JP4141999B2 - 車両用衝突判定装置 - Google Patents
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このような車両用衝突判定装置によって衝突と判定された場合、例えばエアバック装置は、インフレータ内でスクイブによりガス発生剤に点火して、インフレータよりガスを発生させ、このガスによってエアバックを膨らませて乗員と室内部品との2次衝突を抑制する(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、単に、加速度センサから出力される加速度信号の1次積分および2次積分の各積分値(つまり、乗員の移動速度変化および乗員の移動量)の相関関係が所定の閾値を超えたか否かを判定するだけでは、衝突の状況を的確に判別することができず、不適切なタイミングで乗員保護装置が作動させられてしまうという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、衝突の状況に応じた適正な衝突判定を短時間に行うことで、乗員保護装置を適切に作動させることが可能な車両用衝突判定装置を提供することを目的とする。
さらに、第2の発明に係る車両用衝突判定装置によれば、単に、加速度検出手段の検知結果のみに基づき乗員保護装置の動作を制御する場合に比べて、より早期のタイミングで衝突の有無および発生した衝突の状況を的確に把握して乗員保護装置を適切に作動させることができる。
本実施の形態による車両用衝突判定装置10は、例えば図1に示すように、複数の加速度センサ、例えば車両の右前部と左前部に配置された2つのフロントクラッシュセンサ(L−FCS,R−FCS)11,11および車両の右側部と左側部に配置された2つのサイドインパクトセンサ(L−SIS,R−SIS)12,12からなる複数のサテライトセンサと、乗員のシートベルトの装着状態を検出するバックルスイッチ(BSW)13と、シートの位置状態を検出するシートポジションセンサ(SPS)14と、車両央部に配置された電子制御ユニット(ECU)20とを備えて構成され、各センサから出力される加速度信号は電子制御ユニット20に入力されている。
加速度センサ21は、例えば車両の前後方向や左右方向に作用する加速度(あるいは減速度)の大きさに応じた電圧レベルの加速度信号Gを出力する。
フィルタ処理部22は、加速度センサ21から出力される加速度信号Gからノイズ成分である高周波成分を除去するローパスフィルタ(LPF)等を具備する。
ΔSn算出部24は、フィルタ処理部22から出力される加速度信号Gを時間について二次積分して、例えば下記数式(2)に示すように、現在時刻tpに対する所定の時間幅nの時間区間(tp−n≦t≦tp)での乗員移動量ΔSnを算出し、SV判定処理部25に出力する。
また、乗員移動量ΔSが相対的に小さく、かつ、乗員移動速度変化ΔVが相対的に大きい領域には、フロントクラッシュセンサ11の検知結果に関わらずに、エアバック装置の多段階的な作動(例えば、2段階での作動)の第2段階の作動の作動許可または作動不許可を指定する衝突判定閾値A/B2(例えば、図3に示す実線A/B2)が設定されている。
さらに、エアバック装置の第1段階での作動以後の規定時間以内に乗員移動速度変化ΔVnおよび乗員移動量ΔSnの相関関係が衝突判定閾値A/B2を超えたと判定された場合、あるいは、エアバック装置の第1段階での作動以後の規定時間以内に乗員移動速度変化ΔVnおよび乗員移動量ΔSnの相関関係が衝突判定閾値A/B2を超えなかったと判定されてから所定遅延時間経過した場合には、真値「1」の第2A/B信号が第2A/B遅延制御部30へ出力される。
この場合、例えば図3に示す衝突判定閾値A/B2は省略され、乗員移動速度変化ΔVnおよび乗員移動量ΔSnの相関関係が衝突判定閾値Goffを超えたと判定された場合には、真値「1」のP/T信号がP/T論理積回路26に出力されると共に、真値「1」の第1A/B信号が第1A/B論理積回路28および第2A/B遅延制御部30へ出力される。そして、エアバック装置の第1段階での作動以後の所定の遅延時間経過後に、真値「1」の第2A/B信号が第2A/B遅延制御部30へ出力される。
この場合、例えば図5に示す衝突判定閾値A/B2は省略され、乗員移動速度変化ΔVnおよび乗員移動量ΔSnの相関関係が衝突判定閾値Gon−A/Bを超えたと判定された場合には、真値「1」の第1A/B信号が第1A/B論理積回路28および第2A/B遅延制御部30へ出力される。そして、エアバック装置の第1段階での作動以後の所定の遅延時間経過後に、真値「1」の第2A/B信号が第2A/B遅延制御部30へ出力される。
