以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による情報提示装置の構成例を示すブロック図である。図1に示す情報提示装置は、各データがそれぞれ複数項目の属性を有するデータ集合を一覧表示によって提示する情報提示装置であって、第1軸方向グループ生成部101と、第2軸方向グループ生成部102とを備える。
第1軸方向グループ生成部101は、優先度が異なる直交する2軸からなる2軸平面の表示領域に対して、優先度が高い第1軸方向に対し設定されたキー属性を用いて各データを第1軸方向にグループ化して配置する。
第2軸方向グループ生成部102は、優先度が異なる直交する2軸からなる2軸平面の表示領域に対して、第1軸方向グループ生成部101によって第1軸方向にグループ化された各グループである第1軸方向グループの位置関係を維持させたまま、優先度が低い第2軸方向に対し設定されたキー属性を用いて各データを第2軸方向にグループ化して配置する。
第2軸方向グループ生成部102は、例えば、各第1軸方向グループ内の各データの並びを、各データを優先度が低い第2軸方向に対し設定されたキー属性を用いてグループ化した際のグループである第2軸方向グループに基づき並び替えることにより、第1軸方向グループの位置関係を維持させたまま各データを第2軸方向にグループ化して配置するための各データの配置先を決定してもよい。
また、図2は、本発明による情報提示装置の他の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、さらに、キー属性設定部103を備えていてもよい。
キー属性設定部103は、2以上の注目データと、該注目データ間の関連性に基づいてデータをグループ化して配置する軸方向とを指定したデータの配置換え操作を受けた場合に、該注目データ間で最も類似している属性項目を、指定された軸方向のキー属性に設定する。
キー属性設定部103を備える場合には、第1軸方向グループ生成部101は、キー属性設定部103によって第1軸方向のキー属性が設定された場合に、設定された第1軸方向のキー属性を用いて各データを第1軸方向にグループ化して配置してもよい。また、第2軸方向グループ生成部102は、キー属性設定部103によって第1軸方向または第2軸方向のキー属性が設定された場合に、第1軸方向グループ生成部101によって配置された各第1軸方向グループの位置関係を維持させたまま、設定された第2軸方向のキー属性を用いて各データを第2軸方向にグループ化して配置してもよい。
また、キー属性設定部103は、例えば、注目データ間で最も類似している属性項目を判定する際に、各属性項目別に求めた注目データ間の類似度に、それぞれ各属性項目に対し予め設定されている重みを掛け合わせた結果を用いて判定してもよい。
実施形態1.
以下、より具体的な実施形態について説明する。図3は、本実施形態の情報提示装置のより具体的な構成例を示すブロック図である。図3に示す情報提示装置は、マウスやキーボード等の入力装置1と、プログラムに従い動作するデータ処理装置2と、情報を記憶する記憶装置3と、ディスプレイ装置などの出力装置4とを備える。
また、データ処理装置2は、配置パラメータ決定部21と、第1軸方向キー属性抽出部22と、第1軸方向グループ生成部23と、第2軸方向キー属性抽出部24と、第2軸方向グループ生成部25と、データ表示部26とを含む。また、記憶装置3は、対象データ記憶部31と、属性重み記憶部32とを含む。
対象データ記憶部31は、本実施形態において表示対象(すなわち探索対象)となるデータ群を記憶する。なお、対象データ記憶部31に記憶されるデータ群に含まれる各データは、それぞれ識別子や複数項目から構成される属性を示す情報、表示に用いる情報を有している。属性を示す情報は、例えば、該データが生成された時刻や該データの内容についての情報(特徴量を含む)である。また、表示に用いる情報は、例えば、アイコン(アイコン化される前のラベル情報等を含む。)やサムネイル画像である。なお、本実施形態では、各データは、少なくとも該データを識別するための識別子と2以上の属性を示す情報と表示に用いる情報とを有していればよい。表示に用いる情報は、属性を示す情報として含まれていてもよい。また、これらの情報は、各データのメタデータとして別途紐づけられていてもよい。また、特徴量については、属性を示す情報として含まれていなくてもよく、各データから抽出する属性項目として認識されていればよい。なお、予め抽出しておき特徴量を示す情報として記憶しておくことも可能である。
属性重み記憶部32は、表示対象となるデータ群に含まれる各データが有する属性項目それぞれについて、予め定められた重み(以下、属性重みという。)を記憶する。属性重みは、その属性がデータ間の関連度に寄与する度合いを示す値である。なお、本実施形態では、重みの大きい属性ほど、データ間の関連度に大きく寄与するように設定する。
配置パラメータ決定部21は、入力装置1を介して入力されるユーザ操作を示す情報に基づき、一覧表示の際の配置の基準となるパラメータを決定する。具体的には、2以上の注目データと、該注目データ間の関連性に基づいてデータをグループ化して配置する軸方向(ここでは、第1軸か第2軸のいずれかの軸方向)とを決定する。
本発明では、優先度が異なる直交する2つの軸を用いて表示領域を形成する。以下、優先度が高い方の軸を第1軸と呼び、優先度が低い方の軸を第2軸と呼ぶ。ここで、配置パラメータ決定部21が、注目データ間の関連性に基づいてデータをグループ化して配置する軸方向(以下、グループ化軸方向という。)を決定することは、注目データ間の関連性に基づくグループ化に対する優先度の高低を決定することを意味している。これは、注目データ間の関連性から導出されるキー属性に対する優先度(ユーザにとっては探索における注目度)の高低を決定することでもある。例えば、ある注目データによるグループ化軸方向が第1軸方向に決まった場合には、該注目データから導出されるキー属性をキーにしたグループ化に対して優先度を高くすることが決定されたことを意味し、その結果として、該グループがより優先度の高い第1軸方向(第1軸の「向き」)に作られることになる。
配置パラメータ決定部21は、例えば、ユーザに2以上の注目データと、該注目データに基づくグループ化に対する優先度(すなわち注目度)の高低とを指定させるパラメータ指定画面を用意し、そのパラメータ指定画面上のユーザ操作に応じて入力装置1から入力される情報に基づき、決定してもよい。
