JP2009263802A - 無機繊維シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】紡糸時の収縮や、シート形成時のひび割れを防止することにより、ある程度の面積をもつ無機繊維シートの製造方法を提供する。
【解決手段】前記製造方法は、無機系ゾルからなる紡糸原液を静電紡糸法により紡糸し、無機繊維シートを製造する方法であって、前記紡糸原液を湿度40%以下の雰囲気に供給し、形成したゲル繊維を、前記供給雰囲気湿度よりも10%以上高い高湿度雰囲気に曝した後に集積して繊維ウエブを形成し、その後、焼成することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、無機繊維シートの製造方法に関する。
無機繊維シートは、例えば、電子材料、電池材料、表示材料、耐熱性構造材料、触媒などに好適に使用することができる。
無機繊維シートの製造方法として、特許文献1には、「(1)無機成分を主体とするゾル溶液を形成する工程、(2)前記ゾル溶液をノズルから押し出すとともに、押し出したゾル溶液に電界を作用させることにより細くして、無機系ゲル状細繊維を形成し、支持体上に無機系ゲル状細繊維を集積させる工程、及び(3)前記集積させた無機系ゲル状細繊維を焼結して、無機系焼結細繊維を含む無機系構造体を形成する工程を含むことを特徴とする、無機系構造体の製造方法」(請求項2)が開示され、この方法によれば、シリカ繊維からなるシートを製造できることが開示されている。
また、特許文献2には、「(1)無機成分を主体とするゾル溶液を形成するゾル溶液調製工程、(2)前記ゾル溶液をノズルから押し出すとともに、押し出したゾル溶液に電界を作用させることにより繊維化して、無機系ゲル状繊維を形成し、200m/min.以上の速さで移動する支持体上に無機系ゲル状繊維を集積させて無機系ゲル状繊維シートを形成する集積工程、(3)前記無機系ゲル状繊維シートを乾燥して無機系乾燥ゲル状繊維シートを形成する乾燥工程、(4)前記無機系ゲル状繊維シート又は無機系乾燥ゲル状繊維シートを焼結する工程、を含む無機系繊維シートの製造方法」(請求項6、7)が開示され、「紡糸室4の相対湿度は60%以下に設定されているのが好ましく、50%以下に設定されているのがより好ましい」(段落0083)こと、「この集積工程は温度23℃、相対湿度45%に設定された紡糸室内で実施し」(段落0087)、シリカ長繊維シートを製造できることが開示されている。
また、特許文献3には、「(1)無機成分を主体とするゾル溶液を形成するゾル溶液調製工程、(2)前記ゾル溶液をノズルから押し出すとともに、押し出したゾル溶液に電界を作用させることにより繊維化して、無機系ゲル状長繊維を形成する繊維化工程、(3)200m/min.以上の速さで移動する支持体上に、前記無機系ゲル状長繊維を集積させる集積工程、(4)前記集積させた無機系ゲル状長繊維を乾燥して無機系乾燥ゲル状長繊維を形成する乾燥工程、(5)前記無機系乾燥ゲル状長繊維を焼結して無機系焼結長繊維を形成する焼結工程、(6)前記無機系焼結長繊維を所望長さに切断して無機系焼結短繊維を形成する切断工程、とを含むことを特徴とする、無機系短繊維の製造方法」(請求項6)が開示され、「温度が25℃前後で、相対湿度が60%以下(より好ましくは50%以下)の雰囲気下で実施するのが好ましい。このような雰囲気は、例えば、ノズル周囲を覆う紡糸室を設け、紡糸室内の温度及び相対湿度を調節して作り出すことができる」(段落0045)こと、「この繊維化工程及び集積工程は温度23℃、相対湿度45%に設定された紡糸室内で実施し」(段落0078)、シリカ短繊維を製造できることが開示されている。
このように、特許文献1〜3に記載の製造方法では、シリカ繊維を製造することはできたが、シリカ成分を含まないその他の無機繊維を製造した場合に、紡糸時に収縮し、シート形成時にひび割れを生じ、ある程度の大きさをもつ無機繊維シートを得ることができない場合があった。
