JP2009263292A - 害虫防除用空間処理剤および害虫防除方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピレスロイド抵抗性ゴキブリを含む多様なゴキブリに対して有効で、低用量であっても充分な害虫防除効果が得られる害虫防除用空間処理剤、および該害虫防除用空間処理剤を用いた害虫防除方法を提供する。
【解決手段】有効成分としてインドキサカルブを含有することを特徴とする害虫防除用空間処理剤。害虫防除用空間処理剤を、空間1m3当たり、インドキサカルブに換算して0.3mg以上となる量で用いて空間処理を行うことを特徴とする害虫防除方法。
【選択図】なし
【解決手段】有効成分としてインドキサカルブを含有することを特徴とする害虫防除用空間処理剤。害虫防除用空間処理剤を、空間1m3当たり、インドキサカルブに換算して0.3mg以上となる量で用いて空間処理を行うことを特徴とする害虫防除方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、空間内を処理して害虫、特にゴキブリを防除するために用いられる害虫防除用空間処理剤に関する。
従来、ゴキブリ等の害虫の防除を目的として、屋内等の閉鎖された空間内を、殺虫剤等の有効成分を含む空間処理剤を用いて処理することが一般的に行われている。このような目的で用いられている空間処理剤としては、くん煙剤、全量噴射エアゾール剤等が一般的である。
近年、ゴキブリ防除を目的とする空間処理剤に配合される有効成分としては、ピレスロイド系化合物やオキサジアゾ−ル系化合物が主流となっている。中でもピレスロイド系化合物は、ゴキブリ類の神経系に作用し、優れたノックダウン効果を有すること、また人体に対して低毒性であることから汎用されている。
しかし、最近、ピレスロイド系化合物の多用とともに、これらの薬剤に対して強い抵抗性を有するゴキブリ(ピレスロイド抵抗性ゴキブリ)が発生しており、その防除が難しくなっている。
ピレスロイド抵抗性ゴキブリ対策として、オキサジアゾ−ル系化合物である3−(2−メトキシフェニル)−5−メトキシ−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(一般名:メトキサジアゾン)とピレスロイド系化合物とを配合する防除剤(特許文献1)、特定濃度のメトキサジアゾンでくん煙させる防除剤(特許文献2)が提案されている。
特開昭59−227806号公報
特開平9−157114号公報
近年、ゴキブリ防除を目的とする空間処理剤に配合される有効成分としては、ピレスロイド系化合物やオキサジアゾ−ル系化合物が主流となっている。中でもピレスロイド系化合物は、ゴキブリ類の神経系に作用し、優れたノックダウン効果を有すること、また人体に対して低毒性であることから汎用されている。
しかし、最近、ピレスロイド系化合物の多用とともに、これらの薬剤に対して強い抵抗性を有するゴキブリ(ピレスロイド抵抗性ゴキブリ)が発生しており、その防除が難しくなっている。
ピレスロイド抵抗性ゴキブリ対策として、オキサジアゾ−ル系化合物である3−(2−メトキシフェニル)−5−メトキシ−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(一般名:メトキサジアゾン)とピレスロイド系化合物とを配合する防除剤(特許文献1)、特定濃度のメトキサジアゾンでくん煙させる防除剤(特許文献2)が提案されている。
しかしながら、これら防除剤に含有されているメトキサジアゾンは、通常の処方量(標準薬量。たとえば6〜8畳の室内であれば6〜8畳分の処方量。)で空間内全体を充分に処理できればある程度の防除効果が得られるものの、処方量が少なくなると、薬量依存的に顕著な殺虫効力の低下がみられる。たとえば薬剤が到達しにくい場所に存在するゴキブリ(例えば、狭い空間・隙間などに潜むゴキブリや難防除現場のゴキブリ)に対しては、害虫の虫体が、確実な殺虫効果を示す充分な薬量で曝露されず、ほとんど効果が認められない。料飲店の厨房を例にとると、冷凍冷蔵庫、食器棚、ガスコンロなどの底面側、壁際の狭い隙間のように、薬剤がわずかしか到達しない場面に潜むゴキブリには、必ずしも防除効果が高いとは言えなかった。
そのため、ピレスロイド抵抗性ゴキブリのような、従来の害虫防除空間処理剤に抵抗性のゴキブリに対して有効で、しかも従来の害虫防除用空間処理剤では全く効果が認められなかったレベルの少ない用量でも充分な害虫防除効果を示す害虫防除用空間処理剤が求められる。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、ピレスロイド抵抗性ゴキブリを含む多様なゴキブリに対して有効で、低用量であっても充分な害虫防除効果が得られる害虫防除用空間処理剤、および該害虫防除用空間処理剤を用いた害虫防除方法を提供することを目的とする。
そのため、ピレスロイド抵抗性ゴキブリのような、従来の害虫防除空間処理剤に抵抗性のゴキブリに対して有効で、しかも従来の害虫防除用空間処理剤では全く効果が認められなかったレベルの少ない用量でも充分な害虫防除効果を示す害虫防除用空間処理剤が求められる。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、ピレスロイド抵抗性ゴキブリを含む多様なゴキブリに対して有効で、低用量であっても充分な害虫防除効果が得られる害虫防除用空間処理剤、および該害虫防除用空間処理剤を用いた害虫防除方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、従来空間処理によるゴキブリ防除を目的として配合されてきた有効成分とは異なる系統の化合物について種々の検討を行い、農薬として使用実績がある、オキサジアジン系化合物に属するインドキサカルブに着目し更なる検討を行った。
インドキサカルブは、特表平6−500333号公報に、「殺節足動物性のピラゾリン、ピラゾリジンおよびヒドラジン類」として既に公表されており、広範囲の鱗翅目害虫、例えば、コナガ・タマナギンウワバ・ハスモンヨトウ・シロイチモジヨトウ・タバコガ・オオタバコガ・リンゴコカクモンハマキ・ミダレカクモンハマキ・トビハマキ・モモハモグリガ・モンクロシャチホコ・アメリカシロヒトリ・チャノコカクモンハマキ・チャノホソガ・ヨモギエダシャク・コブノメイガ・ニカメイガなどに対して食毒および接触毒性を示すことが報告されている。また、鱗翅目害虫よりも有効性は低いが、ツマグロヨコバイ・チャノミドリヒメヨコバイのような半翅目害虫やテンサイトビハムシ・イネミズゾウムシのような鞘翅目害虫に対しても殺虫活性を有することが報告されている。また、ゴキブリ類およびコオロギ類を含む直翅目に対する防除用途が記載されている。
インドキサカルブは、殺虫剤抵抗性が発達した害虫に対しても効果を示すことから、現在種々の農作物に対する害虫防除に広く使用されている(Pluschkell等、Pestic.Sci.、54、85−90頁(1998年);末富、植物防疫、第56巻第3号、24−28頁(2002年))。
しかし、インドキサカルブについては、農薬で水和剤としての使用はなされているが、これまで、空間処理殺虫剤としての使用前例や研究報告は全くなされていない。
たとえばインドキサカルブのゴキブリに対する生物学的所見については、「ワモンゴキブリの電位依存性ナトリウムチャネルに対するインドキサカルブの抑制作用」に関する電気生理学的な研究が報告されている(鶴淵・河野、日本応用動物昆虫学会誌2003:第47巻第1号)。しかし、ここではワモンゴキブリから取り出した神経細胞を、インドキサカルブの高濃度溶液を用いて処理している。また、防除の観点では、「インドキサカルブベイト剤のチャバネゴキブリに対する基礎および実地試験」に関する研究(Appel,J.Econ.Entomol.96(3):863−870頁(2003年))の中でベイト剤としての適性が報告されているが、これらベイト剤は、ゴキブリの生息場所付近に処理したベイト剤をゴキブリが経口摂食することにより、初めて効果をもたらすものにすぎない。
