JP2009259644A - 有機elデバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁膜と分離隔壁との接着力の低下、およびそれらの界面に発生する応力による故障などの問題点がないパッシブマトリクス駆動型有機ELデバイスおよびその製造方法の提供。
【解決手段】支持体と;第1の方向に延びる複数のストライプ状部分電極からなる第1電極と;第1および第2の方向に延びる複数のストライプ状部分からなる格子形状を有し、Siを含む無機材料で形成される第1絶縁分離壁と;少なくとも第1絶縁分離壁の第2ストライプ状部分の上に形成され、5〜40nmの膜厚を有するSiの薄膜からなる中間層と;第2の方向に延びる複数のストライプ状部分からなり、有機材料で形成される第2絶縁分離壁と;有機EL層と;第2の方向に延びる複数のストライプ状部分電極からなる第2電極を含み、第2の方向は第1の方向と交差する方向であることを特徴とする有機ELデバイス。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機ELデバイスおよびその製造方法に関する。特に、本発明は、パッシブマトリクス駆動型有機ELデバイスおよびその製造方法に関する。
パッシブマトリクス駆動型有機ELデバイスにおいて電極パターニングを行う場合、一般的には、最初に、支持体上に第1の方向に延びる複数のストライプ状部分電極からなる第1電極を形成する。第1電極の形成は、支持体全面にわたる第1電極用材料の膜を堆積させ、その後にフォトリソグラフ法などを用いてパターニングを行うことによって実施することができる。その後に第1電極間隙に位置する複数のストライプ状部分と、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分からなる絶縁膜を形成する。ここで、第2の方向は第1の方向と交差する方向、好ましくは第1の方向と直交する方向である。絶縁膜は、第1電極の複数のストライプ状部分電極間の短絡を防止するために有用な層である。続いて、絶縁膜の第2の方向に延びるストライプ状部分の上に、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分からなる分離隔壁を形成する。分離隔壁は、逆テーパ形状など底部の幅より頂部の幅が大きい断面形状を有する。分離隔壁を形成した後に有機EL層および第2電極を形成し、分離隔壁によって第2電極を第2の方向に延びる複数のストライプ状部分電極に分割することによって、パッシブマトリクス駆動型有機ELデバイスが得られる(たとえば、特許文献1参照)。
特許第3707290号公報
ここで絶縁膜に有機材料を用いた場合、第1電極上に有機物残渣が残留し、第1電極/有機EL層間の導通不良部位が形成されるおそれがある。加えて、絶縁膜または第1電極上の有機物残渣からのアウトガスによる有機EL層材料が劣化するおそれがある。その結果、有機ELデバイスの寿命が低下することが懸念される。
また、分離隔壁は10μm程度の膜厚が必要であり、製造上の観点から有機材料を用いて分離隔壁を形成することが望ましい。しかしながら、絶縁膜に無機材料を用いた場合、無機材料の絶縁膜と有機材料の分離隔壁との界面での接着力が弱くなり、以降の製造プロセスにおいて絶縁膜と分離隔壁との界面での剥離が発生するおそれがある。この剥離現象は、パターンの微細化に伴う絶縁膜および分離隔壁の線幅減少によって助長される。
さらに、製造プロセス終了後、すなわち製品完成後においても、支持体が可撓性の場合、支持体の変形などにより、絶縁膜と分離隔壁との界面に応力が発生して、接着が維持できなくなり、有機ELデバイス内部での破断・剥離が発生するおそれがある。
したがって、本発明の課題は、上記の問題点の発生することのないパッシブマトリクス駆動型有機ELデバイスおよびその製造方法を提供することである。
本発明の有機ELデバイスは、支持体と;支持体上に形成され第1の方向に延びる複数のストライプ状部分電極からなる第1電極と;第1電極のストライプ状部分電極の間隙に位置し、第1の方向に延びる複数の第1ストライプ状部分と、第2の方向に延びる第2ストライプ状部分とからなる格子形状を有し、Siを含む無機材料で形成される第1絶縁分離壁と;少なくとも第1絶縁分離壁の第2ストライプ状部分の上に形成され、5〜40nmの膜厚を有するSiの薄膜からなる中間層と;中間層の上に形成され、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分からなり、有機材料で形成される第2絶縁分離壁と;第1電極上に形成される有機EL層と;有機EL層上に形成され、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分電極からなる第2電極とを含み、第2の方向は第1の方向と交差する方向であることを特徴とする。ここで、前記中間層は、前記第1絶縁分離壁の上面全体に形成されていてもよい。また、前記中間層は、5mΩ・cm以上の抵抗率を有することが望ましい。さらに、前記支持体は、1種または複数種の色変換フィルタ層を含んでもよい。
本発明の有機ELデバイスの製造方法は、(1)支持体上に、第1の方向に延びる複数のストライプ状部分電極からなる第1電極を形成する工程と;(2)Siを含む無機材料を用いて、第1電極のストライプ状部分電極の間隙に位置し、第1の方向に延びる複数の第1ストライプ状部分と、第2の方向に延びる第2ストライプ状部分とからなる格子形状を有する第1絶縁分離壁を形成する工程と;(3)Siを用いて、第1絶縁分離壁の少なくとも第2ストライプ状部分の上に5〜40nmの膜厚を有する中間層を形成する工程と;(4)有機材料を用いて、中間層の上に、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分からなる第2絶縁分離壁を形成する工程と;(5)第1電極上に有機EL層を形成する工程と;(6)有機EL層上に、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分電極からなる第2電極を形成する工程とを含み、第2の方向は第1の方向と交差する方向であることを特徴とする。
