JP2009266429A - 有機エレクトロルミネッセンス光源装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス光源装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光取り出し効率が高く、且つ、その光度分布を正面方向以外の方向が最大となる分布としうる光源装置を提供する。
【解決手段】第1の透明電極層、発光層、第2の透明電極層、及び反射層をこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、前記反射層が、複数の傾斜面を含む周期構造単位の繰返しからなる周期構造を有し、前記発光層の主面と垂直な面であって且つ前記周期構造単位の最も高い位置を通る面で前記周期構造単位を切断した、前記周期構造単位の断面のうち少なくとも1つが非対称な形状であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下「有機EL」と略す場合がある。)光源装置に関する。
複数層の電極間に有機発光層を設け、電気的に発光を得る有機EL素子は、液晶セルに代わる表示素子としての利用の他に、その高発光効率、低電圧駆動、軽量、低コスト等の特徴を生かした、平面型照明、液晶表示装置用バックライト等の面光源としての利用も検討されている。
有機EL素子を面光源として利用する場合、有用な態様の光を高効率で素子から取り出すことが課題となる。例えば、有機EL素子の発光層自体は発光効率が高いものの、それが素子を構成する積層構造を透過して出光するまでの間に、層中における干渉等により光量が低減してしまうので、そのような光の損失を可能な限り低減することが求められる。
光取り出し効率を高めるための方法として、例えば特許文献1には、素子の正面方向(0°)の輝度を抑制し、角度50〜70°の輝度を増加させることで、全体的な輝度を高めることが開示されている。
特開2004−296423号公報
しかしながら、光源装置においては、光取り出し効率をさらに向上させることが求められている。
加えて、光源装置では、その光度分布を、正面方向以外の方向が最大となる所定の分布にすることが求められる場合があり、そのような光度分布で発光する光源装置が求められる。
したがって本発明の課題は、光取り出し効率が高く、且つ、その光度分布を正面方向以外の方向が最大となる分布としうる光源装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本願発明者らは検討を行った結果、有機EL光源装置において、発光素子を構成する一対の電極をいずれも透明電極とすると共に、特定の周期構造を有する反射層を設けることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本願発明を解決するに至った。
したがって、本発明によれば、下記〔1〕〜〔3〕が提供される。
〔1〕 第1の透明電極層、発光層、第2の透明電極層、及び反射層をこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、前記反射層が、複数の傾斜面を含む周期構造単位の繰返しからなる周期構造を有し、前記発光層の主面と垂直な面であって且つ前記周期構造単位の最も高い位置を通る面で前記周期構造単位を切断した、前記周期構造単位の断面のうち少なくとも1つが非対称な形状であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
〔2〕 前記第2の透明電極層と前記反射層との間に、さらに封止接着層を有し、前記封止接着層が前記第2の透明電極及び前記反射層の両方に直接に接することを特徴とする、前記エレクトロルミネッセンス光源装置。
〔3〕 前記周期構造単位が、角柱状の形状を有し、前記角柱の長手方向が前記発光層主面と平行に配置され、前記長手方向に垂直な面で前記角柱を切断した断面において、前記断面が非対称であることを特徴とする、前記有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
本発明の光源装置は、光取り出し効率が高く、且つその光度分布を、正面方向以外の所望の方向が最大となる分布としうるので、液晶表示装置のバックライト、照明装置などの光源として有用である。
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の有機EL光源装置の第1実施形態の層構成を示す立面断面図である。なお本願においては、別に断らない限り、光源装置はその発光層を水平にして装置の出光面を上に向けて載置した状態において説明する。従って、別に断らない限り、以下の記載において「水平面」は発光層の主面と平行な面であり、光源装置の上側は出光面側となり、下側は出光面と反対側となる。
図1において、装置100は、基板101と、基板101の下側に設けられた発光素子120と、その下側に設けられた封止基板102と、接着層132を介して、封止基板102の下側に接着された反射部材144とを備えている。封止層131及び封止基板102、ならびに基板101で発光素子120を封止しており、これにより、光源装置100の使用に際し発光素子120が外気の酸素、水分等と接触することにより劣化することを防止することができる。
反射部材144は、上面に周期構造単位141を有する反射基板140と、反射基板140の上面の周期構造単位141上に設けられた反射層142とを備え、反射層142は接着層132を封止基板102の下側に接着されている。
(基板及び封止基板)
基板101及び封止基板102を構成する材料としては、ガラス基板、石英ガラス、プラスチック基板などの、有機EL発光素子の基板として通常用いうる基板を採用することができる。基板101を構成する材料は、封止基板102を構成する材料と同一でもよく異なっていてもよい。基板及び封止基板の厚さは、いずれも0.01〜5mmとすることができる。