本発明者らは、このインドキサカルブについて更なる検討を行った結果、空間処理剤に配合し、ゴキブリ虫体に接触・曝露させることにより、有効成分としてインドキサカルブのみを含む場合であっても、ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリやクロゴキブリをはじめとするゴキブリ類に対する薬効が従来の薬剤に比べ顕著に高くなる上に、殺虫効果の薬量依存性が小さくなることから、室内に空間処理した時の有効成分量が少なくても高い致死効果が得られ、従って、薬剤が到達しにくい狭い空間や隙間などに潜伏しているゴキブリを少ない薬量でも効果的に防除できることを見出した。
インドキサカルブは、特表平6−500333号公報に、「殺節足動物性のピラゾリン、ピラゾリジンおよびヒドラジン類」として既に公表されており、広範囲の鱗翅目害虫、例えば、コナガ・タマナギンウワバ・ハスモンヨトウ・シロイチモジヨトウ・タバコガ・オオタバコガ・リンゴコカクモンハマキ・ミダレカクモンハマキ・トビハマキ・モモハモグリガ・モンクロシャチホコ・アメリカシロヒトリ・チャノコカクモンハマキ・チャノホソガ・ヨモギエダシャク・コブノメイガ・ニカメイガなどに対して食毒および接触毒性を示すことが報告されている。また、鱗翅目害虫よりも有効性は低いが、ツマグロヨコバイ・チャノミドリヒメヨコバイのような半翅目害虫やテンサイトビハムシ・イネミズゾウムシのような鞘翅目害虫に対しても殺虫活性を有することが報告されている。また、ゴキブリ類およびコオロギ類を含む直翅目に対する防除用途が記載されている。
インドキサカルブは、殺虫剤抵抗性が発達した害虫に対しても効果を示すことから、現在種々の農作物に対する害虫防除に広く使用されている(Pluschkell等、Pestic.Sci.、54、85−90頁(1998年);末富、植物防疫、第56巻第3号、24−28頁(2002年))。
しかし、インドキサカルブについては、農薬で水和剤としての使用はなされているが、これまで、空間処理殺虫剤としての使用前例や研究報告は全くなされていない。
たとえばインドキサカルブのゴキブリに対する生物学的所見については、「ワモンゴキブリの電位依存性ナトリウムチャネルに対するインドキサカルブの抑制作用」に関する電気生理学的な研究が報告されている(鶴淵・河野、日本応用動物昆虫学会誌2003:第47巻第1号)。しかし、ここではワモンゴキブリから取り出した神経細胞を、インドキサカルブの高濃度溶液を用いて処理している。また、防除の観点では、「インドキサカルブベイト剤のチャバネゴキブリに対する基礎および実地試験」に関する研究(Appel,J.Econ.Entomol.96(3):863−870頁(2003年))の中でベイト剤としての適性が報告されているが、これらベイト剤は、ゴキブリの生息場所付近に処理したベイト剤をゴキブリが経口摂食することにより、初めて効果をもたらすものにすぎない。
本発明者らは、このインドキサカルブについて更なる検討を行った結果、空間処理剤に配合し、ゴキブリ虫体に接触・曝露させることにより、有効成分としてインドキサカルブのみを含む場合であっても、ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリやクロゴキブリをはじめとするゴキブリ類に対する薬効が従来の薬剤に比べ顕著に高くなる上に、殺虫効果の薬量依存性が小さくなることから、室内に空間処理した時の有効成分量が少なくても高い致死効果が得られ、従って、薬剤が到達しにくい狭い空間や隙間などに潜伏しているゴキブリを少ない薬量でも効果的に防除できることを見出した。
上記課題を解決する本発明は以下の態様を有する。
[1]有効成分としてインドキサカルブを含有することを特徴とする害虫防除用空間処理剤。
[2]ゴキブリ防除用である[1]に記載の害虫防除用空間処理剤。
[3]空間1m3当たり、インドキサカルブに換算して0.3mg以上となる量で用いられる[1]または[2]に記載の害虫防除用空間処理剤。
[4][1]または[2]に記載の害虫防除用空間処理剤を、空間1m3当たり、インドキサカルブに換算して0.3mg以上となる量で用いて空間処理を行うことを特徴とする害虫防除方法。
[1]有効成分としてインドキサカルブを含有することを特徴とする害虫防除用空間処理剤。
[2]ゴキブリ防除用である[1]に記載の害虫防除用空間処理剤。
[3]空間1m3当たり、インドキサカルブに換算して0.3mg以上となる量で用いられる[1]または[2]に記載の害虫防除用空間処理剤。
[4][1]または[2]に記載の害虫防除用空間処理剤を、空間1m3当たり、インドキサカルブに換算して0.3mg以上となる量で用いて空間処理を行うことを特徴とする害虫防除方法。
本発明によれば、ピレスロイド抵抗性ゴキブリを含む多様なゴキブリに対して有効で、低用量であっても充分な害虫防除効果が得られる害虫防除用空間処理剤、および該害虫防除用空間処理剤を用いた害虫防除方法を提供できる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の害虫防除用空間処理剤(以下、本発明の空間処理剤ということがある。)は、有効成分として、インドキサカルブを含有する。
インドキサカルブは、オキサジアジン系化合物の一種である。ISO一般名のインドキサカルブは光学異性体としてのS体のみを示し、その化学名(IUPAC名)はメチル=(S)−7−クロロ−2,3,4a,5−テトラヒドロ−2−[メトキシカルボニル(4−トリフルオロメトキシフェニル)カルバモイル]インデノ[1,2−e][1,3,4]オキサジアジン−4a−カルボキシラートである。
インドキサカルブは、通常、その合成方法が光学非選択的であるため、ラセミ体(一般名:インドキサカルブMP、IUPAC名:メチル=(RS)−7−クロロ−2,3,4a,5−テトラヒドロ−2−[メトキシカルボニル(4−トリフルオロメトキシフェニル)カルバモイル]インデノ[1,2−e][1,3,4]オキサジアジン−4a−カルボキシラート)として得られ、農薬の水和剤にはこのラセミ体が使用されている。
本発明においては、インドキサカルブは、S体のみを用いてもよく、あるいはラセミ体等の、R体との混合物を用いてもよい。該ラセミ体(S体:R体=1:1)である「インドキサカルブMP」を有効成分とする製剤が、例えばトルネード(登録商標)フロアブルとして三共アグロ(株)等から市販されている。また、S体:R体=3:1の混合物を有効成分とする製剤が、例えばDPX−MP062としてデュポン社から市販されている。
なお、有効成分としてのインドキサカルブはS体のみであり、ラセミ体等のS体とR体との混合物を使用する場合は、有効成分としての量はS体に換算した量である。
本発明の害虫防除用空間処理剤(以下、本発明の空間処理剤ということがある。)は、有効成分として、インドキサカルブを含有する。
インドキサカルブは、オキサジアジン系化合物の一種である。ISO一般名のインドキサカルブは光学異性体としてのS体のみを示し、その化学名(IUPAC名)はメチル=(S)−7−クロロ−2,3,4a,5−テトラヒドロ−2−[メトキシカルボニル(4−トリフルオロメトキシフェニル)カルバモイル]インデノ[1,2−e][1,3,4]オキサジアジン−4a−カルボキシラートである。
インドキサカルブは、通常、その合成方法が光学非選択的であるため、ラセミ体(一般名:インドキサカルブMP、IUPAC名:メチル=(RS)−7−クロロ−2,3,4a,5−テトラヒドロ−2−[メトキシカルボニル(4−トリフルオロメトキシフェニル)カルバモイル]インデノ[1,2−e][1,3,4]オキサジアジン−4a−カルボキシラート)として得られ、農薬の水和剤にはこのラセミ体が使用されている。
