JP2009269196A - 収縮性多層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】高倍率延伸後も十分な層間接着性を維持し、また、透明性や光沢等の光学特性に優れ、良好な滑り性を有する収縮性多層フィルム及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】内部層(A)と、前記内部層(A)の両面の一方に表面層(B)と、他方に表面層(C)と、前記内部層(A)と前記表面層(B)との間に接着層(D)と、前記内部層(A)と前記表面層(C)との間に接着層(E)と、を有する少なくとも5層からなる収縮性多層フィルムであって、前記内部層(A)が、ポリ乳酸系樹脂で構成される層であり、前記表面層(B)及び前記表面層(C)が、ポリオレフィン系樹脂で構成される層であり、前記接着層(D)及び前記接着層(E)が、スチレン系エラストマー、及び0.880g/cm3以下の密度を有するポリオレフィン系エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の柔軟樹脂を含む樹脂組成物で構成される層である、収縮性多層フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、主として各種包装材料用途に利用可能であり、特に収縮包装用途に好適に用いられる収縮性多層フィルムとその製造方法に関する。
一般に、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等で販売されている生鮮食品、加工食品、化粧品、トイレタリー、医薬品、さらにはDVDやCDソフトのケース、文具事務用品、書籍等の包装等には、タイトな仕上がりで美麗性に優れる点を生かし、熱収縮性フィルムで包装した収縮包装が広く知られている。
この収縮包装は、フィルムに少し余裕を持たせて被包装物を熱収縮性フィルムで包み、開口部を密封シールして予備包装体を形成した後、熱風トンネルを通過させてあらかじめ設けられた脱気孔又は密封シールした後に設けた脱気孔から空気を抜きながら該フィルムを熱収縮させて被包装物に密着させる方法である。
予備包装体のシール方法としては、その底部を合掌シール又はオーバーラップ自己密着シールする方法、オーバーラップ静電シールにより縦シールして前後二方を横シールする方法(ピロー包装方式)、フィルムを半折して開口部である三方をシールする方法(半折フィルム方式)、二枚のフィルムを重ね合わせて四方をシールする方法(上下フィルム方式)等がある。これらの方法においては密封性を高めるために脱気孔を設けずに、熱収縮前に被包装物と熱収縮性フィルムとの間の気体を適度に排除した予備包装体を収縮包装する場合もある。
近年、収縮包装においても、石油系原料の節約のために、植物系原料であるポリ乳酸を複合させる取り組みが行われているが、単純に両者をブレンドしようとすると相溶性がないため、得られた包装体が不透明となる場合が多い。
そこで、透明なフィルムを得るために石油系原料と植物系原料とを混合せずに包装体を得る方法が知られている。
特許文献1には、内部層としてポリ乳酸を用いたインフレーションフィルムが開示されている。
特許第3824846号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたフィルムは、十分な収縮性等を有しておらず、収縮性フィルムとして満足いくものではなく、さらなる改良が求められている。
本発明が解決しようとする課題は、高倍率延伸後も十分な層間接着性を維持し、また、透明性や光沢等の光学特性に優れ、良好な滑り性を有する収縮性多層フィルム及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも5層からなる収縮性多層フィルムにおいて、2つの表面層と内部層との間に、接着層として、特定の柔軟樹脂で構成される接着層を有することにより、また、特定の柔軟樹脂を用い、特定の温度範囲で収縮性多層フィルムを二軸延伸により製造することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の収縮性多層フィルム及びその製造方法を提供する。
[1]
内部層(A)と、前記内部層(A)の両面の一方に表面層(B)と、他方に表面層(C)と、前記内部層(A)と前記表面層(B)との間に接着層(D)と、前記内部層(A)と前記表面層(C)との間に接着層(E)と、を有する少なくとも5層からなる収縮性多層フィルムであって、
前記内部層(A)が、ポリ乳酸系樹脂で構成される層であり、
前記表面層(B)及び前記表面層(C)が、ポリオレフィン系樹脂で構成される層であり、
前記接着層(D)及び前記接着層(E)が、スチレン系エラストマー、及び0.880g/cm3以下の密度を有するポリオレフィン系エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の柔軟樹脂を含む樹脂組成物で構成される層である、収縮性多層フィルム。
[2]
前記ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系共重合体又は線状低密度ポリエチレンを含有する、前記[1]に記載の収縮性多層フィルム。
[3]
前記樹脂組成物が、
50〜90質量%の前記柔軟樹脂と、
10〜50質量%の120℃以上の融解ピーク温度を有するポリプロピレン系樹脂と、からなる、前記[1]又は[2]に記載の収縮性多層フィルム。