本実施形態では、表示領域を形成する直交する2つの軸に対し予め優先度の高低を定めておき、該表示領域上での各データの表示に用いるアイコン等(サムネイル画像を含む。以下、単にアイコンという。)に対するドラッグアンドドロップ操作に応じて、2以上の注目データと該注目データによるグループ化軸方向とを決定する。
本実施形態では、あるアイコンに重ねるようにまたは隣接するように移動された1つ以上のアイコンに対応するデータを”位置移動注目データ”と同定し、さらに、移動した先にある単一のアイコン(位置移動注目データのアイコンと重なっている部分があるアイコンまたは隣接しているアイコン)に対応するデータを”位置固定注目データ”と同定する。なお、位置移動注目データと位置固定注目データとを併せて”注目データ”とする。そして、位置移動注目データを同定した際の位置固定注目データと位置移動注目データの位置関係が、どちらの軸の角度に近いか(例えば、縦方向に並んでいるのか横方向に並んでいるのか)によって当該注目データによるグループ化軸方向を決定する。なお、先に位置固定注目データとする単一のアイコンを指定させた上で、該位置固定注目データの縁に重ねるようにまたは隣接するように移動された1つ以上のアイコンに対応づけられたデータを”位置移動注目データ”と同定してもよい。
第1軸方向キー属性抽出部22は、設定された注目データによるグループ化軸方向が第1軸方向である場合に、注目データ間の属性項目ごとの類似度を計算し、全属性項目の中で最も類似度が高かった属性を第1キー属性(高優先度である第1軸方向のグループ化におけるキー属性)に設定する。本実施形態では、位置固定注目データと、位置移動注目データとの間で属性項目ごとに類似度を求め、求めた属性別の類似度に対し、対応する重み(属性重み記憶部32に記憶されている当該属性項目に対応づけられた属性重み)を掛け合わせた値を、該属性における位置固定注目データと位置移動注目データの類似度とする。
なお、位置移動注目データが複数ある場合には、各属性項目について、各位置移動注目データと位置固定注目データとの類似度を求めて平均をとればよい。そして、属性別に求めた位置固定注目データと位置移動注目データ間の類似度(平均値)のうち最も高い類似度が計算された属性を、第1キー属性とすればよい。なお、最も高い類似度が計算された属性が既に第2キー属性に設定されている場合には、その次に高い類似度が計算された属性を第1キー属性に設定すればよい。
第1軸方向グループ生成部23は、表示対象とされたデータの配置において、第1軸方向に、第1キー属性値(第1キー属性を示す情報の内容)に基づくグループを生成する。以下、第1軸方向グループ生成部23によって生成されるグループを第1軸方向グループと呼ぶ。第1軸方向グループ生成部23は、例えば、各データの第1軸キー属性値に応じて、各データを分類することにより、第1軸方向グループを生成し、各第1軸方向グループに属する各データのアイコンが、当該第1軸方向グループ別に第1軸方向に並ぶように、各データの配置先を決定してもよい。
第1軸方向グループ生成部23は、例えば、各第1軸方向グループ別に、当該第1軸方向グループに属する各データを第1軸方向に一列に並べることにより、各データの配置先を決定してもよい。
なお、第1軸方向グループの数は、いくつであってもよい。例えば、第1キー属性値ごとに1グループとしてもよいし、予め定められている数になるように各第1キー属性値を割り当てていってもよいし、予め規定されている分類方法に従い各データを分類した結果生成されるグループの数であってもよい。ただし、注目データ(位置移動注目データおよび位置固定注目データ)が同一グループに属するように分類する。
第2軸方向キー属性抽出部24は、設定された注目データによるグループ化軸方向が第2軸方向である場合に、注目データ間の属性項目ごとの類似度を計算し、第1キー属性を除いた属性項目の中で最も類似度が高かった属性を第2キー属性(低優先度である第2軸方向のグループ化におけるキー属性)に設定する。
第2軸方向グループ生成部25は、第2キー属性が設定されると、表示対象とされたデータの配置において、第2軸方向に、第2キー属性値(第2キー属性を示す情報の内容)に基づくグループを生成する。以下、第2軸方向グループ生成部25によって生成されるグループを第2軸方向グループと呼ぶ。第2軸方向グループ生成部25は、例えば、各データの第2キー属性値に応じて、各データを分類することにより、各第1軸方向グループ内に第2軸方向グループを生成し、第1軸方向グループごとに、当該第1軸方向グループに属する各データの並びを、該データが属する第2軸方向グループに対し定めた順序に従って並び替えた上で、各第2軸方向グループに属する各データのアイコンが、第2軸方向に単一列または複数列にまたがって並ぶように、各データの配置先を決定してもよおい。
第1軸方向グループ内の各第2軸方向グループ内におけるデータの並びについては任意に定めておけばよい。
各データの配置が決定すると、データ表示部26は、決定した配置に従って、出力装置4を介して表示対象データのアイコンの一覧表示を行う。データ表示部26は、例えば、決定した各データの位置に、各データのアイコンを並べた一覧表示画面を作成し、該一覧表示画面を出力装置4に出力させる。
次に、図4および図5に示すフローチャートを参照して本実施形態の動作について説明する。図4は、本実施形態の動作の一例を示すフローチャートである。また、図5は、図4におけるステップS104およびS107のキー属性抽出処理の処理フローの一例を示すフローチャートである。
以下では、図6に示すデータが対象データ記憶部31に記憶されている場合を例に用いて説明する。図6は、対象データ記憶部31に記憶されるデータ群(表示対象となるデータ群)の一例を示す説明図である。図6では、表示対象とするデータとして、テレビ放送番組を録画した録画データを例示している。各データは、それぞれメタデータとして、識別子と、番組名と、チャンネルと、放送日時と、ジャンルと、出演者と、番組説明の情報をもつ。これに加えて、各データには、一覧表示する際に用いるアイコンが対応づけられているものとする。なお、図6に示す例では、識別子TVC0001〜TVC0009までの9つの番組の録画データが記憶されている。
本例では、初期状態として、優先度が異なる直交する2軸による平面上に、対象データ記憶部31に記憶された各データのアイコンが格子状に並んでいるものとする。初期状態では、例えば、図7に示すように、各録画データのアイコンが3行3列に並んでいるものとする。図7に示す例は、第1キー属性としてチャンネルを割り当てた例である。なお、図7において横軸が第1軸(優先度が高い軸)、横軸が第2軸(優先度が低い軸)である。図7に示す例では、チャンネルをキーにして生成された第1軸方向グループ別に、各第1軸方向グループに属する各データを第1軸方向に並べている。なお、第1軸方向グループ内におけるデータの並びは特に限定されない。また、本実施例では、説明の簡略化のため、初期状態における第2軸方向のグルーピング(グループ化による配置)は行っていないが、初期状態においても所定の属性をキーにして第2軸方向のグルーピングを行うことも可能である。
