JP2009267953A - 冗長切替制御システム、方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】冗長構成において、切替事象発生時に、それまでの運用系の用いていたクロックを予備系に対して迅速に同期させ、対向装置との間でクロック同期外れを回避できるようにする。
【解決手段】本発明の冗長切替制御システムは、複数の運用系と、各運用系の収容する各対向装置と接続している受信回線を収容し、いずれかの受信回線の接続を選択する受信回線選択手段と、受信回線選択手段の選択した受信回線から通常時でのクロックを抽出してクロック同期を行うクロック同期手段とを有する1以上の予備系と、切替事象発生時に、受信回線選択手段に対して切替先回線の選択指示を行う冗長切替制御手段とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冗長切替制御システム、方法及びプログラムに関し、例えば、冗長構成をとる通信装置の切り替えシステム、方法及びプログラムに適用し得るものである。
近年のネットワークシステムが広く浸透に伴い、システムの冗長化が重要である。従来、冗長化されたメディアゲートウェイ装置の切り替えについては、切り替え時間を極力短くすることが望まれており、それを実現する技術として、特許文献1に記載の技術がある。
例えば、特許文献1には、特許文献1の図2に示すように、TDM(Time Division Multiplexing)処理部が、メディアゲートウェイ部に収容されており、このメディアゲートウェイ部を切り替える技術が記載されている。また、このメディアゲートウェイ部は、N+1構成を取ることが記載されている。
また、一般的にTDM回線はクロック同期しているものであるから、当該装置と対向装置との間はクロックが同期している。このクロック同期方法としては、網同期用の外部クロックを当該装置に入力するか、若しくは、TDM回線から自装置用のクロックを抽出する方法が適用される。
特開2005−57461号公報
ところで、上述した特許文献1に記載のN+1構成の冗長化システムにおいて、メディアゲートウェイ装置がTDM回線からクロックを抽出する方法を適用する場合、次のような問題が生じるおそれがある。
N+1構成において、あるメディアゲートウェイ部の切り替えが行われると、他の全ての運用系のメディアゲートウェイ部についても、TDM回線からクロックの再抽出及び再度のクロック同期処理を行う必要がある。
これは、N個の運用系と1個の予備系とからなるN+1構成では、系の切り替え対象とする運用系が、どのTDM回線に接続しているか事前に決定されていないからである。
ここで、クロック同期方法としては、一般にPLL(Phase−Locked Loop)回路等を使用するが、TDM回線からクロックを再同期するまでに、通常数秒以上の時間を要してしまう。そのため、この場合、メディアゲートウェイの送信回線クロックと対応装置が動作しているクロックとの間に数秒間のクロック同期外れが発生してしまうことがある。
このようなクロック同期外れが生じてしまうと、対向装置が継続的に障害を検出してしまい、ケースによっては、障害検出に伴い対向装置が障害検出回線を閉鎖したり、呼を切断したりしてしまうおそれがある。また、クロック同期外れにより、音声及びデータにノイズが発生し、エンドユーザに直接影響を与えてしまうおそれもある。
そのため、N+1冗長構成において、切替事象発生時に、それまでの運用系の用いていたクロックを予備系に対して迅速に同期させ、対向装置との間でクロック同期外れを回避することができる冗長システム、切替システムが求められている。
かかる課題を解決するために、第1の本発明の冗長切替制御システムは、(1)複数の運用系と、(2)各運用系の収容する各対向装置と接続している受信回線を収容し、いずれかの受信回線の接続を選択する受信回線選択手段と、受信回線選択手段の選択した受信回線から通常時でのクロックを抽出してクロック同期を行うクロック同期手段とを有する1以上の予備系と、(3)切替事象発生時に、受信回線選択手段に対して切替先回線の選択指示を行う冗長切替制御手段とを備えることを特徴とする。