本発明においては、インドキサカルブは、S体のみを用いてもよく、あるいはラセミ体等の、R体との混合物を用いてもよい。該ラセミ体(S体:R体=1:1)である「インドキサカルブMP」を有効成分とする製剤が、例えばトルネード(登録商標)フロアブルとして三共アグロ(株)等から市販されている。また、S体:R体=3:1の混合物を有効成分とする製剤が、例えばDPX−MP062としてデュポン社から市販されている。
なお、有効成分としてのインドキサカルブはS体のみであり、ラセミ体等のS体とR体との混合物を使用する場合は、有効成分としての量はS体に換算した量である。
本発明の空間処理剤中、インドキサカルブの配合量は、当該空間処理剤により空間処理を行う際に、空間内に散布しようとするインドキサカルブの量、当該処理剤の剤形等に応じて適宜設定すればよい。
当該処理剤による空間処理の際に、当該空間内に散布されるインドキサカルブの量(以下、インドキサカルブ処理量ということがある。)は、空間1m3当たり、0.3mg以上が好ましく、1.5mg以上がより好ましく、3.6mg以上がさらに好ましい。該インドキサカルブ処理量が、空間1m3当たり0.3mg以上(面積あたりに換算すると1m2当たり約0.75mg以上)であると、ピレスロイド抵抗性を有するゴキブリを含む多くのゴキブリ類に対して高い薬効を発現することができる。
また、該インドキサカルブ処理量は、安全性や経済性を考慮すると、空間1m3当たり、40mg以下が好ましく、25mg以下がより好ましい。従来の害虫防除用空間処理剤に配合されているピレスロイド系化合物やメトキサジアゾンなどの有効成分では、薬剤が到達しにくい狭い空間や隙間などに潜伏しているゴキブリ、特にピレスロイド抵抗性ゴキブリに対しては、空間1m3当たり40mg以下の処理量ではあまり防除効果は得られず、特に25mg以下ではほとんど効果が認められないことが特開平9−157114号公報に記載され、本願試験例でも確認されているが、本発明においては、これら従来用いられている有効成分量より少ない処理量であっても、顕著な防除効果が得られる。
このように、インドキサカルブを空間処理剤の有効成分として用いることにより、従来にない少ない薬量でゴキブリ等に対する防除効果を発現できる理由としては、気門からの吸入、経皮吸収、経口摂取などの複数のルートからインドキサカルブを吸収することによる相乗効果が考えられるが、その詳細な作用機作については明らかではない。
当該処理剤による空間処理の際に、当該空間内に散布されるインドキサカルブの量(以下、インドキサカルブ処理量ということがある。)は、空間1m3当たり、0.3mg以上が好ましく、1.5mg以上がより好ましく、3.6mg以上がさらに好ましい。該インドキサカルブ処理量が、空間1m3当たり0.3mg以上(面積あたりに換算すると1m2当たり約0.75mg以上)であると、ピレスロイド抵抗性を有するゴキブリを含む多くのゴキブリ類に対して高い薬効を発現することができる。
また、該インドキサカルブ処理量は、安全性や経済性を考慮すると、空間1m3当たり、40mg以下が好ましく、25mg以下がより好ましい。従来の害虫防除用空間処理剤に配合されているピレスロイド系化合物やメトキサジアゾンなどの有効成分では、薬剤が到達しにくい狭い空間や隙間などに潜伏しているゴキブリ、特にピレスロイド抵抗性ゴキブリに対しては、空間1m3当たり40mg以下の処理量ではあまり防除効果は得られず、特に25mg以下ではほとんど効果が認められないことが特開平9−157114号公報に記載され、本願試験例でも確認されているが、本発明においては、これら従来用いられている有効成分量より少ない処理量であっても、顕著な防除効果が得られる。
このように、インドキサカルブを空間処理剤の有効成分として用いることにより、従来にない少ない薬量でゴキブリ等に対する防除効果を発現できる理由としては、気門からの吸入、経皮吸収、経口摂取などの複数のルートからインドキサカルブを吸収することによる相乗効果が考えられるが、その詳細な作用機作については明らかではない。
本発明の空間処理剤は、通常、有効成分に、当該空間処理剤の剤形に応じて各種基剤、添加剤等が配合されて空間処理剤組成物とされる。
本発明の空間処理剤の剤形としては、従来公知の空間処理剤の剤形が利用でき、たとえば、くん煙剤、全量噴射エアゾール剤、加熱蒸散剤、線香等が挙げられる。これらの中でも、くん煙剤または全量噴射エアゾール剤が好ましく、本発明の効果を十分に発揮する上で、くん煙剤が特に好ましい。
本発明の空間処理剤の剤形としては、従来公知の空間処理剤の剤形が利用でき、たとえば、くん煙剤、全量噴射エアゾール剤、加熱蒸散剤、線香等が挙げられる。これらの中でも、くん煙剤または全量噴射エアゾール剤が好ましく、本発明の効果を十分に発揮する上で、くん煙剤が特に好ましい。
くん煙剤としては、通常、有効成分および発熱性基剤を含む組成物を顆粒剤、錠剤等の固形製剤としたものが用いられる。
くん煙剤の発熱性基剤としては、ニトロセルロース、アゾジカルボンアミド、p・p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ニトログアニジン、硝酸グアニジン、硝酸アンモニウムなどの、熱分解して多量の熱を発生させるとともに炭酸ガスや窒素ガスなどを発生させるものが用いられる。
くん煙剤の発熱性基剤としては、ニトロセルロース、アゾジカルボンアミド、p・p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ニトログアニジン、硝酸グアニジン、硝酸アンモニウムなどの、熱分解して多量の熱を発生させるとともに炭酸ガスや窒素ガスなどを発生させるものが用いられる。
くん煙剤には、さらに、各種添加剤が配合されてもよい。該添加剤としては、燃焼助剤、安定化剤、結合剤、賦形剤等が挙げられる。
燃焼助剤としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、尿素、メラミン、メラミン誘導体(工業用メラミン、硝酸メラミン、メラミンホルマリン樹脂など)等が挙げられる。
安定化剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、エポキシ化合物(エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油など)等が挙げられる。
結合剤としては、セルロース系化合物(メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースとそのCa塩およびNa塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)、デンプン系化合物(デンプン、α化デンプン、デキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチNa塩など)、天然物系化合物(アラビアゴム、アルギン酸Na、トラガント、ゼラチンなど)、合成高分子系化合物(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウムなど)等が挙げられる。
賦形剤としては、クレー、タルク、珪藻土、カオリン、ベントナイト、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム等が挙げられる。
これらはいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、該組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、香料、色素など他の添加剤を必要に応じて配合してもよい。
燃焼助剤としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、尿素、メラミン、メラミン誘導体(工業用メラミン、硝酸メラミン、メラミンホルマリン樹脂など)等が挙げられる。
安定化剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、エポキシ化合物(エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油など)等が挙げられる。