あるいはまた、本発明の有機ELデバイスの製造方法は、(1)支持体上に、第1の方向に延びる複数のストライプ状部分電極からなる第1電極を形成する工程と;(2A)Siを含む無機材料の膜を堆積させる工程と;(2B)5〜40nmの膜厚を有するSi膜を堆積させる工程と;(2C)前記無機材料の膜およびSi膜を同時にパターニングして第1絶縁分離壁および中間層を形成する工程であって、第1絶縁分離壁は第1電極のストライプ状部分電極の間隙に位置し、第1の方向に延びる複数の第1ストライプ状部分と、第2の方向に延びる第2ストライプ状部分とからなる格子形状を有する前記無機材料の膜から構成され、および、中間層は、少なくとも第1絶縁分離壁の第2ストライプ状部分の上に位置する前記Si膜から構成される工程と;(4)有機材料を用いて、中間層の上に、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分からなる第2絶縁分離壁を形成する工程と;(5)第1電極上に有機EL層を形成する工程と;(6)有機EL層上に、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分電極からなる第2電極を形成する工程とを含み、第2の方向は第1の方向と交差する方向であることを特徴とする。ここで、工程(2C)をドライエッチング法によって実施してもよい。
以上のような構成をとり、第1絶縁分離壁と第2絶縁分離壁との間に中間層を形成することによって、第1絶縁分離壁/中間層/第2絶縁分離壁の構造の密着力を高めて、以降の製造プロセスおよび完成後の応力に耐えることができる有機ELデバイスを提供することが可能となる。また、中間層の膜厚を小さくすることによって、第1絶縁分離壁と中間層とを同時にパターニングすることが可能となり、製造工程を短縮することが可能となる。
図1に本発明の有機ELデバイスの第1の例を示す。図1(a)は有機ELデバイスの上面図であり、図1(b)は切断腺Ib−Ibに沿った画素部領域の横方向断面図であり、図1(c)は切断腺Ic−Icに沿った画素間領域の縦方向断面図であり、図1(d)は切断腺Id−Idに沿った画素部領域の縦方向断面図である。図1の有機ELデバイスにおいては、支持体10の上に、第1電極20、第1絶縁分離壁31、中間層32、第2絶縁分離壁33、有機EL層40および第2電極50が積層されており、中間層32が第1絶縁分離壁31の上面全体に形成されている。図2に本発明の有機ELデバイスの第1の例を示す。図2(a)は有機ELデバイスの上面図であり、図2(b)は切断腺IIb−IIbに沿った画素部領域の横方向断面図であり、図2(c)は切断腺IIc−IIcに沿った画素間領域の縦方向断面図であり、図2(d)は切断腺IId−IIdに沿った画素部領域の縦方向断面図である。図2の有機ELデバイスは、中間層32が第1絶縁分離壁31の上面の一部のみに形成されている点で、図1の有機ELデバイスと相違する。なお、図1および図2においては、簡潔性のために第2絶縁分離壁33の上面に形成される有機EL層材料および第2電極材料の層を省略した。
本発明における支持体10は、透明基板であってもよい。あるいはまた、支持体10は、透明基板上に、任意選択的にブラックマトリクス、色変換フィルタ層、平坦化層および/またはパッシベーション層を積層した積層体であってもよい。
透明基板は、光透過性に富み、かつ後述する有機ELデバイスの各構成層の形成に用いられる条件(溶媒、温度等)に耐える材料を用いて形成される。さらに寸法安定性に優れた材料を用いることが好ましい。透明基板の材料の例は、ガラス、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂およびポリイミド樹脂を含む。透明基板は、前述の樹脂から形成される可撓性フィルムであってもよい。
任意選択的に設けてもよいブラックマトリクス20は、可視光を遮断して、コントラストを向上させるための層である。ブラックマトリクス20は、市販のフラットパネルディスプレイ用の材料を用いて形成することができる。ブラックマトリクスの20の膜厚は、前述の機能を満たす限りにおいて、任意に設定することができる。
任意選択的に設けてもよい色変換フィルタ層は、有機ELデバイスによる多色表示を可能にするための層である。本発明における「色変換フィルタ層」は、カラーフィルタ層、色変換層、およびカラーフィルタ層と色変換層との積層体の総称である。フルカラー表示が可能な有機ELデバイスを形成するためには、赤色(R)、緑色(G)および青色(B)の色変換フィルタ層が設けられる。色変換フィルタ層は、スピンコート法、ロールコート法、ディップコート法などの塗布法を用いて材料を塗布し、フォトリソグラフ法などを用いてパターニングを実施することによって形成することができる。あるいはまた、スクリーン印刷などの印刷法を用いてパターン状の色変換フィルタ層を形成してもよい。
カラーフィルタ層は、可視光の特定波長域を透過させ、透過光を所望の色相とし、および透過光の色純度を向上させるための層である。カラーフィルタ層30は、フラットパネルディスプレイ用の市販の材料を用いて形成することができる。近年では、フォトレジスト中に顔料を分散させた、顔料分散型材料がよく用いられている。前述の3種の色変換フィルタ層を設ける場合、400nm〜550nmの波長域の光を透過する青色カラーフィルタ層、500nm〜600nmの波長域の光を透過する緑色カラーフィルタ層、および600nm以上の波長域の光を透過する赤色カラーフィルタ層を用いることができる。
色変換層は、後述する有機EL層40から発せられる近紫外域ないし可視領域の光、特に青色〜青緑色の光を吸収して、異なる波長の光を放射する層である。色変換層は、少なくとも1種の色変換色素と、マトリクス樹脂とを含む。
本発明において用いることができる色変換色素は、Alq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体)などのアルミキレート系色素;3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、クマリン135などのクマリン系色素;ソルベントイエロー43、ソルベントイエロー44のようなナフタルイミド系色素のような、低分子系有機蛍光色素を含む。あるいはまた、ポリフェニレン、ポリアリーレンおよびポリフルオレンに代表される高分子蛍光材料を、色変換色素として用いてもよい。必要に応じて、2種以上の色素混合物を色変換色素として用いることもできる。色素混合物は、前述の色素同士の混合物であってもよい。あるいはまた、前述の色素と、下記の色素との混合物であってもよい。
