JP2009263577A - 摩擦調整材、その製造方法および摩擦材 - Google Patents

摩擦調整材、その製造方法および摩擦材 Download PDF

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Abstract

【課題】
アンチモン化合物を用いなくとも、高温摺動時における摩擦材の摩耗量を低減するとともに摩擦材の摩擦係数低下を抑制し得る多孔質な摩擦調整材を提供する。
【解決手段】
層状粘土鉱物中にチタニア粒子を含むチタニア粒子−層状粘土鉱物複合体を含む摩擦調整材であって、前記チタニア粒子の平均粒径が3〜100nmで、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体に対するチタニア粒子の存在比が、質量基準で0.1〜0.8であることを特徴とする摩擦調整材である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、摩擦調整材、その製造方法および摩擦材に関する。
さらに詳しくは、本発明は、自動車、鉄道車両、産業機械等のブレーキ用摩擦材や、自動車のクラッチフェーシングの摩擦材に好適に使用し得る摩擦調整材、その製造方法および摩擦材に関するものである。
近年、摩擦調整成分として層状粘土鉱物であるゼオライトと、酸化アンチモン等を使用することにより、制動時におけるノイズの発生を抑制したブレーキ用摩擦材が開発されるに至っている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示されている摩擦材は、酸化アンチモンの配合量が2質量%を超えると耐フェード性が低下してしまい、また、アンチモン化合物は、それ自体が環境保護の観点から制定されたPRTR(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律)の指定物質であることから、近年においては、アンチモン化合物を含まない摩擦材が求められるようになってきている。
特開2001−181607号公報
本発明は、このような事情のもとで、アンチモン化合物を用いなくとも、高温摺動時における摩擦材の摩耗量を低減するとともに摩擦材の摩擦係数低下を抑制し得る多孔質な摩擦調整材、該摩擦調整材の製造方法および前記摩擦調整材を含んでなる摩擦材を提供することを目的とするものである。
本発明者等が鋭意研究を重ねた結果、層状粘土鉱物中にチタニア粒子を含むチタニア粒子−層状粘土鉱物複合体を含む摩擦調整材であって、前記チタニア粒子の平均粒径が3〜100nmで、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体に対するチタニア粒子の存在比が、質量基準で0.1〜0.8である摩擦調整材により前記目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)層状粘土鉱物中にチタニア粒子を含むチタニア粒子−層状粘土鉱物複合体を含む摩擦調整材であって、
前記チタニア粒子の平均粒径が3〜100nmで、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体中に対するチタニア粒子の存在比が、質量基準で0.1〜0.8であることを特徴とする摩擦調整材、
(2)加水分解性基または水酸基を有し、分子内の総炭素数が0〜60であるチタン化合物を、水性媒体中で層状粘土鉱物と接触させた後、得られた固形分を500℃以上で加熱処理して、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体を含む摩擦調整材を得ることを特徴とする上記(1)に記載の摩擦調整材の製造方法、
(3)前記加水分解性基の炭素数が1〜15である上記(2)に記載の摩擦調整材の製造方法、
(4)上記(1)に記載された摩擦調整材または上記(2)若しくは(3)に記載の方法により得られた摩擦調整材を含み、アンチモン化合物を含まないことを特徴とする摩擦材、および
(5)前記摩擦調整材を0.5〜20質量%含み、さらに繊維補強材、バインダー樹脂および充填材を含む上記(4)に記載の摩擦材
を提供するものである。
本発明によれば、アンチモン化合物を用いなくとも、高温摺動時における摩擦材の摩耗量を低減するとともに摩擦材の摩擦係数低下を抑制し得る多孔質な摩擦調整材を提供することができる。また、本発明によれば、上記摩擦調整材の製造方法および上記摩擦調整材を含んでなる摩擦材を提供することができる。