ここで、入力装置1を介してユーザ操作を示す情報が入力されたとする。本実施例では、入力装置1はマウスに対応し、ユーザ操作として、表示中のアイコンのドラッグアンドドロップによる配置替えの指示入力を想定する。すなわち、所望するデータを検索する際に、キーワードを指定したり、属性を一覧から選択して絞り込みを行うのではなく、所望するデータと共通する属性を有するであろうデータ(注目データ)のアイコンを2つ以上指定させることで、感覚的な操作によるデータの探索を可能にしている。本例では、この注目データの指定を、アイコンのドラッグアンドドロップ操作によって行わせる。
図4に示すように、配置パラメータ決定部21は、入力装置1を介してユーザ操作を示す情報が入力されると、該情報によって示されるユーザ操作に基づき、位置固定注目データと位置移動注目データとを同定する(ステップS101)。ユーザ操作を示す情報として、アイコンの移動(ドラッグアンドドロップ操作)を示す情報が入力されると、移動されたアイコンを特定し、かつ移動先に位置しているアイコンがあれば、そのアイコンと移動されたアイコンとの位置関係を特定する。そして、2つ以上のアイコンがほぼ一列に並ぶように移動されたことを検知した場合には、その並んだアイコンに対応づけられたデータを注目データとして決定する。ここでは、移動されたアイコンに対応づけられたデータを位置移動注目データとし、移動先に位置しているアイコンに対応づけられたデータを位置固定注目データとして決定すればよい。
また、配置パラメータ決定部21は、アイコンがドロップされた際に、位置固定注目データと位置移動注目データがどちらの軸に対して一列に並ぶかを判定することにより、該注目データによるグループ化軸方向を決定する(ステップS102)。
図8は、グループ化軸方向の判定方法を示す説明図である。なお、図8(a)は、グループ化軸方向を判定するためにアイコンに割り当てる判定領域の例を示す説明図である。また、図8(b)は、判定領域に基づいてグループ化軸方向を判定した例を示す説明図である。本例では、図8に示すように、アイコンの領域を、上下左右の4つのブロックに分割し、それぞれを直交する2軸の正負方向に対応する判定領域とする。本例では、上ブロックを「第2軸(正)領域」とし、下ブロックを「第2軸(負)領域」と、右ブロックを「第1軸(正)領域」とし、左ブロックを「第1軸(負)領域」とする。なお、この各判定領域には、アイコンの外側の外周域を含めることも可能である。
配置パラメータ決定部21は、例えば、移動されたアイコンに対し設定しておいた特定のポイント位置が、移動先にあるアイコン(または位置固定注目データのアイコンとして指定されたアイコン)に割り当てられている4つの判定領域のうちのどこに位置しているかを判断することによって、該注目データによるグループ化軸方向を決定してもよい。アイコンに設定する特定のポイント位置は任意であるが、本実施例では、左上の角(頂点)とする。図8(b)に示す例では、マウスカーソルにのせて移動される太枠で示したアイコン2(位置移動注目データのアイコン)の左上の角が、移動先にある太枠で示したアイコン1(位置固定注目データのアイコン)の「第1軸(正)領域」にあるため、グループ化軸方向は第1軸(正)となる。なお、正負の方向は、位置固定注目データに対し、位置移動注目データがグループ化軸方向においてどちらの向きに並ぶかを示している。このように、正負の方向までを指定させる場合には、属性が順序を有する場合にその軸の方向に昇順に並ぶのか、降順に並ぶのかを指定することができる。例えば、位置固定注目データよりも位置移動注目データの方が属性値が大きい場合に、正方向が指定されていれば昇順に、負方向が指定されていれば降順に並べる旨を指定できる。
配置パラメータ決定部21は、例えば、グループ化軸方向が確定していない位置移動注目データのドラッグ中においても、現在の座標位置から判定される判定領域を強調表示するなどにより、ユーザがどの軸方向が指定されるのかがわかるようにしてもよい。
配置パラメータ決定部21は、このように決定した軸方向を、グルーピングを行う軸方向(グループ化軸方向)として定め、位置固定注目データと位置移動注目データの情報とともに、後続する処理に渡せばよい。ここで、後続する処理をグループ化軸方向によって分岐する(ステップS103)。配置パラメータ決定部21は、設定された注目データに係るグループ化軸方向が、第1軸方向であれば第1軸方向キー属性抽出部22に渡し、第2軸方向であれば第2軸方向キー属性抽出部24に渡す。
設定された注目データによるグループ化軸方向が第1軸方向であった場合には、ステップS104に進み、第1軸方向キー属性抽出部22が、第1軸方向に対してどの属性をキーとしてグルーピングを行うかを決定する。すなわち、第1キー属性を設定する。第1軸方向キー属性抽出部22は、設定された注目データ間の属性別の類似度に基づいて、表示対象とされた各データが有する属性項目の中からその軸方向に割り当てるキー属性を抽出するキー属性抽出処理を実行することにより、第1キー属性を設定する(ステップS104)。
図5は、キー属性抽出処理の処理フローの一例を示すフローチャートである。まず、ステップS201では、表示対象とする各データが有する全ての属性項目について位置固定データと位置移動データの類似度を求めるために次のような順次処理を行う。すなわち、対象データ記憶部31に記憶されている各データが有する属性項目の中から順番に、計算対象とする属性を1つ選択し(ステップS201)、選択した属性jの値(属性jがとる内容)がベクトルであるか、スカラであるかによって処理を分岐する(ステップS202)。なお、属性jの値がベクトルである場合にはステップS203に進み、余弦を用いて類似度を計算する。また、属性jの値がスカラである場合にはステップS205に進み、差を用いて類似度を計算する。
