例えば、特許文献1による遊技機は、BBに入賞すると、ホッパー装置によって払い出されたメダルが受け皿の払出口に山積みになって滞留するという問題がある。そして、遊技者は、遊技を中断して受け皿にメダルを分散するので不便であるという問題がある。したがって、メダルが受け皿に分散して払い出されるように構成できれば、遊技を中断することなく便利である。
又、受け皿にメダルが所定の順番で分散して払い出されるように構成できれば、この所定のメダルの払出し順番を変えることにより、内部抽籤結果を予告することもできる。つまり、所定のメダルの払出し順番を変えることにより、内部抽籤結果を予告する演出として利用できる。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、受け皿にメダルが分散して払い出される手段を備える遊技機、及び遊技媒体の受け皿への払出し順番が内部抽籤結果を予告する演出として利用できる遊技機を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため、遊技媒体払出装置から払い出される遊技媒体を複数の排出路に分散して受け皿に順次排出する構成とし、内部抽籤結果に対応して、所定の遊技媒体の払出し順番を変えるように制御することにより、これらの課題を解決可能であることを見出し、これに基づいて、以下のような新たな遊技機を発明するに至った。
(1) 前面扉を開閉する筐体と、この筐体の内部に配置されて収容容器に収容された複数の遊技媒体を順次払出し可能な遊技媒体払出装置と、前記前面扉に配置されて前記遊技媒体払出装置から払い出された遊技媒体を貯留する横長の受け皿と、を備える遊技機であって、前記遊技媒体払出装置は、前記前面扉に向けて遊技媒体を排出する排出口を有し、前記前面扉は、前記排出口に接続する接続開口と、一端が前記接続開口に連通し、他端が前記受け皿に開口する複数の排出路と、を有し、前記排出路は、他の排出路を閉鎖して自己の排出路に遊技媒体を通過させる振り分け手段を設けることを特徴とする遊技機。
(1)の発明による遊技機は、筐体、遊技媒体払出装置、及び横長の受け皿を備えている。筐体は、前面扉を開閉する。遊技媒体払出装置は、筐体の内部に配置される。又、遊技媒体払出装置は、収容容器に収容された複数の遊技媒体を順次払出し可能となっている。受け皿は、前面扉に配置されている。受け皿は、遊技媒体払出装置から払い出された遊技媒体を貯留する。
又、(1)の発明による遊技機は、遊技媒体払出装置が前面扉に向けて遊技媒体を排出する排出口を有している。前面扉は、接続開口と複数の排出路を有している。接続開口は、遊技媒体払出装置の排出口に接続する。排出路の一端は、接続開口に連通し、排出路の他端は、受け皿に開口している。そして、排出路は、他の排出路を閉鎖して自己の排出路に遊技媒体を通過させる振り分け手段を設けている。
ここで、遊技媒体払出装置は、既存の遊技媒体払出装置(ホッパー装置)を用いることができる。例えば、このホッパー装置は、多数の遊技媒体(メダル)を収容し、側面に排出口(スリット開口)が形成された収容容器(バケット)と、この収容容器の底部に設けられた回転円盤と、この回転円盤を回転駆動するモータと、を備えて構成される。そして、このホッパー装置は、回転円盤をモータで駆動すると、回転円盤上のメダルは、ラチェット車状のガイド板に案内されて遠心方向に移動しながら、排出口を通って1枚ずつ排出される。
前面扉を閉じているときは、接続開口は、排出口に近接してよく、排出口から排出された遊技媒体を受け入れることができる。前面扉を開いているときは、接続開口は、排出口から離間してよく、遊技媒体払出装置に遊技媒体を補給できる。
排出口は、前面扉に向けて開口してよく、接続開口は、排出口に向けて開口してよく、両者の開口が近接するように接続することにより、遊技媒体を移動できる。遊技媒体払出装置は、排出口から接続開口に向けて一枚ずつ飛び出す機構とすることが好ましい。
例えば、複数の排出路は、後述する傾斜路及び複数の鉛直路を含んでよく、振り分け手段は、後述する複数のシャッター装置を含んでよく、他の排出路を閉鎖して自己の排出路に遊技媒体を通過させる振り分け手段を設けることにより、遊技媒体を受け皿に分散できる。
(1)の発明による遊技機は、遊技媒体払出装置が前面扉に向けて遊技媒体を排出する排出口を有し、前面扉は、排出口に接続する接続開口と、一端は接続開口に連通し、他端は前記受け皿に開口する複数の排出路と、を有し、排出路は、他の排出路を閉鎖して自己の排出路に遊技媒体を通過させる振り分け手段を設けているので、振り分け手段を適宜に制御すれば、遊技媒体を受け皿に分散できる。
(2) 前記排出路は、一端が前記接続開口に連通し、他端が下り傾斜して遊技媒体が自然落下する傾斜路と、一端が前記傾斜路に開口し、他端が前記受け皿に開口して遊技媒体が自然落下する鉛直路と、を含み、前記振り分け手段は、前記傾斜路に連通する前記鉛直路の開口を閉鎖、又は前記傾斜路を閉鎖して当該鉛直路に遊技媒体を通過させる複数のシャッター装置を含むことを特徴とする(1)記載の遊技機。
(2)の発明による遊技機は、排出路が傾斜路と鉛直路を含んでいる。傾斜路の一端は、接続開口に連通している。傾斜路の他端は、下り傾斜して遊技媒体が自然落下する。鉛直路の一端は、傾斜路に開口し、鉛直路の他端は、受け皿に開口して遊技媒体が自然落下する。
振り分け手段は、複数のシャッター装置を含んでよく、このシャッター装置は、傾斜路に連通する鉛直路の開口を閉鎖、又は傾斜路を閉鎖して鉛直路に遊技媒体を通過させる。
傾斜路の一端は、別の傾斜路と接続してよく、この別の傾斜路は、メダルセレクタを介してメダルが投入されるメダル投入口に接続することができる。実体として、傾斜路と別の傾斜路とは、くの字状(L字状)に屈折してよく、この屈折箇所に接続開口が開口される。傾斜路は、前面扉の背面をC形チャンネル部材で囲う通路であってよく、この傾斜路に遊技媒体が自然落下する。傾斜路に遊技媒体が自然落下するとは、遊技媒体が傾斜路をすべり落ちる形態を含んでよく、転動しながら自然落下する形態を含むことができる。
