JP2009261707A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】弾球遊技機において特定遊技の継続時間を効果的に報知することにより遊技者の便宜に供し、それによって遊技者の遊技継続意欲を保持する。
【解決手段】ある態様の弾球遊技機においては、後続する時短継続時間の長さを示唆演出により予定値として逐次表示させる。第1抽選手段が第1の抽選が実行されるごとにその結果を演出決定手段へ送信するため、演出決定手段は、その第1の抽選の結果を示す図柄の変動表示が開始される前にその結果を取得するいわゆる先読みを行えるようになる。この先読み情報に含まれる各抽選値の図柄変動時間を取得することで、仮に時短遊技へ移行した場合のその継続時間を算出することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に弾球遊技機における遊技の進行を支援するための技術に関する。
弾球遊技機として、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機や第2種ぱちんこ遊技機などが広く親しまれている。第1種ぱちんこ遊技機では、始動入賞口(以下、単に「始動口」という)への入球を契機に抽選が実行されるとともに、その結果を示すための図柄の変動表示がなされる。その抽選の結果が当たりとなり、図柄が所定の当たり態様で停止されると、大入賞口が開放されて通常遊技よりも遊技者に有利な状態である特別遊技に移行される。一方、第2種ぱちんこ遊技機では、普通電役入球口への入球により、大入賞口が一時的に開放されて特別遊技の第1段階が開始される。そして、大入賞口に入球した遊技球がその内部の特定領域を通過すると、特別遊技の第2段階が開始され、特別遊技が継続される。
近年では、このような第1種ぱちんこ遊技機および第2種ぱちんこ遊技機の遊技を組み合わせ、特別遊技を複数の形態で複合的に提供するぱちんこ遊技機も提案されている(例えば、特許文献1参照)。このぱちんこ遊技機では、始動口への入球を契機に第1の抽選が実行され、その結果を示すための図柄の変動表示がなされる。その第1の抽選が当たりとなり、図柄が所定の当たり態様で停止されると、第1大入賞口が開放されて第1特別遊技に移行される。一方、普通電役入球口への入球があると、第2大入賞口が一時的に開放されて第2特別遊技の第1段階が開始される。そして、第2大入賞口に入球した遊技球がその内部の特定領域を通過すると、第2特別遊技の第2段階が開始され、第2特別遊技が継続される。
特開2000−33141号公報
ところで、第1種ぱちんこ遊技機において特別遊技が終了すると、いわゆる変動時間短縮遊技(以下、「時短」とよぶ)と呼ばれる特定遊技に移行する場合がある。時短は、特別遊技の終了後、図柄の変動回数が所定回数に達するまで継続する。この時短中においては一般に普通電役入球口への入球容易性が高まるため、賞球が得られ易くなる。つまり、時短中においては一般に出玉を減らさずに遊技を継続できるというメリットがある。このような時短を、第1種ぱちんこ遊技機と第2種ぱちんこ遊技機とを混在させたような複合機に適用すると、時短中において普通電役入球口への入球容易性が高まるので、第2特別遊技が発生する可能性も高まることになる。また、第2特別遊技後は再び時短に移行することで普通電役入球口への入球容易性が保持されるため、時短が継続するほど第2特別遊技が連続する可能性も高まる。すなわち、特別遊技終了後の時短中にいかに多くの遊技球を普通電役入球口への入球させて第2特別遊技へ移行させることができるか否かが、遊技者の利益を大きく左右することになる。したがって、時短の達成期限を規定する図柄の変動時間は、遊技者にとって大きな関心事となる。一方、図柄の変動時間は抽選結果により変わるため、何らかの形で報知されなければ遊技者はこれを把握することができない。発明者らは、その時短の継続時間を遊技者に効果的に報知することで、遊技者の遊技意欲を一層高められるとの考えに到った。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、弾球遊技機において特定遊技の継続時間を効果的に報知することにより遊技者の便宜に供し、それによって遊技者の遊技継続意欲を保持することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な第1始動口と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な第2始動口と、所定の演出画像が表示される演出表示装置と、第1始動口への入球を契機に第1の抽選を実行する第1抽選手段と、第2始動口への入球を契機に第2の抽選を実行する第2抽選手段と、遊技領域の所定位置に設けられ、第1の抽選および第2の抽選のうちいずれかが当たりとなったことを契機として遊技状態が所定の作動条件を満たした場合に遊技球が入球可能な状態へ変化する可変入球装置と、第1の抽選の結果を示す第1図柄または第2の抽選の結果を示す第2図柄がその変動表示状態から所定の当たり図柄で停止されたことを契機として作動条件が満たされた場合に、可変入球装置を入球可能な状態に変化させることにより、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技である特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、第1図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンを保持するパターン記憶手段と、第1抽選手段から受け取る第1の抽選の結果に応じて、第1図柄の変動パターンを含む演出内容を決定する演出決定手段と、決定された変動パターンにしたがって第1図柄を演出表示装置に変動表示させる表示制御手段と、特別遊技の終了後に、第2の抽選を契機とする作動条件の達成が通常状態よりも容易となる特定遊技を、第1図柄が所定回数変動するまで継続させる特定遊技制御手段と、第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果を所定個数を上限にその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、を備える。第1抽選手段が遊技の進行を制御する主制御装置に設けられる一方、演出決定手段は遊技における演出の動作を制御する副制御装置に設けられ、主制御装置と副制御装置の間におけるデータの送受信が主制御装置から副制御装置への一方向になされ、第1抽選手段は、新たな抽選が実行されたときにその抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらずその結果を演出決定手段へ送信し、演出決定手段は、保留制御手段に保留されている第1の抽選の結果が特定遊技中に変動表示されると仮定して、その第1の抽選の結果を用いて後続する特定遊技の継続時間の長さを判定し、その長さを示唆する示唆演出を演出内容として決定する。
ここで、第1抽選手段は、第1の抽選として、当否判定、図柄決定、変動パターン決定を全て一つの抽選値に基づいて処理してもよいし、当否判定、図柄決定、変動パターン決定のそれぞれを別個の抽選値に基づいて第1の抽選として処理してもよい。第1抽選手段が第1の抽選が実行されるごとにその結果を演出決定手段へ送信するため、演出決定手段は、その第1の抽選の結果を示す図柄の変動表示が開始される前にその結果を取得するいわゆる先読みを行えるようになる。この先読み情報に含まれる各抽選値の図柄変動時間を取得することで、仮に特定遊技へ移行した場合のその継続時間を算出することができる。
「特定遊技の継続時間」は、特定遊技の残り時間であってもよいし、特定遊技の予定継続時間であってもよい。すなわち、特定遊技中においては、保留中の抽選値からその継続期限である所定回数分の残りの変動時間を合計することでその特定遊技の残り時間を算出することができる。特定遊技の開始時にその総変動時間が分かるため、その開始時に特定遊技の継続時間を表示し、その後はその継続時間をカウントダウン、あるいは変動終了ごとに減算することも可能となる。また、特定遊技中であるか否かにかかわらず、特別遊技終了まで次の特定遊技の予定継続時間を予備的に算出することも可能である。このようにして特定遊技の残り時間および予定継続時間の一方または双方を示唆表示させる演出が可能である。なお、「継続時間の長さの示唆」は、その時間そのものを表示させるものであってもよいし、その時間を推定可能な情報を表示させてもよい。あるいは、単に継続時間の長短の程度を感覚的に示唆するものでもよいが、遊技者の遊技進行の便宜からはより具体的な表示であることが好ましい。
この態様によれば、後続する特定遊技の継続時間の長さを遊技者がリアルタイムな感覚で把握することができる。遊技者は、その特定遊技により優位となる状態、つまり可変入球装置の作動条件の達成容易性が高まった状態を享受できる期間をリアルタイムに把握できるため、その期間が長くなったタイミングで大当たりを発生させるよう、期待感を膨らませるようになる。その結果、遊技者の遊技継続意欲も高く維持される。
この弾球遊技機は、表示制御手段として第1図柄を変動表示させる第1表示制御手段と、第2図柄を変動表示させる第2表示制御手段と、遊技領域の所定位置に設けられ、第2表示制御手段により変動表示される第2図柄が所定の当たり図柄で停止されたときに入球容易な状態へ変化する可変入球口と、作動条件として、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技である第1の特別遊技を実行するための条件である第1作動条件を保持する第1作動条件保持手段と、第1表示制御手段により変動表示される第1図柄が所定の当たり図柄で停止されたときに第1作動条件が成立したと判定し、可変入球装置を入球可能な状態に変化させることにより第1の特別遊技を実行する第1特別遊技実行手段と、作動条件として、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技である第2の特別遊技を実行するための条件である第2作動条件を保持する第2作動条件保持手段と、可変入球口への入球により第2作動条件が成立したと判定し、可変入球装置を入球可能な状態に変化させることにより第2の特別遊技における第1段階を実行し、その第1段階において可変入球装置内の特定領域へ入球した場合に第2の特別遊技における第2段階への移行条件が成立したと判定し、可変入球装置を引き続き入球可能な状態へ変化させることにより第2の特別遊技における第2段階を実行する第2特別遊技実行手段と、をさらに備えてもよい。特定遊技制御手段は、第1の特別遊技または第2の特別遊技の終了を契機に、特定遊技として、第2の抽選が当たりであったときには可変入球口が入球容易な状態となる期間を通常状態と比較して相対的に長くする遊技を、第1図柄が所定回数変動するまでは継続してもよい。