図6に示したデータの例の場合、属性項目「番組名」、「チャンネル」、「ジャンル」、「出演者」、「番組説明」をベクトルとして扱えばよい。例えば、属性項目「出演者」であれば、各出演者をベクトル空間の各次元に対応づけ、その値は出演があれば1、出演がなければ0とするなどが考えられる。また、例えば、属性項目「番組名」、「番組説明」であれば、その内容に対し形態素解析を行い、各語の出現回数を重みとして構成されるベクトルとして表現すればよい。また、例えば、属性項目「チャンネル」、「ジャンル」であれば、特殊な1次元ベクトルとしてもよい。ここで、特殊な1次元ベクトルとは、例えば、その値が同じか異なるかによって平行するベクトルか直交するベクトルかの2値で余弦が計算されるベクトルなどが考えられる。
ステップS203では、全ての位置移動注目データと位置固定注目データの組みについて、ベクトルで表現される属性jにおける類似度を算出するための順次処理を行う。まず、全ての位置移動注目データの中から順番に、計算対象とする位置移動注目データを1つ選択し(ステップS203)、選択された位置移動注目データiの属性jの値と位置固定注目データの属性jの値とによる余弦(ベクトルのなす角)を類似度として計算する(ステップS204)。この順次処理(ステップS203〜S204の処理)は位置移動注目データの数分繰り返される。
また、ステップS205でも同じく、全ての位置移動注目データと位置固定注目データの組みについて、スカラで表現される属性jにおける類似度を算出するための順次処理を行う。まず、全ての位置移動注目データの中から順番に、計算対象とする位置移動注目データを1つ選択し(ステップS205)、選択された位置移動注目データiの属性jの値と位置固定注目データの属性jの値の差dを用いて、式(1)のとおり類似度Sを求める(ステップS206)。なお、式(1)において、aは1未満の非負実数とする。従って、スカラで表現される属性の類似度は、値が同じであれば1、値が異なるほど0に近づく。この順次処理(ステップS205〜S206の処理)は位置移動注目データの数分繰り返される。。
S=ad ただし 0<a<1 ・・・式(1)
全ての位置移動注目データと位置固定注目データの組みについて属性jにおける類似度が計算されると、必要に応じてその平均を計算し、当該注目データの属性jにおける類似度とする(ステップS207)。このように、選択された属性jについて当該注目データの類似度を求める処理を属性項目数分繰り返す(ステップS201に戻る)。
そして、当該注目データの全ての属性における類似度が求まると、求めた各類似度に対してその属性項目に対し設定されている属性重みを掛け合わせた後で、最も類似度が大きい属性をキー属性として抽出する(ステップS208)。なお、キー属性の抽出の際には、現在第1または第2キー属性として設定されている属性を除くようにする。
第1軸方向キー属性抽出部22は、このように図5に示すキー属性抽出処理を実行して抽出されたキー属性を、第1キー属性に設定すればよい。
次に、第1軸方向グループ生成部23は、図4に示すように、第1軸方向に設定された第1キー属性を用いて、第1軸方向のデータのグルーピングを行う。まず、第1軸方向グループ生成部23は、表示対象とされた各データを、当該データの第1キー属性値に応じていくつかのグループに分類する(ステップS105:第1軸方向グループの生成)。グループの生成手法は、既存の手法を利用してもよい。例えば、キー属性がベクトルで表現される属性であれば、k−means法や、最短距離法などを用いてグループ化を行ってもよい。また、例えば、キー属性がスカラで表現される属性であれば、その属性値の最小値から最大値の間を予め定めた一定個数に分割し、それぞれの区間に含まれる値をもつデータを1グループに属するデータとして分類することによりグループ化を行ってもよい。
続いて、第1軸方向グループ生成部23は、第1軸方向グループの分類に従って各データ(アイコン)の配置先を決定する(ステップS106)。第1軸方向グループ生成部23は、例えば、第1軸方向グループ別に、当該第1軸方向グループに属する各データのアイコンを第1軸方向に一列に並べることにより、各データが第1キー属性に基づき第1軸方向にグループ化されて配置されるようにする。第1軸方向グループ生成部23は、表示領域内に、該表示領域を第1軸方向と平行の分断線により第1軸グループ数分の領域に分割したときの分割領域を範囲領域とするセルを設け、各セルに対して1つの第1軸方向グループを割り当ててもよい。そして、各セル領域内に、当該セルに割り当てたグループに属するデータを第1軸方向に並べていくことで、各データの配置先を決定してもよい。例えば、図7に示す例では、表示領域内に、ch1グループ用セルと、ch2グループ用セルと、ch3グループ用セルを設けることで、第1軸方向グループであるチャンネルグループの数に対応する3行でアイコンが配置されるようにしてもよい。
なお、表示領域のサイズによっては、1つの第1軸方向グループに対して2行以上のセルを割り当てたり、スクロールバーを設けたりすることも考えられる。なお、第1軸方向グループ生成部23は、各データの表示用のアイコンのサイズを計算し、アイコンが他のアイコンと重ならずに並ぶように、各データの配置先を決定する。なお、この時点での第1軸方向グループ内におけるデータの並び方については、任意である。例えば、第1キー属性値が複数含まれる場合には第1キー属性値別にした上で各データの登録順を昇順または降順に並べてもよい。なお、注目データは連続して並べられる方が好ましい。
続く第2軸方向グループ生成部25では、第2軸方向のキー属性(第2キー属性)が設定されているか否かを判断し(ステップS109)、第2キー属性値が設定されている場合には、設定された第2キー属性を用いて、第2軸方向のデータのグルーピング(ここでは、再配置)を行う(ステップS110)。なお、初期状態では、第2キー属性は未設定であるとして、ステップS111に進む。
ステップS111では、データ表示部26が、ステップS106またはステップS110により決定した各データの配置に従い、出力装置4を介してアイコンの一覧表示を行う。データ表示部26は、例えば、決定された各データの配置に従い、表示領域に各データのアイコンを並べた一覧表示画面を生成し、出力装置4に出力する。なお、データ表示部26は、その際に、軸毎に最新の位置固定データと位置移動注目データが含まれる列が表示領域の中央に表示されるように表示を行ってもよい。このようにすれば、注目データと同一の属性をもつデータが第1軸方向の中央のグループ、第2軸方向の中央のグループに配置されるようになる。
一方、ステップS103の分岐において、設定された注目データによるグループ化軸方向が第2軸方向であった場合には、ステップS107に進む。
ステップS107では、第2軸方向キー属性抽出部24が、第2軸方向に対してどの属性をキーとしてグルーピングを行うかを決定する。第2軸方向キー属性抽出部24は、第1軸方向キー属性抽出部22と同様の方法で、第2軸キー属性に設定する属性を抽出すればよい。