傾斜路に連通する上段の鉛直路の開口を閉鎖することにより、遊技媒体を通過させて下段の鉛直路に移動できる。下段の鉛直路の下方の傾斜路を閉鎖すれば、遊技媒体を下段の鉛直路に通過(自然落下)できる。
例えば、鉛直路は、3列に設けてよく、第1の鉛直路は、傾斜路を介して接続開口の直下に設けてよく、傾斜路の下り傾斜側を閉鎖すれば、第1の鉛直路に遊技媒体を自然落下できる。第2の鉛直路は、第1の鉛直路に仕切り板を介して隣接される。傾斜路に連通する第1の鉛直路の第1開口を閉鎖して、傾斜路の下り傾斜側を閉鎖すれば、第2の鉛直路に遊技媒体を自然落下できる。更に、第3の鉛直路は、第2の鉛直路に仕切り板を介して隣接される。傾斜路に連通する第1の鉛直路の第1開口及び第2の鉛直路の第2開口を閉鎖すれば、第3の鉛直路に遊技媒体を自然落下できる。つまり、受け皿は、三つの払出し口を設けている。
第1の鉛直路の第1開口を閉鎖又は傾斜路の下り傾斜側を閉鎖する第1シャッター装置を設けてよく、第2の鉛直路の第2開口を閉鎖又は傾斜路の下り傾斜側を閉鎖する第2シャッター装置を設けてよく、第3の鉛直路→第2の鉛直路→第1の鉛直路の順番で遊技媒体が自然落下するように、第1及び第2シャッター装置を制御すれば、遊技媒体を受け皿に平均して分散できる。
(2)の発明による遊技機は、排出路が傾斜路と鉛直路を含み、傾斜路の一端は接続開口に連通してよく、傾斜路の他端は下り傾斜して遊技媒体が自然落下する。又、鉛直路の一端は傾斜路に開口し、鉛直路の他端は受け皿に開口して遊技媒体が自然落下する。更に、振り分け手段は、傾斜路に連通する鉛直路の開口を閉鎖、又は傾斜路を閉鎖して鉛直路に遊技媒体を通過させる複数のシャッター装置を含んでいる。したがって、複数の遊技媒体を受け皿に分散できる。
(3) 前記シャッター装置は、前記傾斜路又は前記鉛直路の開口のいずれか一方を閉鎖する回転扉と、この回転扉に連結して当該回転扉を所要の回転角度に回動させるロータリーソレノイドと、を有することを特徴とする(2)記載の遊技機。
(3)の発明による遊技機は、回転扉が鉛直路の開口を閉鎖しているときは、当該回転扉の一方の面が傾斜路として機能してよく、当該鉛直路に遊技媒体が自然落下することなく通過する。回転扉が傾斜路を閉鎖しているときは、当該回転扉の他方の面が当該鉛直路の仕切り壁として機能してよく、傾斜路に遊技媒体が通過することなく当該鉛直路に自然落下する。
又、(3)の発明による遊技機は、ロータリーソレノイドの出力軸が回転扉の回転軸に連結してよく、ロータリーソレノイドを駆動することにより、回転扉を所要の回転角度に回動させる。ロータリーソレノイドを励磁すると、回転扉を一方の方向に回動してよく、ロータリーソレノイドを消磁すると、回転扉を他方の方向に回動(復帰)することができる。ロータリーソレノイドは、オンオフ制御で振り子のような揺動運動が実現できるという利点がある。
(3)の発明による遊技機は、シャッター装置が傾斜路又は鉛直路の開口のいずれか一方を閉鎖する回転扉と、回転扉に連結して回転扉を所要の回転角度に回動させるロータリーソレノイドと、を有しているので、構成が簡易になるというメリットがある。
(4) 複数の図柄列を変動表示すると共に所定の表示ライン上にこれらの図柄列を停止可能な変動表示装置と、遊技者の操作により前記複数の図柄列の変動表示を開始させる開始装置と、変動表示中の前記複数の図柄列を遊技者の操作により前記表示ライン上に停止させる停止装置と、前記変動表示装置の動作を制御する制御手段と、を備え、前記振り分け手段は、予め定められた内部抽籤の結果に応じて前記複数の排出路から排出される遊技媒体の順番を変えることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の遊技機。
(4)の発明による遊技機は、変動表示装置、開始装置、停止装置、及び制御手段を備えている。変動表示装置は、複数の図柄列を変動表示すると共に所定の表示ライン上にこれらの図柄列を停止可能となっている。開始装置は、遊技者の操作により複数の図柄列の変動表示を開始させる。停止装置は、変動表示中の複数の図柄列を遊技者の操作により表示ライン上に停止させる。制御手段は、変動表示装置の動作を制御する。そして、振り分け手段は、予め定められた内部抽籤の結果に応じて、複数の排出路から排出される遊技媒体の順番を変える。
ここで、変動表示装置は、複数の図柄を円周上に形成する複数のリールを並設配置して、各リールをモータなどで回転させる機械式のリールユニットであってよく、複数の図柄列を変動表示する画像表示装置であってもよい。画像表示装置は、液晶表示装置が好ましい。変動表示装置は、複数の図柄列を変動表示するとは、リールを回転させて図柄列を回転表示する形態を含み、画面に表示された図柄列を垂直方向に平行移動表示する形態を含むことができる。画像表示装置は、帯状に形成された実体の複数の図柄が平行移動すると錯覚するように、バーチャルに変動表示できる。
(4)の発明による遊技機は、例えば、スロットマシンであってよく、開始装置となるスタートレバーを前面扉の前面に配置している。遊技者がこのスタートレバーを傾動操作すると、複数の図柄列を一斉に変動できる。又、前面扉は、所定領域の複数の図柄列を観察可能な表示窓を設けている。そして、この表示窓に所定の表示ラインを設けている。表示ラインは、水平方向にトップライン、センターライン、及びボトムラインが設けられてよく、更に、斜め方向にクロスアップライン及びクロスダウンラインが設けられる。これらの表示ラインは、遊技者が、1回の遊技に投入する遊技媒体の個数により、有効化される表示ライン(有効ライン)が増減される。有効ライン上に揃う所定の図柄の組み合わせにより、入賞が決定される。
制御手段は、実体としてメイン基板(プリント基板)を含んでよく、このメイン基板は筐体の内部に配置される。又、制御手段は、メイン基板に回路構成される主制御部を含んでよく、この主制御部は、マイクロコンピュータを主たる構成要素としてよく、入賞を抽籤する乱数サンプリングの回路を加えて構成される。マイクロコンピュータは、予め設定されたプログラムにしたがって制御動作を行うCPUを含み、記憶手段であるROM及びRAMを含むことができる。
