JP2009255857A - 車両のサスペンション構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】衝突荷重をより効率良く吸収することが可能な車両のサスペンション構造を得る。
【解決手段】車両前面衝突時等において、車両前方から後方に向けて衝突荷重Fが作用した場合に、二つの連結部6b,6cのうち自動車1の前後方向中央部Mに近い側となる後側の連結部6cをサスペンションメンバ7から分離し、その分離した連結部6cを車幅方向内側かつ下方に向けて移動案内するように構成した。これにより、衝突荷重がサスペンションアーム6から連結部6cを経由してサスペンションメンバ7に入力されるのを抑制することができる。
【選択図】図10
【解決手段】車両前面衝突時等において、車両前方から後方に向けて衝突荷重Fが作用した場合に、二つの連結部6b,6cのうち自動車1の前後方向中央部Mに近い側となる後側の連結部6cをサスペンションメンバ7から分離し、その分離した連結部6cを車幅方向内側かつ下方に向けて移動案内するように構成した。これにより、衝突荷重がサスペンションアーム6から連結部6cを経由してサスペンションメンバ7に入力されるのを抑制することができる。
【選択図】図10
Description
本発明は、車両のサスペンション構造に関する。
従来、車両前面衝突時等に、衝突荷重によって、サスペンションアームのサスペンションメンバに対する前側の連結部分を当該サスペンションメンバから分離し、前輪をアウトリガーに干渉させることで衝突荷重の吸収を図るようにした車両のサスペンション構造が知られている。
特開2004−9893号公報
しかしながら、上記従来構造では、前輪がアウトリガーに当接した以降において、サスペンションアームからサスペンションメンバに対する後側の連結部分を経由して当該サスペンションメンバに衝突荷重が入力され、衝突荷重の吸収効率が低減してしまう虞があった。
そこで、本発明は、衝突荷重をより効率良く吸収することが可能な車両のサスペンション構造を得ることを目的とする。
本発明にあっては、衝突荷重によって、サスペンションメンバを変形させるとともに、サスペンションアームをサスペンションメンバに取り付ける前後二つの連結部のうち車両の前後方向中央部に近い側の連結部をサスペンションメンバから分離させ、さらに、サスペンションメンバおよびサスペンションアームのうち少なくともいずれか一方に設けた案内部によって、分離された連結部を車幅方向内側かつ下方に向けて移動案内するように構成したことを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、車両の前後方向中央部に近い側の連結部をサスペンションメンバから分離し、その分離した連結部を車幅方向内側かつ下方に向けて案内するように構成したため、サスペンションアームからこの連結部を経由してサスペンションメンバに衝突荷重が入力されるのを抑制することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す複数の実施形態には同様の構成要素が含まれている。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)図1は、本実施形態にかかる車両のサスペンション構造を適用した車両を示す斜視図、図2は、車両のサスペンション構造を示す斜視図、図3は、車両のサスペンション構造を示す分解斜視図、図4は、車両のサスペンション構造の平面図、図5は、車両のサスペンション構造の側面図である。なお、各図中、UPは車両上方、FRは車両前方、INは車幅方向内側をそれぞれ示す。
本実施形態では、本発明にかかる車両のサスペンション構造を、図1に示すような車両としての自動車1の前輪Wf,Wfのサスペンション構造5として実施した場合について例示する。また、本実施形態では、左舷側のサスペンション構造5についてのみ説明するが、この自動車1には、右舷側にも左舷側のサスペンション構造5と左右勝手違いのサスペンション構造が設けられることは言うまでもない。なお、本実施形態にかかる前輪Wf用のサスペンション構造5では、後側に向かうほど自動車1の前後方向中央部M(図1)に近くなり、前側に向かうほど自動車の前後方向中央部Mから遠くなっている。
フロントコンパートメントF・Cの車幅方向両側には、図2等に示すフロントサイドメンバ3が車両前後方向に沿って延設されており、このフロントサイドメンバ3の後端部に、車両前後方向の後方に向けて伸びるエクステンションサイドメンバ2が連結されている。エクステンションサイドメンバ2は、車両前後方向かつ水平方向に略沿って伸びる前後延伸部2aと、その前方で上下方向に略沿って伸びる上下延伸部2bと、を備えている。そして、フロントサイドメンバ3の後端部が上下延伸部2bの上端部に接続されている。また、左右一対のフロントサイドメンバ3の前端部間には、車幅方向に略沿ってバンパレインフォース4が架設してある。