(1) ジエチルキナクリドン(DEQ)などのキナクリドン誘導体;
(2) 4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM−1)、DCM−2、およびDCJTBなどのシアニン色素;
(3) 4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラフェニル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン;
(4) ルモゲンFレッド;
(5) ナイルレッド;
(6) ローダミンB、ローダミン6Gなどのキサンテン系色素;および
(7) ピリジン1などのピリジン系色素
マトリクス樹脂は、光硬化性樹脂または光熱併用硬化性樹脂の硬化物、熱硬化性樹脂の硬化物、または熱可塑性樹脂を含む。用いることができる光硬化性樹脂または光熱併用硬化性樹脂は、(1)アクロイル基やメタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと、光または熱重合開始剤とからなる組成物、(2)ボリビニル桂皮酸エステルと増感剤とからなる組成物、(3)鎖状または環状オレフィンとビスアジドとからなる組成物、および(4)エポキシ基を有するモノマーと酸発生剤とからなる組成物などを含む。用いることができる熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、イミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂などを含む。用いることができる熱可塑性樹脂は、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルホン、ポリビニルブチラール、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ノルボルネン系樹脂、メタクリル樹脂、イソブチレン無水マレイン酸共重合樹脂、環状オレフィン系樹脂などを含む。あるいはまた、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート等と3官能性、あるいは4官能性のアルコキシシランを含むポリマーハイブリッドなどをマトリクス樹脂として用いてもよい。
任意選択的に設けてもよい平坦化層は、ブラックマトリクスおよび/または色変換フィルタ層により形成される段差を補償して、平坦な上面を与えるための層である。また、有機EL層40からの発光を平坦化層を通して外部に取り出す場合には、平坦化層は、発光波長領域において優れた透明性(300〜800nmの範囲において50%以上の透過率)を有することが望ましい。また、平坦化層は、電気絶縁性、ならびに、水分、酸素および低分子成分に対するバリア性を有することが望ましい。平坦化層は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂または光熱併用硬化性樹脂を用いて形成することができる。用いることができる熱可塑性樹脂は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルサルホン、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリフェニレンエーテル、ノルボルネン系樹脂、イソブチレン無水マレイン酸共重合樹脂、および環状オレフィン系樹脂を含む。用いることができる熱硬化性樹脂は、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、およびベンゾグアナミン樹脂を含む。用いることができる光硬化性樹脂または光熱併用硬化性樹脂は、(1)アクロイル基やメタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと、光または熱重合開始剤とからなる組成物、(2)ボリビニル桂皮酸エステルと増感剤とからなる組成物、(3)鎖状または環状オレフィンとビスアジドとからなる組成物、および(4)エポキシ基を有するモノマーと酸発生剤とからなる組成物などを含む。を含む。平坦化層は、スピンコート法、ロールコート法、ディップコート法などの塗布法を用いて前述の材料を塗布することによって形成することができる。なお、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を用いて平坦化層を形成する場合、塗布の後にそれら樹脂の硬化を行うことが望ましい。
任意選択的に設けてもよいパッシベーション層は、カラーフィルタ層、色変換層および/または平坦化層から放出されるアウトガスおよび水分から有機EL層40を保護するために有用である。パッシベーション層は、アウトガスおよび水分に対するバリア性を有する材料を用いて形成される。また、有機EL層40からの発光を効率よく透過させるため、パッシベーション層は、有機EL層40の発光波長領域において透明であること(たとえば、300〜800nmの範囲で透過率50%以上)であることが望ましい。パッシベーション層を形成するのに好適な材料は、SiNxまたはAlNxのような無機窒化物、あるいはSiOxyのような無機酸化窒化物を含む。パッシベーション層は、その下に形成される平坦化層などを覆うように形成され、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.2〜3μmの膜厚を有する。パッシベーション層は、前述の材料の単一の層であってもよく、複数の層の積層体であってもよい。パッシベーション層の形成は、スパッタ法、CVD法などを用いて実施することができる。
次に、支持体10の上に第1電極20を形成する。第1電極20は、第1の方向(図1においては縦方向)に延びる複数のストライプ形状の部分電極で構成される。第1電極20は、透明電極であっても反射電極であってもよい。また、第1電極20は陽極または陰極のいずれであってもよい。支持体10が色変換フィルタ層を含む場合、第1電極20は透明電極である。
