JP2009266429A - 有機エレクトロルミネッセンス光源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1の透明電極層、発光層、第2の透明電極層、及び反射層をこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、前記反射層が、複数の傾斜面を含む周期構造単位の繰返しからなる周期構造を有し、前記発光層の主面と垂直な面であって且つ前記周期構造単位の最も高い位置を通る面で前記周期構造単位を切断した、前記周期構造単位の断面のうち少なくとも1つが非対称な形状であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
【選択図】 図1
Description
したがって、本発明によれば、下記〔1〕〜〔3〕が提供される。
〔2〕 前記第2の透明電極層と前記反射層との間に、さらに封止接着層を有し、前記封止接着層が前記第2の透明電極及び前記反射層の両方に直接に接することを特徴とする、前記エレクトロルミネッセンス光源装置。
〔3〕 前記周期構造単位が、角柱状の形状を有し、前記角柱の長手方向が前記発光層主面と平行に配置され、前記長手方向に垂直な面で前記角柱を切断した断面において、前記断面が非対称であることを特徴とする、前記有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
図1は、本発明の有機EL光源装置の第1実施形態の層構成を示す立面断面図である。なお本願においては、別に断らない限り、光源装置はその発光層を水平にして装置の出光面を上に向けて載置した状態において説明する。従って、別に断らない限り、以下の記載において「水平面」は発光層の主面と平行な面であり、光源装置の上側は出光面側となり、下側は出光面と反対側となる。
図1において、装置100は、基板101と、基板101の下側に設けられた発光素子120と、その下側に設けられた封止基板102と、接着層132を介して、封止基板102の下側に接着された反射部材144とを備えている。封止層131及び封止基板102、ならびに基板101で発光素子120を封止しており、これにより、光源装置100の使用に際し発光素子120が外気の酸素、水分等と接触することにより劣化することを防止することができる。
基板101及び封止基板102を構成する材料としては、ガラス基板、石英ガラス、プラスチック基板などの、有機EL発光素子の基板として通常用いうる基板を採用することができる。基板101を構成する材料は、封止基板102を構成する材料と同一でもよく異なっていてもよい。基板及び封止基板の厚さは、いずれも0.01〜5mmとすることができる。
発光素子120を構成する発光層121としては、特に限定されず既知のものを適宜選択することができるが、光源としての用途に適合すべく、一種の層単独又は複数種類の層の組み合わせにより、後述する所定のピーク波長を含む光を発光するものとすることができる。
発光素子120を構成する第1の透明電極層111及び第2の透明電極層112は、それぞれ、発光層121の出光面側及び反射層側に位置する。これらを構成する材料は、特に限定されず有機EL発光素子の電極として用いられる既知の材料を適宜選択することができ、どちらか一方を陽極とし、他方を陰極とすることができる。第1の透明電極111と第2の透明電極112としては、それぞれITO、IZO、SnO2などを挙げることができる。
また、電極間には、発光層に加えてホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層、電子注入層及びガスバリア層等の他の層をさらに有することもできる。
封止層131を構成する材料としては、第2の透明電極層112及び封止基板102を接着する機能を有し、且つ装置の使用時において発光素子120を空気中の水分及び酸素等による劣化を防ぎうる各種の樹脂を用いることができる。
不飽和結合減少率(%)=100×(SB−SA)/SB
として求められる。
本発明において、反射層は、複数の傾斜面を含む周期構造単位の繰返しからなる周期構造を有する。例として図1に示す実施態様における周期構造を図2に示す。図2に示す通り、かかる周期構造141を、反射基板140の上面に設け、さらにその上に均等な膜厚で反射層142を形成することで、傾斜面142S1及び142S2の一組で構成される周期構造単位の繰返しからなる周期構造を有する反射層を得ている(なお傾斜面142S2のような垂直な面も、本願でいう「傾斜面」の範疇から除外されるものではない。)。ここで反射基板140の材料としては、ガラス、プラスチック、金属板等を用いることができる。また反射層142の材料としては、Ag、Au、Al等の金属膜を用いることができる。このような構成とすることにより、所望の周期構造を有する反射層を容易に得ることができる。
本発明において、周期構造とは、水平面内のある位置から別のある位置までの間に、構造単位が繰り返し存在していることをいい、周期構造単位とはかかる構造単位の各々をいう。本発明において、反射層における周期構造単位は、以下の所定の要件を満たす。即ち、前記発光層の主面と垂直な面であって且つ前記周期構造単位の最も高い位置を通る面(以下において、面Aという。)で前記周期構造単位を切断した、前記周期構造単位の断面(以下において断面Bという。)のうち少なくとも1つが非対称な形状である。
