JP2003157976A - 発光素子及び発光素子アレイ - Google Patents

発光素子及び発光素子アレイ

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JP2003157976A
JP2003157976A JP2001355469A JP2001355469A JP2003157976A JP 2003157976 A JP2003157976 A JP 2003157976A JP 2001355469 A JP2001355469 A JP 2001355469A JP 2001355469 A JP2001355469 A JP 2001355469A JP 2003157976 A JP2003157976 A JP 2003157976A
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Nobuyuki Ishikawa
信行 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低消費電力でありながら高輝度な発光素子を
安価に提供すること、さらにはそれを用いた発光素子ア
レイを提供すること。 【解決手段】 有機エレクトロルミネッセンス素子の光
出射面側を覆うように透光層と反射層とを形成し、透光
層の端面のうちの一部に積層構造体の発光面積よりも小
さい面積の光透過部である光取り出し部を設け、透光層
及び/又は反射層に積層構造体より発せられた光を光取
り出し部の方向に誘導する回折格子を形成しておく。こ
の構成により、発光層から発せられた光を積層構造体外
部に取り出した後に、積層構造体の面方向に平行な方向
に誘導して光取り出し部から出射させ、高輝度な微小ス
ポットを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発光素子に関し、さ
らに詳しくは電子写真方式プリンター等に用いる光源に
適する発光素子の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、微小な発光素子を複数並べた発光
素子アレイを用い、発光素子の発する光をポリゴンミラ
ー等を介さず直接感光ドラム上に照射し静電潜像を形成
する型の電子写真方式プリンターが、小型化、高速化が
容易であるなどから開発が活発に進められている。この
ような電子写真方式プリンターに用いる発光素子は、静
電潜像を感光ドラム上に高速に形成するために高輝度で
あることや、微細パターンを形成するために微小照射ス
ポット形成が可能であること等が要求される。
【0003】例えば従来広く用いられてきた無機材料を
用いたエレクトロルミネッセンス(EL)素子の高輝度
化については、EL素子内の活性化層を誘電体層で囲ん
で樹脂層を形成したり、特許第2659595号公報に
示されるように光導波路内に回折格子を形成したりする
方法が提案されている。
【0004】また発光材料に有機材料を用いた有機EL
素子では、特開平9−226171号公報において、薄
膜にて形成された発光層より横方向に光を取り出し(端
面発光型有機EL素子)、集束性ロッドレンズアレイに
より集光させる技術が提案されている。この他、セルホ
ックレンズ等のマイクロレンズにより集光するものなど
も存在する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】無機EL素子は、有機
EL素子に比べて消費電力が大きく、また材料が高価で
低価格化が難しい。また、発光素子アレイとした際に均
一な品質を得るためのプロセス制御も難しい。
【0006】一方、有機EL素子は消費電力が小さく、
材料も安価で製造プロセスも容易であるが、上記のよう
にロッドレンズやセルホックレンズによって集光して高
輝度を得る方法では、構造が複雑でコストが高くなる、
小型軽量化が困難であるといった課題が生じてしまう。
【0007】また、端面発光型有機EL素子は薄膜によ
り形成された断面積しか発光せず、外部発光効率が悪
い。
【0008】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、低消費電力でありながら高輝度な発光素子を安価に
提供すること、さらにはそれを用いた発光素子アレイを
提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の第1の発明は、対向する一対の電極間に有機発光材料
からなる発光層を含む有機層を少なくとも積層した積層