更に、特許文献4には、「紡糸容器内において紡糸原液を紡糸原液供給部から吐出するとともに、吐出した紡糸原液に電界を作用させて延伸し、繊維化する繊維の製造方法において、所望相対湿度のガスを供給して、紡糸原液供給部周辺のみを所望相対湿度に維持することを特徴とする、繊維の製造方法」(請求項1)、「紡糸原液が溶媒として水への溶解性が100g/100ml以上のものを主体として用いたものであり、しかも所望相対湿度のガスが相対湿度20%以下のガスであることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の繊維の製造方法」(請求項3)、「紡糸原液が溶媒として水を主体として用いたものであり、しかも所望相対湿度のガスが相対湿度40〜70%のガスであることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の繊維の製造方法」(請求項5)が開示されている。また、特許文献4には、「全体用ガス供給装置70から所望相対湿度のガスを紡糸容器6へ供給することにより、ノズル周辺以外における紡糸容器6内の雰囲気を、所望相対湿度(ノズル2の周辺における所望相対湿度と同じ、又は異なる所望相対湿度)とすることができ、ノズル2の周辺における相対湿度の管理がしやすい。」(段落0047)、「・・(前略)・・局所用ガス供給装置7から相対湿度15%に設定した調湿エアを50L/分で整流容器5へそれぞれ供給(風量の変化率:±1%以下)し、通気性壁面5a(不織布)を介して紡糸原液の吐出方向と同じ方向に調湿エアをそれぞれ供給して、いずれのノズルの周辺も相対湿度15%(湿度変化±0.5%以下)に維持するとともに、全体用ガス供給装置70から相対湿度30%のエアを3m/分で紡糸容器6へ供給(風量の変化率:±1%以下)して、紡糸容器6内の相対湿度を29.3〜31.5%に維持した。」(段落0064)と記載されているように、ノズル周辺の湿度と紡糸容器内の湿度が異なることが開示されているものの、「樹脂は特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレングリコール、部分けん化ポリビニルアルコール、完全けん化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、或いはポリプロピレンなどを使用できる。」(段落0020)と記載されているように、有機系樹脂を想定しており、無機系ゾルを想定したものではない。
特開2003−73964号公報 特開2004−183131号公報 特開2004−183132号公報 特開2005−264401号公報
本発明の課題は、紡糸時の収縮や、シート形成時のひび割れを防止することにより、ある程度の面積をもつ無機繊維シートの製造方法を提供することにある。
前記課題は、本発明による、無機系ゾルからなる紡糸原液を静電紡糸法により紡糸し、無機繊維シートを製造する方法であって、前記紡糸原液を湿度40%以下の雰囲気に供給し、形成したゲル繊維を、前記供給雰囲気湿度よりも10%以上高い高湿度雰囲気に曝した後に集積して繊維ウエブを形成し、その後、焼成することを特徴とする、無機繊維シートの製造方法により解決することができる。
本発明の製造方法の好ましい態様によれば、高湿度雰囲気の湿度が50%以上である。
なお、本明細書において、「湿度」とは相対湿度を意味する。
本発明によれば、供給雰囲気湿度を40%以下とすることにより、供給部におけるゾル−ゲル反応、つまり、加水分解・縮重合反応の進行を抑制し、連続供給性(紡糸性)を確保することができると共に、高湿度の雰囲気に曝すことによって、飛翔中にゲル繊維のゾル−ゲル反応を進行させることができ、繊維ウエブの収縮を抑制し、繊維ウエブのひび割れを防止することができる。結果として、面積の広い無機繊維シートを製造することができる。
本発明の製造方法で用いる無機系ゾルとしては、例えば、アルミナゾル、チタニアゾル、ジルコニアゾル、スズゾル等を挙げることができ、シリカゾルも使用可能である。これらの無機系ゾルは曳糸性を示す紡糸原液を作製することができるため、有機ポリマーを混合する必要がない。従って、本発明の製造方法によれば、有機ポリマーを混合した場合の焼成時における収縮や、曳糸性を示さないゾルを用いた場合の焼成後の無機繊維シートの強度が弱いといった欠点を示すことがない。なお、無機系ゾルは単独でも使用することができるし、2種類以上の無機系ゾルを混合して使用することもできる。