この態様の弾球遊技機は、第1種ぱちんこ遊技機および第2種ぱちんこ遊技機の遊技を組み合わせた態様の複合機として構成されうる。すなわち、第1の遊技において第1の特別遊技が実行されると、その終了を契機に特定遊技が実行される。この特定遊技中は可変入球口が入球容易な状態となるため、第2の遊技における第2の特別遊技が実行されやすくなる。第2の特別遊技が実行されると、その終了を契機に特定遊技に移行されるが、依然として可変入球口が入球容易な状態に維持されて第2作動条件の達成容易性が高い状態が保持されるため、第2の特別遊技が連続して実行される可能性がある。なお、「可変入球口が入球容易な状態となる期間が長くなる」とは、例えば特定遊技中に可変入球口の開放時間が長くなる結果、入球容易な期間が長くなるものでもよい。あるいは、特定遊技中に可変入球口の開放確率が高くなる結果、相対的に入球容易な期間が長くなるものでもよい。
この態様では、特定遊技中における第1図柄の変動時間の長さが示唆されることにより、遊技者は、第2の特別遊技を連続して狙える可能性を推し量ることができる。このため、その継続時間においては可変入球口への入球に意識を集中させるなど、遊技者の遊技意欲を高く維持することができる。また、それにより遊技者による遊技球の打ち出しを促進でき、遊技の運営を円滑にすることができる。
演出決定手段は、判定された特定遊技の継続時間の長さが所定の基準値より長いか否かにより、示唆演出の内容が異なるように演出内容を決定してもよい。この態様によれば、遊技者が特定遊技の継続時間の長短の程度を感覚的に把握することができる。特に、特定遊技の継続回数が上限保留数よりも多くなるような構成においては、保留された抽選値のみでは特定遊技の正確な継続時間を算出することができないので、例えばそのような場合に、継続時間として少なくとも確保される時間を表示させることができる。
演出決定手段は、保留制御手段に保留されている第1の抽選の結果が特定遊技中に変動表示されることを前提とした場合に想定される第1図柄の総変動時間を算出し、その総変動時間を特定遊技の継続時間として報知する演出を演出内容として決定してもよい。保留されている各抽選値についてはその図柄変動時間情報を取得できるため、特定遊技の継続時間が正確に算出され、遊技者に信頼性の高い情報を提供することができる。
具体的処理形態としては、パターン記憶手段が、通常状態において選択される複数の通常変動パターンと、特定遊技中に選択される複数の特定変動パターンを保持するとともに、特定変動パターンとして図柄変動時間が異なる複数の変動パターンを含んでもよい。そして、演出決定手段が、通常状態においては複数の通常変動パターンのなかから第1の抽選の結果に対応する変動パターンを決定し、特定遊技中においては複数の特定変動パターンのなかから第1の抽選の結果に対応する変動パターンを決定する一方、特定遊技中であるか否かにかかわらず、保留制御手段に保留されている第1の抽選の結果が特定遊技中に変動表示されることを前提とした場合に想定される第1図柄の総変動時間を算出し、その総変動時間を特定遊技の継続時間として報知する演出を演出内容として決定してもよい。
また、演出決定手段は、特別遊技中に第1の抽選の結果の保留数が変化した場合には、その保留数の変化に応じてその特別遊技終了後の特定遊技において変動表示される第1図柄の総変動時間を算出し、特定遊技の継続時間として示唆する演出を演出内容として決定するのが好ましい。すなわち、特別遊技移行前に保留数が上限値に達しなかった場合、特定遊技移行後に抽選値が追加保留されるタイミングで逐一その特定遊技の継続時間を更新することで、遊技者にリアルタイムに正確な情報を提供することができる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、弾球遊技機において特定遊技中の残り時間を効果的に報知することにより遊技者の便宜に供し、それによって遊技者の遊技継続意欲を保持することができる。
以下、本発明の実施の形態を具体化した好適な実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例に示すぱちんこ遊技機は、通常遊技よりも遊技者に有利な状態である特別遊技を複数の形態で複合的に提供する。すなわち、第1特別遊技として、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を、第2特別遊技として、従来にいう第2種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を提供する。第1特別遊技は、以下の過程を経て発生する。すなわち、遊技球が始動口に入球すると第1の抽選が実行されるとともに、その結果を示すための特別図柄の変動表示がなされる。第1の抽選が当たりとなり、特別図柄が所定の当たり態様で停止されると、第1特別遊技が開始される。第2特別遊技は、以下の過程を経て発生する。すなわち、遊技球が普通電役入球口に入球すると、第2大入賞口が一時的に開放されて第2特別遊技の第1段階が開始される。第2大入賞口に入球した遊技球がその内部の特定領域を通過すると、第2特別遊技の第2段階が開始され、第2特別遊技は継続される。
第1特別遊技または第2特別遊技が終了すると、所定の確率でいわゆる変動時間短縮遊技(以下、「時短」という)と呼ばれる特定遊技に移行する。特定遊技は、特別遊技の終了後、特別図柄の変動回数が所定回数(以下、「継続回数」とよぶ)に達するまで継続する。この特定遊技中においては、普通電役入球口への入球容易性が高まるので、第2特別遊技の発生可能性も高まる。特定遊技中に第2特別遊技が発生した場合は、第2特別遊技が終了しても特定遊技は継続される。通常状態の通常遊技においては、普通電役入球口への入球容易性が低いため、まずは遊技球を始動口に入球させて第1特別遊技を発生させ、特定遊技に移行させた上で、第2特別遊技を繰り返し狙う遊技方法が定石となる。
図1は、ぱちんこ遊技機の正面側の構成を示す。
ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側へ所定の指示入力をするために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、センター飾り64、第1種始動入賞口(以下、単に「始動口」という)24、普通電役入球口26、第1大入賞口28、第2大入賞口30、作動口68を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本実施例において、始動口24が「第1始動口」を構成し、作動口68が「第2始動口」を構成する。
始動口24は、遊技球の入球を検出する入球検出装置32を含む。作動口68は、遊技球の入球を検出する入球検出装置38を含む。普通電役入球口26は、遊技球の入球を検出する入球検出装置34を含む。普通電役入球口26は、その入球する入口を拡開する普通電動役物と、その普通電動役物を開閉させる普通電役ソレノイド76とを含む。第1大入賞口28は、遊技球の入球を検出する入球検出装置78と、第1大入賞口28を開閉させる大入賞口ソレノイド83とを含む。第2大入賞口30は、遊技球の入球を検出する入球検出装置81と、第2大入賞口30の羽根を開閉させる大入賞口ソレノイド80とを含む。
普通電役入球口26は、普通電動役物が開閉することにより入球可能な状態と入球不可状態の間で変化する。具体的には、普通電役入球口26は、普通電役ソレノイド76による駆動力で開放状態または閉鎖状態への変化が可能な可変入球口として機能する。普通電役入球口26は、始動口24のすぐ下方に設けられる。普通電動役物が閉鎖状態にあるとき普通電役入球口26の入球口は始動口24に遮蔽され、遊技球は普通電役入球口26に落入しない。ただし、変形例においては通常時に遮蔽されないよう構成してもよい。その場合、普通電動役物の開放状態は閉鎖状態よりも入球容易な状態となる。普通電動役物が開放状態となると遊技球は普通電動役物の横方向から普通電役入球口26に落入可能となる。
普通電役入球口26の1回の開放時間は、通常状態においては、例えば0.8秒程度の短時間である。そのため、通常状態においては、遊技球が普通電役入球口26に落入する可能性は小さい。一方、特定遊技中(時短中)においては普通電役入球口26の1回の開放時間が通常状態よりも長く設定されるので、遊技球は普通電役入球口26に落入しやすくなる。このときの開放時間は、例えば、3.0秒程度に設定される。
第1大入賞口28は、入球可能な状態と入球不可状態との間で変化する。具体的には、第1大入賞口28は、大入賞口ソレノイド83による駆動力で開放状態と閉鎖状態の間で状態変化が可能な第1可変入球装置として機能する。第1大入賞口28は、特別遊技中に開放状態となる横長方形状の入賞口であり、アウト口58の上方に設けられる。第1大入賞口28が閉鎖状態のときは入球できず、開放状態となってはじめて入球可能となる。
第2大入賞口30もまた、入球可能な状態と入球不可状態との間で変化する。具体的には、第2大入賞口30は、大入賞口ソレノイド80による駆動力で開放状態と閉鎖状態の間で状態変化が可能な第2可変入球装置として機能する。第2大入賞口30は、普通電役入球口26への入球を契機に開放状態となる。第2大入賞口30が閉鎖状態のときは入球できず、開放状態となってはじめて入球可能となる。
遊技盤50の略中央に設けられたセンター飾り64には、演出表示装置60、特別図柄表示装置61、特別図柄変動用の保留ランプ20が設けられている。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。特別図柄表示装置61は、7セグメントLEDで構成される表示手段であり、特別図柄192を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。特別図柄192は、始動口24への入球を契機に実行される第1の抽選(以下、「特別図柄抽選」とよぶ)の結果に応じた図柄であり、第1特別遊技を発生させるか否かを示す役割をもつ。すなわち、始動口24に入球すると、特別図柄192が変動表示され、表示に先立って決定された変動時間の経過後に特別図柄抽選の結果を示す態様にて停止する。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の右方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄抽選の結果を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。また、演出表示装置60は、第1特別遊技や第2特別遊技において遊技者の賞球獲得に対する期待感を喚起するための演出においても演出的な画像を表示させる。
作動口68は、遊技盤50の左下方位置に設けられる。作動口68への遊技球の通過は普通電役入球口26の普通電動役物を拡開させるか否かを決定する普通図柄抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄194がランプを点滅させる形で普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は作動口68の左方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄194の変動表示が当たりの態様で停止すると、普通電役入球口26が所定時間拡開する。普通図柄変動用の保留ランプ21は普通図柄表示装置59の近傍に設けられる。