図2のZ軸に平行な任意の面が面Aとなり得るので、かかる面で周期構造単位を切断した断面Bは無数に考えうるが、そのうちの少なくとも1つが非対称な形状を有することを本発明の要件とする。
接着層132を構成する材料としては、上記封止層131と同様の材料を用いることができるが、それに限らず、光学部材の接着に用いる既知の各種の接着剤を用いることができる。具体的には例えば、東亞合成社製アロンアルファ(登録商標)などを用いることができる。
図4は、本発明の有機EL光源装置の第2実施形態の層構成を示す立面断面図である。図4において、装置400は、基板101より出光面側に、さらに拡散板460を有する点で、第1実施形態と異なっている。図4に示す例においては、基板101と拡散板460は離隔させるか若しくは基盤101上に拡散板460を載置することにより、これらの間に空気層451が存在する態様としている。そして拡散板460の出光面側には、周期構造単位461からなる周期構造を設けている。
図6は、本発明の有機EL光源装置の第3実施形態の層構成を示す立面断面図である。本実施形態は、第2実施形態のさらなる変形例である。図6において、装置600は、その出光面の周期構造単位661を、周期構造141と同様の構造とした点、及び空気層451の代わりに接着層652を設けて基板101及び拡散板660を接着した態様とした点で、第2実施形態と異なっている。この場合の接着層の材料としては、上に述べた接着層132の材料として挙げたものと同様のものを挙げることができる。このような態様で拡散板を有することによっても、光取り出し効率を高め光度分布を所望のものとすることができる。
図7は、本発明の有機EL光源装置の第4実施形態の層構成を示す立面断面図である。本実施形態は、第2実施形態のさらなる変形例である。図7において、装置700は、その出光面の拡散板760の出光面側を平面とし、入光面側に周期構造単位761からなる周期構造を設けた点で、第2実施形態と異なっている。このように拡散板の入光面側に周期構造を設けた態様としても、光取り出し効率を高め光度分布を所望のものとすることができる。
図8は、本発明の有機EL光源装置の第5実施形態の層構成を示す立面断面図である。本実施形態は、図6に示す第3実施形態のさらなる変形例である。図8において、装置800は、基板101の出光面側に、接着層652を介して散乱機能を有するフィルム860を設けた点で、第3実施形態と異なっている。このように、基板の出光面側に散乱機能を有するフィルムを設けた態様としても、光取り出し効率を高め光度分布を所望のものとすることができる。
無機フィラーとしては、ガラス、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、マグネシウムシリケート等からなるもの;有機フィラーとしては、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリシロキサン樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、またはこれらの架橋物等からなるものが挙げられる。
図9は、本発明の有機EL光源装置の第6実施形態の層構成を示す立面断面図である。本実施形態は、図1に示す第1実施形態の変形例である。図9において、装置900は、第2の透明電極層112の下側に、封止層131、封止基板102及び接着層132を有する代わりに、封止接着層932を有する点で、第1実施形態と異なっている。すなわち、本実施形態においては、封止接着層932が第2の透明電極112及び反射層142の両方に直接接している。このような構成で、反射層142が、封止基板102に代わって発光素子120(第1の透明電極層111、発光層121及び第2の透明電極層112)を封止することで、より単純な層構成で劣化を防止することができ、薄型で安価で長寿命な光源装置とすることができる。
図10は、本発明の有機EL光源装置の第7実施形態の層構成を示す立面断面図である。本実施形態は、図9に示す第6実施形態のさらなる変形例である。図10において、装置1000は、図7に示す第4実施形態におけるものと同様の、周期構造単位761を有する拡散板760を有する点で、第6実施形態と異なっている。このように拡散板をさらに有することにより、第6実施形態と同様に単純な層構成で劣化を防止することができ、薄型で安価で長寿命であって、且つ光取り出し効率を高め光度分布を所望のものとしうる光源装置を得ることができる。
本発明の有機EL光源装置の用途は、特に限定されないが、高い光取り出し効率及び配向分布の制御の自由度の高さの利点を生かし、液晶表示装置のバックライト、照明装置などの光源とすることができる。
ポリイソプレン300重量部を、トルエン700重量部に完全に溶解した後、p−トルエンスルホン酸2.4重量部を投入し、環化反応を行い重合体環化物の溶液を得た。
得られた溶液中の重合体環化物100重量部に対して無水マレイン酸2.5重量部を添加し付加反応を行なった。
