JP2009256058A - クレーン機能付きの油圧ショベル - Google Patents
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Abstract
【課題】クレーン機能付きの油圧ショベルにおいて、走行とブーム上昇とを連動させる場合に、吊り荷重が大きいと、高負荷側のブーム上昇速度が大きく低下してしまうことを回避する。
【解決手段】クレーン作業時に、各種油圧アクチュエータノ油圧供給源になる第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量を制限する一方、クレーン作業時であっても走行とブーム上昇とを連動させる場合には、第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量を、吊り荷の荷重に応じて増加させるように構成した。
【選択図】図5
【解決手段】クレーン作業時に、各種油圧アクチュエータノ油圧供給源になる第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量を制限する一方、クレーン作業時であっても走行とブーム上昇とを連動させる場合には、第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量を、吊り荷の荷重に応じて増加させるように構成した。
【選択図】図5
Description
本発明は、フロント作業部の先端側に、クレーン作業を行なうフックが装着されたクレーン機能付きの油圧ショベルの技術分野に属するものである。
一般に、油圧ショベルは、下部走行体に旋回自在に支持される上部旋回体に、ブーム、アーム、バケットからなるフロント作業部を備えて構成されるが、さらに、該フロント作業部の先端側に、吊り荷を吊り下げるためのフックを着脱自在に装着して、前記バケットによる掘削、積込等の通常作業に加えて、フックを用いてのクレーン作業を行うことができるように構成したクレーン機能付きの油圧ショベルが知られている。このものにおいて、クレーン作業時に、走行速度や旋回速度、或いはブームやアームの作動速度が速いと、吊り荷や車体のバランスをとりづらく、安定した作業を行うことが難しい。このため、オペレータは、クレーン作業時には、走行モータ、旋回モータ、ブームシリンダ、アームシリンダ等の油圧アクチュエータの作動速度を遅くするべく、各油圧アクチュエータ用操作具を微操作しなければならず、操作性に劣るという問題があった。
そこで、従来、クレーン作業時に、エンジン回転数を低下させたり、油圧ポンプの吐出流量を制限したりすることで、クレーン作業時における油圧アクチュエータの作動速度を低下させるように構成した技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
特開2003−118975号公報
特開2005−330674号公報
そこで、従来、クレーン作業時に、エンジン回転数を低下させたり、油圧ポンプの吐出流量を制限したりすることで、クレーン作業時における油圧アクチュエータの作動速度を低下させるように構成した技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
ところで、前記クレーン作業時において、走行しながらブームを上昇させる場合があるが、この場合、走行とブーム上昇との連動は多くのポンプ流量を必要とする高負荷作業であり、しかも、ブーム上昇には、フロント作業部の自重に加えて吊り荷の荷重が負荷圧としてかかるため、吊り荷の荷重が大きいほど多くのポンプ流量が必要になる。このため、前記特許文献1、2のように、クレーン作業時にエンジン回転数を低下させたり油圧ポンプの吐出流量を制限したりしていると、吊り荷の荷重が大きい場合には、走行とブーム上昇とを同時に行なう連動時にポンプ流量が不足し、特に、高負荷側のブームシリンダへの圧油供給量が不足して、所期のブーム上昇速度を確保できず、作業性に劣るという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、ブームを備えたフロント作業部の先端側に、クレーン作業を行なうフックを装着してなるクレーン機能付きの油圧ショベルにおいて、該油圧ショベルの油圧制御回路に、油圧ショベルに設けられる走行モータやブームシリンダ等