透明電極は、ITO(インジウム−スズ酸化物)、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)、IWO(インジウム−タングステン酸化物)、AZO(Alドープ亜鉛酸化物)などの透明導電性酸化物(TCO:transparent conductive oxide)、あるいはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)などの高導電性高分子材料を用いて形成することができる。一方、反射電極は、高反射率の金属、アモルファス合金または微結晶性合金を用いて形成することができる。用いることができる高反射率の金属は、Al、Ag、Ta、Zn、Mo、W、Ni、Crなどを含む。用いることができる高反射率のアモルファス合金は、NiP、NiB、CrP、CrBなどを含む。用いることができる高反射率の微結晶性合金は、NiAl、Ag合金などを含む。あるいはまた、反射電極は、前述の高反射性材料とTCO材料の積層体であってもよい。
TCO材料、高反射率の金属、アモルファス合金、または微結晶性合金を用いて第1電極20を形成する場合、蒸着、スパッタなどの当該技術において知られている任意の方法を用いて支持体10の全面に前述の材料の薄膜を形成し、フォトリソグラフ法などを用いてパターニングすることによって、第1電極20を形成することができる。あるいはまた、所定の形状を与える開口部を有するマスクを用いて、前述の材料をパターン状に堆積させて、第1電極20を形成してもよい。一方、高導電性高分子材料を用いて第1電極20を形成する場合には、スピンコートのような塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷のような印刷法などの当該技術で知られている任意の方法を用いることができる。
次に、第1絶縁分離壁31を形成する。第1絶縁分離壁31は、(a)第1電極20を構成する複数のストライプ状部分電極の間隙に位置し、第1の方向に延びる複数の第1ストライプ状部分と、(b)第2の方向に延びる複数の第2ストライプ状部分とからなる格子状の形状を有する。ここで、第2の方向は、第1の方向と交差する方向であり、好ましくは第1の方向と直交する方向である。第1ストライプ状部分(a)は、第1電極20を構成する複数のストライプ状部分電極間の短絡を紡糸するための部分であり、第2ストライプ状部分(b)は、第2電極を複数の部分電極に分離するための第2絶縁分離壁33の下地となる部分である。第1絶縁分離壁31は、SiOx、SiNxまたはSiNxyなどのSiを含む無機材料を用いて形成することができる。
次いで、第1絶縁分離壁31の少なくとも第2ストライプ状部分(b)の上に、中間層32を形成する。中間層32は、無機材料で形成される第1絶縁分離壁31と、有機材料で形成される第2絶縁分離壁33との密着性を改善するための層である。中間層32は、図1(a)〜(d)に示すように第1絶縁分離壁31の第1ストライプ状部分(a)および第2ストライプ状部分(b)の両方の上に形成されてもよい。あるいはまた、図2(a)〜(d)に示すように、第1絶縁分離壁31の第2ストライプ状部分(b)のみの上に形成されてもよい。
中間層32は、有機EL層40の複数のストライプ状部分間の短絡、および第2電極50の複数のストライプ状部分電極間の短絡を防止するため、5mΩ・cm以上の抵抗率を有することが望ましい。中間層32を形成するのに好適な材料は、Siを含む。中間層32は、5〜20nm、好ましくは5〜20nmの膜厚を有することが望ましい。
第1絶縁分離壁31および中間層32の形成は、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法などの当該技術において知られている任意の手法による第1絶縁分離壁材料膜の積層、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法などの当該技術において知られている任意の手法による中間層材料膜の積層、および中間層材料膜および第1絶縁分離壁材料膜の同時パターニングによって実施してもよい。この方法は、図1(a)〜(d)に示すように第1絶縁分離壁31の上面全体に中間層32を形成する場合に特に有利である。中間層材料膜および第1絶縁分離壁材料膜の同時パターニングは、たとえばフッ素含有ガスを用いるプラズマエッチングなどのドライエッチング法によって実施することができる。
一方、図2(a)〜(d)に示すように、第1絶縁分離壁31の第2ストライプ状部分(b)の上のみに中間層32を形成する場合には、第1絶縁分離壁31および中間層32のそれぞれについて、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法などの当該技術において知られている任意の手法による積層、およびパターニングを別個に実施することが好ましい。第1絶縁分離壁31および中間層32のそれぞれのパターニングには、ドライエッチング法またはウェットエッチング法のいずれを用いてもよい。あるいはまた、所定の形状を与える開口部を有するマスクを用いるパターン状堆積法によって、第1絶縁分離壁31および中間層32のそれぞれを形成してもよい。
次に、中間層32の上面に第2絶縁分離壁33を形成する。第2絶縁分離壁33は、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分からなる。図1(a)〜(d)に示す第1絶縁分離壁31の上面全体に中間層が形成される場合、図1(c)に示す第1絶縁分離壁31の第1ストライプ状部分(a)の上には、第2ストライプ状部分(b)との交差部分を除いて第2絶縁分離壁33は形成されない。一方、図1(d)に示す第1絶縁分離壁31の第2ストライプ状部分(b)において、中間層32の上に第2絶縁分離壁33が形成される。図2(a)〜(d)に示すように、第1絶縁分離壁31の第2ストライプ状部分(b)のみの上に中間層が形成される場合、図2(d)に示す第1絶縁分離壁31の第2ストライプ状部分(b)において、中間層32の上に第2絶縁分離壁33が形成される。