そして、第2軸方向グループ生成部25が、設定された第2キー属性を用いて、第2軸方向のデータのグルーピングを行う。まず、第2軸方向グループ生成部25は、表示対象とされた各データを、当該データの第2キー属性値に応じていくつかのグループに分類する(ステップS108:第2軸方向グループの生成)。グループの生成手法は、第1軸方向グループ生成部23と同様でよい。
続いて、第2軸方向グループ生成部25は、第2軸方向グループの分類に従って各データ(アイコン)の配置を変更する(ステップS110)。第2軸方向グループ生成部25は、各第1軸方向グループ内の各データ(アイコン)を、該データが属する第2軸方向グループに従って並び替えることにより、各データの配置先を再構築する。
ステップS110において、第2軸方向グループ生成部25は、各第1軸方向グループの中のデータの並びに関し、同じ第2軸方向グループのデータが隣接するように並び替えを行う。全ての第1軸方向について、各第2軸方向グループが並ぶ順序は同一とする。各第1軸方向グループごとにデータの並べ替えを行うことで、第1軸方向グループ間のデータの位置関係は保持される。なお、表示領域全体においては、同じ第2軸方向グループの各データは、第2軸方向に単一列または複数列にまたがって並ぶように配置を行う。
ここで再構築されたデータの配置は、その後のステップS111において、データ表示部26により、一覧表示画面に反映され出力される。
このように、ユーザは注目する2以上のデータとその配置方向を指定することで、その注目データに共通する属性に基づいてグループ化されたグループを単位に配置された一覧表示を得ることができる。また、探索のためにキー属性を変更した場合には、変更前に優先度のより高い軸方向に配置されていたグループ単位のデータ配置を保持したまま、変更後のキー属性に基づいてグループ化された各グループを単位に並び替えられたデータ配置を得ることができる。また、指定した注目データを含むグループが画面中央に表示されることで、探索を容易に進めることができる。
なお、一度提示した一覧表示に対し、キー属性の変更ではなく、数の絞り込みによる探索を行うことも可能である。そのような場合には、表示中の一覧表示に対して表示対象とするグループを選択させ、選択されたグループに属するデータ群を表示対象とするデータ群として、同様の処理を行えばよい。
また、位置固定注目データと位置移動注目データを表示領域の中央に表示させるための処理は、ステップS106やステップS110で行ってもよい。例えば、各セルに対する第1軸方向グループの割り当て方法、および各セル領域内での各データの並べ方に関し、注目データ(位置移動注目データおよび位置固定注目データ)のアイコンが表示領域の略中央に位置するように配置を決定してもよい。
例えば、第1軸方向グループ生成部23が、各セルに対する第1軸方向グループの割り当て方法として、第1軸方向グループ間における順序を、注目データが属する第1軸方向グループが先頭になるように定めたうえで、第1軸方向と垂直に並べられたセルの並び順において第1軸方向グループ数÷2に位置するセルから順に外側に向かって、各第1軸方向グループを割り当てることで、セルの並び順において中央に位置するセルに注目データが属する第1軸方向グループが割り当てられるようにしてもよい。
また、例えば、グループ化した際の属性値によって第1軸方向グループ間における順序が定まる場合には、セルの並びが環状であるとみなした上で、セルの並び順に従い各第1軸方向グループを割り当てる際に、注目データが属する第1軸方向グループが割り当てられたセルが表示領域の中央に位置するように先頭位置を設定すればよい。なお、スクロールバーが設けられる場合には、注目データが属する第1軸方向グループが割り当てられたセルが表示領域の中央に位置するようにスクロール位置を設定すればよい。
また、第1軸方向グループ生成部23および第2軸方向グループ生成部25における各セル領域内での各データの並べ方についても同様に、注目データのアイコンが、注目データが属する第1軸方向グループに割り当てられたセル領域内において略中央に位置するようにする。
次に、具体例を用いて本実施形態の動作を説明する。ここでは、対象データ記憶部31に格納されるデータ群が、図6に示すような、ホームサーバやHDDレコーダなどに録画されているテレビ番組のデータである場合を例に説明する。図6に示す録画データには、識別子としてTVC0001〜TVC0009が割り当てられている。また、各録画データには、既に説明したように、属性項目として「番組名」、「チャンネル」、「放送日時」、「出演者」、「番組説明」をもつものとする。これに加えて、各録画データは、一覧表示に用いるアイコンとしてサムネイル画像をもつ。
属性重み記憶部32に格納される属性重みの例を図9に示す。図9に示す例では、属性項目「番組名」の属性重みが6と一番高く、属性項目「チャンネル」の属性重みが1と一番低く設定されている。各属性重みは、本発明を利用する際に表示対象とするデータに応じて予め設定しておく。図9に示す例では、キー属性を抽出する際に、「番組名」はより抽出されやすく、「チャンネル」はより抽出されにくいことを意味する。
初期状態では、図7に示すように、9つのアイコンが、第1キー属性を「チャンネル」としたグルーピングにより、第1軸方向に3つのグループ(ch1グループ、ch2グループ、ch3グループ)に別れて格子状に配置されている。この時点では、第2軸方向のグルーピングは行われていない。なお、図6に示す録画データのチャネル情報により、ch1グループには、トークAとドラマAとトークCとが属する。また、ch2グループには、映画CとドラマBとトークBとが属する。また、ch3グループには、映画Aと映画BとドラマCとが属する。このch1グループとch2グループとch3グループは、初期状態における第1軸方向グループである。
ここで、ユーザにより、第1軸方向に新たなキー属性によるグループを作るための配置換え操作が行われたとする。例えば、ユーザは、ドラマAとトークAとの間に共通点をもつ番組の録画データを探索するため、図10に示すように、ドラマAのアイコンをドラッグし、該アイコンの左上の角が、トークAのアイコンの右側の領域である「第1軸(正)領域」に重なるようにドロップする。図10は、第1軸方向をグループ化軸方向とする注目データの指定例を示す説明図である。
すると、配置パラメータ決定部21は、位置固定注目データをトークAに、位置移動注目データをドラマAに、グループ化軸方向を第1軸方向に決定する。