曵糸性を示す無機系ゾルは、水及び溶媒の量、触媒の種類と量、配位子の種類と量を適切に調整した上で、反応時間・温度等の条件を調節し、反応が低次元で進行するようにすることによって作製することができる。この作製条件は、使用する原料の金属元素の種類、アルコキシドの場合はアルコキシ基の種類等により変わるため、適宜調整する。
前記触媒としては、例えば、塩酸、硝酸などを使用することができる。
また、紡糸原液中に配位子を含んでいると、ゾル−ゲル反応の進行をある程度制御することができ、曳糸性ゾル溶液の寿命を延ばすことができ、また、非常に反応性の高い原料であるアルコキシドを用いても曳糸性ゾルを作製することができる。前記配位子としては、例えば、グリコール類(例えば、ジエチレングリコール)、β-ジケトン類(例えば、アセチルアセトン)、アルカノールアミン類(例えば、ジエタノールアミン)などを使用することができる。
本発明の製造方法では、紡糸原液の供給部として、従来公知の静電紡糸法で使用している供給部を使用することができる。
静電紡糸法によれば、連続しており、しかも細くて表面積の広い無機繊維を製造できるため、無機繊維の特性を活かしやすい無機繊維シートを製造しやすい。
静電紡糸法の供給部としては、例えば、ノズル、ワイヤー、シリンダなどを使用することができる。
供給雰囲気の湿度は、供給部におけるゾル−ゲル反応の進行を抑制し、連続供給性(紡糸性)を確保できるように、湿度は40%以下であり、30%以下であることが好ましい。このような雰囲気湿度は、例えば、供給部を囲いで覆った状態で、湿度40%以下のガスを供給部周辺へ供給することによって達成することができる。
一方、形成したゲル繊維を曝す高湿度雰囲気の湿度は、飛翔中にゲル繊維のゾル−ゲル反応を進行させることにより、繊維ウエブの収縮を抑制し、繊維ウエブのひび割れを防止できるように、前記の供給雰囲気湿度よりも10%以上高い湿度であり、20%以上高い湿度であることが好ましい。ゲル繊維のゾル−ゲル反応を十分に進行させることができる点で、特に、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
このような雰囲気湿度は、例えば、ゲル繊維の飛翔空間へ高湿度ガスを供給したり、供給部、集積部を含む飛翔空間全体を紡糸容器内に収納し、紡糸容器内に高湿度ガスを供給することによって作り出すことができる。
高湿度雰囲気に曝したゲル繊維を、適当な捕集体(例えば、シリンダー、コンベア等)上に集積することにより、繊維ウエブを形成することができる。
静電紡糸法の場合、捕集体が導電性であれば対向電極として作用する。捕集体が導電性でない場合には、別に対向電極を設置する。
繊維ウエブの焼成は、例えば、200〜2000℃で実施することができる。
昇温速度は10〜1000℃/時間で、焼成時間は10分〜10時間(好ましくは30分〜2時間)が適当である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1:酸化チタン繊維シートの製造(1)》
0.1mol/Lの濃度となるようにチタンテトライソプロポキシド[Ti(OC)]を2−エトキシメタノール50mLに溶解し、続いて0.01mol/L硝酸を加えた。この溶液を撹拌しながら温度80℃に加熱し、ゾル−ゲル反応を進行させるとともに濃縮を行い、紡糸原液を得た。この紡糸原液の粘度は400mPa・s、固形分濃度は33wt%であった。
この紡糸原液を静電紡糸法により、温湿度25℃/30%RHの紡糸雰囲気下にノズルから吐出するとともに、吐出して形成したゲル繊維を温湿度25℃/50%RHの高湿度雰囲気を通過させた後に、金属板上に集積し、平均繊維径550nmのゲル繊維からなるゲル繊維シートを形成した。なお、紡糸雰囲気はノズル後方に設置した円筒から、温湿度25℃/30%RHに調湿した空気を50mL/分で送ることにより制御し、高湿度雰囲気はノズル及び金属板を容積1mのアクリルボックス内に設置し、ボックス内に25℃/50%RHに調湿した空気を1m/分で送ることで制御した。また、静電紡糸は、吐出量1g/時間、ノズル内径0.25mm、ノズル先端と金属板との距離10cm、印加電圧+8kVの条件で行った。更に、ゲル繊維シートの目付が10g/mでサイズ約15cm角となるように、ノズルを往復移動させた。
