JP2009256284A - パーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用前処理剤組成物 - Google Patents

パーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用前処理剤組成物 Download PDF

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JP2009256284A
JP2009256284A JP2008109964A JP2008109964A JP2009256284A JP 2009256284 A JP2009256284 A JP 2009256284A JP 2008109964 A JP2008109964 A JP 2008109964A JP 2008109964 A JP2008109964 A JP 2008109964A JP 2009256284 A JP2009256284 A JP 2009256284A
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Yoshimi Nakamura
義美 中村
Mitsuru Isobe
満 磯部
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Abstract

【課題】パーマネントウェーブ又は縮毛矯正の施術による毛髪の損傷を防止し、施術後の毛髪に良好な感触を付与し、均一で良好なウェーブ形成又は縮毛矯正を可能とする、パーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用前処理剤組成物の提供。
【解決手段】炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸と、炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとのエステル化合物の1種以上を含有するパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用前処理剤組成物。特に好ましくはエステル化合物がジエステル化合物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、パーマネントウェーブ処理又は縮毛矯正処理に供する毛髪に蓄積したダメージを予め回復させ、毛髪表面を均一化させると共に毛髪に対する処理薬剤の過剰浸透を防止して、パーマネントウェーブ処理又は縮毛矯正処理の効果を良好に確保させるパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の前処理剤組成物に関する。
近年、ヘアスタイルの多様化やヘアカラーの流行に伴って、染毛剤、ブリーチ剤、パーマネントウェーブ剤、縮毛矯正剤(あるいはストレートパーマ)等の化学的処理や、過度なブラッシングやブロー、アイロンといった日常の物理的処理、更には屋外で日常的に受けている紫外線等の影響によって、毛髪の損傷、特に毛髪表面への損傷を受け易くなっている。
毛髪がこのような損傷を受け続けると、毛髪表面の保護機能を有する脂質層や毛髪表面のキューティクルが失われ易くなり、本来は疎水性である毛髪表面が親水化する傾向となる。その結果、いわゆるパサつき、指通りの悪化、ツヤ感の低下といった好ましくない現象が起き易くなる。又、毛髪表面の保護層が欠落すると、パーマネントウェーブ用剤や縮毛矯正剤といった薬剤の浸透性が高くなり、薬剤が不均一に作用することで、毛髪が部分的に損傷を受け易くなったり、毛髪に対するウェーブ効果やストレート効果が不均一になったりする不具合があった。
かかる不具合に鑑み、パーマネントウェーブ用剤又は縮毛矯正剤の施術前に使用し、薬剤の減力や毛髪表面の均一化を目的とする前処理剤がいくつか考案されている。例えば下記の特許文献1〜特許文献3には、タンパク質加水分解物を含む前処理剤や、油性成分とイミダゾリニウム化合物を含むパーマネントウェーブ前処理剤及び中間処理剤が提案されている。
特開2000−256147号公報 特開2003−40742号公報 特開2006−169201号公報 しかしながら、タンパク質加水分解物を含む前処理剤では一定の薬剤減力作用は認められるものの、タンパク質加水分解物が毛髪の損傷部位に過剰に吸着し易いため、施術後の感触面が悪くなるという不具合がある。又、洗髪時には、タンパク質加水分解物も一緒に流出してしまうため、十分な持続性が得られないという不具合があった。一方、油性成分を配合した前処理剤に関しては、油性成分は損傷の少ない部分(親油部)に多く吸着する反面、傷んでいる親水部には吸着しにくいため、縮毛矯正効果あるいはウェーブ効果の均一性という点では、十分な結果が得られなかった。
本発明は、パーマネントウェーブ用剤又は縮毛矯正剤の施術前に毛髪へ処理することで、特定の有効成分が毛髪の損傷部分と健康部分へ均一に吸着して毛髪全体の疎水性を改善することが可能であり、そのためウェーブ効果又は縮毛矯正効果の均一性を向上させることができ、更にパーマネントウェーブ又は縮毛矯正施術後の毛髪の感触が良好となり、その効果の持続性にも優れるパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の前処理剤組成物を提供することを目的とする。
(第1発明)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸と、炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとのエステル化合物の1種以上を含有する、パーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の前処理剤組成物である。
第1発明の前処理剤組成物においては、第1の効果として、上記した特定のエステル化合物が毛髪の損傷部分と健康部分へ均一に吸着され、パーマネントウェーブ処理又は縮毛矯正処理に供される毛髪表面のダメージを低減・修復する。その結果、毛髪全体の疎水性が均一に改善され、そのためウェーブ効果又は縮毛矯正効果の均一性が向上する。第1発明の前処理剤組成物における第2の効果として、上記の第1の効果とも関連するが、パーマネントウェーブ又は縮毛矯正施術後の毛髪の感触が良好となり、その効果の持続性にも優れる