(発光素子)
発光素子120を構成する発光層121としては、特に限定されず既知のものを適宜選択することができるが、光源としての用途に適合すべく、一種の層単独又は複数種類の層の組み合わせにより、後述する所定のピーク波長を含む光を発光するものとすることができる。
発光素子120を構成する第1の透明電極層111及び第2の透明電極層112は、それぞれ、発光層121の出光面側及び反射層側に位置する。これらを構成する材料は、特に限定されず有機EL発光素子の電極として用いられる既知の材料を適宜選択することができ、どちらか一方を陽極とし、他方を陰極とすることができる。第1の透明電極111と第2の透明電極112としては、それぞれITO、IZO、SnOなどを挙げることができる。
また、電極間には、発光層に加えてホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層及びガスバリア層等の他の層をさらに有することもできる。
発光素子の具体的な層構成としては、陽極/正孔輸送層/発光層/陰極の構成、陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極の構成、陽極/正孔注入層/発光層/陰極の構成、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極の構成、陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/等電位面形成層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極の構成,陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/電荷発生層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極の構成などが挙げられる。本発明の有機EL光源装置における発光素子は、一層以上の発光層を陽極と陰極との間に有するものとすることができるが、発光層として、複数の発光色が異なる層の積層体、あるいはある色素の層に異なる色素がドーピングされた混合層を有していてもよい。各層の材料は特に限定されるものではない。例えば発光材料にはポリパラフェニレンビニレン系・ポリフルオレン系・ポリビニルカルバゾール系などがあげられる。また正孔注入層や正孔輸送層にはフタロシアニン系・アリールアミン系・ポリチオフェン系、電子注入層や電子輸送層にはアルミ錯体・フッ化リチウムなどがあげられる。また、透電位面形成層、あるいは電荷発生層としては、ITO、IZO、SnOなどの透明電極、あるいはAg,Alなどの金属薄膜があげられる。
第1の透明電極層111、発光層121、第2の透明電極層112及び発光素子を構成するその他の任意の層は、基板101上にこれらを順次積層することにより設けることができる。これら各層の厚さは、10〜1000nmとすることができる。
(封止層)
封止層131を構成する材料としては、第2の透明電極層112及び封止基板102を接着する機能を有し、且つ装置の使用時において発光素子120を空気中の水分及び酸素等による劣化を防ぎうる各種の樹脂を用いることができる。
封止層の材料としては、例えば、加熱により溶着し冷却により硬化する熱溶融型の接着機能樹脂を用いることができ、そのガラス転移温度(Tg)が特に限定されないが、通常−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃、より好ましくは20〜90℃、特に好ましくは50〜80℃であるものを用いることができる。ガラス転移温度を前記好適な範囲とすることにより、十分な耐熱性を有する光源装置を得ることができ、また、有機ELパネルの発光層を損なうことなく貼付を行なうことができる。
前記接着機能樹脂としては、共役ジエン重合体を環化反応させることにより得られる共役ジエン重合体環化物であって、前記共役ジエン重合体中の不飽和結合に対する前記共役ジエン重合体環化物中に存在する不飽和結合の減少率(不飽和結合減少率)が30%以上である共役ジエン重合体環化物を用いることができる。また、前記接着機能樹脂としては、前記共役ジエン重合体環化物と脂環式オレフィン樹脂とを含有してなるものを用いることもできる。
前記共役ジエン重合体環化物は、共役ジエン重合体を、酸触媒の存在化に環化反応させて得られる。共役ジエン重合体としては、共役ジエン単量体の単独重合体及び共重合体並びに共役ジエン単量体とこれと共重合可能な単量体との共重合体を使用することができる。
共役ジエン単量体は、特に限定されず、その具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン等が挙げられる。これらの単量体は、単独で使用しても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
共役ジエン重合体の具体例としては、天然ゴム、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体等の共役ジエンの単独重合体又は共重合体;スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、イソプレン−イソブチレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン系共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体等の芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体、等の共役ジエンとこれと共重合可能な単量体との共重合体を挙げることができる。中でも、天然ゴム、ポリイソプレン、及びスチレン−イソプレンブロック共重合体が好ましく、ポリイソプレン及びスチレン−イソプレンブロック共重合体がより好ましい。