構造体を基板上に有する有機エレクトロルミネッセンス
素子の光出射面側を覆うように透光層と反射層とが少な
くとも積層され、前記透光層の端面のうちの一部に前記
積層構造体の発光面積よりも小さい面積の光透過部であ
る光取り出し部を有し、前記透光層及び/又は前記反射
層に前記積層構造体より発せられた光を前記光取り出し
部の方向に誘導する回折格子が形成されていることを特
徴とする発光素子である。
【0010】本発明は、上記第1の発明において、「前
記回折格子は、前記透光層と前記反射層との境界部分の
反射面に形成された反射型回折格子であること」、「前
記透光層と前記反射層との境界部分の反射面が、前記光
取り出し部の方向に向けられ前記有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の基板面に対して傾斜していること」、
「前記透光層は、特定の波長の光を選択的に吸収する材
料を含むこと」、「前記透光層の端面のうち前記光取り
出し部以外の面は光を反射する物質で覆われているこ
と」、をその好ましい態様として含むものである。
【0011】また本発明は、第2の発明として、上記第
1の発明の発光素子を複数備えたことを特徴とする発光
素子アレイをも含むものである。
【0012】また本発明は、上記第1の発明の発光素子
の製造方法であって、前記透光層の形成工程において、
前記基板上に透明樹脂材料層を設け、該透明樹脂材料層
の表面に回折格子のレプリカ型を押しつけることにより
前記回折格子を形成することを特徴とする発光素子の製
造方法をも含むものである。
【0013】また本発明は、上記第2の発明の発光素子
アレイの製造方法であって、前記透光層の形成工程にお
いて、前記基板上に透明樹脂材料層を設け、該透明樹脂
材料層の表面に回折格子のレプリカ型を押しつけること
により前記回折格子を形成することを特徴とする発光素
子の製造方法をも含むものである。
【0014】また本発明は、上記第1の発明の発光素子
の製造方法であって、同一基板上に前記発光素子の2つ
分の構造を前記光取り出し部が内側に向く形で少なくと
も1組形成し、夫々の組の発光素子対の境界部分を切断
し、同時に少なくとも2つの発光素子を作製することを
特徴とする発光素子の製造方法をも含むものである。
【0015】また本発明は、上記第2の発明の発光素子
アレイの製造方法であって、同一基板上に前記発光素子
を複数並べた発光素子アレイの2つ分の構造を前記光取
り出し部が内側に向く形で少なくとも1組形成し、夫々
の組の発光素子アレイ対の境界部分を切断し、同時に少
なくとも2つの発光素子アレイを作製することを特徴と
する発光素子アレイの製造方法をも含むものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を参照して説明する。
【0017】先ず、図1に示した本発明の発光素子の一
実施形態の断面模式図を用いて具体例を示しながら本発
明の特徴部分を説明する。
【0018】図1において、1は基板、2は透明電極、
3は正孔輸送層、4は電子輸送層を兼ねる発光層、5は
金属電極、6は吸湿剤、7は封止体、8は光取り出し
部、9、9’は側壁、10は透光層、11は反射層であ
る。
【0019】本形態では基板1が透明基板であり、この
基板1の側が有機EL素子の光出射面側で、この光出射
面側を覆うように透光層10と反射層11とが積層され
ている。
【0020】光取り出し部8は、透光層10の端面のう
ちの一部であって、本形態のようにこの部分の外側に側
壁9’を設ける場合には、側壁9’は透明である必要が
ある。光取り出し部8は前記の積層構造体の発光部分の
面積よりも小さい面積の光透過部となっている。積層構
造体の発光面積の光取り出し部8の面積に対する比率に
ほぼ直線的に比例して発光輝度を向上させることができ
る。
【0021】そして、透光層10の反射層11側及び反
射層11の凹凸は本発明の回折格子を表している。この
回折格子の各格子は、光取り出し部8の面に平行に設け
られていて、且つ各格子に対応する平面部が光取り出し
部8の方向に向けて傾斜しており、積層構造体より発せ
られた光を光取り出し部8の方向に誘導するようになっ
ている。
【0022】有機発光材料からなる発光層4を含む積層
構造体において面で発光した光は、回折格子によって光
取り出し部8の方向に誘導され、基板1と透光層10と
の境界面や反射面で反射しながら光取り出し部8に向か
う。回折格子が光を誘導するとしたのは、回折光の全て
が光取り出し部8に直接導かれるわけではなく、基板1
と透光層10や透明電極2との境界において反射しなが
