次に、本発明の第1実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では本発明を遊技機の一例であるスロットマシンに適用した構成を説明する。
図1及び図2に示すように、スロットマシン10は、箱状に形成された箱体12と、箱体12の前面側に形成されて開口部Mを覆うようにして設けられた前面扉(扉体)14と、遊技メダルを貸し出すためのメダル貸出装置16と、を備えている。なお、箱体12と前面扉14とで筐体が構成されている。
前面扉14は、遊技の進行に応じた演出が行われる上段の領域14Aと、遊技メダルが払い出される下段の領域14Bと、遊技が行われる中段の領域14Cの大きく3つの領域から構成されており、更に中段の領域14Cは、遊技の状態を表示するための遊技状態表示部18と、遊技を行うための操作部20と、から構成されている。
上段の領域14Aには、中央に演出表示装置22が設けられている。また、この演出表示装置22の左右には、スピーカ24がそれぞれ設けられている。また、演出表示装置22及びスピーカ24の上方には、各種のランプ類26が設けられている。演出表示装置22は、いわゆる液晶表示装置によって構成されており、遊技の進行状況に合わせて種々の図柄を表示して演出を行うことが可能となっている。
また、前面扉14の中段に設けられた遊技状態表示部18の中央には、大きな表示窓28が設けられており、内部に設けられた3つの回胴30A、30B、30Cが回転する様子を外部から視認することができるようになっている。また、表示窓28の左右及び下方には、遊技の状態を表示する各種の表示パネル類32がそれぞれ設けられている。
また、前面扉14の中段下方に設けられた操作部20は手前に向かって突出した形状に形成されており、その上面には遊技メダルを投入するための遊技メダル投入口34と、クレジットとして貯留されている遊技メダルを1枚だけ投入するための一枚投入ボタン36と、貯留されている遊技メダルを3枚投入するための三枚投入ボタン37などが設けられている。なお、遊技メダルの貯留とは、遊技メダルを実際に払い出す代わりにメダルの枚数を記憶しておくことをいう。また、操作部20の前面には、遊技メダルの投入後に回胴30A、30B、30Cの回転を開始するためのスタートレバー38と、3つの回胴30A、30B、30Cの回転をそれぞれ停止させるための回胴停止ボタン40A、40B、40Cなどが設けられている。また、操作部20の上面には精算ボタン42が設けられ、前面には返却ボタン44が設けられている。ここで、精算ボタン42とは、遊技機10の内部に貯留されている遊技メダルを外部に排出する際に操作するボタンである。また、返却ボタン44とは、投入した遊技メダルが遊技機10の内部で詰まった場合に、メダルの詰まりを解消するために操作されるボタンである。
また、前面扉14の下段の領域14Bには、遊技メダルが排出される遊技メダル排出口46と、排出された遊技メダルを受け止めるメダル受け皿48と、が設けられている。
図2に示すように、前面扉14の裏面側上部には、サブ制御基板ユニット50が設けられている。また、サブ制御基板ユニット50の左右にはスピーカ24がそれぞれ取り付けられている。サブ制御基板ユニット50は、内部に後述するサブ制御基板52が格納されており、図1に示した演出表示装置22、各種ランプ類26、スピーカ24などを用いて行われる各種演出の制御を司っている。
また、前面扉14に設けられた表示窓28の裏面側下方には、後述する扉基板56が格納された扉基板ユニット54が設けられている。この扉基板ユニット54の下方には、投入された遊技メダルの通路となるメダルセレクタ58と、遊技メダルを遊技メダル排出口46に導くためのコインシュータ60と、が取り付けられている。メダルセレクタ58は、遊技メダル投入口34から投入された遊技メダルを主に寸法に基づいて選別し、規格寸法に適合した寸法の遊技メダルだけを受け入れる機能を有している。遊技者がスタートレバー38を操作する前に遊技メダルを投入すると、遊技メダルはメダルセレクタ58によって選別され、規格を満足しているものだけがホッパー100内に投入され、規格を満足していないメダルは、コインシュータ60を通って、遊技メダル排出口46に返却されるようになっている。これに対して、スタートレバー38が操作された後に遊技メダルが投入された場合は、メダルセレクタ58内の通路が切り換わり、投入された遊技メダルは、コインシュータ60を通って、遊技メダル排出口46に返却される。また、メダルセレクタ58の内部には、図示しないメダルセンサが設けられており、寸法規格を満たして受け入れられた遊技メダルはメダルセンサによって検出され、検出信号が後述の主制御基板64に出力されるようになっている。
また、箱体12の内部の略中央には、3つの回胴30A、30B、30Cがそれぞれ設けられている。各回胴30A、30B、30Cの上方には、遊技全体の制御を司る後述の主制御基板64が格納された主制御基板ユニット66と、各回胴30A、30B、30Cを駆動するための後述の回胴基板68が格納された回胴基板ユニット70(図2及び図3では図示省略)と、が設けられている。また、3つの回胴30A、30B、30Cの下方にはリアスピーカ72が設けられており、さらにその下方には投入された遊技メダルが集められ必要に応じてメダルを払い出すホッパー100と、遊技機10全体に電源を供給するための後述の電源基板76が格納された電源ユニット78などが設けられている。そして、電源ユニット78の前面には、遊技機10の電源を投入するための電源スイッチ(電源供給手段)80が設けられている。また、ホッパー100の払出口82からコインシュータ60の受入口85に向けて払い出された遊技メダルは、コインシュータ60を通って、遊技メダル排出口46から排出されるようになっている。
ここで、発明の要部について詳細に説明する。