本発明の摩擦調整材は、層状粘土鉱物中にチタニア粒子を含むチタニア粒子−層状粘土鉱物複合体を含む摩擦調整材であって、前記チタニア粒子の平均粒径が3〜100nmで、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体に対するチタニア粒子の存在比が、質量基準で0.1〜0.8であることを特徴とするものである。
本発明の摩擦調整材において、層状粘土鉱物としては、陽イオン交換能を有する、天然粘土鉱物および合成粘土鉱物を挙げることができる。上記天然粘土鉱物および合成粘土鉱物としては、カオリナイト、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、脆雲母、緑泥石等を挙げることができ、スメクタイトとしては、モンモリロナイト、サポナイト、パイデライト、ノントロナイト等を挙げることができる。
また、雲母をフッ素処理した合成フッ素雲母等を挙げることもでき、この合成フッ素雲母は、品質のバラツキが小さいことから層状粘土鉱物として好適であり、合成フッ素雲母としては、ナトリウム四ケイ酸フッ素雲母(NaMg2.5Si10)を例示することができる。これらの層状粘土鉱物は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の摩擦調整材において、チタニア粒子としては、結晶性のものが好ましく、アナターゼ型を主結晶相として有するもの、アナターゼ型およびルチル型が混在した結晶相を有するものが好ましい。
また、本発明の摩擦調整材において、チタニア粒子の平均粒径は3〜100nmであり、5〜80nmであることが好ましく、8〜50nmであることがより好ましい。なお、本明細書において、平均粒径とは体積平均粒径を意味し、体積平均粒径は、例えば電子顕微鏡等で測定することができる。
本発明の摩擦調整材において、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体に対するチタニア粒子の存在比は、質量基準で、0.1〜0.8であり、0.2〜0.7であることが好ましく、0.3〜0.65であることがより好ましい。
本発明の摩擦調整材は、特定粒径を有するチタニア粒子を特定割合で含むものであるため、アンチモン化合物を用いなくても、高温摺動時における摩擦材の摩耗量を低減するとともに摩擦材の摩擦係数低下を抑制することができる。
本発明の摩擦調整材において、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体は、層状粘土鉱物の層間にチタニア粒子が挿入された構造を有するものであることが好ましい。
本発明の摩擦調整材を構成するチタニア粒子−層状粘土鉱物複合体は、多孔質なものであって、気孔径が2nm超50nm以下であるメソ気孔が層間に多数形成されてなる。
本発明の摩擦調整材を構成するチタニア粒子−層状粘土鉱物複合体は、電子顕微鏡で測定したときの平均細孔径が2〜80nmであるものが好ましく、3〜50nmであるものがより好ましく、5〜30nmであるものがさらに好ましい。また、上記チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体は、窒素吸着法で測定したときの比表面積が10〜300m/gであるものが好ましく、15〜250m/gであるものがより好ましく、20〜200m/gであるものがさらに好ましい。
本発明の摩擦調整材は、メソ気孔を多数有することにより、摩擦係数を高い状態で維持することができる。
本発明の摩擦調整材において、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体は、層状粘土鉱物の層間にチタニア粒子が挿入され、層間隔を押し広げることにより、気孔径が2nm以下であるミクロ気孔や気孔径が2nm超50nm以下であるメソ気孔が多数形成された多孔質な構造を有すると考えられる。
本発明の摩擦調整材は、平均粒径が1〜30μmであることが好ましく、1〜10μmであることがより好ましく、1〜5μmであることがさらに好ましい。
次に、本発明の摩擦調整材の製造方法について説明する。
本発明の摩擦調整材の製造方法は、加水分解性基または水酸基を有し、分子内の総炭素数が0〜60であるチタン化合物を、水性媒体中で層状粘土鉱物と接触させた後、得られた固形分を500℃以上で加熱処理して、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体を含む摩擦調整材を得ることを特徴とするものである。