また、共役ジエン重合体環化物としては、極性基で変性された変性共役ジエン重合体環化物を用いることが好ましい。変性共役ジエン重合体環化物は、これを含有する前記接着機能樹脂の被着物に対する接着性を発現させ、また、前記接着機能樹脂中に微粒子が含まれる場合には、その微粒子の分散性を向上させる効果がある。極性基を含有する変性共役ジエン重合体環化物は、その一種類が前記接着機能樹脂中に含まれていてもよく、また、極性基が異なる複数種類が前記接着機能樹脂中に含まれていてもよい。また、2種類以上の官能基を有する共役ジエン重合体環化物を用いてもよい。
極性基としては、特に限定されるものではなく、例えば、酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、エステル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、シリル基、及びハロゲンなどが挙げられる。
酸無水物基又はカルボキシル基としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水アコニット酸、ノルボルネンジカルボン酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸、及びマレイン酸などのビニルカルボン酸化合物などが共役ジエン重合体環化物に付加した構造の基が挙げられ、なかでも、無水マレイン酸が共役ジエン重合体環化物に付加した構造の基が反応性、経済性の点で好ましい。
アミド基は、アミド基を含有する不飽和化合物を用いて共役ジエン重合体環化物にグラフト化することにより、アミド基を導入する方法;官能基を含有する不飽和化合物を用いて官能基を導入し、導入した官能基とアミド基を有する化合物を反応させる方法等により導入できる。アミド基を含有する不飽和化合物としては、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミドなどが挙げられる。
水酸基としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、及び(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの不飽和酸のヒドロキシアルキルエステル類、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、及びN−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドなどのヒドロキシル基を有する不飽和酸アミド類、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)クリレートなどの不飽和酸のポリアルキレングリコールモノエステル類、並びにグリセロールモノ(メタ)アクリレートなどの不飽和酸の多価アルコールモノエステル類などが共役ジエン重合体環化物に付加した構造の基が挙げられ、これらの中でも、不飽和酸のヒドロキシアルキルエステル類が好ましく、特にアクリル酸2−ヒドロキシエチル、又はメタクリル酸2−ヒドロキシエチルが共役ジエン重合体環化物に付加した構造の基が好ましい。
その他の極性基を含有するビニル化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられる。
変性共役ジエン重合体環化物、特に極性基含有共役ジエン重合体環化物中の極性基の含有量は、特に制限されないが、通常、0.1〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%、より好ましくは1〜7モル%の範囲である。この含有量が少なすぎても多すぎても、酸素吸収機能が劣る傾向がある。なお、極性基の含有量は、変性共役ジエン重合体環化物の分子に結合している極性基の分子量相当量を1モルとしている。
変性共役ジエン重合体環化物を製造する方法としては、(1)上述の方法で得られた共役ジエン重合体環化物に極性基含有ビニル化合物を付加反応させる方法、(2)極性基を含有する共役ジエン重合体を、上述の方法で環化反応させて得る方法、(3)極性基を含有しない共役ジエン重合体に極性基を含有するビニル化合物を付加反応させた後、環化反応させて得る方法、及び(4)前記(2)又は(3)の方法で得たものにさらに極性基含有ビニル化合物を付加反応させる方法等が挙げられる。中でも、不飽和結合減少率をより調整しやすい点からは、前記(1)の方法が好ましい。
極性基含有ビニル化合物としては、共役ジエン重合体環化物に極性基を導入することができる化合物であれば特に限定されるものではなく、例えば、酸無水物基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、エステル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、シリル基、及びハロゲンなどの極性基を有するビニル化合物が好ましく挙げられる。
酸無水物基又はカルボキシル基を有するビニル化合物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水アコニット酸、ノルボルネンジカルボン酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸、及びマレイン酸などが挙げられ、なかでも、無水マレイン酸が反応性及び経済性の点で好ましく使用できる。水酸基を含有するビニル化合物としては、例えば、不飽和酸のヒドロキシアルキルエステル類が好ましく、特にアクリル酸2−ヒドロキシエチル、及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましいビニル化合物として挙げられる。