図3、図4及び図6に示すように、ホッパー100は、払出口82からメダルを払い出す払出駆動装置74と、払出駆動装置74の上部に取り付けられ、上面にメダルの通過が可能な開口部が形成されるホッパータンク62と、で構成されている。ホッパータンク62は、払出駆動装置74と接続されるホッパー接続部62Aと、ホッパー接続部62Aの上方に位置し、ホッパー接続部62Aにメダルを誘導するメダル誘導部62Bと、で構成されている。
ホッパー接続部62Aにはメダル通過口(図示省略)が形成されており、払出駆動装置74の上面に形成されたメダル流入口(図示省略)と連通するように、ホッパー接続部62Aが払出駆動装置74に取り付けられている。
メダル誘導部62Bは、ホッパー接続部62Aにメダルを誘導するための傾斜底面63を備えており、メダル誘導部62Bの上端部の一部には、ホッパータンク62から溢れたメダルをメダル補助収容庫(メダル補助収容部材)71に流すときや、メダル補助収容庫71に収容されたメダルをメダル誘導部62Bに戻すときに、メダルが通過するメダル流通切欠部65が形成されている。このメダル流通切欠部65は、メダル誘導部62Bの上端部の一部を切り欠いた溝状に形成されている。なお、本実施例におけるホッパー上面の開口部やメダル流通切欠部65は、本発明の「受入部」に相当する。
ここで、ホッパータンク62の内部には、ホッパータンク62内に収容されたメダルの量を検出するメダル検出センサ67(図7参照)が設けられている。このメダル検出センサ67は、例えば、発光部と受光部からなる光センサで構成されており、ホッパータンク62の内部に収容されたメダルの貯留高さが所定の高さになったときに、メダル残量不足を意味する検出信号をサブ制御基板52に出力するものである。詳細には、ホッパータンク62の内部に多量のメダルが収容されている場合には、メダルの貯留高さが所定の高さ以上になっているため、メダル検出センサ67の発光部の光がメダルで遮られて受光部に受光されない。このときは、メダル検出センサ67から検出信号が出力されない。一方、ホッパータンク62内部に収容されているメダルの量が少なくなると、メダルの貯留高さが低くなるため、メダル検出センサ67の発光部の光がメダルで遮られて受光部に受光される。このときは、メダル検出センサ67から検出信号(発光部からの光を受光部が検出した旨の信号)がサブ制御に出力される。このように、サブ制御基板52は、メダル検出センサ67からの検出信号の有無で、ホッパータンク62に収容されているメダルの量を判断することが可能になる。
なお、払出駆動装置74は、従来のものと同様の構成であり、メダルを載せたディスクを回転させる駆動モータと、メダルを検知するセンサ(いずれも図示省略)と、が設けられている。メダル検知センサにより検知されると、駆動モータが駆動され、ディスクが回転する。ディスクが回転すると、その遠心力によりディスク上のメダルが払出口82から払い出され、受入口85を経てコインシュータ60の内部に進入する。
図3、図5及び図6に示すように、メダル補助収容庫71は、箱体12の内部であって、ホッパー100の近傍に設けられている。メダル補助収容庫71は、メダルを収容する箱状部材(メダル供給手段)73と、箱状部材73の内部に設けられメダルを載せた状態で上下方向に移動可能な押上部材(メダル供給手段)77と、押上部材77を上下方向に移動させる駆動手段79(図7参照)と、を備えている。
図5及び図6に示すように、箱状部材73は、4つの側壁部73Aと、各側壁部73Aの他方側端部を閉塞する底面部73Bと、を有しており、各側壁部73Aの一方側端部は開口した状態になっている。また、一の側壁部73Aの開口側には凹部73Cが形成されており、ここを介してホッパータンク62から溢れたメダルがメダル補助収容庫71に流入することが可能になる。また、凹部73Cには外側に向かって延びた傾斜片73Dが形成されている。この傾斜片73Dは、重力の作用方向に下り傾斜しており、傾斜片73Dの端部がホッパータンク62のメダル流通切欠部65に掛けられている。このため、傾斜片73Dは、メダル補助収容庫71に収容されたメダルを、メダル流通切欠部65を介してホッパータンク62の内部に戻す際の供給経路となり、これにより、メダル補助収容庫71に収容されたメダルをホッパータンク62内に還元することが可能になる。なお、箱状部材73の底面部73Bには、ピストンロッド79Aが挿通する貫通孔(図示省略)が形成されている。
押上部材77は、メダルが載置される傾斜面77Aを備えている。この傾斜面77Aは、傾斜片73D側に向かって下り傾斜するように形成されている。傾斜面77Aの平面方向の面積は、箱状部材73の開口面積と略同じかあるいは若干小さくなるように設定されている。このため、箱状部材73の内部に収容されたメダルは、押上部材77の上昇とともに傾斜面77Aに載せられた状態で上方向に押し上げられる。そして、押上部材77が最上部に移動すると、押上部材77の上方向への移動が停止して、傾斜面77A上のメダルが重力の作用を受けて凹部73C側に移動する。そして、凹部73C側に移動したメダルは、傾斜片73Dを通過して、ホッパータンク62の内部に移動する。なお、押上部材77が最上部に向けて上昇する途中は、箱状部材73の側壁部73Aにより傾斜面77A上のメダルが箱状部材73の外部に零れてしまうことを防止できる。このため、メダルは、押上部材77の傾斜面77A上に載せられたまま、最上部まで移動することになる。
図6及び図7に示すように、駆動手段79は、シリンダ(図示省略)と、シリンダから空気圧又は油圧により押し出されるピストンロッド79Aと、で構成されている。この構成では、ピストンロッド79Aの先端部が押上部材77の底面部に接続されており、ピストンロッド79Aがシリンダから押し出されることにより押上部材77が上方向に移動する。また、ピストンロッド79Aがシリンダの内部に収納されることにより、押上部材77が下方向に移動する。なお、駆動手段79は、シリンダ及びピストンロッド79Aの他の構成でもよく、例えば、大型のソレノイドや伸縮可能なリンク機構などを用いてもよい。