本発明の方法において、原料として用いる層状粘土鉱物としては、上述の本発明の摩擦調整材で説明したものを挙げることができる。
上記チタン化合物としては、式
TiX4−n
(式中、nは0〜3の整数であり、Rは、炭化水素基であり、官能基を含有していてもよく、Xは、加水分解性基または水酸基であり、RおよびXのいずれかが複数ある場合、RおよびXは同一であっても異なっていてもよく、RおよびXの総炭素数が0〜60であるものである。)
で表されるものを用いることが好ましい。
上記RTiX4−nで表されるチタン化合物において、nは0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0〜1の整数であることがより好ましい。
上記RTiX4−nで表されるチタン化合物において、Rは炭化水素基である。炭化水素基としては、直鎖または分岐鎖を有する飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基を挙げることができ、これら炭化水素基は一価のものでも多価のものでもよい。
炭化水素基の炭素数は、脂肪族炭化水素基である場合は、1〜15、特に1〜10が好ましく、芳香族炭化水素基である場合は、6〜15、特に6〜10が好ましく、脂環式炭化水素である場合は、3〜15個、特に3〜10個が好ましい。
また、上記炭化水素基は、官能基を含有していてもよく、官能基としては、ビニル基、エステル基、エーテル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、メルカプト基、スルホニル基、スルフェニル基、ニトロ基、ニトロソ基、ニトリル基、ハロゲン原子、水酸基等を挙げることができる。
上記チタン化合物において、Rが複数ある場合、Rは同一であっても異なっていてもよい。
上記RTiX4−nで表されるチタン化合物において、Xは、加水分解性基または水酸基であり、加水分解性基は、炭素数が1〜15であるものが好ましく、2〜10であるものがより好ましく、3〜8であるものがさらに好ましい。
加水分解性基としては、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、ケトオキシム基、アシルオキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、ハロゲン原子を挙げることができる。好ましいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができ、好ましいアルケニルオキシ基としては、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基等を挙げることができ、好ましいアシルオキシ基としては、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基等を挙げることができる。
上記チタン化合物において、Xが複数ある場合、Xは同一であっても異なっていてもよい。
上記RTiX4−nで表されるチタン化合物は、RおよびXの総炭素数が0〜60であるものであり、4〜40であるものが好ましく、4〜30であるものがより好ましい。
上記RTiX4−nで表されるチタン化合物としては、テトラアルコキシチタンが好ましく、具体的には、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニウムテトラクロリド等を挙げることができる。
上記チタン化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の方法において、チタン化合物は、加熱処理後におけるチタニア粒子の存在比が、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体に対する質量比で、0.1〜0.8となるように使用することが好ましく、0.2〜0.7となるように使用することがより好ましく、0.3〜0.65となるように使用することがさらに好ましい。
本発明の方法において、層状粘土鉱物およびチタン化合物は、水性媒体中で接触させるが、水性媒体としては、水、水と低級アルコール(メタノール、エタノールなど)との混合物等を挙げることができる
