JP2009267649A - 静電型音響変換器用耐熱性エレクトレット材の製造方法 - Google Patents

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Yoshizumi Ota
良純 太田
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Abstract

【課題】電荷保持性に優れた静電型音響変換器用エレクトレット材を提供する。
【解決手段】電極10、固定部11およびエレクトレット材層12を有し、エレクトレット材層12が帯電状態にあるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)層である静電型音響変換器用耐熱性エレクトレット材100を、PTFE粒子の分散液を基材上に塗布する塗布工程と、基材上の分散液を乾燥した後、当該分散液中に含有されていたPTFE粒子を焼成する乾燥焼成工程と、を含むことによってPTFE層を形成する工程と、当該PTFE層の主面を化学エッチングすることによって当該層の帯電性を向上させる工程と、化学エッチング後にPTFE層を帯電処理する工程と、を含むことによって製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電型音響変換器用の耐熱性エレクトレット材の製造方法に関する。
携帯電話機のような小型の電子機器において、エレクトレットコンデンサマイクロホン(Erectret Condenser Microphone:ECM)に代表される、エレクトレット材を備えた静電型音響変換器が使用されている。
電子機器の製造コストを低下させる観点からは、静電型音響変換器を電子機器内に実装するために、リフロー半田付け装置に代表される自動半田付け装置を使用することが望ましい。しかし、従来の静電型音響変換器は、リフロー半田付け装置を使用することによって実装すると、エレクトレット材内に保持されている電荷(電荷保持率)が著しく減少するという問題があった。電荷保持率の低下は、リフロー半田付け時にエレクトレット材が260℃程度の高温に加熱されることに起因すると考えられている。
特許文献1は、こうした高温での加熱に起因した電荷保持率の低下の防止を目的としたECMの製造方法を開示する。この製造方法では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキレンビニルエーテルとの共重合体といったフッ素樹脂によって構成された樹脂フィルムの表面を、湿式または乾式の化学エッチングによって処理した後、当該表面に粘着剤層を形成し、粘着剤層を介して樹脂フィルムを電極(金属板)に貼付けることによって、エレクトレット材の前駆体を形成している。なお、エレクトレット材は、前駆体の樹脂フィルムを帯電処理することによって得る。
特開2007−295308号公報
特許文献1に記載の製造方法によれば、リフロー実装時の高温加熱によるエレクトレット材の電荷保持率の低下を一定程度まで防止できるものの、こうした電荷保持性をさらに向上する観点からは未だ改善の余地がある。
本発明は、電荷保持性に優れたECM用エレクトレット材の提供を目的とする。
本発明者は、キャスティング成形法によって得たPTFEフィルムが、一般的なPTFEフィルムである、PTFEスカイブシートに比べて、高温加熱に対する電荷保持性が高いことを見出した。さらに、本発明者は、キャスティング成形によって得たPTFEフィルムの表面を、アルカリ性金属イオンを含有する溶液を用いて化学エッチングすることにより、高温加熱に対する電荷保持性が顕著に向上することを見出した。こうした傾向は、キャスティング成形法によってPTFEフィルムを形成すると、フィルムにボイドが発生しにくいことに起因すると考えられる。従来、こうした製造方法の相違に基づくPTFEフィルムの種類の相違と、エレクトレット材の電荷保持性の優劣との関係は知られていなかった。