[4]
前記[1]〜[3]のいずれかに記載の収縮性多層フィルムの製造方法であって、
前記ポリオレフィン系樹脂、前記ポリ乳酸系樹脂、及び前記樹脂組成物を多層ダイにより溶融共押出して急冷し、延伸用原反を得る工程、
前記延伸用原反を、ポリ乳酸系樹脂のガラス転移点〜融解ピーク温度の範囲に加熱して、面積延伸倍率5〜60倍で延伸する工程を、含む収縮性多層フィルムの製造方法。
本発明によれば、ポリ乳酸系樹脂で構成される内部層に対して、ポリオレフィン系樹脂で構成される表面層を内部層の表裏両面に有し、表面層と内部層の間それぞれに、スチレン系エラストマー、及び0.880g/cm3以下の密度を有するポリオレフィン系エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の柔軟樹脂を含む樹脂組成物で構成される接着層を有する少なくとも5層からなる収縮性多層フィルムとすることにより、また、収縮性多層フィルムを製造する際に、前記柔軟樹脂を用い、ポリ乳酸系樹脂のガラス転移点〜融解ピーク温度の範囲に加熱して、面積延伸倍率5〜60倍で延伸することにより、高倍率延伸後も十分な層間接着性を維持し、また、透明性や光沢等の光学特性に優れ、良好な滑り性を有する収縮性多層フィルムとすることができる。
本発明によれば、環境に優しい植物由来系原料と石油系原料を特定の原料で接着複合させ、地球温暖化対策としての焼却時の炭酸ガス排出量削減、及びフィルムの薄肉化による廃棄物削減等の環境適性に優れる収縮性多層フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、熱収縮包装時には、収縮不足による緩みやヒートシール線端部の角残りもなく、被包装物に密着したタイトな包装体が得られ、保管、輸送時やハンドリングにおいても包装体におけるフィルムに緩みや弛みが生じ難く、高い商品保護性を発現する収縮性多層フィルムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施の形態)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態の収縮性多層フィルム(以下、単に「フィルム」と略称する場合がある。)は、内部層(A)と、内部層(A)の両面の一方に表面層(B)と、他方に表面層(C)と、内部層(A)と表面層(B)との間に接着層(D)と、内部層(A)と表面層(C)との間に接着層(E)と、を有する少なくとも5層からなる収縮性多層フィルムである。
そして、内部層(A)が、ポリ乳酸系樹脂で構成される層であり、表面層(B)及び表面層(C)が、ポリオレフィン系樹脂で構成される層であり、接着層(D)及び接着層(E)が、スチレン系エラストマー、及び0.880g/cm3以下の密度を有するポリオレフィン系エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の柔軟樹脂を含む樹脂組成物で構成される層である。
(内部層)
本実施の形態のフィルムは、ポリ乳酸系樹脂からなる内部層(A)(以下、単に(A)と略称する場合がある。)を有する。
ポリ乳酸系樹脂を内部層として用いることにより、環境適正に優れるフィルムとすることができる。
ポリ乳酸系樹脂は、さとうきび、大豆、とうもろこし、サツマイモ等の植物資源を主原料として生物及び/又は化学プロセスによって生産されるポリ乳酸を含有してもよい。
ポリ乳酸は、植物中の澱粉等を乳酸発酵して、モノマーである乳酸を得た後直接重縮合する方法、乳酸のプレポリマーを解重合して得たラクチドを開環重縮合する方法等によって製造することができる。
ポリ乳酸中、L−乳酸とD−乳酸のモル比(L−乳酸/D−乳酸)は100/0〜0/100であり、100/0〜80/20又は0/100〜20/80であることが好ましく、99.5/0.5〜85/15又は15/85〜0.5/99.5であることがより好ましい。
L−乳酸又はD−乳酸単独からなるポリ乳酸(L−乳酸/D−乳酸が100/0又は0/100である)は結晶性が高く融解ピーク温度が高いため、該ポリ乳酸を含有するポリ乳酸系樹脂により内部層(A)を構成すると、得られるフィルムは耐熱性に優れるため好ましい。一方、L−乳酸/D−乳酸が80/20以上とするか、20/80以下とすることにより、高倍率での延伸が容易になり、高収縮性のフィルムを得ることができる。
ポリ乳酸の重量平均分子量は、50,000〜1,000,000であることが好ましく、より好ましくは80,000〜500,000であり、さらに好ましくは100,000〜300,000である。
重量平均分子量が50,000以上の場合、フィルムの実用的な機械的強度が得られやすく、1,000,000以下の場合は成形加工性が良好である。
本実施の形態において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー装置(GPC)によって測定することができる。
ポリ乳酸の融解ピーク温度は150〜170℃であることが好ましい。
融解ピーク温度が150℃以上の場合、フィルムへの剛性付与の観点で好ましく、170℃以下の場合、押出性の観点で好ましい。
本実施の形態において、融解ピーク温度は示差操作熱量計により、測定される。示差操作熱量計とは、試料の温度を等速度で昇温(又は降温)を行い、試料の発熱・吸熱量を定量するものであり、得られる吸熱カーブのピーク値より求めることができる。