第1発明におけるこれらの効果には、炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸における不飽和結合と2個のカルボキシル基との関係、及びカルボキシル基に結合した上記のアルコールが関係しているものと考えられる。
(第2発明)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、前記第1発明に係るエステル化合物がジエステル化合物であり、かつ不飽和ジカルボン酸の一方又は双方のカルボキシル基が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和のアルコールとエステル結合を形成している、パーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の前処理剤組成物である。
前記第1発明に係るエステル化合物にはモノエステル化合物もジエステル化合物も含まれるが、第2発明に規定するように、ジエステル化合物であることが特に好ましい。このようなジエステル化合物は、不飽和ジカルボン酸の一方又は双方のエステル部分に第1発明に規定するアルコールを結合しているが、このようなアルコールを双方のエステル部分に結合しているものが、とりわけ好ましい。
(第3発明)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、前記第1発明又は第2発明に係る不飽和ジカルボン酸が、少なくとも一方のカルボキシル基を構成する炭素原子が炭素−炭素不飽和結合を構成する炭素原子と単結合しているものである、パーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の前処理剤組成物である。
前記第1発明又は第2発明に係る不飽和ジカルボン酸としては、第3発明に規定するように、少なくとも一方のカルボキシル基(エステル部位)が炭素間不飽和結合部位と隣接しているものが、より好ましい。このような炭素間不飽和結合はより高い反応活性を持つため、エステル化合物が毛髪表面により強く結合し又は吸着される。
なお、不飽和ジカルボン酸の炭素数が4又は5である場合には、必然的に第3発明に規定する不飽和ジカルボン酸となる。
本発明のパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の前処理剤組成物によれば、特定のエステル化合物が毛髪のダメージ部分にも十分吸着することで、パーマネントウェーブ又は縮毛矯正の施術による毛髪の損傷を防止し、施術後の毛髪に柔軟性、指通り性、まとまり易さを付与すると共に、損傷した毛髪に対しても、均一で良好なウェーブ形成又は縮毛矯正をすることができる。
次に、本発明を実施するための形態を、その最良の形態を含めて説明する。
〔前処理剤組成物の成分〕
(前処理剤組成物の特徴的な成分)
本発明の前処理剤組成物は、炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸と、炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとのエステル化合物(以下、「毛髪改質剤成分」という)の1種以上を含有する点に特徴があり、かつ、パーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の前処理剤として用いられる点に特徴がある。
この毛髪改質剤成分は、上記の不飽和ジカルボン酸のモノエステルであっても良いが、本発明の効果を良好に確保する上で、ジエステルであることが特に好ましい。
不飽和ジカルボン酸における二つのカルボキシル基のうちの一方又は双方のカルボキシル基が、炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成していることが必要である。毛髪改質剤成分が上記の不飽和ジカルボン酸のジエステルである場合、該不飽和ジカルボン酸の二つのカルボキシル基が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成している場合と、前記二つのカルボキシル基の一方のみが炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成し、もう一方のカルボキシル基は他のアルコールとエステル結合を形成している場合とがある。これらのうちでも、上記の不飽和ジカルボン酸のジエステルである毛髪改質剤成分、とりわけ不飽和ジカルボン酸の二つのカルボキシル基が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成している毛髪改質剤成分が好ましい。
本発明の前処理剤組成物におけるこれらのエステル化合物は、前記エステル結合を有するエステル化合物であればよく、対応するジカルボン酸及びアルコールから製造されるものに何ら限定されない。
不飽和ジカルボン酸における二つのカルボキシル基が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成しているエステル化合物は、例えば、不飽和ジカルボン酸又は不飽和ジカルボン酸無水物と、対応する長鎖アルコール化合物とをトルエンなどの共沸脱水可能な溶媒中で触媒を添加して脱水エステル化した後、溶媒を除去することにより得ることができる。
また、不飽和ジカルボン酸における二つのカルボキシル基の一方が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成し、もう一方のカルボキシル基が他のアルコールとエステル結合を形成しているエステル化合物は、例えば、不飽和ジカルボン酸又は不飽和ジカルボン酸無水物と、対応する2種類以上のアルコール化合物とをトルエンなどの共沸脱水可能な溶媒中で触媒を添加して脱水エステル化した後、蒸留又は適当な展開溶媒を用いたシリカゲルカラムにより分離精製することにより得ることができる。
炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸としては、少なくとも一方のカルボキシル基を構成する炭素原子が炭素−炭素不飽和結合を構成する炭素原子と単結合しているものが、より好ましい。炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸の好適な具体例として、フマル酸、マレイン酸、アセチレンジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、トランス−グルタコン酸、トランス,トランス−ムコン酸、シス,シス−ムコン酸等が挙げられる。中でも、マレイン酸が好ましい。
また、炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、1−トリデカノール、ミリスチルアルコール、1−ペンダデカノール、セチルアルコール、1−ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、1−ノナデカノール、アラキンアルコール、1−ヘンイコサノール、べヘニルアルコール、1−トリコサノール、1−テトラコサノール、2−ドデカノール、4−メチル−1−ドデカノール、2−トリデカノール,4−メチル−1−トリデカノール,2−テトラデカノール、4−メチル−1−テトラデカノール、2−ペンタデカノール、2−ヘキサデカノール、7−メチル−1−ヘキサデカノール、4−ヘプタデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクタデカノール、2−ノナデカノール、9−メチル−1−ノナデカノール、2−ドデセン−1−オール、8,10−ドデカジエン−1−オール、7−ドデシン−1−オール、2−トリデセン−1−オール、9−テトラデセン−1−オール、9,12−テトラデカジエン−1−オール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、11−イコセン−1−オール、5,8,11,14−イコサテトラエン−1−オール、13−ドコセン−1−オール、2,6,10−トリメチル−5,9−ウンデカジエン−1−オール、3,7,11,15−テトラメチル−2−ヘキサデセン−1−オール、3,7,11,15−テトラメチル−2,6,10,14−ヘキサデカテトラエン−1−オール等が挙げられる。なかでも、炭素数18〜22の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールが好ましく、更には、炭素数18〜22の直鎖状又は分岐状の不飽和アルコールが好ましく、とりわけオレイルアルコールが好ましい。毛髪改質剤成分の構成要素としてのこれらのアルコールは、単一種類のものが用いられても良く、毛髪改質剤成分がジエステルである場合において2種のものが用いられても良い。
更に、不飽和ジカルボン酸における二つのカルボキシル基の一方が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成し、もう一方のカルボキシル基が他のアルコールとエステル結合を形成しているエステル化合物の場合における、他のアルコールとしては、例えば炭素数1〜11のアルコール、好ましくは炭素数1〜8のアルコール、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、オクチルアルコール等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸における二つのカルボキシル基が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成しているエステル化合物としては、例えば前記不飽和ジカルボン酸と前記アルコールとのエステル化合物が挙げられ、具体的にはマレイン酸ジラウリル、マレイン酸ジミリスチル、マレイン酸ジセチル、マレイン酸ジステアリル、マレイン酸ジベヘニル、マレイン酸ジオレイル、マレイン酸ジリノレイル、マレイン酸ジリノレニル、マレイン酸ジ(11−イコセニル)、マレイン酸ジイソステアリル、マレイン酸ジ(3,7,11,15−テトラメチル−2−ヘキサデセニル)、マレイン酸(セチル)(オレイル)、マレイン酸(オレイル)(ステアリル)、マレイン酸(リノレイル)(オレイル)、マレイン酸(イコセニル)(オレイル)、マレイン酸(リノレニル)(オレイル)、マレイン酸(リノレニル)(リノレイル)、マレイン酸(リノレイル)(ステアリル)、フマル酸ジラウリル、フマル酸ジミリスチル、フマル酸ジセチル、フマル酸ジステアリル、フマル酸ジベヘニル、フマル酸ジイソステアリル、フマル酸ジオレイル、フマル酸ジリノレイル、フマル酸ジリノレニル、フマル酸ジ(11−イコセニル)、フマル酸ジ(3,7,11,15−テトラメチル−2−ヘキサデセニル)、フマル酸(セチル)(オレイル)、フマル酸(オレイル)(ステアリル)、フマル酸(リノレイル)(オレイル)、フマル酸(イコセニル)(オレイル)、フマル酸(リノレニル)(オレイル)、フマル酸(リノレニル)(リノレイル)、フマル酸(リノレイル)(ステアリル)、アセチレンジカルボン酸ジステアリル、アセチレンジカルボン酸ジオレイル、イタコン酸ジステアリル、イタコン酸ジオレイル、シトラコン酸ジステアリル、シトラコン酸ジオレイル、トランス−グルタコン酸ジステアリル、トランス−グルタコン酸ジオレイル、トランス,トランス−ムコン酸ジステアリル、トランス,トランス−ムコン酸ジオレイル、シス,シス−ムコン酸ジステアリル、シス,シス−ムコン酸ジオレイル等が挙げられる。なかでも毛髪表面のダメージ部分との親和性を考えるとマレイン酸ジラウリル、マレイン酸ジミリスチル、マレイン酸ジセチル、マレイン酸ジステアリル、マレイン酸ジベヘニル、マレイン酸ジイソステアリル、マレイン酸ジオレイル、マレイン酸ジリノレイル、マレイン酸ジリノレニル、マレイン酸ジ(11−イコセニル)、マレイン酸ジ(3,7,11,15−テトラメチル−2−ヘキサデセニル)、マレイン酸(セチル)(オレイル)、マレイン酸(オレイル)(ステアリル)、マレイン酸(リノレイル)(オレイル)、マレイン酸(イコセニル)(オレイル)、マレイン酸(リノレニル)(オレイル)、マレイン酸(リノレニル)(リノレイル)、マレイン酸(リノレイル)(ステアリル)といったジエステル化合物が好ましく、マレイン酸ジステアリル、マレイン酸ジオレイルが更に好ましい。更に、飽和あるいは不飽和アルコールといった点では、不飽和アルコールとのジエステル化合物の方が好ましい。