続いて、第1軸方向キー属性抽出部22が、トークAとドラマAとの間で全ての属性項目の内容を比較し、最も類似している属性項目を第1キー属性として抽出する。具体的には、全ての属性項目「番組名」、「チャンネル」、「放送日時」、「出演者」、「番組説明」について、1つずつ取り上げて類似度を算出する。
例えば、属性項目「放送日時」については、属性値の種類がスカラであるとして、式(1)を用いて類似度を算出すればよい。例えば「放送日時」の場合には、2つの開始時刻[単位:時間(hour)]の差から類似度を求めてもよい。一方、他の属性項目については、属性値の種類がベクトルであるとして、2つのベクトルの余弦を類似度として算出すればよい。例えば「出演者」の場合には、各データの出演者(出演者A,B,C,・・・)に対して順に次元を割り当てて、出演がある場合には値を1で、ない場合には値を0で表現する。例えば、ドラマAの出演者のベクトル値は、(1,0,0,1,0,0,・・・)となる。また、例えば、トークAの出演者のベクトル値は、(1,0,0,1,1,0,・・・)となる。この2つのベクトルの内積を計算し、類似度とする。
本例では、位置移動注目データが1つであるので、トークAとドラマAの組で求めた一属性項目の類似度をそのまま当該属性項目の類似度として用いるが、位置移動注目データが2以上の場合には、位置固定注目データであるトークAに対して各位置移動注目データを組み合わせた各組で求めた一属性項目の類似度の平均値を、当該属性項目の類似度として用いる。
全ての属性項目の類似度が求まると、各類似度に、その属性項目に応じた属性重みを掛け合わせる。そして、それぞれに属性重みが掛け合わされた属性項目別の類似度のうち、最も大きい値の属性(最も類似している属性)を、第1キー属性とする。ただし、現在、キー属性として設定されている属性は除外する。本例では、属性ごとに類似度を算出した結果、第1キー属性として「出演者」が設定されたとする。
続いて、第1軸方向グループ生成部23は、各データの第1キー属性値(ここでは、属性項目「出演者」の内容)に基づき、各データをグループ化する。属性項目「出演者」の属性値の種類はベクトルであるので、例えば、k−means法や最短距離法などの手法を用いて、グループに分類するための計算を行う。ここでは、図6に示した「出演者」の内容から、第1軸方向グループとして3つのグループが生成されたとする。以下、3つのグループを説明の便宜上、出演者Aグループ、出演者Bグループ、出演者Cグループと名づける。出演者Aグループには、映画BとトークAとドラマAと映画Cとが属する。出演者Bグループには、トークBとドラマBとドラマCとが属する。出演者Cグループには、映画AとトークCとが属する。
次に、第1軸方向グループ生成部23は、各データの第1軸方向グループの分類に従って、各データの配置先を決定する。第1軸方向グループ生成部23は、例えば、各第1軸方向グループがそれぞれ第1軸方向に一列に並ぶように各データの配置先を決定する。このとき、注目データであるトークAとドラマAを含む出演者Aグループが画面中央に位置するように、第1軸方向グループ間における各グループの順序を定める。また、注目データであるトークAとドラマAとがそのグループ内においても画面中央に位置するように、該第1軸方向グループ内における各データの順序を定める。
配置の決定は、例えば、表示領域に座標系を導入し、各データに対して配置する位置を示す座標の情報を設定(生成)することにより行ってもよい。そのような場合には、各データの表示用のアイコンのサイズを計算し、他のアイコンと重ならずに並ぶようにする。また、例えば、表示領域を格子状のセル領域の集まりとしてとらえ、各セル領域に対しどのデータを配置するかを示す情報を設定することにより行ってもよい。
続く第2軸方向グループ生成部25では、第2キー属性が設定されているか否かを判定し、ここでは設定されていないとして、特に処理を行わずに後続のデータ表示部26へ処理を進める。
データ表示部26では、第1軸方向グループ生成部23が決定した各データの配置に従い、出力装置4を介してアイコンの一覧表示を提示する。このときの一覧表示の例を図11に示す。なお、図11において、網掛け表示は注目データが属するグループを示している。
次に、ユーザによって、第1軸方向のグループに加えて、第2軸方向に新たなキー属性によるグループを作るための配置換え操作が行われたとする。例えば、ユーザは、映画Aと映画Bとの間に共通点をもつ番組の録画データを探索するため、図12に示すように、映画Aのアイコンをドラッグし、映画Aのアイコンの左上の角が、映画Bのアイコンの下側の領域である「第2軸(負)領域」に重なるようにドロップする。図12は、第2軸方向をグループ化軸方向とする注目データの指定例を示す説明図である。
すると、配置パラメータ決定部21は、位置固定注目データを映画Bに、位置移動注目データを映画Aに、グループ化軸方向を第2軸方向に決定する。
ここで、グルーピングを行う軸方向が第2軸方向であるため、第2軸方向キー属性抽出部24へ処理を進める。なお、第2軸方向キー属性抽出部24は、第1軸方向キー属性抽出部22と同様の処理を行って、第2キー属性を設定すればよい。本例では、属性ごとに類似度を算出した結果、第2キー属性として「ジャンル」が設定されたとする。
続いて、第2軸方向グループ生成部25は、各データの第2キー属性値(ここでは、属性項目「ジャンル」の内容)に基づき、各データをグループ化する。ここでは、図6に示した「ジャンプ」の内容から、第2軸方向グループとして3つのグループが生成されたとする。以下、3つのグループを説明の便宜上、トークグループ、映画グループ、ドラマグループと名づける。トークグループには、トークAとトークBとトークCとが属する。映画グループには、映画Aと映画Bと映画Cとが属する。ドラマグループには、ドラマAとドラマBとドラマCとが属する。
次に、第2軸方向グループ生成部25は、第1軸方向グループ生成部23が生成した3つの第1軸方向グループ(出演者Aグループ、出演者Bグループ、出演者Cグループ)内のデータの並びについて、各データが属する第2軸方向グループに従い、並び替えを行う。このとき、注目データである映画Bと映画A(網掛けで示すアイコン)を含む映画グループが画面中央に位置するように、第2軸方向グループ間における各グループの順序を定める。また、第2軸方向グループ生成部25は、表示領域全体において、各第2軸方向グループが、それぞれ第2軸方向に単一列または複数列にまたがって隣接して並ぶように配置を行う。図13に示す例は、映画グループとドラマグループとをそれぞれ2列に、トークグループを1列に並べた例である。