ポリ乳酸のガラス転移温度は、45〜65℃であることが好ましく、65℃以下の場合、低温収縮性の観点から好ましい。
本実施の形態において、ガラス転移温度は動的粘弾性測定装置により、求めることができる。
動的粘弾性測定装置とは、弾性、粘性を併せ持つ高分子の力学的特性を分析する方法のひとつであり、弾性に相当する貯蔵弾性率と粘性に相当する損失弾性率、また貯蔵弾性率と損失弾性率の比であり、振動吸収性を反映する損失正接(tanδ)の温度依存性、周波数依存性が測定できる。本願記載のガラス転移点は1.0Hzの周波数で、5℃/分の速度で昇温したときに測定されるtanδのピーク値から、求めることができる。
ポリ乳酸は、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸との共重合体であってもよい。
これら乳酸と共重合可能な化合物としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、6−ヒドロキシカプロン酸、及びカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸、エチレングリコール、及び1,4−ブタンジオールなどの脂肪族ジオール、コハク酸、及びアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
本実施の形態に用いるポリ乳酸系樹脂には、ポリ乳酸60〜100質量%の範囲で含有することが好ましく、40質量%以下であれば、他の任意の樹脂を含んでもよい。
本実施の形態に用いるポリ乳酸系樹脂には、その他任意の可塑剤や熱可塑性樹脂を40質量%以下の範囲で混合してもよい。可塑剤や熱可塑性樹脂としては、例えば、グリセリンジアセトモノカプリレート等のグリセリン脂肪酸エステル、乳酸エステル類、乳酸と脂肪族ポリエステルのブロック共重合体等の可塑剤、エポキシ基を含有するアクリル−スチレン系共重合樹脂等の改質材、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンサクシネートテレフタレート、ポリブチレンサクシネートカーボネート、ポリテトラメチレンアジペートテレフタレート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートテレフタレート、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシアルカン酸類、及びポリビニールアルコール等の生分解性樹脂、脂肪族ポリエステル、並びに非晶性ポリエステル類等が挙げられる。
[表面層(B)及び表面層(C)]
本実施の形態のフィルムは、ポリオレフィン系樹脂からなる表面層(B)及び表面層(C)(以下、単にそれぞれを、(B)、(C)と略称する場合がある。また、表面層(B)及び表面層(C)を総称して表面層と記載する場合がある。)を有する。
ポリオレフィン系樹脂を表面層として用いることにより、滑り性に優れるフィルムとすることができる。また、特定の柔軟樹脂から構成される接着層を設け、ポリオレフィン系樹脂からなる表面層と積層することで、ポリ乳酸系樹脂から構成される内部層の脆さを補うことが可能となる。
ポリオレフィン系樹脂としては、線状低密度ポリエチレン又はポリプロピレン系共重合体を含有する樹脂等が挙げられる。
本実施の形態において、線状低密度ポリエチレンを用いると、フィルムの高いヒートシール強度を得ることができる。
線状低密度ポリエチレンとしては、マルチサイト系触媒、シングルサイト系触媒のどちらの触媒により製造されるものでもよいが、分子量分布が狭く、べたつきが少ないポリエチレンを製造することができるため、シングルサイト系触媒で得られる線状低密度ポリエチレンが好ましい。
線状低密度ポリエチレンとしては、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数が3〜18のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種の単量体との共重合体が挙げられる。
線状低密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR、190℃、2.16kg)は、0.5〜5.0g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.6〜4.0g/10分である。
MFRが0.5g/10分以上の場合、押出時の負荷を減少させられるため、押出性の観点で好ましく、5.0g/10分以下の場合、押出安定性が向上し、原反の厚み精度が向上するため好ましい。
本実施の形態において、メルトフローレートは、JIS K7210記載の方法により測定することができる。
線状低密度ポリエチレンの密度は、0.900〜0.925g/cm3であることが好ましく、より好ましくは0.905〜0.920g/cm3であり、さらに好ましくは0.910〜0.918g/cm3である。
密度が0.900g/cm3以上の場合、フィルムの剛性が向上するため好ましく、0.925g/cm3以下の場合、低温収縮性が向上できるため好ましい。
本実施の形態において、密度は、JIS K7112記載の方法により測定することができる。
本実施の形態において、ポリプロピレン系共重合体を用いると、硬くてスリップ性に富むため、大量の滑剤を添加せずとも、良好な滑り性を有するフィルムとすることができる。