第2の本発明の冗長切替制御方法は、複数の運用系と、受信回線選択手段とクロック獲得手段とを有する1以上の予備系と、冗長切替制御手段とを備える冗長システムでの冗長切替制御方法であって、(1)受信回線選択手段が、各運用系の収容する各対向装置と接続している受信回線を収容し、いずれかの受信回線の接続を選択する受信回線選択工程と、(2)クロック獲得手段が、受信回線選択手段の選択した受信回線から通常時でのクロックを抽出してクロック同期を行うクロック同期工程と、(3)冗長制御手段が、切替事象発生時に、受信回線選択手段に対して切替先回線の選択指示を行う冗長切替制御工程とを有することを特徴とする。
第3の本発明の冗長切替制御プログラムは、複数の運用系と1以上の予備系とを備える冗長システムでの冗長切替制御プログラムであって、コンピュータを、(1)各運用系の収容する各対向装置と接続している受信回線を収容し、いずれかの受信回線の接続を選択する受信回線選択手段、(2)受信回線選択手段の選択した受信回線から通常時でのクロックを抽出してクロック同期を行うクロック同期手段、(3)切替事象発生時に、受信回線選択手段に対して切替先回線の選択指示を行う冗長切替制御手段として機能させるものである。
本発明によれば、冗長構成において、切替事象発生時に、それまでの運用系の用いていたクロックを予備系に対して迅速に同期させ、対向装置との間でクロック同期外れを回避することができる。
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の冗長切替制御システム、方法及びプログラムの第1の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
第1の実施形態では、N(Nは1以上の正の整数)個の運用系のメディアゲートウェイ装置と、1個の予備系のメディアゲートウェイ装置とからなる冗長システムに、本発明を適用する場合を例示して説明する。
なお、N+M(Mは2以上の正の整数)冗長構成の場合にも、第1の実施形態と同様の機能を適用することができる。また、以下で説明するシステムでは、音声、画像データ、映像データ、通常データ等を通信するネットワークにおいて適用できるものである。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態の冗長システムの構成を示す全体構成図である。図1において、第1の実施形態の冗長システム10は、3個のメディアゲートウェイ(MGW:Media Gateway)部101〜103、コントローラ部171、TDMスイッチ装置181を少なくとも有して構成されるものである。
図1に示す冗長システム10は、例えば、IPネットワーク及び電話網(例えばPSTN網)に接続し、IPネットワークと電話網との間の中継処理を行うゲートウェイ装置の冗長システムに適用する。
図1には、図示しないが、電話網上には複数の電話機が存在しており、IPネットワーク上には、端末(例えばPC等)、IP電話機(いわゆるソフトフォンを含む)が存在する。また、IPネットワークについては、IP(インターネットプロトコル)を適用する場合を例示するが通信プロトコルは特に限定されることはなく、有線回線、無線回線のいずれにも適用できる。
メディアゲートウェイ部101〜103は、例えばIPネットワークと接続し、対向装置1、2との間の音声通話などの中継処理を行うものである。
また、メディアゲートウェイ部101〜103は、コントローラ部171からの系切替制御により、自装置を運用系又は待機系のいずれかに系切替を行うものである。なお、系切替に関する技術については、特に限定されるものではないので、ここでの詳細な説明は省略するものとする。
図1では、2個のメディアゲートウェイ部101及び102が運用系として機能し、1個のメディアゲートウェイ部103が予備系として機能するものとする。
なお、以降、運用系のメディアゲートウェイ部101及び102の表記について、説明便宜上、メディアゲートウェイ部10x(x=1又は2)とも示す。また、運用系のメディアゲートウェイ部101及び102が有する各構成要件についても同様の表記方法を用いる。
図1に示すように、メディアゲートウェイ部101〜103は、IPIF(IPインタフェース)部111〜113、VoIP部121〜123、TDM処理部131〜133、受信回線選択部R141〜R143を少なくとも有して構成される。
IPIF部111〜113は、IPネットワーク(例えば、イーサネット(登録商標)等)と接続するインタフェースであり、IPパケットを送受信するものである。