ここで、駆動手段79は、サブ制御基板52からの制御信号に基づいて駆動制御される。すなわち、サブ制御基板52は、メダル検出センサ67からの検出信号を受信して、ホッパータンク62の内部に収容されているメダルが所定量以下と判断する。そして、サブ制御基板52は、駆動手段79に対して駆動に関する制御信号を出力する。これにより、駆動手段79のピストンロッド79Aは、上方向に移動して、押上部材77に載っているメダルを上方へ押し上げる。この結果、最終的には、押上部材77に載っているメダルがホッパータンク62内部に供給される。
次に、遊技機10の電気的構成について説明する。
図7に示すように、遊技機10には、主制御基板64を中心として、サブ制御基板52、扉基板56、回胴基板68、電源基板76等がデータをやりとり可能に接続されて構成されている。
主制御基板64は、遊技機10で行われる遊技全体の進行や演出を司る基板である。この主制御基板64には、CPU、ROM、RAMなどがバスによって互いにデータをやりとり可能に接続されて搭載されている。主制御基板64は、前面扉14に搭載された扉基板56から、スタートレバー38が操作されたことを示す信号を受け取って、遊技制御処理を実行しながら、サブ制御基板52、扉基板56、回胴基板68などに向かって制御コマンド(あるいは制御信号)を出力することにより、各基板の動作を制御している。
サブ制御基板52は、主制御基板64と同様に、CPU、ROM、RAMなどがバスによって互いにデータをやりとり可能に接続されて搭載されている。また、サブ制御基板52には、各種ランプ類26、各種スピーカ24、72、演出表示装置22、回胴バックライト102、メダル検出センサ67、駆動手段79など、が接続されている。ここで、回胴バックライト102とは、各回胴30A、30B、30Cの内部に設けられ、回胴30A、30B、30Cの表面に描かれた図柄を裏側から照らすライトである。サブ制御基板52は、主制御基板64から受け取った制御コマンドを解析して、各種ランプ類26、各種スピーカ24、72、演出表示装置22、回胴バックライト102、にそれぞれ駆動信号を出力することにより、これらを用いた各種演出を行っている。
また、扉基板56には、メダルセレクタ58、貯留されている遊技メダルを投入するための各種投入ボタン36、37、回胴30A、30B、30Cの回転を開始するためのスタートレバー38、回転している回胴30A、30B、30Cを停止するための回胴停止ボタン40A、40B、40C、貯留されている遊技メダルや投入された遊技メダルを払い出して遊技を終了するための精算ボタン42、遊技の状態を表示するため各種の表示パネル32などが接続されている。まて、扉基板56は、主制御基板64と、データをやりとり可能に接続されている。このため、前面扉14に設けられたスタートレバー38、回胴停止ボタン40A、40B、40C、各種の投入ボタン36、37、精算ボタン42などを操作すると、扉基板56を介して、その信号を主制御基板64に供給することが可能となっている。また、メダルセレクタ58に設けられたメダルセンサの出力も、扉基板56を介して主制御基板64に供給されている。
回胴基板68には、3つの回胴30A、30B、30Cをそれぞれ回転させるための回胴モータ104A、104B、104Cと、それぞれの回胴30A、30B、30Cの回転位置を検出するための回胴センサ106A、106B、106Cが設けられている。回胴基板68は、回胴センサ106A、106B、106Cによって、各回胴30A、30B、30Cの回転位置を検出しながら、回胴モータ104A、104B、104Cを駆動することにより、それぞれの回胴30A、30B、30Cを、所望の回転位置で停止させることが可能となっている。なお、本実施形態の遊技機10では、回胴モータ104A、104B、104Cには、いわゆるステッピングモータが使用されている。
また、ホッパー100は、中継基板75を介して、主制御基板64に接続されており、主制御基板64からの制御信号に基づいて、払出駆動装置74を駆動させ所定枚数の遊技メダルを払い出す動作を行う。払出駆動装置74には、遊技メダルが払い出されたことを検知するために、図示しない払出センサが設けられている。遊技メダルが払い出されると、払出センサで検知して、払出信号がホッパー100から主制御基板64に出力される。
また、これら各種制御基板及び基板で消費されたる電力は、電源基板76から供給されている。電源基板76には、100Vの交流電圧が供給されており、この電力を規定電圧に変換した後、それぞれの制御基板及び基板に供給している。電源基板76には、電源スイッチ80が接続されている。なお、図7では、電源基板76から電力が供給される様子を破線の矢印で表している。
次に、本発明の第1実施形態のスロットマシン10の作用について説明する。
第1実施形態のスロットマシン10では、ホッパー100からメダルが払い出される度に、ホッパータンク62に収容されているメダルの個数(量)が少なくなっていく。そして、ホッパータンク62の内部のメダルが著しく減り、メダルの貯留高さが所定の高さ以下になると、メダル検出センサ67の発光部の光が受光部で受光されるため、メダル検出センサ67からサブ制御基板52に対して検出信号が出力される。メダル検出センサ67からの検出信号は、受光部で発光部の光が受光され続ける間(換言すれば、受光部で光を受光してから受光されなくなるまでの間)は、継続して出力される。なお、ホッパータンク62内部のメダルの保留高さが所定の高さ以上である場合には、メダル検出センサ67の発光部の光が受光部で受光されないため、メダル検出センサ67からサブ制御基板52に対して検出信号が出力されない。