ポリプロピレン系共重合体としては、プロピレンとC2又はC4〜C8のα−オレフィンとの共重合体が挙げられ、融解ピーク温度が70〜160℃であるポリプロピレン系共重合体であることが好ましく、DSC(昇温速度:10℃/分)による融解ピーク温度が、低温収縮性の観点から150℃以下であることが好ましく、140℃以下であることがより好ましい。
ポリプロピレン系共重合体の融解ピーク温度が、フィルム同士のブロッキングによるトラブル回避の観点から70℃以上であることが好ましく、延伸時の耐熱安定性を付与するために90℃以上であることがより好ましい。
プロピレン系共重合体を製造する際に用いられる重合触媒は、上記線状低密度ポリエチレンと同様に、マルチサイト触媒やシングルサイト触媒等のいずれでもよい。
ポリプロピレン系共重合体のメルトフローレート(230℃、2.16kg)は、押出負荷の軽減や押出安定性の付与の観点からで0.5〜10g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.8〜8.0g/10分であり、さらに好ましくは1.0〜6.0g/10分である。
MFRが0.5g/10分以上の場合、押出時の負荷を減少させられるため、押出性の観点で好ましく、6.0g/10分以下の場合、押出安定性が向上し、原反の厚み精度が向上するため好ましい。
本実施の形態において、メルトフローレートは、JIS K7210記載の方法により測定することができる。
本実施の形態において、ポリオレフィン系樹脂は、線状低密度ポリエチレン又はポリプロピレン系共重合体を1種で用いてもよく、2種以上の混合物で用いてもよい。
本実施の形態に用いるポリオレフィン系樹脂には、ポリオレフィン系樹脂中に線状低密度ポリエチレン又はポリプロピレン系共重合体を50〜100質量%の範囲で含有することが好ましく、60質量%以上であることが好ましい。また、90質量%以下で含有することが好ましく、80質量%以下で含有することが好ましい。
本実施の形態のフィルムは、収縮包装用のシュリンクフィルムとして収縮仕上がり等に優れるが、フィルムの収縮温度は、適宜調整することができる。
例えば、より低温で収縮させたい場合には、表面層のポリオレフィン系樹脂に低結晶性又は非晶性のポリオレフィン系共重合体をブレンドして用いることで、低温収縮性が改善することができる。中でも密度が0.850〜0.890g/cm3のポリプロピレン系エラストマーが、相溶性が良好であるため、透明性の観点から好ましい。
表面層中の低結晶性又は非晶性のポリオレフィン系共重合体のブレンド量としては低温収縮性付与の観点から、ポリオレフィン系樹脂中10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。フィルムの滑り性付与の観点から、50質量%以下でブレンドすることが好ましく、40質量%以下でブレンドすることがより好ましい。
[接着層(D)及び接着層(E)]
本実施の形態のフィルムは、内部層(A)と表面層(B)の間に接着層(D)と、内部層(A)と表面層(C)の間に接着層(E)と、を有する(以下、単にそれぞれを、(D)、(E)と略称する場合がある。また、接着層(D)及び接着層(E)を総称して接着層と記載する場合がある。)。
そして、接着層は、スチレン系エラストマー、及び0.880g/cm3以下の密度を有するポリオレフィン系エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の柔軟樹脂を含む樹脂組成物で構成される層である。
スチレン系エラストマー、及び0.880g/cm3以下の密度を有するポリオレフィン系エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の柔軟樹脂を含む樹脂組成物を接着層として用いることにより、層間接着性に優れるフィルムとすることができる。
本実施の形態における接着層としての樹脂組成物における柔軟樹脂の含有量としては、50質量%以上であることが好ましい。柔軟樹脂の含有量は、50〜90質量%であることがより好ましく、55質量%以上であることがさらに好ましく、60質量%以上であることがよりさらに好ましい。
本実施の形態における接着層としての柔軟樹脂のスチレン系エラストマーは、例えば、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体、及びその誘導体が挙げられる。ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体としては、スチレンを代表とするビニル芳香族炭化水素が主体であるブロックと、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエンを主体とするブロックとからなるブロック共重合体であって、その誘導体としては、該ブロック共重合体の二重結合の少なくとも一部を水素添加処理したもの、又はマレイン酸やアミン、イミンで変性したもの等が挙げられる。中でもスチレンの含有量が50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。
スチレン系エラストマーのメルトフローレート(190℃、2.16kg)は、1.0〜10g/10分であることが好ましく、より好ましくは2.0〜8.0g/10分であり、さらに好ましくは3.0〜6.0g/10分である。