この場合、例えば図7に示す衝突判定閾値A/B2は省略され、乗員移動速度変化ΔVnおよび乗員移動量ΔSnの相関関係が衝突判定閾値Goffを超えたと判定された場合には、真値「1」のP/T信号がP/T論理積回路26に出力されると共に、真値「1」の第1A/B信号が第1A/B論理積回路28および第2A/B遅延制御部30へ出力される。そして、エアバック装置の第1段階での作動以後の所定の遅延時間経過後に、真値「1」の第2A/B信号が第2A/B遅延制御部30へ出力される。
この場合、例えば図9に示す衝突判定閾値A/B2は省略され、乗員移動速度変化ΔVnおよび乗員移動量ΔSnの相関関係が衝突判定閾値Gon−A/Bを超えたと判定された場合には、真値「1」の第1A/B信号が第1A/B論理積回路28および第2A/B遅延制御部30へ出力される。そして、エアバック装置の第1段階での作動以後の所定の遅延時間経過後に、真値「1」の第2A/B信号が第2A/B遅延制御部30へ出力される。
P/T起動信号発生部27は、P/T論理積回路26から出力されるP/T信号に応じて、シートベルト・プリテンショナを作動させるため指令信号を出力する。
第1A/B起動信号発生部29は、第1A/B論理積回路28から出力される第1A/B信号に応じて、エアバック装置を第1段階で作動させるための指令信号を出力する。
第2A/B論理積回路31は、第2A/B遅延制御部30から出力される第2A/B信号と、例えば所定値以上の加速度(あるいは減速度)を検出した際に真値「1」のセーフィング信号を出力する機械式または電子式等のセーフィングセンサ10aから出力されるセーフィング信号との論理積により得られる信号を第2A/B信号として第2A/B起動信号発生部32に出力する。
第2A/B起動信号発生部32は、第2A/B論理積回路31から出力される第2A/B信号に応じて、エアバック装置を第2段階で作動させるための指令信号を出力する。
次に、ステップS02においては、上記数式(2)に示すように、加速度信号Gを時間について二次積分して、現在時刻tpに対する所定の時間幅nの時間区間(tp−n≦t≦tp)での乗員移動量ΔSnを算出する。
次に、ステップS03においては、フロントクラッシュセンサ11から出力される加速度信号を時間について一次積分して得た積分値ΔVFCSが所定閾値#ΔVFCS以上となる衝突が検知されたか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合、例えば低速衝突FL等の衝突を検知した場合には、後述するステップS11に進む、
一方、この判定結果が「YES」の場合、例えば正面高速衝突FHや高速オフセット衝突OF等の衝突を検知した場合には、ステップS04に進む。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS08に進む、
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS05に進む。
ステップS05においては、シートポジションが前方位置であるか否かを判定する。
ステップS05の判定結果が「YES」の場合には、ステップS06に進み、S−Vマップ上の衝突判定閾値(S−VMapしきい値)として、例えば図10に示すシートベルトの装着状態かつシートポジションが前方位置かつフロントクラッシュセンサ11にて所定の大きさの衝突が検知されている場合の衝突判定閾値Gon−A/Bおよび衝突判定閾値Gon−P/Tを選択し、後述するステップS18に進む。
一方、ステップS05の判定結果が「NO」の場合には、ステップS07に進み、S−Vマップ上の衝突判定閾値(S−VMapしきい値)として、例えば図9に示すシートベルトの装着状態かつシートポジションが後方位置かつフロントクラッシュセンサ11にて所定の大きさの衝突が検知されている場合の衝突判定閾値Gon−A/Bおよび衝突判定閾値Gon−P/Tおよび衝突判定閾値A/B2を選択し、後述するステップS18に進む。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS09に進み、S−Vマップ上の衝突判定閾値(S−VMapしきい値)として、例えば図6に示すシートベルトの非装着状態かつシートポジションが前方位置かつフロントクラッシュセンサ11にて所定の大きさの衝突が検知されている場合の衝突判定閾値Gon−A/Bおよび衝突判定閾値Gon−P/Tを選択し、後述するステップS18に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS10に進み、S−Vマップ上の衝突判定閾値(S−VMapしきい値)として、例えば図5に示すシートベルトの非装着状態かつシートポジションが後方位置かつフロントクラッシュセンサ11にて所定の大きさの衝突が検知されている場合の衝突判定閾値Gon−A/Bおよび衝突判定閾値Gon−P/Tおよび衝突判定閾値A/B2を選択し、後述するステップS18に進む。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS15に進む、
