以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態における遠隔制御システムは、図9に示すように宅内に設置された複数の機器4,5をそれぞれ制御する複数(図示例では2台)のコントローラ子機2,3と、各コントローラ子機2,3との間で無線通信を行うコントローラ親機1と、ネットワーク(LAN<ローカル・エリア・ネットワーク>並びにインターネット)を通じてコントローラ親機1にアクセスし宅内の機器4,5の制御要求を与える通信端末8,9とで構成される。ここで、コントローラ親機1並びに宅内のモニタ画面付きの通信端末(例えば、パーソナルコンピュータやネットワーク通信機能を有したテレビ受像機など)8は、通信ケーブル(エンハンストカテゴリー5若しくはカテゴリー6のLANケーブル)Lsを介して構成管理サーバ6が具備する複数の通信ポート(図示せず)にそれぞれ個別に接続されている。この構成管理サーバ6は、宅内の機器4,5を制御するためのウェブページの入り口となるホームページHP(図10(a)参照)を作成して通信端末8,9に提供するウェブサーバ機能と、LAN内並びにLANとインターネットとの間でパケットを転送するネットワーク通信機能とを有するものである。なお、構成管理サーバ6は、インターネットに接続するための回線の種類(電話回線、CATV回線、光ファイバ回線など)に応じてADSLモデムやケーブルモデムあるいはONU(Optical Network Unit)などのインターネット接続装置7と通信ケーブルLsによって接続され、インターネット接続装置7が介在することで後述するセンタ装置Sとコントローラ親機1とがインターネットを介してデータ通信を行うことができる。但し、かかる構成管理サーバ6やインターネット接続装置7は従来周知の技術を用いて実現可能であるから、詳細な構成の図示並びに説明は省略する。
センタ装置Sは、インターネットを介して通信端末9により宅内の機器4,5の制御を行おうとする利用者が正規の利用者か否かを検証する機能、正規の利用者の通信端末9と構成管理サーバ6並びにコントローラ親機1とのデータ通信を仲介する機能を有し、例えば、インターネット接続機能を有する携帯電話機やノートパソコンなどの通信端末9からインターネットを介してセンタ装置Sにアクセスし、センタ装置Sを経由して宅内のコントローラ親機1に制御要求を与える(リクエストする)とともに当該制御要求に対する応答(レスポンス)を受け取ることができる。但し、このような機能を有するセンタ装置Sや通信端末9は従来周知であるから詳細についての図示並びに説明は省略する。
コントローラ親機1は、マイコンからなる親機制御部10と、通信ケーブルLsを介して構成管理サーバ6と接続されるLANインタフェース(I/F)部11と、電波を媒体とした無線通信を行う無線通信部12と、EEPROMのような書換可能な不揮発性半導体メモリからなるメモリ部13とを具備している。また、図示は省略しているが、商用電源から所望の直流電源を作成して各部に動作電源を供給するための電源回路も備えている。
LANインタフェース部11は、例えばIEEE 802.3uとして標準化されている100BASE−TXなどのファースト・イーサネット(登録商標)に準拠し、親機制御部10から受け取ったデータをイーサネット(登録商標)のパケットに変換して通信ケーブルLsを介して送信するとともに通信ケーブルLsを介して受信したイーサネット(登録商標)のパケットを元のデータに変換して親機制御部10に渡す機能を有している。また親機制御部10においては、メモリ部13に記憶しているプログラムを実行することで後述する種々の機能を実現している。また、無線通信部12は、電波法施行規則第6条に規定される「特定小電力無線局」に準拠して電波を媒体とする無線通信を行うものである。
一方のコントローラ子機3は、マイコンからなる子機制御部30と、コントローラ親機1の無線通信部12との間で無線通信を行う無線通信部31と、日本電機工業会(JEMA)の統一規格に適合した機器(エアコンや給湯器など)5と子器制御部30のインタフェースを行うHAインタフェース(I/F)部32と、EEPROMのような書換可能な不揮発性半導体メモリからなり機器5の動作状態などの制御情報などを記憶するメモリ部33とを具備している。また、図示は省略しているが、商用電源から所望の直流電源を作成して各部に動作電源を供給するための電源回路も備えている。
