JP2009256472A - 防曇性塗膜 - Google Patents

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【課題】撥水・撥油性により大きな水滴を自重により落下させて、小さな水滴は内部に存在する親水層に吸収させ防曇性を持たせていたが、水滴を落下させるという思想からすれば水平に対して必ず傾きをもたなければならず、傾きも大きくする必要がある。
【解決手段】透明性材料もしくは正反射性材料基材表面上において有機高分子とシリコーン成分とから構成し、シリコーン成分は有機高分子を構成する特性基を有する固定したシリコーン成分3と、有機高分子を構成する特性基で変性された遊離したシリコーン成分4であり、また特性基が親水性の高い特性基であり、表面は初期には撥水性を示すため、水平面より傾きがあれば水滴が落下する。表面に接触している水滴に関しても、経時により水がぬれ広がり、水滴による表面からの乱反射を抑え防曇性が優れた塗膜となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、防曇性に優れた視覚性の高い塗膜に関するものであり、特には視覚性が要求される表示部や窓、レンズ、鏡、反射材などに高い防曇性を付与した視覚性の高い塗膜に関するものである。
窓やレンズ、表示部、鏡、反射材などは温度差により表面に結露がおこり、そして、多湿な環境による水滴の発生により視覚性が損なわれることが度々ある。従来は、脂肪酸エステルなどの界面活性剤を塗布することや、樹脂に練りこむなどして防曇性を付与させている。しかし、界面活性剤を用いる方法では持続性の面で問題があった。そこで、特許文献によれば撥水・撥油性を持つアルキルフルオロアクリレートと疎水性アクリル系単量体と親水性アクリル単量体を用い、3種が相溶する溶剤に溶かし、表面のフッ素原子により撥水・撥油性を持たせ大きな水滴は落下させ、微小な水滴は内部に存在する親水層に吸収させることで防曇性を発現させている。また、撥水・撥油表面のため防汚性にも優れている。このように防曇性の持続を実現している。
特許第3760669号公報
しかしながら、前記従来の技術では、撥水・撥油性により大きな水滴を落下させて、フッ素系表面は帯電しやすく、ある程度の大きさの水滴であれば自重により落下するが、ある大きさのものは落下せずに表面に残る。小さな水滴は内部に存在する親水層に吸収させているが、表面が撥水・撥油性であるためある程度小さなものしか吸収されない。この結果、防曇効果は水滴の大きさにより限定されてくる。より撥水・撥油性を高めようとすれば小さな水滴の吸収性は低下し、また、水滴の吸収性を高めようとすれば撥水・撥油性が低下する。また、水滴を落下させるという思想からすれば水平に対して必ず傾きをもたなければならず、傾きも大きくする必要がある。
前記従来の課題を解決するために、本発明の防曇性塗膜は、透明性材料もしくは正反射性材料基材表面上において有機高分子とシリコーン成分とから構成し、シリコーン成分は有機高分子を構成する特性基を有する固定したシリコーン成分と、有機高分子を構成する特性基で変性された遊離したシリコーン成分であり、また特性基が親水性の高い特性基であり、初期には撥水性を示し、水が接すると水がぬれ広がるものである。
これによって、表面は初期には撥水性を示すため、水平面より傾きがあれば水滴が落下する。表面に接触している水滴に関しても、経時により水がぬれ広がり、水滴による表面からの乱反射を抑え防曇性が優れた塗膜となる。また、非常に防汚性も高く、通常汚れにより防曇性は著しく低下するが、防汚効果により汚れが付きにくく、また、除去しやすいので防曇性が持続する。さらに、接触した水がぬれ広がることにより表面の自浄作用も持つ。これらの点からも非常に優れた防曇性を持つといえる。
本発明の防曇性塗膜は、界面活性剤による防曇剤のような流出による防曇性低下が抑制でき、汚れ付着による防曇性低下も抑制できる持続性が高い防曇性に優れた視覚性の高い塗膜が形成できる。また、水滴を特に落下させるような防曇メカニズムではないため設置条件に制限がない。詳しく述べると、表面は初期には撥水性を示すため、水平面より傾き