溶液中のトルエンの一部を留去し、酸化防止剤を添加した後、さらに真空乾燥を行って、トルエンおよび未反応の無水マレイン酸を除去して、変性共役ジエン重合体環化物系接着剤を得た。
図1に示す、本発明の第1実施形態の構成を有する有機EL光源装置を製造した。
厚さ1.1mmのガラス製の基板101の一方の面上に、第1の透明電極111、有機発光層121及び第2の透明電極112を含む有機EL発光素子を設けた。
厚さ0.7mmのガラス製の封止基板102の一方の面上に、製造例1で得た封止層用接着剤を塗布し、これを(1−1)で得た発光素子の第2の透明電極側の面に貼付し、素子の周辺部に電極層への通電手段を設け周辺封止部材で封止して(図1において不図示)、厚さ15μmの封止層131を形成し、これにより基板101、第1の透明電極111、有機発光層121、第2の透明電極112、封止層131及び封止基板102を有する積層体を得た。
脂環式構造を有する樹脂(日本ゼオン(株)、ゼオノア)のペレットから、射出成形機を用いて、反射基板140を形成した。得られた反射基板は、厚さ0.7mmであり、その一方の面において、図2及び図11に示す通りの周期構造単位である、多数の三角柱形状が、その長手方向が水平になる方向で互いに平行に隙間なく設けられた条列からなる表面形状を有していた。個々の三角柱の幅(図11における幅141BS)は、10μmであった。
(1−3)で得られた反射基板140の条列が形成された面上に、Alを蒸着することにより、金属反射層を形成し、反射基板140及び周期構造を有する反射層142からなる積層体を得た。
(1−4)で得られた積層体の反射層142側の面に、製造例1で得た封止用接着剤を塗布し、これを、(1−2)で得た積層体の封止基板102側に貼付し、厚さ15μm(周期構造体の最も高い部分から封止基板102までの距離)の接着層132を形成し、これにより基板101、第1の透明電極111、有機発光層121、第2の透明電極112、封止層131、封止基板102、接着層132、反射層142及び反射基板140を有する有機EL光源装置を得た。
得られた有機EL光源装置を通電して発光させ、出光面100Aからの光度分布を、ELDIM社製EZ−contrastを用いて測定した。出光面110Aの法線方向を0°とし、周期構造の繰り返し方向(図2におけるX軸方向)に沿って観察方向を傾け、観察角度と光度との関係を求めた。結果を図3に示す。図3に示す通り、観察角度が+40°付近で、最も高い光度が得られた。また、この光源装置の全光束を求めたところ20%上昇した。
図4に示す、本発明の第2実施形態の構成を有する有機EL光源装置を製造した。
脂環式構造を有する樹脂(日本ゼオン(株)、ゼオノア)のペレットから、射出成形機を用いて、拡散板460を形成した。得られた拡散板は、厚さ0.7mmであり、その一方の面において、図4に示す通りの周期構造単位である、多数の三角柱形状の線状プリズムが、その長手方向が水平になる方向で互いに平行に隙間なく設けられたプリズム条列からなる表面形状を有していた。個々の線状プリズムの幅は50μmであり、頂角461Q1は90°であり、傾斜面461S1の傾斜角461Q2は25°であり、傾斜面461S2の傾斜角461Q3は65°であった。
実施例1の工程(1−5)で得た有機EL光源装置の出光面上に、(2−1)で得た拡散板を、適切な支持手段を用いて空気層451を介して載置し、本実施例にかかる有機EL光源装置を得た。
得られた有機EL光源装置を通電して発光させ、実施例1の(1−6)と同様に評価した。観察角度と光度との関係の測定結果を図5に示す。図5に示す通り、観察角度が+20°付近で、最も高い光度が得られた。
120 発光素子
111 第1の透明電極層
112 第2の透明電極層
121 発光層
131 封止層
102 封止基板
132 接着層
140 反射基板
141 周期構造単位
142 反射層
460、660、760、860 拡散板
Claims (3)
- 第1の透明電極層、発光層、第2の透明電極層、及び反射層をこの順に有する有機エレクトロルミネッセンス光源装置であって、
前記反射層が、複数の傾斜面を含む周期構造単位の繰返しからなる周期構造を有し、
前記発光層の主面と垂直な面であって且つ前記周期構造単位の最も高い位置を通る面で前記周期構造単位を切断した、前記周期構造単位の断面のうち少なくとも1つが非対称な形状であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス光源装置。 - 前記第2の透明電極層と前記反射層との間に、さらに封止接着層を有し、前記封止接着層が前記第2の透明電極及び前記反射層の両方に直接に接することを特徴とする、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
- 前記周期構造単位が、角柱状の形状を有し、
前記角柱の長手方向が前記発光層主面と平行に配置され、
前記長手方向に垂直な面で前記角柱を切断した断面において、前記断面が非対称であることを特徴とする、請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス光源装置。
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