突有りを示す衝突判定結果が発生したか否かが判定される(ステップS4)。つまり、例えば、シートベルト情報が「シートベルト装着(W/B)」の場合は、P/T信号が最初にハイレベルに遷移し、また、シートベルト情報が「シートベルト非装着(N/B)」の場合は、第1A/B信号が最初にハイレベルに遷移するため、OR回路60fからハイレベル信号が情報更新禁止部60gに出力される。
このように、ステップS4において、OR回路60fからハイレベル信号が出力された場合、つまり最初の衝突有りを示す衝突判定結果が発生した場合(「Yes」)、情報更新禁止部60gは、現在のBSW30、SPS40及び着座センサ50の出力信号の状態を保持して衝突判定部60eに出力する。これにより、次回の情報更新周期における乗員状態情報の更新が禁止されることになる(ステップS5)。
以下、上述したSRSユニット60の動作に関して、図7のタイミングチャートを参照して具体的に説明する。図7は、衝突発生の前後における、BSW30、SPS40及び着座センサ50の出力信号(シートベルト情報、シートポジション情報及び乗員着座情報)と、実際に衝突判定部60eが取得するシートベルト情報、シートポジション情報及び乗員着座情報と、メインセンサ60aから出力される加速度信号と、プリテンショナ80及びエアバッグ70の起動タイミングを示すタイミングチャートである。
図7に示すように、衝突発生前では、情報更新禁止部60gはBSW30、SPS40及び着座センサ50の出力信号を通過させるので、これらBSW30、SPS40及び着座センサ50の出力信号と、実際に衝突判定部60eが取得するシートベルト情報、シートポジション情報及び乗員着座情報とは一致している。そして、衝突発生後(時刻t1以降)、実際に衝突判定部60eが取得するシートベルト情報は「シートベルト非装着」であるため、プリテンショナ80の起動は行われず、時刻t2(移動速度変化ΔV及び移動量ΔSの相関関係が衝突判定閾値Gon−A/Bを超えた時刻)に第1A/B信号がハイレベルに遷移して、1段階目のエアバッグ70の起動が実施される。
この時、OR回路60fからハイレベル信号が出力されるため、情報更新禁止部60gは、現在のBSW30、SPS40及び着座センサ50の出力信号の状態を保持して衝突判定部60eに出力する。つまり、時刻t2以降、BSW30、SPS40及び着座センサ50の出力信号に拘わらず、実際に衝突判定部60eが取得するシートベルト情報、シートポジション情報及び乗員着座情報は、1段階目のエアバッグ70の起動が実施された時(最初の衝突有りを示す衝突判定結果が発生した時)の情報から更新されなくなる。
従って、図7に示すように、時刻t3にBSW30の出力信号の状態、つまりシートベルト情報が「シートベルト装着」に変化した場合であっても、実際に衝突判定部60eが取得するシートベルト情報に変化はなく、時刻t3における不要なタイミングでのプリテンショナ80の起動を防止することができる。このように、本実施形態によれば、衝突発生後に乗員状態情報が変化した場合であっても、乗員保護装置を適切に起動させて乗員保護性能の低下を防止することができる。
なお、上記実施形態では、乗員保護装置として運転席側のエアバッグ70及びプリテンショナ80を例示して説明したが、この他、助手席側エアバッグ及びプリテンショナ、サイドエアバッグ等の複数の乗員保護装置が設置されている場合であっても本発明を適用することができる。また、乗員保護装置が1種類、例えば2段階起動のエアバッグのみ設置されている場合であっても、1段階目のエアバッグ起動後に乗員が衝撃によりシートから離れてしまうと、乗員着座情報が「空席」になって2段階目のエアバッグ起動が行われなくなってしまうため、本発明を適用することにより、1段階目のエアバッグ起動後に乗員着座情報の更新が禁止されるので、問題なく2段階目のエアバッグ起動を実施することができる。
100…車両、10…L−FCS、20…R−FCS、30…バックルスイッチ、40…シートポジションセンサ、50…着座センサ、60…SRSユニット、70…エアバッグ、80…プリテンショナ、60a…メインセンサ、60b…LPF、60c…速度変化算出部、60d…移動量算出部、60e…衝突判定部、60f…OR回路、60g…情報更新禁止部、60h…第1AND回路、60i…P/T起動信号発生部、60j…第2AND回路、60k…第1A/B起動信号発生部、60m…遅延回路、60n…第3AND回路、60p…第2A/B起動信号発生部
Claims (3)
- 車両に作用する加速度を検出する加速度検出手段から得られる加速度情報と、前記車両内における乗員の状態に関する情報を検出する乗員情報検出手段から得られる乗員状態情報とに基づいて乗員保護装置の起動制御を行う乗員保護制御装置であって、
前記加速度情報及び乗員状態情報に基づいて乗員保護装置の種類に応じた衝突判定を行う衝突判定手段と、
前記衝突判定手段による衝突判定結果に応じて乗員保護装置の起動を指示する起動指示手段と、
前記衝突判定手段によって最初の衝突有りを示す衝突判定結果が発生した後、前記衝突判定手段における乗員状態情報の更新を禁止する情報更新禁止手段と、
を具備することを特徴とする乗員保護制御装置。 - 前記加速度情報を基に乗員の移動量を算出する移動量算出手段と、
前記加速度情報を基に乗員の移動速度変化を算出する速度変化算出手段と、を備え、
前記衝突判定手段は、前記乗員状態情報に基づいて前記移動量及び移動速度変化の相関関係に対する衝突判定閾値を乗員保護装置の種類毎に設定すると共に、前記移動量算出手段にて算出された移動量及び前記速度変化算出手段にて算出された移動速度変化の相関関係が前記衝突判定閾値を超えたか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の乗員保護制御装置。 - 車両に作用する加速度を検出する加速度検出手段と、
前記車両内における乗員の状態に関する情報を検出する乗員情報検出手段と、
前記衝突発生時に前記車両の乗員を保護するための乗員保護装置と、
前記加速度検出手段から得られる加速度情報と、前記乗員情報検出手段から得られる乗員状態情報とに基づいて前記乗員保護装置の起動制御を行う請求項1または2に記載の乗員保護制御装置と、
を具備することを特徴とする乗員保護システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008123281A JP2009269534A (ja) | 2008-05-09 | 2008-05-09 | 乗員保護制御装置及び乗員保護システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008123281A JP2009269534A (ja) | 2008-05-09 | 2008-05-09 | 乗員保護制御装置及び乗員保護システム |
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JP2009269534A true JP2009269534A (ja) | 2009-11-19 |
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ID=41436483
Family Applications (1)
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JP2008123281A Pending JP2009269534A (ja) | 2008-05-09 | 2008-05-09 | 乗員保護制御装置及び乗員保護システム |
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-
2008
- 2008-05-09 JP JP2008123281A patent/JP2009269534A/ja active Pending
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