特別図柄変動用の保留ランプ20は4個のランプからなり、その点灯個数によって特別図柄192の変動の保留球数を表示する。保留球数とは、特別図柄192の変動中や特別遊技の実行中に遊技球が始動口24へ落入したときに抽選値として取得される抽選乱数(以下、「特図抽選値」ともよぶ)の個数であり、特別図柄192の変動表示がまだ実行されていない入賞球の数を示す。いわば、特別図柄変動の実行予定数である。普通図柄変動用の保留ランプ21も4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄194の変動の保留球数を表示する。この保留球数は、普通図柄194の変動中に作動口68へ遊技球が落入したときに抽選値として取得される抽選乱数(以下、「普図抽選値」ともよぶ)の個数であり、普通図柄194の変動がまだ実行されていない入球の数を示す。いわば、普通図柄変動の実行予定数である。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が始動口24、普通電役入球口26、第2大入賞口30、第1大入賞口28等の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。始動口24等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
始動口24に入球すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口28の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、第1大入賞口28は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第1大入賞口28の開閉が所定回数、例えば7回繰り返される。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技終了後の通常遊技において、特定遊技として時短が開始される。時短においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。時短においては、特別図柄192が短縮されるだけでなく、普通図柄表示装置59における普通図柄の変動時間も短縮され、また、普通電役入球口26の開放時間も長くなる。そのため、通常状態の通常遊技に比べて格段に普通電役入球口26へ入球しやすくなる。開放された普通電役入球口26に入球すると、第2大入賞口30が開放される。これにより、第2特別遊技に移行する。第2特別遊技において第2大入賞口30が開放される状態を第2特別遊技の第1段階と呼ぶ。
センター飾り64は、その内側に、センター飾り64の外部から隔てられる形で仕切られた空間を形成している。第2大入賞口30はセンター飾り64の左側に取り付けられており、開放された第2大入賞口30に入球した遊技球はセンター飾り64の内部に設けられた通路31を通って内側の空間へ流入する。その空間には、誘導装置62、特定領域22、流出領域66が設けられている。通路31の内部には、入球検出装置81が設けられ、第2大入賞口30への入球が検出される。センター飾り64の内側に入球した遊技球は特定領域22または流出領域66の方向に導かれる。誘導装置62は、低速で回転しており、遊技球を特定領域22と流出領域66のいずれかへ導くよう作用する。特定領域22は入球口の形状を有し、つねに左右方向に往復移動している。このように、誘導装置62の回転状態と特定領域22の往復移動の位置関係や遊技球の勢いなどによって、遊技球が特定領域22へ入球するか、流出領域66へ入球するかが決まる。
特定領域22への入球は入球検出装置36により検出され、流出領域66への入球は流出検出装置37により検出される。なお、入球検出装置36および流出検出装置37をまとめて、排出検出装置35とよぶ。入球検出装置36および流出検出装置37は、特定領域22および流出領域66のそれぞれに入球した遊技球を計数する。それぞれの領域への入球数の和が入球検出装置81により計数された入球数と一致すると、第2大入賞口30に入球したすべての遊技球が、特定領域22または流出領域66に入球したと判定される。
遊技球がセンター飾り64の内部の特定領域22に入球することが、第2特別遊技の第1段階から第2段階へ移行するための継続条件となる。継続条件が成立すると、第1特別遊技と同様に、第1大入賞口28の開閉動作が所定回数、例えば7回繰り返される。第2特別遊技の第1段階は1回目の単位遊技に相当し、第2段階が2回目以降の単位遊技に相当する。第2特別遊技の発生原因となった特定領域22への入球が時短中であった場合、その第2特別遊技終了後の通常遊技も再び時短へ移行するが、特定領域22への入球が時短中でなかった場合は、その第2特別遊技終了後は通常状態での通常遊技へ戻り、時短とはならない。したがって、時短中は比較的高い確率で第2特別遊技が繰り返し発生するチャンスとなる。
なお、変形例におけるぱちんこ遊技機10では、第1大入賞口28の機能をすべて第2大入賞口30に持たせることにより、第1大入賞口28のない遊技機を実現してもよい。これにより、特別遊技の動作制御の単純化、製造コストの削減、遊技領域52のスペース有効活用をさらに進めることができる。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側の構成を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口24および作動口68へ入球したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、ぱちんこ遊技機の機能ブロック図である。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口24、作動口68、普通電役入球口26、第1大入賞口28、第2大入賞口30、演出表示装置60、特別図柄表示装置61、普通図柄表示装置59、スピーカ18、操作ボタン82のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄の変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段112、第2抽選手段113、保留制御手段118、メイン表示制御手段122、特別遊技制御手段126、開閉制御手段132、特定遊技制御手段133を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段140、演出決定手段142、演出表示制御手段144を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入球口への入球を判定する。入球判定手段110は、入球検出装置32から始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口24に入賞したと判定し、入球検出装置38から通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判定する。入球判定手段110は、各入球口への入球を判定する。入球判定手段110は、入球検出装置34から入球情報を受け取ると遊技球が普通電役入球口26に入球したと判定する。入球判定手段110は、入球検出装置78から大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口28に入賞したと判定し、入球検出装置81から大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口30に入賞したと判定する。さらに、入球判定手段110は、第2大入賞口30における特定領域22や流出領域66への入球も判定する。
第1抽選手段112は、抽選値取得手段151、当否判定手段152、パターン決定手段153を含み、始動口24への入球に対応する特別図柄抽選を実行する。特別図柄抽選の結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄192の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄190の変動表示の形で示される。第1抽選手段112は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果を演出決定手段142へ送信する。さらに、第1抽選手段112は、始動口24への入球時にも事前判定処理として特図抽選値が大当たりに該当するか否かの当否判定の抽選を実行し、特図抽選値に基づいて図柄変動の変動パターンを決定する。そして、その判定結果および決定結果を抽選結果として演出決定手段142へ送信する。なお、変動パターンには、図柄変動時間の情報が含まれる。事前判定処理の結果は、その特別図柄抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段142へ送信される。そのため、サブ基板104の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果や変動パターンを認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
抽選値取得手段151は、特別図柄抽選のために乱数の値を特図抽選値として取得する。例えば、特図抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。抽選値取得手段151が特図抽選値として取得する値は、保留制御手段118により一時的に保留される。ただし、保留制御手段118により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で特図抽選値が保留される。
当否判定手段152は、特図抽選値に基づき、通常遊技より遊技者に有利な状態である第1特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。当否判定手段152は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、大当たりまたは外れの判定結果と特図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否判定手段152は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確変時には通常確率より大当たりの確率が高い当否テーブルを参照する。当否判定手段152は、遊技状態に応じて複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、特図抽選値が大当たりであるか否かを判定する。
当否判定手段152は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。当否判定手段152は、特別図柄192の停止図柄を決定するために参照する図柄範囲テーブルを保持する。特別図柄192を決定するための図柄範囲テーブルには、「0」〜「9」の数字および「−」の記号で表される特別図柄192と特図抽選値との対応関係が定められている。特別図柄192の種類はそれぞれ大当たりまたは外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「9」の数字が大当たりに対応し、「−」の記号が外れに対応する。当否判定手段152は、図柄範囲テーブルを複数保持する。
