JP2009255672A - 車両のボディ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、スライドドアが閉じられる際、スライドドアとルーフサイド部との見切り部における接触を防止することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る車両のボディ構造は、スライドドアの閉状態で、そのスライドドアの上端部裏側が非接触状態で収納される窪み部10を備えるボディのルーフサイド部2rと、乗降口20の開口周縁に沿って窪み部10に取付けられており、スライドドアの閉状態でルーフサイド部とそのスライドドア間に挟まれて弾性変形可能なウェザーストリップ40とを備える車両のボディ構造であって、ウェザーストリップ40には、窪み部端縁に沿って乗降口20よりも前方に突出する弾性変形可能な突出板部43が設けられており、突出板部43は、スライドドアが閉じられる際に、窪み部10の前部とスライドドアの前部裏側との間に挟まれて、窪み部10の前部とスライドドアの前部との接触を防止できるように構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、スライドドアを備える車両において、前記スライドドアを閉じる際のストッパを備える車両のボディ構造に関する。
これに関連する車両のボディ構造が特許文献1に記載されている。
前記車両のボディ構造では、乗降口の前側に位置するセンターピラー側に金属性のストッパが設けられており、スライドドア側にゴム製の当接部材が設けられている。そして、前記スライドドアが閉じられる際に、そのスライドドアの当接部材がセンターピラー側のストッパに当接することで、前記スライドドアのオーバランを防止できるように構成されている。
特開平9−30261号公報
しかし、上記した構成では、スライドドアが強く閉じられると、スライドドア側の当接部材が弾性変形して、そのスライドドアが閉位置から若干前方にオーバランすることがある。
特に、意匠性を向上させるためにボディのルーフサイド部とスライドドア間の見切り部の隙間(窪み部端縁とスライドドアとの隙間)を小さく設定すると、スライドドアが若干オーバランしただけでも、スライドドアとボディのルーフサイド部とが接触することがある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、スライドドアが閉じられる際、スライドドアとルーフサイド部との見切り部における接触を防止することである。
上記した課題は、各請求項の発明によって解決される。
請求項1の発明は、スライドドアの閉状態で、そのスライドドアの上端部裏側が非接触状態で収納される窪み部を備えるボディのルーフサイド部と、乗降口の開口周縁に沿って前記ルーフサイド部の窪み部に取付けられており、前記スライドドアの閉状態で前記ルーフサイド部とそのスライドドア間に挟まれて弾性変形可能なウェザーストリップとを備える車両のボディ構造であって、前記ウェザーストリップには、前記窪み部端縁に沿って前記乗降口よりも前方に突出する弾性変形可能な突出板部が設けられており、前記突出板部は、前記スライドドアが閉じられる際に、前記ルーフサイド部の窪み部の前部と前記スライドドアの前部裏側との間に挟まれて、前記窪み部の前部と前記スライドドアの前部との接触を防止できるように構成されていることを特徴とする。
本発明によると、ウェザーストリップには、ルーフサイド部の窪み部端縁に沿って、乗降口よりも前方に突出する弾性変形可能な突出板部が設けられている。そして、スライドドアが閉じられる際に、ウェザーストリップの突出板部がルーフサイド部の窪み部の前部と前記スライドドアの前部裏側との間に挟まれることで、前記窪み部の前部と前記スライドドアの前部との接触を防止できる。
このため、スライドドアが強く閉じられることで、例えば、ゴム製のストッパ当接部材が弾性変形し、前記スライドドアが仮に閉位置から前方にオーバランした場合でも、スライドドアとルーフサイド部との見切り部における接触を防止できる。