第2絶縁分離壁33は、有機EL層40および第2電極50を第2の方向に延びる複数のストライプ状部分に分離するため、下面(底面)幅よりも上面(頂面)幅の大きい断面、好ましくは逆テーパ形状の断面を有する。第2絶縁分離壁33は、アクリレート樹脂、ポリイミド樹脂またはノボラック樹脂などの感光性樹脂の膜を塗布し、その感光性樹脂膜をパターン状に露光して硬化させることによって形成することができる。
次いで、有機EL層40を形成する。有機EL層40は、第2絶縁分離壁33によって、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分に分離して形成される。本発明における有機EL層40は、少なくとも有機発光層を含み、必要に応じて正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および/または電子注入層を介在させた構造を有する。具体的には、有機EL素子には下記のような層構造からなるものが採用される。
(1)陽極/有機発光層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/有機発光層/陰極
(3)陽極/有機発光層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/有機発光層/電子注入層/陰極
(5)陽極/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極
(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極
(7)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(ここで、陽極および陰極のそれぞれは、第1電極20または第2電極50のいずれかである。)
有機EL層40を構成する各層は、当該技術において知られている任意の材料を使用して形成される。たとえば、青色から青緑色の発光を得るための有機発光層の材料としては、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などの材料が好ましく使用される。また、必要に応じて、有機発光層の発光色は白色であっても良い。その場合は公知の赤ドーパントが使用される。また、有機EL層40を構成する各層は、蒸着法などの当該技術において知られている任意の方法を用いて形成することができる。
次いで、第2電極50を形成する。第2電極50は、第2絶縁分離壁33によって、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分電極に分離して形成される。第2電極50は、透明電極であっても反射電極であってもよい。ただし、第1電極20および第2電極50の少なくとも一方は透明電極である。さらに、第2電極50は、陽極または陰極のいずれであってもよい。支持体10が色変換フィルタ層を含む場合、第2電極50は反射電極である。
反射電極は、高反射率の金属、アモルファス合金または微結晶性合金を用いて形成することができる。用いることができる高反射率の金属は、Al、Ag、Ta、Zn、Mo、W、Ni、Crなどを含む。用いることができる高反射率のアモルファス合金は、NiP、NiB、CrP、CrBなどを含む。用いることができる高反射率の微結晶性合金は、NiAl、Ag合金などを含む。透明電極は、ITO(インジウム−スズ酸化物)、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)、IWO(インジウム−タングステン酸化物)、AZO(Alドープ亜鉛酸化物)などの透明導電性酸化物(TCO:transparent conductive oxide)を用いて形成することができる。第2電極50は、蒸着、スパッタなどの当該技術において知られている任意の方法を用いて形成することができる。
必要に応じて、保護層の配設または封止を行って、酸素、水分および/または有機溶媒による有機ELデバイスの各構成層の劣化を防止してもよい。たとえば、電気絶縁性およびバリア性を有するSiNxを第2電極50以下の層を覆うように堆積させて保護層を形成してもよい。保護層の形成には、たとえばCVD法などのドライプロセスを用いることが好ましい。
また、酸素および水分の濃度が100ppm以下の乾燥雰囲気中において、支持体10に対して封止基板を貼り合わせることによって、封止を行うことができる。貼り合わせには、たとえばUV硬化型接着剤などを用いることができる。封止基板としては、ガラス基板、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレートなどの樹脂基板を用いることができる。任意選択的に、封止基板内面に乾燥剤を配置してもよい。
<実施例1>
200mm×200mm×0.7mm厚の無アルカリガラス基板を純粋にて洗浄し、洗浄済み基板上に、スピンコート法によってカラーモザイクCK−7800(富士フィルムエレクトロニクスマテリアル株式会社製)を塗布し、フォトリソグラフ法を用いて、複数の矩形状開口部を有するブラックマトリクスを形成した。ブラックマトリクスは、1μmの膜厚を有した。矩形状開口部のそれぞれ(サブピクセルに相当する)は、縦方向300μm×横方向90μmを有し、隣接する矩形状開口部間の間隔は、縦方向30μmおよび横方向20μmであった。なお、この寸法のガラス基板を用いた場合、複数の有機ELデバイスを同時に形成することが可能であるが、複数の有機ELデバイスの中の1つのデバイスについて、以下記載する。
次に、カラーモザイクCR−7001、CG−7001およびCB−7001(富士フィルムエレクトロニクスマテリアル株式会社製)を塗布し、フォトリソグラフ法を用いて、縦方向に延びる複数のストライプ形状部分からなる赤色、緑色および青色カラーフィルタ層を形成した。各カラーフィルタ層は、1μmの膜厚を有した。各カラーフィルタ層の複数のストライプ形状部分のそれぞれは90μmの幅を有し、240μmの間隔で配置された。