本発明者は、こうした知見に基づき本発明を完成させた。すなわち、本発明は、電極と、前記電極上に配置されたエレクトレット材層と、前記電極と前記エレクトレット材層との間に配置され、前記エレクトレット材層を前記電極上に固定する固定部とを有し、前記エレクトレット材層が、帯電状態にあるポリテトラフルオロエチレン層である、静電型音響変換器用耐熱性エレクトレット材の製造方法であって、基材上にポリテトラフルオロエチレン層を形成する工程と、前記ポリテトラフルオロエチレン層の前記基材側と反対側の主面上に固定部を形成する工程と、当該固定部を介して前記ポリテトラフルオロエチレン層を電極上に配置する工程と、前記電極上の前記ポリテトラフルオロエチレン層を帯電処理する工程と、を有し、前記固定部を形成する工程の前に、前記ポリテトラフルオロエチレン層の帯電性を向上させる工程をさらに有し、前記ポリテトラフルオロエチレン層を形成する工程が、ポリテトラフルオロエチレン粒子を含有する分散液を前記基材上に塗布する塗布工程と、前記基材上の前記分散液を乾燥した後、前記ポリテトラフルオロエチレン粒子を焼成する乾燥焼成工程と、を含み、前記ポリテトラフルオロエチレン層の帯電性を向上させる工程が、アルカリ性金属イオンと、当該金属イオンの対アニオンまたは対アニオンラジカルと、を含有する溶液を前記ポリテトラフルオロエチレン層の前記基材側と反対側の主面に接触させることによって、当該反対側の主面を化学エッチングする工程を含む、静電型音響変換器用耐熱性エレクトレット材の製造方法を提供する。
また、本発明は、別の側面から、コンデンサ部を備えた静電型音響変換器の製造方法であって、前記コンデンサ部が、振動板と、前記振動板の背面上に、当該背面にPTFE層が面するように配置されたエレクトレット材と、を有し、前記エレクトレット材を、上記の製造方法によって得る、静電型音響変換器の製造方法を提供する。
本発明によれば、高温加熱に対するエレクトレット材の電荷保持性を向上できる。
図1は、本発明の製造方法によって得られるエレクトレット材の一例の断面図である。エレクトレット材100は、電極10、固定部(粘着剤層)11およびエレクトレット材層12を有している。エレクトレット材100は、次のようにして形成する。
まず、PTFE粒子の分散液(PTFEディスパージョン)を用意する。PTFEディスパージョンは、例えば、ダイキン工業社製D−1(固形分濃度60質量%)として入手できる。
次に、PTFEディスパージョンを基材上に塗布する。基材は、アルミに代表される金属の箔、ポリイミドに代表される樹脂のフィルムを使用できる。後述する表面処理をより簡便に実施する観点からは、基材はポリイミドフィルムであることが好ましい。続いて、基材上のディスパージョンを乾燥した後、ディスパージョンに含有されていたPTFE粒子を焼成する。これにより、基材上にPTFE層が形成される。こうして形成したPTFE層は、純粋なPTFE(いわゆるホモPTFE)からなる層であり、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキレンビニルエーテルとの共重合体に代表される変性PTFEを含有した状態にはない。
乾燥は、ディスパージョンの溶媒が気化する温度であって、PTFEおよび基材の材料の融点未満の温度(例えば180℃程度)の雰囲気下に基材を保持することによって実施できる。焼成は、PTFEの融点以上であって基材の材料の融点未満の温度の雰囲気下に基材を保持することによって実施できる。ディスパージョンは、PTFE層に空孔が形成されることを回避した状態で、乾燥および焼成することとする。こうして形成したPTFE層は多孔構造を有しない。上記の塗布から焼成までの一連の操作は、クリーンルームにおいて実施することが好ましい。
基材上へのPTFEディスパージョンの塗布は、例えば、基材をPTFEディスパージョン中に所定の速度で移動させながら浸すことによって実施できる。PTFE層の生産性を高める観点からは、塗布から焼成までの一連の工程は、複数個のローラーおよび軸と、乾燥焼成炉とを備えた公知の装置を使用し、基材シートロールから繰り出した基材を、ディスパージョンおよび乾燥焼成炉を通過させた後、捲回軸に巻き取ることによって実施することが好ましい。
PTFE層の厚さは、実用に十分な量の電荷をエレクトレット材に保持させると共に、薄型のエレクトレット材を提供する観点からは、5〜100μmの範囲にあることが好ましく、10〜50μmの範囲にあることがより好ましい。こうした厚さ範囲のPTFE層を形成するためには、上記の塗布から焼成までの一連の工程を、例えば2回以上、また例えば3回以上、実施することが好ましい。