本発明の方法において、層状粘土鉱物およびチタン化合物を接触させる方法としては、例えば、水等で膨潤、分散させた層状粘土鉱物と、酢酸水溶液等で希釈したチタン化合物とを、室温または加熱条件下で混合、攪拌する方法を挙げることができる。
層状粘土鉱物を水で膨潤、分散する場合、層状粘土鉱物の濃度は0.1〜5質量%であることが好ましく、0.5〜3質量%であることがより好ましく、1〜2質量%であることがさらに好ましい。
また、層状粘土鉱物とチタン化合物とを混合する際には、さらに、発泡剤、分散剤などの添加剤を加えてもよい。発泡剤としては、重曹、アゾジカルボンアミド、N、N’−ジニトロソペンタメチルテトラミン等を挙げることができ、また、分散剤としては、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等を挙げることができる。
層状粘土鉱物は、結晶構造が繊維状あるいは平板状であって、その構造は約1000℃程度まで維持されるが、上述したような方法により層状粘土鉱物とチタン化合物とを反応させる場合には、チタン化合物の疎水基の耐熱性を考慮して、混合、攪拌時の温度を決定する必要があり、層状粘土鉱物とチタン化合物との反応温度としては、室温〜100℃程度が好ましい。また、反応時間は10〜300分が好ましい。
上述した方法により層状粘土鉱物とチタン化合物を接触させた後、得られた固形分を500℃超で加熱処理する。加熱処理温度は700℃以上が好ましい。加熱処理温度は高いほど好ましいが、加熱処理に用いる炉の耐久性を考慮すると、加熱処理温度は900℃以下であることが好ましい。加熱処理時間は0.5〜72時間が好ましく、1〜24時間がより好ましく、2〜12時間がさらに好ましい。
上記固形分の加熱処理物に、その後、適宜粉砕、分級処理を加えることにより、所望粒径を有するチタニア粒子−層状粘土鉱物複合体を得ることが可能になる。
次に、本発明の摩擦材について説明する。
本発明の摩擦材は、本発明の摩擦調整材または本発明の方法により得られた摩擦調整材を含み、アンチモン化合物を含まないことを特徴とするものである。本発明の摩擦材で用いる摩擦調整材の好ましい態様は、上述の本発明の摩擦調整材および本発明の摩擦調整材の製造方法で説明したとおりである。
本発明の摩擦材は、本発明の摩擦調整材をまたは本発明の方法により得られた摩擦調整材含み、アンチモン化合物を含まないことにより、摩擦係数低下を抑制しつつ、環境負荷を低減することができる。
本発明の摩擦材は、上記摩擦調整材を0.5〜20質量%含み、さらに繊維補強材、バインダー樹脂および充填材を含むものであることが好ましい。
本発明の摩擦材は、摩擦調整材を1〜15質量%含むものであることがより好ましく、2〜10質量%含むものであることがさらに好ましい。
本発明の摩擦材において、繊維補強材としては、有機繊維からなる補強材や無機繊維からなる補強材を挙げることができる。
有機繊維からなる補強材としては、高強度の芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、耐炎化アクリル繊維、ポリイミド繊維、ポリアクリレート繊維、ポリエステル繊維などからなるものを挙げることができる。上記アラミド繊維としては、デュポン社製「ケブラー」などを挙げることができる。
一方、無機繊維からなる補強材としては、チタン酸カリウム繊維や炭化珪素繊維、ワラストナイトなどの無機繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの他、アルミナシリカ系繊維などのセラミック繊維、アルミニウム繊維、ステンレス繊維、銅繊維、黄銅繊維、ニッケル繊維などの金属繊維等からなるものを挙げることができる。
本発明の摩擦材において、繊維補強材の含有量は2〜50質量%であることが好ましく、3〜40質量%であることがより好ましく、5〜30質量%であることがさらに好ましい。
本発明の摩擦材において、バインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂とポリエステル樹脂の混合物、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール等の熱可塑性樹脂から選ばれる1種以上を挙げることができる。