があれば水滴が落下する。加えて、表面に接触している水滴に関しても、経時により水がぬれ広がり、水滴による表面からの乱反射を抑えるため防曇性が優れた塗膜となる。また、非常に防汚性も高く、通常汚れにより防曇性は著しく低下するが、防汚効果により汚れが付きにくく、また、除去しやすいので防曇性が持続する。さらに、接触した水がぬれ広がることにより表面の自浄作用も持つので、防曇性の持続に好適となる。
第1の発明は、透明性材料もしくは正反射性材料基材表面上に有機高分子とシリコーン成分とから構成し、前記シリコーン成分は前記有機高分子を構成する特性基を有する固定したシリコーン成分と、前記有機高分子を構成する特性基で変性された遊離したシリコーン成分であり、また前記特性基が親水性の高い特性基であり、初期には撥水性を示し、水が接すると前記水がぬれ広がることにより、表面は初期には撥水性を示すため、水平面より傾きがあれば水滴が落下する。加えて、表面に接触している水滴に関しても、経時により水がぬれ広がり、水滴による表面からの乱反射を抑えるため防曇性が優れた塗膜となる。また、非常に防汚性も高く、通常汚れにより防曇性は著しく低下するが、防汚効果により汚れが付きにくく、また、除去しやすいので防曇性が持続する。さらに、接触した水がぬれ広がることにより表面の自浄作用も持つので、防曇性の持続に好適となる。
第2の発明は、特に、第1の発明の固定したシリコーン成分は、塗料中に含まれ塗膜形成後に塗膜に固定したシリコーン成分であり、前記塗料は前記シリコーン成分を含有するアクリル系塗料、ウレタン系塗料、エポキシ系塗料もしくはそれらの混合塗料のいずれかであり、遊離したシリコーン成分はシリコーンオイル成分であり、前記塗料に前記シリコーンオイルを添加した塗料を基材に塗布し硬化させて形成することにより、固定したシリコーン成分を含有する塗料はシリコーンオイル成分を良く分散させ、塗料にシリコーンオイルを添加することで、基材への塗布、硬化させた後の塗膜において初期に撥水性、水との接触により水がぬれ広がる特徴を有する防曇性に優れた視覚性の高い塗膜を形成する。
第3の発明は、特に、第2の発明のシリコーン成分を含有するアクリル系塗料は、アクリル変性シリコーン樹脂を含む防曇性に優れた視覚性が高い塗料で、シリコーンオイルは前記防曇性に優れた視覚性が高い塗料の主成分である有機高分子を構成する特性基を有する変性シリコーンオイルであることにより、親和性の高い変性シリコーンオイルを添加することで、基材への塗布、硬化させた後の塗膜において初期に撥水性、水との接触により水がぬれ広がる特徴を有する防曇性に優れた視覚性の高い塗膜を形成する。
第4の発明は、特に、第3の発明の変性シリコーンオイルは、アクリル変性シリコーンオイルであることにより、アクリル系防汚性塗料と親和性が高く、固定したシリコーン成分に相溶し、基材への塗布、硬化させた後の塗膜において初期に撥水性、水との接触により水がぬれ広がる特徴を有する防曇性に優れた視覚性の高い塗膜を形成する。
第5の発明は、特に、第1の発明の透明性材料は、無機酸化物もしくは樹脂であることにより、無機酸化物もしくは樹脂を基材とすることで、汎用性が高く、様々な用途への展開が可能である。例えば、車のフロントガラスや窓、鏡、めがね、ゴーグル、展示ケース、家庭電化製品の窓、携帯電話やカーナビ、リモコンなどの表示部などにも展開できる。
第6の発明は、特に、第1の発明の正反射性材料は、金属、金属箔、金属を蒸着したガラスもしくは樹脂のいずれかであることにより、基材に正反射性材料に金属、金属箔、金属を蒸着したガラスもしくは樹脂のいずれかを用いることで、反射材として利用できる。例えば、カーブミラーや浴室の鏡、歯科医が使用する口内鏡など鏡用途。自転車などに備え付けられた反射材。意匠性を高めたキッチンシンクなど幅広く利用できる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における透明性材料基材表面上の視覚性の高い塗膜の断面模式図である。透明性材料基材1に塗膜2が化学的結合もしくは物理的結合もしくはアンカー効果により密着している。透明性材料基材1と塗膜2の間にプライマーと呼ばれる密着性を向上させることも可能である。また、プライマーの代わりに、フレーム処理やブラスト処理など前処理を施し密着性を向上させることも可能である。プライマーには、エポキシ系、フェノール系、フタル酸系、ウレタン系、アクリル・ウレタン系、ポリエステル系、変性PPなどあるが基材面と塗膜との密着性と透明性、意匠性に問題が無ければかまわない。例えば、ポリプロピレン表面上には通常塗膜を直接形成させることは難しい。