共役ジエン重合体環化物に、極性基含有ビニル化合物を付加反応させて、この極性基含有ビニル化合物に由来する極性基を導入する方法は、特に限定されないが、一般にエン付加反応又はグラフト重合反応と呼ばれる公知の反応に従えばよい。この付加反応は、共役ジエン重合体環化物と極性基含有ビニル化合物とを、必要に応じて、ラジカル発生剤の存在下に、接触反応させることによって行われる。ラジカル発生剤としては、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、及びベンゾイルパーオキシドのようなパーオキシド類、並びにアゾビスイソブチロニトリルのようなアゾニトリル類などが挙げられる。
共役ジエン重合体環化物は、100%環化したものを除けば、少なくとも共役ジエン本来の直鎖状不飽和結合と環化した部分の環状不飽和結合との2種類の不飽和結合を有している。共役ジエン重合体環化物は、環状不飽和結合部分が酸素吸収に大きく寄与し、直鎖状不飽和結合部分はほとんど酸素吸収に寄与しないと考えられる。そのため、共役ジエン重合体中の不飽和結合に対する前記共役ジエン重合体環化物中に存在する不飽和結合の減少率(不飽和結合減少率)が30%以上の共役ジエン重合体環化物が、本発明の発光素子における酸素吸収部材の素材として必須である。共役ジエン重合体環化物の不飽和結合減少率は、好ましくは40〜75%、より好ましくは55〜70%である。不飽和結合減少率が低すぎると、酸素吸収性が劣化する傾向がある。共役ジエン重合体環化物は、不飽和結合減少率を上記好ましい範囲の上限以下とすることで、共役ジエン重合体環化物が脆くなることを防ぎ、製造を容易にすると共に、製造時にゲル化の進行を抑え、透明性が向上し多くの用途に使用できる。また、不飽和結合減少率が50%を超えると、接着性が発現するので、この性質を活用することもできる。
ここで不飽和結合減少率は、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部位において、不飽和結合が環化反応によって減少した程度を表す指標であり、以下のようにして求められる数値である。すなわち、プロトンNMR(H−NMR)分析により、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部分において、全プロトンのピーク面積に対する二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積の比率を、環化反応前後について、それぞれ求め、その減少率を計算する。
いま、共役ジエン重合体中の共役ジエン単量体単位部位において、環化反応前の全プロトンピーク面積をSBT,二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積をSBU,環化反応後の全プロトンピーク面積をSAT,二重結合に直接結合したプロトンピークのピーク面積をSAUとすると環化反応前の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SB)は、SB=SBU/SBTとして、環化反応後の二重結合に直接結合したプロトンのピーク面積比率(SA)は、SA=SAU/SATとして表される。従って、不飽和結合減少率は、
不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SB
として求められる。
本発明に用いる共役ジエン重合体環化物の酸素吸収量は、5ml/g以上、好ましくは10ml/g以上,より好ましくは50ml/g以上である。酸素吸収量とは、23℃において、共役ジエン重合体環化物を粉末または薄膜として十分に酸素を吸収させて飽和状態になったときの共役ジエン重合体環化物1gの吸収した酸素量である。酸素吸収量が少ないと、長期間安定して酸素を吸収させるためには、大量の共役ジエン重合体環化物が必要となる。酸素吸収量はおもに共役ジエン重合体環化物中の不飽和結合減少率と相関がある。
本発明においては、用いる共役ジエン重合体環化物は、表面からの酸素吸収速度が1.0ml/m・日以上、好ましくは5.0ml/m・日以上、さらに好ましくは10ml/m・日以上である。共役ジエン重合体環化物に大きな酸素吸収能力があったとしても、酸素吸収速度が遅すぎると外部から侵入してくる酸素を十分に吸収できず透過させてしまうことがある。また、発光素子の封止層として使用した際、何らかの理由で封止空間内に存在、または侵入してきた酸素は、速やかに共役ジエン重合体環化物層により吸収除去されねばならない。このような観点からも上述の酸素吸収速度を持つものが望ましい。
前記共役ジエン重合体環化物の前記接着機能樹脂中の含有量は、通常の場合、5〜90重量%であり、好ましくは15〜70重量%である。この共役ジエン重合体環化物の含有量が前記下限値を下回ると、常温(25℃)における酸素吸収力及び密着力が低下するといった不都合を生じることがあり、また前記上限値を超えると機械的強度が低下するといった不都合を生じることがある。
前記脂環式オレフィン樹脂とは、主鎖及び/または側鎖にシクロアルカン構造やシクロアルケン構造などの脂環式構造を有する非晶性の樹脂である。機械的強度や耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有する重合体が好適である。また、脂環式構造としては、単環、多環(縮合多環、橋架け環など)が挙げられる。脂環式構造の中では、シクロアルカン構造が好ましい。脂環式構造の一単位を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性、及び成形性の諸特性が高度にバランスされ好適である。前記脂環式オレフィン樹脂の具体例としては、(1)ノルボルネン重合体、(2)単環の環状オレフィンの重合体、(3)環状共役ジエンの重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体及びこれらの混合物などが挙げられる。これらの中でも、光学特性、耐熱性、及び機械的強度の観点から、ノルボルネン重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体が好ましい。また、脂環式オレフィン樹脂として極性基を有する脂環式オレフィン樹脂を用いると、光線透過率を損なうことなく無機物との親和性を向上させ得ることができる。