VoIP部121〜123は、TDM音声とVoIP音声との間の相互変換処理を行うコーデック機能を有するものである。コーデック機能によるコーデックは種々の方式に対応することができ、例えば、G.711、G.729等を対応可能であり、例えば、IPネットワークを通じて受信したRTPパケットを音声信号に変換して対向装置に向けて送信したり、逆に電話網から受信した音声信号をRTPパケットに変換してIPネットワークに向けて送信したりする。
受信回線選択部R141〜R143は、TDMスイッチ部181を介して、受信回線(TDM回線)を収容するものである。
ここで、運用系の受信回線選択部R14xは、対向装置を収容する1つの受信回線を接続するが、予備系の受信回線選択部R143は、運用系のメディアゲートウェイ部10xが接続する受信回線の双方を接続可能なものとする。
また、予備系の受信回線選択部R143は、運用系の対向装置に接続している複数の回線のうち、いずれかの回線と接続しているものである。
TDM処理部131〜133は、メディアゲートウェイ部101〜103の複数の収容回線からの音声信号を時分割多重化して電話網に送信したり、逆に電話網からの受信回線から受信した時分割多重信号を分離した音声信号をVoIP部121〜123に与えたりするものである。
また、TDM処理部131〜133はそれぞれ、クロック同期制御部191a〜193aと、クロック同期完了通知部191b〜193bとを有する。
クロック同期制御部191a〜193aは、受信回線選択部R141〜R143を介して接続する受信回線(TDM回線)からクロックを抽出してクロック同期を行うものである。クロック同期制御部191a〜193aは、例えばPLL回路を有するものを適用できる。これにより、各メディアゲートウェイ部101〜103は、獲得したクロックを用いて、音声信号の送受信について同期させることができる。
また、予備系のクロック同期制御部193aは、通常状態において、運用系の対向装置と接続している全ての受信回線を接続可能であり、これらの受信回線のうちいずれかの受信回線からクロックを抽出し、この受信回線についてクロックに同期させることができる。これにより、切替前の通常状態においていずれかの運用系のTDM回線のクロックに同期させておくことができるから、従来生じていた切替時のクロック同期外れを回避することができる。
なお、クロック同期方式については、特に限定されるものではなく、種々の方式を取ることができるが、例えば、TDM回線から抽出したクロック信号の周波数に等しく、位相が同期した信号を生成することで実現できる。
クロック同期完了通知部191b〜193bは、予備系において、コントローラ部171から指示された切替先回線のクロックを抽出してクロック同期が完了した後に、クロック同期完了の旨をコントローラ部171に通知するものである。
TDMスイッチ部181は、例えば電話網に接続するものであり、運用系の各メディアゲートウェイ部101〜103と、それぞれの対向装置との間の中継処理を行うものである。TDMスイッチ部181のスイッチング方法は、既存のスイッチング技術を広く適用することができるので、ここでの詳細な説明は省略する。
また、TDMスイッチ部181は、各対向装置に対して送信回線選択部S161及びS162を有する。
ここで、各送信回線選択部S161及びS162は、運用系のメディアゲートウェイ部101及び102の送信回線と、予備系のメディアゲートウェイ部103の送信回線を入力側に接続し、出力側が対向装置と接続するものである。そして、各送信回線選択部S161及びS162は、コントローラ部171の切替制御に従って、運用系と予備系の送信回線の切り替えを行うものである。
具体的に、例えば、メディアゲートウェイ部101の対向装置1と接続する送信回線選択部S161は、入力側において、当該運用系のメディアゲートウェイ部101の送信回線と、予備系のメディアゲートウェイ部103の送信回線とを対として予め接続されており、コントローラ部171の制御により、運用系の送信回線又は予備系の送信回線を切り替える。これにより、コントローラ部171の制御に基づく系切替時に、運用系の送信回線から予備系の送信回線に切り替えることができるから、迅速な引き継ぎができる。
なお、送信回線選択部S162についても、入力側において、運用系のメディアゲートウェイ部102の送信回線と、予備系のメディアゲートウェイ部103の送信回線とを対として予め接続される。