結合剤としては、セルロース系化合物(メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースとそのCa塩およびNa塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)、デンプン系化合物(デンプン、α化デンプン、デキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチNa塩など)、天然物系化合物(アラビアゴム、アルギン酸Na、トラガント、ゼラチンなど)、合成高分子系化合物(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウムなど)等が挙げられる。
賦形剤としては、クレー、タルク、珪藻土、カオリン、ベントナイト、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム等が挙げられる。
これらはいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、該組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、香料、色素など他の添加剤を必要に応じて配合してもよい。
くん煙剤の使用方法は、一般的なくん煙剤の使用方法と同様であってよい。通常、くん煙用の容器内に収容して加熱する方法が用いられる。
容器内へのくん煙剤の収容量は、当該空間内におけるインドキサカルブ処理量が上記範囲内となるように、処理される空間の大きさに応じて適宜決定される。
くん煙剤の加熱方式としては、酸化カルシウムと水との反応熱を利用して発熱性基剤を加熱するもの(間接加熱方式)、マッチ頭薬などを用い、発熱体(点火具)により製剤の一部を加熱して発熱性基剤の自己分解反応を行わせるもの(直接加熱方式)等が挙げられ、本発明の空間処理剤はいずれの加熱方式にも適用できる。
容器内へのくん煙剤の収容量は、当該空間内におけるインドキサカルブ処理量が上記範囲内となるように、処理される空間の大きさに応じて適宜決定される。
くん煙剤の加熱方式としては、酸化カルシウムと水との反応熱を利用して発熱性基剤を加熱するもの(間接加熱方式)、マッチ頭薬などを用い、発熱体(点火具)により製剤の一部を加熱して発熱性基剤の自己分解反応を行わせるもの(直接加熱方式)等が挙げられ、本発明の空間処理剤はいずれの加熱方式にも適用できる。
全量噴射エアゾール剤は、有効成分(殺虫成分)が溶剤中に溶解または分散した液剤(殺虫液剤)および噴射剤が耐圧容器内に充填されてなるものであり、任意の噴射手段により、容器内容物のほぼ全量を、一度の操作(バルブの開放等)で容器外に噴射させることが出来るものである。
殺虫液剤に用いられる溶剤としては、エタノール、メタノール、アセトン、グリコールエーテル系(エチレングリコールやその誘導体、ジエチレングリコールやその誘導体、他のアルキレングリコールやその誘導体など)、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ジブチル、灯油、水等が挙げられる。
また、殺虫液剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、香料、色素など他の添加剤を必要に応じて配合してもよい。
容器内への殺虫液剤の充填量は、当該空間内におけるインドキサカルブ処理量が上記範囲内となるように、処理される空間の大きさに応じて適宜決定される。
噴射剤としては、液化ガス(ジメチルエーテル、液化石油ガス、フロロカーボン)、圧縮ガス(炭酸ガス、窒素ガス、亜酸化窒素など)等が挙げられる。
殺虫液剤に用いられる溶剤としては、エタノール、メタノール、アセトン、グリコールエーテル系(エチレングリコールやその誘導体、ジエチレングリコールやその誘導体、他のアルキレングリコールやその誘導体など)、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ジブチル、灯油、水等が挙げられる。
また、殺虫液剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、香料、色素など他の添加剤を必要に応じて配合してもよい。
容器内への殺虫液剤の充填量は、当該空間内におけるインドキサカルブ処理量が上記範囲内となるように、処理される空間の大きさに応じて適宜決定される。
噴射剤としては、液化ガス(ジメチルエーテル、液化石油ガス、フロロカーボン)、圧縮ガス(炭酸ガス、窒素ガス、亜酸化窒素など)等が挙げられる。
線香の場合、空間処理剤組成物には、有効成分とともに基剤が配合される。
線香の基剤としては、支燃剤や粘結剤が大部分を占めており、支燃剤には、除虫菊抽出粕粉、木粉、柑橘類の表皮粉、ココナッツ粉末、トウモロコシの芯の粉末、杉や茶等の茎葉粉末等の植物性粉末や、木炭粉、素灰等の炭素粉末が挙げられる。また、粘結剤としては、タブ粉、澱粉、デキストリン、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
該空間処理剤組成物には、さらに必要により、防黴剤、安定化剤等が配合されてもよい。防黴剤としては、デヒドロ酢酸、ソルビン酸、p−ヒドロキシ安息香酸等の酸、あるいはそれらの塩、2,4−ジニトロフェノール等が代表的であり、安定化剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
また、該空間処理剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、香料、色素など他の添加剤を必要に応じて配合してもよい。
線香の基剤としては、支燃剤や粘結剤が大部分を占めており、支燃剤には、除虫菊抽出粕粉、木粉、柑橘類の表皮粉、ココナッツ粉末、トウモロコシの芯の粉末、杉や茶等の茎葉粉末等の植物性粉末や、木炭粉、素灰等の炭素粉末が挙げられる。また、粘結剤としては、タブ粉、澱粉、デキストリン、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
該空間処理剤組成物には、さらに必要により、防黴剤、安定化剤等が配合されてもよい。防黴剤としては、デヒドロ酢酸、ソルビン酸、p−ヒドロキシ安息香酸等の酸、あるいはそれらの塩、2,4−ジニトロフェノール等が代表的であり、安定化剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
また、該空間処理剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、香料、色素など他の添加剤を必要に応じて配合してもよい。
本発明の空間処理剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、有効成分として、インドキサカルブ以外の殺虫剤を含有してもよい。
たとえば、インドキサカルブは、ピレスロイド系化合物等の、従来空間処理剤に一般的に用いられている殺虫剤に比べて若干遅効性であるため、ゴキブリ等に対してより高い速効性を付与するために、ゴキブリに対する速効性に優れた殺虫剤を配合してもよい。また、屋内塵性ダニ、ノミ、ハエ、蚊などの衛生害虫、あるいはカメムシ、チャタテムシ、シバンムシ、アリなどの不快害虫などに対して有効な殺虫剤を配合してもよい。
インドキサカルブ以外の殺虫剤として、具体的には、例えば、ピレスロイド系化合物としては、フェノトリン、エトフェンプロックス、d,d−T−シフェノトリン、ペルメトリンなどが挙げられる。ピレスロイド系化合物以外の殺虫剤としては、メトキサジアゾンなどのオキサジアゾール系化合物、アミドフルメトなどのスルホンアミド系化合物、フェニトロチオンなどの有機リン系化合物などが挙げられる。