本発明の摩擦材において、バインダー樹脂として用いられるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの縮合反応物、ビスフェノールFとエピクロロヒドリンとの縮合反応物等のグリシジルエーテル型樹脂、グリシジルエステル樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、ブロムエポキシ樹脂、フェノール−ノボラック型またはクレゾール−ノボラック型のエポキシ樹脂等を挙げることができ、これらのエポキシ樹脂のうち、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの縮合反応物、またはビスフェノールFとエピクロロヒドリンとの縮合反応物等のグリシジルエーテル型樹脂が好ましい。
具体的には、東都化成社製「エポトート YD903N、YD 128、YD14、PN639、CN701、NT114、ST−5080、ST−5100、ST−4100D」、ダイセル化学社製「EITPA3150」、チバ・ガイギー社製「アルダイトCY179、PT810、PT910、GY6084」、ナガセ化成社製「テコナールEX711」、大日本インキ社製「エピクロン 4055RP、N680、HP4032、N−695、HP7200H」、油化シェルエポキシ社製「エピコート1001、1002、1003、1004、1007」、ダウ・ケミカル社製「DER662」、日本化薬社製「EPPN201、202、EOCN1020、102S」等を挙げることができる。
本発明の摩擦材において、バインダー樹脂として用いられるポリエステル樹脂は、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、β−オキシプロピオン酸等のカルボン酸とを常法に従って重合させて得たものが挙げられる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量は、500〜100,000が好ましく、2,000〜80,000がより好ましい。ポリエステル樹脂の水酸基価は、0〜300mgKOH/gが好ましく、30〜120mgKOH/gがより好ましい。また、ポリエステル樹脂の酸価は、0〜200mgKOH/gが好ましく、10〜100mgKOH/gがより好ましい。ポリエステル樹脂の融点は、50〜200℃が好ましく、80〜150℃がより好ましい。
具体的には、ダイセルUCB社製「クリルコート341、7620、7630」、大日本インキ社製「ファインディックM−8010、8020、8024、8710」、日本ユピカ社製「ユピカコートGV110、230」、日本エステル社製の「ER6570」、ヒュルス社製の「VESTAGON EP−P100」等を挙げることができる。
本発明の摩擦材において、バインダー樹脂として用いられるエポキシ樹脂とポリエステル樹脂の混合物としては、上記エポキシ樹脂およびポリエステル樹脂を所定量づつ配合したものを挙げることができ、このエポキシ樹脂とポリエステル樹脂の混合物において、ポリエステル樹脂の配合量は、組成物全量基準で、10〜90質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましく、30〜50質量%がさらに好ましい。
本発明の摩擦材において、バインダー樹脂として用いられるアクリル樹脂としては、アクリル酸またはその誘導体の重合物や、該アクリル酸またはその誘導体と他のモノマーとの共重合物を挙げることができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、n−ブチルアクリレート等のアクリル酸またはその誘導体からなるモノマーや、該モノマーとスチレンなどの他のモノマーを、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイドなどのラジカル開始剤を用いてラジカル重合したものを挙げることができる。具体的には、三洋化成工業社製「サンペックスPA−70」等を挙げることができる。
本発明の摩擦材において、バインダー樹脂として用いられるポリ塩化ビニルとしては、塩化ビニルモノマーの単独重合体や塩化ビニルモノマーと他のモノマーとの共重合体が挙げられ、各種の市販ポリ塩化ビニルが用いられるが、具体的には、ヴィテック社製、鐘淵化学工業社製、信越化学工業社製、新第一塩ビ社製、大洋塩ビ社製、東ソー社製のものを挙げることができる。また、粒状重合や乳濁重合により塩化ビニルモノマーを重合させてポリ塩化ビニルを作製する場合、塩化ビニルモノマーとしては、ヴィテック社製、鹿島塩ビモノマー社製、鐘淵化学工業社製、京葉モノマー社製、東ソー社製、トクヤマ社製のものを挙げることができる。