の各種油圧アクチュエータの油圧供給源になる油圧ポンプと、クレーン作業時に該油圧ポンプの吐出流量を制限するクレーン作業時ポンプ制御手段と、前記フックに吊り下げた吊り荷の荷重を検出する荷重検出手段と、ブームの上昇側操作を検出するブーム上昇検出手段と、油圧ショベルの走行操作を検出する走行検出手段とを設けると共に、前記クレーン作業時ポンプ制御手段は、ブーム上昇検出手段によりブームの上昇側操作が検出され、且つ、走行検出手段により走行操作が検出された場合に、クレーン作業時における油圧ポンプの吐出流量を、前記荷重検出手段により検出される吊り荷の荷重に応じて増加せしめることを特徴とするクレーン機能付きの油圧ショベルである。
請求項2の発明は、クレーン作業時ポンプ制御手段は、吊り荷の荷重に対する油圧ポンプの吐出流量の設定値を、オペレータが操作する調整用操作具の操作に基づいて変更できるポンプ流量設定手段を有することを特徴とする請求項1に記載のクレーン機能付きの油圧ショベルである。
請求項2の発明は、クレーン作業時ポンプ制御手段は、吊り荷の荷重に対する油圧ポンプの吐出流量の設定値を、オペレータが操作する調整用操作具の操作に基づいて変更できるポンプ流量設定手段を有することを特徴とする請求項1に記載のクレーン機能付きの油圧ショベルである。
請求項1の発明とすることにより、クレーン作業時ポンプ制御手段によってクレーン作業時における油圧ポンプの吐出流量を制限し、これにより油圧ショベルに設けられる各種油圧アクチュエータの作動速度を抑えて、安定したクレーン作業を行なうことができるものでありながら、クレーン作業時であっても走行とブーム上昇とを連動させる場合には、油圧ポンプの吐出流量が吊り荷の荷重に応じて増加することになり、よって、クレーン作業時に走行とブーム上昇とを連動させる場合に、吊り荷の荷重が大きくても、高負荷側のブームシリンダへの圧油供給量が不足してブームの上昇速度が大きく低下してしまうような不具合を回避できて、所期のブーム上昇速度を確保できることになり、作業性の向上に寄与できる。
請求項2の発明とすることにより、クレーン作業時において走行とブーム上昇とを連動させる場合に高負荷側であるブーム上昇速度を、オペレータが自身の技量や好みに合わせて調整できることになり、更なる作業性の向上に寄与できる。
請求項2の発明とすることにより、クレーン作業時において走行とブーム上昇とを連動させる場合に高負荷側であるブーム上昇速度を、オペレータが自身の技量や好みに合わせて調整できることになり、更なる作業性の向上に寄与できる。
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1はクレーン機能付きの油圧ショベルであって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3に装着されるフロント作業部4等の各部から構成されており、さらに該フロント作業部4は、基端部が上部旋回体3に上下揺動自在に支持されるブーム5、該ブーム5の先端部に前後揺動自在に連結されるアーム6、該アーム6の先端部に揺動自在に連結されるバケット7、上記ブーム5、アーム6、バケット7をそれぞれ揺動せしめるブームシリンダ8、アームシリンダ9、バケットシリンダ10等の各種部材から構成されている等の基本的構成は従来通りであるが、さらに、上記バケット7とバケットシリンダ10とを連結するバケットリンク11には、吊り荷を吊り下げるためのフック12が取付けられていて、バケット7による掘削、積込等の通常作業に加えて、フック12を用いたクレーン作業を行うことができるようになっている。
ここで、前記ブームシリンダ8は、ヘッド側油室8aへの油供給およびロッド側油室8bからの油排出で伸長してブーム5を上動せしめ、また、ロッド側油室8bへの油供給およびヘッド側油室8aからの油排出で縮小してブーム5を下動せしめるように構成されている。
一方、図2に前記油圧ショベル1の油圧回路図を示すが、該図2において、13、14はエンジンEにより駆動する可変容量型の第一、第二メインポンプ、13a、14aは第一、第二メインポンプ13、14の流量を制御するレギュレータ、15はパイロットポンプ、16は油タンクである。また、8、9、10、17、18、19は、前記第一、第二メインポンプ13、14を油圧供給源とする油圧アクチュエータであって、8はブームシリンダ、9はアームシリンダ、10はバケットシリンダ、17は左側走行モータ、18は右側走行モータ、19は旋回モータである。尚、前記第一、第二メインポンプ13、14は、本発明の油圧ポンプに相当する。