図6に示すように、メダル検出センサ67からサブ制御基板52に対して検出信号が出力されると、駆動手段79のピストンロッド79Aがシリンダの内部から押し出され、上方向に向かって伸びていく。これに伴い、押上部材77は、ピストンロッド79Aによって上方向に押し上げられる形で移動する。箱状部材73の内部を押上部材77が上方向に移動すると、押上部材77の傾斜面77A上のメダルは、周囲を箱状部材73の各側壁部73Aで囲まれているため、押上部材77から落下することはない。
押上部材77が最上部に移動すると、傾斜面77A上のメダルが重力の作用を受けて凹部73C側に移動する(あるいは滑り落ちる)。特に、押上部材77の傾斜面77Aが凹部73C側に向かって下り傾斜しているため、傾斜面77A上のメダルは、重力の作用を受けているため、箱状部材73の側壁部73Aによる干渉がなければ、傾斜面77A上を凹部73C側に滑り落ち、傾斜片73Dに流入する。そして、メダルは、傾斜片73Dを通過して、メダル流通切欠部65からホッパータンク62の内部に移動する。このようにして、メダル補助収容庫71からホッパータンク62の内部にメダルが補充される。
メダル補助収容庫71からホッパータンク62の内部にメダルが補充されると、ホッパータンク62内部に収容されたメダルの個数(量)が増えていき、やがてメダル検出センサ67の発光部の光が受光部で受光されなくなる。このときには、メダル検出センサ67からサブ制御基板52に対して検出信号が出力されなくなる。これにより、サブ制御基板52は、ホッパータンク62の内部に収容されたメダルが所定量以上であると判断する。
なお、最上部に移動した押上部材77の傾斜面77Aからホッパータンク62にメダルを供給した後、サブ制御基板52により駆動手段79に対して制御信号が出力され、ピストンロッド79Aがシリンダの内部に収容されていく。これにより、押上部材77は、ピストンロッド79Aに下方向に引っ張られる形で下方向に移動する。そして、押上部材は、箱状部材73の内部の最下部に移動して停止する。ここで、押上部材77を下方に移動させるタイミングは、押上部材77が最上部に移動したときからの経過時間をサブ制御基板52に内蔵されたタイマー(図示省略)によって計測し、所定の計測値になると、サブ制御基板52から駆動手段79に対して制御信号が出力され、ピストンロッド79Aが引き戻される。また、箱状部材73の上端部にメダルを検出するメダル検出センサ(例えば、光センサや画像認識センサなど)を設けておき、押上部材77の傾斜面77A上のメダルの有無をサブ制御基板52により判断するように構成しても良い。
以上のように、第1実施形態のスロットマシン10によれば、ホッパータンク62(あるいはホッパー100)内部のメダルが少量になったときに、押上部材77で押し上げられたメダルを一時にかつ大量にホッパータンク62に補充することができる。これにより、少量ずつホッパータンク62に補充していた従来のスロットマシンと比較して、短時間で大量のメダルをホッパータンク62に補充することができる。この結果、ホッパータンク62へのメダルの補充効率を向上させることができる。
また、押上部材77を最上部に移動させるだけで、押上部材77の傾斜面77A上のメダルをホッパータンク62(あるいはホッパー100)に供給することができる。すなわち、押上部材77が最上部に移動すると、箱状部材73の側壁部73Aの干渉を受けなくなるため、メダルは傾斜面77A上を重力の作用に従ってホッパータンク62側に移動する。このため、箱状部材73や押上部材77に対して傾斜面77A上のメダルをホッパータンク62側に誘導する部材を別途設けることなく、傾斜面77A上のメダルをホッパータンク62に効率良く供給することができる。この結果、メダル補助収容庫71又はホッパー100の部品点数を削減でき、メダル補助収容庫71又はホッパー100の大型化や製造コストの上昇を防止できる。
次に、本発明の第2実施形態のスロットマシンについて説明する。
なお、第1実施形態のスロットマシン10の構成と重複する構成には同符号を付し、適宜、その説明を省略する。
第2実施形態のスロットマシンは、メダル補助収容庫の構成を第1実施形態のメダル補助収容庫の構成から変更したものである。すなわち、図8及び図9に示すように、メダル補助収容庫(メダル補助収容部材)81は、大型の外側箱状部材(メダル供給手段、箱状部材)83と、外側箱状部材83の内側に収容された内側箱状部材(メダル供給手段、箱状部材)87と、内側箱状部材87と接続し内側箱状部材87を上下方向に移動させる駆動手段79と、で構成されている。
外側箱状部材83は、4つの側壁部83Aと、各側壁部83Aの他方側端部を閉塞する底面部83Bと、を有しており、各側壁部83Aの一方側端部は開口した状態になっている。第1実施形態のスロットマシン10で適用される箱状部材73と異なり、凹部は形成されていない。なお、外側箱状部材83の底面部83Bには、駆動手段を構成するピストンロッド79Aが挿通する貫通孔83Cが形成されている。
内側箱状部材87は、4つの側壁部87Aと、各側壁部87Aの他方側端部を閉塞する底面部87Bと、底面部87Bに取り付けられた接続板87Cと、を有しており、各側壁部87Aの一方側端部は開口した状態になっている。この内側箱状部材87の内部には、メダルが収容されている。また、ホッパータンク62側に位置する一の側壁部87Aの下部には、メダルが通過する開口状のメダル通過部87Dが形成されている。また、内側箱状部材87の接続板87Cには、ピストンロッド79Aが接続されている。接続板87Cには、開閉蓋(蓋部)87Eが取り付けられている。この開閉蓋87Eが鉛直上方向に延びることによりメダル通過部87Dの開口を閉塞し、内側箱状部材87の端部側を回転支点にして外側に回転することによりメダル通過部87Dの開口を開放する。