また、本発明の空間処理剤は、殺虫剤以外に、目的に応じて、殺虫剤以外の薬剤を含有してもよい。殺虫剤以外の薬剤としては、特に限定されず、従来、空間処理剤に配合されている薬剤であってよく、特に限定されない。具体例としては、たとえば殺菌剤、抗菌剤、消臭剤、害虫忌避剤、害虫誘引剤、芳香剤、着色料等が挙げられる。
たとえば、インドキサカルブは、ピレスロイド系化合物等の、従来空間処理剤に一般的に用いられている殺虫剤に比べて若干遅効性であるため、ゴキブリ等に対してより高い速効性を付与するために、ゴキブリに対する速効性に優れた殺虫剤を配合してもよい。また、屋内塵性ダニ、ノミ、ハエ、蚊などの衛生害虫、あるいはカメムシ、チャタテムシ、シバンムシ、アリなどの不快害虫などに対して有効な殺虫剤を配合してもよい。
インドキサカルブ以外の殺虫剤として、具体的には、例えば、ピレスロイド系化合物としては、フェノトリン、エトフェンプロックス、d,d−T−シフェノトリン、ペルメトリンなどが挙げられる。ピレスロイド系化合物以外の殺虫剤としては、メトキサジアゾンなどのオキサジアゾール系化合物、アミドフルメトなどのスルホンアミド系化合物、フェニトロチオンなどの有機リン系化合物などが挙げられる。
また、本発明の空間処理剤は、殺虫剤以外に、目的に応じて、殺虫剤以外の薬剤を含有してもよい。殺虫剤以外の薬剤としては、特に限定されず、従来、空間処理剤に配合されている薬剤であってよく、特に限定されない。具体例としては、たとえば殺菌剤、抗菌剤、消臭剤、害虫忌避剤、害虫誘引剤、芳香剤、着色料等が挙げられる。
本発明の害虫防除用空間処理剤は、さらに、有効成分の効力を増強させる目的で、必要に応じてピペロニルブトキサイド、S−421(2,3,3,3−2’,3’,3’,3’−オクタクロロジプロピルエーテル)などの効力増強剤を配合することができる。
また、本発明の害虫防除用空間処理剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、香料、色素など他の添加剤を配合してもよい。
また、本発明の害虫防除用空間処理剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、香料、色素など他の添加剤を配合してもよい。
本発明の空間処理剤は、空間処理剤を用いて空間処理を行う害虫防除方法に用いられる。
本発明の空間処理剤により処理される空間は、密閉可能な空間であり、たとえば屋内、車両内等が挙げられる。
空間処理方法としては、特に限定されず、当該空間処理剤の剤形に応じて、くん煙剤によるくん煙処理、全量噴霧エアゾール剤による噴霧処理等、従来公知の方法を利用できる。
空間処理の際の本発明の空間処理剤の使用量は、剤形、空間の広さ等に応じて適宜決定すればよい。
本発明においては、特に、本発明の空間処理剤を、空間1m3当たり、インドキサカルブに換算して0.3mg以上となる量で用いることが好ましい。該量(インドキサカルブ処理量)は、上述したとおり、空間1m3当たり、0.3mg以上が好ましく、1.5mg以上がより好ましく、3.6mg以上がさらに好ましい。また、その上限は、40mg以下が好ましく、25mg以下がより好ましい。
本発明の空間処理剤により処理される空間は、密閉可能な空間であり、たとえば屋内、車両内等が挙げられる。
空間処理方法としては、特に限定されず、当該空間処理剤の剤形に応じて、くん煙剤によるくん煙処理、全量噴霧エアゾール剤による噴霧処理等、従来公知の方法を利用できる。
空間処理の際の本発明の空間処理剤の使用量は、剤形、空間の広さ等に応じて適宜決定すればよい。
本発明においては、特に、本発明の空間処理剤を、空間1m3当たり、インドキサカルブに換算して0.3mg以上となる量で用いることが好ましい。該量(インドキサカルブ処理量)は、上述したとおり、空間1m3当たり、0.3mg以上が好ましく、1.5mg以上がより好ましく、3.6mg以上がさらに好ましい。また、その上限は、40mg以下が好ましく、25mg以下がより好ましい。
本発明の害虫防除用空間処理剤および害虫防除方法が適用される害虫としては、ゴキブリ類、アリ類、ハエ類、ガ類、シロアリ類等が挙げられ、特にゴキブリに対して好適である。
ゴキブリとしては、チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、ヤマトゴキブリ、トビイロゴキブリなど、多様なゴキブリに対して有効である。
本発明の害虫防除用空間処理剤および害虫防除方法は、ピレスロイド系化合物など従来の空間処理剤に用いられている殺虫剤に抵抗性を有する殺虫剤抵抗性ゴキブリや、薬剤の到達しにくい狭い隙間や空間(たとえば居室、キッチン、食料収納庫、冷蔵庫下等)に潜むゴキブリなど、従来の害虫防除用空間処理剤では防除が困難であったゴキブリに対しても有効であり、屋内性種および半屋外性種のあらゆるゴキブリに対して従来にない高い殺虫効果を発揮する。
ゴキブリとしては、チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、ヤマトゴキブリ、トビイロゴキブリなど、多様なゴキブリに対して有効である。
本発明の害虫防除用空間処理剤および害虫防除方法は、ピレスロイド系化合物など従来の空間処理剤に用いられている殺虫剤に抵抗性を有する殺虫剤抵抗性ゴキブリや、薬剤の到達しにくい狭い隙間や空間(たとえば居室、キッチン、食料収納庫、冷蔵庫下等)に潜むゴキブリなど、従来の害虫防除用空間処理剤では防除が困難であったゴキブリに対しても有効であり、屋内性種および半屋外性種のあらゆるゴキブリに対して従来にない高い殺虫効果を発揮する。
以下、実施例、試験例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例、試験例に制約されるものではない。
<実施例1、比較例1(くん煙顆粒剤)>
表1に示す各成分を常法により混合、練合し、造粒した後、乾燥して、くん煙顆粒剤とした。
表1中の%は質量%を示す。
インドキサカルブとしては、デュポン社製のDPX−MP062(S体:R体=3:1)を使用した。有効成分としてのインドキサカルブの配合量(質量%)は、S体のみの量(S体換算量)である。
<実施例1、比較例1(くん煙顆粒剤)>
表1に示す各成分を常法により混合、練合し、造粒した後、乾燥して、くん煙顆粒剤とした。
表1中の%は質量%を示す。
インドキサカルブとしては、デュポン社製のDPX−MP062(S体:R体=3:1)を使用した。有効成分としてのインドキサカルブの配合量(質量%)は、S体のみの量(S体換算量)である。
<実施例2、比較例2(くん煙剤)>
実施例1で製造したくん煙顆粒剤12.5gを秤り取り、これを、発熱剤充てん部と、その内側に設けられたくん煙顆粒充てん部とを備えた容器(発熱容器)のくん煙顆粒充てん部に充てんした。また、該発熱容器の発熱剤の発熱剤充てん部に、酸化カルシウム37gを充てんし、気密包装してくん煙剤とした(実施例2)。
また、くん煙顆粒剤として比較例1で製造したくん煙顆粒剤を用いた以外は実施例2と同様にしてくん煙剤を得た(比較例2)。
実施例1で製造したくん煙顆粒剤12.5gを秤り取り、これを、発熱剤充てん部と、その内側に設けられたくん煙顆粒充てん部とを備えた容器(発熱容器)のくん煙顆粒充てん部に充てんした。また、該発熱容器の発熱剤の発熱剤充てん部に、酸化カルシウム37gを充てんし、気密包装してくん煙剤とした(実施例2)。
また、くん煙顆粒剤として比較例1で製造したくん煙顆粒剤を用いた以外は実施例2と同様にしてくん煙剤を得た(比較例2)。
<実施例3(全量噴射エアゾール剤)>
表2に示す各原液成分を混合、溶解して原液を調製した。該原液10gを耐圧容器に入れ、ここに、噴射剤のジメチルエーテル35gを圧力充てんして密封した後、噴射装置を取り付けて全量噴射エアゾール剤とした。
表2中の配合量は、全量噴射エアゾール剤1缶当たりの配合量を示す。
インドキサカルブとしては、デュポン社製のDPX−MP062(S体:R体=3:1)を使用した。有効成分としてのインドキサカルブの配合量(質量%)は、S体のみの量(S体換算量)である。