前輪Wfは、車体骨格部材としてのフロントサイドメンバ3およびエクステンションサイドメンバ2に取り付けられたサスペンション構造5に回転自在に支持されている。サスペンション構造5は、前輪Wfを支持するサスペンションアーム6と、このサスペンションアーム6が取り付けられるサスペンションメンバ7と、を備えている。
図2〜図4等に示すように、サスペンションアーム6は、車幅方向外側から内側に向けて略V字状に分岐された前側アーム部6Fおよび後側アーム部6Rを有しており、その車幅方向外側の先端部分に、前輪Wfを回転自在に支持する車輪支持部6aが設けられている。そして、サスペンションアーム6は、前側アーム部6Fおよび後側アーム部6Rの先端部としての連結部6b,6cによって、サスペンションメンバ7に連結されている。
図2〜図5に示すように、サスペンションメンバ7は、車両前後方向に略沿って延設される第一の部材8と、第一の部材8の後部8Rの上側に取り付けられて車両前後方向に略沿って延設される第二の部材9と、略上下方向に沿って伸びて第一の部材8の前部8Fとフロントサイドメンバ3とを接続する第三の部材10と、を備えている。第一の部材8の後部8Rの後端部8aは、エクステンションサイドメンバ2の前後延伸部2aの前端に設けられた凹部2cに収容され、ボルト等の締結具14によって当該エクステンションサイドメンバ2に固定されている。
第一の部材8は、前後方向中間部分を境界としてそれより前側で高さの高い前部8Fと後側で高さの低い後部8Rとを備えている。これら前部8Fおよび後部8Rともに、略矩形の閉断面を有している。
前部8Fの前後方向中間部分には、少なくとも車幅方向外側に開口する凹部13が形成されている。凹部13の前後にはそれぞれ側壁13aが形成されており、側壁13aの略中央部にはそれぞれ貫通孔13bが形成されている。そして、凹部13にサスペンションアーム6の前側の連結部6bを収容し、当該連結部6bの貫通孔ならびに一対の貫通孔13bにボルト等の締結具15を挿通して締結することで、連結部6bをサスペンションメンバ7に連結してある。すなわち、本実施形態では、サスペンションメンバ7において、この凹部13が形成された部分が、サスペンションアーム6の前側の連結部6bに対応する前側の被連結部CF(図4,図5参照)となる。
第二の部材9は、第一の部材8の後部8Rと略平行に設けられており、その前端部および後端部を、ボルト等の締結具14を用いて第一の部材8に固定してある。第一の部材8の後部8Rと第二の部材9との間には、図5に示すように、略一定高さで車両前後方向に略沿って伸びる空間部Sが形成される。
空間部Sは、その車幅方向外側および内側ともに開放されている。この空間部Sには、車幅方向外側からサスペンションアーム6の後側アーム部6Rが進入し、その車幅方向内側の先端部に形成される後側の連結部6cが第一の部材8の後部8Rと第二の部材9との間に挟まれるようにして空間部S内に配置される。そして、この連結部6cの貫通孔に対応して、後部8Rおよび第二の部材9に貫通孔8b,9aが形成され、それら貫通孔にボルト等の締結具15を挿通して締結することで、連結部6cをサスペンションメンバ7に連結してある。すなわち、本実施形態では、サスペンションメンバ7において、これら貫通孔の形成された部分が、サスペンションアーム6の後側の連結部6cに対応する後側の被連結部CR(図4,図5参照)となる。
また、空間部Sの後端側(すなわち自動車1の前後方向中央部に近い側)には、その法線が車幅方向内側かつ前側かつ下側を向く平面状の傾斜面16aを備えた三角錐16が、例えば第二の部材9の後壁部9bに溶接等することで設けられている。
第三の部材10は、略矩形状の閉断面あるいは車幅方向外側若しくは内側に開放された略U字状の開断面を有しており、凹部13が形成されたサスペンションメンバ7の前側の被連結部CFと、フロントサイドメンバ3との間に架設されている。サスペンションアーム6の前側の連結部6bから被連結部CFを介して入力された上下方向入力は、この第三の部材10を介してフロントサイドメンバ3側へ伝達される。
上述したように、サスペンションアーム6の後側(すなわち前後方向中央部Mに近い側)の連結部6cは、サスペンションメンバ7の後側の被連結部CRに連結されている。本実施形態では、車両前面衝突時において、前後方向中央部に向かう衝突荷重Fによって、連結部6cを被連結部CRから分離するとともに、分離した連結部6cを車幅方向内側かつ下方へ移動させるように構成してある。