MFRが1.0g/10分以上の場合、押出時の負荷を減少させられるため、押出性の観点で好ましく、10g/10分以下の場合、押出安定性が向上し、原反の厚み精度が向上するため好ましい。
本実施の形態において、メルトフローレートは、JIS K7210記載の方法により測定することができる。
本実施の形態における接着層としての柔軟樹脂のポリオレフィン系エラストマーは、密度が0.880g/cm3以下であるポリオレフィン系エラストマーである。
密度が0.880g/cm3以下のポリオレフィン系エラストマーである超低密度ポリオレフィンとしては、フィルムの層間接着性の観点から、密度が0.850〜0.880g/cm3のポリプロピレン系エラストマーが好ましい。
本実施の形態において、耐熱性付与の観点から、前記柔軟樹脂を含む樹脂組成物に、120℃以上の融解ピーク温度を有するポリプロピレン系樹脂をブレンドすることが好ましく、同時に延伸安定性が向上する場合がある。
ポリプロピレン系樹脂としては、120℃以上の融解ピーク温度を有するポリプロピレン系共重合体が挙げられる。
前記柔軟樹脂を含む樹脂組成物におけるポリプロピレン系樹脂をブレンドする含有量としては、接着層としたときの層間接着性の観点から、10〜50質量%で含有することが好ましい。ポリプロピレン系樹脂の含有量は、より好ましくは45質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以下である。
[収縮性多層フィルム]
本実施の形態の収縮性多層フィルムは、前記内部層(A)と、内部層(A)の両面の一面に前記表面層(B)と、他方に前記表面層(C)と、内部層(A)と表面層(B)との間に前記接着層(B)と、内部層(A)と表面層(C)との間に前記接着層(D)と、を有する少なくとも5層からなる収縮性多層フィルムである。
本実施の形態のフィルムは、その他の層として任意の樹脂層を有していてもよい。例えば、ガスバリア層として、エチレン−ビニルアルコール樹脂(EVOH)、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリグリコール酸樹脂等の少なくとも1種を含む樹脂層等が挙げられる。酸素によって変質する内容物を包装する場合においては、酸素吸収層を上記ガスバリア層と組み合わせて有していてもよい。
本実施の形態のフィルムは、(A)〜(E)の各層において、それぞれ本来の特性を損なわない範囲で、防曇剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、石油系樹脂、抗菌剤、着色剤、各種界面活性剤、アンチブロック剤、無機フィラー、粘着付与剤等の任意の添加剤を含んでいてもよい。
本実施の形態のフィルムは、コロナ処理やプラズマ処理、各種コーティング処理が施されていてもよく、必要に応じて他種フィルムとの各種ラミネ−ションに用いてもよい。
本実施の形態のフィルムは、(A)〜(E)の各層の少なくとも1層が架橋されていてもよい。架橋によって、高収縮性の発現、及び収縮包装後の輸送やハンドリング後の緩みや弛みの発生を抑制するのに一層効果的である他、輸送中の振動によるフィルムの擦れ破れに対して有効である。また、架橋によって部分的にゲル化することにより、フィルムに耐熱性が付与されることにより、収縮温度範囲が広がり高速包装が可能となって生産性も向上する。
本実施の形態のフィルムの厚みは、好ましくは5〜50μmであり、より好ましくは7〜30μmであり、さらに好ましくは8〜20μmである。
フィルムの厚みが5〜50μmの範囲であれば、重量物や突起物を有する被包装物に対しても破れを生じにくく有効である。
ヒートシール層として配される一方の表面層の厚みは、好ましくは0.5〜20μmであり、より好ましくは1〜10μmであり、さらに好ましくは1.5〜5μmである。表面層の厚みは、使用する包装方法、ヒートシール方法等によって適宜選択することができる。
内部層の厚みは、好ましくは1.5〜15μmであり、より好ましくは2.1〜9μmであり、さらに好ましくは2.4〜6μmである。
接着層の厚みは、好ましくは1.0〜10μmであり、より好ましくは1.4〜6μmであり、さらに好ましくは1.6〜4μmである。
ポリオレフィン系樹脂からなる表面層の一方の厚み比率は、それぞれ、フィルムへの衝撃強度、延伸安定性等の付与の観点から5%以上が好ましく、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上であり、50%以下が好ましく、より好ましくは40%以下、30%以下がさらに好ましい。
本実施の形態において、表面層(B)及び表面層(C)としては、前記ポリオレフィン系樹脂で構成される層であれば、同じ組成で構成される層であってもよく、異なる組成で構成される層であってもよい。また、接着層(D)及び接着層(E)としては、前記樹脂組成物で構成される層であれば、同じ組成で構成される層であってもよく、異なる組成で構成される層であってもよい。
本実施の形態のフィルムのヘイズ値は3.0以下であることが好ましい。3.0以下のヘイズ値を有するフィルムであれば、被包装物の視認性を低下させずに包装することができ、透明性に優れるフィルムとすることができる。
本実施の形態のフィルムのグロス値は130以上であることが好ましい。130以上のグロス値を有するフィルムであれば、アイキャッチ性を高めて、商品性を向上することができる。