本発明に係る他方のコントローラ子機2は、マイコンからなる子機制御部20と、コントローラ親機1の無線通信部12との間で無線通信を行う無線通信部21と、制御対象の機器4に赤外線を媒体とする制御信号を送信するとともに機器4に付属する赤外線リモートコントローラ(図示せず)が送信する赤外線信号を受信する赤外線通信部22と、EEPROMのような書換可能な不揮発性半導体メモリからなり機器4に対応した制御コードなどを記憶するメモリ部23と、複数の操作部を有し操作部による操作入力を受け付けて子機制御部30に渡す第1の操作入力受付部24とを具備している。
このコントローラ子機2が制御対象とする機器4は、エアコンディショナ(空調機)やリモコン式の照明器具のように、その機器に付属している赤外線リモートコントローラから送信される制御信号(赤外線信号)で動作状態(運転/停止、点灯/消灯など)が制御可能な機器である。但し、制御信号の内容(制御コード)は機器4の製造者や種類によって異なっているので、それぞれの機器4に対応した制御コードが予めコントローラ子機2のメモリ部23に記憶されている。このように制御対象とする機器4に対応した制御コードをコントローラ子機2のメモリ部23に記憶しておけば、後述するようにコントローラ親機1からコントローラ子機2へ送信する制御信号に制御コードを含める必要がなく、制御コードを送信する場合と比較して制御信号が簡素化できるため、コントローラ親機1とコントローラ子機2との間で行う無線通信が低速であっても機器4の動作状態を即座に制御することができる。
ここで、各機器4毎の制御コードをメモリ部23に記憶する方法としては、使用される可能性のある機器に対応した多種類の制御コードをコントローラ子機2の製造段階でメモリ部23に記憶させておく方法(第1の方法)の他、コントローラ親機1のメモリ部13に予め(例えば、製造段階で)記憶させておいた多種類の制御コードのうちから実際に制御対象とする機器4に対応した制御コードをコントローラ子機2に転送してメモリ部23に記憶させる方法(第2の方法)、あるいは、センタ装置Sからネットワーク経由でコントローラ親機1にダウンロードした多種類の制御コードのうちから実際に制御対象とする機器4に対応した制御コードをコントローラ子機2に転送してメモリ部23に記憶させる方法(第3の方法)、若しくは、制御対象とする機器4に付属する赤外線リモートコントローラが送信する制御信号(赤外線信号)を赤外通信部22で受信し、受信した制御信号を子機制御部20で解析して制御コードを取得するとともに取得した制御コードをメモリ部23に記憶させる方法(第4の方法)がある。尚、第4の方法については、一般に赤外線リモートコントローラの学習機能として従来周知であるから詳細な説明は省略する。第3,第4の方法によれば、多種類の機器を制御対象に加えることができて使い勝手が向上するという利点がある。
コントローラ親機1の親機制御部10は、制御要求伝達機能と情報提供機能を有している。制御要求伝達機能は、メモリ部13に記憶している機器情報を参照して、制御要求の対象である機器4,5を制御するコントローラ子機2,3の識別情報(子機2,3に固有の番号<子機番号>など)を取得し、取得した子機番号を宛先アドレスに設定して、通信端末8,9からネットワーク経由で受け取った制御要求を無線通信部12に送信させる機能である。また情報提供機能は、メモリ部13に記憶されている機器情報並びに識別情報を開示するウェブページを作成してネットワーク経由で通信端末8,9に提供する機能(ウェブサーバ機能)である。例えば、図10(b)に示すように機器4,5が設置されている場所(リビング、寝室、子供部屋)でグループ化したウェブページWP1を作成し、各グループ(設置場所)のリンクをクリックすると当該グループ(例えば、リビング)に属する機器4,5の名称と動作状態を一括して表示するウェブページWP2(図10(c)参照)にリンクするように階層化したり、あるいは、図10(d)に示すように機器4,5の設置場所(1階と2階)でグループ化するとともに当該グループを一括して表示するウェブページWP3を作成してメモリ部13に記憶しており、通信端末8,9からの要求に応じてメモリ部13に記憶しているウェブページWPn(n=1,2,3)を適宜読み出してネットワーク経由で通信端末8,9に送信する。
次に、図11(a)を参照して通信端末8,9から宅内の機器4を制御する場合の動作を説明する。