本発明の摩擦材において、バインダー樹脂として用いられるポリビニルブチラールは、ポリビニルアルコールにブチルアルデヒドを加えることにより得られる重合体であり、具体的には、積水化学工業社製「エスレック」等を挙げることができる。
また、本発明の摩擦材がバインダー樹脂として熱硬化性樹脂を含む場合、さらに硬化剤を含んでもよく、硬化剤としては、ポリアミン系、アミノアミド系、ブロックドイソシアネート系、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)系、エポキシ系(ポリエポキシド、エポキシ樹脂)のもの等が挙げられ、ポリアミン系、アミノアミド系およびブロックドイソシアネート系のものが特に好ましい。
本発明の摩擦材において、バインダー樹脂の含有量は2〜20質量%であることが好ましく、3〜18質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることがさらに好ましい。
本発明の方法において用いられる樹脂系塗料は、適宜着色顔料、防錆顔料または体質顔料等の顔料を含んでもよく、具体的には、酸化チタン、ベンガラ、酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系顔料、アゾ系顔料等の着色顔料、クロム系顔料、リン酸塩系顔料、モリブデン系顔料等の防錆顔料、タルク、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム等の体質顔料を挙げることができる。
本発明の摩擦材において、充填材としては、有機粒子からなるものや無機粒子からなるものを挙げることができる。
有機粒子からなるものとしては、ゴム粉末、カシュー粉末等を挙げることができる。
無機粒子からなるものとしては、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、マイカ、黒鉛、硫化スズ、二硫化タングステン、ジルコニア、アルミナ、シリカ、酸化マグネシウム、酸化鉄、銅、アルミニウム、亜鉛、真鍮、鋳鉄から選ばれる1種以上の材料からなるものを挙げることができる。
本発明の摩擦材において、充填材の含有量は0〜70質量%であることが好ましく、5〜60質量%であることがより好ましく、10〜50質量%であることがさらに好ましい。
本発明の摩擦材を製造する方法としては、例えば、本発明の摩擦調整材と、繊維補強材、充填材とをバインダー樹脂の存在下、適宜、溶融、混練する方法を挙げることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1(摩擦調整材の製造例)
層状粘土鉱物である合成フッ素雲母(コープケミカル社製、ME−100)を水性媒体である蒸留水中に投入し、室温下で24時間攪拌することにより、膨潤、分散させて、合成フッ素雲母を1質量%含有する合成フッ素雲母液を調製した。
一方、水性媒体である蒸留水に酢酸を加えて80質量%の酢酸水溶液を作製し、この酢酸水溶液に0.5Mの濃度になるようにテトラブトキシチタンを加え、60℃で1時間攪拌した後、冷却してチタニアゾル含有液を調製した。
上記合成フッ素雲母液とチタニアゾル含有液を用いて、加熱処理後におけるチタニア粒子の存在比が、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体に対する質量比で0.65となるように調整した混合液を作製し、3時間室温で攪拌した後、遠心分離して沈降物を回収し、pH>5になるまで蒸留水による水洗と遠心分離を繰り返した後、900℃で72時間加熱処理することにより、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体からなる摩擦調整材を得た。
上記摩擦調整材の断面を電子顕微鏡(Hitachi Hi−Tech社製HD−2000)により測定することにより、層状粘土鉱物複合体中のチタニア粒子の平均粒子径と層状粘土鉱物複合体の平均細孔径を求めたところ、それぞれ30nm、20nmであった。
また、上記層状粘土鉱物複合体の比表面積を、窒素吸着法により測定したところ、22.9m/gであった。結果を表1に示す。
実施例2(摩擦調整材の製造例)