表2に示す各原液成分を混合、溶解して原液を調製した。該原液10gを耐圧容器に入れ、ここに、噴射剤のジメチルエーテル35gを圧力充てんして密封した後、噴射装置を取り付けて全量噴射エアゾール剤とした。
表2中の配合量は、全量噴射エアゾール剤1缶当たりの配合量を示す。
インドキサカルブとしては、デュポン社製のDPX−MP062(S体:R体=3:1)を使用した。有効成分としてのインドキサカルブの配合量(質量%)は、S体のみの量(S体換算量)である。
<実施例4(線香)>
表3に示す各成分を混合、練合し、成型した後、乾燥して、線香とした。
表3中の%は質量%を示す。
インドキサカルブとしては、デュポン社製のDPX−MP062(S体:R体=3:1)を使用した。有効成分としてのインドキサカルブの配合量(質量%)は、S体のみの量(S体換算量)である。
表3に示す各成分を混合、練合し、成型した後、乾燥して、線香とした。
表3中の%は質量%を示す。
インドキサカルブとしては、デュポン社製のDPX−MP062(S体:R体=3:1)を使用した。有効成分としてのインドキサカルブの配合量(質量%)は、S体のみの量(S体換算量)である。
<試験例1>
[目的] ピレスロイド剤抵抗性チャバネゴキブリ、クロゴキブリに対する殺虫効力の評価。
[供試薬剤] 実施例1および比較例1のくん煙顆粒剤をそれぞれ用いた。
[試験方法] まず、10畳相当(容積39.6m3:縦3.82m×横4.32m×高さ2.40m)の試験室内の床面に、図1に示すように、ピレスロイド剤抵抗性チャバネゴキブリを10頭(雌雄各5頭)ずつ入れた腰高シャーレ(直径9cm、高さ6cm)8セット(図中○印)、およびクロゴキブリを10頭(雌雄各5頭)ずつ入れたガラス製ポット(直径14cm、高さ15cm)6セット(図中●印)を開放状態で配置した。
次に、アルミカップに秤取した供試薬剤の所定量を、試験室内の床面中央(図中☆印)で加熱くん煙し、アルミカップを床面中央に残して当該試験室を2時間密閉し、その後該試験室を開放した。このとき使用した供試薬剤の使用量は、有効成分処理量が0.2mg/m3、0.3mg/m3、1.5mg/m3、または3.6mg/m3となるようにした。
室内開放時を0時間とし、0時間から所定時間(処理後経過時間)が経過した時点で、ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリおよびクロゴキブリの仰転率(試験区の仰転率)(%)(ひっくり返った状態のゴキブリの割合)を調べた。
また、別途、同様の試験室を準備し、くん煙処理を行わない以外は同様にして仰転率(無処理区の仰転率)を調べた。
これらの仰転率(%)から、式:(試験区の仰転率−無処理区の仰転率)/(100−無処理区の仰転率)×100により補正仰転率(%)を求めた。
上記で求めた補正仰転率(%)を縦軸にとり、処理後経過時間(日)を横軸にとってグラフを作成した。結果を図2〜5に示す。
[目的] ピレスロイド剤抵抗性チャバネゴキブリ、クロゴキブリに対する殺虫効力の評価。
[供試薬剤] 実施例1および比較例1のくん煙顆粒剤をそれぞれ用いた。
[試験方法] まず、10畳相当(容積39.6m3:縦3.82m×横4.32m×高さ2.40m)の試験室内の床面に、図1に示すように、ピレスロイド剤抵抗性チャバネゴキブリを10頭(雌雄各5頭)ずつ入れた腰高シャーレ(直径9cm、高さ6cm)8セット(図中○印)、およびクロゴキブリを10頭(雌雄各5頭)ずつ入れたガラス製ポット(直径14cm、高さ15cm)6セット(図中●印)を開放状態で配置した。
次に、アルミカップに秤取した供試薬剤の所定量を、試験室内の床面中央(図中☆印)で加熱くん煙し、アルミカップを床面中央に残して当該試験室を2時間密閉し、その後該試験室を開放した。このとき使用した供試薬剤の使用量は、有効成分処理量が0.2mg/m3、0.3mg/m3、1.5mg/m3、または3.6mg/m3となるようにした。
室内開放時を0時間とし、0時間から所定時間(処理後経過時間)が経過した時点で、ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリおよびクロゴキブリの仰転率(試験区の仰転率)(%)(ひっくり返った状態のゴキブリの割合)を調べた。
また、別途、同様の試験室を準備し、くん煙処理を行わない以外は同様にして仰転率(無処理区の仰転率)を調べた。
これらの仰転率(%)から、式:(試験区の仰転率−無処理区の仰転率)/(100−無処理区の仰転率)×100により補正仰転率(%)を求めた。
上記で求めた補正仰転率(%)を縦軸にとり、処理後経過時間(日)を横軸にとってグラフを作成した。結果を図2〜5に示す。
[試験結果] 図2〜4はそれぞれ有効成分処理量が0.2mg/m3、0.3mg/m3、1.5mg/m3の場合のピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対する殺虫効果を示すグラフであり、図5は有効成分処理量が3.6mg/m3の場合のクロゴキブリに対する殺虫効果を示すグラフである。
ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対して実施例1のくん煙顆粒剤を用いた場合、図2に示すように、空間処理した時の有効成分処理量が0.2mg/m3の場合は殺虫効果はあまり高くないが、図3、4に示したように、有効成分処理量が0.3〜1.5mg/m3であると、1週間経過時点での殺虫効果が比較例1よりも大幅に高かった。
この比較例1のくん煙顆粒剤の有効成分として用いたメトキサジアゾンは、ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対して殺虫効果が高いといわれている代表的な薬剤である。
また、クロゴキブリに対して実施例1のくん煙顆粒剤を3.6mg/m3の有効成分処理量で用いた場合、図5に示したように、2日間経過時点までは比較例1とほぼ同等で、それ以降はそれよりも高い殺虫効果を発揮していた。
ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対して実施例1のくん煙顆粒剤を用いた場合、図2に示すように、空間処理した時の有効成分処理量が0.2mg/m3の場合は殺虫効果はあまり高くないが、図3、4に示したように、有効成分処理量が0.3〜1.5mg/m3であると、1週間経過時点での殺虫効果が比較例1よりも大幅に高かった。
この比較例1のくん煙顆粒剤の有効成分として用いたメトキサジアゾンは、ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対して殺虫効果が高いといわれている代表的な薬剤である。
また、クロゴキブリに対して実施例1のくん煙顆粒剤を3.6mg/m3の有効成分処理量で用いた場合、図5に示したように、2日間経過時点までは比較例1とほぼ同等で、それ以降はそれよりも高い殺虫効果を発揮していた。
<試験例2>
[目的] 狭い隙間に潜むピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対するくん煙剤処理時の殺虫効力の評価(1)。
[供試薬剤] 実施例2および比較例2のくん煙剤をそれぞれ用いた。
[試験方法] 8畳相当(容積31.4m3:縦3.82m×横3.42m×高さ2.40m)の試験室内の床面に、プラスチック製収納容器(高さ13cm×幅30cm×奥行き50cm)を設置した。この中に、入口(高さ13cm×幅30cm)から奥行き方向にかけての深度(入口からの距離)が10〜30cmの位置に、ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリを10頭(雌雄各5頭)ずつ入れた腰高シャーレを10cm間隔で1個ずつ計3個セットした。そして、該収納容器の入口の上側10cmを塞ぎ、下側3cmを隙間として空けた状態とした。