第2軸方向グループ生成部25は、例えば、図14に示すように、ユーザが、各データが属するグループ(特に第1軸方向グループ内における各第2軸方向グループ)を認識できるように、各グループ領域を背景色の色わけ等によって区別することを前提に、第2軸方向における第2軸方向グループの位置をできる限り中心に近い位置に配置するようにしてもよい。アイコンを画面中央に寄せることでさらに表示領域が有効活用される。
そして、データ表示部26が、第2軸方向グループ生成部25が再決定した各データの配置に従い、出力装置4を介してアイコンの一覧表示を行う。この一覧表示では、第1軸方向における注目データを含むグループ(出演者Aグループ)の列と、第2軸方向における注目データを含むグループ(映画グループ)の列とが交わる箇所に、所望のデータの候補が配置される。
なお、本実施の形態において、表示領域が第1軸と第2軸の2つの軸からなる2次元領域である場合を例に説明したが、例えば、3次元領域のように、2以上の軸からなる表示領域に対しても適用可能である。すなわち、優先度が高い軸方向から順に、その前に決定した軸方向での各データのグループ間の位置関係を保持したまま、当該軸方向でのグループの順序に応じて、各データの配置先を決定していけばよい。
このように、本実施形態によれば、一方の方向にデータを並べる操作と他の方向の位置を固定して配置換えを行う処理とをつなげていることにより、例えば、絞込みのために軸を変更した場合に、優先的に配置させたある関連性に基づくデータ配置(より優先度の高い軸方向に対して割り当てられた第1軸方向グループ分類におけるデータの位置関係)を失うことなく、探索を続けることができる。また、優先的に配置させたデータ配置が失われないため、変更前の表示に戻した場合であっても探索の後戻りが発生しない。
また、表示領域を、各軸に割り当てた属性値によって配置位置が定まるx−y軸グラフのような2次元マップではなく、2方向にグループ化される格子領域としてとらえていることにより、アイコンが重なって表示されることはない。また、空白の領域がでることはあっても、無秩序にまばらになることはなく、データ全体を整理した状態で表示することができる。
従って、表示領域を有効に活用しつつ、かつ必要なデータの一覧性およびデータ配置を失わずに、データ集合を一覧表示によって提示することができる。
実施形態2.
上記実施形態では、データのアイコンやサムネイル画像等を2次元平面に配置する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、そのデータを表す文字列や数値(式)などの任意の情報を表形式で一覧表示する際にも適用可能である。すなわち、本実施形態では、表示領域を表にみたて、表を構成する各セルにラベルを入力することにより、データの一覧表示を行う。すなわち、各データのラベルを付したセルをアイコンに見たてて本発明を適用させる。本実施形態では、行方向を高優先度(第1軸方向)、列方向を低優先度(第2軸方向)として説明する。なお、反対に、行方向を低優先度(第2軸方向)、列方向を高優先度(第1軸方向)と割り当てることも可能である。
なお、本実施形態の構成は、第1の実施形態と同様でよい。
本実施形態において、対象データ記憶部31に記憶されるデータ群に含まれる各データは、それぞれ表示に用いる情報として、当該データのラベルとなる文字列を含む。
また、配置パラメータ決定部21は、入力装置1を介して入力されるユーザ操作を示す情報に基づき、一覧表示の際の配置の基準となるパラメータとして、2以上の注目データと、該注目データ間の関連性に基づいてデータをグループ化して配置する軸方向(ここでは、行方向か列方向のいずれかの軸方向)とを決定する。なお、本実施形態においても、表示領域を形成する表の各セルに対するドラッグアンドドロップ操作に応じて、2以上の注目データ(単一の位置固定注目データと1つ以上の位置移動注目データ)と、該注目データによるグループ化軸方向とを決定する。従って、入力装置1からデータ処理装置2へ送られる入力信号には、セルに対するドラッグアンドドロップ操作の内容を示す情報を含む。
なお、グループ化軸方向についても、第1の実施形態と同様に、各セルに対して「第2軸(正)領域」と、「第2軸(負)領域」と、「第1軸(正)領域」と、「第1軸(負)領域」を割り当てて、ドロップ時のセルの重なりによって決定すればよい。このとき、重なりが判定される移動注目データのセル上の領域は、例えば、セルの四隅のいずれかの点であってもよいし、セルの中心であっても、マウスカーソルの位置であってもよい。
また、本実施形態では、第1軸方向グループの配置に関し、第1軸方向グループ生成部23は、生成された第1軸方向グループを行として表に配置すればよい。グループを配置する行の開始位置は、例えば、表の左上であってもよい。また、いくつか空白行を設けてもよい。また、列の開始位置についても、その行の最初の列から配置してもよいし、いくつか空白列を設けてもよい。なお、第1軸方向グループ内のデータの配置(1つの第1軸方向グループが割り当てられた行内でのデータの配置)は、第1の実施形態と同様、第1軸方向グループ生成部23によるデータ配置の処理の時点では、任意でよい。
また、第2軸方向グループの配置に関し、第2軸方向グループ生成部25は、各第1軸方向グループ内で、セルを並び替えることによって、第2軸方向グループを単一列または連続する複数列として表に配置する。なお、全ての第1軸グループにおいて第2軸方向グループを単位にした列の並び(順序)は同じとする。このとき、空白のセルが第2軸方向グループとした列集合に含まれていてもかまわない。
データ表示部26は、決定した配置に従って、出力装置4を介して表示対象データのラベルの一覧表を提示する。データ表示部26は、決定した各データの配置にしたがって、表示領域としての表を構成する各セルのラベルに、該セルを配置位置とするデータの表示に用いる文字列を入力することによって、一覧表を作成し、該一覧表を出力装置4に出力させる。
第1軸方向グループ生成部23および第2軸方向グループ生成部25は、注目データを含むグループが、それぞれ行、列の中心に位置するように配置を決定する。なお、他の点に関しては、第1の実施形態と同様である。
次に、具体的な例を用いて本実施形態の動作を説明する。なお、本実施形態の動作は、基本的には、第1の実施形態と同様である。
以下では、対象データ記憶部31に格納されるデータ群として、第1の実施形態と同様に、図6に示す録画データを例に説明する。本実施形態では、属性項目「番組名」の内容をラベルとして表のセルに表示する。また、属性重み記憶部32に格納される属性重みについても、第1の実施形態と同様に、図9に示す例を用いる。