ら光取り出し部8に向かうように光の進む方向を変える
という役割を持つためである。すなわち、光の大部分は
回折格子が無いときよりも少ない反射回数で光取り出し
部8から放射される。このため、反射損失を極力少なく
し、且つ積層構造体において比較的広い面積で発光した
光束を積層構造体の発光面積よりも小さい面積の光透過
部である光取り出し部8に誘導することにより細い光束
とすることができ、これにより外部に放射する光の輝度
を高くすることができる。
【0023】このようにして、消費電力が小さく、高輝
度な微小スポット発光が得られ、製造コストも安いとい
う優れた発光素子が得られる。
【0024】積層構造体を構成する対向する一対の電極
には、両極とも透明の電極を用いることもできるが、片
面を金属電極にし、反射性を持たせる事により、外部発
光効率を上げることができる。図1の形態のように、基
板上に透明電極、有機層、金属電極の順に各層を積層し
たような場合には、基板は透明基板とし、該透明基板側
が光出射面側となる。また、基板上に金属電極、有機
層、透明電極の順に各層を積層したような場合には、基
板は透明でなくても良く、透明電極側が光出射面側とな
る。例えば、図1〜3及び図5に示すように、陽極の透
明電極をガラス基板に形成した場合、透光層等はガラス
基板の側に形成する。また図4に示すように陰極の金属
電極をガラス基板上に形成した場合には、積層構造体の
上に透光層等を形成する。なお、図1以外の図におい
て、図1と同じ符号は同じ部材を指している。図3にお
いて、12は光吸収剤層である。また、図5において1
3は遮光壁である。
【0025】回折格子は、上記のように反射面に反射型
回折格子として形成しても良いし、透光層の有機EL素
子の側や、透光層内等に屈折率の異なる筋を設けること
で透過型回折格子として形成しても良い。しかしなが
ら、後述のような簡易な方法で形成できるため、反射面
に反射型回折格子として形成することが好ましい。
【0026】また、図2に示すように、反射面全体が光
取り出し部の方向に向けられ有機EL素子の基板面に対
して傾斜していることが好ましい。これにより、光をよ
り効率的に光取り出し部に誘導することができ、発光輝
度(効率)を向上させることができる。
【0027】さらには、図3に示すように透光層に特定
の波長の光を吸収する材料を用いるまたは添加すること
により、極力必要な波長の光のみを取り出すことも可能
となる。図3において、12は透光層として形成した光
吸収剤層である。この光吸収剤とは、特定の波長の光を
吸収する材料を意味するものである。これにより、例え
ば電子写真方式プリンターの光源として使用した場合
に、感光ドラムの感光特性に合わせて特定波長を吸収さ
せることで、感光ドラムの感光効率が向上し、文字等の
エッジのにじみが減少する。
【0028】また、透光層の端面のうち光取り出し部以
外の面は光を反射することが好ましい。これにより、よ
り多くの光を光取り出し部に導いて出射させることがで
き、輝度を増すことができる。
【0029】図5は、本発明の発光素子アレイの一実施
形態を示す模式図である。(a)は平面透視図である。
(b)はA−A’断面図である。なお、図5(a)の平
面透視図においては、吸湿剤、封止体、回折格子の図示
は省略している。
【0030】発光素子アレイにおいては、図5に示すよ
うに隣の発光素子からの光を遮断する遮光壁13を形成
するのが好ましい。この遮光壁13は、カラーフィルタ
ー等に用いる樹脂ブラックマトリクス等を好適に用いる
ことができる。ただし、これに限定されるものではな
い。このような遮光壁を設けておけば、隣接素子の漏れ
光によるクロストークを防止し、プリンター性能が向上
する。
【0031】次に、本発明の発光素子の製造方法の実施
形態を説明する。
【0032】図6は本発明の発光素子の製造方法の一実
施形態を示す工程図である。図6において、図1と同じ
符号は同じ部材を表し、40はディスペンサー、41は
レプリカ型である。
【0033】図6に示すように、(a)有機EL素子を
形成した基板1に、(b)側壁9と9’を、基板1上の
積層構造体が積層された領域の裏面部分を囲むように形
成する。ただし、側壁9’は透明とする。(c)側壁に
より囲まれた領域に透明樹脂材料をディスペンサー40
で充填する。(d)電鋳または切削で作ったレプリカ型
41を、充填した透明樹脂材料に押し付け、該樹脂を硬
化させる。(e)型を樹脂より剥がす。これにより回折
格子が透明樹脂材料層に転写される。(f)回折格子の
型が形成された透明樹脂材料層の上に金属等を蒸着、ス
パッタ等の真空プロセスにより成膜し、反射層11を形