続いて、アルカリ性金属イオンと、当該金属イオンの対アニオンまたは対アニオンラジカルとを含有する溶液を、PTFE層の基材側と反対側の主面に接触させることによって、当該反対側の主面を化学エッチング(表面処理)する。これにより、後述する実施例に示すように、PTFE層の帯電性が顕著に向上する。アルカリ性金属イオンとしては、ナトリウムイオン、リチウムイオンおよびカリウムイオンを例示できる。対アニオンとしては、アミドイオンを例示できる。対アニオンラジカルとしては、ナフタレンのアニオンラジカルおよびフェナントレンのアニオンラジカルを例示できる。当該溶液の溶媒としては、アンモニア、テトラヒドロフランおよびトルエンを例示できる。すなわち、当該溶液は、例えば、テトラヒドロフラン中でナトリウムおよびナフタレンを反応させることによって調製した溶液(溶液A)であってもよいし、また例えば、液化させたアンモニア(アンモニア液)中にナトリウムを溶解させることによって調製した溶液(溶液B)であってもよい。溶液Aを用いて表面処理する場合、例えば室温(25℃)下で約15分間、溶液をPTFE層に接触させる。溶液Bを用いて表面処理する場合、例えば室温下で1〜5秒間、溶液をPTFE層に接触させる。表面処理後、PTFE層は、例えばキシレンおよびアセトンといった有機溶媒を用いて、洗浄する。
その後、PTFE層における、表面処理を施した主面上、換言すれば、基材側と反対側の主面上に、エレクトレット材層を当該電極上に固定する固定部としての粘着剤層を形成する。粘着剤層の材料としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂およびシリコーン樹脂といった、接着剤に使用される公知の樹脂が挙げられる。PTFE層は、固定部の形成前に、基材から剥離された状態にあってもよい。
次に、固定部としての粘着剤層が配置されたPTFE層を、当該粘着剤層を介した状態で電極上に配置する。その後、粘着剤層を加熱することによって硬化させ、PTFE層を電極上に固着させる。電極は金属板であってよい。
続いて、PTFE層を帯電処理する。これにより、帯電状態にあるPTFE層である、エレクトレット材層を得る。帯電処理は、例えば、PTFE層における、固定部が配置された側と反対側の主面を、コロナ放電処理することによって実施できる。このように、帯電処理はコロナ放電処理であってよい。なお、基材は、帯電処理の前までにPTFE層から剥離しておく。
以上により、静電型音響変換器用のエレクトレット材が得られる。このエレクトレット材は、後述する実施例に示すように、高温加熱に対する電荷保持性に優れる。この理由は明らかではないが、本発明者は次のように考えている。高温加熱に対するエレクトレット材の電荷保持性を高めるには、エレクトレット材層の材料、すなわちPTFEの融点付近まで、電荷のトラップ部位の構造が維持される必要がある。PTFEの結晶部と非晶部との界面は、こうしたトラップ部位の一つであると考えられる。PTFEスカイブシートに代表されるボイドの多いPTFEフィルムは、高温加熱によってボイドを起点とした応力緩和が発生しやすく、結晶の流動が生じやすい。このため、こうしたフィルムでは、結晶部と非晶部との界面の構造が維持されにくい。これに対し、本発明の製造方法によって形成されるPTFEフィルムは、ボイドが少ないため、フィルムを高温加熱しても電荷のトラップ部位の構造が維持されやすいと考えられる。さらに、本発明によるPTFEフィルムは、アルカリ性金属イオンと、当該金属イオンの対アニオンまたは対アニオンラジカルとを含有する溶液を用いた表面処理によって、トラップ部位における電荷の安定性がさらに高められているものと考えられる。
本発明の製造方法により得られるエレクトレット材は、バックエレクトレットコンデンサマイクロホン(BE)、フロントエレクトレットコンデンサマイクロホンおよびホイルエレクトレットコンデンサマイクロホンといった静電型音響変換器の製造に好適に適用できる。図2は、本発明の製造方法によって得られるBEの一例の断面図である。BE200は、シールドケース20、コンデンサ部30、集積回路26が形成された回路基板27を有している。コンデンサ部30は、本発明の製造方法によって得られるエレクトレット材100と、振動板21とを有している。より詳しくは、コンデンサ部30は、振動板21が形成された振動板ユニット22、スペーサ23、エレクトレット材100および背面電極基板25によって、構成されている。エレクトレット材100は、図2に示すように、エレクトレット材層12が振動板21の背面に面する状態でBE200内に配置される。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