CPUは、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路及び分周器と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器及びサンプリング回路とを接続することができる。ROMには、スタートレバーを操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽籤テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止テーブル群などを格納できる。
例えば、複数のリールを回転駆動する各モータは、マイクロコンピュータからの制御信号により動作が制御される。又、各モータを駆動制御するモータ駆動回路を設けてよく、このモータ駆動回路は、CPUの出力部に接続される。モータ駆動回路は、CPUから出力される駆動指令の制御信号を受けて、各モータの動作を制御する。モータの動作とは、起動(回転開始)動作を含んでよく、定速回転動作を含んでよく、停止(回転停止)動作を含むことができる。
又、マイクロコンピュータが制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段として、スタートスイッチとリール停止信号回路を含むことができる。スタートスイッチは、スタートレバーの操作を検出して、スタート信号(遊技開始指令信号)を出力する。リール停止信号回路は、停止装置に備わる複数の各停止ボタンの操作に対応して、リールを停止する停止信号(停止指令信号)を発生する。このように、制御手段は、変動表示装置の動作を制御することができる。
主制御部において、乱数発生器は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路は、スタートレバーが操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングすることができる。こうしてサンプリングされた乱数及びROM内に格納されている確率抽籤テーブルに基づいて、当籤役が決定される。
上記乱数サンプリングに基づく抽籤処理(確率抽籤処理)に基づいて、CPUは、遊技者が複数の停止ボタンを操作したタイミングでリール停止信号回路から送られる操作信号、及び選択された「停止テーブル」に基づいて、複数のリールを停止制御する信号をモータ駆動回路に送ることができる。
ここで、主制御部において、「BB」などの特別入賞の当籤フラグが立ったとき、すなわち特別入賞可能状態であると判断されたときは、複数の排出路から排出される遊技媒体の予め定められた順番を変えるように振り分け手段が制御される。一方、「BB」などの特別入賞の当籤フラグが立たないとき、すなわち特別入賞可能状態でないと判断されたときは、振り分け手段は、遊技媒体を予め定められた順番で複数の排出路から排出される。
(4)の発明による遊技機は、振り分け手段が予め定められた内部抽籤の結果に応じて複数の排出路から排出される遊技媒体の順番を変えるので、内部抽籤結果を予告する演出として利用できる。
本発明による遊技機は、遊技媒体払出装置から払い出される遊技媒体を複数の排出路に分散して受け皿に順次排出する構成としているので、例えば、BBに入賞すると、遊技媒体払出装置によって払い出された遊技媒体が受け皿の払出口に山積みになって滞留するという問題が解消される。
又、本発明による遊技機は、振り分け手段が予め定められた内部抽籤の結果に応じて複数の排出路から排出される遊技媒体の順番を変えるので、内部抽籤結果を予告する演出として利用できる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明による遊技機の一実施形態を示す斜視外観図である。図2は、前記実施形態による遊技機の斜視外観図であり、前面扉を開いた状態図である。図3は、前記実施形態による遊技機の制御回路を示すブロック図である。
図4は、前記実施形態による遊技機に備わるホッパーの斜視外観図である。図5は、前記実施形態による遊技機に備わるホッパーの斜視分解組立図である。
図6は、前記実施形態による遊技機に備わる振り分け機構の一例を示す斜視外観図である。図7は、前記実施形態による遊技機に備わる振り分け機構の背面図であり、一部を破断して示している。図8は、前記実施形態による遊技機に備わる振り分け機構の右側面図であり、一部を破断して示している。
最初に、本発明による遊技機の構成を説明する。図1において、遊技機1は、いわゆるパチスロ機である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、又は付与される遊技価値の情報を記憶したカードなどの遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
図1において、遊技機1は、筐体1aを有しており、筐体1aの前面には開閉可能に前面扉2が配設されている。前面扉2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aと、画像の表示による演出を行う画像表示手段としての液晶表示部2bと、固定表示部2cと、が形成されている。又、前面扉2の背後には、遊技に必要な複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた図柄表示手段としての3個のリール3L・3C・3Rが回転自在に横一列に設けられている。各リール3L・3C・3Rは、一定の速度で回転する(例えば、80回転/分)。そして、これらリール3L・3C・3Rはそれぞれ表示窓20L・20C・20Rを介して目視できる。