初期状態では、図15に示すように、表の第1行第1列を始点として、3行3列のセルに各データのラベルが入力されている。各行は、属性項目「チャンネル」を第1キー属性としたグループとなっている。なお、この時点では、列方向にはグループを形成していない。
ここで、ユーザにより、行方向に新たなグループを作るための配置換え操作が行われたとする。例えば、ユーザは、ドラマAとトークAとの間に共通点をもつ番組の録画データを探索するため、図16に示すように、ドラマAのラベルが付されたセルをドラッグし、該セルの左上の角が、トークAのラベルが付されたセルの右側の領域である「第1軸(正)領域」に重なるようにドロップする。図16は、第1軸方向をグループ化軸方向とする注目データの指定例を示す説明図である。
すると、配置パラメータ決定部21は、位置固定注目データをトークAに、位置移動注目データをドラマAに、グループ化軸方向を第1軸方向(行方向)に決定する。
続いて、第1軸方向キー属性抽出部22が、トークAとドラマAとの間で全ての属性項目の内容を比較し、最も類似している属性項目(ただし、既に設定されているキー属性を除く)を第1キー属性として抽出する。この処理は、第1の実施形態と同様である。ここでも、第1キー属性として「出演者」が設定されたとする。
続いて、第1軸方向グループ生成部23が、第1の実施形態と同様に、各データの第1キー属性値(ここでは、属性項目「出演者」の内容)に基づき、各データをグループ化する。ここでも、図6に示した「出演者」の内容から、第1軸方向グループとして3つのグループ(出演者Aグループと出演者Bグループと出演者Cグループ)が生成されたとする。
次に、第1軸方向グループ生成部23は、各データの第1軸方向グループの分類に従って、各データの配置先を決定する。第1軸方向グループ生成部23は、例えば、各第1軸方向グループがそれぞれ1つの行を形成するように、各データの配置先を決定する。このとき、注目データであるトークAとドラマAを含む出演者Aグループが中央の行に位置するように、第1軸方向グループ間における各グループの順序を定める。また、注目データであるトークAとドラマAとがその行内において中央の列に位置するように、該第1軸方向グループ内における各データの順序を定める。配置の決定は、表示領域を形成する表の各セルに対しどのデータを配置するかを示す情報を設定することにより行ってもよい。なお、各データに対し、表のどのセル(何行、何列のセル)に配置するかを示す情報を設定することにより行ってもよい。
続く第2軸方向グループ生成部25では、第2キー属性が設定されているか否かを判定し、ここでは設定されていないとして、特に処理を行わずに後続のデータ表示部26へ処理を進める。
データ表示部26では、第1軸方向グループ生成部23が決定した各データの配置に従い、出力装置4を介して表示対象データのラベルの一覧表を提示する。このときの一覧表の例を図17に示す。なお、図17において、網掛け表示は注目データのアイコンである旨を示している。
次に、ユーザによって、第1軸方向(行)のグループに加えて、第2軸方向(列方向)に新たなキー属性によるグループを作成するための配置換え操作が行われたとする。例えば、ユーザは、映画Aと映画Bとの間に共通点をもつ番組の録画データを探索するため、図18に示すように、映画Aのラベルが付されたセルをドラッグし、該セルの左上の角が、映画Bのラベルが付されたセルの右側の領域である「第2軸(負)領域」に重なるようにドロップする。図18は、第2軸方向をグループ化軸方向とする注目データの指定例を示す説明図である。
すると、配置パラメータ決定部21は、位置固定注目データを映画Bに、位置移動注目データを映画Aに、グループ化軸方向を第2軸方向に決定する。
ここで、グルーピングを行う軸方向が第2軸方向であるため、第2軸方向キー属性抽出部24へ処理を進める。なお、第2軸方向キー属性抽出部24は、映画Aと映画Bとの間で全ての属性項目の内容を比較し、最も類似している属性項目(ただし、既に設定されているキー属性を除く)を第2キー属性として抽出する。この処理は、第2の実施形態と同様である。ここでも、第2キー属性として「ジャンル」が設定されたとする。
続いて、第2軸方向グループ生成部25は、第1の実施形態と同様に、各データの第2キー属性値(ここでは、属性項目「ジャンル」の内容)に基づき、各データをグループ化する。ここでも、図6に示した「ジャンル」の内容から、第2軸方向グループとして3つのグループ(トークグループと映画グループとドラマグループ)が生成されたとする。
次に、第2軸方向グループ生成部25は、第1軸方向グループ生成部23が生成した3つの第1軸方向グループ(出演者Aグループ、出演者Bグループ、出演者Cグループ)内のデータの並びについて、各データが属する第2軸方向グループに従い、並び替えを行う。このとき、注目データである映画Bと映画Aを含む映画グループがその行内において中央の列に位置するように、第2軸方向グループ間における各グループの順序を定める。
また、第2軸方向グループ生成部25は、表全体において、各第2軸方向グループが、それぞれ第2軸方向(列方向)に単一列または複数列にまたがって並ぶように配置を行う。図19に示す例は、トークグループを1列に、映画グループとドラマグループとをそれぞれ2列にまたがって並ぶように配置を行った例である。
なお、表形式の場合には、第1軸方向における注目データを含むグループが一番上の行に位置するように、第1軸方向グループ間における各グループの順序を定めてもよい。また、第2軸方向における注目データを含むグループがその第1軸方向グループに割り当てられた行内において一番左の列に位置するように、第2軸方向グループ間における各グループの順序を定めてもよい。
そして、データ表示部26が、第2軸方向グループ生成部25が再決定した各データの配置に従い、出力装置4を介して表示対象データのラベルの一覧表を提示する。この一覧表では、行方向における注目データを含むグループ(出演者Aグループ)の列と、列方向における注目データを含むグループ(映画グループ)の列とが交わる箇所に、所望のデータの候補が配置される。
このように、本実施形態によれば、一般の表計算ソフトにおいても、第1の実施形態と同様の効果を生じさせることができる。また、表計算ソフトを用いて実現させた場合、対象データ記憶部31および属性重み記憶部32に記憶するデータも表形式で表現できることから、データを一覧表示で出力する表とそのためのデータを記憶する表とを同一ファイル内の異なるシートで管理するといった一元管理が可能になる。