パターン決定手段153は、特別図柄表示装置61および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得するパターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。パターン決定手段153は、図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。パターン決定手段153は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルをそれぞれ複数保持する。変動パターンには、特別図柄192を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間(「図柄変動時間」ともいう)が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄192の変動が停止される。なお、パターン決定手段153で決定される特別図柄192の「変動パターン」は、演出的な過程が含まれないパターンであるため実質的には「変動時間」と同義である。
第2抽選手段113は、作動口68への入球を契機に普通電役入球口26を開放するか否かを判定するために乱数の値を普図抽選値として取得する。例えば、普図抽選値は「0」から「511」までの値範囲から取得される。第2抽選手段113が参照する当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と普図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
第2抽選手段113は、普通図柄194の停止図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第2抽選手段113による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて普通図柄194の停止図柄を決定する。第2抽選手段113は、通常状態において、例えば10秒から60秒の間で変動時間をランダムに選択し、特定遊技中は通常状態よりも短い、例えば1秒という変動時間を選択する。第2抽選手段113は、普通図柄194の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、普通図柄194の変動時間を決定するために参照すべき時間決定テーブルを保持する。第2抽選手段113は、決定した停止図柄および変動時間を示すデータを普通図柄表示装置59へ送出する。普通図柄194の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段132が普通電役入球口26の普通電動役物を所定時間拡開する。
保留制御手段118は、第1保留手段119と第2保留手段120を含む。第1保留手段119は、新たに特別図柄抽選が実行されるときにそれ以前の特別図柄抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな特別図柄抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では特別図柄抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保持するが、その当否抽選値の当否判定結果等とともに保持してもよい。第2保留手段120は、普通図柄194の変動表示中に作動口68への入球があったとき、その入球に対応する普図抽選値を上限個数である4個まで保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ保留ランプ20、保留ランプ21の点灯数または点滅数により表される。第1保留手段119による保留の数は演出表示装置60の表示領域にも表示される。
メイン表示制御手段122は、特図表示手段123と普図表示手段124を含む。特図表示手段123は、第1抽選手段112による特別図柄抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい特別図柄192の変動を特別図柄表示装置61に表示させる。特図表示手段123は、それ以前になされた特別図柄抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
特図表示手段123は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段144へ送信することにより、特図表示手段123および演出表示制御手段144による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図表示手段124は、決められた変動時間にて普通図柄194の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段126は、第1作動条件保持手段127、第2作動条件保持手段128、第1特別遊技実行手段129、第2特別遊技実行手段130、作動回避手段131を含む。第1作動条件保持手段127は、第1特別遊技を実行するための条件である第1作動条件を保持し、第2作動条件保持手段128は、第2特別遊技を実行するための条件である第2作動条件を保持する。第1作動条件には、特別図柄192が当たり態様で停止することが条件として定められている。第2作動条件には、普通電役入球口26への入球が条件として定められている。
第1特別遊技実行手段129は、第1抽選手段112による抽選結果が当たりであった場合に、第1特別遊技を実行する。第1特別遊技は、第1大入賞口28の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした単位遊技が複数回実行される。単位遊技の回数は例えば7回であり、1回につき第1大入賞口28を約30秒間開放させる。
第2特別遊技実行手段130は、第2抽選手段113による抽選結果が当たりとなって普通電役入球口26に遊技球が入球した場合に、第2特別遊技を実行する。第2特別遊技は、第1段階と第2段階に分けられる。第2作動条件の成立は、第2特別遊技の第1段階を開始するための条件が成立したことを示すとともに、その後、第1段階および第2段階を通して第2特別遊技が続く限り第2作動条件が成立している。第2特別遊技の第1段階では1回目の単位遊技として第2大入賞口30が開放され、第2段階では2回目以降の単位遊技として、第1大入賞口28が複数回開放される。第2段階での単位遊技の回数は例えば7回であり、1回につき第1大入賞口28を約30秒間開放させる。
作動回避手段131は、第1作動条件および第2作動条件のいずれか一方の作動条件が成立したとき、他方の作動条件の成立を回避させる。いいかえれば、第1特別遊技と第2特別遊技が同時並行的に実行されないように排他制御する。第2作動条件の成立中であって、第2特別遊技の第1段階または第2段階が実行されている間は、第1作動条件の成立が回避される。一方、第1作動条件の成立中は、第2作動条件の成立が回避され、第2特別遊技の第1段階および第2段階のいずれも実行されない。特別図柄192が変動表示されている間に第2作動条件が成立した場合、作動回避手段131は特別図柄192の変動表示における変動時間の進行を一時停止させる。
具体的には、作動回避手段131が作動している間、特別図柄192の変動時間を計測している計時手段としてのタイマが一時的に停止し、変動時間の計測が進むことを回避する。本実施例では、このタイマの停止により作動回避手段131の作動中に特別図柄192が変動停止することが回避されるが、装飾図柄190は演出の都合上、そのタイマの停止に合わせて半停止状態、つまり見かけ上変動が停止したかのように微少変動している状態に保持される。
特定遊技制御手段133は、通常遊技における遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技は時短である。第1抽選手段112による抽選が当たりとなった場合であって、当否判定手段152が決定する特別図柄192の停止図柄が所定の図柄であった場合に、その第1特別遊技の終了後に時短へ移行する。また、時短中に第2特別遊技が発生した場合もまた、その第2特別遊技の終了後に時短へ移行する。その他の場合は、第1特別遊技または第2特別遊技の終了後であっても時短へは移行しない。
時短へ移行した場合、特別図柄192の変動回数が所定の継続回数に達するか、次の第1特別遊技または第2特別遊技が発生するまで時短が継続される。本実施例では、特定遊技移行後の時短の継続回数(以下「時短継続回数」ともいう)が予め決められている。すなわち、第1特別遊技の終了後の時短継続回数を一律100回に設定し、第2特別遊技の終了後の時短継続回数については、一律4回に設定されている。この4回は保留球数の上限値に対応する。なお、特別図柄192の変動時間は当否抽選の結果により変わるため、時短の継続時間もそれに応じて変化することになる。
特定遊技制御手段133は、特定遊技の開始時と終了時において第1抽選手段112と開閉制御手段132に特定遊技の開始と終了を示す情報を送信する。特定遊技中は、パターン決定手段153は変動時間の短い変動パターンを選択し、第2抽選手段113は普通図柄の変動時間を短縮する。また、特定遊技中における開閉制御手段132は、普通図柄抽選が当たりのときに、通常状態よりも長い開放時間にて普通電役入球口26を開放する。
開閉制御手段132は、普通電役入球口26の普通電動役物、第1大入賞口28、第2大入賞口30の開閉を制御する。開閉制御手段132は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電役ソレノイド76に開放指示を送り、普通電役入球口26を開放させる。同様に、開閉制御手段132は、第1特別遊技中は大入賞口ソレノイド83に開放指示を送って第1大入賞口28を開放させ、第2特別遊技の第1段階は大入賞口ソレノイド80に開放指示を送って第2大入賞口30を開放させ、第2特別遊技の第2段階は大入賞口ソレノイド83に開放指示を送って第1大入賞口28を開放させる。
パターン記憶手段140は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンデータを保持する。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。
演出決定手段142は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置および変動パターンを、第1抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて決定する。これにより特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンが選択される。演出決定手段142は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1抽選手段112による判定結果が第1特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。例えば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。第1抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段142は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段144へ送る。