本実施の形態のフィルムの引張弾性率は800N/mm2以上であることが好ましい。800N/mm2以上の引張弾性率を有するフィルムであれば、シャンプーボトル等異型の被包装物であってもしっかりとした包装が可能とすることができる。
本実施の形態のフィルムの120℃における加熱収縮応力は80〜300g/mm2であることが好ましい。80g/mm2以上の加熱収縮応力を有するフィルムであれば、包装後に、フィルムが緩まずに被包装物にタイトに密着した包装体を得ることができる。また、300g/mm2以下の加熱収縮応力を有するフィルムであれば、収縮時におけるシール部への負担を軽減することができる。また、ノートの集積包装のように被包装物が曲がったりして変形しやすいような被包装物を包装するには、加熱収縮応力は200g/mm2以下であるフィルムであることが好ましい。
本実施の形態のフィルムの80℃における加熱収縮率は5〜40%であることが好ましい。80℃における加熱収縮率が、5〜40%の範囲内にあることによりフィルムの低温収縮性が向上し、特に包装時の小じわが解消し、綺麗な包装体を得ることができる。
本実施の形態のフィルムの120℃における加熱収縮率は40〜90%であることが好ましい。120℃における加熱収縮率が、40〜90%の範囲内であることにより、被包装物にあまり熱をかけずに包装体の角の部分でさえも、大きく収縮して角が残らず、綺麗な包装体を得ることができる。
本実施の形態のフィルム中に含まれるポリ乳酸系樹脂の含有比率は、フィルムとしての強度向上させるため、フィルム全体の質量中10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは15質量%以上であり、さらに好ましくは20質量%以上であり、よりさらに好ましくは25質量%以上である。
ポリ乳酸系樹脂の含有比率は、フィルムに腰を付与するため、60質量%以下であることが好ましく、55質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。
[収縮性多層フィルムの製造方法]
本実施の形態における収縮性多層フィルムの製造方法は、
ポリ乳酸系樹脂と、ポリオレフィン系樹脂と、スチレン系エラストマー、及び0.880g/cm3以下の密度を有するポリオレフィン系エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の柔軟樹脂を含む樹脂組成物を、多層ダイより溶融共押出して急冷し、延伸用原反を得る工程、
延伸用原反を、ポリ乳酸系樹脂のガラス転移点〜融解ピーク温度の範囲に加熱して、面積延伸倍率5〜60倍で延伸する工程、を含む製造方法である。
本実施の形態の製造方法においては、内部層(A)と、内部層(A)の両面の一面に前記表面層(B)と、他方に表面層(C)と、内部層(A)と表面層(B)との間に接着層(B)と、内部層(A)と表面層(C)との間に接着層(D)と、を有する少なくとも5層からなるように溶融共押出しする。
押出しは特に制限されるものではなく、多層のTダイや多層のサーキュラーダイを用いた方法等を用いることができるが、多層のサーキュラーダイを用いた方法が好ましい。サーキュラーダイを用いると、設備に関しての必要スペースや投資金額の点で有利であり、多品種少量生産に向き、熱収縮性がより得られやすい。
本実施の形態の製造方法において、急冷に使用する冷媒は通常60℃以下の水が好適に用いられ、溶融樹脂に直接接触させるか、もしくは金属ロールの内部冷媒として間接的に使用される。内部冷媒として用いる場合は水以外にもオイル他、公知のものが使用可能であり、場合によっては冷風の吹き付けと併用することも可能である。
本実施の形態の製造方法において、得られた延伸用原反をポリ乳酸系樹脂のガラス転移点〜融解ピーク温度の範囲に加熱し、面積延伸倍率で5〜60倍に延伸する。
延伸は面積延伸倍率で、好ましくは8〜50倍であり、用途に応じて適宜選択されるが、必要に応じて延伸後に熱処理を行ってフィルムの収縮率や収縮応
力の調整を行ってもよい。延伸方法は溶融押出直後のチューブに空気や窒素を吹き込んで、延伸を行うインフレーション法によっても収縮するフィルムが得られることもあるが、本実施の形態のフィルムのように高収縮性を発現させるためには、二軸に延伸される方法が好ましく、より好ましくは前述のサーキュラーダイで得られた延伸用原反を加熱二軸延伸するチューブラー法(またはダブルバブル法とも言う)である。
本実施の形態においては、二軸延伸するチューブラー法により製造される二軸延伸多層フィルムであることが好ましい。
本実施の形態の製造方法は、延伸前、又は延伸後に架橋処理を行う工程を含んでもよい。
架橋処理を行う場合は、加熱して延伸する前にエネルギー線照射によって架橋処理を行うことがより好ましい。これにより延伸工程における延伸開始から終了までのフィルムの変動が一層小さくなって安定化し、より高倍率での延伸も可能となり、より薄肉でより高収縮性のフィルムが得られやすくなる。
延伸した後のフィルムにエネルギー線照射による架橋処理を行ってもよい。用いるエネルギー線としては紫外線、電子線、X線、γ線等の電離性放射線が挙げられ、好ましくは電子線であり、10〜300KGyの照射量範囲で使用されることが好ましい。照射によって架橋する層は目的に応じて任意に選択することが可能であり、表面層付近を主に架橋したい場合は、延伸用原反の厚みに応じて加速電圧を調整することにより厚み方向での線量分布を調整して照射する方法、アルミ等の遮蔽板使用によって同様に線量分布を調整するマスク照射法、電子線を延伸用原反面に対して斜め方向より照射する方法等がある。