また、対向装置1からの受信回線については、TDMスイッチ部181を介して、運用系のメディアゲートウェイ部101と予備系のメディアゲートウェイ部103とに接続する。同様に、対向装置2からの受信回線については、TDMスイッチ部181を介して、運用系のメディアゲートウェイ部102と予備系のメディアゲートウェイ部103とに接続する。
コントローラ部171は、ゲートウェイ装置としての冗長システム10を制御するものである。
図2は、コントローラ部171の主な内部機能を示すブロック図である。図2に示すように、コントローラ部171は、送信回線選択制御部21、受信回路制御部22、クロック同期状態信号監視部23、系切替制御部24を少なくとも有する。
送信回線選択制御部21は、TDMスイッチ部181の送信回線選択部S161及びS162に対して、選択する送信回線の切替信号を与えるものである。
受信回線選択制御部22は、受信回線選択部R141〜143に対して、選択する受信回線の切替信号を与えるものである。
クロック同期状態信号監視部23は、メディアゲートウェイ部101〜103のTDM処理部131〜133によるクロック同期の状態を監視するものである。
系切替制御部24は、運用系と予備系との系切替を制御するものである。系切替制御部24は、切替元のメディアゲートウェイ部のVoIP部121〜123の呼情報を、切替先のメディアゲートウェイ部にコピー(設定)するものである。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の冗長システム10における切り替え処理の動作について図面を参照しながら説明する。
図3は、第1の実施形態の冗長システム10のコントロール部171の切り替え処理の動作を示すフローチャートである。
まず、運用系のメディアゲートウェイ部101及び102による通常状態において、予備系の受信回線選択部R143は、対向装置1の受信回線を選択する(ステップF101)。なお、第1の実施形態では、受信回線選択部R143が対向装置1の受信回線を選択することを通常状態でのデフォルトとするが、これは一例であり、対向装置2の受信回線としてもよい。
次に、メディアゲートウェイ部10xの切替事象が発生すると(ステップF102)、コントローラ部171は受信回線選択部R143に対して切替信号を送出し、コントローラ部171からの切替信号に従って、受信回線選択部R143は切替先の受信回線を選択して切り替える(ステップF103)。
ここで、切替事象としては、コントロール部171からのコマンド等の事前に事象を判別することができる系切替事象(事前判別可能事象ともいう)と、運用系のメディアゲートウェイ部10xの故障に伴うものなど事後的に事象を判別する事象(事後判別可能事象)などがある。
次に、コントロール部171は、コマンドによる切り替えであるか否かにより処理が異なる(ステップF104)。
これは、コマンドによる切替事象の場合、コントロール部171が切替対象とするメディアゲートウェイ部101〜103にコマンドを入力することで、指示どおりの切り替えが同時にできるからである。
これに対して、運用系の故障による切替事象の場合、回線障害が継続してしまうと、対向装置が回線障害(クロック同期外れやクロック同期外れに伴う回線障害)を検出してしまい、呼接続中の呼を切断するケースが生じてしまうおそれがある。そのため、MGW部10xの故障に伴う切替の場合は、故障検出後即切替を実施する必要がある。
ステップF104においてコマンドによる切替事象の場合、コントロール部171は、予備系のメディアゲートウェイ部103のTDM処理部133による受信回線(TDM回線)のクロック同期が終了するまで、クロック同期待ちとなる(ステップF105、F106)。
このとき、受信回線選択部R143は、通常状態において対向装置1の受信回線を選択しているから、この受信回線のクロックをすでに獲得している。従って、切替元がx=1の場合には、メディアゲートウェイ部103への切替に係るクロック再同期に要する時間はゼロとなる。
一方、切替元がx=2の場合、TDM処理部R143のクロック同期制御部193は、対向装置2の受信回線(TDM回線)からクロックを抽出して、クロック再同期を行う。
そして、TDM処理部133によるクロック同期が完了すると、TDM処理部133はコントロール部171に対して同期完了通知を行う。
これを受けて、コントロール部171は、切替元のメディアゲートウェイ部101における呼情報を、メディアゲートウェイ部103に設定する(ステップF107)。これにより、系切替直前の呼情報を予備系のメディアゲートウェイ部103に受け渡すことができる。