演出表示制御手段144は、第1抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段144は、遊技効果ランプの点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
以下、本実施例における特徴的な機能および動作を説明する。
既述のように時短中においては普通電役入球口26への入球容易性が高まり、第2特別遊技が発生し易くなる。また、第2特別遊技後は再び時短に移行することで普通電役入球口26への入球容易性が保持されるため、時短が継続するほど第2特別遊技が連続する可能性も高まる。したがって、この時短中にできるだけ多くの遊技球を普通電役入球口26へ入球させ、それにより繰り返し第2特別遊技へ移行させることができると、遊技者の利益も大きくなる。したがって、普通電役入球口26への入球を効果的に狙える時短の継続時間がどれほどあるかは遊技者にとって大きな関心事となる。そういった意味では、時短中においてその残り時間を報知することが遊技者の便宜を図ることにもなる。しかし、仮に時短に移行する前に次に時短に移行した場合の継続時間が分かれば、それにも増して遊技者の便宜を向上させることができるとともに、興趣をかき立てることができる。すなわち、上述のように時短の継続時間は特別図柄192の変動回数により規定されるが、その変動1回あたりの変動時間は時短開始前に保留された各特図抽選値に対応する図柄変動時間である。特に、本実施例の第2特別遊技後の時短のように、その継続回数と保留上限値とが一致する場合、あるいは保留上限値が継続回数よりも多くなるように設定された遊技においては、保留中の特図抽選値の総変動時間が分かれば時短継続時間を予め知ることができる。さらに言えば、保留されている特図抽選値にかかる総変動時間がリアルタイムに分かれば、その総変動時間が長くなるタイミングで大当たりを狙うことも、場合によっては可能になる。そこで、本実施例では、次の時短が開始される前に、遊技者にそのおおよその時短継続時間を示唆し、それにより遊技を有利に導く可能性を創出するような遊技性を提供する。
図4は、パターン決定手段153が変動パターンを決定する際に用いる変動パターンテーブルのデータ構造図である。(a)は、時短時以外の変動パターンの決定に用いられる通常テーブル211を表し、(b)は、時短時の変動パターンの決定に用いられる時短テーブル212を表している。なお、実際には図示のものよりも多種多様な変動パターンが存在するが、ここでは説明を分かりやすくするために模式的な表記に留めている。実際には、各変動パターンがさらに細分化されているが、その詳細については図示を省略する。
パターン決定手段153は、変動パターンを決定する際に図示のような変動パターンテーブルを用いる。この変動パターンテーブルの内容を示すパターンデータは、パターン記憶手段140に保持されている。パターン決定手段153が決定した変動パターンの情報は演出決定手段142に送信されるので、演出決定手段142が、対応する装飾図柄190の変動パターンを決定することになる。変動パターンテーブルには、詳細には当否抽選の結果が当たり、外れのそれぞれに対応して、確変中に選択される変動パターン、確変中でない通常状態(「非確変」ともいう)にて選択される変動パターンが設定されている。
図示のように、通常テーブル211においては、特図抽選値と変動パターンとが対応づけられている。すなわち、特図抽選値が「0」から「220」までの値範囲にある場合、当否抽選の結果は当たりとなり、その特図抽選値に応じた所定の当たり変動が行われる。一方、特図抽選値が「221」から「65535」までの値範囲にある場合、当否抽選の結果は外れとなり、その特図抽選値に応じた所定の外れ変動が行われる。いずれの変動パターンにも変動時間が5秒から60秒までの種々の変動パターンが含まれ、特図抽選値に対応づけられている。例えば、リーチ状態を経ないリーチなしパターン、背景画像の変化がないノーマルリーチを経るリーチ変動パターン、背景図柄を変化させるなどして変動時間が比較的長いスーパーリーチを経るリーチ変動パターン等が設定されている。パターン決定手段153は、特図抽選値に基づいていずれかの変動パターンを決定する。
一方、時短テーブル212においては、後述する時短継続時間の設定および算出を容易にするために、選択対象となる変動パターンの変動時間が比較的固定されている。すなわち、特図抽選値が「0」から「22000」までの値範囲にある場合、変動パターンAが選択され、その変動時間は比較的長い30秒となる。特図抽選値が「22001」から「44000」までの値範囲にある場合、変動パターンBが選択され、その変動時間は中程度の10秒となる。特図抽選値が「44001」から「65535」までの値範囲にある場合、変動パターンCが選択され、その変動時間は短く2秒となる。この時短テーブル212の各変動パターンにも、上述したリーチ変動パターン等を含む種々の変動パターンが含まれるが、変動時間の長さに応じて変動パターンの種類も制約を受けることになる。ここでは、その具体的内容については説明を省略する。この場合、変動時間が長い変動パターンAが選択されると、遊技者にとって比較的有利な状態となる。
なお、実際には、通常テーブル211および時短テーブル212の双方において、特図抽選値の値範囲の中でさらにパターン抽選値(「1」から「255」までの乱数値など)が設定され、このパターン抽選により変動パターンが決定されるが、ここではその詳細な説明については省略する。
図5は、演出表示装置に表示される示唆演出の画面例を表す図である。
演出表示装置60の表示領域195には、その略中央の領域に装飾図柄190が変動表示される他、その周囲の領域に遊技状態を表す状態報知画像200および保留画像202が表示される。図示の例では、表示領域195の右下の領域に、状態報知画像200として「今当たれば時短○秒!」の文字が表示されている。なお、現在の遊技状態が時短中であるか否かを明示するために、時短中である場合には「時短中」の文字を表示させるようにしてもよい。
表示領域195の左下の領域には、保留画像202として第1保留手段119により保持される特図抽選値(第1の抽選)の保留数がランプ画像の形で表示される。図示の例では、その保留数の上限値と同数(本実施例では4つ)のランプ画像のうち、現在の保留数に相当する3つのランプが点灯表示されている。保留画像202の4つのランプ画像は、第1保留手段119による特図抽選値の保留が追加されるごとに、左方から順次追加点灯され、保留が消化されるごとに右方から消灯される。演出上は、そのランプ画像が左端側から順次消化されてその点灯状態が左方へシフトするように表示される。
ここで、本実施例における示唆演出を詳細に説明する前に、その示唆演出が行われうる変動過程について一例を挙げて説明する。
図6は、遊技過程の一例を表すタイミングチャートである。同図の横軸は時間の経過を表している。なお、同図に示す事例はあくまで多種多様な遊技過程の一例に過ぎず、図示と異なる変動過程があることはいうまでもない。
同図には、特別図柄抽選が当たりとなってから第2特別遊技が連続して発生するまでの遊技過程の例が示されている。ここでは、通常遊技の通常状態において時刻t1にて特別図柄抽選が当たりとなったため(図中「特図当たり」と表記)、その当たり図柄変動が表示されている。そして、その図柄変動中に普通電役入球口26への入球がなかったため、その変動が終了した時刻t2にて第1特別遊技が実行されている。そして、その第1特別遊技が終了した時刻t3から時短へ移行し、その時短中の時刻t4に普通図柄抽選が当たりとなったため(図中「普図当たり」と表記)、第2特別遊技の第1段階へ移行している。このとき、特定領域22への入球があったため、時刻t5において第2特別遊技の第2段階へ移行している。さらに、その第2特別遊技が終了した時刻t6から時短へ移行し、その時短中の時刻t7に再度普通図柄抽選が当たりとなり普通電役入球口26への入球があったため、第2特別遊技が連続的に実行されている。その第2特別遊技が終了した時刻t8に時短に移行している。
本実施例では、この第1特別遊技が終了して時短に移行してから第2特別遊技が発生する場合を想定し、その第2特別遊技後の時短継続時間の予定値を予め報知する示唆演出が行われる。ここでは、この示唆演出の例を複数のケースに分け、第1特別遊技後に実行される時短開始以降に表示されうる示唆演出1、第2特別遊技への移行後に表示されうる示唆演出2、第2特別遊技が連続して行われているときに表示されうる示唆演出3について説明する。
図7は、示唆演出1が行われる過程を時系列的に表した説明図である。同図には時間の経過に伴う保留数の変化がランプ画像の態様で示されるとともに、保留された各特図抽選値の変動時間、その総変動時間が示されている。同図の横軸は時間の経過を表している。
図示の例では、第1特別遊技後の時短中において時刻t11にて保留数が2つになり、そのとき保留されている各特図抽選値に対応する変動時間が、後述する時短テーブル212を参照したときにそれぞれ10秒、2秒であったことから、総変動時間が12秒と算出されている。仮にこのとき大当たりが発生すると、少なくとも12秒の時短継続時間が確保されるため、図5に示した状態報知画像200として、例えば「今当たれば、少なくとも12秒の時短!」などと表示される。この場合は、第2特別遊技へ移行しても保留数が増加する可能性があり、また第2特別遊技の平均的な期間を考慮すると保留数が増加する可能性が高いため、「今当たれば、時短12秒!」といった表示はされない。同様に、時刻t13では保留数が4つの上限値に達し、その総変動時間が120秒になっている。本実施例においては時短テーブル212を用いた場合に最も長い変動時間が30秒であるため、この120秒という変動時間が時短継続時間としては最長となる。この保留状態での図柄変動で第2特別遊技へ移行する当たりが発生すれば、その第2特別遊技後の時短において最長の時短継続期間を確保することができる。その場合、保留数が上限値に到っているため、特別遊技中に保留が増加することはない。この場合、「今当たれば、120秒の時短!」などと表示される。
このようにして、実際に当たりが発生するまでは保留数も時々刻々変化し、その結果、次の時短に確保される予定の時短継続時間も同様に変化する。図示の例では、最下段に示すように、最終的に時短中に保留数が上限値(4つ)に達した状態で当たりが発生し、各特図抽選値にかかる変動時間が30秒、2秒、10秒、30秒となり、総変動時間が72秒となっている。このため、例えば「時短は72秒!」などと表示される。この当たりによる第2特別遊技後に再度時短へ移行すると、その時短は72秒継続される。この72秒の間に普通図柄抽選が当たりとなり、普通電役入球口26への入球があると、第2特別遊技が連続的に実行されることになる。