次に、100重量部の光硬化性樹脂V259PAP5(新日鐵化学製)中に、0.6重量部のクマリン6、0.3重量部のローダミン6G、および0.3重量部のローダミンBを溶解させて、塗布液を得た。得られた塗布液をカラーフィルタ層を形成した積層体の上に塗布し、パターニングを実施して、第1の方向に延びる複数のストライプ状部分からなる赤色変換層を赤色カラーフィルタ層上に形成した。赤色変換層のストライプ状部分のそれぞれは、10μmの膜厚および90μmの幅を有し、240μmの間隔で配置された。
次に、100重量部の光硬化性樹脂V259PAP5(新日鐵化学製)中に、0.7重量部のクマリン6を溶解させて、塗布液を得た。得られた塗布液を赤色変換層を形成した積層体の上に塗布し、パターニングを実施して、第1の方向に延びる複数のストライプ状部分からなる緑色変換層を緑色カラーフィルタ層上に形成した。緑色変換層のストライプ状部分のそれぞれは、10μmの膜厚および90μmの幅を有し、240μmの間隔で配置された。
続いて、スピンコート法を用いて感光性アクリル系材料NN810L(JSR製)を塗布し、フォトリソグラフィー法を適用して、色変換層以下の層を覆うように平坦化層を形成した。平坦化層形成後、乾燥窒素雰囲気中、220℃において60分間にわたって加熱して、平坦化層中に残存する水分を除去した。
続いて、プラズマCVD法を用いてSiNを堆積させ、膜厚300nmのパッシベーション層を形成し、支持体10を得た。ここで、流量100sccmのSiH4、流量500sccmのNH3、流量3000sccmのN2の混合物を原料ガスとして用い、原料ガスの圧力を100Paとした。また、周波数13.56MHz、出力500WのRF電力、ならびに周波数400kHz、出力40WのRF電力を印加して、プラズマを発生させた。
次に、スパッタ法を用いて、支持体10の表面全体に膜厚220nmのIZO膜を堆積させた。ここで、ターゲットとしてIn−Zn酸化物(出光興産株式会社製)を用い、スパッタガスとしてArおよびO2の混合ガスを用いた。続いて、フォトリソグラフ法を用いてIZO膜をパターニングして、第1の方向に延びる複数のストライプ状部分電極からなる第1電極20を形成した。ストライプ状部分電極のそれぞれは、100μmの幅を有し、10μmの間隔をおいて配置された。本実施例における第1電極20は透明電極である。
次に、ACスパッタ法を用いて、膜厚300nmのSiO2膜を形成した。ここで、ターゲットとしてBドープされたSi結晶を用い、スパッタガスとしてArおよびO2の混合ガスを用いた。続いて、ACスパッタ法を用いて、膜厚5nmのSi膜を形成した。ここで、ターゲットとしてBドープされたSi結晶を用い、スパッタガスとしてArガスを用いた。別途、同条件で堆積したSi膜の抵抗率を測定したところ、8.0mΩ・cmの抵抗率を有した。
続いて、スピンコート法を用いてレジストを塗布し、パターン状露光し、現像してレジストパターンを形成した。得られたレジストパターンをマスクするドライエッチング(プラズマエッチング)によって、Si膜およびSiO2膜のパターニングを実施し、SiO2からなる第1絶縁分離壁31およびSiからなる中間層32を形成した。ここで、流量350sccmのCHF3、流量350sccmのAr、流量200sccmのSF6および流量10sccmのHeの混合物を原料ガスとして用い、原料ガスの圧力を13Paとした。また、周波数13.56MHz、出力2.7kWのRF電力、ならびに出力2kWのDC電力を印加して、プラズマを発生させた。
第1絶縁分離壁31および中間層32のそれぞれは、縦方向に延びる複数の第1ストライプ状部分と横方向に延びる複数の第2ストライプ状部分とで構成される格子状の形状を有した。第1ストライプ状部分および第2ストライプ状部分は、ブラックマトリクスに対応する位置に配置された。第1ストライプ状部分のそれぞれは、20μmの幅を有し、90μmの間隔をおいて配置された。また、第2ストライプ状部分のそれぞれは、30μmの幅を有し、300μmの間隔をおいて配置された。
続いて、酸素プラズマアッシングを実施して、レジストをアッシングした。ここで、流量450sccmのO2および流量10sccmのHeの混合ガスを用い、ガスの圧力を33Paとした。また、周波数13.56MHz、出力2kWのRF電力、ならびに出力1.5kWのDC電力を印加して、プラズマを発生させた。引き続いて、積層体をレジスト剥離液の浴に浸漬して、レジストを完全に除去した。後述するように、この段階において第1絶縁分離壁31および中間層32によって形成される格子形状の開口部の観察を行った。
続いて、スピンコート法を用いてネガ型フォトレジストZPN1168(日本ゼオン製)を塗布して、膜厚3.5μmのレジスト膜を形成した。得られたレジスト膜に対して、プリベーク、露光、露光後ベーク、現像、およびポストベークを順次行って、中間層32の第2ストライプ状部分の上に、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分からなる第2絶縁分離壁33を形成した。第2絶縁分離壁33を構成するストライプ状部分のそれぞれは、12μmの上面幅、4μmの下面幅、および4μmの高さを有する逆テーパ形状の断面を有した。後述するように、この段階において第2絶縁分離壁33の形状の観察を行った。
続いて、第2絶縁分離壁33を形成した積層体を抵抗加熱蒸着装置内に配置し、真空を破ることなしに正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層および電子注入層を順次成膜して、有機EL層40を形成した。成膜に際して、抵抗加熱蒸着装置内を1×10-4Paまで減圧した。正孔注入層は膜厚100nmの銅フタロシアニン(CuPc)膜であり、正孔輸送層は膜厚20nmのα−NPD(4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル)膜であり、有機発光層は膜厚30nmのDPVBi(4,4’−ビス(2、2’−ジフェニルビニル)ビフェニル)膜であり、電子注入層は膜厚20nmのAlq3(トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体)であった。有機EL層40は、第2絶縁分離壁33によって第2の方向に延びる複数のストライプ状部分に分割された。