また、20〜26は前記各油圧アクチュエータ用のコントロールバルブであって、これらコントロールバルブ20〜26は、対応する油圧アクチュエータ用操作具の操作に基づいて各油圧アクチュエータに対する対する油給排制御をそれぞれ行なうバルブであるが、本実施の形態では、右側走行用、バケット用、第一ブーム用の各コントロールバルブ20、21、22は、第一メインポンプ13の吐出ラインに配設される一方、左側走行用、旋回用、アーム用、第二ブーム用の各コントロールバルブ23、24、25、26は、第二メインポンプ14の吐出ラインに配設されている。
ここで、前記第一ブーム用コントロールバルブ22は、伸長側、縮小側のパイロットポート22a、22bを備えた三位置切換弁であって、両パイロットポート22a、22bにパイロット圧が入力されていない状態では、ブームシリンダ8に対する油の給排制御を行なわない中立位置Nに位置しているが、伸長側パイロットポート22aにパイロット圧が入力されることにより、第一メインポンプ13の吐出油をブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給すると共に、ロッド側油室8bからの排出油を油タンク16に流す伸長側作動位置Xに切換り、また、縮小側パイロットポート22bにパイロット圧が入力されることにより、第一メインポンプ13の吐出油をロッド側油室8bに供給すると共に、ヘッド側油室8bからの排出油を油タンク16に流す縮小側作動位置Yに切換わるように構成されている。
また、第二ブーム用コントロールバルブ26は、伸長側パイロットポート26aを備えた二位置切換弁であって、伸長側パイロットポート26aにパイロット圧が入力されていない状態では、ブームシリンダ8に対する油の給排制御を行なわない中立位置Nに位置しているが、伸長側パイロットポート26aにパイロット圧が入力されることにより、第二メインポンプ14の吐出油をブームシリンダ8のヘッド側油室8aに供給する伸長側作動位置Xに切換わるように構成されている。
一方、27はブーム用操作レバー28の操作に基づいてパイロット圧を出力するパイロットバルブであって、該パイロットバルブ27は、ブーム用操作レバー28が下降側に操作された場合には、第一ブーム用コントロールバルブ22の縮小側パイロットポート22bにパイロット圧を出力し、また、上昇側に操作された場合には、第一ブーム用コントロールバルブ22および第二コントロールバルブ26の伸長側パイロットポート22a、26aにパイロット圧を出力する。而して、ブーム5の下降時には、縮小側作動位置Yの第一ブーム用コントロールバルブ22を経由して、第一メインポンプ13の吐出油がブームシリンダ8に供給される一方、ブーム5の上昇時には、伸長側作動位置Xの第一、第二ブーム用コントロールバルブ22、26を経由して、第一、第二の両方のメインポンプ13、14の吐出油がブームシリンダ8に供給されるようになっている。
ここで、前記パイロットバルブ27から出力されるパイロット圧は、ブーム用操作レバー28の操作量に対応して増減すると共に、該パイロット圧の増減に対応して第一、第二ブーム用コントロールバルブ22、26のスプールの移動ストロークが増減するようになっている。また、前記右側走行用、バケット用、左側走行用、旋回用、アーム用の各コントロールバルブ20、21、23、24、25も、前述した第一、第二ブーム用コントロールバルブ22、26と同様に、操作具の操作に基づいてパイロットバルブ(図示せず)から出力されるパイロット圧によって、中立位置Nから作動位置XまたはYに切換わる切換弁で構成されている。
さらに、前記各コントロールバルブ20〜26には、第一、第二メインポンプ13、14から供給される圧油を、第一、第二絞り29、30を経由して油タンク16に流すセンタバイパス弁路20c〜26cが形成されている。これらセンタバイパス弁路20c〜26cの通過流量は、各コントロールバルブ20〜26が中立位置Nのときに最も大きく、スプールの移動ストロークが大きくなるほど小さくなる、つまり、油圧アクチュエータ用操作具の操作量が増加するほどセンタバイパス弁路20c〜26cの通過流量が減少するように制御される。そして、前記第一、第二絞り29、30の上流側の圧力は、第一、第二センタバイパス信号圧Ps1、Ps2として、後述する第一、第二シャトル弁31、32の一方の入力ポート31a、32aに入力されるように構成されている。