図8は、示唆演出2が行われる過程の例を時系列的に表した説明図である。同図にも時間の経過に伴う保留数の変化がランプ画像の態様で示され、保留された各特図抽選値の変動時間、その総変動時間が示されている。同図の横軸は時間の経過を表している。
図示の例では、時短中の最後の変動が終了した時刻t21にて保留数が1つであったが、その後に移行した第2特別遊技中に保留数が徐々に増えて上限値に達している。この例では、図示のように第2特別遊技中に保留数が増加した場合、その増加ごとに示唆演出を行う。すなわち、時刻t22にて保留数が2つになり、総変動時間が40秒となっている。このため、状態報知画像200として、例えば「次の時短に40秒確保!」などの表示がなされる。同様に、時刻t23にて保留数が3つになり、時刻t24にて保留数が上限の4つに達している。最終的な総変動時間が80秒となっているため、例えば「次の時短は80秒!」などの表示がなされる。
図9は、示唆演出3が行われる過程の例を時系列的に表した説明図である。同図にも時間の経過に伴う保留数の変化がランプ画像の態様で示され、保留された各特図抽選値の変動時間、その総変動時間が示されている。同図の横軸は時間の経過を表している。
図示の例では、第2特別遊技終了後に時短が開始される時刻t31にて保留数が上限値の4つとなっており、その後の図柄変動によりその4つの特図抽選値が順次消化される一方、新たな特図抽選値が保留されている。すなわち、時刻t32までは始動口24への入球がなかったために追加の保留がなく、時刻t33,t34において変動時間が2秒,10秒の新たな特図抽選値が順次追加保留されている。そして、時短継続回数である4回目の図柄変動において第2特別遊技へ移行する当たりが発生したため、時刻t35において第2特別遊技へ再度移行している。この時短中においては、状態報知画像200として、例えば「次の時短に2秒確保!」、「次の時短に42秒確保!」などの表示が順次なされる。ただし、当然のことながら、時短中に消化されるべき特図抽選値の変動時間については次の時短継続時間には算入されない。この例では、その移行後の第2特別遊技においてさらに保留数が増加して上限値に達している。図示のように、最終的な総変動時間が72秒となっているため、例えば「次の時短は72秒!」などの表示がなされる。
以上のように、本実施例では、時短継続時間の予定値が逐次遊技者に報知される。特に第2特別遊技を連続させるか否かが利益状態を大きく作用する遊技形態において、このように次の時短の予定値を知ることができると、その後の遊技を計画的に進められるようになる。遊技者は、実際に時短へ移行したときの打ち方を予め考えながら、実行中の遊技を進めることができる。
図10は、ぱちんこ遊技機における基本的な処理過程を示すフローチャートである。
まず、遊技球が始動口24、普通電役入球口26、第1大入賞口28、第2大入賞口30へ入球した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行する(S10)。このとき、普通電役入球口26への入球があった場合には、第2特別遊技へ移行される。そして、特別遊技中でなければ(S12のN)、特別図柄抽選などの通常遊技の処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、第1特別遊技または第2特別遊技の処理を実行し(S16)、S10における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図11は、図10におけるS10の入球処理を詳細に示すフローチャートである。
始動口24に入球があった場合(S210のY)、始動口に対応する賞球数をセットする(S212)。このとき、第1保留手段119による保留数が4未満であるか否かを参照し、さらなる保留が可能な状態であれば(S214のY)、特図抽選値を取得する(S216)。その特図抽選値に基づいて当否判定等をする事前判定処理を実行し(S218)、特図抽選値を第1保留手段119に保留する(S220)。S210において始動口24への入球がない場合はS212からS220までの処理をスキップする(S210のN)。S214において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合はS216からS220までの処理をスキップする(S214のN)。
作動口68を遊技球が通過した場合(S222のY)、第2保留手段120による保留数が4未満であるか否かを参照し、さらなる保留が可能な状態であれば(S224のY)、普図抽選値を第2保留手段120に保留する(S226)。S222において作動口68への入球がない場合はS224およびS226の処理をスキップする(S222のN)。S224において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合はS226の処理をスキップする(S224のN)。
普通電役入球口26に入球があった場合は(S228のY)、普通電役入球口26に対応する賞球数をセットし(S230)、普通電役入球口26への入球がないときはS230をスキップする(S228のN)。第1大入賞口28または第2大入賞口30に入球があった場合は(S234のY)、第1大入賞口28または第2大入賞口30に対応する賞球数をセットし(S236)、第1大入賞口28および第2大入賞口30への入球がないときはS236をスキップする(S234のN)。
図12は、図11におけるS218の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。 特図抽選値が外れの値に該当する場合は(S250のY)、当否判定手段152が図柄を所定の外れ図柄に仮決定し(S252)、パターン決定手段153が外れの変動パターンに仮決定する(S254)。当否判定手段152が当否判定した特図抽選値が当たりの値に該当する場合(S250のN)、当否判定手段152が図柄を当たり図柄に仮決定し(S260)、パターン決定手段153が当たりの変動パターンに仮決定する(S262)。以上のように決定された当否判定結果や図柄と変動パターンの判定結果が保存され(S256)、サブ基板104の演出決定手段142へ送信される(S258)。
図13は、図10におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
ここでは、特別図柄192の変動表示、および装飾図柄190を含む演出画像の変動表示を処理し(S30)、普通図柄194の変動表示を処理する(S31)。なお、S30、S31の処理順序はあくまでも説明の便宜上定義した順序にすぎず、どの順序で処理してもよい。
図14は、図13のS30における特別図柄および演出画像の図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。以下、特に断らない限り「図柄」は特別図柄192と装飾図柄190の双方を示す。
ここでは、特別図柄192、装飾図柄190を変動表示させる図柄変動処理と並行して、次回の時短継続時間の予測値を報知する示唆演出処理が実行される(S40)。第1保留手段119に特図抽選値の保留がなされている場合であって(S41のY)、図柄変動が表示中でなければ(S42のN)、特別図柄抽選の当否判定や図柄決定、変動パターンの選択などが処理され(S44)、特別図柄192および装飾図柄190の変動表示が開始される(S46)。S41において特図抽選値が保留されていなかった場合は(S41のN)、S42からS46までの処理がスキップされる。S42において既に図柄変動中であれば(S42のY)、S44とS46の処理がスキップされる。
ここで、図柄の変動表示中でなければ(S48のN)、S30の図柄変動処理はそのまま終了する。一方、図柄の変動表示が開始済であれば(S48のY)、装飾図柄190の変動表示処理を実行する(S50)。そして、変動時間が変動停止タイミングまで達したとき(S52のY)、図柄の変動表示は停止される(S58)。特定遊技中(時短中)であって(S60のY)、特図抽選が当たりでなければ(S61のN)、変動回数をインクリメントし(S62)、その変動回数が所定の継続回数に達すれば(S64のY)、特定遊技を終了する(S66)。変動回数が継続回数に達していなければ(S64のN)、S66をスキップする。特定遊技中に(S60のY)、当たりになった場合も(S61のY)、特定遊技を終了する(S66)。特定遊技中でなかった場合(S60のN)、S61らS66までの処理をスキップする。図柄の停止タイミングでなかった場合もまたS30のフローを終了する(S52のN)。
図15は、図14のS40における示唆演出処理を詳細に示すフローチャートである。 演出決定手段142は、第1保留手段119に保留がある場合には(S270のY)、演出表示制御手段144に保留演出表示を表示させる。この保留演出は、図5に示した保留画像202により現在の特図抽選値の保留数を表示することにより行う。なお、上述のように、この保留情報および特別図柄抽選の結果については、第1抽選手段112から演出決定手段142に逐次送信されている。このとき、時短中または第2特別遊技中であれば(S274のY)、現在の保留されている特図抽選値から次の時短時の時短継続時間の予定値を算出する(S276)。すなわち、保留されている特別図柄抽選の結果が時短中に変動表示されることを前提とした場合に想定される総変動時間を算出する。具体的には、保留中の各特図抽選値を用いて時短テーブル212を参照した場合の総変動時間を時短継続時間の予定値として算出する。演出表示制御手段144は、その時短継続時間を図5に示した状態報知画像200の形で表示する。なお、この時短継続時間の予定値については、演出決定手段142側で時短テーブル212と同様のテーブルを保持し、これに基づき算出してもよいが、第1抽選手段112が変動パターンを時短テーブル212に基づいて先読みして演出決定手段142に送信するようにしてもよい。演出決定手段142は、送信された変動パターンに対応する変動時間から時短継続時間を算出してもよい。
一方、保留がない場合(S270のN)、時短中でも第2特別遊技中でもない場合(S274のN)、既に状態報知画像200による示唆が表示中であれば(S280のY)、これを消去する(S282)。示唆表示中でなければ(S280のN)、S282の処理をスキップして本図のフローを終了する。
図16は、図13のS31における普通図柄の変動処理を詳細に示すフローチャートである。
第2保留手段120に普図抽選値の保留がなされている場合(S80のY)、普通図柄194が変動表示中でなければ(S82のN)、第2抽選手段113が普通図柄抽選として当否判定処理を実行し(S84)、普通図柄194の変動表示が開始される(S90)。S80において普図抽選値が保留されていなかった場合は(S80のN)、S82からS90までの処理はスキップされ、S82において普通図柄194が変動表示中であった場合は(S82のY)、S84およびS90の処理がスキップされる。
続いて、普通図柄194の変動表示が開始済であれば(S92のY)、普通図柄194の変動表示を処理し(S94)、定められた変動時間が経過して普通図柄194の変動表示の停止タイミングに達したときは(S96のY)、変動表示中の普通図柄194は停止する(S98)。停止図柄が当たり態様であれば(S100のY)、普通電役入球口26が開放され(S102)、停止図柄が当たり態様でなければ(S100のN)、S102の処理はスキップされる。変動時間経過前である場合(S96のN)、S98からS102の処理はスキップされる。S92において変動表示が開始されていないときは(S92のN)、S94からS102の処理はスキップされる。