また、不飽和ジカルボン酸における二つのカルボキシル基の一方が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成し、もう一方のカルボキシル基が他のアルコールとエステル結合を形成しているエステル化合物としては、例えば、マレイン酸(エチル)(オレイル)、マレイン酸(エチル)(ステアリル)、マレイン酸(エチル)(イソステアリル)、マレイン酸(エチル)(セチル)、マレイン酸(オクチル)(オレイル)、マレイン酸(オクチル)(ステアリル)、マレイン酸(オクチル)(イソステアリル)等が挙げられる。
これらの毛髪改質剤成分は単一種類を配合してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。前処理剤組成物における毛髪改質剤成分の含有量は、ウェーブ均一性あるいはストレート効率を改善でき、かつ好ましい感触を与える点から好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.05〜10質量%、更に好ましくは0.1〜5質量%である。
(前処理剤組成物のその他の成分)
更に、本発明の前処理剤組成物には、その他の成分として、油性成分、界面活性剤、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、両性ポリマー、非イオン性ポリマー等の高分子化合物から選ばれる成分を配合することができる。
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与し指通り性を向上させる観点から配合されることが好ましく、具体的な成分としては、油脂類、ロウ類、高級アルコール、炭化水素、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、前記毛髪改質剤成分とは異なるエステル類、シリコーン等が挙げられる。
油脂類としては、例えばオリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、及び月見草油が挙げられる。ロウ類としては、例えばミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、及びラノリンが挙げられる。
高級アルコールとしては、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、及びラノリンアルコールが挙げられる。
炭化水素としては、例えばパラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、及びワセリンが挙げられる。高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、及びラノリン脂肪酸が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルとしては、例えばバチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、及びイソステアリルグリセリルエーテルが挙げられる。
エステル類としては、例えばアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、脂肪酸(C10−30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸セチル、酢酸ラノリン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、及びコハク酸ジオクチルが挙げられる。
シリコーン類としては、例えばジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、平均重合度が650〜10000の高重合未変性シリコーンもしくは高重合アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、及びフッ素変性シリコーンが挙げられる。ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えばPEG−12ジメチコンが挙げられる。アミノ変性シリコーンとしては、例えば(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、アミノプロピルジメチコン、アモジメチコンが挙げられる。
これらの油性成分は単独で配合してもよく、2種以上を組み合わせて配合してもよい。油性成分の含有量は限定されないが、例えば乳液状のものであれば0.5〜10質量%程度とすることができる。
特に上記油性成分の中でも、顕著に毛髪にうるおい感を付与し、指通り性を向上させる成分としては、油脂類とシリコーン類との組合せが効果的である。油脂類としては、ブドウ種子油、アボカド油、マカデミアナッツ油、オリーブ油及び月見草油といった植物油が好ましく、シリコーン類の中では、平均重合度が2000〜10000の高重合アミノ変性シリコーンあるいは高重合未変性シリコーンを配合することで指通り性を向上させることができる。またその含有量は、固形分として、全組成中の0.01〜10質量%、更に0.05〜7.5質量%、特に0.1〜5質量%の範囲が好ましい。
界面活性剤は、組成物の乳化剤又は組成物中の各成分の可溶化剤として組成物の安定性を保持するために好適に配合される。前処理剤組成物における界面活性剤の含有量は限定されないが、例えば、0.05〜50質量%程度とすることができる。界面活性剤としては、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。イオン性界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、例えばアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、及びスルホコハク酸エステルが挙げられる。アルキルエーテル硫酸塩としては、例えばラウレス硫酸ナトリウムが挙げられる。N−アシルアミノ酸型界面活性剤としては、例えばN−ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウムが挙げられる。