封止層131の形成方法は、特に限定されないが、上に述べたものなどの接着機能樹脂の層を、封止基板102及び/又は第2の透明電極112上に設け、かかる接着機能樹脂の層を介して封止基板102及び第2の透明電極112を貼付し、さらに必要に応じて加熱して溶着させることにより行なうことができる。封止層の厚さは、1〜1000μmとすることができる。
通常このような接着機能樹脂自体は空気中の水分及び酸素を遮蔽する能力は持たず、外気との遮蔽自体は基板101及び封止基板102により行うことができるが、その中に封止された封止層131の材料として酸素及び水分を吸収しうるものを用いることにより、より有効に発光層120の劣化を防止することができ、より長寿命な光源装置とすることができる。
(反射層)
本発明において、反射層は、複数の傾斜面を含む周期構造単位の繰返しからなる周期構造を有する。例として図1に示す実施態様における周期構造を図2に示す。図2に示す通り、かかる周期構造141を、反射基板140の上面に設け、さらにその上に均等な膜厚で反射層142を形成することで、傾斜面142S1及び142S2の一組で構成される周期構造単位の繰返しからなる周期構造を有する反射層を得ている(なお傾斜面142S2のような垂直な面も、本願でいう「傾斜面」の範疇から除外されるものではない。)。ここで反射基板140の材料としては、ガラス、プラスチック、金属板等を用いることができる。また反射層142の材料としては、Ag、Au、Al等の金属膜を用いることができる。このような構成とすることにより、所望の周期構造を有する反射層を容易に得ることができる。
(反射層の周期構造)
本発明において、周期構造とは、水平面内のある位置から別のある位置までの間に、構造単位が繰り返し存在していることをいい、周期構造単位とはかかる構造単位の各々をいう。本発明において、反射層における周期構造単位は、以下の所定の要件を満たす。即ち、前記発光層の主面と垂直な面であって且つ前記周期構造単位の最も高い位置を通る面(以下において、面Aという。)で前記周期構造単位を切断した、前記周期構造単位の断面(以下において断面Bという。)のうち少なくとも1つが非対称な形状である。
発光層の主面とは、発光層の表面又は裏面のことであり、通常、基板の、発光素子が設けられる面と平行な面である。図1に示す実施形態においては、基板101の出光面100A及びその裏の発光素子が設けられる面100B、発光素子120を構成する各層の主面、並びに封止基板102の表裏の主面はいずれも平行に構成されているので、発光層の主面と垂直な面は、これら全ての面と垂直な面である。
周期構造単位の最も高い位置とは、光源装置の出光面を水平に上に向けて載置した状態における最も高い位置をいい、図2の斜視図では座標軸Z方向の最も高い位置に相当し、個々が三角柱形状の周期構造単位141の稜線142Rに相当する。
図2のZ軸に平行な任意の面が面Aとなり得るので、かかる面で周期構造単位を切断した断面Bは無数に考えうるが、そのうちの少なくとも1つが非対称な形状を有することを本発明の要件とする。
具体的には例えば、図2に示す例のように周期構造単位が角柱状の形状を有し、その長手方向(図2においては座標軸Y方向)が発光層主面(図2においては座標軸X及びYと平行な面)と平行に配置される場合は、かかる角柱の長手方向に垂直な面(図2においては座標軸X及びZと平行な面)で角柱を切断した断面を断面Bとして、これが非対称な形状を有することが好ましい。
本発明において、断面Bが対称とは、発光層の主面と垂直な(図2において座標軸Z方向の)線のうちいずれかを軸とした場合対称である形状をいい、非対称とは、発光層の主面と垂直な線のうちいずれを軸としても対称でないことをいう。例えば、図11は、図2に示す周期構造単位141を、座標軸X及びZと平行な面で切断した断面図である。個々の断面141CSは、三角形の図形であり、周期構造単位の幅に相当する底辺141BSを通り且つZ軸方向に平行な線のうちいずれを軸としても対称でないため、本発明の要件を満たす。
図2及び図11に示す周期構造単位141のそれぞれは、頂角141Q1が45°であり、主面に対して45°で傾斜している傾斜面141S1及び主面に対して垂直な傾斜面141S2で構成されているが、周期構造単位断面の形状はこれに限られず、例えば図12に示すような主面に対して異なる角度で傾斜する面1141S1及び1141S2で構成される周期構造単位断面1141CS、図13に示すような丸みを帯びた周期構造単位断面1142CSのような種々の形状をとり得る。
(接着層)
接着層132を構成する材料としては、上記封止層131と同様の材料を用いることができるが、それに限らず、光学部材の接着に用いる既知の各種の接着剤を用いることができる。具体的には例えば、東亞合成社製アロンアルファ(登録商標)などを用いることができる。
接着層132を形成する方法は特に限定されず、封止基板102及び/又は反射層142の表面に接着層形成用の組成物を塗布し、封止基板102及び反射層142を、かかる組成物の塗布層を介して貼付し、さらに必要に応じて光硬化、加熱、乾燥等することにより形成することができる。接着層の厚さは1〜1000μmとすることができる。