請求項2の発明によると、突出板部は、板状の骨材の周囲を弾性材で覆う構成であり、前記骨材に連結されて、前記突出板部の裏側に突出するクリップが前記ルーフサイド部の窪み部に形成された貫通孔に挿入接続されることで、前記突出板部が前記ルーフサイド部の窪み部に取付けられることを特徴とする。
このため、突出板部を強固にルーフサイド部の窪み部に取付けられるようになる。
請求項3の発明によると、ボディの乗降口を全周に亘って囲む主ウェザーストリップと、前記主ウェザーストリップの上方に庇状に取付けられた上部ウェザーストリップとを備えており、前記上部ウェザーストリップに前記突出板部が設けられていることを特徴とする。
このため、突出板部を容易に形成できるようになる。
本発明によると、スライドドアが強く閉じられて、そのスライドドアが仮に閉位置から前方にオーバランした場合でも、スライドドアとルーフサイド部との見切り部における接触を防止できる。
[実施形態1]
以下、図1から図9に基づいて本発明における車両のボディ構造について説明する。本実施形態はスライドドアを備える車両のボディ構造に関するもので、図1は前記車両のフロントドア、スライドドアの部分を表す側面図、図2はスライドドアにより開閉される乗降口回りに取付けられたウェザーストリップの配置を表す側面図である。図3から図9は、図1、図2の各部側面図、斜視図、及び縦断面図を表している。
なお、図中の前後左右及び上下は車両の前後左右及び上下に対応している。
<車両のボディ2及びスライドドア4の構造概要ついて>
図1(A)に示すように、車両のボディ2の左側面には扉状のフロントドア3とスライドドア4とが取付けられている。ここで、図1(B)は、図1(A)のB部拡大図を表している。
スライドドア4は、図1に示す前端位置から外側後方にスライドすることで、後部乗降口20(図2参照)を開放できるように構成されている。また、スライドドア4が閉じられてストッパ(図示省略)により前端位置に保持された状態では、スライドドア4の上部とボディ2のルーフサイド部2rの間には一定幅の隙間である見切り部Mが形成される。また、スライドドア4の前端縁とフロントドア3の後端縁との間にも見切り部Mが形成される。ここで、スライドドア4の前端縁には、フロントドア3の後端縁との見切り部Mを塞げるように、図6(B)に示すように、見切りシール4sが取付けられている。
なお、図6(B)は図1(B)のVIB-VIB矢視断面図を表している。
前記スライドドア4により開閉されるボディ2の後部乗降口20は、図2に示すように、略角形に形成されており、その後部乗降口20の周縁部にフランジ板部23が形成されている。そして、前記フランジ板部23に主ウェザーストリップ30が全周に亘って取付けられている。また、主ウェザーストリップ30の上方には、車両前後方向に延びる庇状の上部ウェザーストリップ40が取付けられている。さらに、主ウェザーストリップ30の下方には、同じく車両前後方向に延びるようにシール部材50が取付けられている。
ここで、図2のIVA部の拡大斜視図が図4(A)に示されており、図2のVIIA部の拡大斜視図が図7(A)に示されている。また、図1、図2のVA-VA矢視断面図が図5(A)に、VB-VB矢視断面図が図5(B)に示されている。さらに、図1、図2のVIA-VIA矢視断面図が図6(A)に、VIB-VIB矢視断面図が前述のように図6(B)に示されている。
前記ボディ2のルーフサイド部2rには、図4、図5等に示すように、スライドドア4が閉じられたときに、そのスライドドア4の上端部裏側が非接触状態で収納される窪み部10が形成されている。さらに、前記窪み部10には、後部乗降口20の真上位置に、図5(A)に示すように、スライドドア4の上部ローラ(図示省略)を支持する上部レール12が収納されるレール用凹部14が形成されている。そして、前記レール用凹部14の上側で、前記窪み部10の端縁部分に沿って上部ウェザーストリップ40が取付けられている。
<上部ウェザーストリップ40について>