パネル表示部2a、液晶表示部2b及び固定表示部2cの下方には略水平面の台座部4が形成されている。台座部4の右側には、メダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。投入されたメダルは、クレジットされるか、ゲームに賭けられる。又、台座部4の左側には、押下操作により、クレジットされているメダルを賭けるための1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、及び最大BETスイッチ13が設けられている。
1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。
これらのBETスイッチ11〜13を操作することで、所定の表示ラインが有効化される。BETスイッチ11〜13の操作及びメダル投入口10にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を「BET操作」という。又、BETスイッチ11〜13の上方には、操作部17が設けられている。操作部17は、液晶表示装置131(図3参照)に遊技履歴などの情報を表示するために操作される。
台座部4の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。C/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け皿5に溜められる。なお、メダル受け皿5は、通常のメダル受け皿よりも横長である。遊技機1の内部には、効果音などを出音することで音による演出を行う音演出手段としてのスピーカ類9L・9R(図3参照)が設けられている。
C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により各リール3L・3C・3Rを回転させ、図柄表示領域内での図柄の変動表示を開始するための開始操作手段としてのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
台座部4の前面部中央で、スタートレバー6の右側には、停止操作手段としての停止ボタンユニット24が設けられている。停止ボタンユニット24は、3個のリール3L・3C・3Rの回転をそれぞれ停止させるために遊技者が押圧操作可能な停止操作部としての3個の停止ボタン7L・7C・7Rを備えている。
なお、例えば、一のゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L・3C・3Rが停止したときに終了する。又、本実施例では、全てのリールが回転しているときに行われるリールの停止操作(停止ボタンの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
図2において、筐体1aの内部に、リールユニット61が配置されている。リールユニット61は、リールケース63を有し、リールケース63に各リール3L・3C・3Rが収納されている。筐体1aの内部は、棚64で上下に仕切られており、棚64にリールユニット61が載置されている。
棚64の下方には、投入されたメダルを収納、又はメダルをメダル受け皿5に払い出す遊技媒体払出装置としてのホッパー40や、還元率設定スイッチ66を含む電源ボックス65が配置されている。棚64の上方には、遊技機1を制御するメイン基板(プリント基板)及びサブ基板(プリント基板)を含む制御盤62などが配置されている。又、前面扉2の内側には、ホッパー40からの払い出されたメダルをメダル受け皿5に排出する排出機構60が設けられている。
図3において、制御盤62には、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて液晶表示装置131、スピーカ類9L・9R、LED類101及びランプ類102を制御する副制御回路72とが含まれている。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含んでいる。
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、又は、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽籤テーブルや停止用当籤役決定テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止テーブル群などが格納されている。又、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)などが格納されている。副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報などを入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。RAM33には、制御プログラムや、各種テーブルなどの種々の情報が格納される。例えば、後述の、内部当籤役、持越役、現在の遊技状態などの情報などが格納される。
図3の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ(1−BETランプ17a、2−BETランプ17b、最大BETランプ17c)と、ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19などの表示部と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L・3C・3Rを回転駆動するステッピングモータ49L・49C・49Rとがある。
更に、ステッピングモータ49L・49C・49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、BETランプ17a・17b・17cを駆動制御するランプ駆動回路45、及びボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19などの表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