駆動手段79は、シリンダ及びピストンロッド79Aで構成されており、第1実施形態のスロットマシン10で適用された駆動手段79の構成と同様のものである。なお、駆動手段79の動作及び駆動制御方法についても、第1実施形態のスロットマシン10のものと同様である。
第2実施形態のスロットマシンによれば、図8に示すように、当初の状態において、内側箱状部材87が外側箱状部材83の内部に完全に収容されている。このとき、開閉蓋87Eは、外側箱状部材83のホッパータンク62側に位置する一の側壁部83Aにより開閉蓋87Eの外側への回転が阻止されているため、メダル通過部87Dの開口を閉塞した状態になっている。このため、内側箱状部材87の内部に収容されているメダルは、内側箱状部材87の内部に留まることになる。
そして、ホッパータンク62内部のメダルの個数が不足した場合には、サブ制御基板52により制御されたピストンロッド79Aが上方向に移動する。ここで、内側箱状部材87が初期位置から最上部に移動するまでは、開閉蓋87Eは、外側箱状部材83のホッパータンク62側の側壁部83Aにより外側から支持された状態が維持されるため、外側への回転が阻止される。このため、内側箱状部材87が最上部に至るまでは、開閉蓋87Eは、内部のメダルから所定の圧力を受けることになるが、端部を回転支点として外側に回転することがない。
内側箱状部材87が最上部に到達すると、内側箱状部材87の上方向への移動が停止するとともに、開閉蓋87Eを外側から支持する側壁部83Aがなくなり、回転自在な状態になる。このため、図9に示すように、開閉蓋87Eは、内側箱状部材87の内部に収容されたメダルによりメダル通過部87Dで内側から外側に向かって圧力を受けるため、端部を回転支点として外側に回転する。開閉蓋87Eが外側に回転すると、開閉蓋87Eは、ホッパータンク62のメダル流通切欠部65に掛け渡される。開閉蓋87Eがメダル流通切欠部65に掛け渡された状態では、開閉蓋87Eは、内側箱状部材87からホッパータンク62側に向かって下り傾斜した姿勢になる。そして、同時に、内側箱状部材87の内部に収容されていたメダルがメダル通過部87Dを介して開閉蓋87Eに流入する。その後、メダルは、開閉蓋87Eを通って、メダル流通切欠部65からホッパータンク62の内部に移動する。このようにして、内側箱状部材87に収容されていたメダルがホッパータンク62の内部に補充される。
なお、内側箱状部材87を外側箱状部材83の内部に収容するときは、開閉蓋87Eは、内側箱状部材87の下降と共に、外側箱状部材83のホッパータンク62側の側壁部83Aから鉛直上方向に延びた状態に戻されるため、内側箱状部材87を外側箱状部材83の内部に円滑に収容することができる。
以上のように、第2実施形態において、メダル補助収容庫81の内側箱状部材87に収容されたメダルを短時間で多量にホッパータンク62に供給することができる。特に、開閉蓋87Eがメダル通過部87Dの開口を閉塞又は開放する蓋部として機能する他に、内側箱状部材87のメダルをホッパータンク62に供給するときのブリッジとしての機能を兼備したものになる。これにより、開閉蓋87Eの2つの機能を持たせることができるため、メダル補助収容庫81の部品点数を削減でき、メダル補助収容庫81の大型化を阻止することができる。
次に、本発明の第3実施形態のスロットマシンについて説明する。
なお、第1実施形態のスロットマシン10の構成と重複する構成には同符号を付し、適宜、その説明を省略する。
第3実施形態のスロットマシンは、メダル補助収容庫の構成を第2実施形態のメダル補助収容庫の構成からさらに変更したものである。すなわち、図10及び図11に示すように、内側箱状部材87のホッパータンク62側の側壁部が取り除かれて、開閉蓋87Eが当該側壁部として機能するものである。具体的には、開閉蓋87Eが鉛直上方向に延びている状態では、内側箱状部材87の一の側壁部として機能する。そして、開閉蓋87Eが外側に回転した状態では、内側箱状部材87に収容されたメダルをホッパータンク62に供給するための橋渡しとして機能する。
第3実施形態のスロットマシンによれば、図10に示すように、当初の状態において、内側箱状部材87が外側箱状部材83の内部に完全に収容されている。このとき、開閉蓋87Eは、外側箱状部材83のホッパータンク62側に位置する一の側壁部83Aにより開閉蓋87Eの外側への回転が阻止されているため、鉛直上方向に延びている状態になる。このため、内側箱状部材87の内部に収容されているメダルは、内側箱状部材87の内部に留まることになる。
ホッパータンク62内部のメダルの個数が不足した場合には、サブ制御基板52により制御されたピストンロッド79Aが上方向に移動する。ここで、内側箱状部材87が初期位置から最上部に移動するまでは、開閉蓋87Eは、外側箱状部材83のホッパータンク62側の側壁部83Aにより外側から支持された状態が維持されるため、外側への回転が阻止される。このため、内側箱状部材87が最上部に至るまでは、開閉蓋87Eは、内部のメダルから所定の圧力を受けることになるが、端部を回転支点として外側に回転することがない。
内側箱状部材87が最上部に到達すると、開閉蓋87Eを外側から支持する側壁部83Aがなくなり、回転自在な状態になる。このため、図11に示すように、開閉蓋87Eは、内側箱状部材87の内部に収容されたメダルにより内側から外側に向かって圧力を受けるため、端部を回転支点として外側に回転する。開閉蓋87Eが外側に回転すると、開閉蓋87Eは、ホッパータンク62のメダル流通切欠部65に掛け渡される。開閉蓋87Eがメダル流通切欠部65に掛け渡された状態では、開閉蓋87Eは、内側箱状部材87からホッパータンク62側に向かって下り傾斜した姿勢になる。そして、同時に、内側箱状部材87の内部に収容されていたメダルが開閉蓋87Eに一気に流入する。その後、メダルは、開閉蓋87Eを通って、メダル流通切欠部65からホッパータンク62の内部に移動する。このようにして、内側箱状部材87に収容されていたメダルがホッパータンク62の内部に補充される。