前記第一、第二シャトル弁31、32は、一方の入力ポート31a、32aから入力される第一、第二センタバイパス信号圧Ps1、Ps2と、後述する第一、第二ポンプ制御用電磁比例減圧弁33、34から他方の入力ポート31b、32bに入力される信号圧とのうち高圧側を選択し、該選択した信号圧を第一、第二メインポンプ13、14のレギュレータ13a、14aに出力する。そして、該レギュレータ13a、14aは、第一、第二シャトル弁31、32から入力される信号圧が高いときには第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量を少なくし、信号圧が低くなるほど吐出流量を多くする、所謂ネガティブ流量制御を行なうように構成されている。
前記第一、第二ポンプ制御用電磁比例減圧弁33、34は、後述するコントローラ35から出力される制御信号に基づいて、クレーン用信号圧Pcを第一、第二シャトル弁31、32に出力する。ここで、クレーン用信号圧Pcとは、クレーン作業時における第一、第二メインポンプの吐出流量を制限するために設定される信号圧であるが、該クレーン用信号圧Pcは、後述するように、油圧ショベル1の行なう作業や吊り荷の荷重Wに応じて異なるように設定される。
一方、前記コントローラ35は、図3のブロック図に示す如く、入力側に、ブームシリンダ8のヘッド側油室8aの圧力を検出するヘッド側圧力センサ36、ブームシリンダ8のロッド側油室8bの圧力を検出するロッド側圧力センサ37、ブーム5の上部旋回体3に対する揺動角度を検出するブーム角度センサ38、アーム6のブーム5に対する揺動角度を検出するアーム角度センサ39、ブーム上昇検出手段40、走行検出手段41、作業モード選択スイッチ42、速度調整ダイヤル43が接続され、また、出力側に、前記第一、第二ポンプ制御用電磁比例減圧弁33、34が接続されている。
ここで、前記ブーム上昇検出手段40は、ブーム5の上昇操作を検出するための手段であって、例えば、ブーム用操作レバー28の上昇側操作に基づいてパイロットバルブ27から第一、第二ブーム用コントロールバルブ22、26の伸長側パイロットポート22a、26aに出力されるパイロット圧を検出する圧力センサにより構成される。
また、走行検出手段41は、下部走行体2の走行操作を検出するための手段であって、例えば、図示しない走行用操作具(レバー或いはペダル)の操作に基づいてパイロットバルブ(図示せず)から左側走行用コントロールバルブ23、右側走行用コントロールバルブ20に出力されるパイロット圧を検出する圧力センサにより構成される。
さらに、作業モード選択スイッチ42は、バケット7を用いて掘削、積込等の通常作業を行なうときの「通常作業モード」と、フック12を用いてクレーン作業を行なうときの「クレーン作業モード」とを、オペレータが作業に応じて選択するためのスイッチである。
さらにまた、速度調整ダイヤル43は、本発明の調整用操作具に相当するものであって、クレーン作業時において、ブーム上昇と走行とを同時に行なう場合に、ブーム5の上昇速度をオペレータが調整したいときに操作されるダイヤルである。尚、該速度調整ダイヤル43や前記作業モード選択スイッチ42は、例えば、油圧ショベル1の運転室に設けられるモニタ装置(図示せず)に配設されている。
また、走行検出手段41は、下部走行体2の走行操作を検出するための手段であって、例えば、図示しない走行用操作具(レバー或いはペダル)の操作に基づいてパイロットバルブ(図示せず)から左側走行用コントロールバルブ23、右側走行用コントロールバルブ20に出力されるパイロット圧を検出する圧力センサにより構成される。
さらに、作業モード選択スイッチ42は、バケット7を用いて掘削、積込等の通常作業を行なうときの「通常作業モード」と、フック12を用いてクレーン作業を行なうときの「クレーン作業モード」とを、オペレータが作業に応じて選択するためのスイッチである。