又、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、リール停止信号回路7、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、メダルセンサ10S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。
スタートスイッチ6S(遊技開始指令手段)は、スタートレバー6の操作を検出し、遊技開始指令信号を出力する。メダルセンサ10Sは、メダル投入口10に投入されたメダルを検出する。
リール停止信号回路7は、遊技者による停止ボタン7L・7C・7Rの押圧操作に応じて、リール3L・3C・3Rの図柄の変動の停止を指令する停止指令信号としての停止信号を、マイクロコンピュータ30に供給する。より具体的には、このリール停止信号回路7は、上述のA/Dコンバータ7aを備えており、これにより、遊技者の停止ボタン7L・7C・7Rの押圧操作により加えられた押圧力の大きさに応じた16階調の信号を、停止信号として出力することが可能となっている。
リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
図3の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数を使用することにより、例えばROM32内に格納されている確率抽籤テーブルなどに基づいて内部当籤役などが決定される。
リール3L・3C・3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L・49C・49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L・3C・3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L・3C・3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のような3L・3C・3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブル(図示せず)が、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
更に、ROM32内には、図柄組合せテーブル(図示せず)が格納されている。この図柄組合せテーブルでは、役の成立(入賞など)となる図柄の組み合わせと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞(成立)を表わす入賞判定コード(成立判定コード)とが対応づけられている。上記の図柄組合せテーブルは、左のリール3L、中央のリール3C、右のリール3Rの停止制御時、及び全リール3L・3C・3Rの停止後の入賞確認(表示役の確認)を行う場合に参照される。表示役(表示役データ)は、基本的に、有効ラインに沿って並ぶ図柄の組み合わせに対応する役(成立役)である。遊技者には、表示役に対応する利益が付与される。
上記乱数サンプリングに基づく抽籤処理(確率抽籤処理など)により内部当籤役や停止用当籤役を決定した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L・7C・7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路7から送られる停止信号、及び決定された停止テーブルに基づいて、リール3L・3C・3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
当籤した役の入賞を示す停止態様(すなわち入賞態様)となれば、CPU31は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、メダル払出処理を終了する。
次に、図4及び図5を参照して、ホッパー40の構成を説明する。ホッパー40は、基台110、回転円板111、カバー112からなる本体部113と、カバー112に取り付けられ多量のメダルを収容する箱状の収容容器としてのバケット115と、を有している。
バケット115は、本体部113にねじ116を介して着脱自在に取り付けられている。又、バケット115は、その底部に円形の開口が形成され、この開口には、回転円板111が設けられている。なお、図中の符号114は、バケット115に収容されるメダルを示している。
基台110は、その上部が、例えば25度の角度で斜めに形成された枠外から構成されており、この上部には矩形状の金属板からなる支持板120が傾斜して取り付けられている。支持板120の下面側には、減速機構を備えた駆動モータ(例えば、DCモータ)121が取り付けられる。
減速機構の出力軸にはヘッド121aが固定されている。このヘッド121aは支持板120に形成した軸穴120aにより位置決めされており、先端にはねじ122を介して回転円板111が固定されている。又、支持板120のメダル受け面には、ゴミ排出用の穴120bや、固定ローラ123の突出穴120c、可動ローラ124の円弧溝120d、メダルセンサ用のセンサ窓120e、遮蔽部材120gを配置するための段差部120fなどが形成されている。
遮蔽部材120gは、両端に設けた軸を支点として、段差部120fの両側壁の間に回動自在に取り付けられる(段差部120fの両側壁に設けた軸穴に軸が回転自在に嵌込まれている)。遮蔽部材の裏面側には、軸を支点とする一対のねじりコイルばね120i・120hの一端が係上され、遮蔽部材120gは支持板120の上面から突出した状態に保たれる。
回転円板111には、メダルよりも少し大きい径からなる円形開口125が形成されている。円形開口125は、回転円板111の円周方向に同一ピッチで8個設けられている。なお、これらの個数は回転円板111の大きさに応じて適宜増減してもよい。円形開口125の上部周縁は、上方に向かうにしたがい次第に拡開するように形成されており、メダルが円形開口125内に入り易くなっている。