上部ウェザーストリップ40は、例えば、見切り部Mから流れ込んだ融雪水等が主ウェザーストリップ30の上辺部30u上に溜まらないようにするためのシール材である。上部ウェザーストリップ40は、図3(A)の全体側面図に示すように、窪み部10におけるレール用凹部14の上側部分に取付けられる本体部42と、その本体部42から前方に突出する前側突出板部43と、前記本体部42から後方に突出する後側突出板部45とから構成されている。
上部ウェザーストリップ40の本体部42は、図3(B)、図5(A)に示すように、グリップ部421とシール部424とから構成されている。ここで、図3(B)は図3(A)のB-B矢視断面図を表している。グリップ部421は、図5(A)に示すように、レール用凹部14の開口近傍に車両前後方向に延びるように形成されたフランジ板部14fに嵌められて上部ウェザーストリップ40をボディ2のルーフサイド部2rに固定する部分である。グリップ部421は、断面U字形をした板バネ状の骨材421xと、その骨材421xを覆う硬い微発泡ゴム材とから構成されている。シール部424は、軟らかい高発泡ゴム材により形成されており、スライドドア4が閉じられたときにそのスライドドア4に押圧されて溝状に弾性変形し、前記スライドドア4とボディ2のルーフサイド部2rとの間をシールする。
ここで、上部ウェザーストリップ40の本体部42は、押出し成形装置(図示省略)により図3(B)に示す断面形状に成形される。
上部ウェザーストリップ40の前側突出板部43は、図3(A)、図4(A)に示すように、円弧状板部431とシール前端部434とから構成されており、前記円弧状板部431が前記本体部42のグリップ部421に連続するように構成されている。また、シール前端部434が前記本体部42のシール部424に連続するように構成されている。
前側突出板部43の円弧状板部431は、スライドドア4が閉じられる際に、図6(A)に示すように、ボディ2の窪み部10の前部とスライドドア4の前部裏側との間に挟まれる部分であり、窪み部10の端縁部分に沿って取付けられる。円弧状板部431は、図3(C)、図4(A)に示すように、樹脂製の板状骨材431xの回りを型成形されたゴム板材431yで覆う構成であり、板状骨材431xの長手方向における二箇所にクリップ432が固定されている。ここで、図3(C)は、図3(A)のC−C矢視断面図を表している。
前記クリップ432は、ボディ2の窪み部10の前部所定位置に形成された貫通孔(図示省略)に挿入されることで、前記貫通孔の周縁と弾性力により係合する。これにより、前側突出板部43の円弧状板部431は、ボディ2の窪み部10の前部所定位置に確実に固定される。
前側突出板部43のシール前端部434は、図4(A)(B)に示すように、円弧状板部431よりも下方に突出して前端側で最も低くなるように形成されている。このため、見切り部Mから流れ込んだ融雪水等(以下、水という)が溝状のシール部424で受けられると、そのシール部424を前方に流れ、シール前端部434の前端側から流れ落ちるようになる。シール前端部434の前端には、その下端部の位置に板状のリップ部435が形成されている。そして、前記リップ部435がボディ2のセンターピラー2pの稜線部分Rに面接触している。
センターピラー2pは、図2に示すように、前部乗降口8と後部乗降口20との間に形成された支柱であり、図6(B)に示すように、横断面形状が略台形状に形成されている。そして、前記シール前端部434のリップ部435は、自身の弾性力でセンターピラー2pの稜線部分Rに面接触している。これにより、シール部424内を前方に流れて、前記シール前端部434の前端側から流れ落ちる水は、リップ部435を伝ってセンターピラー2pの稜線部分Rに導かれ、前記センターピラー2pを伝って下方に流れるようになる。
上部ウェザーストリップ40の後側突出板部45は、図3(D)に示すように、固定板部451とシール後端部454とから構成されており、前記固定板部451が前記本体部42のグリップ部421に連続するように構成されている。また、シール後端部454が前記本体部42のシール部424に連続するように構成されている。