PTFEディスパージョン(ダイキン工業社製D−1(固形分濃度60質量%))に蒸留水を添加することによって、コーティング液を調製した。コーティング液の比重は1.50である。厚さ75μmのポリイミドフィルム(宇部興産社製ユーピレックス75S)を、コーティング液中にディッピング速度100mm/分で浸すことによって、ポリイミドフィルム上にコーティング液を塗布した。その後、ポリイミドフィルムを180℃の雰囲気下に10分間保持することによって、フィルム上のコーティング液を乾燥した。次に、ポリイミドフィルムを360℃の雰囲気下に10分間保持することによって、コーティング液に含有されていたPTFE粒子を焼成した。続いて、ポリイミドフィルムを冷却した。コーティング液の塗布からポリイミドフィルムの冷却までの操作を合計3回行うことによって、ポリイミドフィルム上に、厚さ35μmのPTFEフィルムを形成した。こうして、キャスティング成形によってPTFEフィルムを得た。このPTFEフィルムの表面にはボイドが観察されなかった。
続いて、PTFEフィルムの一方の主面を次のようにして表面処理した。まず、当該表面に、25℃のNa/ナフタレン錯塩溶液(潤工社製テトラH)を30秒間接触させた。潤工社製テトラHは、アルカリ性金属イオンとしてナトリウムイオンを含有し、当該金属イオンの対アニオンラジカルとしてナフタレンのアニオンラジカルを含有し、溶媒としてテトラヒドロフランを含有する溶液である。続いて、当該表面にメタノール、水、メタノールを、この順でそれぞれ10秒間接触させることによって、当該表面を洗浄した。その後、当該表面を乾燥した。こうして、PTFEフィルムの一方の主面を金属ナトリウム処理した。
(比較例1)
スパッタエッチングによって表面処理を実施したこと以外は実施例1と同様にして、表面処理された状態にあるPTFEフィルムを得た。スパッタエッチングは次のようにして実施した。まず、キャスティング成形によって得たPTFEフィルムを、スパッタエッチング処理装置のチャンバに取り付けた。次に、アルゴンガスを導入することによってチャンバ内の雰囲気圧を5×10-3Torrに調整した。続いて、雰囲気に13.56MHzの高周波電圧を印加することにより、PTFEフィルムの一方の表面上に1ワット/cm2の放電を15秒間発生させた。こうして、PTFEフィルムの表面をスパッタエッチング処理した。
(比較例2)
キャスティング成形に代えて、スカイブ成形によってPTFEフィルムを得たこと以外は実施例1と同様にして、表面処理された状態にあるPTFEフィルムを得た。スカイブ成形は次のようにして実施した。PTFEモールディングパウダー(ダイキン工業社製ポリフロンM18)25キログラムを、ビレット金型(115Φ×265Φ)内に充填した後、プランジャー速度10mm/分、加圧圧力15MPa、保持時間30分という条件で圧縮成形した。その後、こうして得た圧縮成形物を360℃の雰囲気下に16時間保持することによって、当該圧縮成形物を焼成した。次に、焼成後の圧縮成形物を、切削旋盤を用いてフィルム状に切削することによって、厚さ50μmのPTFEフィルムを得た。こうして得たPTFEフィルムの表面には、多くのボイドが観察された。
(比較例3)
スパッタエッチングによって表面処理を実施したこと以外は比較例2と同様にして、表面処理された状態にあるPTFEフィルムを得た。スパッタエッチングは比較例1と同様にして実施した。
〔電荷保持性試験〕
実施例1および比較例1〜3のフィルムについて、次のようにして、高温加熱に対する電荷保持性を調べた。まず、各フィルムの他方の主面(表面処理していない側の主面)に向けて、マイナスのコロナ放電を25℃で実施することによって、各フィルムを分極処理した。当該分極処理の直後に、表面電位計を用いて各フィルムの表面電位を測定することによって、基準電位を得た。続いて、各フィルムを210℃の雰囲気下に30分間保持(熱処理)した後、それぞれの表面電位を測定した。その後、同様の熱処理をさらに2回実施した。各回における、基準電位を100%にしたときの熱処理後の表面電位の割合を算出することによって、表面電位残存率(%)を得た。結果を表1に示す。