所望の各層に任意の架橋阻害剤や架橋助剤(架橋促進剤)を添加してもよく、特に内部層(A)に対する架橋助剤としては、トリアリルイソシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート、トリメチルプロパントリアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルシアヌレート等が挙げられる。
本実施の形態の製造方法により得られるフィルムは、熱収縮特性を有し、シュリンクフィルムとして好適であり、シュリンク包装後にフィルムにシワ、緩み、弛み等を発生することなく被包装物に密着して固定保持を持続することができる。また、シュリンク包装時にフィルムに発生する収縮応力が大きくて被包装物を変形させて商品性を低下させてしまうような場合には、延伸後に熱弛緩処理等を加えて本実施の形態で特定した熱収縮特性の範囲内で自由に調整することができる。
本実施の形態の製造方法により得られるフィルムは、包装段階においてもシュリンク前の一次包装、又は予備包装体を形成する段階で収縮余裕を大きく設定したり、シュリンク処理条件(温度、時間)での調整も可能であるのに対し、従来のインフレーション法で得られたフィルムでは包装後の緩み、弛みの抑制が元々困難であることに加えて、包装時点での包装仕上がりも含めて包装条件の選択、調整自由度に制約がある。
以下、本実施の形態を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明するが、本実施の形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施の形態に用いられる評価方法及び測定方法は以下のとおりである。
(1)透明性(ヘイズ)
ASTM−D−1003に準拠して、測定を行った。
(2)光沢(グロス)
ASTM−D−2457に準拠して、測定を行った。
(3)引張弾性率
株式会社島津製作所製のオートグラフを用いて、巾が10mm、長さが100mmのサイズに切り出した試料を、JIS K 7113に準拠して、引張弾性率の測定を行った。
(4)加熱収縮率
100mm角のフィルム試料を80℃又は120℃の温度に設定したエアーオーブン式恒温槽に入れ、自由に収縮する状態で10分間処理した後、それぞれ向き合う辺の中心点間距離を測定してフィルムの収縮量を求め、元の寸法で割った値の百分比でMD及びTDの加熱収縮率を2回の測定結果の平均値として求めた。
(5)加熱収縮応力
フィルムをMD、TDの各方向に幅10mmの短冊状にサンプリングし、それをストレインゲージ付のチャックにチャック間50mmに緩めることなくセットし、測定温度は120℃で測定した。
フィルムを所定温度に加熱したシリコーンオイル中に浸漬し、10秒間の収縮力をMD、TDのそれぞれについて各温度で測定し、得られた収縮力の値を浸漬前のフィルムの断面積で除した値を加熱収縮応力として、5回の測定結果の平均値として求めた。
(6)延伸後フィルムの層間剥離
フィルムを20cm×20cmの大きさに切り出し、40℃の温度下で24時間放置し、層間剥離が生じていないか、確認した。
○:層間剥離は生じなかった。
×:層間剥離が生じた。
(7)包装時の仕上がり
得られた各フィルムを用いて、市販のDVDケースを余裕率10%の寸法でケーユーシステム株式会社製L型シーラー(MODEL MS4141)を用いて、3方シール包装体を得た。次いで、直径1.5mmの針で包装体のフィルムに3箇所の孔を開けて、空気抜きの孔を作成した。さらに120〜150℃に設定したケーユーシステム株式会社製シュリンクトンネル(MODEL MS8441)を5秒間通過させ、目視による透明性が明らかに低下しない範囲で最もタイトに仕上がる条件で30個包装して、外観評価を行った。
○:3方のヒートシール線周辺に皺がなく、商品性に優れる。
△:3方のヒートシール線周辺に皺の数が10本未満認められ、商品性に若干問題あり。
×:3方のヒートシール線周辺に皺の数が10本以上、端部に角残りが認められ、商品性に問題あり。
実施例及び比較例で用いた樹脂は以下のとおりである。
[内部層]
PLA1:ポリ乳酸(L−乳酸/D−乳酸=96/4、融解ピーク温度=157℃、ガラス転移温度:57℃、重量平均分子量:200,000)
[表面層]
PP1:三元プロピレン共重合体(バセル社製 Adsyl 5C30F)、MFR=5.5g/10分、密度=0.890g/cm3、融解ピーク温度=135℃
PP2:ポリプロピレン系エラストマー(ダウ・ケミカル社製 バーシファイ(登録商標) DP2000)、密度=0.888g/cm3
LLDPE1:線状低密度ポリエチレン(α−オレフィンコモノマー=1−オクテン)、密度=0.916g/cm3、MFR=2.1g/10分((株)プライムポリマー製 モアテック(登録商標) 0238CN)
LLDPE2:線状低密度ポリエチレン(α−オレフィンコモノマー=1−ヘキセン)、密度=0.913g/cm3、MFR=3.8g/10分(住友化学(株)製 スミカセンE(登録商標) FV402)
[接着層]
PP1
PP3:ポリプロピレン系エラストマー(ダウ・ケミカル社製 バーシファイ(登録商標) DP3400)、密度=0.858g/cm3
SEBS1:水添スチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成ケミカルズ(株)製 タフテック(登録商標) H1221)、スチレン含有量=12質量%、MFR=4.5g/10分