さらにまた、速度調整ダイヤル43は、本発明の調整用操作具に相当するものであって、クレーン作業時において、ブーム上昇と走行とを同時に行なう場合に、ブーム5の上昇速度をオペレータが調整したいときに操作されるダイヤルである。尚、該速度調整ダイヤル43や前記作業モード選択スイッチ42は、例えば、油圧ショベル1の運転室に設けられるモニタ装置(図示せず)に配設されている。
次いで、前記コントローラ35における制御について説明する。まず、コントローラ35は、図4のフローチャート図に示す如く、作業モード選択スイッチ42から入力される信号が「通常作業モード」か「クレーン作業モード」かを判断する。そして、作業モード選択スイッチ42から入力される信号が「通常作業モード」の場合には、通常作業時ポンプ制御を実行する一方、「クレーン作業モード」の場合には、クレーン作業時ポンプ制御を実行する。尚、本実施の形態では、上記クレーン作業時ポンプ制御を実行するコントローラ35が、本発明のクレーン作業時ポンプ制御手段に相当する。
前記通常作業時ポンプ制御を実行する場合、コントローラ35は、第一、第二ポンプ制御用電磁比例減圧弁33、34に対し、クレーン用信号圧Pc出力の制御信号を出力しない。これにより、第一、第二シャトル弁31、32の他方の入力ポート31b、32bにはタンク圧が入力され、よって第一、第二シャトル弁31、32は、一方の入力ポート31a、32aから入力される第一、第二センタバイパス信号圧Ps1、Ps2を選択し、該第一、第二センタバイパス信号圧Ps1、Ps2を第一、第二メインポンプ13、14のレギュレータ13a、14aに出力する。而して、「通常作業モード」が選択されている場合には、第一、第二メインポンプ13、14は、第一、第二センタバイパス信号圧Ps1、Ps2によって要求される吐出流量、つまり油圧アクチュエータ用操作具が操作されていない場合には吐出流量を最低にし、油圧アクチュエータ用操作具の操作量が増加するほど吐出流量を多くするように制御される。
次いで、クレーン作業時ポンプ制御について、図5の制御ブロック図に基づいて説明する。クレーン作業時ポンプ制御を実行する場合、コントローラ35は、まず、ヘッド側圧力センサ36、ロッド側圧力センサ37、ブーム角度センサ38、アーム角度センサ39の検出信号を、吊り荷重演算部44に入力する。該吊り荷重演算部44は、上記各センサ36、37、38、39から入力される検出信号と、予め入力されているフロント作業部4に関する情報(ブーム5の長さ、アーム6の長さ、ブーム5の重量、フロント作業部4全体の重量等)とに基づいて、フック12に吊り下げられた吊り荷の荷重Wを演算する。そして、該吊り荷重演算部44において演算された吊り荷重Wは、クレーン用信号圧設定器45に出力される。尚、本実施の形態では、上記ヘッド側圧力センサ36、ロッド側圧力センサ37、ブーム角度センサ38、アーム角度センサ39および吊り荷重演算部44によって、本発明の荷重検出手段が構成されている。
前記クレーン用信号圧設定器45は、本発明のポンプ流量設定手段に相当するものであって、後述する高負荷作業時クレーン用信号圧を、吊り荷重Wに応じて設定する。この場合、高負荷作業時クレーン用信号圧は、吊り荷重Wが「ゼロ」の場合(吊り荷が空の場合)に最も大きく、吊り荷重Wが大きくなるほど低くなるように、つまり、吊り荷重Wが大きくなるほど第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量を増加させる信号圧となるように設定される。そして、該クレーン用信号圧設定器45で設定された高負荷作業時クレーン用信号圧は、選択器46に出力される。
ここで、前記高負荷作業時クレーン用信号圧とは、クレーン作業時において走行とブーム上昇とを連動させる場合に用いられるクレーン用信号圧であって、後述する非高負荷作業時クレーン用信号圧よりも低く、つまり、非高負荷作業時クレーン用信号圧よりも第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量を増加させる信号圧となるように設定されている。そして、該高負荷作業時クレーン用信号圧は、前述したように、クレーン用信号圧設定器45によって吊り荷重Wに応じて設定されるが、該吊り荷重Wに対する高負荷作業時クレーン用信号圧の設定値は、前記速度調整ダイヤル43によって、パラメータとしてオペレータが適宜変更することができるようになっている(図5のクレーン用信号圧設定器45の図中のA、B、C参照。)。