まず、通信端末8(又は9)において、例えば、ウェブページWP2又はWP3に表示されている機器(コントローラ子機2の制御対象である機器4)の動作状態のリンクがクリックされると、宅内の通信端末8の場合は構成管理サーバ6のみを介して、宅外の通信端末9の場合はセンタ装置S、インターネット接続装置7、構成管理サーバ6を介して、それぞれコントローラ親機1に通信端末8(又は9)から制御要求が送信される(S1)。コントローラ親機1では、親機制御部10がメモリ部13に記憶されている機器4の機器情報並びに設定情報を参照し、当該制御要求の対象である機器4を制御するコントローラ子機2の子機番号を宛先アドレスとして、当該制御要求(機器4の動作状態を反転させる、あるいは機器の動作状態を規定の動作状態<例えば、点灯又は消灯>とする要求)をデータとする無線信号を無線通信部12から送信させる(S2)。そして、制御要求を受け取ったコントローラ子機2では、子機制御部20がメモリ部23に記憶している制御コードの中から当該制御要求に対応した制御コードを読み出し、赤外線通信部22より当該制御コードの制御信号(赤外線信号)を送信させる(S3)。制御信号を受信した機器4では、受信した制御信号(制御コード)に応じて動作状態が反転するか、あるいは規定の動作状態となる。ここで、赤外線通信はノイズの影響を受け易く、しかも、特に宅外の通信端末9を操作する使用者が機器4の動作状態を確認することは困難であるから、一の制御要求に対応した制御信号を複数回送信させることで機器4の動作状態を確実に制御することが望ましい。但し、制御信号が機器4の動作状態を反転させる制御内容である場合には、複数回送信することで機器4の動作状態が最終的に使用者の意図しない動作状態に切り換えられてしまう虞があるので、機器4の動作状態を規定の動作状態に変更する制御内容の制御信号についてのみ、複数回送信することが望ましい。尚、コントローラ親機1からコントローラ子機2へ送信する制御要求に制御コードを含めることも可能であるが、既に説明したように制御コードをコントローラ子機2のメモリ部23に記憶しておき、コントローラ親機1から送信する制御要求に制御コードを含めないようにすることで制御要求が簡素化できるため、コントローラ親機1とコントローラ子機2との間で行う無線通信が低速であっても機器4の動作状態を即座に制御することができる。
次に、図11(b)を参照して通信端末8,9から宅内の機器5を制御する場合の動作を説明する。
通信端末8(又は9)において、例えば、ウェブページWP2又はWP3に表示されている機器(コントローラ子機3の制御対象である機器5)の動作状態のリンクがクリックされると、宅内の通信端末8の場合は構成管理サーバ6のみを介して、宅外の通信端末9の場合はセンタ装置S、インターネット接続装置7、構成管理サーバ6を介して、それぞれコントローラ親機1に通信端末8(又は9)から制御要求が送信される(S1)。コントローラ親機1では、親機制御部10がメモリ部13に記憶されている機器5の機器情報並びに設定情報を参照し、当該制御要求の対象である機器5を制御するコントローラ子機3の子機番号を宛先アドレスとして、当該制御要求(機器5の動作状態を規定の動作状態<例えば、運転又は停止>とする要求)をデータとする無線信号を無線通信部12から送信させる(S2)。そして、制御要求を受け取ったコントローラ子機3では、機器5を制御するための制御指令をHAインタフェース部32に与え、HAインタフェース部32から信号線を介して当該機器5に制御信号が送信されて機器5の動作状態が変更される(S3)。動作状態が変更された機器5からは、変更後の動作状態が制御結果としてコントローラ子機3に返信される(S4)。そして、機器5からの制御結果を受け取ったコントローラ子機3からコントローラ親機1に当該制御結果が無線通信によって返送され(S5)、コントローラ親機1において、親機制御部10が、受け取った制御結果に基づいてウェブページWP2の当該機器5の動作状態を書き換えて要求元の通信端末8(又は9)に返信する(S6)。その結果、通信端末8(又は9)の画面に表示されるウェブページWP2によって機器5の動作状態が要求通りに変更されたことが確認できる。