これらの界面活性剤のアニオン基の対イオンとしては、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、及びトリエタノールアミンが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルケニルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ジアルケニルジメチルアンモニウム塩、ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、及びアルキロイルアミドプロピルジメチルアミンが挙げられる。アルキルトリメチルアンモニウム塩としては、例えば塩化ステアリルトリメチルアンモニウムが挙げられる。ジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムが挙げられる。これらの界面活性剤のカチオン基の対イオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、アルキル硫酸イオン、及びサッカリンが挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、及びココアンホ酢酸ナトリウムが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルサッカライド界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミド、及びアルキルアミンオキサイドが挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えばラウレス、セテス、ステアレス、及びパレスが挙げられる。これらの界面活性剤の具体例は、単独で使用されてもよく、二種以上を組み合わせて使用されてもよい。
カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、両性ポリマー、非イオン性ポリマーは、一般的に高分子化合物として知られている。前処理剤組成物におけるこれらの高分子化合物の含有量は限定されないが、例えば、0.1〜5質量%程度とすることができる。具体的な高分子化合物としては以下のようなものがある。
カチオン性ポリマーは、ポリマー鎖に結合したアミノ基又はアンモニウム基を含むか、又は少なくともジメチルジアリルアンモニウムハライドを構成単位として含む水溶性のものであり、例えばカチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル4級アンモニウム塩重合物、ジアリル4級アンモニウム塩・アクリルアミド共重合物及び4級化ポリビニルピロリドン誘導体などが挙げられる。
カチオン化セルロース誘導体の市販品としては、ライオン(株)の商品名「レオカードG」,「同GP」、ユニオンカーバイド社のポリマー「JR−125」,「JR−400」,「JR−30M」,「LR−400」,「LR−30M」等が挙げられる。その他のカチオン化セルロース誘導体としてはヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドが挙げられ、市販品としてはナショナルスターチアンドケミカル社の商品名「セルコートH−100」,「L−200」等が挙げられる。カチオン化グアーガム誘導体としては、例えば、RHONE−POULENC杜の商品名「ジャガーC−13S」,「同−14S」,「同−17」,「同−210」,「同−162」,「HI−CARE1000」として市販されている。ジアリル4級アンモニウム塩重合物としては、市販品としてオンデオ・ナルコ社の商品名「マーコート100」等が挙げられる。カチオン性のジアリル4級アンモニウム塩・アクリルアミド共重合物としては、市販品としては、オンデオ・ナルコ社の商品名「マーコート2200」,「同550」等が挙げられる。4級化ポリビニルピロリドン誘導体としては、分子量1万〜200万のものが好ましく、市販品としては、アイエスピー・ジャパン(株)の商品名「ガフコート734」,「同755」,「同755N」等が挙げられる。
その他、有用なカチオン性ポリマーとしては、塩化メタクリル酸エステル重合体類が挙げられ、具体的には2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド共重合体、塩化メタクリル酸コリン重合体等が挙げられる。塩化メタクリル酸エステル重合体類を含有する市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「サルケア SC95」,「同SC96」、日本油脂(株)製の「リピジュアHM」,「同PMB」,「同C」等が挙げられる。これらのカチオン化ポリマーは単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
アニオン性ポリマーとしては、例えば、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体カリウム塩液、アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル・ジアセトンアクリルアミド・メタクリル酸共重合体液、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン液、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ブチルアミノエチル、アクリル酸オクチルアミドの共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・プロピオン酸ビニル共重合体、メチルビニルエーテル・マレイン酸モノブチルエステル共重合体等が挙げられる。