Figure 2009267649
表1に示すように、実施例1のフィルムは、比較例1〜3のフィルムに比べて表面電位残存率が高かった。
なお、実施例1のフィルムは、表面処理した主面上に固定部(粘着剤層)を形成し、当該固定部を介して電極上に貼付けた状態に加工した場合も、比較例1〜3のフィルムを同様の状態に加工した場合に比べて、高い表面電位残存率を示す。
本発明は、高温加熱に対する電荷保持性に優れた静電型音響変換器用エレクトレット材を提供するものとして、静電型音響変換器が実装される電子機器の分野において多大な利用価値を有する。
本発明の製造方法によって得られるエレクトレット材の一例の断面図である。 本発明の製造方法によって得られる静電型音響変換器の一例の断面図である。
符号の説明
10 電極
11 固定部(粘着剤層)
12 エレクトレット材層
20 シールドケース
21 振動板
22 振動板ユニット
23 スペーサ
24 音響孔
25 背面電極基板
26 集積回路
27 回路基板
30 コンデンサ部
100 エレクトレット材
200 バックエレクトレットコンデンサマイクロホン(BE)

Claims (5)

  1. 電極と、前記電極上に配置されたエレクトレット材層と、前記電極と前記エレクトレット材層との間に配置され、前記エレクトレット材層を前記電極上に固定する固定部とを有し、前記エレクトレット材層が、帯電状態にあるポリテトラフルオロエチレン層である、静電型音響変換器用耐熱性エレクトレット材の製造方法であって、
    基材上にポリテトラフルオロエチレン層を形成する工程と、前記ポリテトラフルオロエチレン層の前記基材側と反対側の主面上に固定部を形成する工程と、当該固定部を介して前記ポリテトラフルオロエチレン層を電極上に配置する工程と、前記電極上の前記ポリテトラフルオロエチレン層を帯電処理する工程と、を有し、
    前記固定部を形成する工程の前に、前記ポリテトラフルオロエチレン層の帯電性を向上させる工程をさらに有し、
    前記ポリテトラフルオロエチレン層を形成する工程が、ポリテトラフルオロエチレン粒子を含有する分散液を前記基材上に塗布する塗布工程と、前記基材上の前記分散液を乾燥した後、前記ポリテトラフルオロエチレン粒子を焼成する乾燥焼成工程と、を含み、
    前記ポリテトラフルオロエチレン層の帯電性を向上させる工程が、アルカリ性金属イオンと、当該金属イオンの対アニオンまたは対アニオンラジカルと、を含有する溶液を前記ポリテトラフルオロエチレン層の前記基材側と反対側の主面に接触させることによって、当該反対側の主面を化学エッチングする工程を含む、
    静電型音響変換器用耐熱性エレクトレット材の製造方法。
  2. 前記アルカリ性金属イオンがナトリウムイオン、リチウムイオンまたはカリウムイオンであり、前記対アニオンがアミドイオンであり、前記対アニオンラジカルがナフタレンのアニオンラジカルまたはフェナントレンのアニオンラジカルであり、前記溶液が溶媒としてアンモニア、テトラヒドロフランまたはトルエンを含有する、請求項1に記載の静電型音響変換器用耐熱性エレクトレット材の製造方法。
  3. 前記ポリテトラフルオロエチレン層の厚さが、5μm以上100μm以下の範囲にある、請求項1または2に記載の静電型音響変換器用耐熱性エレクトレット材の製造方法。
  4. 前記帯電処理が、コロナ放電処理である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電型音響変換器用耐熱性エレクトレット材の製造方法。
  5. コンデンサ部を備えた静電型音響変換器の製造方法であって、
    前記コンデンサ部が、振動板と、前記振動板の背面上に、当該背面にポリテトラフルオロエチレン層が面するように配置されたエレクトレットと、を有し、
    前記エレクトレットを、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法によって得る、
    静電型音響変換器の製造方法。
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