ところで本実施形態のコントローラ子機2は、機器4を制御するための操作入力を受け付けて子機制御部20に渡す第2の操作入力受付部25を具備している。この第2の操作入力受付部25は、後述するように7個の押釦スイッチSW1〜SW7と、押釦スイッチSW1〜SW7の押釦を押操作するための操作部とを有している。このうち、3個の押釦スイッチSW1〜SW3は、制御信号を送信する機器4(例えば、エアコン又は2台の照明器具の何れか一つ)を選択するためのものであって、押釦スイッチSW1が押操作されると「エアコン」が制御信号の送信先(制御対象)の機器4として選択されたことになる。一方、残り4個の押釦スイッチSW4〜SW7は、それぞれ互いに異なる制御内容を選択するためのものである。例えば、機器4がエアコンであれば、押釦スイッチSW4は動作状態の反転(運転と停止の切り換え)に対応し、押釦スイッチSW5は運転モードの「冷房」への切り換えに対応し、押釦スイッチSW6は運転モードの「暖房」への切り換えに対応し、押釦スイッチSW7は規定の動作状態(停止)への変更に対応している。また、機器4が照明器具であれば、押釦スイッチSW4は動作状態の反転(点灯と消灯の切り換え)に対応し、押釦スイッチSW5は調光レベルの「全点灯」(調光レベル100%)への切り換えに対応し、押釦スイッチSW6は調光レベルを予め設定された調光レベルへの切り換えに対応し、押釦スイッチSW7は規定の動作状態(消灯)への変更に対応している。
ここで、照明器具のように動作状態(点灯/消灯)の判別が比較的に容易である機器4と、エアコンのように動作状態(運権/停止)の判別が比較的に困難である機器4とが存在しており、後者の機器4に対して動作状態を反転させる制御内容の制御信号を送信した場合、操作者(使用者)の意図と逆の動作状態に切り換わってしまう虞がある。一方、前者の機器4に対しては一つの押釦スイッチSW7で動作状態(点灯/消灯)を切換可能とすることで、押釦スイッチの数を増やさずに制御内容の種類を増やすことができる。そこで本実施形態においては、3個の押釦スイッチSW1〜SW3で選択される機器毎に、2個の押釦スイッチSW4,SW7の何れか一方のみを子機制御部20で有効と判断するように設定可能としている。例えば、機器4がエアコンである場合は押釦スイッチSW7のみを有効に設定し、機器4が照明器具である場合は押釦スイッチSW4のみを有効に設定し、その設定内容がコントローラ子機2のメモリ部23に記憶される。尚、この設定は押釦スイッチSW1〜SW7を用いて行うことも可能であるし、あるいは別途設けられる設定用のスイッチを用いて行うことも可能であるが、何れの方法であっても、従来周知の技術を利用して実現可能であるから詳細な説明は省略する。
而して、エアコンを停止する場合であれば、押釦スイッチSW1を押操作してエアコンを選択した後に押釦スイッチSW7を押操作すれば、第2の操作入力受付部25で受け付けられた押釦スイッチSW7の操作入力に応じて、子機制御部20がエアコンを停止する制御コードをメモリ部23から読み出し、読み出した制御コード(制御信号)を赤外線通信部22より送信させることでエアコンが停止する。すなわち、本実施形態では子機制御部20が手動制御手段に相当する。
次に、図1〜図8を参照して本発明の要旨であるコントローラ子機2の構造について詳細に説明する。
コントローラ子機2は、箱形のボディ100と、ボディ100の前面の下部にスライド移動自在に取り付けられるカバー120とを具備している。ボディ100は、前面が開口した矩形箱形の合成樹成形品からなる後ボディ101と、背面が開口した矩形箱形の合成樹脂成形品からなり、後ボディ101の開口を塞ぐ形で後ボディ101の前面に被着される前ボディ102とで構成されている。
後ボディ101の内部には、子機制御部20,無線通信部21,赤外線通信部22,メモリ部23,第1の操作入力受付部24,第2の操作入力受付部25を構成する回路部品が実装されたプリント配線板130が収納される(図2参照)。
プリント配線板130の前面下部には、第1の操作入力受付部24の操作部たるスライドスイッチS1、ロータリスイッチS2、ディップスイッチS3、2個の押釦スイッチS4,S5が実装されている。スライドスイッチS1は、上述したように制御対象とする機器4に付属する赤外線リモートコントローラが送信する制御信号(赤外線信号)を赤外通信部22で受信し、受信した制御信号を子機制御部20で解析して制御コードを取得するとともに取得した制御コードをメモリ部23に記憶させる機能(学習機能)の有効/無効を切り換えるためのスイッチである。ロータリスイッチS2とディップスイッチS3は、子機番号を設定するためのものであり、またディップスイッチS3については無線通信部21で使用する周波数チャネルの設定にも用いられる。