両性ポリマーとしては、N−メタクリロイルエチルN,N−ジメチルアンモニウムα−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体(市販名「ユカフォーマーAM−75」;三菱化学(株)製)、アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル・アクリル酸オクチルアミド共重合体(市販名「アンフォマー28−4910」;ナショナルスターチ社製)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体(市販名「マーコート280」,「同295」;オンデオ・ナルコ社製)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸のターポリマー(市販名「マーコートプラス3330」,「同3331」;オンデオ・ナルコ社製)、アクリル酸・アクリル酸メチル・塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム共重合体(市販名「マーコート2001」;オンデオ・ナルコ社製)等が挙げられる。
非イオン性ポリマーの種類は限定されないが、例えば、天然系、半合成系及び合成系のものが挙げられる。天然系非イオン性ポリマーとしては、セルロース、グアーガム、寒天、デンプン・加水分解デンプン及びデキストリン等が挙げられる。また、半合成系非イオン性ポリマーとしては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。更に、合成系非イオン性ポリマーとしては、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸アミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン(以下、POEという)ポリオキシプロピレン(以下、POPという)共重合体、POE・POPブチルエーテル、POE・POPヘキシレングリコールエーテル、POPブチルエーテル、ポリビニルピロリドン、POEモノステアレート及びPOEジステアレート等が挙げられる。
本発明の前処理剤組成物には、前記成分のほか、通常の毛髪化粧料に用いられる成分を目的に応じて適宜配合できる。このような成分としては、例えば、溶剤、抗フケ剤、ビタミン剤、防腐剤、抗炎症剤、キレート剤、染料、顔料等の着色剤、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、粘土鉱物等の粘度調整剤、クエン酸、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、水酸化ナトリウム等のpH調整剤、加水分解ケラチン、加水分解コラーゲン、加水分解小麦タンパク等の加水分解PPT類、グリシン、アラニン、グルタミン酸、テアニン等のアミノ酸及びその誘導体、ビタミンA,B,C等のビタミン類及びその誘導体、イノシトール、キシリトール等の糖アルコール類、還元剤、酸化剤、植物・動物・微生物から抽出されるエキス類、パール化剤、香料、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、噴射剤等が挙げられる。これらの具体的な成分としては、例えば、化粧晶原料基準、化粧品種別配合成分規格、法定色素ハンドブック、日本化粧品工業速合会成分表示名称リスト、INCI辞書(The International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)、医薬部外品原料規格、医薬部外晶原料規格2006、日本薬局方、医薬品添加物規格、食品添加物公定書等に収載されている成分が挙げられる。
本発明の前処理剤組成物のpHは、1種類のpH調整剤を用いる、もしくは緩衝作用を有する有機酸又は無機酸及びその塩を用いたpH緩衝剤により、pH3〜10、更にはpH4.5〜8.5の間で調整されるのが好ましい。特には、pH6.0〜8.0の間で調整するのがより好ましい。pH緩衝剤として用いられる有機酸としては、例えばクエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、レブリン酸等を挙げることができ、無機酸としては、例えばリン酸、硫酸、硝酸等を挙げることができる。また、これらの酸の塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。
本発明の前処理剤組成物は、液体、乳液状、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、複合エマルジョン、マイクロエマルジョン、スプレー、ゲル、フォーム、顆粒、ローション、クリーム状等の剤型にすることが可能である。また、使用時に混合する用時調製タイプとすることもできる。
〔パーマネントウェーブ又は縮毛矯正の前処理方法〕
パーマネントウェーブ又は縮毛矯正の前処理方法は、パーマネントウェーブ処理又は縮毛矯正処理前に、上記したいずれかのパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用前処理剤組成物による前処理を行う。
このような前処理方法においては、第1発明に関して前記した効果が発揮され、毛髪の表面の均一化と毛髪に対する処理薬剤の過剰浸透防止効果とが向上する。従って、ウェーブ効果又は縮毛矯正効果の均一性が向上すると共にパーマネントウェーブ又は縮毛矯正施術後の毛髪の柔軟性、指通り性、まとまり易さ等の感触が良好となり、その効果の持続性にも優れる
このような前処理方法の実施にあたり、本発明の前処理剤組成物は、毛髪に適用した後に水や温水で洗い流して使用してもよく、毛髪に付着した同組成物を水や温水で洗い流さないで使用してもよい。あるいは、本発明の前処理剤組成物を毛髪に塗布後、加温することにより、当該成分の毛髪表面への反応性や毛髪内部への浸透を促進することができる。加温には、加温器具(ドライヤー、加温機、スチーマー、高温整髪用アイロン、加温ロット、自己発熱式器具等)による加温放置をしても差し支えなく、その放置時間は1〜30分程度が適当である。また、高温整髪用アイロンを用いて加温する場合は、一箇所あたりの毛髪との接触時間は2秒から1分程度が適当である。
以下に本発明の実施例を説明する。本発明の技術的範囲は以下の実施例によって限定されない。
〔実施例1〜6及び比較例1〜3〕
末尾の表1に示す組成のパーマネントウェーブ用前処理剤組成物(実施例1〜6及び比較例1〜3)を常法により乳液状に調製し、ウェーブの均一性及びその持続性、並びに仕上がり後の毛髪の感触を評価するための試験を行った。それらの試験結果は表1にまとめて示す。