テトラブトキシチタンに代えてテトラエトキシチタンを用い、加熱処理後におけるチタニア粒子の存在比が、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体に対する質量比で0.35となるように、合成フッ素雲母液とチタニアゾル含有液を混合して、得られた沈降物を600℃で72時間加熱処理した以外は、実施例1と同様にしてチタニア粒子−層状粘土鉱物複合体からなる摩擦調整材を得た。
得られた摩擦調整材を用いて、実施例1と同様にしてチタニア粒子の平均粒子径、層状粘土鉱物複合体の平均細孔径および比表面積を求めたところ、それぞれ、25nm、15nm、42.4m/gであった。結果を表1に示す。
実施例3(摩擦調整材の製造例)
層状粘土鉱物である合成フッ素雲母(コープケミカル社製、ME−100)10gを水性媒体である蒸留水1000g中に投入し、室温下で24時間攪拌することにより、膨潤、分散させて、合成フッ素雲母液を調製した。
一方、水性媒体である蒸留水100gに酢酸300gを加えて酢酸水溶液を作製し、この酢酸水溶液にチタンテトライソプロポキシド30gを加え、50℃で1時間攪拌して解膠した後、さらに室温で1時間攪拌してチタニアゾル解膠液を調製した。
上記合成フッ素雲母液とチタニアゾル解膠液を用いて、加熱処理後におけるチタニア粒子の存在比が、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体に対する質量比で0.5となるように調整した混合液を作製し、2時間室温で攪拌した後、遠心分離して得られた沈降物を水洗し、室温で24時間減圧乾燥した後に700℃で8時間加熱処理することにより、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体からなる摩擦調整材を得た。
上記摩擦調製材を用いて、実施例1と同様の方法によりチタニア粒子の平均粒子径、層状粘土鉱物複合体の平均細孔径および比表面積を求めたところ、それぞれ、15nm、10nm、104.8m/gであった。結果を表1に示す。
比較例1(比較摩擦調整材の製造例)
混合液として、加熱処理後におけるチタニア粒子の存在比が、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体に対する質量比で0.3となるように調整したものを用い、得られた沈降物を400℃で72時間加熱処理した以外は、実施例1と同様にしてチタニア粒子−層状粘土鉱物複合体からなる摩擦調整材を得た。
得られた摩擦調整材をX線回折装置(Shimadzu社製)で分析することにより、チタニア粒子の平均粒子径を測定したところ、層状物の層面間隔が2.5nmであったことから、2.5nmであると推定された。
また、層状粘土鉱物複合体の平均細孔径および比表面積を窒素吸着法により求めたところ、それぞれ、2.1nmおよび323.8m/gであった。結果を表1に示す。
比較例2(比較摩擦調整材の製造例)
テトラブトキシチタンに代えてテトラオクタデシルオキシチタンを用いて、加熱処理後におけるチタニア粒子の存在比が、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体に対する質量比で0.4となるように調整した混合液を作製して、得られた沈降物を500℃で72時間加熱処理した以外は、実施例1と同様にしてチタニア粒子−層状粘土鉱物複合体からなる摩擦調整材を得た。
得られた摩擦調整材を用いて、比較例1と同様の方法により、チタニア粒子の平均粒子径、層状粘土鉱物複合体の平均細孔径および比表面積を求めた。結果を表1に示す。
表1より、実施例1〜実施例3で得られた摩擦調整材は、比較例1〜比較例2で得られた摩擦調整材に比べ、層状粘土鉱物複合体の平均細孔径が大きいことから、メソ気孔が多数形成された多孔質な構造を有することが分かる。
実施例4(摩擦材の製造例)
(1)摩擦材の作製
摩擦材の配合材料として、実施例1で得られた摩擦調整材と、以下に示す原材料とを以下に示す割合で混合した後、150℃で10分間30MPaの圧力で熱成形しさらに250℃で3時間加熱処理を行うことによって得られた材料を用いて、縦65mm、横50mm、厚さ10mmの板状の摩擦材を作製した。
(摩擦材構成材料組成)
摩擦調整材 3重量部
フェノール樹脂 15重量部
ゴムダスト 7重量部
硫酸バリウム 35重量部
ジルコニア 1重量部
リン状黒鉛 4重量部
アラミドパルプ 10重量部
無機繊維 15重量部
金属粉 10重量部
(2)摩耗試験