押釦スイッチS4はコントローラ親機1に対してテスト用の無線信号を送信するためのものであって、押釦スイッチS5が押操作されて第1の操作入力受付部24で操作入力が受け付けられると、子機制御部20が無線通信部21よりコントローラ親機1宛の無線信号を送信させてコントローラ親機1から受信確認の応答(ACK)が返信されてくるか否かを確認するのである。押釦スイッチS5は子機制御部20に対してソフトウェアリセットを行わせるためのスイッチであり、押釦スイッチS5が押操作されて第1の操作入力受付部24で操作入力が受け付けられると、子機制御部20がソフトウェアリセットを実行するのである。尚、本実施形態では子機制御部20が設定手段を兼ねており、ロータリスイッチS2とディップスイッチS3が操作されることで第1の操作入力受付部24が受け付けた操作入力に対応した子機番号をメモリ部23に記憶させている。
またプリント配線板130の前面上部には、赤外線通信部22を構成する複数(図示例では6個)の赤外線通信用の発光ダイオード22a、並びに学習機能が有効に設定されているときに機器4に付属する赤外線リモートコントローラから送信される赤外線信号を受信するためのホトダイオード22bが実装されている(図2及び図3(a)参照)。さらにプリント配線板130の前面上部には、無線通信部21が無線信号を送受信するためのアンテナ部140が実装されている。アンテナ部140は、プリント配線板130を介して後ボディ101にねじ止めされる平板状の固定部141と、底面が固定部141の端面と結合した円筒形状の軸部142と、軸部142の先端部分に回動自在に連結された支持部143と、支持部143に支持されたロッドアンテナ144とで構成されており、ボディ100の側面に開口した孔を通して軸部142の一部と固定部141がボディ100内に収納されている。またプリント配線板130前面の前方から見て右側の端部には、ACアダプタ(図示せず)の電源コード(電源線)200が接続される電源端子部(電源コネクタ)26が実装されている。
ここで、第2の操作入力受付部25が有する7個の押釦スイッチSW1〜SW7のうち、3個の押釦スイッチSW1〜SW3は左右方向、残り4個の押釦スイッチS4〜S7は上下方向にそれぞれ一列に並べるようにしてプリント配線板130の前面に実装され、さらに各押釦スイッチSW1〜SW7の近傍にはそれぞれ発光素子(発光ダイオード)28が実装されている(図2参照)。
前ボディ102の上部には、赤外線に対して透過性を有する合成樹脂材料で形成された赤外線カバー103が取着されており、赤外線通信用の発光ダイオード22a並びにホトダイオード22bが赤外線カバー103によって覆われることになる。また、前ボディ102の前面下部には後方に一段下がった段部107が設けられている(図2参照)。段部107には、スライドスイッチS1の操作摘みが挿通される矩形の挿通孔107aと、ロータリスイッチS2の操作摘みが挿通される略円形の挿通孔107bと、ディップスイッチS3の操作面(前面)を露出させる矩形の露出窓107cとが貫設されるとともに、押釦スイッチS4,S5の押釦を押操作するための2つの操作ハンドル108が設けられている(図1参照)。これら2つの操作ハンドル108は、長手方向の一端部(基端部)が段部107に連結されるとともに長手方向の他端部(先端部)が前後方向において各押釦スイッチS4,S5の押釦と対向する形状に形成されており、段部107に連結されている基端部を支点として前後方向に撓み自在となっている。したがって、先端部が指で押されると操作ハンドル108が後方へ撓むことで押釦スイッチS4,S5の押釦が操作ハンドル108の先端部で押操作されることになる。また段部107には、プリント配線板130に実装されている表示用の発光ダイオードLED1〜LED3に対向する位置に各々透孔104が設けられており、発光ダイオードLED1〜LED3の発する光が各透孔104を通して前方へ照射される。尚、段部107の前面には、弾性を有するシート状の部材から成り、スイッチS1〜S5の機能や発光ダイオードLED1〜LED3の表示内容等を表す文字や記号等が前面に記された保護シート109が貼着されている。
後ボディ101の四隅近傍にそれぞれねじ挿通孔101aが貫設されており、後ボディ101の前面に前ボディ102を被着した後、各ねじ挿通孔101aに挿通された組立ねじ110を前ボディ102に設けられているねじ孔102a(図5(a)参照)に螺合することで後ボディ101と前ボディ102を結合してボディ100を組み立てることができる。