表1及び他の表において成分の数値は質量%を示す。表1中、「pH調整剤(80%モノエタノールアミン又はリン酸)」と表記した欄は「80%モノエタノールアミン又はリン酸にてpH=7.0に調整した」ことを示し、「セルコートL−200」とはナショナルスターチアンドケミカル社製の「ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド」を意味し、「高重合ジメチルポリシロキサン」としてはモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の「シリコーンXF49−B7082」を用いている。
<評価用毛束の作成>
ウェーブの均一性及びその持続性の評価のために、パーマ、ヘアカラー等の化学処理を行っていない日本人女性の毛髪を用いて、長さ20cm、重さ0.5gの毛束を作り、毛先から14cmまでの部分にブリーチ処理(ホーユー(株)製、プロマスターLT使用;1回処理)を行い、更にこのブリーチ処理部に対し、毛先から7cmまでの部分にパーマ処理(ホーユー(株)製、フィットミーウェーブ35使用;1回処理)を行った2段階処理の毛束を評価用毛束とした。
また、感触評価用に、上記と同様に長さ20cm、重さ5gの毛束を準備し、上記と同様な処理を行った。
<ウェーブ効果の均一性の評価>
上記したウェーブの均一性評価用の毛束をシャンプー(ホーユー(株)製、プロマスター カラーケアシャンプー使用)し、タオルドライした後、実施例1〜6及び比較例1〜3の前処理剤組成物0.5gをそれぞれ均一に塗布して5分間放置した。この毛束をパーマ用ロッド(直径2cm)に巻きつけた後、この毛束にパーマ第1剤(ホーユー(株)製、プロマスターウェーブ LA/T使用)1gを塗布し、37℃の恒温槽で15分間放置した。次いで微温湯で30秒間水洗し、タオルドライした後、パーマ第2剤(同パーマ剤)1gを塗布し、室温にて15分間放置した。最後に、毛束をロッドから外して、微温湯で30秒間水洗し、パーマ処理を終了した。
次に、毛束を水で濡らした状態で静かに平らな場所に置き、形成するカールの直径の最大値(Cmax)と最小値(Cmin)を測定し、下記式によりウェーブの均一度を算出した。なお、この評価は、上記の実施例1〜6及び比較例1〜3についてそれぞれ3本の毛束を用いて行い、ウェーブ均一度の平均値を算出した。
ウェーブ均一度(%)=(Cmin/Cmax)×100
得られたウェーブ均一度の平均値について、85%以上を「5点」、70%以上85%未満を「4点」、60%以上70%未満を「3点」、50%以上60%未満を「2点」、50%未満を「1点」とした。均一度が低ければ、毛先部分がウェーブがかかり過ぎた状態になっており、ダメージ部分に対し十分な減力効果がなく、ウェーブが不均一なものと判断した。
<ウェーブ均一性の持続性の評価>
前記のウェーブ効果の均一性の評価で使用した毛束を1質量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液に浸し、60℃で1時間放置(以下、この操作を虐待テストという)した後、水で軽くすすいだ。ウェーブの均一性については、前述のウェーブ効果の均一性の評価と同様、虐待テスト後に得られたカールの直径を測定し、ウェーブ均一度の算出式に当てはめて虐待テスト後のウェーブ均一度を算出した。得られた虐待後のウェーブ均一度の平均値について、85%以上を「5点」、70%以上85%未満を「4点」、60%以上70%未満を「3点」、50%以上60%未満を「2点」、50%未満を「1点」とした。
<仕上がり後の手触り感(柔軟性、指通り性、まとまり易さ)の評価>
上記した感触評価用の毛束に対して、実施例1〜6及び比較例1〜3の前処理剤組成物の使用を含む前記のウェーブ処理を行い、仕上がり後の手触り感(柔軟性、指通り性、まとまり易さ)について評価を行った。専門のパネラーにより、比較例3を対照として、非常に良好を「5点」、良好を「4点」、比較例3と同等を「3点」、やや不良を「2点」、不良を「1点」とした。
表1に示す評価結果から、本発明品は、パーマ処理する毛髪に対して事前に処理することで、損傷部分と健康部分へ均一に吸着し、効果の均一性ならびに感触面でも改良することが確認できた。
〔実施例7〜9及び比較例4〜6〕
末尾の表2に示す実施例7〜9及び比較例4〜6に係る組成の縮毛矯正用前処理剤組成物を常法によりクリーム状に調製し、ストレート効率並びに仕上がり後の毛髪の感触及びその持続性を評価するための試験を行った。それらの試験結果は表2にまとめて示す。
表2中の「pH調整剤(80%モノエタノールアミン又はリン酸)」と表記した欄は表1の場合と同じ意味であり、「エルデュウ PS−203」とは味の素株式会社製の「N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)」を意味し、「高重合ジメチルポリシロキサン」としては表1と同じものを用いている。
<評価用毛束の作成>
ストレート効率の評価のために、パーマ、ヘアカラー、縮毛矯正等の化学処理を行っていない縮れの強い縮毛を用い、その縮れの程度がなるべく均一になるようにしつつ、長さ10cm(自然な状態での長さ)、重さ1.0gの毛束を作成した。毛先から5cmまでの部分にブリーチ処理(ホーユー(株)製、プロマスターLT使用;1回処理)を行い、評価用毛束とした。
また、感触及びその持続性の評価用には、上記と同様に長さ15cm、重さ3gの毛束を準備し、同様な処理を行った。
<ストレート効率の評価>
評価用毛束をシャンプー(ホーユー(株)製、プロマスター カラーケアシャンプー使用)し、タオルドライした後、実施例7〜9及び比較例4〜6に係る前処理剤組成物1gをそれぞれ均一に塗布して5分間放置した。この毛束にストレートパーマ第1剤(ホーユー(株)製、アンティエ VCストレートナー使用)2gを塗布し、37℃の恒温槽で15分間放置した。次いで微温湯で30秒間水洗し、タオルドライした後、ドライヤーで軽く乾燥し、高温整髪用アイロン(温度180℃)を用いて、1箇所2秒間隔でアイロンプレスを行った。次に、第2剤(同ストレートパーマ剤)2gを塗布し、室温にて15分間放置した。最後に、微温湯で30秒間水洗し、ストレートパーマ処理を終了した。
上記ストレートパーマ処理した毛束の一端をパネルに固定して垂らし、その状態での全長を測定して、下記式によりストレート効率を求めた。
ストレート効率(%)={(a−b)/(c−b)}×100