本実施形態の有機EL光源装置において、発光層121は、第1の透明電極層111及び第2の透明電極層112に電圧が印加されることにより発光する。生じた光の一部分は第1の透明電極層111を透過し、基板101を透過して出光面100Aから出光する。生じた光のそれ以外の部分は、様々な経路をとり得るが、例えば第2の透明電極層112を透過した後、封止層131、封止基板102及び接着層132を透過して反射層142に達し、反射層142で反射されて上向きの経路を辿り、出光面100Aから出光する。さらに、反射層142と接着層132との界面以外に、基板101〜接着層132までの各層の間の界面においても反射が発生し得る。基板101〜接着層132間の界面で下向きに反射した光は、反射層142の傾斜面により進行方向の変更を受けて出光する。このように、反射層142が非平面で発光層121と反射層の距離が一定でないこと、および反射拡散される効果により、光の干渉が抑制されかつ光取り出し効率を高めることができる。
さらに、断面Bにおいて周期構造単位が非対称であることから、出光面から断面Bに平行な種々の角度で出光する光の光度分布をみた場合、正面方向以外の方向に最大の光度を有するような光度分布となる態様で出光することから、正面以外の方向から主に観察される看板、ディスプレイ装置等の面光源として、本発明の装置は有利に用いることができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の有機EL光源装置の第2実施形態の層構成を示す立面断面図である。図4において、装置400は、基板101より出光面側に、さらに拡散板460を有する点で、第1実施形態と異なっている。図4に示す例においては、基板101と拡散板460は離隔させるか若しくは基盤101上に拡散板460を載置することにより、これらの間に空気層451が存在する態様としている。そして拡散板460の出光面側には、周期構造単位461からなる周期構造を設けている。
図4に示す実施形態においては、拡散板461は、その出光面側に周期構造単位461からなる周期構造を有している。周期構造単位461は、角柱状の形状であり、その長手方向が反射層の周期構造単位141の長手方向と平行に配置され、その長手方向に垂直な面で切断した断面が頂角461Q1の三角形であり、水平面に対して角度461Q2で傾斜する傾斜面461S1及び角度461Q3で傾斜する傾斜面461S2を有している。このような周期構造を有する拡散板をさらに有することにより、光の集光度を高めることができる。
(第3実施形態)
図6は、本発明の有機EL光源装置の第3実施形態の層構成を示す立面断面図である。本実施形態は、第2実施形態のさらなる変形例である。図6において、装置600は、その出光面の周期構造単位661を、周期構造141と同様の構造とした点、及び空気層451の代わりに接着層652を設けて基板101及び拡散板660を接着した態様とした点で、第2実施形態と異なっている。この場合の接着層の材料としては、上に述べた接着層132の材料として挙げたものと同様のものを挙げることができる。このような態様で拡散板を有することによっても、光取り出し効率を高め光度分布を所望のものとすることができる。
(第4実施形態)
図7は、本発明の有機EL光源装置の第4実施形態の層構成を示す立面断面図である。本実施形態は、第2実施形態のさらなる変形例である。図7において、装置700は、その出光面の拡散板760の出光面側を平面とし、入光面側に周期構造単位761からなる周期構造を設けた点で、第2実施形態と異なっている。このように拡散板の入光面側に周期構造を設けた態様としても、光取り出し効率を高め光度分布を所望のものとすることができる。
(第5実施形態)
図8は、本発明の有機EL光源装置の第5実施形態の層構成を示す立面断面図である。本実施形態は、図6に示す第3実施形態のさらなる変形例である。図8において、装置800は、基板101の出光面側に、接着層652を介して散乱機能を有するフィルム860を設けた点で、第3実施形態と異なっている。このように、基板の出光面側に散乱機能を有するフィルムを設けた態様としても、光取り出し効率を高め光度分布を所望のものとすることができる。
かかる散乱機能を有するフィルムとしては、樹脂にフィラーとしての粒子を分散させた樹脂組成物をフィルムの形状に成形したものを用いることができる。
前記樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリスチレン、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、ポリエチレンテレフタレート、テレフタル酸−エチレングリコール−シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリカーボネート、脂環式構造を有する樹脂等を用いることができる。
フィラーの材料は特に限定されず、無機、および有機のフィラーを適宜選択して用いることができる。
無機フィラーとしては、ガラス、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、マグネシウムシリケート等からなるもの;有機フィラーとしては、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリシロキサン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、またはこれらの架橋物等からなるものが挙げられる。
フィラーの形状としては、特に限定されず、球状、楕円体状、立方体状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられるが、中でも光の拡散方向を等方的にできる点で球状、もしくは球状に近い楕円体状が好ましい。