具体的には、かかる作用を得るため、本実施形態では、図5に示すように、サスペンションメンバ7に、衝突荷重Fによって変形させる変形部20と、衝突荷重Fによって連結部6cを分離する分離部21と、上述した三角錐16と、を設けてある。
変形部20は、第一の部材8の後部8Rに設けられており、延設方向(前後方向)に作用する圧縮荷重によって第一の部材8の後部8Rを下に凸に変形させる。本実施形態では、変形部20を、後部8Rの上面および下面に間隔をあけて複数配置した車幅方向に沿って伸びる凹溝20a〜20cとして形成し、具体的には、下面の前端部および後端部に、それぞれ略三角形状の断面を有する上向きの凹溝20a,20bを形成し、上面に、それら凹溝20a,20bの前後方向の間となる位置に略一定のピッチで略三角形状の断面を有する下向きの凹溝20cを複数箇所(本実施形態では三箇所)形成してある。これら凹溝20a〜20cは、第一の部材8の一般部よりも脆弱な脆弱部に相当する。
一方、分離部21は、第二の部材9に設けられており、延設方向(前後方向)に作用する衝突時等の圧縮荷重による応力集中によって当該第二の部材9を部分的に破断するものとして構成される。本実施形態では、第二の部材9の被連結部CR(貫通孔9a)の前後に隣接して脆弱部として車幅方向両縁間に亘る凹溝21a,21bを形成し、当該凹溝21a,21bのスペック(例えば溝底部の角度、長さ、溝底部における第二の部材9の高さ等)を適宜に設定することで、所定値より大きな荷重で破断するように構成してある。これら凹溝21a,21bは、第二の部材9の一般部より脆弱な第二の脆弱部に相当する。
また、三角錐16は、その傾斜面16aが後側の被連結部CRの後方に位置するように取り付けられている。
そして、図5に示すように、本実施形態では、変形部20と分離部21は前後方向にオーバーラップさせて配置してあるとともに、変形部20と三角錐16の傾斜面16aとが前後方向にオーバーラップするように配置してある。
ここで、図5〜図11を参照しながら、本実施形態にかかるサスペンション構造5の車両前面衝突時における作用について説明する。図6,図8,図10は、衝突時における車両のサスペンション構造の変形過程の各段階を示す側面図、図7,図9,図11は、図6,図8,図10の各段階に対応する平面図である。
図6および図7に示すように、物体Moが衝突した初期段階では、まずは、衝突荷重Fにより、フロントサイドメンバ3の前端部が軸圧潰するとともに、変形部20の変形が開始される。
図8および図9に示すように、図6および図7の後の段階では、フロントサイドメンバ3の後端部にも軸圧潰が生じるとともに、変形部20の変形がさらに促進される。また分離部21では凹溝21a,21bの破断が生じ、被連結部CRから連結部6cが分離され、後方へ向けて移動し始める。このとき、フロントサイドメンバ3の軸圧潰する位置(脆弱部)は、第三の部材10との接続部の前後に設定するのが好適である。第三の部材10との接続状態を確保して、サスペンションメンバ7の姿勢を維持しやすくなるからである。
図10および図11に示すように、図8および図9の後の段階では、変形部20がさらに大きく変形する。このとき、変形部20は、前側の被連結部CFと車両の前後方向中央部M(図1参照)との距離を縮めるように変形していることが理解できよう。この変形に伴って、分離部21で分離されたサスペンションアーム6の後側の連結部6cは、後方(すなわち車両の前後方向中央部側)へ向けて移動することになる。そして、後退した連結部6cは、三角錐16の傾斜面16aに当接し、この傾斜面16aに沿って移動する。ここで、上述したように、傾斜面16aの法線は、車幅方向内側かつ前側かつ下側を指向しているため、図10および図11に示すように、連結部6cは後方に移動するにつれて、この傾斜面16aに沿って、車幅方向内側かつ下側に向けて移動することになる。したがって、本実施形態では、傾斜面16aが本発明の案内部に相当する。
本実施形態によれば、サスペンションアーム6および前輪Wfを、比較的ストロークを大きく確保しやすい後方かつ車幅方向内側に向けて移動させることができるようになるため、サスペンションアーム6の後側の連結部6cがその後部の車体骨格部材等と干渉するのを抑制することができる。
なお、これら図6〜図11から明らかとなるように、前側の連結部6bについては、分離部等は設けず、後側の連結部6cに比べて接続剛性(接続強度、連結剛性、連結強度)を高く設定し、衝突時においてもサスペンションメンバ7に接続されたままの状態を維持しやすくなるようにしてある。かかる構成により、後側の連結部6cを、前側の連結部6bを回動中心として、より所望の軌道で移動(回動)させやすくなる。