回転円板111の下側には、スラスト軸受135が設けられている。スラスト軸受135は、回転円板111の裏側に形成された溝に嵌め込まれ、回転円板111と支持板120との間に配置される。スラスト軸受135は、バケット115内のメダルの荷重を受けており、回転円板111がバケット115の底部で円滑に回転できる。
回転円板111の下側には、メダルを送出するラチェット車状のガイド板130がねじ131を介して固定されている。ガイド板130は、金属製で爪車状に形成されており、回転円板111の円形開口125に対応した数の8個のガイド爪132を備えている。ガイド爪132は、内側に配置されるメダルを保持する第1ガイド面132aと、外側に配置されてメダルを送出する第2ガイド面132bを形成している。
第1ガイド面132aは、回転円板111の円形開口125に沿う円弧状に形成されている。第2ガイド面132bは、第1ガイド面132aの内側端部に連続し、隣接するガイド爪132の第1ガイド面132aの外側端部に鋭角に接するように、外側に膨らんだ円弧状に形成されている。したがって、円形開口125を通って支持板120に支持されたメダルは、第1ガイド面132aで保持され、回転円板111の回転に伴い、第2ガイド面132bにより、回転円板111の中心軸から離れる方向に送り出される。
支持板120には、メダルの厚さよりも僅かに厚い板厚を有する外側ガイド板140と、外側ガイド板140の上に被せられるカバー112とが取り付けられている。外側ガイド板140は、矩形の金属板から構成されており、その中央部に回転円板111の外径よりも少し小さい円弧状のメダルガイド面141が形成されている。
又、メダル排出位置(メダル排出部)には、メダル排出開口142が形成されている。メダル排出開口142には、固定ローラ123、可動ローラ124用の一対の切欠き143・144が形成されている。又、メダル排出開口142の上部を覆う支持板120とカバー112とで隙間が形成されることにより、第1排出口67が形成されている。
ここで、メダルガイド面141は、第1ガイド面141aと第2ガイド面141bとに分けられている。第1ガイド面141aは、回転円板111の中心軸を中心として回転円板111の外径よりも曲率半径が僅かに小さい円弧で形成されている。又、第2ガイド面141bは、第1ガイド面141aと同じ曲率半径で形成されており、回転円板111の中心軸からメダル排出開口142側に僅かに偏心した位置を中心とした円弧で形成されている。
このように第2ガイド面141bの曲率半径の中心をメダル排出開口142側に少しずらしているため、メダルの排出の際に少しずつメダルがメダル排出開口142側に寄っていき、メダルを円滑に排出できる。
支持板120には、ローラを取り付けたブラケット150が取り付けられている。ブラケット150を設けることにより、固定ローラ123及び可動ローラ124は、支持板120からメダル1枚分の厚み分だけ突出するように取り付けられる。固定ローラ123は、ブラケット150に回動自在に取り付けられており、外側ガイド板140の第2ガイド面141bの延長方向にローラ円周面が位置するように、メダル排出開口142に位置決めされている。可動ローラ124は、円周面にゴムからなる弾性体124aが取り付けられており、アーム151の先端に回動自在に取り付けられている。なお、弾性体124aはゴムに限らず、合成樹脂などを用いてもよい。
アーム151は、ブラケット150に軸150aを回転中心として揺動自在に取り付けられており、一対の円弧溝150b・120d内で可動ローラ124を排出口が閉じる位置と、排出口を開放する位置との間で変位させる。又、アーム151には引張コイルばね152が取り付けられており、引張コイルばね152は、可動ローラ124を閉じる位置方向に付勢している。可動ローラ124が閉じる位置では、回転円板111の外周縁部に可動ローラ124が位置するようにセットされる。
第1排出口67のメダルを検出するために、一対のメダル検出部40Sa・40Sbがカバー112の凹部112aに取り付けられている。又、カバー112及び支持板120には、一対のメダル検出部40Sa・40Sbに対応する位置にセンサ窓112bが形成されている。一対のメダル検出部40Sa・40Sbは、反射型フォトセンサが用いられる。
一対のメダル検出部40Sa・40Sbは、一対のメダル検出部40Sa・40Sbを通過したメダルを検出している。又、カバー112の凹部112aには、一対のメダル検出部40Sa・40Sbを覆う遮光蓋166が取り付けられている。なお、一対のメダル検出部40Sa・40Sbは反射型フォトセンサに限らず、受光型のフォトセンサなどを用いてもよい。
次に、上記したホッパー40の動作を図4及び図5を参照して説明する。最初、バケット115内には多量のメダルが収容されている。CPU31は、払出しを行うことを決定すると、ホッパーを駆動制御するホッパー駆動回路41に対して払出指令信号を出力し、ホッパー駆動回路41を介して駆動モータ121を駆動させる。このとき、駆動モータ121は回転円板111を時計回りの方向(正回転方向)に回転させる。
これにより、バケット115内に収容されたメダルは、揺り動かされ、回転円板111の円形開口125から支持板120に落ち込む。支持板120に落ち込んだメダルは、回転円板111と共に回転するガイド板130に押されながら、外側ガイド板140のメダルガイド面141に接して、支持板120の面上をメダル排出開口142側に移動する。
支持板120は傾斜しているため、回転円板111の中心軸よりも上側に送られてきたメダルは自重で落下し、ガイド板130の第1ガイド面132aで保持されることになる。又、回転円板111の中心軸よりも下側にあるメダルは、自重で外側ガイド板140のメダルガイド面141に接した状態になっている。そして、メダルガイド面141の内、第2ガイド面141bに接しているメダルは、ガイド板130の第2ガイド面132bによりメダル排出開口142側に寄せられるように送られる。