以上のように、第3実施形態によれば、メダル通過部87Dの開口面積の大きさにより内側箱状部材87から開閉蓋87Eへの流入量の制限が生じていたが、第2実施形態によれば、メダル通過部87Dが存在しないため、内側箱状部材87に収容されていたメダルが一気に開閉蓋87Eを経てホッパータンク62に移動することが可能になる。これにより、メダル補助収容庫81からホッパータンク62に対して大量のメダルを瞬時にして補充することが可能になり、メダルの補充効率を一層向上させることができる。
ここで、第2実施形態及び第3実施形態の変形例について説明する。
図12及び図13に示すように、内側箱状部材87の底面部87Bの裏面側には2つの突起部87Fを形成し、接続板87Cには各突起部87Fが圧入可能な2つの溝部87Gを形成し、内側箱状部材87の底面部87Bが接続板87Cに対して着脱自在になるように構成しても良い。
この構成によれば、内側箱状部材87の内部にメダルが補充するときには、内側箱状部材87の底面部87Bを接続板87Cから取り外して、メダルを補充することができる。これにより、内側箱状部材87の取扱性が向上する。すなわち、ピストンロッド79Aを含む駆動手段79を箱体12の内部に残した状態で、内側箱状部材87の内部にメダルを補充することができる。また、ピストンロッド79Aなどの駆動手段79のメンテナンスを行うときには、内側箱状部材87の底面部87Bを接続板87Cから取り外すことによりメンテナンス性を高めることができる。
次に、本発明の第4実施形態のスロットマシンについて説明する。
なお、第1実施形態のスロットマシン10の構成と重複する構成には同符号を付し、適宜、その説明を省略する。
第4実施形態のスロットマシンは、第2実施形態のメダル補助収容庫の構成と同様の構成を用いるとともに、ホッパー及びメダル払出装置を上下方向移動可能に構成したものである。すなわち、図14乃至図16に示すように、払出駆動装置74の底部には、サブ駆動手段89を構成するサブピストンロッド89Aが接続されている。このサブピストンロッド89Aは、サブシリンダ(図示省略)の内部に収容され、またサブシリンダの内部から上方向に向かって押し出されるものである。このため、サブピストンロッド89Aは、サブシリンダに対して相対移動する。なお、サブ駆動手段89は、サブ制御基板52の制御信号に基づいて駆動制御される。
第4実施形態のスロットマシンによれば、図14に示すように、当初の状態において、サブピストンロッド89Aは、サブシリンダから押し出された状態になっており、このため、払出駆動装置74及びホッパータンク62の高さが高くなるように設定されている。そして、ホッパータンク62の内部に収容されているメダルの量が少なくなると、サブ制御基板52により駆動手段79が制御されて、ピストンロッド79Aが上方向に移動する。これにより、内側箱状部材87が上方向に移動する。この駆動手段79の駆動と同時に、サブ制御基板52によりサブ駆動手段89が制御されて、図15に示すように、サブピストンロッド89Aが下方向に移動し、サブシリンダの内部に収容される。これにより、払出駆動装置74及びホッパータンク62が下方向に移動する。このように、内側箱状部材87が上方向に移動するとともに、ホッパータンク62が下方向に移動するため、内側箱状部材87が上方向への短い移動距離で内側箱状部材87をホッパータンク62の上方に位置することになる。こうして、内側箱状部材87からホッパータンク62にメダルを補充するときには、ホッパータンク62を下側に移動させることにより、内側箱状部材87の上方向への移動距離を短くすることができる。この結果、箱体12の上下方向の高さ寸法やスペースに制限がある場合でも、内側箱状部材87からホッパータンク62にメダルを補充することができる。
また、内側箱状部材87が上方向に移動すると同時に、ホッパータンク62及び払出駆動装置74が下方向に移動するため、内側箱状部材87をホッパータンク62の上方に短時間で位置させることができる。これにより、内側箱状部材87からホッパータンク62へのメダルの補充時間を短縮することができる。
なお、内側箱状部材87からホッパータンク62へのメダル補充終了後は、ピストンロッド79Aが下方向に移動され、ホッパータンク62が上方向に移動され、図14に示す元の初期状態にそれぞれ戻ることになる。
次に、本発明の第5実施形態のスロットマシンについて説明する。
なお、第1実施形態のスロットマシン10の構成と重複する構成には同符号を付し、適宜、その説明を省略する。
第5実施形態のスロットマシンは、第2実施形態のスロットマシンのベースに考案したものであり、メダル補助収容庫の一部の構成が第2実施形態のスロットマシンのメダル補助収容庫の構成と異なるように設定したものである。
すなわち、図17乃至図20に示すように、メダル補助収容庫81の内側箱状部材87のホッパータンク62側に位置する側壁部87Aには、3つのメダル通過部87D1、87D2、87D3がそれぞれ形成されている。具体的には、内側箱状部材87の側壁部87Aには、高さの高い方から低い方向に向かって第1メダル通過部87D1、第2メダル通過部87D2、第3メダル通過部87D3が所定の間隔をあけて順番に形成されている。各メダル通過部87D1、87D2、87D3の開口面積が略同じ面積に設定されている。なお、各メダル通過部87D1、87D2、87D3の開口面積が異なるように設定しても良い。各メダル通過部87D1、87D2、87D3の開口面積が異なるように設定することにより、各メダル通過部87D1、87D2、87D3からホッパータンク62へのメダル供給時間及びメダル供給量を制御することができる。例えば、第3メダル通過部87D3、第2メダル通過部87D2、第1メダル通過部87D1の順番に開口面積が大きくなる(高い位置のメダル通過部の開口面積が大きくなる)ように設定すると、3つの各メダル通過部87D1、87D2、87D3のうち最先にメダルが通過することになる第1メダル通過部87D1からホッパータンク62に供給されるメダルの供給量が増加する。これにより、内側箱状部材87に収容されたメダルの大部分を短時間でホッパータンク62に供給することができる。