以上のように、本実施形態では、車両前面衝突時等において、車両前方から後方に向けて衝突荷重Fが作用した場合に、サスペンションメンバ7を変形部20で変形させ、二つの連結部6b,6cのうち自動車1の前後方向中央部Mに近い側となる後側の連結部6cをサスペンションメンバ7から分離し、その分離した連結部6cを車幅方向内側かつ下方に向けて移動案内するようにした。このため、衝突荷重Fがサスペンションアーム6からこの連結部6cを経由してサスペンションメンバ7に入力されるのを抑制することができる。その結果、上記従来構造に比べて車両前後方向の潰れストロークを比較的大きく確保しやすくなる上、上記従来構造のように車体の減速度が急変するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、分離部21と変形部20とを車両前後方向にオーバーラップさせて配置した。すなわち、図6,図8に示すように、変形部20を変形させることによって、変形部20と連結部6cとを分離したり、変形部20から連結部6cに荷重(本実施形態では下向きの荷重)を作用させて分離部21における連結部6cの分離を促進させたり、変形部20から連結部6cに荷重(本実施形態では下向きの荷重)を作用させて連結部6cの下方への移動を促進させたりすることができる。
また、本実施形態では、変形部20と案内部としての傾斜面16aとを車両前後方向にオーバーラップさせて配置した。すなわち、図8,図10に示すように、変形部20を変形させることで、連結部6cの移動経路を確保しやすくなり、以て、連結部6cを傾斜面16aに沿わせてより円滑に移動させることができる。さらに、傾斜面16aをより有効に活用することができるようになるという利点もある。
また、本実施形態では、第一の部材8の後部8Rに、変形部20を、衝突荷重Fによって、後側の連結部6cよりさらに前後方向中央部Mに近い側(すなわち後側)を頂部として下に凸となる状態に変形させるように構成したため、連結部6cおよびこれに繋がる後側アーム6Rの移動経路(本実施形態では空間部S)をより確実に確保しやすくなる。
また、本実施形態では、変形部20を、第一の部材8の後部8Rの一般部より脆弱な脆弱部としての凹溝20a〜20cとして構成した。このため、脆弱部としての凹溝20a〜20cを変形の基点として、所望の変形状態を得る変形部20を比較的簡素な構成として得ることができる。
また、本実施形態では、分離部21を、第二の部材9の一般部より脆弱な第二の脆弱部としての凹溝21a,21bとして構成した。このため、第二の脆弱部としての凹溝21a,21bを破断の基点として、所望の分離状態を得る分離部21を比較的簡素な構成として得ることができる。
また、本実施形態では、第一の部材8の後部8Rとその上方の第二の部材9とを略平行に配置して、後部8Rに変形部20を設ける一方、第二の部材9に分離部21を設けた。このため、変形部20と分離部21とが前後にオーバーラップして配置された状態を比較的簡素な構成によって具現化することができる。
また、本実施形態では、第一の部材8の後部8Rとその上方の第二の部材9との間の空間部Sに分離部21でサスペンションメンバ7から分離される後側の連結部6cを配置し、空間部Sを、少なくとも被連結部CRより自動車1の前後方向中央部M側(すなわち本実施形態では車両前後方向後方側)では、車幅方向両側に開放させた。このため、分離された連結部6cを空間部Sから車幅方向内側に離脱させるとともに、この連結部6cに繋がる後側アーム部6Rを空間部Sに貫通させることができるようになり、連結部6cが分離した後において、サスペンションアーム6をより円滑に所望の経路で移動させることができる。
また、本実施形態では、サスペンションメンバ7に、案内部として、分離部21より前後方向中央部Mに近い側(すなわち本実施形態では車両前後方向後方側)に、分離部21で分離された連結部6cを当接させ車幅方向内側かつ下方に向けて沿わせて移動させる傾斜面16aを形成した。このため、案内部を比較的簡素な構成として得ることができる。
また、本実施形態では、サスペンションメンバ7の車体骨格部材への後側の固定部としての後端部8aから、当該後端部8aが固定されるエクステンションサイドメンバ2を、車両前後方向に沿って後方に向けて延設させた。このように、前後方向に沿って延設されて前後方向剛性の高いエクステンションサイドメンバ2によって自動車1の前後方向中央部M側(本実施形態では車両前後方向後方側)でサスペンションメンバ7を支持することで、その反対側、すなわち前後方向中央部から遠い側(本実施形態では車両前後方向前方側)から作用する衝突荷重Fを、サスペンションメンバ7の延設方向に、軸方向荷重としてより確実に作用させることができ、当該衝突荷重Fに基づく変形部20の変形(座屈変形)ならびに分離部21の分離を、より確実に生じさせることができる。