成する。材質はアルミ、クロム等が好適に使用できる。
【0034】同様な方法で、発光素子アレイを製造する
こともできる。
【0035】このように、透明樹脂材料層にレプリカ型
を用いて回折格子を形成することで、容易かつ安価に、
所望の形状の反射型回折格子を形成することができる。
【0036】図7は本発明の発光素子の製造方法の他の
実施形態を示す工程図である。図7において、図6と同
じ符号は同じ部材を示し、42は切断手段を示してい
る。
【0037】図7においては、図6等のように基板を挟
んで積層構造体の反対側に透光層等を設けるのではな
く、積層構造体の側に透光層等を設ける場合の製造方法
を示している。
【0038】図7に示すように、(a)基板1上に発光
素子2つ分の積層構造体を積層する。(b)側壁9を、
基板1上の積層構造体が積層された領域を囲むように形
成する。(c)側壁9により囲まれた領域に透明樹脂材
料をディスペンサー40で充填する。(d)電鋳または
切削で作ったレプリカ型41を、充填した透明樹脂材料
に押し付け、該樹脂を硬化させる。(e)型を樹脂より
剥がす。これにより回折格子が透明樹脂材料層に転写さ
れる。(f)回折格子の型が形成された透明樹脂材料層
の上に金属等を蒸着、スパッタ等の真空プロセスにより
成膜し、反射層11を形成する。材質はアルミ、クロム
等が好適に使用できる。
【0039】こうして、同一基板上に光取り出し部が内
側に向く形で少なくとも1組の発光素子の構造を形成し
た後、(g)対向する素子の中央より切断手段42によ
り切断し、1対の発光素子を同時に製造する。切断手段
42は、樹脂とガラス基板にスクラブ法により傷をつ
け、傷部分を割る手段や、レーザーを用いた切断手段等
があげられる。
【0040】同様な方法で、発光素子アレイを製造する
こともできる。
【0041】この製造方法によれば、2つの発光素子又
は2つの発光素子アレイを同時に製造することができ、
製造コスト削減が可能となるだけでなく、光取り出し部
8の外側の透明な側壁9’が不要となり、側壁9’を設
ける工程を省略でき、また側壁9’の材料を節約できる
ことにもなる。
【0042】次に、本発明において使用可能な材料、プ
ロセスなどの条件を列挙しておく。
【0043】モノマー有機EL材料としては、分子量5
000以下のものが好ましく、発光材料、正孔注入材
料、電子注入材料、正孔輸送材料、電子輸送材料より選
ばれる少なくとも1種を用いることができ、正孔注入材
料又は正孔輸送材料に発光材料をドーピングする、また
は電子注入材料又は電子輸送材料に発光材料をドーピン
グすることにより発光波長の選択の幅を広げることがで
き、発光効率も向上することが出来る。また、発光層を
発光効率のよいアモルファス膜とするために、融点mp
とガラス転移点Tgとの差が50℃以上であるものが好
ましい。
【0044】各色の有機発光材料は、トリアリールアミ
ン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリーレン、芳香族
縮合多環化合物、芳香族複素環化合物、芳香族複素縮合
環化合物、金属錯体化合物等及びこれらの単独オリゴ体
あるいは複合オリゴ体が使用できるが、これに限られる
物ではない。
【0045】また、正孔注入及び輸送材料としては、可
溶性のフタロシアニン化合物、トリアリールアミン化合
物、導電性高分子、ペリレン系化合物、Eu錯体等が使
用できるが、これに限られるものではない。
【0046】また、電子注入及び輸送材料としては、ア
ルミに8−ヒドロキシキノリンの3量体が配位したAl
3、アゾメチン亜鉛錯体、ジスチリルビフェニル誘導
体系等が使用できるが、これに限られるものではない。
【0047】ウエットプロセス法により発光層を形成す
るに際しては、モノマー有機EL材料を常温で水分溶解
度が低い疎水系有機溶媒に希釈または溶解させて用い
る。溶媒としては、クロロホルム、トルエン、四塩化炭
素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、キシレン、
シメン、シクロヘキサノン、オクチルベンゼン、ドデシ
ルベンゼン、デカリン、キノリン、クロロベンゼン、ジ
クロロベンゼン、トリクロロベンゼン、チモール、ニト
ロベンズアルデヒド、ニトロベンゼン、二硫化炭素、2
ヘプタノン、ベンゼン、ターピネオール、ブチルカルビ
トールアセテート、セルソルブ類等の単一もしくは混合
溶媒が使用できるが、これに限られるものではない。
【0048】また、発光層、電子注入及び輸送層、正孔
注入及び輸送層いずれの層においても適当な結着樹脂中