回転円板111の回転により、メダルがメダル排出開口142に位置すると、メダルが固定ローラ123に接した状態になる。この状態で、ガイド爪132の第2ガイド面132bの押圧によりメダルは可動ローラ124を開放する位置に変位させて、排出方向に移動する。そして、ガイド爪132の先端がメダルに接する位置に来ると、メダルは可動ローラ124を乗り越えた位置となる。これにより、メダルはガイド爪132からの押し出し作用を受けなくなり、可動ローラ124の引張コイルばね152の付勢力により、排出方向に勢いよく排出される。
可動ローラ124の閉じる方向の復帰により勢いよく排出されたメダルは、一対のメダル検出部40Sa・40Sbにより検出される。払出完了信号回路51は、一対のメダル検出部40Sa・40Sbによりメダルが検出される毎にメダル検出信号をCPU31に出力する。同様にして、CPU31により指定された所定の払出枚数に達するまで、次々とメダルが第1排出口67から払出される。
ここで、一対のメダル検出部40Sa・40Sbがメダルを検出している状態(メダルが一対のメダル検出部40Sa・40Sbの位置に存在している場合)であれば、メダル通過スイッチ(図示せず)がオンの状態にあり、メダルを検出していない状態であればオフの状態にある。なお、払出完了信号回路51は、一対のメダル検出部40Sa・40Sbがメダルを検出している状態であれば、メダル検出信号の出力を継続する。
1枚のメダルが一対のメダル検出部40Sa・40Sbの位置を通過するまでには、一定時間を要する。そこで、メダル検出信号が出力されている時間(メダル通過検出スイッチがオンである時間)が所定時間(例えば、2.23Ms〜3.35Ms)より短い場合には、CPU31は、そのメダル検出信号をノイズであると判定し、メダルの払出しが行われていないものと判断するようにしている。
払出完了信号回路51は、一対のメダル検出部40Sa・40Sbによるメダルの検出回数を計数し、計数値(すなわち、ホッパー40から払出されたメダルの枚数)がCPU31により指定された枚数データに達した場合、メダル払出完了を検知するための払出完了信号をCPU31に出力する。CPU31は、払出枚数に達したと判別すると、ホッパー駆動回路41に払出停止指令信号を出力し、ホッパー駆動回路41を介して駆動モータ121の駆動を停止させる。このとき、駆動モータ121の駆動は瞬時に停止する。
なお、本実施形態のホッパー40は、1秒間に10枚(0.1秒間に1枚)のメダルを払出すことが可能となるように、駆動モータ121の駆動が制御される。具体的に、本実施形態では、駆動モータ121はDCモータによって構成されており、通常の払出処理時においては、12Vの電圧を駆動モータ121に印加しており、約170rpm程度で回転駆動するように制御を行っている。
なお、前記駆動モータ121をパルスモータによって構成する場合は、前記制御手段はパルス発生器によって構成することが可能であり、パルス数を切り換えることでその駆動速度を可変制御することが可能である。
ところで、上述の説明から明らかなように、CPU31、ホッパー駆動回路41、払出完了信号回路51、及びホッパー40は、遊技媒体払出装置として機能する。そして、遊技媒体払出装置の収納容器(バケット)から払い出されたメダルは、排出機構60を介してメダル受け皿5に排出される。
次に、排出機構及び振り分け機構の構成を説明する。図6から図8において、ホッパー40は、前面扉2に向けてメダルを排出する第1排出口67を有している(図3参照)。排出機構60は、前面扉2の背面に取り付けられる排出フレーム601を備えている。排出フレーム601は、第1排出口67に接続する接続開口60aと、メダルをメダル受け皿5に排出する複数の第2排出口60b〜60dを形成している(図1参照)。そして、排出機構60は、複数の第2排出口60b〜60dのいずれか一つを選択するための振り分け機構60eを有している。
図6から図8において、前面扉2を閉じているときは、接続開口60aは、ホッパー40の第1排出口67に近接しており(図3参照)、第1排出口67から排出されたメダルを受け入れることができる。一方、前面扉2を開いているときは、接続開口60aは、第1排出口67から離間しており、ホッパー40にメダルを補給できる。そして、前面扉2を閉じた状態では、ホッパー40は、第1排出口67から接続開口60aに向けて一枚ずつメダルを飛び出させている(図2参照)。
図5及び図6において、排出フレーム601は、3列の鉛直路(第1から第3の鉛直路)60f〜60hを有している。第1の鉛直路60fは、傾斜路60iを介して接続開口60aの直下に設けられている。第2の鉛直路60gは、第1の鉛直路60fに仕切り板60jを介して隣接されている。更に、第3の鉛直路60hは、第2の鉛直路60gに仕切り板60kを介して隣接されている。
図6において、仕切り板60j及び60kの上端には、中空軸体60mを有するシャッター板(回転扉)60nと、中空軸体60p有するシャッター板(回転扉)60qが配置されている。一組のシャッター板60n・60qは、排出フレーム601の内部に回動可能に配設されている。中空軸体60mは、ロータリーソレノイド60rの出力軸(回動軸)に連結している。中空軸体60pは、ロータリーソレノイド60sの出力軸(回動軸)に連結している。
図6又は図8において、ロータリーソレノイド60rの本体フレームは、一対の支柱60t・60tを介して排出フレーム601の背面に支持されている。ロータリーソレノイド60sの本体フレームは、一対の支柱60u・60uを介して排出フレーム601の背面に支持されている。各ロータリーソレノイド60r・60sの出力軸は、各貫通穴60v・60wに挿入可能となっている。そして、各ロータリーソレノイド60r・60sは、CPU31によってオンオフ制御される(図3参照)。
図6又は図8において、ロータリーソレノイド60rを励磁したときは、つまり、オン状態のときは、第1の鉛直路60fを開放して傾斜路を封鎖している。一方、ロータリーソレノイド60rを消磁したときは、つまり、オフ状態のときは、第1の鉛直路60fを封鎖して傾斜路を開放している。