(第2実施形態)図12は、本実施形態にかかるサスペンション構造の一部を示す平面図、図13は、サスペンションアームの後側の連結部を後方側から見た背面図、図14は、サスペンションアームの後側の連結部を車幅方向外側から見た側面図である。
本実施形態にかかるサスペンション構造5Aは、基本的に上記第1実施形態と同様の構成を備えており、図12に示すサスペンションアーム6A、および当該サスペンションアーム6Aによって回転自在に支持される前輪Wfを、上記第1実施形態にかかるサスペンションアーム6および前輪Wfに替えて取り付けることができる。
ただし、本実施形態では、サスペンションアーム6Aの後側アーム部6Rの先端部となる後側の連結部6cの側面に、案内部としての傾斜面16Aを設けた点が、上記第1実施形態と相違している。
すなわち、本実施形態では、図13および図14に示すように、連結部6cの周囲を取り囲むように、その法線が斜め上方を指向する略円錐面状の傾斜面16Aを形成してある。かかる構成により、連結部6cがサスペンションメンバ7から分離して、その後方に配置された三角錐16の傾斜面16aに当接すると、連結部6cは、この傾斜面16Aにおいて、下向きかつ車幅方向内側に向けて移動する力を受けることになる。
したがって、本実施形態によれば、連結部6c側に設けた案内部としての傾斜面16Aによって、分離された連結部6cを車幅方向内側かつ下方に向けて移動案内することができる。なお、傾斜面16aおよび傾斜面16Aは、これらを双方とも形成するのが最も効果的であるが、いずれか一方のみとした場合にも所要の効果を得ることができるのは勿論である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、本実施形態にかかるサスペンション構造は、後輪にも適用することができ、この場合、前後方向後方からの衝突荷重Fを受けて、サスペンションアームおよび後輪を後方かつ下方かつ車幅方向内側に向けて移動するように構成することができる。また、分離部を、連結部を被連結部に固定する締結具に脆弱部として形成することができる。
1 自動車(車両)
2 エクステンションサイドメンバ(車体骨格部材)
3 フロントサイドメンバ(車体骨格部材)
5,5A サスペンション構造
6,6A サスペンションアーム
6b (前後方向中央部Mから遠い側の)連結部
6c (前後方向中央部Mに近い側の)連結部
7 サスペンションメンバ
8 第一の部材
8a 後端部(固定部)
9 第二の部材
16a,16A 傾斜面(案内部)
20 変形部
20a〜20c 凹溝(脆弱部)
21 分離部
21a,21b 凹溝(第二の脆弱部)
CF (前後方向中央部Mから遠い側の)被連結部
CR (前後方向中央部Mに近い側の)被連結部
F・C フロントコンパートメント
F 衝突荷重
M 前後方向中央部
S 空間部
Wf 前輪
2 エクステンションサイドメンバ(車体骨格部材)
3 フロントサイドメンバ(車体骨格部材)
5,5A サスペンション構造
6,6A サスペンションアーム
6b (前後方向中央部Mから遠い側の)連結部
6c (前後方向中央部Mに近い側の)連結部
7 サスペンションメンバ
8 第一の部材
8a 後端部(固定部)
9 第二の部材
16a,16A 傾斜面(案内部)
20 変形部
20a〜20c 凹溝(脆弱部)
21 分離部
21a,21b 凹溝(第二の脆弱部)
CF (前後方向中央部Mから遠い側の)被連結部
CR (前後方向中央部Mに近い側の)被連結部
F・C フロントコンパートメント
F 衝突荷重
M 前後方向中央部
S 空間部
Wf 前輪
Claims (11)
- 車輪を支持するサスペンションアームの前後二つの連結部をサスペンションメンバの前後二つの被連結部にそれぞれ取り付けた車両のサスペンション構造において、
前記サスペンションメンバを、前記二つの被連結部より車両の前後方向中央部に近い側となる固定部で車体骨格部材に固定するとともに、当該サスペンションメンバに、衝突荷重によって当該サスペンションメンバを変形させる変形部を設け、
衝突荷重によって前記二つの被連結部のうち車両の前後方向中央部に近い側の連結部と当該連結部に対応する被連結部とを分離する分離部と、前記分離された連結部を車幅方向内側かつ下方に向けて案内する案内部と、を備えることを特徴とする車両のサスペンション構造。 - 前記分離部と前記変形部とを車両前後方向にオーバーラップさせて配置したことを特徴とする請求項1に記載の車両のサスペンション構造。