に各機能物質を分散して使用することも可能である。
【0049】発光層は、発光効率の観点からアモルファ
ス膜であることが好ましい。また、発光層は、正孔輸送
等の各単機能を持つ層であってもよいし、複合機能を持
つ層であってもよい。更に、正孔輸送等の機能を持つ層
を別に形成してもよく、この際、この層もウエットプロ
セス法で形成し、発光層を積層構造とすることにより、
発光効率を向上し、製造プロセスを簡略化できる。
【0050】発光層の膜厚は0.005〜0.1μm程
度必要であり、好ましくは0.01〜0.05μm程度
である。
【0051】陽極には透明電極としてITOを用いるの
が好ましい。ガラス基板に直接電極を形成する場合は、
このITOパターンはスパッタ、蒸着等で成膜し、レジ
スト塗布後に配線パターンを露光現像し、レジストのな
い部分のITOを酸によりエッチングし、最後にレジス
トを剥離して形成する。またはガラス基板にレジストで
パターニングした後ITOを成膜し、レジストを剥離す
るときにITOも同時に剥離するリフトオフ法により形
成する。有機EL層を形成した後、ITOパターンを形
成する場合はメカマスクを用いる。
【0052】陰極は金属電極としてアルミを用いるのが
好ましい。パターン形成方法は透明電極と同じで、ガラ
ス基板に直接の場合はフォトリソエッチング法やリフト
オフ法を用い、有機EL層を形成した後はメカマスクを
用いる。
【0053】本発明のウェットプロセス方法としては、
例えば、高精度高精細のパターニングが低コストで安定
的に形成できるオフセット印刷方法、低粘度インクのパ
ターニングに適しているインクジェット印刷方法等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0054】オフセット印刷機は、枚葉の校正印刷機を
基本とするが、紙に印刷する一般的な水無し平版印刷機
や凹版印刷機よりも印刷位置精度や印刷条件の設定が精
度良くできるように改良したものが良い。
【0055】透光層に用いる樹脂層形成樹脂は紫外線硬
化型樹脂、熱硬化型または常温硬化型のエポキシ、シリ
コーン、ポリエステル、ウレタン等や、紫外線以外の活
性エネルギー線、たとえば、赤外線、可視光線、電子
線、X線等により硬化する樹脂を用いることができる。
樹脂材料としてはウレタンアクリレート、エポキシアク
リレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルア
クリレート等のアクリルや、エポキシ、シリコーン、ポ
リエステル、ウレタンなどに効果開始剤を混合した単一
組成物あるいは複数のモノマーをブレンドした混合組成
物等が使用できる。
【0056】
【実施例】(実施例1)本実施例は、図1に示したよう
な有機EL素子の光出射面側に透光層として樹脂層を形
成し、光を発光面と平行な方向に集光する型の発光素子
を作製した例である。
【0057】まずガラス基板1上に陽極である透明電極
2を形成した。
【0058】次に、正孔注入材料としてトリフェニルア
ミン6量体(TPA−6:分子量1461、融点277
℃、Tg156℃)をトルエンに溶解し0.5%溶液を
作成し、スピンコート法によりコーティングした。その
後、加熱乾燥することによって、厚さ0.05μmの正
孔輸送層3を形成した。
【0059】次に、シャドウマスクを用いた真空蒸着法
によりAlq3とクマリンを共蒸着させ、Alq3にクマ
リンを0.5wt%ドープした電子輸送層を兼ねた発光
層4を形成した。
【0060】最後に、厚さ0.1〜0.2μmのMgA
g金属電極5を蒸着法により形成した。これにより、有
機EL素子部分が完成した。
【0061】次に、酸化カルシウムの吸湿剤6を内側に
形成したSUS製封止体7をUV硬化型エポキシ接着剤
(長瀬産業のXNR5516HP)にてガラス基板1に
接着した。
【0062】さらにこの有機EL素子の光出射面側のガ
ラス基板1上に、図6に示すような工程にて透光層10
と反射層11を形成した。
【0063】(b)ガラス基板1上の透光層の光取り出
し部に対応する部分にはガラス製のスペーサーを立て光
取り出し口となるように透明な側壁9’を設け、該側壁
9’とあわせて基板1上の積層構造体が積層された領域
の裏面部分を囲むようにガラス製のスペーサーを立てて
側壁9を形成した。
【0064】(c)側壁に囲まれた部分にディスペンサ
ーを用いてレプリカ樹脂(ウレタンアクリレート系紫外
線硬化型樹脂)を充填した。
【0065】(d)電鋳で作成したレプリカ型41を樹
脂に押し付けた状態で、樹脂を熱硬化させた。