ここで、プライマーとして変性PPを用いることで基材と塗膜とを密着させることができる。変性種としては塩素化やPPの一部にマレイン酸やオレイン酸などのカルボン酸を導入した酸変性があるが、環境面を考えれば酸変性が望ましい。また、変性PPのマトリックスPPとしては完全非結晶性ポリプロピレンを用いたものが密着性と透明性の面で望ましい。密着性が劣る場合にはこのようなプライマーや前処理が必要である。
透明性材料基材1は、無機酸化物や樹脂などが挙げられる。無機酸化物はシリカや酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、タンタル酸カリウム、イットリア、YAG、PLZT、ITO、PZTなどが挙げられる。ただし、これに限られたわけではなく、透明性があればかまわない。樹脂は、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、AS樹脂、PET、ポリエステル、ユリア樹脂、メラミン樹脂など挙げられる。ただし、これに限られたわけではなく、透明性があればかまわない。
塗膜2は、有機高分子(図示せず)と固定したシリコーン成分3と遊離したシリコーン成分4からなり、固定したシリコーン成分3は有機高分子を構成する特性基を有するため有機高分子と親和性が高く塗料の硬化後に形成され、塗膜中に分散して存在する。遊離したシリコーン成分4は有機高分子を構成する特性基を有するため有機高分子と固定したシリコーン成分3と親和性が高く、相溶しており、また、親水性を有する特性基であるため、水が接触することで水がぬれ広がる防曇性に優れた視覚性の高い塗膜2となる。また、遊離したシリコーン成分4は有機高分子と固定したシリコーン成分3と非常によく相溶しており、さらに、オイル成分であることから塗膜表面を非常に緻密に被覆している。遊離したシリコーン成分4は塗膜の主成分である有機高分子や固定したシリコーン成分3との親和性により表面移行性が制御される。
一般にシリコーン成分は、有機高分子と親和性が高くないため、表面近傍に移行しやすい。さらに、シリコーンオイル成分は液状であるため表面近傍に移行しやすい。シリコーンオイル成分が表面近傍に過度に移行すると防汚性能の持続性、外観、触感に問題が出てしまうが、遊離したシリコーン成分4は有機高分子と固定したシリコーン成分3と親和性が高く相溶しており、遊離したシリコーン成分4の表面移行性を親和性により制御することができる。表面に移行したシリコーン成分5は遊離したシリコーン成分4が表面ににじみ出たものである。表面に移行したシリコーン成分5は塗膜の主成分である有機高分子や固定したシリコーン成分3との親和性が高いため拭取りによる防曇性の低下も抑制することができる。
次に、本発明の防曇性について説明する。表面は初期には撥水性を示すため、水平面より傾きがあれば水滴が落下する。加えて、表面に接触している水滴に関しても、経時により水がぬれ広がり、水滴による表面からの乱反射を抑えるため防曇性が優れた塗膜となる。さらに、水滴がぬれ広がることにより乾燥も早く、防曇性に対して好適となる。アクリル板上にアクリル変性シリコーン樹脂を含む塗料とアクリル変性シリコーンオイルからな
る塗膜を形成したサンプルの接触角を例に挙げる。水滴を3μL滴下し、協和界面科学社製の接触角計(FACE S−150)を用い、水の接触角を測定した。初期には水の接触角が106度であったが、経時とともに接触角が低下し、13度にまで低下した。さらに、ウエスによる拭取り3000回後についても同等の結果が得られた。また、非常に防汚性も高く、通常汚れにより防曇性は著しく低下するが、防汚効果により汚れが付きにくく、また、除去しやすいので防曇性が持続する。さらに、接触した水がぬれ広がることにより表面の自浄作用も持つので、防曇性の持続に好適となる。