このとき、運用系における呼情報は、コントローラ部171を介して、予備系に対して受け渡しされる。つまり、運用系10x⇔コントローラ部171⇔MGW部103のルートで行われる。
また、上記のように、第1の実施形態では、切替指示後、TDM処理部133におけるクロック同期が完了してから、呼情報の受け渡しを行うものとする。
そして、呼情報の設定が完了すると、メディアゲートウェイ部103は呼情報の使用が可能となり、系切替の準備が完了する。
その後、コントロール部171は、TDMスイッチ部181の送信回線選択部S16xに対して、予備系のメディアゲートウェイ部103の送信回線に切り替えよう切替信号を送信する(ステップF108)。これにより、メディアゲートウェイ部103に切り替えることにより、送信側の切替が完了する(ステップF109)。
この送信側の切替完了時には、すでにメディアゲートウェイ部103は対向装置とのクロック同期を完了しているため、対向装置との瞬時のフレーム同期外れは検出されるが、継続的なクロック同期外れを回避することができる。
一方、ステップF104において、メディアゲートウェイ部10xの故障による切替事象の場合、上述したように、対向装置によるTDM回線障害検出時間を最小限にすることが望まれるので、障害検出後、迅速な系切替が必要となる。
そこで、コントロール部171は、障害検出後即時に、障害検出されたメディアゲートウェイ部10xの対向装置と接続する送信回線選択部S16xに対して、予備系のメディアゲートウェイ部103への切替信号を与え、予備系の送信回線の選択に切り替えさせる(ステップF110)。
その後、コントロール部171は、障害検出されたメディアゲートウェイ部10xの呼情報を、予備系のメディアゲートウェイ部103に設定する(ステップF111)。
ここで、切替元の対向装置と接続するTDM回線のクロック再同期は、ステップF103の時点で開始し、呼情報の設定完了前、又は、呼情報の設定完了後に完了する。そのため、ステップF111での呼情報の設定とクロック同期は並列に行なわれる。
つまり、送信回線選択部S16xの送信回線の選択切替をしてから、クロック再同期が完了するまでの間は、対向装置によるTDM回線障害を検出してしまうおそれがある。
しかしながら、ステップF103においてクロック再同期を行うことで、切替元がメディアゲートウェイ部101である場合、メディアゲートウェイ部103は、すでに対向装置1と接続する受信回線のクロックを抽出してクロック同期をしており、クロック再同期に係る時間はゼロであるから、瞬時なフレーム同期外れは生じるが、対向装置における継続的なクロック同期外れの検出を回避させることができる。
また、切替元がメディアゲートウェイ部101以外の場合も、クロック同期制御部193の特性より、通常のクロック同期に要する時間よりも短い時間となるから、クロック同期外れによる影響を小さくすることができる。
一般に、TDM回線に接続する対向装置は全て同じクロック周波数のクロックに同期した状態で運用されている。つまり、図1の対向装置1及び対向装置2に接続する受信回線は同じ周波数数のクロックに同期されている。
このとき、メディアゲートウェイ部103のTDM処理部133は、ステップF101のように、通常状態において対向装置1に接続する受信回線のクロックを抽出してクロックに同期している。
従って、対向装置2に接続する受信回線のクロック再同期するときには、対向装置1の受信回線のクロック同期をしているから、通常のクロック同期に要する時間よりも短い時間で、TDM処理部133はクロック再同期を完了することができる。
そのため、呼情報の設定完了後にTDM処理部133によるクロック同期を行うことは、クロック自走状態の場合(TDM処理部133に何も入力がなく、同期していない状態で行うクロック同期制御の場合)に比べて、大幅な時間短縮ができる。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態の場合、コマンド切替事象の場合には、対向装置によるクロック同期外れを回避することができる。
また、故障切替など切替事象発生後すぐに回線を切り替える必要がある切替事象の場合には、受信回線選択部133が通常状態において選択している回線が切替先回線のときには、すでに切替先回線からのクロックに同期しているから、対向装置によるクロック同期外れを回避することができる。