さらに、コントローラ35は、ブーム上昇検出手段40および走行検出手段41の検出信号を、アンドゲート47に入力する。そして、該アンドゲート47は、ブーム上昇検出手段40によりブーム5の上昇操作が検出され、且つ、走行検出手段41により走行操作が検出された場合は、前記選択器46に「ON」信号を出力する一方、ブーム上昇操作、走行操作のうち何れか一方の操作のみが検出された場合、或いは両方の操作が検出されない場合には、選択器46に「OFF」信号を出力する。
前記選択器46は、クレーン用信号圧設定器45で設定された高負荷作業時クレーン用信号圧と、予め設定される非高負荷作業時クレーン用信号圧とを入力し、これら高負荷作業時クレーン用信号圧、非高負荷作業時クレーン用信号圧のうちの何れかのクレーン用信号圧を、アンドゲート47からの入力信号に基づいて選択する。つまり、アンドゲート47から「ON」信号が出力された場合(ブーム上昇操作、走行操作の両方の操作が検出された場合)には、高負荷作業時クレーン用信号圧を選択する一方、アンドゲート47から「OFF」信号が出力された場合(ブーム上昇操作、走行操作のうち何れか一方の操作のみが検出された場合、或いは両方の操作が検出されない場合)には、非高負荷作業時クレーン用信号圧を選択する。そして、該選択器46により選択された高負荷作業時クレーン用信号圧または非高負荷作業時クレーン用信号圧は、クレーン用信号圧Pcとして、レートリミッタ48に出力される。
ここで、前記非高負荷作業時クレーン用信号圧とは、クレーン作業時において走行とブーム上昇とを連動させる場合以外のときに用いられる信号圧であって、例えば、第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量を、掘削作業等の通常作業を行なう場合の最大吐出流量に対して50%〜80%程度まで低減させる信号圧となるように設定されている。
前記レートリミッタ48は、第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量の急激な変化を抑えるために、前記選択器46から入力されるクレーン用信号圧Pcの変化にランプ処理を加える。そして、該レートリミッタ48から出力されたクレーン用信号圧Pcは、図示しないバルブ駆動信号設定器により駆動信号に変換されて第一、第二ポンプ制御用電磁比例弁33、34に出力され、これにより、第一、第二ポンプ制御用電磁比例弁33、34からクレーン用信号圧Pcが出力されるように構成されている。
而して、クレーン作業時ポンプ制御が実行されている場合には、第一、第二ポンプ制御用電磁比例減圧弁33、34からクレーン用信号圧Pcが出力されて、第一、第二シャトル弁31、32の他方の入力ポート31b、32bに入力される。そして、第一、第二シャトル弁31、32は、上記クレーン用信号圧Pcと、一方の入力ポート31a、32aから入力される第一、第二センタバイパス信号圧Ps1、Ps2とのうち、高圧側、つまり、第一、第二メインポンプ13、154の吐出流量を少なくする側を選択して、第一、第二レギュレータ13a、14aに出力する。これにより、第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量は、第一、第二センタバイパス信号圧Ps1、Ps2によって要求される吐出流量がクレーン用信号圧Pcによって要求される吐出流量よりも多くても、クレーン用信号圧Pcによって要求される吐出流量まで低減するように制御される。尚、第一、第二センタバイパス信号圧Ps1、Ps2によって要求される吐出流量がクレーン用信号圧Pcによって要求される吐出流量より少ない場合には、センタバイパス信号圧Ps1、Ps2によって要求される吐出流量となるように制御される。
つまり、クレーン作業時に第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量は、クレーン用信号圧Pcによって要求される吐出流量以下になるように制限されることになるが、前述したように、クレーン作業時において、走行とブーム上昇とを連動させる場合以外のときには、非高負荷作業時クレーン用信号圧がクレーン用信号圧Pcとして用いられ、また、走行とブーム上昇とを連動させる場合には、高負荷作業時クレーン用信号圧がクレーン用信号圧Pcとして用いられると共に、高負荷作業時クレーン用信号圧は、非高負荷作業時クレーン用信号圧よりも第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量を増加させる信号圧で、且つ、吊り荷重Wが大きくなるほど第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量を増加させる信号圧になるように設定されている。これにより、クレーン作業時において走行とブーム上昇とを連動させる場合に、吊り荷重Wが大きくても、高負荷側のブームシリンダ8への供給流量が不足してしまうことを防止できるようになっている。