続いて、Alを蒸着して、膜厚200nmの反射性の第2電極50を形成した。第2電極50は、第2絶縁分離壁33によって第2の方向に延びる複数のストライプ状部分電極に分割された。
さらに、第2電極50を形成した積層体に対して、CVD法を用いて、第2電極50以下の構造を覆うようにSiNxを堆積させ、膜厚300nmの保護層を形成した。さらに、保護層を形成した積層体を、酸素濃度5ppm以下、および水分濃度5ppm以下の雰囲気を有する貼り合わせ装置内に移動させた。200mm×200mm×0.7mm厚の無アルカリガラス基板を真空乾燥し、前述の保護層以下の構造を包囲するように設定される接着部にビーズ含有紫外線硬化型エポキシ系高粘度接着剤を塗布し、接着部の内部に前述の高粘度接着剤よりも低い粘度を有する紫外線硬化型エポキシ系低粘度接着剤を滴下して、封止用基板を準備した。貼り合わせ装置内を約1Paまで減圧し、保護層および低粘度接着剤が対向するように、保護層を形成した積層体と封止用基板とを貼り合わせた。その後に、貼り合わせ装置内を大気圧まで加圧し、貼り合わせ体に対して封止用基板側から紫外線を照射し、加熱炉内で1時間にわたって80℃に加熱し、自然冷却して、有機ELデバイスを得た。
<実施例2>
第1絶縁分離壁31となるSiO2膜の形成をプラズマCVD法で実施したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、有機ELデバイスを得た。
<実施例3>
ACスパッタ法によるSiO2膜の形成に代えて、プラズマCVD法によるSiNx膜の形成を実施し、SiNxからなる膜厚300nmの第1絶縁分離壁31を形成したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、有機ELデバイスを得た。
<実施例4>
ACスパッタ法によるSiO2膜の形成に代えて、プラズマCVD法によるSiOxy膜の形成を実施し、SiOxyからなる膜厚300nmの第1絶縁分離壁31を形成したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、有機ELデバイスを得た。
<実施例5>
ACスパッタ法により形成されるSi膜の膜厚を30nmとし、膜厚30nmの中間層32を形成したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、有機ELデバイスを得た。
<実施例6>
ネガ型フォトレジストZPN1168に代えて、ネガ型フォトレジストZPN1100(日本ゼオン製)を用いて第2絶縁分離壁33をを形成したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、有機ELデバイスを得た。
<比較例1>
中間層32となるSi膜を形成しなかったことを除いて実施例1の手順を繰り返して、有機ELデバイスを得た。
<比較例2>
中間層32となるSi膜を形成しなかったことを除いて実施例2の手順を繰り返して、有機ELデバイスを得た。
<比較例3>
中間層32となるSi膜を形成しなかったことを除いて実施例3の手順を繰り返して、有機ELデバイスを得た。
<比較例4>
中間層32となるSi膜を形成しなかったことを除いて実施例4の手順を繰り返して、有機ELデバイスを得た。
<比較例5>
ACスパッタ法によるSi膜の形成に代えて、スパッタ法で膜厚10nmのMo膜の形成をを実施し、Moからなる膜厚10nmの中間層32を形成したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、有機ELデバイスを得た。
<比較例6>
ACスパッタ法により形成されるSi膜の膜厚を50nmとし、膜厚50nmの中間層32を形成したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、有機ELデバイスを得た。
<比較例7>
ACスパッタ法により形成されるSi膜の膜厚を100nmとし、膜厚100nmの中間層32を形成したことを除いて実施例1の手順を繰り返して、有機ELデバイスを得た。
<評価1>
実施例1〜6および比較例1〜7において、第1絶縁分離壁31および中間層32のパターニング終了時点におけるそれらの層の格子形状の開口部を光学顕微鏡にて観察し、第1絶縁分離壁/中間層のパターン欠陥を評価した。その結果を第1表に示す。第1表において、開口部の端部形状に乱れがないものを「○」、開口部の端部形状に許容できない乱れが認められるものを「×」と評価した。
第1表から分かるように、Siからなる中間層の膜厚を100nmとした比較例7を除いて、いずれの有機ELデバイスにおいても第1絶縁分離壁31および中間層32のパターニングを良好に実施できていることが分かる。比較例7においては、中間層32の膜厚の増大に伴って、第1絶縁分離壁31および中間層32の同時パターニングが困難になり、第1絶縁分離壁31および中間層32のストライプ状部分の線幅不良が発生した。
<評価2>
実施例1〜6および比較例1〜7において、第2絶縁分離壁33の形成終了時点における第2絶縁分離壁33を構成するストライプ状部分の形状を光学顕微鏡にて観察し、第2絶縁分離壁のパターン欠陥を評価した。その結果を第1表に示す。第1表において、ストライプ状部分の形状に乱れがないものを「○」小数の箇所においてストライプ状部分の形状に軽微な乱れが認められ、性能が低下するものの使用可能なレベルにあるものを「△」、ストライプ状部分の形状に許容できない乱れが認められるものおよびストライプ状部分の剥離が認められるものを「×」と評価した。
第1表に示すように、膜厚5nmのSiからなる中間層32を有する実施例1〜4の有機ELデバイスにおいて第2絶縁分離壁33のストライプ形状に乱れが認められず、中間層32が存在しないことを除いて対応する構造を有する比較例1〜4の有機ELデバイスにおいて第2絶縁分離壁33のストライプ形状に軽微な乱れが認められる。この比較から、Siからなる中間層32が、第2絶縁分離壁33のストライプ形状を改善するのに有効であることが分かる。この効果は、中間層32の存在により、第1絶縁分離壁31/中間層/第2絶縁分離壁33間の密着力が向上したためと考えられる。