また、受信回線選択部133が通常状態において選択している回線以外の回線を切替先回線とするときにも、通常のクロック再同期に係る時間より短い時間で同期させることができるので、対向装置によるクロック同期外れの時間を短縮することができる。
その結果、対向装置での障害検出時間が瞬時になり、呼の切断などが発生しない。また、音声・データへのノイズも瞬時にすることができるという効果を奏する。
(B)他の実施形態
(B−1)第1の実施形態では、メディアゲートウェイ装置としての冗長システムに本発明を適用した場合を例示したが、対向装置と接続する回線からクロックを抽出する装置の冗長システムに広く適用できる。例えば、N+1冗長切替機能を有するSDH装置のシステム、N+1冗長切替機能を有するTDM装置全般のシステム、N+1冗長切替機能を有するクロック同期装置全般のシステムに適用可能である。
第1の実施形態のメディアゲートウェイ装置の冗長システムの構成を示す構成図である。 第1の実施形態のコントローラ部の主な機能を示すブロック図である。 第1の実施形態の冗長システムでの切り替え処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10…メディアゲートウェイ装置の冗長システム、101及び102…メディアゲートウェイ部(運用系)、103…メディアゲートウェイ部(予備系)、111〜113…IPIF部、121〜123…VoIP部、131〜133…TDM処理部、R141〜R143…受信回線選択部、S161及びS162…送信回線選択部、171…コントローラ部、181…TDMスイッチ部、191a〜193a…クロック同期制御部、191b〜193b…クロック同期完了通知部。

Claims (5)

  1. 複数の運用系と、
    上記各運用系の収容する各対向装置と接続している受信回線を収容し、いずれかの受信回線の接続を選択する受信回線選択手段と、上記受信回線選択手段の選択した受信回線から通常時でのクロックを抽出してクロック同期を行うクロック同期手段とを有する1以上の予備系と、
    切替事象発生時に、上記受信回線選択手段に対して切替先回線の選択指示を行う冗長切替制御手段と
    を備えることを特徴とする冗長切替制御システム。
  2. 上記切替事象が事前判別可能事象である場合、
    上記各予備系が、上記クロック同期の完了後に、上記冗長切替制御手段に対してクロック同期完了通知を行うクロック同期完了通知手段をさらに有し、
    上記冗長切替制御手段が、上記クロック同期完了通知を受けた後に、切替元運用系で処理する処理データを上記予備系に設定させるものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の冗長切替制御システム。
  3. 上記切替事象が事後判別可能事象である場合、上記冗長切替制御手段が、切替事象判別後即時に、切替元運用系で処理する処理データを上記予備系に設定させるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の冗長切替制御システム。
  4. 複数の運用系と、受信回線選択手段とクロック獲得手段とを有する1以上の予備系と、冗長切替制御手段とを備える冗長システムでの冗長切替制御方法であって、
    上記受信回線選択手段が、上記各運用系の収容する各対向装置と接続している受信回線を収容し、いずれかの受信回線の接続を選択する受信回線選択工程と、
    上記クロック獲得手段が、上記受信回線選択手段の選択した受信回線から通常時でのクロックを抽出してクロック同期を行うクロック同期工程と、
    上記冗長制御手段が、切替事象発生時に、上記受信回線選択手段に対して切替先回線の選択指示を行う冗長切替制御工程と
    を有することを特徴とする冗長切替制御方法。
  5. 複数の運用系と1以上の予備系とを備える冗長システムでの冗長切替制御プログラムであって、
    コンピュータを、
    上記各運用系の収容する各対向装置と接続している受信回線を収容し、いずれかの受信回線の接続を選択する受信回線選択手段、
    上記受信回線選択手段の選択した受信回線から通常時でのクロックを抽出してクロック同期を行うクロック同期手段、
    切替事象発生時に、上記受信回線選択手段に対して切替先回線の選択指示を行う冗長切替制御手段
    として機能させる冗長切替制御プログラム。
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