次に、供試薬剤を試験室内の床面中央でくん煙し、2時間密閉し、その後該試験室を開放した。このときの有効成分処理量は25mg/m3であった。
くん煙開始1週間後、深度10cm、20cmおよび30cmの腰高シャーレ内のピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリの仰転率をそれぞれ調べた。
上記で求めた仰転率(%)を縦軸にとり、入り口からの深度(cm)を横軸にとってグラフを作成した。結果を図6に示す。
[試験結果] 図6に示したように、深度が大きくなるにつれて、つまり、有効成分が到達しにくい場所になるほど、インドキサカルブのピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対する殺虫効果が、メトキサジアゾンに比べて高くなることが確認できた。
[目的] 狭い隙間に潜むピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対するくん煙剤処理時の殺虫効力の評価(1)。
[供試薬剤] 実施例2および比較例2のくん煙剤をそれぞれ用いた。
[試験方法] 8畳相当(容積31.4m3:縦3.82m×横3.42m×高さ2.40m)の試験室内の床面に、プラスチック製収納容器(高さ13cm×幅30cm×奥行き50cm)を設置した。この中に、入口(高さ13cm×幅30cm)から奥行き方向にかけての深度(入口からの距離)が10〜30cmの位置に、ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリを10頭(雌雄各5頭)ずつ入れた腰高シャーレを10cm間隔で1個ずつ計3個セットした。そして、該収納容器の入口の上側10cmを塞ぎ、下側3cmを隙間として空けた状態とした。
次に、供試薬剤を試験室内の床面中央でくん煙し、2時間密閉し、その後該試験室を開放した。このときの有効成分処理量は25mg/m3であった。
くん煙開始1週間後、深度10cm、20cmおよび30cmの腰高シャーレ内のピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリの仰転率をそれぞれ調べた。
上記で求めた仰転率(%)を縦軸にとり、入り口からの深度(cm)を横軸にとってグラフを作成した。結果を図6に示す。
[試験結果] 図6に示したように、深度が大きくなるにつれて、つまり、有効成分が到達しにくい場所になるほど、インドキサカルブのピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対する殺虫効果が、メトキサジアゾンに比べて高くなることが確認できた。
<試験例3>
[目的] 狭い隙間に潜むピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対するくん煙剤処理時の殺虫効力の評価(2)。
[供試薬剤] 実施例2および比較例2のくん煙剤をそれぞれ用いた。
[試験方法] 8畳相当(容積31.4m3:縦3.82m×横3.42m×高さ2.40m)の試験室内の床面に、ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリを10頭(雌雄各5頭)ずつ入れた腰高シャーレ2個を配置した。そして、30cm四方のダンボール箱の側面のうち対となる2面に、それぞれ、3×3cmの隙間を対になるように1個ずつ設け(開口率:0.4%)、これを、前記腰高シャーレの上に被せた。
次に、供試薬剤を床面中央でくん煙し、2時間密閉し、その後該試験室を開放した。このときの有効成分処理量は25mg/m3であった。
くん煙開始時点から1日後、2日後、3日後および7日後のピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリの仰転率(%)を調べた。結果を表4に示す。
[試験結果] 表4に示したように、インドキサカルブは、有効成分が到達しにくい場所に存在するピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対し、メトキサジアゾンを上回る高い殺虫効果を示し、その差は時間が経過するほど大きくなった。
[目的] 狭い隙間に潜むピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対するくん煙剤処理時の殺虫効力の評価(2)。
[供試薬剤] 実施例2および比較例2のくん煙剤をそれぞれ用いた。
[試験方法] 8畳相当(容積31.4m3:縦3.82m×横3.42m×高さ2.40m)の試験室内の床面に、ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリを10頭(雌雄各5頭)ずつ入れた腰高シャーレ2個を配置した。そして、30cm四方のダンボール箱の側面のうち対となる2面に、それぞれ、3×3cmの隙間を対になるように1個ずつ設け(開口率:0.4%)、これを、前記腰高シャーレの上に被せた。
次に、供試薬剤を床面中央でくん煙し、2時間密閉し、その後該試験室を開放した。このときの有効成分処理量は25mg/m3であった。
くん煙開始時点から1日後、2日後、3日後および7日後のピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリの仰転率(%)を調べた。結果を表4に示す。
[試験結果] 表4に示したように、インドキサカルブは、有効成分が到達しにくい場所に存在するピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対し、メトキサジアゾンを上回る高い殺虫効果を示し、その差は時間が経過するほど大きくなった。
<試験例4>
[目的] 狭い隙間に潜むピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対する全量噴射エアゾール剤処理時の殺虫効力の評価。
[供試薬剤] 実施例3の全量噴射エアゾール剤を用いた。
[試験方法] 10畳相当(容積39.6m3:縦3.82×横4.32×高さ2.40m)の試験室内の床面に、ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリを10頭(雌雄各5頭)ずつ入れた腰高シャーレ2個を配置した。そして、30cm四方のダンボール箱の側面のうち対となる2面に、それぞれ、3×3cmの隙間を対になるように1個ずつ設け(開口率:0.4%)、これを、前記腰高シャーレの上に被せた。
次に、供試薬剤を床面中央で噴射し1時間密閉し、その後該試験室を開放した。このときの有効成分処理量は38mg/m3であった。
噴射時点から1日後、2日後、3日後および7日後のピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリの仰転率(%)を調べた。結果を表5に示す。
[試験結果] 表5に示したように、インドキサカルブは、有効成分が到達しにくい場所に存在するピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対し、高い殺虫効果を示し、噴射から2日以降で仰転率が100%となった。
[目的] 狭い隙間に潜むピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対する全量噴射エアゾール剤処理時の殺虫効力の評価。
[供試薬剤] 実施例3の全量噴射エアゾール剤を用いた。
[試験方法] 10畳相当(容積39.6m3:縦3.82×横4.32×高さ2.40m)の試験室内の床面に、ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリを10頭(雌雄各5頭)ずつ入れた腰高シャーレ2個を配置した。そして、30cm四方のダンボール箱の側面のうち対となる2面に、それぞれ、3×3cmの隙間を対になるように1個ずつ設け(開口率:0.4%)、これを、前記腰高シャーレの上に被せた。