ボディ100は、取付金具160によって壁に取り付けられる。取付金具160は、短冊形の主片161と、主片161の長手方向両端より前方へ立ち上がる側片162,162と、側片162の先端より外側へ延びる係合片163,163とが金属製の板材を打ち抜き及び曲げ加工することで一体に形成されてなり、主片161には壁材に固定するためのねじが挿通される一対のねじ挿通孔161a,161bが貫設されている。後ボディ101の背面中央には、取付金具160が上下方向において移動自在に収納される凹所115が設けられている。凹所115の左右方向の寸法は取付金具160の係合片163を含めた長手方向の寸法よりも大きく、凹所115の上下方向の寸法は取付金具160の短手方向の寸法の略2倍となっている。さらに、凹所115の上側半分においては、左右両端より内側に突出する係合突部116,116が突設されており、係合突部116,116の先端部分の距離が取付金具160の主片161の長手寸法よりも大きく且つ係合片163を含めた長手方向の寸法よりも小さく設定されている。
而して、ねじ挿通孔161a,161bに挿通したねじで取付金具160を壁材に固定した後、ボディ100を前方から被せるようにして取付金具160を凹所115の下側に挿入し、さらにボディ100を下方へ移動すれば、取付金具160が凹所115内を相対的に上向きに移動して一対の係合片163,163が係合突部116,116と前後方向において係合し、ボディ100が取付金具160に取り付けられる(図3(b)参照)。尚、ボディ100を上方へ移動すれば係合片163,163と係合突部116,116の係合が外れるから、ボディ100を取付金具160から取り外すことができる。
カバー120は、背面及び上面が開口した矩形箱形の合成樹脂成形品からなり、図6に示すように長手方向(左右方向)に対向する側壁121,121には各々短手方向(上下方向)に沿ったスライド溝121aが形成されている。また、前ボディ102の段部107における左右両端部には、カバー120のスライド溝121aとスライド嵌合する嵌合突条部117,117が外向きに突設されている。従って、嵌合突条部117,117をスライド溝121a,121aに嵌合することにより、図3(a)に示すように前ボディ102の段部107を完全に覆う位置(以下、「閉位置」と呼ぶ。)と、図1に示すように段部107を露出させる位置(以下、「開位置」と呼ぶ。)との間で前ボディ102に対してカバー120を上下方向にスライド移動自在に保持させることができる。ここで、図2に示すように段部107における前面下端部の左右両端には前方へ突出する突部107d,107dが設けられており、カバー120の側壁121,121上端より内向きに突設されている突部122,122と干渉することでカバー120が前ボディ102から脱落しないようになっている(図6参照)。
また、カバー120の上端部中央には略L字形のロック片123が一体に形成されており、ロック片123の先端より前方(図6における上方)へ突設されたロック爪123aが、段部107の上側壁面に貫設されているロック孔107eに挿入され、ロック孔107eの前側周縁に設けられている被係合部107fにロック爪123aが係合することでカバー120を閉位置でロックすることができる(図7参照)。一方、カバー120に下向きの力を加えれば、ロック片123が撓んで被係合部107fとロック爪123aとの係合が外れるから、カバー120を閉位置から開位置へスライド移動させることができる。ここで、カバー120の発光ダイオードLED1〜LED3と対向する位置にはそれぞれ筒状の遮光部124が後方へ突設されており、透孔104を通過した発光ダイオードLED1〜LED3の光が筒状の遮光部124を通してカバー120の前方へ放射されるようになっている。尚、これらの発光ダイオードLED1〜LED3は、子機制御部30によって駆動され、学習機能の有効/無効、電波の受信状態、電源の入/切を表示するものである。
而して、本実施形態のコントロール子機2では、ボディ100前面の一部(段部107)を覆い隠す閉位置と段部107を露出する開位置との間で移動自在にボディ100に取り付けられるカバー120を具備し、第1の操作入力受付部24の操作部(スイッチS1〜S5)がボディ100前面の段部107に露出して配置されているので、カバー120に覆われていることで第1の操作入力受付部24の操作部が不用意に操作されることを防止することができるとともに、カバー120を閉位置から開位置に移動させれば、ボディ100前面の段部107に露出する操作部を容易に操作することができる。