図17は、図10におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 実行中の特別遊技が第1特別遊技であれば(S110のY)、第1特別遊技の制御を処理し(S112)、実行中の特別遊技が第1特別遊技でなければ(S110のN)、第2特別遊技の制御を処理する(S114)。
図18は、図17のS112における第1特別遊技を詳細に示すフローチャートである。 まず、第1大入賞口28が開放済でなければ(S120のN)、演出表示制御手段144が第1特別遊技の演出を開始し(S122)、開閉制御手段132が第1大入賞口28を開放する(S124)。第1大入賞口28が開放済であれば(S120のY)、S122およびS124の処理はスキップされる。第1大入賞口28が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S126のY)、または、開放時間が経過していないものの(S126のN)、第1大入賞口28への入球数が9球以上に達した場合には(S128のY)、開閉制御手段132が第1大入賞口28を一旦閉鎖させる(S130)。開放時間が経過しておらず(S126のN)、第1大入賞口28への入球数も9球以上に達していない場合は(S128のN)、S130以降の処理をスキップしてS112のフローを終了する。
S130における第1大入賞口28の閉鎖後、単位遊技数が所定回数に達して終了タイミングとなった場合(S132のY)、演出表示制御手段144は第1特別遊技の演出を終了させ(S134)、特別遊技制御手段126は第1特別遊技を終了させる(S136)。特定遊技への移行条件を満たす場合(S140のY)、特定遊技に移行し(S142)、満たさなければ(S140のN)、S142の処理をスキップする。S132において単位遊技数が所定回数に達していなければ(S132のN)、単位遊技数に1を加算してS112のフローを終了する(S138)。
図19は、図17のS114における第2特別遊技を詳細に示すフローチャートである。 第2特別遊技が開始済でなければ(S150のN)、第2大入賞口30を開放し(S152)、開始済であれば(S150のY)、S152をスキップする。第1段階にある場合(S154のY)、第2大入賞口30の開放時間が経過したら(S156のY)、第2大入賞口30を閉鎖し(S158)、開放時間以内であれば(S156のN)、S158をスキップする。ここで、第2大入賞口30の内部にある特定領域22への入球があれば(S160のY)、ただちに第2段階への移行を示すフラグを立て(S162)、S168へジャンプする。このとき、まだ第2大入賞口30が開放していれば閉鎖する。
一方、第1段階において特定領域22への入球がない状態で(S160のN)、第1段階の終了条件が満たされてしまった場合は(S164のY)、第1段階を終了するとともに第2特別遊技も終了する(S166)。ここでいう終了条件は、第2大入賞口30の閉鎖から一定時間が経過するか、第2大入賞口30への入球検出数と排出検出数が10球以上の数で一致した場合である。この終了条件が満たされていなければ(S164のN)、S166はスキップされる。なお、第1段階にない場合はS156からS166の処理はスキップされる(S154のN)。第2段階への移行フラグが立っている場合(S168のY)、図18に示される特別遊技の処理を、第2特別遊技の第2段階の遊技として実行する(S170)。第2段階への移行フラグが立っていない場合はS170をスキップする(S168のN)。なお、S170における第2特別遊技の第2段階とS112における第1特別遊技は基本的に同様の動作を処理するため、ここでは図18における説明のうち「第1特別遊技」を「第2特別遊技」と読み替えるものとする。
以上に説明したように、本実施例においては、後続する時短継続時間の長さを示唆演出により予定値として逐次表示させるようにした。このため、遊技者がリアルタイムな感覚で把握でき、第2特別遊技を連続して狙える可能性を推し量ることができる。特に、本実施例のように従来にいう第1種ぱちんこ遊技機および第2種ぱちんこ遊技機の遊技を組み合わせた態様の複合機においては、第2特別遊技を連続的に発生させることが遊技者の利益に大きく結びつき、その可能性が高まる期間が時短継続時間となる。このため、遊技者がその時短継続時間と前倒し的に把握することで、普通電役入球口26への入球に備えることができるなど、遊技を計画的に進めることができる。その結果、遊技者の遊技意欲を高く維持することができる。また、それにより遊技者による遊技球の打ち出しを促進でき、遊技の運営を円滑にすることができる。
(実施例2)
上記実施例1においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機と第2種ぱちんこ遊技機とを混在させたような複合機について例示したが、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機を複数混在させたような複合機として構成してもよい。図20は、他の実施例に係るぱちんこ遊技機の正面側の構成を示す。なお、同図において、実施例1と共通する構成部分については同一の符号を付している。
すなわち、本実施例のぱちんこ遊技機210では、遊技領域52におけるセンター飾り64のやや左下方に作動口68が設けられている。遊技領域52の中央には、第1始動入賞口(以下、単に「始動口」という)24が設けられ、その直下にやや間隔をあけて普通電役入球口26と同様に拡開可能な可動役物74の構成を有する第2始動入賞口(以下、単に「始動口」という)224が設けられている。ここで、始動口24が「第1の始動口」を構成し、始動口224は「第2の始動口」を構成する。設計上、正常時における始動口24の入球率と始動口224の入球率との比が約1:5となるように構成されている。
一方、遊技領域52における左下方には、第1の抽選の結果を示す第1特別図柄192と、第2の抽選の結果を示す第2特別図柄193が変動表示される。第1特別図柄192の上方には、始動口24への入球による保留球数を表示させる第1図柄用保留ランプ220が設けられ、第2特別図柄193の上方には、始動口224への入球による保留球数を表示させる第2図柄用保留ランプ221が設けられている。遊技領域52における右下方には、普通図柄表示装置59および普通図柄変動用の保留ランプ222が設けられている。
本実施例においては、始動口24に入球すると第1の抽選が実行され、その抽選が大当たりになると、第1大入賞口28が開放を繰り返す特別遊技が開始される。また、始動口224に入球すると第2の抽選が実行され、その抽選が大当たりになると、同様に第1大入賞口28が開放を繰り返す特別遊技が開始される。ただし、第2の抽選には第1の抽選の場合とは異なり、その抽選が「小当たり」と呼ばれる所定の結果になる場合がある。第2の抽選の結果が小当たりになると、第2大入賞口30の短時間の開放がなされる小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技は、特別遊技を構成する複数回の単位遊技の1回分にしか相当しないため「大当たり」とは区別される。大入賞口へ入球した遊技球が第2大入賞口30内の特定領域22に入球すると、「小当たり」から「大当たり」へと昇格し、第1大入賞口28が開放を繰り返す特別遊技が開始される。このため、小当たり遊技は従来にいう第2種ぱちんこ遊技と実質的に同様の動作となる。本実施例においては、第1の抽選および第2の抽選における大当たりの発生確率は等しいが、第2の抽選においてのみ小当たりが発生し、さらに大当たりに昇格しうるように設定されている。
演出表示装置60は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示と連動する形で第1装飾図柄190および第2装飾図柄191を変動表示する。演出表示装置60の画面は左右で第1領域294と第2領域295に分けられ、第1領域294には第1装飾図柄190が、第2領域295には第2装飾図柄191が、並列的に変動表示される。ここで、第2抽選の結果が「小当たり」に該当した場合、第2大入賞口30が1回開放される。その後、遊技球がセンター飾り64の内部の特定領域22に入球すると、第2抽選の結果が大当たりになった場合と同じく、特別遊技が発生し、第1大入賞口28の開閉動作が所定回数、たとえば7回繰り返される。
このように、本変形例では、第1の抽選と第2の抽選における大当たりの発生確率は等しくなっているが、第2の抽選においてのみ小当たりが発生し、大当たりに発展する可能性がある。このため、始動口24へ入球させるよりも始動口224へ入球させたほうが小当たりが発生する可能性がある分、相対的に遊技者に有利になる。一方、特別遊技終了後の時短中においては、始動口224への入球容易性が高められる。このため、小当たりの発生可能性が高まり、その分小当たりから発展する大当たりの発生可能性も高まる。時短中に特別遊技が発生した場合は、特別遊技が終了しても新たな時短が実行される。このため、まずはいずれかの始動口に入球させて特別遊技を発生させ、時短に移行させた上で、小当たりが発展した特別遊技を繰り返し狙う遊技方法も有効となる。
こうしたことから、時短継続時間を報知することは、実施例1と同様に遊技者の便宜を図る上で好ましい。本実施例において、時短継続回数は4回に設定されている。そして、時短に移行したときに実施例1と同様の示唆演出がなされる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記実施例1では、時短中および第2特別遊技にのみ示唆演出を実行する例を示したが、通常遊技の通常状態において同様の示唆演出を行うようにしてもよい。例えば、第1特別遊技終了後の時短継続回数を100回の一律ではなく、第2特別遊技後の時短と同様に4回程度に設定するか、少なくとも4回程度を選択できるようにし、通常状態において当たりが発生したときに想定される時短継続時間を逐次表示させるようにしてもよい。上述のように、仮に通常状態から第2特別遊技へ移行したとしても時短へは移行しないので、この場合には、第1特別遊技後の時短が示唆表示されることになる。
上記実施例では、後続する時短継続時間を具体的数値(時間)として表示する例を示した。変形例においては、時間そのものではなく、その時短の長短の程度を感覚的に演出表示するようにしてもよい。例えば、特別図柄抽選の保留数が追加されるごとに「継続時間5%アップ」などの表示を行ってもよい。
上記実施例においては、図12に示したように、事前判定処理の段階で当否判定結果、図柄、変動パターンの情報をサブ基板104の演出決定手段142へ送信するようにした。変形例においては、当否判定結果と変動時間情報のみなど、示唆演出に必要な情報のみを事前に送信するようにしてもよい。このようにすれば、装置の処理負荷の軽減を図ることができる。