フィラーの大きさは、好ましくは直径0.2μm〜50μm、より好ましくは0.5μm〜10μmである。尚、ここでいう直径は、完全な球状ではない場合は、同一体積の球の直径で代用される。針状のような一方向に著しく寸法の異なるフィラーの場合は、その方向に垂直な断面の断面積と同一面積の円の直径で代用する。
フィラーの屈折率は、前記樹脂の屈折率と異なることが好ましく、屈折率差が0.05以上であることがより好ましい。
フィラーは、単独の素材、大きさ、屈折率等の性質ものを用いてもよく、また、2種類以上のフィラーを混合して用いても良い。また、フィラーとして2種類以上の素材からなるものを用いてもよい。
前記樹脂及びフィラーからなる拡散層におけるフィラーの含有量は、前記樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部である。
拡散機能を有するフィルムに含まれるフィラーの平均粒径dと、フィルムの厚みlの比は、好ましくは0.05≦d/l≦0.6、特に好ましくは、0.07≦d/l≦0.3である。0.05未満であると、フィラーの粒径が小さすぎるか、層の膜厚が厚すぎるため、前者であれば必要な散乱特性が得られないおそれが、後者ではフィルムが不要な位相差を発生させるおそれがあり、0.6を超えると、フィルムと他の層との接着力が不足しフィルムが剥離するおそれがある。フィルムの厚さは0.02〜3.0mmとすることができる。
(第6実施形態)
図9は、本発明の有機EL光源装置の第6実施形態の層構成を示す立面断面図である。本実施形態は、図1に示す第1実施形態の変形例である。図9において、装置900は、第2の透明電極層112の下側に、封止層131、封止基板102及び接着層132を有する代わりに、封止接着層932を有する点で、第1実施形態と異なっている。すなわち、本実施形態においては、封止接着層932が第2の透明電極112及び反射層142の両方に直接接している。このような構成で、反射層142が、封止基板102に代わって発光素子120(第1の透明電極層111、発光層121及び第2の透明電極層112)を封止することで、より単純な層構成で劣化を防止することができ、薄型で安価で長寿命な光源装置とすることができる。
(第7実施形態)
図10は、本発明の有機EL光源装置の第7実施形態の層構成を示す立面断面図である。本実施形態は、図9に示す第6実施形態のさらなる変形例である。図10において、装置1000は、図7に示す第4実施形態におけるものと同様の、周期構造単位761を有する拡散板760を有する点で、第6実施形態と異なっている。このように拡散板をさらに有することにより、第6実施形態と同様に単純な層構成で劣化を防止することができ、薄型で安価で長寿命であって、且つ光取り出し効率を高め光度分布を所望のものとしうる光源装置を得ることができる。
また第7実施形態のさらなる変形例として、拡散板760の代わりに、図4に示す第2実施形態の拡散板460を設けたり、図6に示す第3実施形態の接着層652及び拡散板660を設けたり、図8に示す第5実施形態の接着層652及び散乱機能を有するフィルム860を設けたりすることもできる。これらの構成によっても、薄型で安価で長寿命であって、且つ光取り出し効率を高め光度分布を所望のものとしうる光源装置を得ることができる。
(用途)
本発明の有機EL光源装置の用途は、特に限定されないが、高い光取り出し効率及び配向分布の制御の自由度の高さの利点を生かし、液晶表示装置のバックライト、照明装置などの光源とすることができる。
本発明の光源装置には、上記に具体的に説明したもののみならず、本願の特許請求の範囲内及びその均等の範囲に属するものも含まれる。例えば、本発明の光源装置は第1の透明電極層、発光層、第2の透明電極層、及び反射層を必須の構成要素としているが、これらの層の間、第1の透明電極より出光面側、及び反射層より裏側(出光面と反対側)のいずれかの場所に、任意の構成要素として、上で例示した拡散板、封止層、反射基板等のほかに、さらに任意の層を有することができる。また、発光素子を封止するものとして、その上下の基板及び封止基板並びに封止層等が例示されたが、それに加えて、発光素子の辺縁部を封止する封止部材をさらに備えることができる。また、電極へ通電するための通電手段等、光源装置を構成するために必要なその他の任意の構成要素を備えることができる。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<製造例1:封止層用の接着剤の調製>
ポリイソプレン300重量部を、トルエン700重量部に完全に溶解した後、p−トルエンスルホン酸2.4重量部を投入し、環化反応を行い重合体環化物の溶液を得た。
得られた溶液中の重合体環化物100重量部に対して無水マレイン酸2.5重量部を添加し付加反応を行なった。
溶液中のトルエンの一部を留去し、酸化防止剤を添加した後、さらに真空乾燥を行って、トルエンおよび未反応の無水マレイン酸を除去して、変性共役ジエン重合体環化物系接着剤を得た。
<実施例1>
図1に示す、本発明の第1実施形態の構成を有する有機EL光源装置を製造した。
(1−1:発光素子の調製)
厚さ1.1mmのガラス製の基板101の一方の面上に、第1の透明電極111、有機発光層121及び第2の透明電極112を含む有機EL発光素子を設けた。
(1−2:発光素子を封止した積層体の調製)
厚さ0.7mmのガラス製の封止基板102の一方の面上に、製造例1で得た封止層用接着剤を塗布し、これを(1−1)で得た発光素子の第2の透明電極側の面に貼付し、素子の周辺部に電極層への通電手段を設け周辺封止部材で封止して(図1において不図示)、厚さ15μmの封止層131を形成し、これにより基板101、第1の透明電極111、有機発光層121、第2の透明電極112、封止層131及び封止基板102を有する積層体を得た。
(1−3:反射基板)