次に、供試薬剤を床面中央で噴射し1時間密閉し、その後該試験室を開放した。このときの有効成分処理量は38mg/m3であった。
噴射時点から1日後、2日後、3日後および7日後のピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリの仰転率(%)を調べた。結果を表5に示す。
[試験結果] 表5に示したように、インドキサカルブは、有効成分が到達しにくい場所に存在するピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対し、高い殺虫効果を示し、噴射から2日以降で仰転率が100%となった。
<試験例5>
[目的] ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対する線香処理時の殺虫効力の評価。
[供試薬剤] 実施例4の線香を用いた。
[試験方法] 供試薬剤による処理を、床面中央で1時間処理後2時間密閉することにより行った以外は試験例1と同様の試験を行った。
[試験結果] 上記の結果、有効成分処理量0.2mg/m3、0.3mg/m3、1.5mg/m3、および3.6mg/m3のいずれの例においても、試験例1と同様の結果が得られ、有効成分処理量0.3mg/m3以上で良好な殺虫効果が得られた。
[目的] ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対する線香処理時の殺虫効力の評価。
[供試薬剤] 実施例4の線香を用いた。
[試験方法] 供試薬剤による処理を、床面中央で1時間処理後2時間密閉することにより行った以外は試験例1と同様の試験を行った。
[試験結果] 上記の結果、有効成分処理量0.2mg/m3、0.3mg/m3、1.5mg/m3、および3.6mg/m3のいずれの例においても、試験例1と同様の結果が得られ、有効成分処理量0.3mg/m3以上で良好な殺虫効果が得られた。
<参考試験例1>
[目的] チャバネゴキブリに対する残留塗布処理による殺虫効果の評価
[試験方法] 31cm×40cmのコンテナを2つ用意し、各コンテナ内に、それぞれ、図7に示すように、水と、餌と、ひだ折りコートボール紙を2枚積層して形成したゴキブリ潜伏場所とを2セット配置し、ここに、チャバネゴキブリ(薬剤感受性系統)の雌20頭を入れた。
24時間放置後、各コンテナ内のコートボール紙の下段2枚をそれぞれ取り出し、インドキサカルブのアセトン希釈液を噴霧して風乾し、再びコンテナ内の同じ位置に戻した。噴霧したインドキサカルブ量は、一方のコンテナについては、コートボール紙1m2当たり500mgとし、他方のコンテナについてはコートボール紙1m2当たり1000mgとした。
コートボール紙を戻した時点から、各々、1日ごとにチャバネゴキブリの死亡数を数え、死亡率を算出した。
上記で求めた死亡率(%)を縦軸にとり、コートボール紙を戻した時点からの経過時間(処理後経過時間)を横軸にとってグラフを作成した。結果を図8に示す。
[試験結果] 図8に示したように、空間処理を行わず、固定面上に残留塗布した場合は、インドキサカルブの処理量が1m2当たり500〜1000mgと多いにもかかわらず、1週間後の死亡率が80%台であり、くん煙剤、全量噴射エアゾール剤等による空間処理を行う場合にくらべ、その殺虫効力が大きく劣ることが示された。
[目的] チャバネゴキブリに対する残留塗布処理による殺虫効果の評価
[試験方法] 31cm×40cmのコンテナを2つ用意し、各コンテナ内に、それぞれ、図7に示すように、水と、餌と、ひだ折りコートボール紙を2枚積層して形成したゴキブリ潜伏場所とを2セット配置し、ここに、チャバネゴキブリ(薬剤感受性系統)の雌20頭を入れた。
24時間放置後、各コンテナ内のコートボール紙の下段2枚をそれぞれ取り出し、インドキサカルブのアセトン希釈液を噴霧して風乾し、再びコンテナ内の同じ位置に戻した。噴霧したインドキサカルブ量は、一方のコンテナについては、コートボール紙1m2当たり500mgとし、他方のコンテナについてはコートボール紙1m2当たり1000mgとした。
コートボール紙を戻した時点から、各々、1日ごとにチャバネゴキブリの死亡数を数え、死亡率を算出した。
上記で求めた死亡率(%)を縦軸にとり、コートボール紙を戻した時点からの経過時間(処理後経過時間)を横軸にとってグラフを作成した。結果を図8に示す。
[試験結果] 図8に示したように、空間処理を行わず、固定面上に残留塗布した場合は、インドキサカルブの処理量が1m2当たり500〜1000mgと多いにもかかわらず、1週間後の死亡率が80%台であり、くん煙剤、全量噴射エアゾール剤等による空間処理を行う場合にくらべ、その殺虫効力が大きく劣ることが示された。
上記試験結果から、本発明のインドキサカルブを配合した害虫防除用空間処理剤は、ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリやクロゴキブリに対して高い殺虫効果を有することが示され、たとえば空間に1m3当たり0.3〜25mgの処理量でインドキサカルブによる空間処理を行うと、メトキサジアゾンを上回る効果が認められた。また、狭い隙間に潜むゴキブリを想定した試験からも高い防除効果が明らかになった。
本発明の害虫防除用空間処理剤は、インドキサカルブを有効成分として配合することにより、室内に空間処理した時の有効成分量が1m3当たり0.3mg以上の低用量で、殺虫剤抵抗性ゴキブリを含む多様なゴキブリ等に対し、高い防除効果を発揮できる。たとえば従来の害虫防除用空間処理剤では効果がほとんど認められない用量、たとえば有効成分量が1m3当たり40mg以下、さらには25mg以下であっても、充分な防除効果が得られる。
従って本発明の害虫防除用空間処理剤および害虫防除方法によれば、殺虫剤抵抗性ゴキブリや、薬剤到達量が少なく難防除とされる狭い空間、隙間などに潜むゴキブリなどに対しても少ない薬量で効果的に防除することができる。
従って本発明の害虫防除用空間処理剤および害虫防除方法によれば、殺虫剤抵抗性ゴキブリや、薬剤到達量が少なく難防除とされる狭い空間、隙間などに潜むゴキブリなどに対しても少ない薬量で効果的に防除することができる。
Claims (4)
- 有効成分としてインドキサカルブを含有することを特徴とする害虫防除用空間処理剤。
- ゴキブリ防除用である請求項1に記載の害虫防除用空間処理剤。
- 空間1m3当たり、インドキサカルブに換算して0.3mg以上となる量で用いられる請求項1または2に記載の害虫防除用空間処理剤。
- 請求項1または2に記載の害虫防除用空間処理剤を、空間1m3当たり、インドキサカルブに換算して0.3mg以上となる量で用いて空間処理を行うことを特徴とする害虫防除方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008116357A JP2009263292A (ja) | 2008-04-25 | 2008-04-25 | 害虫防除用空間処理剤および害虫防除方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106342868A (zh) * | 2016-08-31 | 2017-01-25 | 吴齐仟 | 食荚豌豆豆秆黑潜蝇化学防治方法 |
CN106417341A (zh) * | 2016-08-31 | 2017-02-22 | 江苏长青生物科技有限公司 | 一种含茚虫威杀蟑螂制剂 |
CN110973092A (zh) * | 2019-12-11 | 2020-04-10 | 上海卡适堡汽车工程技术有限公司 | 一种新型零星或集中式汽车加热干蒸设备 |
-
2008
- 2008-04-25 JP JP2008116357A patent/JP2009263292A/ja active Pending
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