叙述の如く構成された本形態において、クレーン機能付きの油圧ショベル1は、バケット7による掘削、積込等の通常作業に加えて、フロント作業部4の先端側に装着されたフック12を用いてのクレーン作業を行なうことができるが、このものにおいて、油圧ショベル1の油圧制御回路には、油圧ショベル1に設けられる各種油圧アクチュエータ(ブームシリンダ8、アームシリンダ9、バケットシリンダ10、左側走行モータ17、右側走行モータ18、旋回モータ19)の油圧供給源になる第一、第二メインポンプ13、14と、クレーン作業時に第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量を制限するクレーン作業時ポンプ制御を行なうコントローラ35と、フック12に吊り下げた吊り荷の荷重Wを検出する荷重検出手段(ヘッド側圧力センサ36、ロッド側圧力センサ37、ブーム角度センサ38、アーム角度センサ39、吊り荷重演算部44)と、ブーム5の上昇側操作を検出するブーム上昇検出手段40と、油圧ショベル1の走行操作を検出する走行検出手段41とが設けられていると共に、前記コントローラ35は、クレーン作業時ポンプ制御を実行するにあたり、ブーム上昇検出手段40によりブーム5の上昇側操作が検出され、且つ、走行検出手段41により走行操作が検出された場合は、クレーン作業時における第一、第二メインポンプの吐出流量を、前記荷重検出手段により検出される吊り荷の荷重Wに応じて増加せしめることになる。
而して、クレーン作業時に第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量を制限し、これにより油圧ショベル1に設けられる各種油圧アクチュエータの作動速度を抑えて、安定したクレーン作業を行なうことができるものでありながら、クレーン作業時であっても走行とブーム上昇とを連動させる場合には、第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量が吊り荷重Wに応じて増加することになる。この結果、クレーン作業時に走行とブーム上昇とを連動させる場合に、吊り荷重Wが大きくても、高負荷側のブームシリンダ8への圧油供給量が不足してブーム5の上昇速度が大きく低下してしまうような不具合を回避できて、所期のブーム上昇速度を確保できることになり、作業性の向上に寄与できる。
さらにこのものにおいて、コントローラ35は、クレーン作業時において走行とブーム上昇とを連動させる場合の第一、第二メインポンプ13、14の吐出流量を吊り荷重Wに応じて増加させるべく、第一、第二メインポンプ13、14のレギュレータ13a、14aに入力される高負荷作業時クレーン用信号圧を吊り荷重Wに応じて設定するクレーン用信号圧設定器45を有しているが、該吊り荷重Wに対する高負荷作業時クレーン用信号圧の設定値は、速度調整ダイヤル43によって、パラメータとしてオペレータが適宜変更することができる構成になっているから、クレーン作業時において走行とブーム上昇とを連動させる場合に高負荷側であるブーム上昇速度を、オペレータが自身の技量や好みに合わせて調整できることになり、更なる作業性の向上に寄与できる。
1 油圧ショベル
4 フロント作業部
5 ブーム
8 ブームシリンダ
12 フック
13、14 第一、第二メインポンプ
17、18 左側、右側走行モータ
35 コントローラ
36 ヘッド側圧力センサ
37 ロッド側圧力センサ
38 ブーム角度センサ
39 アーム角度センサ
40 ブーム上昇検出手段
41 走行検出手段
43 速度調整ダイヤル
44 吊り荷重演算部
45 クレーン用信号圧設定器
4 フロント作業部
5 ブーム
8 ブームシリンダ
12 フック
13、14 第一、第二メインポンプ
17、18 左側、右側走行モータ
35 コントローラ