また、各メダル通過部87D1、87D2、87D3の近傍には、各メダル通過部87D1、87D2、87D3の開口を開放又は閉塞する開閉蓋(蓋部)87E1、87E2、87E3がそれぞれ設けられている。すなわち、第1メダル通過部87D1の近傍には、第1メダル通過部87D1の開口を開放又は閉塞する第1開閉蓋87E1が設けられている。また、第2メダル通過部87D2の近傍には、第2メダル通過部87D2の開口を開放又は閉塞する第2開閉蓋87E2が設けられている。さらに、第3メダル通過部87D3の近傍には、第3メダル通過部87D3の開口を開放又は閉塞する第3開閉蓋87E3が設けられている。なお、メダル補助収容庫81のその他の構成は、第2実施形態のメダル補助収容庫81の構成と同様であるので、説明を省略する。
第5実施形態のスロットマシンによれば、図17に示すように、当初の状態において、内側箱状部材87が外側箱状部材83の内部に完全に収容されている。このとき、各開閉蓋87E1、87E2、87E3は、外側箱状部材83のホッパータンク62側に位置する一の側壁部83Aにより各開閉蓋87E1、87E2、87E3の外側への回転が阻止されているため、各メダル通過部87D1、87D2、87D3の開口を閉塞した状態になっている。このため、内側箱状部材87の内部に収容されているメダルは、内側箱状部材87の内部に留まることになる。
そして、ホッパータンク62内部のメダルの個数が不足した場合には、サブ制御基板52により制御されたピストンロッド79Aが上方向に移動する。このピストンロッド79Aは、上方向に3段階に分けて移動する。すなわち、第1メダル通過部87D1からホッパータンク62にメダルを供給するときの内側箱状部材87が停止する第1停止位置、第2メダル通過部87D2からホッパータンク62にメダルを供給するときの内側箱状部材87が停止する第2停止位置、第3メダル通過部87D3からホッパータンク62にメダルを供給するときの内側箱状部材87が停止する第3停止位置、の3つの停止位置に内側箱状部材87が停止するようにピストンロッド79Aの移動が制御される。ピストンロッド79Aの移動制御はサブ制御基板52により実行されるが、サブ制御基板52は、サブ制御基板52に内蔵したタイマによる計測値に基づいてピストンロッド79Aの移動を制御する。
ここで、内側箱状部材87が初期位置から第1停止位置に移動するまでは、各開閉蓋87E1、87E2、87E3は、外側箱状部材83のホッパータンク62側の側壁部83Aにより外側から支持された状態が維持されるため、外側への回転が阻止される。このため、内側箱状部材87が第1停止位置に至るまでは、各開閉蓋87E1、87E2、87E3は、内部のメダルから所定の圧力を受けることになるが、端部を回転支点として外側に回転することがない。
内側箱状部材87が第1停止位置に到達すると、第1開閉蓋87E1を外側から支持する側壁部83Aがなくなり、回転自在な状態になる。このため、図18に示すように、第1開閉蓋87E1は、内側箱状部材87の内部に収容されたメダルにより第1メダル通過部87D1で内側から外側に向かって圧力を受けるため、端部を回転支点として外側に回転する。第1開閉蓋87E1が外側に回転すると、第1開閉蓋87E1は、ホッパータンク62のメダル流通切欠部65に掛け渡される。第1開閉蓋87E1がメダル流通切欠部65に掛け渡された状態では、第1開閉蓋87E1は、内側箱状部材87からホッパータンク62側に向かって下り傾斜した姿勢になる。そして、同時に、内側箱状部材87の内部に収容されていたメダルが第1メダル通過部87D1を介して第1開閉蓋87E1に流入する。その後、メダルは、第1開閉蓋87E1を通って、メダル流通切欠部65からホッパータンク62の内部に移動する。このようにして、内側箱状部材87に収容されていたメダルの一部がホッパータンク62の内部に補充される。
第1メダル通過部87D1からホッパータンク62へのメダルの供給後、ピストンロッド79Aが上方向に移動する。そして、内側箱状部材87が第2停止位置に到達すると、第2開閉蓋87E2を外側から支持する側壁部83Aがなくなり、回転自在な状態になる。このため、図19に示すように、第2開閉蓋87E2は、内側箱状部材87の内部に収容されたメダルにより第2メダル通過部87D2で内側から外側に向かって圧力を受けるため、端部を回転支点として外側に回転する。第2開閉蓋87E2が外側に回転すると、第2開閉蓋87E2は、ホッパータンク62のメダル流通切欠部65に掛け渡される。第2開閉蓋87E2がメダル流通切欠部65に掛け渡された状態では、第2開閉蓋87E2は、内側箱状部材87からホッパータンク62側に向かって下り傾斜した姿勢になる。そして、同時に、内側箱状部材87の内部に収容されていたメダルが第2メダル通過部87D2を介して第2開閉蓋87E2に流入する。その後、メダルは、第2開閉蓋87E2を通って、メダル流通切欠部65からホッパータンク62の内部に移動する。このようにして、内側箱状部材87に収容されていたメダルの一部がホッパータンク62の内部に補充される。