次に、防曇性に優れた視覚性の高い塗膜の作成方法について説明する。本実施の形態1では、アクリル変性シリコーン樹脂を含む塗料を用いた。変性シリコーンオイルはアクリルシリコーン系塗料100gに対し、1g〜20g(1〜20重量部)程度の添加が望ましい。これは、添加量が少ないと遊離したシリコーン成分が少なくなるため防曇効果が小さくなり、多いと遊離したシリコーン成分が多くなり塗膜表面に過度に浮き出てくるため、防汚塗膜表面がシリコーンオイルで濡れたようになってしまうという課題がある。また、添加量が多いと塗膜表面の硬度が低下するため変性シリコーンオイルの添加量は10重量部以下であることが望ましい。
変性シリコーンオイルとしては、側鎖型、両末端型、片末端型がある。側鎖型のものが塗膜2表面上での水のぬれ広がり性がよく防曇性を向上させるには望ましい。また、変性シリコーンオイルの変性の種類としては水との親和性が高い特性基であることが望ましく、アクリルシリコーン塗料を用いた場合、アクリル変性シリコーンオイルが防汚塗膜2表面上での水のぬれ広がり性がよく防曇性を向上させた。アクリル系塗料、ウレタン系塗料、エポキシ系塗料など使用する塗料との親和性、塗膜2表面上での水のぬれ広がり性がよい変性シリコーンオイルを選択することが望ましい。
アクリルシリコーン系二液硬化型塗料を例として詳しく説明する。アクリルシリコーン系二液硬化型塗料の主剤と硬化剤とを5:1で混合し、それにアクリル変性シリコーンオイルを5重量部添加、攪拌し、透明性材料基材1に塗布した。その後、十分に塗料に含まれる有機溶剤を蒸発乾燥させた後、シリコーン成分を塗膜2表面に移行させる目的と、塗膜を硬化させる目的でエージングを行う。エージング条件は塗料によって異なっているが、本実施の形態で用いたアクリルシリコーン系塗料では100℃程度の温度で1〜2時間程度が望ましい。なお、塗布方法は、ディップ、スプレー、スピンコーター、スクリーン印刷、ローラー塗り、ハケ塗りなどが可能で、特に限定されるものではない。膜厚も特に限定されるものではないが、乾燥後膜厚として5μm〜30μm程度が望ましい。これより薄いと、擦ることによって塗膜が破れやすくなり、またこれより厚いと基材1との密着力が低下することとなる。
このように作成された防曇性に優れた視覚性の高い塗膜は視覚性に優れたものであり、車のフロントガラスや窓、鏡、めがね、ゴーグル、展示ケース、家庭電化製品の窓、携帯電話やカーナビ、リモコンなどの表示部などにも展開できる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態における正反射性材料基材表面上の視覚性の高い塗膜の断面模式図である。正反射性材料基材11に塗膜12が化学的結合もしくは物理的結合もしくはアンカー効果により密着している。正反射性材料基材11と塗膜12の間にプライマーと呼ばれる密着性を向上させることも可能である。また、プライマーの代わりに、フレーム処理やブラスト処理など前処理を施し密着性を向上させることも可能である。プライマーには、エポキシ系、フェノール系、フタル酸系、ウレタン系、アクリル・ウレタン系、ポリエステル系、変性PPなどあるが基材面と塗膜との密着性と透明性、意匠性に問題が無ければかまわない。密着性が劣る場合にはプライマーや前処理が必要である。
正反射性材料基材11は、金属、金属箔、金属を蒸着したガラスもしくは樹脂のいずれかが挙げられる。金属、金属箔は銀、アルミ、錫、ニッケル、銅、鋼、金、タングステンなどとそれらの箔が挙げられる。ただし、これに限られたわけではなく、反射性が高いものであればかまわない。全反射率が50%以上あれば、光をよく反射し視覚性の優れた鏡、反射材となるので好ましい。また、ガラスや樹脂に銀、アルミ、錫、ニッケル、銅、鋼、金などを蒸着したものが挙げられる。樹脂はアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、AS樹脂、PET、ポリエステル、ユリア樹脂、メラミン樹脂など挙げられる。ただし、これに限られたわけではなく、透明性があればかまわない。