【0066】(e)レプリカ樹脂の硬化後、レプリカ型
を剥がし、表面に回折格子の型を持つ透光層を形成し
た。
【0067】(f)回折格子面にアルミをスパッタ法で
成膜し、反射層11を形成した。
【0068】なお、本例においては発光層の面積を50
μ×150μの長方形とし、光取り出し部の面積を50
μ×50μの正方形として、光取り出し部の面積が積層
構造体の発光面積よりも小さくなるように形成した。
【0069】本例により、本発明の発光素子が完成し
た。
【0070】(実施例2)本実施例は、図2に示したよ
うな有機EL素子の光出射面側に透光層として樹脂層を
形成し、光を発光面と平行な方向に集光する型の発光素
子を作製した例である。
【0071】本例の発光素子は、実施例1と同様に図6
に示した製法で作成した。ただし、図6の(b)におい
て、ガラス基板1上の透光層の光取り出し部に対応する
部分の側壁9’のガラス製スペーサーの高さを、対向面
の側壁9の高さより高くした点と、(d)における、電
鋳で作成したレプリカ型は透光層の傾斜に合わせた形状
とした点とで実施例1と異なる。
【0072】本例により、反射面が光取り出し部の方向
に向けられ有機EL素子の基板面に対して傾斜している
型の本発明の発光素子が完成した。
【0073】(実施例3)本実施例は、図3に示したよ
うな有機EL素子の光出射面側に透光層として樹脂層を
形成し、光を発光面と平行な方向に集光する型の発光素
子を作製した例である。
【0074】本例の発光素子は、実施例1と同様に図6
に示した製法で作成した。ただし、図6の(c)におい
て、ディスペンサーで吐出するレプリカ樹脂を青色及び
緑色の波長を吸収する光吸収剤のアクリル系紫外線硬化
型樹脂(富士フィルムオーリン社製カラーモザイクCR
Y)とした点で実施例1と異なる。
【0075】本例により、赤色光の波長を選択的に取り
出すことができる本発明の発光素子が完成した。
【0076】(実施例4)本実施例は、図4に示したよ
うな有機EL素子の光出射面側に透光層として樹脂層を
形成し、光を発光面と平行な方向に集光する型の発光素
子を作製した例である。
【0077】本例の発光素子は、実施例1と同様に図6
に示した製法で作成した。ただし、金属電極5を基板上
に形成してから有機層と透明電極2を積層し、図6にお
いて示したような有機EL素子の積層構造体を封止する
封止体及び吸湿材は設けずに、基板1の積層構造体の側
に側壁を形成し、該側壁で囲まれた積層構造体を含む領
域に樹脂を充填し、透光層10により積層構造体を封止
するような構造を持つ図4の形態の発光素子を作製し
た。
【0078】(実施例5)本実施例は、図5に示したよ
うな有機EL素子の光出射面側に透光層として樹脂層を
形成し、光を発光面と平行な方向に集光する型の発光素
子アレイを作製した例である。
【0079】本例の発光素子アレイは、実施例1と同様
に図6に示した製法で作成した。
【0080】ただし、図6の(b)における側壁9を、
光を透さない遮光壁13として形成した。遮光壁の材料
としてはアクリル系紫外線硬化型樹脂(新日鐵化学社製
V−259−BK−739P)とし、マスク露光現像に
より形成した。
【0081】本例により、夫々の積層構造体が遮光壁1
3によって隔てられ、隣接素子の漏れ光によるクロスト
ークを防止することができる型の本発明の発光素子アレ
イが完成した。
【0082】(実施例6)本実施例は、図7に示したよ
うに同一基板上に発光素子の2つ分の構造を光取り出し
部が内側に向く形で1組形成し、夫々の組の発光素子対
の境界部分を切断し、同時に2つの発光素子を作製した
例である。
【0083】図7(g)における切断手段42として、
CO2レーザーを用いた。
【0084】本例により、本発明の発光素子を2個同時
に作製することができた。
【0085】
【発明の効果】以上説明のように本発明によれば、発光
層から発せられた光を積層構造体外部に取り出した後
に、積層構造体の面方向に平行な方向に誘導して光取り
出し部から出射させることにより、高輝度な微小スポッ
ト発光が得られ、しかも低消費電力化、小型化も容易と
いう優れた発光素子を安価に得ることができ、このよう
な発光素子は電子写真方式プリンター等に用いる光源に
は特に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光素子の一実施形態を示す断面模式
図である。
【図2】本発明の発光素子の一実施形態を示す断面模式
図である。
【図3】本発明の発光素子の一実施形態を示す断面模式
図である。
【図4】本発明の発光素子の一実施形態を示す断面模式