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS12に進む。
ステップS12においては、シートポジションが前方位置であるか否かを判定する。
ステップS12の判定結果が「YES」の場合には、ステップS13に進み、S−Vマップ上の衝突判定閾値(S−VMapしきい値)として、例えば図8に示すシートベルトの装着状態かつシートポジションが前方位置かつフロントクラッシュセンサ11にて所定の大きさの衝突が検知されていない場合の衝突判定閾値Goffを選択し、後述するステップS18に進む。
一方、ステップS12の判定結果が「NO」の場合には、ステップS14に進み、S−Vマップ上の衝突判定閾値(S−VMapしきい値)として、例えば図7に示すシートベルトの装着状態かつシートポジションが後方位置かつフロントクラッシュセンサ11にて所定の大きさの衝突が検知されていない場合の衝突判定閾値Gon−A/Bおよび衝突判定閾値Goffを選択し、後述するステップS18に進む。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS16に進み、S−Vマップ上の衝突判定閾値(S−VMapしきい値)として、例えば図4に示すシートベルトの非装着状態かつシートポジションが前方位置かつフロントクラッシュセンサ11にて所定の大きさの衝突が検知されていない場合の衝突判定閾値Goffを選択し、後述するステップS18に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS17に進み、S−Vマップ上の衝突判定閾値(S−VMapしきい値)として、例えば図3に示すシートベルトの非装着状態かつシートポジションが後方位置かつフロントクラッシュセンサ11にて所定の大きさの衝突が検知されていない場合の衝突判定閾値Gon−A/Bおよび衝突判定閾値Goffを選択し、後述するステップS18に進む。
11 フロントクラッシュセンサ(第2加速度検出手段)
12 サイドインパクトセンサ(第2加速度検出手段)
13 バックルスイッチ(装着状態検出手段)
14 シートポジションセンサ(シートポジション検出手段)
21 加速度センサ(加速度検出手段)
23 ΔVn算出部(移動速度変化算出手段)
24 ΔSn算出部(移動量算出手段)
25 SV判定処理部(衝突判定閾値設定手段)
27 P/T起動信号発生部(制御信号発生手段)
29 第1A/B起動信号発生部(制御信号発生手段)
32 第2A/B起動信号発生部(制御信号発生手段)
ステップS18 衝突判定手段
Claims (4)
- 車両に作用する加速度を検出する加速度検出手段と、
前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づき、乗員の移動量を算出する移動
量算出手段と、
前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づき、乗員の移動速度変化を算出する移動速度変化算出手段と、
前記加速度検出手段よりも車両の外周部側にずれた位置に作用する加速度を検出する第2加速度検出手段と、
乗員のシートベルトの装着状態を検出する装着状態検出手段と、
シートの位置状態を検出するシートポジション検出手段と、
前記装着状態検出手段および前記シートポジション検出手段の各検出結果に加えて、前記第2加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づき、乗員の移動量および乗員の移動速度変化の相関関係に対する衝突判定閾値を設定する衝突判定閾値設定手段と、
前記移動量算出手段にて算出された乗員の移動量および前記移動速度変化算出手段にて算出された乗員の移動速度変化の相関関係が前記衝突判定閾値を超えたか否かを判定する衝突判定手段と、
前記衝突判定手段での判定結果に応じてエアバッグ装置及びシートベルトプリテンショナの動作を制御する制御信号を発生する制御信号発生手段と、を備え、