図6又は図8において、ロータリーソレノイド60sを励磁したときは、つまり、オン状態のときは、第2の鉛直路60gを開放して傾斜路を封鎖している。一方、ロータリーソレノイド60sを消磁したときは、つまり、オフ状態のときは、第2の鉛直路60gを封鎖して傾斜路を開放している。
ここで、本発明による遊技機は、実施形態では、一組のシャッター板60n・60q及び一組のロータリーソレノイド60r・60sによって振り分け機構60eが構成されている。そして、CPU31は、予め定められた順番で複数の第2排出口60b〜60dのいずれか一つを選択する(図3参照)。
つまり、図6から図8において、ロータリーソレノイド60rをオンオフ制御することにより、シャッター板60nが第1の鉛直路60fを閉鎖する状態と開放する状態との間で回動させる。シャッター板60nが第1の鉛直路60fを閉鎖する状態にあるときは、シャッター板60nによって傾斜路60iに連続する傾斜路が形成される。一方、シャッター板60nが第1の鉛直路60fを開放する状態にあるときは、傾斜路60iが第1の鉛直路60fに繋がることになる。又、接続開口60aの直下に繋がることになる。
同様に、図6から図8において、ロータリーソレノイド60rをオンオフ制御することにより、シャッター板60qが第2の鉛直路60gを閉鎖する状態と開放する状態との間で回動させる。シャッター板60qが第2の鉛直路60gを閉鎖する状態にあるときは、傾斜路60iとシャッター板60nが第1の鉛直路60fを封鎖する傾斜路とに連続する傾斜路が形成される。この結果、これら傾斜路は、第3の鉛直路60hに繋がることになる。
一方、シャッター板60qが第2の鉛直路60gを開放する状態にあるときは、傾斜路60iとシャッター板60nが第1の鉛直路60fを封鎖する傾斜路が第2の鉛直路60gに繋がることになる。
上述のようにして、各ロータリーソレノイド60r・60sをオンオフ制御して、あたかもシャッター板60n及び60qを、振り子のような揺動運動を行わせ、選択的に第1及び第2の鉛直路60f・60gを選択的に閉鎖又は開放することによって、第1から第3の鉛直路60f〜60gのいずれかを通してメダルを分散して横長のメダル受け皿5に排出することができる。
言い換えると、一組のシャッター板60n・60qがそれぞれ第1及び第2の鉛直路60f・60gの開口を閉鎖している際には、一組のシャッター板60n・60qの一方の面が傾斜路として機能していることになり、一組のシャッター板60n・60qにメダルが自然落下することなく通過する。
一方、一組のシャッター板60n・60qが傾斜路を閉鎖しているときには、一組のシャッター板60n・60qの他方の面が第1の鉛直路60f又は第2の鉛直路60gの仕切り壁として機能し、傾斜路にメダルが通過することなく第1の鉛直路60f又は第2の鉛直路60gに自然落下する。
したがって、排出機構60は、一端が接続開口60aに連通し、他端が下り傾斜して遊技媒体が自然落下する傾斜路と、一端がこの傾斜路に開口し、他端がメダル受け皿5に開口して遊技媒体が自然落下する鉛直路とを有し、振り分け機構60eによって、傾斜路に連通する鉛直路の開口を閉鎖又は傾斜路を閉鎖して当該鉛直路にメダル媒体を通過させるようにしたので、傾斜路に沿ってメダルが自然落下し、選択された鉛直路を通ってメダル受け皿5にメダルが自然落下する。
なお、図6及び図7において、傾斜路60iの一端は、別の傾斜路(ダクト)60xに接続されており、この別の傾斜路60xの終端部は、メダルセレクタ(図示せず)を介してメダルが投入されるメダル投入口10に接続されている(図1参照)。ここで、傾斜路60iと別の傾斜路60xとは、図6に示すように、くの字状(L字状)に屈折されており、この屈折箇所に接続開口60aが開口されている。傾斜路60iは、例えば、前面扉の背面をC形チャンネル部材で囲う通路である。
又、シャッター板60n及びロータリーソレノイド60rによって第1シャッター装置が構成され、シャッター板60q及びロータリーソレノイド60sによって第2シャッター装置が構成される。そして、第3の鉛直路60h、第2の鉛直路60g、第1の鉛直路60fの順にメダルが自然落下するように、第1及び第2シャッター装置を制御すれば、メダルをメダル受け皿5に平均して分散できることになる(図1参照)。
更に、シャッター板60n及びロータリーソレノイド60rによって第1シャッター装置を構成し、シャッター板60q及びロータリーソレノイド60sによって第2シャッター装置を構成しているので、構成が簡易になるという利点がある。
ところで、前述したように、「BB」などの特別入賞の当籤フラグが立ったとき、つまり、CPU31は特別入賞可能状態であると判断すると、第1から第3の鉛直路60f〜60hから排出される(落下する)メダルの予め定められた順番を変えるように振り分け機構60eを制御する。一方、「BB」などの特別入賞の当籤フラグが立たないとき、つまり、特別入賞可能状態でないと判断すると、CPU31は、振り分け機構60eを制御してメダルを予め定められた順番で第1から第3の鉛直路60f〜60hから排出する。
つまり、通常の状態では(当籤フラグが立たないとき)には、CPU31は予め定められた順番で第1から第3の鉛直路60f〜60hを開閉して、メダル受け皿5にメダルを分散して排出するが、当籤フラグが立つと、CPU31はこの予め定めらたれ順番を変更し、変更された順番に応じて第1から第3の鉛直路60f〜60hを開閉して、メダル受け皿5にメダルを排出する。したがって、当籤役となった際には、遊技者に期待感を持たせるという演出を行うことができる。
このようにして、ホッパー40から払い出されるメダルを複数の鉛直路(排出路)に分散させて、メダル受け皿5に順次排出するようにしたので、例えば、当籤すると、ホッパー40から払い出されたメダルがメダル受け皿5の払出口に山積みになって滞留してしまうということを解消できる。更に、前述したように、内部抽籤の結果に応じて複数の鉛直路から排出されるメダルの順番を変えているので、内部抽籤結果を予告する演出として利用することができる。