脂環式構造を有する樹脂(日本ゼオン(株)、ゼオノア)のペレットから、射出成形機を用いて、反射基板140を形成した。得られた反射基板は、厚さ0.7mmであり、その一方の面において、図2及び図11に示す通りの周期構造単位である、多数の三角柱形状が、その長手方向が水平になる方向で互いに平行に隙間なく設けられた条列からなる表面形状を有していた。個々の三角柱の幅(図11における幅141BS)は、10μmであった。
(1−4:周期構造を有する反射層)
(1−3)で得られた反射基板140の条列が形成された面上に、Alを蒸着することにより、金属反射層を形成し、反射基板140及び周期構造を有する反射層142からなる積層体を得た。
(1−5:光源装置の製造)
(1−4)で得られた積層体の反射層142側の面に、製造例1で得た封止用接着剤を塗布し、これを、(1−2)で得た積層体の封止基板102側に貼付し、厚さ15μm(周期構造体の最も高い部分から封止基板102までの距離)の接着層132を形成し、これにより基板101、第1の透明電極111、有機発光層121、第2の透明電極112、封止層131、封止基板102、接着層132、反射層142及び反射基板140を有する有機EL光源装置を得た。
(1−6:評価)
得られた有機EL光源装置を通電して発光させ、出光面100Aからの光度分布を、ELDIM社製EZ−contrastを用いて測定した。出光面110Aの法線方向を0°とし、周期構造の繰り返し方向(図2におけるX軸方向)に沿って観察方向を傾け、観察角度と光度との関係を求めた。結果を図3に示す。図3に示す通り、観察角度が+40°付近で、最も高い光度が得られた。また、この光源装置の全光束を求めたところ20%上昇した。
<実施例2>
図4に示す、本発明の第2実施形態の構成を有する有機EL光源装置を製造した。
(2−1:拡散板の調製)
脂環式構造を有する樹脂(日本ゼオン(株)、ゼオノア)のペレットから、射出成形機を用いて、拡散板460を形成した。得られた拡散板は、厚さ0.7mmであり、その一方の面において、図4に示す通りの周期構造単位である、多数の三角柱形状の線状プリズムが、その長手方向が水平になる方向で互いに平行に隙間なく設けられたプリズム条列からなる表面形状を有していた。個々の線状プリズムの幅は50μmであり、頂角461Q1は90°であり、傾斜面461S1の傾斜角461Q2は25°であり、傾斜面461S2の傾斜角461Q3は65°であった。
(2−2:光源装置の製造)
実施例1の工程(1−5)で得た有機EL光源装置の出光面上に、(2−1)で得た拡散板を、適切な支持手段を用いて空気層451を介して載置し、本実施例にかかる有機EL光源装置を得た。
(2−3:評価)
得られた有機EL光源装置を通電して発光させ、実施例1の(1−6)と同様に評価した。観察角度と光度との関係の測定結果を図5に示す。図5に示す通り、観察角度が+20°付近で、最も高い光度が得られた。
本発明の一実施形態に係る有機EL光源装置を概略的に示す立面断面図である。 図1に示す有機EL光源装置における、反射基板140及び反射層142のより具体的な形状を示す斜視図である。 図1に示す有機EL光源装置の観察角度と光度との関係を示すグラフである。 本発明の別の実施形態に係る有機EL光源装置を概略的に示す立面断面図である。 図4に示す有機EL光源装置の観察角度と光度との関係を示すグラフである。 本発明のさらに別の実施形態に係る有機EL光源装置を概略的に示す立面断面図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る有機EL光源装置を概略的に示す立面断面図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る有機EL光源装置を概略的に示す立面断面図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る有機EL光源装置を概略的に示す立面断面図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る有機EL光源装置を概略的に示す立面断面図である。 図2に示す周期構造の断面を示す部分立面断面図である。 周期構造の別の例を示す部分立面断面図である。 周期構造のさらに別の例を示す部分立面断面図である。
符号の説明
101 基板
120 発光素子
111 第1の透明電極層
112 第2の透明電極層
121 発光層
131 封止層
102 封止基板
132 接着層
140 反射基板
141 周期構造単位
142 反射層
460、660、760、860 拡散板

Claims (3)

  1. 第1の透明電極層、発光層、第2の透明電極層、及び反射層をこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、
    前記反射層が、複数の傾斜面を含む周期構造単位の繰返しからなる周期構造を有し、
    前記発光層の主面と垂直な面であって且つ前記周期構造単位の最も高い位置を通る面で前記周期構造単位を切断した、前記周期構造単位の断面のうち少なくとも1つが非対称な形状であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
  2. 前記第2の透明電極層と前記反射層との間に、さらに封止接着層を有し、前記封止接着層が前記第2の透明電極及び前記反射層の両方に直接に接することを特徴とする、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
  3. 前記周期構造単位が、角柱状の形状を有し、
    前記角柱の長手方向が前記発光層主面と平行に配置され、
    前記長手方向に垂直な面で前記角柱を切断した断面において、前記断面が非対称であることを特徴とする、請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
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