前記衝突判定閾値設定手段は、
前記装着状態検出手段にてシートベルトの非装着状態が検出され且つ前記シートポジション検出手段にてシートの後方位置が検出され且つ前記第2加速度検出手段にて所定の大きさの衝突が検知されていない場合、前記エアバッグ装置及びシートベルトプリテンショナの作動が不要とされる低速衝突を排除することができる程度の高い値となるように前記エアバッグ装置とシートベルトプリテンショナとで共通の衝突判定閾値を設定し、
前記シートベルトの非装着状態及びシートの後方位置が検出され且つ所定の大きさの衝突が検知された場合、前記共通の衝突判定閾値より少なくとも移動速度変化または移動量が低く、作動を許可し易くなるような値となるように前記エアバッグ装置とシートベルトプリテンショナとで個別に衝突判定閾値を設定する、ことを特徴とする車両用衝突判定装置。 - 車両に作用する加速度を検出する加速度検出手段と、
前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づき、乗員の移動量を算出する移動
量算出手段と、
前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づき、乗員の移動速度変化を算出する移動速度変化算出手段と、
前記加速度検出手段よりも車両の外周部側にずれた位置に作用する加速度を検出する第2加速度検出手段と、
乗員のシートベルトの装着状態を検出する装着状態検出手段と、
シートの位置状態を検出するシートポジション検出手段と、
前記装着状態検出手段および前記シートポジション検出手段の各検出結果に加えて、前記第2加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づき、乗員の移動量および乗員の移動速度変化の相関関係に対する衝突判定閾値を設定する衝突判定閾値設定手段と、
前記移動量算出手段にて算出された乗員の移動量および前記移動速度変化算出手段にて算出された乗員の移動速度変化の相関関係が前記衝突判定閾値を超えたか否かを判定する衝突判定手段と、
前記衝突判定手段での判定結果に応じてエアバッグ装置及びシートベルトプリテンショナの動作を制御する制御信号を発生する制御信号発生手段と、を備え、
前記衝突判定閾値設定手段は、
前記装着状態検出手段にてシートベルトの非装着状態が検出され且つ前記シートポジション検出手段にてシートの後方位置が検出され且つ前記第2加速度検出手段にて所定の大きさの衝突が検知されていない場合、前記エアバッグ装置及びシートベルトプリテンショナの作動が不要とされる低速衝突を排除することができる程度の高い値となるように前記エアバッグ装置とシートベルトプリテンショナとで共通の衝突判定閾値を設定し、
前記シートベルトの非装着状態及びシートの後方位置が検出され且つ所定の大きさの衝突が検知された場合、前記共通の衝突判定閾値より少なくとも移動速度変化または移動量が低く、作動を許可し易くなるような値となるように前記エアバッグ装置とシートベルトプリテンショナとで個別に衝突判定閾値を設定し、
前記シートベルトの非装着状態及びシートの前方位置が検出され且つ所定の大きさの衝突が検知された場合、前記シートの後方位置が検出された場合に対して、少なくとも移動速度変化または移動量がより低く、より作動を許可し易くなるような値となるように前記エアバッグ装置とシートベルトプリテンショナとで個別に衝突判定閾値を設定する、ことを特徴とする車両用衝突判定装置。 - 車両に作用する加速度を検出する加速度検出手段と、
前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づき、乗員の移動量を算出する移動
量算出手段と、
前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づき、乗員の移動速度変化を算出する移動速度変化算出手段と、
前記加速度検出手段よりも車両の外周部側にずれた位置に作用する加速度を検出する第2加速度検出手段と、
乗員のシートベルトの装着状態を検出する装着状態検出手段と、
シートの位置状態を検出するシートポジション検出手段と、
前記装着状態検出手段および前記シートポジション検出手段の各検出結果に加えて、前記第2加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づき、乗員の移動量および乗員の移動速度変化の相関関係に対する衝突判定閾値を設定する衝突判定閾値設定手段と、