ところで、図5及び図7に示すように前ボディ102の内部にはスイッチ操作ブロック170が収納されている。スイッチ操作ブロック170は、矩形板状のベース171と、7個の押釦スイッチSW1〜SW7の押釦をそれぞれ押操作するための7つの操作ハンドル部172とがアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料で一体に形成された成形品からなる。
操作ハンドル部172は、略U字形の溝172aによってベース171から分離された短冊形の撓み片172bと、撓み片172bの前面より前方へ突出した有底円筒形状の操作部172cと、撓み片172bの背面より後方へ突出した円柱形状の導光部172dと、同じく撓み片172bの背面より後方へ突出した断面形状略T字形の押動部172eとが一体に形成されてなる。またベース171の左右方向両端部には、前面から背面に向かって外側に傾斜する傾斜面を有したガイド部173がそれぞれ一対ずつ設けられている。一方、前ボディ102の左右の側壁には前面に向かって内向きに傾斜する略三角柱形状の固定爪102bが左右に各一対ずつ突設されている。また、前ボディ102には操作ハンドル部172の操作部172cがそれぞれ後方より前方に向かって挿通される略円形の窓孔102cが貫設されるとともに、前ボディ102の背面における各窓孔102cの近傍には平面視略U字形の遮光壁102dが後方へ突設されている。
而して、前ボディ102内にスイッチ操作ブロック170を挿入すると、固定爪102bがガイド部173にガイドされて前ボディ102の側壁が外側に撓み、やがてガイド部173を乗り越えた固定爪102bがベース171の端部に係合することで前ボディ102に対してベース171が固定される(図4及び図5(a)参照)。このとき、各操作ハンドル部172の操作部172cが前ボディ102の窓孔102cに挿通されるとともに、前ボディ102の背面に突設されている遮光壁102dが各々操作ハンドル部172の溝172aに挿通される(図7参照)。そして、撓み片172bがベース171と連結されている端部を支点として前後方向に撓み自在となっており、窓孔102cから突出する操作部172cが押されて撓み片172bが後方へ撓むと、押動部172eがプリント配線板130の前面に実装されている押釦スイッチSW1〜SW7の押釦を押動させることができる。一方、導光部172dは、図7に示すようにプリント配線板130前面における各押釦スイッチSW1〜SW7の近傍に実装されている発光素子28と一対一に対向しており、発光素子28の発する光が導光部172dの後面開口より入射して導光部172d内を前方へ伝搬し、撓み片172bを挟んで導光部172dと連結されている操作部172cの端面(前面)より前方へ照射される。
このように本実施形態では、第2の操作入力受付部25を構成する操作部172cと表示用の発光素子28が発する光を導光する導光部172dとが一体に形成された複数(7個)の操作ハンドル部172がスイッチ操作ブロック170として一部品で構成されているので、それぞれが別部品で構成される場合と比較して部品点数の削減によるコストダウン並びに組立性の向上が図れるという利点がある。
ところで、図3(b)並びに図8に示すように、後ボディ101背面の上部並びに下部には、背面側及び上面側若しくは下面側に開口する平面視略U字形の挿入溝101b,101bが設けられている。これらの挿入溝101bは、図8に示すように電源端子部37に接続された電源線(ACアダプタの電源コード)200が挿入される。また、挿入溝101bの両側端部近傍には挿入された電源線200に係合して抜け止めする一対の突起101c,101cが後ボディ101と一体に形成されている。従って、電源線200を後方から挿入溝101bに挿入すれば、突起101c,101cを乗り越えて挿入溝101b内に挿入された電源線200に突起101c,101cが係合して抜け止めされるので、挿入溝101bと突起101c,101cとで電源線200の張力止めを行うことができる。しかも、挿入溝101bと突起101c,101cは後ボディ101と一体に形成されるものであるから、別部品で張力止めを行う場合と比較して部品点数の削減によるコストダウンと組立性の向上が図れるという利点がある。