36 ヘッド側圧力センサ
37 ロッド側圧力センサ
38 ブーム角度センサ
39 アーム角度センサ
40 ブーム上昇検出手段
41 走行検出手段
43 速度調整ダイヤル
44 吊り荷重演算部
45 クレーン用信号圧設定器
Claims (2)
- ブームを備えたフロント作業部の先端側に、クレーン作業を行なうフックを装着してなるクレーン機能付きの油圧ショベルにおいて、該油圧ショベルの油圧制御回路に、油圧ショベルに設けられる走行モータやブームシリンダ等の各種油圧アクチュエータの油圧供給源になる油圧ポンプと、クレーン作業時に該油圧ポンプの吐出流量を制限するクレーン作業時ポンプ制御手段と、前記フックに吊り下げた吊り荷の荷重を検出する荷重検出手段と、ブームの上昇側操作を検出するブーム上昇検出手段と、油圧ショベルの走行操作を検出する走行検出手段とを設けると共に、前記クレーン作業時ポンプ制御手段は、ブーム上昇検出手段によりブームの上昇側操作が検出され、且つ、走行検出手段により走行操作が検出された場合に、クレーン作業時における油圧ポンプの吐出流量を、前記荷重検出手段により検出される吊り荷の荷重に応じて増加せしめることを特徴とするクレーン機能付きの油圧ショベル。
- クレーン作業時ポンプ制御手段は、吊り荷の荷重に対する油圧ポンプの吐出流量の設定値を、オペレータが操作する調整用操作具の操作に基づいて変更できるポンプ流量設定手段を有することを特徴とする請求項1に記載のクレーン機能付きの油圧ショベル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008107871A JP2009256058A (ja) | 2008-04-17 | 2008-04-17 | クレーン機能付きの油圧ショベル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008107871A JP2009256058A (ja) | 2008-04-17 | 2008-04-17 | クレーン機能付きの油圧ショベル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009256058A true JP2009256058A (ja) | 2009-11-05 |
Family
ID=41384009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008107871A Withdrawn JP2009256058A (ja) | 2008-04-17 | 2008-04-17 | クレーン機能付きの油圧ショベル |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009256058A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020076221A (ja) * | 2018-11-06 | 2020-05-21 | ヤンマー株式会社 | 建設機械 |
JP2020165268A (ja) * | 2019-03-30 | 2020-10-08 | 住友建機株式会社 | ショベル |
-
2008
- 2008-04-17 JP JP2008107871A patent/JP2009256058A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020076221A (ja) * | 2018-11-06 | 2020-05-21 | ヤンマー株式会社 | 建設機械 |
JP7001572B2 (ja) | 2018-11-06 | 2022-01-19 | ヤンマーパワーテクノロジー株式会社 | 建設機械 |
JP2020165268A (ja) * | 2019-03-30 | 2020-10-08 | 住友建機株式会社 | ショベル |
JP7227830B2 (ja) | 2019-03-30 | 2023-02-22 | 住友建機株式会社 | ショベル |
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Legal Events
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