(1)で得られた摩擦材を用いて、制動初速度を50km/h、制動減速度を0.3G、制動回数を200回とし、制動ブレーキ温度をそれぞれ100℃および400℃としたときの摩擦材の摩耗量(mm)を測定したところ、摩耗量は0.04mm(100℃)および0.19mm(400℃)であった。結果を表2に示す。
(3)フェード試験
(1)で得られた摩擦材を用いて、制動初速度を100km/h、制動減速度を0.45G、制動回数を9回としとしたときのフェード時の最低摩擦係数を測定したところ、最低摩擦係数は0.27であった。結果を表3に示す。
実施例5(摩擦材の製造例)
(1)摩擦材の作製
摩擦材の配合材料として、実施例1で得られた摩擦調整材に代えて実施例2で得られた摩擦調整材を用いた以外は、実施例4(1)と同様にして摩擦材を作製した。
(2)摩耗試験
(1)で得られた摩擦材を用いて、実施例4(2)と同様にして摩耗試験を行ったところ、摩耗量は0.04mm(100℃)および0.21mm(400℃)であった。結果を表2に示す。
(3)フェード試験
(1)で得られた摩擦材を用いて、実施例4(3)と同様にしてフェード試験を行ったところ、最低摩擦係数は0.27であった。結果を表3に示す。
比較例3(比較摩擦材の製造例)
(1)摩擦材の作製
摩擦材の配合材料として、実施例1で得られた摩擦調整材に代えて比較例1で得られた摩擦調整材を用いた以外は、実施例4(1)と同様にして摩擦材を作製した。
(2)摩耗試験
(1)で得られた摩擦材を用いて、実施例4(2)と同様にして摩耗試験を行ったところ、摩耗量は0.05mm(100℃)および0.23mm(400℃)であった。結果を表2に示す。
(3)フェード試験
(1)で得られた摩擦材を用いて、実施例4(3)と同様にしてフェード試験を行ったところ、最低摩擦係数は0.26であった。結果を表3に示す。
比較例4(比較摩擦材の製造例)
(1)摩擦材の作製
摩擦材の配合材料として、実施例1で得られた摩擦調整材に代えて比較例2で得られた摩擦調整材を用いた以外は、実施例4(1)と同様にして摩擦材を作製した。
(2)摩耗試験
(1)で得られた摩擦材を用いて、実施例4(2)と同様にして摩耗試験を行ったところ、摩耗量は0.06mm(100℃)および0.27mm(400℃)であった。結果を表2に示す。
(3)フェード試験
(1)で得られた摩擦材を用いて、実施例4(3)と同様にしてフェード試験を行ったところ、最低摩擦係数は0.23であった。結果を表3に示す。
表2より、実施例4および実施例5で得られた摩擦材の摩耗量は、比較例3および比較例4で得られた摩擦材の摩耗量よりも少ないことから、本発明の摩擦材は、高温摺動時における摩耗量を低減し得るものであることが分かる。
また、表3より、実施例4および実施例5で得られた摩擦材の最低摩擦係数は、比較例3および比較例4で得られた摩擦材の最低摩擦係数よりも高いことから、本発明の摩擦材は、摩擦係数低下を抑制し得るものであることが分かる。
本発明によれば、アンチモン化合物を用いなくとも、高温摺動時における摩擦材の摩耗量を低減するとともに摩擦材の摩擦係数低下を抑制し得る多孔質な摩擦調整材を提供することができる。また、本発明によれば、上記摩擦調整材の製造方法および上記摩擦調整材を含んでなる摩擦材を提供することができる。

Claims (5)

  1. 層状粘土鉱物中にチタニア粒子を含むチタニア粒子−層状粘土鉱物複合体を含む摩擦調整材であって、
    前記チタニア粒子の平均粒径が3〜100nmで、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体に対するチタニア粒子の存在比が、質量基準で0.1〜0.8であることを特徴とする摩擦調整材。
  2. 加水分解性基または水酸基を有し、分子内の総炭素数が0〜60であるチタン化合物を、水性媒体中で層状粘土鉱物と接触させた後、得られた固形分を500℃以上で加熱処理して、チタニア粒子−層状粘土鉱物複合体を含む摩擦調整材を得ることを特徴とする請求項1に記載の摩擦調整材の製造方法。
  3. 前記加水分解性基の炭素数が1〜15である請求項2に記載の摩擦調整材の製造方法。
  4. 請求項1に記載された摩擦調整材または請求項2若しくは請求項3に記載の方法により得られる摩擦調整材を含み、アンチモン化合物を含まないことを特徴とする摩擦材。
  5. 前記摩擦調整材を0.5〜20質量%含み、さらに繊維補強材、バインダー樹脂および充填材を含む請求項4に記載の摩擦材。
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