また、Moからなる中間層32を有する比較例5の有機ELデバイスにおいて、第2絶縁分離壁33のストライプ形状に乱れが認められた。Siからなる中間層32を有する実施例1の有機ELデバイスとの比較から、Siからなる中間層32が優れた形状を有する第2絶縁分離壁33を与えることにおいて有効であることが分かる。
さらに、比較例6の結果から、中間層32の膜厚が50nm以上となった場合に、第2絶縁分離壁33のストライプ形状に軽微な乱れが発生し始めることが分かる。
<評価3>
実施例1、5および6、ならびに比較例1、6および7において、有機ELデバイスを点灯させ、点灯状態での不具合を光学顕微鏡を用いて観察した。その結果を第1表に示す。第1表において、発光部のパターン形状に乱れがないものを「○」、発光部のパターン形状に許容できない乱れが認められるものを「×」と評価した。「−」は未評価を示す。第1表から分かるように、第1絶縁分離壁31および中間層の開口部の端部形状、あるいは第2絶縁分離壁33のストライプ形状のいずれかに乱れが存在する場合に、発光部のパターン形状の乱れが発生することが分かる。
Figure 2009259644
本発明の有機ELデバイスの一例を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)は切断腺Ib−Ibに沿った断面図であり、(c)は切断腺Ic−Icに沿った断面図であり、(d)は切断腺Id−Idに沿った断面図である。 本発明の有機ELデバイスの他の例を示す図であり、(a)は上面図であり、(b)は切断腺IIb−IIbに沿った断面図であり、(c)は切断腺IIc−IIcに沿った断面図であり、(d)は切断腺IId−IIdに沿った断面図である。
符号の説明
10 支持体
20 第1電極
31 第1絶縁分離壁
32 中間層
33 第2絶縁分離壁
40 有機EL層
50 第2電極

Claims (7)

  1. 支持体と;
    支持体上に形成され第1の方向に延びる複数のストライプ状部分電極からなる第1電極と;
    第1電極のストライプ状部分電極の間隙に位置し、第1の方向に延びる複数の第1ストライプ状部分と、第2の方向に延びる第2ストライプ状部分とからなる格子形状を有し、Siを含む無機材料で形成される第1絶縁分離壁と;
    少なくとも第1絶縁分離壁の第2ストライプ状部分の上に形成され、5〜40nmの膜厚を有するSiの薄膜からなる中間層と;
    中間層の上に形成され、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分からなり、有機材料で形成される第2絶縁分離壁と;
    第1電極上に形成される有機EL層と;
    有機EL層上に形成され、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分電極からなる第2電極と
    を含み、第2の方向は第1の方向と交差する方向であることを特徴とする有機ELデバイス。
  2. 前記中間層は、前記第1絶縁分離壁の上面全体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機ELデバイス。
  3. 前記中間層は、5mΩ・cm以上の抵抗率を有することを特徴とする請求項1に記載の有機ELデバイス。
  4. 前記支持体は、1種または複数種の色変換フィルタ層を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機ELデバイス。
  5. (1) 支持体上に、第1の方向に延びる複数のストライプ状部分電極からなる第1電極を形成する工程と;
    (2) Siを含む無機材料を用いて、第1電極のストライプ状部分電極の間隙に位置し、第1の方向に延びる複数の第1ストライプ状部分と、第2の方向に延びる第2ストライプ状部分とからなる格子形状を有する第1絶縁分離壁を形成する工程と;
    (3) Siを用いて、第1絶縁分離壁の少なくとも第2ストライプ状部分の上に5〜40nmの膜厚を有する中間層を形成する工程と;
    (4) 有機材料を用いて、中間層の上に、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分からなる第2絶縁分離壁を形成する工程と;
    (5) 第1電極上に有機EL層を形成する工程と;
    (6) 有機EL層上に、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分電極からなる第2電極を形成する工程と
    を含み、第2の方向は第1の方向と交差する方向であることを特徴とする有機ELデバイスの製造方法。
  6. (1) 支持体上に、第1の方向に延びる複数のストライプ状部分電極からなる第1電極を形成する工程と;
    (2A) Siを含む無機材料の膜を堆積させる工程と;
    (2B) 5〜40nmの膜厚を有するSi膜を堆積させる工程と;
    (2C) 前記無機材料の膜およびSi膜を同時にパターニングして第1絶縁分離壁および中間層を形成する工程であって、第1絶縁分離壁は第1電極のストライプ状部分電極の間隙に位置し、第1の方向に延びる複数の第1ストライプ状部分と、第2の方向に延びる第2ストライプ状部分とからなる格子形状を有する前記無機材料の膜から構成され、および、中間層は、少なくとも第1絶縁分離壁の第2ストライプ状部分の上に位置する前記Si膜から構成される工程と;
    (4) 有機材料を用いて、中間層の上に、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分からなる第2絶縁分離壁を形成する工程と;
    (5) 第1電極上に有機EL層を形成する工程と;
    (6) 有機EL層上に、第2の方向に延びる複数のストライプ状部分電極からなる第2電極を形成する工程と
    を含み、第2の方向は第1の方向と交差する方向であることを特徴とする有機ELデバイスの製造方法。
  7. 工程(2C)をドライエッチング法によって実施することを特徴とする請求項6に記載の有機ELデバイスの製造方法。
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