このゲル繊維シートを15時間室内(25℃/40%RH)に放置したところ、ゲル繊維シートのいずれの方向の1辺の長さも約15%収縮したが、ゲル繊維シートにヒビ割れは見られなかった。
次いで、ゲル繊維シートを電気炉にて600℃で焼成し、酸化チタン繊維シート(平均繊維径:500nm、目付:16g/m、シートサイズ:約9cm角)を得た。昇温速度は300℃/時間、焼成時間は4時間とした。なお、焼成により酸化チタン繊維シートのいずれの方向の1辺の長さも約30%収縮したが、酸化チタン繊維シートにヒビ割れは見られなかった。
《実施例2:酸化チタン繊維シートの製造(2)》
アクリルボックス内の紡糸雰囲気を25℃/60%RHとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル繊維シートを作製した。ゲル繊維シートを15時間室内(25℃/40%RH)に放置したところ、ゲル繊維シートのいずれの方向の1辺の長さも約12%収縮したが、ゲル繊維シートにヒビ割れは見られなかった。
次いで、実施例1と同様に焼成を行い、酸化チタン繊維シート(平均繊維径:500nm、目付:15g/m、シートサイズ:約10cm角)を得た。焼成により酸化チタン繊維シートのいずれの方向の1辺の長さも約26%収縮したが、酸化チタン繊維シートにヒビ割れは見られなかった。
《比較例1》
ノズル先端の紡糸雰囲気を25℃/30%RHとし、アクリルボックス内の雰囲気を25℃/10%RHとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル繊維シートを作製した。ゲル繊維シートを15時間室内(25℃/40%RH)に放置したところ、ゲル繊維シートが収縮するとともにヒビ割れを生じ、1cm角以下のサイズに砕けてしまった。
《比較例2》
アクリルボックス内の雰囲気を25℃/30%RHとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル繊維シートを作製した。ゲル繊維シートを15時間室内(25℃/40%RH)に放置したところ、ゲル繊維シートが収縮するとともにヒビ割れを生じ、3cm角以下のサイズに砕けてしまった。
《比較例3》
ノズル先端の紡糸雰囲気を25℃/50%RHとしたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル繊維シートを作製しようとしたが、吐出された紡糸原液がノズル先端で固化し、連続して紡糸することができなかった。
《実施例3:酸化スズ繊維シートの製造》
塩化スズ(SnCl)10gをメタノール100mLに溶解し、40℃で1日間反応させた後、エバポレーターにて濃縮を行い、紡糸原液を得た。この紡糸原液の固形分濃度は47wt%、粘度は110mPa・sであった。
この紡糸原液を静電紡糸法により、温湿度25℃/20%RHの紡糸雰囲気下にノズルから吐出するとともに、吐出して形成したゲル繊維を温湿度25℃/50%RHの高湿度雰囲気を通過させた後に、金属板上に集積し、平均繊維径250nmのゲル繊維からなるゲル繊維シートを形成した。なお、紡糸雰囲気はノズル後方に設置した円筒から、温湿度25℃/20%RHに調湿した空気を50mL/分で送ることにより制御し、高湿度雰囲気はノズル及び金属板を容積1mのアクリルボックス内に設置し、ボックス内に25℃/50%RHに調湿した空気を1m/分で送ることで制御した。また、静電紡糸は、吐出量0.5g/時間、ノズル内径0.25mm、ノズル先端と金属板との距離7cm、印加電圧+20kVの条件で行った。更に、ゲル繊維シートの目付が10g/mでサイズ約10cm角となるように、ノズルを往復移動させた。
このゲル繊維シートを15時間室内(25℃/40%RH)に放置したところ、ゲル繊維シートのいずれの方向の1辺の長さも約10%収縮したが、ゲル繊維シートにヒビ割れは見られなかった。