前記移動量算出手段にて算出された乗員の移動量および前記移動速度変化算出手段にて算出された乗員の移動速度変化の相関関係が前記衝突判定閾値を超えたか否かを判定する衝突判定手段と、
前記衝突判定手段での判定結果に応じてエアバッグ装置及びシートベルトプリテンショナの動作を制御する制御信号を発生する制御信号発生手段と、を備え、
前記衝突判定閾値設定手段は、
前記装着状態検出手段にてシートベルトの非装着状態が検出され且つ前記シートポジション検出手段にてシートの後方位置が検出され且つ前記第2加速度検出手段にて所定の大きさの衝突が検知されていない場合、前記エアバッグ装置及びシートベルトプリテンショナの作動が不要とされる低速衝突を排除することができる程度の高い値となるように前記エアバッグ装置とシートベルトプリテンショナとで共通の衝突判定閾値を設定し、
前記シートベルトの非装着状態及びシートの後方位置が検出され且つ所定の大きさの衝突が検知された場合、前記共通の衝突判定閾値より少なくとも移動速度変化または移動量が低く、作動を許可し易くなるような値となるように前記エアバッグ装置とシートベルトプリテンショナとで個別に衝突判定閾値を設定し、
前記シートベルトの装着状態及びシートの後方位置が検出され且つ所定の大きさの衝突が検知された場合、前記シートベルトの非装着状態が検出された場合に対して、少なくとも移動速度変化または移動量が高く、作動を許可し難くなるような値となるように前記エアバッグ装置とシートベルトプリテンショナとで個別に衝突判定閾値を設定する、ことを特徴とする車両用衝突判定装置。 - 車両に作用する加速度を検出する加速度検出手段と、
前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づき、乗員の移動量を算出する移動
量算出手段と、
前記加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づき、乗員の移動速度変化を算出する移動速度変化算出手段と、
前記加速度検出手段よりも車両の外周部側にずれた位置に作用する加速度を検出する第2加速度検出手段と、
乗員のシートベルトの装着状態を検出する装着状態検出手段と、
シートの位置状態を検出するシートポジション検出手段と、
前記装着状態検出手段および前記シートポジション検出手段の各検出結果に加えて、前記第2加速度検出手段にて検出された加速度信号に基づき、乗員の移動量および乗員の移動速度変化の相関関係に対する衝突判定閾値を設定する衝突判定閾値設定手段と、
前記移動量算出手段にて算出された乗員の移動量および前記移動速度変化算出手段にて算出された乗員の移動速度変化の相関関係が前記衝突判定閾値を超えたか否かを判定する衝突判定手段と、
前記衝突判定手段での判定結果に応じてエアバッグ装置及びシートベルトプリテンショナの動作を制御する制御信号を発生する制御信号発生手段と、を備え、
前記衝突判定閾値設定手段は、
前記装着状態検出手段にてシートベルトの非装着状態が検出され且つ前記シートポジション検出手段にてシートの後方位置が検出され且つ前記第2加速度検出手段にて所定の大きさの衝突が検知されていない場合、前記エアバッグ装置及びシートベルトプリテンショナの作動が不要とされる低速衝突を排除することができる程度の高い値となるように前記エアバッグ装置とシートベルトプリテンショナとで共通の衝突判定閾値を設定し、
前記シートベルトの非装着状態及びシートの後方位置が検出され且つ所定の大きさの衝突が検知された場合、前記共通の衝突判定閾値より少なくとも移動速度変化または移動量が低く、作動を許可し易くなるような値となるように前記エアバッグ装置とシートベルトプリテンショナとで個別に衝突判定閾値を設定し、
前記シートベルトの装着状態及びシートの後方位置が検出され且つ所定の大きさの衝突が検知された場合、前記シートベルトの非装着状態が検出された場合に対して、少なくとも移動速度変化または移動量が高く、作動を許可し難くなるような値となるように前記エアバッグ装置とシートベルトプリテンショナとで個別に衝突判定閾値を設定し、
前記シートベルトの装着状態及びシートの前方位置が検出され且つ所定の大きさの衝突が検知された場合、前記シートの後方位置が検出された場合に対して、少なくとも移動速度変化または移動量がより低く、より作動を許可し易くなるような値となるように前記エアバッグ装置とシートベルトプリテンショナとで個別に衝突判定閾値を設定する、ことを特徴とする車両用衝突判定装置。
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