第2メダル通過部87D2からホッパータンク62へのメダルの供給後、ピストンロッド79Aが上方向に移動する。そして、内側箱状部材87が第3停止位置に到達すると、第3開閉蓋87E3を外側から支持する側壁部83Aがなくなり、回転自在な状態になる。このため、図20に示すように、第3開閉蓋87E3は、内側箱状部材87の内部に収容されたメダルにより第3メダル通過部87D3で内側から外側に向かって圧力を受けるため、端部を回転支点として外側に回転する。第3開閉蓋87E3が外側に回転すると、第3開閉蓋87E3は、ホッパータンク62のメダル流通切欠部65に掛け渡される。第3開閉蓋87E3がメダル流通切欠部65に掛け渡された状態では、第3開閉蓋87E3は、内側箱状部材87からホッパータンク62側に向かって下り傾斜した姿勢になる。そして、同時に、内側箱状部材87の内部に収容されていたメダルが第3メダル通過部87D3を介して第3開閉蓋87E3に流入する。その後、メダルは、第3開閉蓋87E3を通って、メダル流通切欠部65からホッパータンク62の内部に移動する。このようにして、内側箱状部材87に収容されていたメダルの残りがホッパータンク62の内部に補充される。
以上のように、第5実施形態によれば、内側箱状部材87の内部に収容されたメダルを3つのメダル通過部87D1、87D2、87D3から時差的(段階的)にホッパータンク62(あるいはホッパー100)に供給することができる。これにより、内側箱状部材87の内部に多量のメダルが収容されている場合には、各メダル通過部87D1、87D2、87D3から分けてメダルをホッパータンク62に供給することができるため、メダルの流れを円滑にすることができる。逆に、内側箱状部材87の内部に多量のメダルが収容されている場合で、メダル通過部が1つしか形成されていない場合には、内側箱状部材87に収容されているメダルの重さの圧力により、メダル通過部からメダルを排出することが困難になる不都合がある。これに対して、第5実施形態のように、内側箱状部材87に貯留されたメダルを上部側からホッパータンク62に順次供給していくことにより、ホッパータンク62に供給される内側箱状部材87内部のメダルに作用する圧力を小さくすることができる。換言すれば、上方向からメダルに作用する圧力を小さくした状態で、各メダル通過部87D1、87D2、87D3からメダルを排出することができるため、メダルの供給を円滑に行うことができる。
なお、内側箱状部材87に収容されたメダルのホッパータンク62への供給作業が終了した場合には、ピストンロッド79Aが下方に移動されて、図17に示すように、内側箱状部材87が外側箱状部材83の内部に収容される。このとき、各開閉蓋87E1、87E2、87E3が外側箱状部材83の側壁部83Aに押されて回転し、各メダル通過部87D1、87D2、87D3の開口を閉塞した状態になる。
次に、本発明の第6実施形態のスロットマシンについて説明する。
なお、第1実施形態のスロットマシン10の構成と重複する構成には同符号を付し、適宜、その説明を省略する。
第6実施形態のスロットマシンは、図21乃至図24に示すように、メダル補助収容庫(メダル補助収容部材)91は、箱状部材(メダル供給手段)93と、箱状部材93の底面部に取り付けられた回転軸95と、箱状部材93と接続し箱状部材93を上下方向に移動させる駆動手段79と、回転軸95を回転させる回転駆動手段(駆動手段)97と、で構成されている。
箱状部材93は、メダルを収容するものである。回転軸95は、回転駆動手段97により回転可能に構成されている。回転駆動手段97は、駆動モータ、駆動モータの回転駆動力を回転軸に伝達する駆動力伝達機構(歯車など)などにより構成されている。回転駆動手段97の駆動制御は、サブ制御基板52により実行される。回転駆動手段97の駆動モータが駆動すると、回転軸95が回転し、箱状部材93がホッパータンク62のメダル流通切欠部65に掛け渡されて、箱状部材93の内部のメダルがホッパータンク62に供給される。
駆動手段79は、上記実施形態と同様に、ピストンロッド79A、シリンダ(図示省略)で構成されている。ピストンロッド79Aの先端部には、軸受部99が設けられており、回転軸95を回転可能に支持している。
第6実施形態のスロットマシンによれば、図21に示すように、初期状態において、箱状部材93は、ホッパータンク62の下方の位置に停止した状態になっている。ホッパータンク62内部のメダルの収容量が所定量以下になると、サブ制御基板52によりピストンロッド79Aが上方に移動される。これにより、箱状部材93は、ピストンロッド79Aに押し上げられる形で上方向に移動する。そして、図22に示すように、箱状部材93が最上部に到達すると、箱状部材93の上方向の移動が停止する。
その後、サブ制御基板52により駆動モータが駆動され、回転軸95が回転する。このとき、ピストンロッド79Aは、軸受部99にて回転軸95を回転可能に支持しているため、回転軸95の回転による影響を受けることがない。図23に示すように、回転軸95が回転すると、箱状部材93がホッパータンク62側に倒されるようにして傾けられる。これにより、箱状部材93は、ホッパータンク62側に向かって下り傾斜するため、箱状部材93に収容されたメダルが一気にホッパータンク62に落下する。特に、箱状部材93の開口部が大きければ大きいほど、また、箱状部材93の傾斜角度が大きければ大きいほど、箱状部材93のメダルが多量かつ短時間にホッパータンク62に流れ落ちる。この結果、ホッパータンク62にメダルを補充することができる。
なお、箱状部材93からホッパータンク62へのメダルの補充が終了すると、回転軸95が反対方向に回転し、その後、ピストンロッド79Aが下方に移動して、図21に示すように、箱状部材93が初期位置に戻る。
以上のように、第6実施形態によれば、箱状部材93を回転させてホッパータンク62側に下り傾斜させているため、箱状部材93に収容されたメダルを短時間でホッパータンク62に移動させることができる。この結果、箱状部材93からホッパータンク62へのメダル補充効率を大幅に向上させることができる。
また、箱状部材93がホッパータンク62に対して直接掛け渡されるので、開閉蓋や傾斜片などの掛渡し部材が別途必要になることがない。これにより、メダル補助収容庫91の部品点数を削減でき、かつ大型化を防止できる。