SBBS1:選択水添スチレン系熱可塑性エラストマー(旭化成ケミカルズ(株)製タフテック(登録商標) P1500)、スチレン含有量=30質量%、MFR=4g/10分
EMAA1:エチレン−メタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製 ニュクレル(登録商標) N1108C)、酸含有量=11質量%、MFR=8g/10分
[実施例1]
内部層(A)として、PLA1を用い、表面層(B)及び表面層(C)として、PP1にアルミノシリケート系化合物(商品名:シルトン(登録商標)JC30)を0.05質量%、エルカ酸アミドを0.5質量%混合したポリオレフィン系樹脂を用いた。接着層(D)及び接着層(E)として、SEBS1を用いて、層配置がPP1/SEBS1/PLA1/SEBS1/PP1で、各層の厚み比率(%)が25/10/30/10/25となるように環状5層ダイを用いて押出した後、冷水にて急冷固化して折り幅130mm、厚みが約360μmの各層とも均一な厚み精度のチューブ状延伸用原反を得た。これを2対の差動ニップロール間に通し、延伸開始点の加熱温度を約100℃になるようにしてエアー注入してバブルを形成させ、MDに6.0倍、TDに6.0倍延伸を行い(面積延伸倍率で36倍)、厚み10μmのフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例2〜5]
表1に示す樹脂構成に代えた以外は、実施例1と同様の方法、条件で、厚みが10μmのフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[比較例1]
表2に示す樹脂構成に代えた以外は、実施例1と同様の方法、条件で、厚み10μmのフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
[比較例2]
表2に記載の樹脂構成で、環状ダイからの押出し温度を190℃に調整し、インフレーション法によってブローアップ比率6倍で厚み14μmのフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
Figure 2009269196
Figure 2009269196
表1及び表2の結果から、実施例1〜5の収縮性多層フィルムは、高倍率延伸後も十分な層間接着性を維持し、透明性や光沢性に優れるフィルムであった。また、実施例1〜5のフィルムを用いて収縮包装を行うと、包装時におけるフィルムは、被包装物との接触皺も少なく、美麗な包装体を得ることができた。
一方、エチレン−メタクリル酸共重合体で構成される接着層を有する比較例1のフィルムは、延伸後に内部層と接着層の間で層間剥離を起こした。
また、特許文献1の方法に従って製造した比較例2のフィルムは、加熱収縮率及び加熱収縮応力が低く、収縮包装を行うと、被包装物との接触皺が多く、端部の収縮が不十分なため、角残りが見られた。また、表2に記載の比較例2の樹脂構成でチューブラー二軸延伸法による高倍率延伸を行うと、接着層としてアクリル変性ポリエチレン系樹脂であるエチレン−メタクリル酸共重合体を主成分としていることから、高倍率での延伸後に層間剥離が生じてしまい高倍率の延伸フィルムとすることはできなかった。
本発明の収縮性多層フィルムは、主として各種包装材料用途に利用可能であり、特に収縮包装用途に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 内部層(A)と、前記内部層(A)の両面の一方に表面層(B)と、他方に表面層(C)と、前記内部層(A)と前記表面層(B)との間に接着層(D)と、前記内部層(A)と前記表面層(C)との間に接着層(E)と、を有する少なくとも5層からなる収縮性多層フィルムであって、
    前記内部層(A)が、ポリ乳酸系樹脂で構成される層であり、
    前記表面層(B)及び前記表面層(C)が、ポリオレフィン系樹脂で構成される層であり、
    前記接着層(D)及び前記接着層(E)が、スチレン系エラストマー、及び0.880g/cm3以下の密度を有するポリオレフィン系エラストマーからなる群から選ばれる少なくとも1種の柔軟樹脂を含む樹脂組成物で構成される層である、収縮性多層フィルム。
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系共重合体又は線状低密度ポリエチレンを含有する、請求項1に記載の収縮性多層フィルム。
  3. 前記樹脂組成物が、
    50〜90質量%の前記柔軟樹脂と、
    10〜50質量%の120℃以上の融解ピーク温度を有するポリプロピレン系樹脂と、からなる、請求項1又は2に記載の収縮性多層フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の収縮性多層フィルムの製造方法であって、
    前記ポリオレフィン系樹脂、前記ポリ乳酸系樹脂、及び前記樹脂組成物を多層ダイにより溶融共押出して急冷し、延伸用原反を得る工程、
    前記延伸用原反を、ポリ乳酸系樹脂のガラス転移点〜融解ピーク温度の範囲に加熱して、面積延伸倍率5〜60倍で延伸する工程を、含む収縮性多層フィルムの製造方法。
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