上記実施例では、時短中においても次の時短についての時短継続時間を報知するようにした。変形例においては、現在の時短の残り時間を示唆する演出を行うようにしてもよい。すなわち、時短中においては、保留中の特別図柄抽選からその継続期限である所定回数変動分の残りの変動時間を合計することでその時短の残り時間を算出することができる。時短開始時にその総変動時間が分かるため、その開始時に時短の総継続時間を表示し、その後はその継続時間をカウントダウン、あるいは変動終了ごとに減算して表示するようにしてもよい。また、その場合も、時短継続時間(時短残り時間)そのものを具体的数値(時間)として表示するのではなく、その長短の程度を演出表示するようにしてもよい。
以上のような変形例によっても、遊技者が時短継続時間を把握できるため、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
ぱちんこ遊技機の正面側の構成を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側の構成を示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロック図である。 パターン決定手段が変動パターンを決定する際に用いる変動パターンテーブルのデータ構造図である。 演出表示装置に表示される示唆演出の画面例を表す図である。 遊技過程の一例を表すタイミングチャートである。 示唆演出が行われる過程を時系列的に表した説明図である。 示唆演出が行われる過程の例を時系列的に表した説明図である。 示唆演出が行われる過程の例を時系列的に表した説明図である。 ぱちんこ遊技機における基本的な処理過程を示すフローチャートである。 図10におけるS10の入球処理を詳細に示すフローチャートである。 図11におけるS218の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。 図10におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図13のS30における特別図柄および演出画像の図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。 図14のS40における示唆演出処理を詳細に示すフローチャートである。 図13のS31における普通図柄の変動処理を詳細に示すフローチャートである。 図10におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図17のS112における第1特別遊技を詳細に示すフローチャートである。 図17のS114における第2特別遊技を詳細に示すフローチャートである。 他の実施例に係るぱちんこ遊技機の正面側の構成を示す図である。
符号の説明
10 ぱちんこ遊技機、 20 保留ランプ、 21 保留ランプ、 22 特定領域、 24 始動口、 26 普通電役入球口、 28 第1大入賞口、 30 第2大入賞口、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 59 普通図柄表示装置、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 68 作動口、 100 遊技制御装置、 102 メイン基板、 104 サブ基板、 112 第1抽選手段、 113 第2抽選手段、 118 保留制御手段、 126 特別遊技制御手段、 131 作動回避手段、 133 特定遊技制御手段、 140 パターン記憶手段、 142 演出決定手段、 144 演出表示制御手段、 151 抽選値取得手段、 152 当否判定手段、 153 パターン決定手段、 190 装飾図柄、 192 特別図柄、 194 普通図柄、 195 表示領域、 200 状態報知画像、 202 保留画像、 210 ぱちんこ遊技機、 211 通常テーブル、 212 時短テーブル。

Claims (6)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な第1始動口と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な第2始動口と、
    所定の演出画像が表示される演出表示装置と、
    前記第1始動口への入球を契機に第1の抽選を実行する第1抽選手段と、
    前記第2始動口への入球を契機に第2の抽選を実行する第2抽選手段と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記第1の抽選および前記第2の抽選のうちいずれかが当たりとなったことを契機として遊技状態が所定の作動条件を満たした場合に遊技球が入球可能な状態へ変化する可変入球装置と、
    前記第1の抽選の結果を示す第1図柄または前記第2の抽選の結果を示す第2図柄がその変動表示状態から所定の当たり図柄で停止されたことを契機として前記作動条件が満たされた場合に、前記可変入球装置を入球可能な状態に変化させることにより、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技である特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
    前記第1図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンを保持するパターン記憶手段と、
    前記第1抽選手段から受け取る前記第1の抽選の結果に応じて、前記第1図柄の変動パターンを含む演出内容を決定する演出決定手段と、
    決定された変動パターンにしたがって前記第1図柄を前記演出表示装置に変動表示させる表示制御手段と、
    前記特別遊技の終了後に、前記第2の抽選を契機とする前記作動条件の達成が通常状態よりも容易となる特定遊技を、前記第1図柄が所定回数変動するまで継続させる特定遊技制御手段と、
    前記第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果を所定個数を上限にその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する保留制御手段と、
    を備え、
    前記第1抽選手段が遊技の進行を制御する主制御装置に設けられる一方、前記演出決定手段は遊技における演出の動作を制御する副制御装置に設けられ、前記主制御装置と前記副制御装置の間におけるデータの送受信が前記主制御装置から前記副制御装置への一方向になされ、
    前記第1抽選手段は、新たな抽選が実行されたときにその抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらずその結果を前記演出決定手段へ送信し、
    前記演出決定手段は、前記保留制御手段に保留されている前記第1の抽選の結果が前記特定遊技中に変動表示されると仮定して、その第1の抽選の結果を用いて後続する特定遊技の継続時間の長さを判定し、その長さを示唆する示唆演出を前記演出内容として決定することを特徴とする弾球遊技機。
  2. 前記表示制御手段として前記第1図柄を変動表示させる第1表示制御手段と、
    前記第2図柄を変動表示させる第2表示制御手段と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記第2表示制御手段により変動表示される第2図柄が所定の当たり図柄で停止されたときに入球容易な状態へ変化する可変入球口と、
    前記作動条件として、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技である第1の特別遊技を実行するための条件である第1作動条件を保持する第1作動条件保持手段と、
    前記第1表示制御手段により変動表示される前記第1図柄が所定の当たり図柄で停止されたときに前記第1作動条件が成立したと判定し、前記可変入球装置を入球可能な状態に変化させることにより前記第1の特別遊技を実行する第1特別遊技実行手段と、
    前記作動条件として、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技である第2の特別遊技を実行するための条件である第2作動条件を保持する第2作動条件保持手段と、
    前記可変入球口への入球により前記第2作動条件が成立したと判定し、前記可変入球装置を入球可能な状態に変化させることにより前記第2の特別遊技における第1段階を実行し、その第1段階において前記可変入球装置内の特定領域へ入球した場合に前記第2の特別遊技における第2段階への移行条件が成立したと判定し、前記可変入球装置を引き続き入球可能な状態へ変化させることにより前記第2の特別遊技における第2段階を実行する第2特別遊技実行手段と、
    をさらに備え、
    前記特定遊技制御手段は、前記第1の特別遊技または前記第2の特別遊技の終了を契機に、前記特定遊技として、前記第2の抽選が当たりであったときには前記可変入球口が入球容易な状態となる期間を通常状態と比較して相対的に長くする遊技を、前記第1図柄が前記所定回数変動するまでは継続することを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. 前記演出決定手段は、判定された特定遊技の継続時間の長さが所定の基準値より長いか否かにより、前記示唆演出の内容が異なるように前記演出内容を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の弾球遊技機。
  4. 前記演出決定手段は、前記保留制御手段に保留されている前記第1の抽選の結果が前記特定遊技中に変動表示されることを前提とした場合に想定される前記第1図柄の総変動時間を算出し、その総変動時間を前記特定遊技の継続時間として報知する演出を前記演出内容として決定することを特徴とする請求項1または2に記載の弾球遊技機。
  5. 前記パターン記憶手段は、前記通常状態において選択される複数の通常変動パターンと、前記特定遊技中に選択される複数の特定変動パターンを保持するとともに、前記特定変動パターンとして図柄変動時間が異なる複数の変動パターンを含み、
    前記演出決定手段は、前記通常状態においては前記複数の通常変動パターンのなかから前記第1の抽選の結果に対応する変動パターンを決定し、前記特定遊技中においては前記複数の特定変動パターンのなかから前記第1の抽選の結果に対応する変動パターンを決定する一方、前記特定遊技中であるか否かにかかわらず、前記保留制御手段に保留されている前記第1の抽選の結果が前記特定遊技中に変動表示されることを前提とした場合に想定される前記第1図柄の総変動時間を算出し、その総変動時間を前記特定遊技の継続時間として報知する演出を演出内容として決定することを特徴とする請求項4に記載の弾球遊技機。
  6. 前記演出決定手段は、前記特別遊技中に前記第1の抽選の結果の保留数が変化した場合には、その保留数の変化に応じてその特別遊技終了後の特定遊技において変動表示される前記第1図柄の総変動時間を算出し、前記特定遊技の継続時間として示唆する演出を前記演出内容として決定することを特徴とする請求項5に記載の弾球遊技機。
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