塗膜12は、有機高分子(図示せず)と固定したシリコーン成分13と遊離したシリコーン成分14からなり、固定したシリコーン成分13は有機高分子を構成する特性基を有するため有機高分子と親和性が高く塗料の硬化後に形成され、塗膜中に分散して存在する。遊離したシリコーン成分14は有機高分子を構成する特性基を有するため有機高分子と固定したシリコーン成分13と親和性が高く、相溶しており、また、親水性を有する特性基であるため、水が接触することで水がぬれ広がる防曇性に優れた視覚性の高い塗膜12となる。また、遊離したシリコーン成分14は有機高分子と固定したシリコーン成分13と非常によく相溶しており、さらに、オイル成分であることから塗膜表面を非常に緻密に被覆している。遊離したシリコーン成分14は塗膜の主成分である有機高分子や固定したシリコーン成分13との親和性により表面移行性が制御される。
一般にシリコーン成分は、有機高分子と親和性が高くないため、表面近傍に移行しやすい。さらに、シリコーンオイル成分は液状であるため表面近傍に移行しやすい。シリコーンオイル成分が表面近傍に過度に移行すると防汚性能の持続性、外観、触感に問題が出てしまうが、遊離したシリコーン成分14は有機高分子と固定したシリコーン成分13と親和性が高く相溶しており、遊離したシリコーン成分14の表面移行性を親和性により制御することができる。表面に移行したシリコーン成分15は遊離したシリコーン成分14が表面ににじみ出たものである。表面に移行したシリコーン成分15は塗膜の主成分である有機高分子や固定したシリコーン成分13との親和性が高いため拭取りによる防曇性の低下も抑制することができる。
このように防曇性に優れた視覚性の高い塗膜は幅広く展開でき、カーブミラーや浴室の鏡、歯科医が使用する口内鏡など鏡用途。自転車などに備え付けられた反射材。意匠性を高めたキッチンシンクなどに適用できる。
以上のように、本発明にかかる防曇性塗膜は、様々な物質に視覚性の高い塗膜を形成することができ、この形成した塗膜により表面への防曇性を付与できるため、視覚性の高い窓、レンズ、鏡、表示部などを実現することができる。
本発明の第1の実施の形態における透明性材料基材表面上の視覚性の高い塗膜の模式断面図 本発明の第2の実施の形態における正反射性材料基材表面上の視覚性の高い塗膜の模式断面図
符号の説明
1 透明性材料基材
2 塗膜
3 固定したシリコーン成分
4 遊離したシリコーン成分
5 表面に移行したシリコーン成分
11 正反射性材料基材
12 塗膜
13 固定したシリコーン成分
14 遊離したシリコーン成分
15 表面に移行したシリコーン成分

Claims (6)

  1. 透明性材料もしくは正反射性材料基材表面上に有機高分子とシリコーン成分とから構成し、前記シリコーン成分は、前記有機高分子を構成する特性基を有する固定したシリコーン成分と、前記有機高分子を構成する特性基で変性された遊離したシリコーン成分であり、前記特性基が親水性の高い特性基であり、初期には撥水性を示し、水が接すると前記水がぬれ広がる防曇性塗膜。
  2. 固定したシリコーン成分は、塗料中に含まれ塗膜形成後に塗膜に固定したシリコーン成分であり、前記塗料は、前記シリコーン成分を含有するアクリル系塗料、ウレタン系塗料、エポキシ系塗料もしくはそれらの混合塗料のいずれかであり、遊離したシリコーン成分はシリコーンオイル成分であり、前記塗料に前記シリコーンオイルを添加した塗料を基材に塗布し硬化させて形成する請求項1記載の防曇性塗膜。
  3. シリコーン成分を含有するアクリル系塗料は、アクリル変性シリコーン樹脂を含む防曇性に優れた視覚性が高い塗料で、シリコーンオイルは前記防曇性に優れた視覚性が高い塗料の主成分である有機高分子を構成する特性基を有する変性シリコーンオイルである請求項2記載の防曇性塗膜。
  4. 変性シリコーンオイルは、アクリル変性シリコーンオイルである請求項3記載の防曇性塗膜。
  5. 透明性材料は、無機酸化物もしくは樹脂である請求項1記載の防曇性塗膜。
  6. 正反射性材料は、金属、金属箔、金属を蒸着したガラスもしくは樹脂のいずれかである請求項1記載の防曇性塗膜。
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