次いで、ゲル繊維シートを電気炉にて450℃で焼成し、酸化スズ繊維シート(平均繊維径:250nm、目付:8g/m、シートサイズ:約7.5cm角)を得た。昇温速度は450℃/時間、焼成時間は1時間とした。なお、焼成により酸化スズ繊維シートのいずれの方向の1辺の長さも約17%収縮したが、酸化スズ繊維シートにヒビ割れは見られなかった。
《比較例4》
ノズル先端の紡糸雰囲気を25℃/20%RHとし、アクリルボックス内の雰囲気を25℃/20%RHとしたこと以外は、実施例3と同様にして、ゲル繊維シートを作製した。ゲル繊維シートを15時間室内(25℃/40%RH)に放置したところ、ゲル繊維シートが収縮するとともにヒビ割れを生じ、1cm角以下のサイズに砕けてしまった。
《比較例5》
ノズル先端の紡糸雰囲気を25℃/50%RHとしたこと以外は、実施例3と同様にして、ゲル繊維シートを作製しようとしたが、吐出された紡糸原液がノズル先端で固化し、連続して紡糸することができなかった。
《実施例4:酸化ジルコニウム繊維シートの製造》
ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド[Zr(OnC]:エタノール:アセト酢酸エチル:水:硝酸=1:10:1:2:0.1となるように原料液を配合し、紡糸原液を調製した。この紡糸原液の調製は次の手順で行った。まず、全量の1/3のエタノールにZr(OnCを混合した溶液中に、1/3のエタノールにアセト酢酸エチルを溶解した溶液を滴下した後、60℃で90分間撹拌した。次いで、この溶液中に、1/3のエタノールに水と硝酸を混合した溶液を滴下した後、60℃で3日間撹拌し、続いて60℃で濃縮することにより、固形分濃度45wt%、粘度300mPa・sの紡糸原液を得た。
この紡糸原液を静電紡糸法により、温湿度25℃/20%RHの紡糸雰囲気下にノズルから吐出するとともに、吐出して形成したゲル繊維を温湿度25℃/50%RHの高湿度雰囲気を通過させた後に、金属板上に集積し、平均繊維径600nmのゲル繊維からなるゲル繊維シートを形成した。なお、紡糸雰囲気はノズル後方に設置した円筒から、温湿度25℃/20%RHに調湿した空気を50mL/分で送ることにより制御し、高湿度雰囲気はノズル及び金属板を容積1mのアクリルボックス内に設置し、ボックス内に25℃/50%RHに調湿した空気を1m/分で送ることで制御した。また、静電紡糸は、吐出量0.5g/時間、ノズル内径0.25mm、ノズル先端と金属板との距離10cm、印加電圧+12kVの条件で行った。更に、ゲル繊維シートの目付が10g/mでサイズ約10cm角となるように、ノズルを往復移動させた。
このゲル繊維シートを15時間室内(25℃/40%RH)に放置したところ、ゲル繊維シートのいずれの方向の1辺の長さも約5%収縮したが、ゲル繊維シートにヒビ割れは見られなかった。
次いで、ゲル繊維シートを電気炉にて600℃で焼成し、酸化ジルコニウム繊維シート(平均繊維径:450nm、目付:11g/m、シートサイズ:約6cm角)を得た。昇温速度は300℃/時間、焼成時間は2時間とした。なお、焼成により酸化ジルコニウム繊維シートのいずれの方向の1辺の長さも約22%収縮したが、酸化ジルコニウム繊維シートにヒビ割れは見られなかった。
《比較例6》
ノズル先端の紡糸雰囲気を25℃/50%RHとしたこと以外は、実施例4と同様にして、ゲル繊維シートを作製しようとしたが、吐出された紡糸原液がノズル先端で固化し、連続して紡糸することができなかった。
本発明の製造方法により得られる無機繊維シートは、例えば、電子材料、電池材料、表示材料、耐熱性構造材料、触媒などの用途に適用することができる。

Claims (2)

  1. 無機系ゾルからなる紡糸原液を静電紡糸法により紡糸し、無機繊維シートを製造する方法であって、前記紡糸原液を湿度40%以下の雰囲気に供給し、形成したゲル繊維を、前記供給雰囲気湿度よりも10%以上高い高湿度雰囲気に曝した後に集積して繊維ウエブを形成し、その後、焼成することを特徴とする、無機繊維シートの製造方法。
  2. 高湿度雰囲気の湿度が50%以上である、請求項1に記載の製造方法。
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