- 前記変形部と前記案内部とを車両前後方向にオーバーラップさせて配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の車両のサスペンション構造。
- 前記変形部を、前記分離される連結部よりも下側で車両の前後方向中央部に近い側を頂部として下に凸となる状態に変形する部分として設けたことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の車両のサスペンション構造。
- 前記変形部を、一般部より脆弱な脆弱部を有する部分として設けたことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の車両のサスペンション構造。
- 前記分離部を、一般部より脆弱な第二の脆弱部を有する部分として設けたことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一つに記載の車両のサスペンション構造。
- 前記サスペンションメンバは、車両前後方向に略沿って延設された第一の部材と、当該第一の部材の上方で当該第一の部材と略平行に配置された第二の部材とを有し、
前記第一の部材に前記変形部を設ける一方、前記第二の部材に前記分離部を設けたことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一つに記載の車両のサスペンション構造。 - 前記第一の部材と第二の部材との間となる空間部に前記分離される連結部を配置し、
少なくとも、前記分離される連結部より車両の前後方向中央部側では、前記空間部を車幅方向両側に開放させたことを特徴とする請求項7に記載の車両のサスペンション構造。 - 前記サスペンションメンバに、前記案内部として、前記分離部より前記前後方向中央部に近い側に、前記分離された連結部を当接させ車幅方向内側かつ下方に向けて沿わせて移動させる傾斜面を形成したことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか一つに記載の車両のサスペンション構造。
- 前記サスペンションメンバの前記固定部が取り付けられた車体骨格部材を、当該固定部を取り付けた部分から車両前後方向に沿って延設させたことを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか一つに記載の車両のサスペンション構造。
- 車輪を支持するサスペンションアームの前後二つの連結部をサスペンションメンバの前後二つの被連結部にそれぞれ取り付けた車両のサスペンション構造の変形方法であって、
前記サスペンションメンバを、前記二つの被連結部より車両の前後方向中央部に近い側となる固定部で車体骨格部材に固定しておき、
衝突荷重によって、前記サスペンションメンバを、前記二つの被連結部のうち当該前後方向中央部から遠い側の被連結部と車両の前後方向中央部との距離を縮めるように変形させるとともに、車両の前後方向中央部に近い側の連結部と当該連結部に対応する被連結部とを分離し、
前記分離された連結部を車幅方向内側かつ下方に向けて移動案内するようにしたことを特徴とする車両のサスペンション構造の変形方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012153262A (ja) * | 2011-01-26 | 2012-08-16 | Toyota Motor Corp | 車両の荷重伝達構造 |
JP2015217751A (ja) * | 2014-05-15 | 2015-12-07 | トヨタ自動車株式会社 | 車体前部構造 |
WO2016175416A1 (ko) * | 2015-04-29 | 2016-11-03 | 주식회사 일진 | 차량용 로워암 |
KR101902945B1 (ko) * | 2017-01-23 | 2018-10-02 | 주식회사 키미이에스 | 차량의 충돌 대응구조물 |
-
2008
- 2008-04-21 JP JP2008109961A patent/JP2009255857A/ja active Pending
Cited By (4)
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---|---|---|---|---|
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