a:ストレートパーマ処理後の毛束の全長(mm)
b:ストレートパーマ処理前の毛束の自然な状態での全長(mm)
c:ストレートパーマ処理前の毛束を真っ直ぐに伸ばした状態の全長(mm)
得られたストレート効率について、85%以上を「5点」、70%以上85%未満を「4点」、60%以上70%未満を「3点」、50%以上60%未満を「2点」、50%未満を「1点」とした。
<仕上がり後の手触り感(柔軟性、指通り性、まとまり易さ)の評価>
上記した感触及びその持続性の評価用の毛束に対して、実施例7〜9及び比較例4〜6に係る前処理剤組成物の使用を含む前記のストレートパーマ処理を行い、仕上がり後の手触り感(柔軟性、指通り性、まとまり易さ)について評価を行った。専門のパネラーにより、比較例6を対照として、非常に良好を「5点」、良好を「4点」、比較例6と同等を「3点」、やや不良を「2点」、不良を「1点」とした。
<感触性能の持続性の評価>
前記の仕上がり後の手触り感の評価を行った毛束を用い、シャンプー2回、コンディショナー1回を1セットとしたヘアケア処理を14回繰返し、その後の毛束の感触を評価を行った。専門のパネラーにより、比較例6を対照として、非常に良好を「5点」、良好を「4点」、比較例6と同等を「3点」、やや不良を「2点」、不良を「1点」とした。
以上の評価の結果から、本発明品は、縮毛矯正処理する毛髪に対して事前に処理することで、損傷部分と健康部分へ均一に吸着し、効果の均一性、持続性ならびに感触面での改良や感触面の持続性も向上することが確認できた。
〔実施例10:混合型(2剤式)クリーム状前処理剤(ウェーブ用)〕
末尾の表3に組成を示すクリームA剤と、末尾の表4に組成を示すオイルB剤とを、質量比5:1の割合で使用直前に混合して、混合型クリーム状の前処理剤を調製した。なお、このクリームA剤は、pH調整剤によりpH6.0に調整したものである。この混合型クリーム状の前処理剤を、パーマ用前処理剤としてウェーブ評価用の毛束に使用してから、その毛束に対してパーマ剤(ホーユー(株)製、ルテアTG)でパーマ処理を行った結果、ウェーブの均一性があり、毛先のダメージ感、チリツキ感もなく、良好な仕上がりであった。
〔実施例11:非水系液状前処理剤(縮毛矯正用;1剤式)〕
末尾の表5に組成を示す非水系液状前処理剤(オイルトリートメント)を常法により調製した。表5中の「高重合ジメチルポリシロキサン」としては表1と同じものを用いている。このオイルトリートメントを、縮毛矯正用前処理剤として縮毛矯正評価用の毛束に使用してから、その毛束に対して市販の縮毛矯正剤(ホーユー(株)製、アンティエVCストレートナー)で縮毛矯正処理を行った結果、ストレート効果、均一性にも優れ、仕上がり時のべたつき感もなく、良好であった。
〔実施例12:乳液状前処理剤(ウェーブ用;1剤式)〕
末尾の表6に組成を示す乳液状前処理剤を常法により調整した。表6中、「pH調整剤(80%モノエタノールアミン又はリン酸)」と表記した欄は表1の場合と同じ意味であり、「セルコートL−200」も表1に関して説明した通りであり、「高重合ジメチルポリシロキサン」としては表1と同じものを用い、「高重合アミノ変性シリコーン」としては信越化学工業(株)製の「シリコーンKF8017」を用いている。
この前処理剤は、実施例1の処方に高重合アミノ変性シリコーンを添加したものであるが、パーマ用前処理剤としてウェーブ評価用の毛束に使用してから、その毛束に対して市販のパーマ剤(ホーユー(株)製、プロマスターウェーブ LA/T使用)でパーマ処理を行った結果、ウェーブ均一性や持続性に優れ、仕上がりの手触り感も良好であった。また、その評価は実施例1を凌ぐ結果であった。
〔実施例13:クリーム状前処理剤(縮毛矯正用;1剤式)〕
末尾の表7に組成を示すクリーム状前処理剤を常法により調整した。表7中、「pH調整剤(80%モノエタノールアミン又はリン酸)」と表記した欄は表1の場合と同じ意味であり、「エルデュウ PS−203」は表2に関して説明した通りであり、「高重合ジメチルポリシロキサン」としては表1と同じものを用い、「高重合アミノ変性シリコーン」としては、表6の場合と同じものを用いている。
この前処理剤は、実施例7の処方に、高重合アミノ変性シリコーン、L−テアニンを追加配合したものであるが、縮毛矯正剤前処理剤として 縮毛矯正剤評価用の毛束に使用してから、その毛束に対して市販の縮毛矯正剤(ホーユー(株)製、アンティエVCストレートナー)で縮毛矯正処理を行った結果、ストレート効果、均一性共に優れ、仕上がり時の手触り感も滑り性が良く、また弾力性があり良好であった。その評価は実施例7を凌ぐ結果であった。
本発明によって、パーマネントウェーブ又は縮毛矯正の施術による毛髪の損傷を防止し、施術後の毛髪に柔軟性、指通り性、まとまり易さを付与すると共に、損傷した毛髪に対しても、均一で良好なウェーブ形成又は縮毛矯正をすることができるパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用の前処理剤組成物が提供される。

Claims (3)

  1. 炭素数4〜6の不飽和ジカルボン酸と、炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとのエステル化合物の1種以上を含有することを特徴とするパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用前処理剤組成物。
  2. 前記エステル化合物がジエステル化合物であり、かつ不飽和ジカルボン酸の一方又は双方のカルボキシル基が炭素数12〜24の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコールとエステル結合を形成していることを特徴とする請求項1に記載のパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用前処理剤組成物。
  3. 前記不飽和ジカルボン酸が、少なくとも一方のカルボキシル基を構成する炭素原子が炭素−炭素不飽和結合を構成する炭素原子と単結合しているものであることを特徴とする請求項1又請求項2に記載のパーマネントウェーブ用又は縮毛矯正用前処理剤組成物。
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