図である。
【図5】本発明の発光素子アレイの一実施形態を示す模
式図である。(a)は平面透視図である。(b)はA−
A’断面図である。
【図6】本発明の発光素子の製造方法の一実施形態を示
す工程図である。
【図7】本発明の発光素子の製造方法の一実施形態を示
す工程図である。
【符号の説明】
1 基板 2 透明電極 3 正孔輸送層 4 発光層 5 金属電極 6 吸湿剤 7 封止体 8 光取り出し部 9,9’ 側壁 10 透光層 11 反射層 12 光吸収剤層 13 遮光壁 40 ディスペンサー 41 レプリカ型 42 切断手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する一対の電極間に有機発光材料か
    らなる発光層を含む有機層を少なくとも積層した積層構
    造体を基板上に有する有機エレクトロルミネッセンス素
    子の光出射面側を覆うように透光層と反射層とが少なく
    とも積層され、前記透光層の端面のうちの一部に前記積
    層構造体の発光面積よりも小さい面積の光透過部である
    光取り出し部を有し、前記透光層及び/又は前記反射層
    に前記積層構造体より発せられた光を前記光取り出し部
    の方向に誘導する回折格子が形成されていることを特徴
    とする発光素子。
  2. 【請求項2】 前記回折格子は、前記透光層と前記反射
    層との境界部分の反射面に形成された反射型回折格子で
    あることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  3. 【請求項3】 前記透光層と前記反射層との境界部分の
    反射面が、前記光取り出し部の方向に向けられ前記有機
    エレクトロルミネッセンス素子の基板面に対して傾斜し
    ていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光素
    子。
  4. 【請求項4】 前記透光層は、特定の波長の光を選択的
    に吸収する材料を含むことを特徴とする請求項1から3
    のうちのいずれか1項に記載の発光素子。
  5. 【請求項5】 前記透光層の端面のうち前記光取り出し
    部以外の面は光を反射する物質で覆われていることを特
    徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の
    発光素子。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のうちのいずれか1項に
    記載の発光素子を複数備えたことを特徴とする発光素子
    アレイ。
  7. 【請求項7】 請求項1から5のうちのいずれか1項に
    記載の発光素子の製造方法であって、前記透光層の形成
    工程において、前記基板上に透明樹脂材料層を設け、該
    透明樹脂材料層の表面に回折格子のレプリカ型を押しつ
    けることにより前記回折格子を形成することを特徴とす
    る発光素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の発光素子アレイの製造
    方法であって、前記透光層の形成工程において、前記基
    板上に透明樹脂材料層を設け、該透明樹脂材料層の表面
    に回折格子のレプリカ型を押しつけることにより前記回
    折格子を形成することを特徴とする発光素子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1から5のうちのいずれか1項に
    記載の発光素子の製造方法であって、同一基板上に前記
    発光素子の2つ分の構造を前記光取り出し部が内側に向
    く形で少なくとも1組形成し、夫々の組の発光素子対の
    境界部分を切断し、同時に少なくとも2つの発光素子を
    作製することを特徴とする発光素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載の発光素子アレイの製
    造方法であって、同一基板上に前記発光素子を複数並べ
    た発光素子アレイの2つ分の構造を前記光取り出し部が
    内側に向く形で少なくとも1組形成し、夫々の組の発光
    素子アレイ対の境界部分を切断し、同時に少なくとも2
    つの発光素子アレイを作製することを特徴とする発光素
    子アレイの製造方法。
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