後側突出板部45の固定板部451は、図3(D)に示すように、樹脂製の板状骨材451xの回りを型成形されたゴム板材451yで覆う構成であり、板状骨材451xにクリップ452が長手方向に一定寸法だけ変位可能な状態で取付けられている。
前記クリップ452は、ボディ2の窪み部10の後部所定位置に形成された貫通孔(図示省略)に挿入されることで、前記貫通孔の周縁と弾性力により係合する。これにより、後側突出板部45の固定板部451は、ボディ2の窪み部10の後部所定位置に確実に固定される。ここで、クリップ452は長手方向に一定寸法だけ変位可能な構成のため、前記貫通孔が車両前後方向に若干位置ずれしていても、前記クリップ452を前記貫通孔に係合できるようになる。
<主ウェザーストリップ30について>
主ウェザーストリップ30は、図2に示すように、上辺部30u、下辺部30d、前側縦辺部30f、及び後側縦辺部30bにより、後部乗降口20の形状に合わせて略角枠状に形成されている。主ウェザーストリップ30は、図5から図7等に示すように、グリップ部34と中空シール部35とから構成されている。グリップ部34は、後部乗降口20の周縁部に形成されたフランジ板部23に嵌め込まれる部分であり、断面U字形をした板バネ状の骨材(図示省略)と、前記骨材を覆う硬い微発泡ゴム材とにより構成されている。グリップ部34は、図7(A)に示すように、そのフランジ板部23を表裏から挟む表側挟持板34fと裏側挟持板34uとを備えている。
中空シール部35は、軟らかい高発泡ゴム材により形成されており、スライドドア4が閉じられたときに、略楕円形に弾性変形してスライドドア4と後部乗降口20の周縁部との間をシールする。
主ウェザーストリップ30の前側縦辺部30fの下部には、図7(A)に示すように、グリップ部34の表側挟持板34fに第1ダム部36が形成されている。第1ダム部36は、センターピラー2pからグリップ部34の表側挟持板34fを伝って下方に流れる水が主ウェザーストリップ30の下辺部30d側に回りこまないようにするための突起である。第1ダム部36は、図7(A)に示すように、グリップ部34の表側挟持板34fの前端面から前方に突出する略直角三角形状に形成されている。そして、前記直角三角形の斜辺に相当する第1ダム部36の傾斜面36kの上端がグリップ部34の表側挟持板34fの前端面と連続するように形成されている。このため、グリップ部34の表側挟持板34fの前端面を伝って下方に流れる水は、その前端面から第1ダム部36の傾斜面36kに導かれ、前記第1ダム部36の頂点Pの位置から落下するようになる。
また、グリップ部34の表側挟持板34fの裏側には、後部乗降口20の周縁のフランジ板部23を伝って下方に流れる水を前記第1ダム部36の位置で落下させる裏側ダム(図示省略)が設けられている。
<シール部材50について>
シール部材50は、フロントドア3により開閉される前部乗降口8の下方に取付けられた前側シール部材(図示省略)と、スライドドア4に開閉される後部乗降口20の下方に取付けられた後側シール部材50(以下、シール部材50という)とから構成されている。シール部材50は、車両の走行中に路面から車室内に伝わるノイズを減衰させるための部材であり、図7(A)、図8(B)等に示すように、ボディ2のロッカ部2qの側面に取付けられる。シール部材50の取付けは、ロッカ部2qの側面に形成された貫通孔2a(図7(B)参照)に挿入接続されるクリップ52により行われる。シール部材50は、図8(B)に示すように、縦壁部53と上側壁部54と下側壁部55とが相互に端縁部分で接合されることにより中空閉断面状に形成される。シール部材50の縦壁部53は、微発泡ゴム材により硬く形成されており、その縦壁部53がクリップ52によりボディ2のロッカ部2qの側面に固定される。上側壁部54と下側壁部55とは、軟らかい高発泡ゴム材により横断面略円弧形に成形されており、スライドドア4の押圧力で、図9(A)の点線に示すように、山形に変形するように構成されている。
シール部材50の前端部には、縦壁部53の延長線上に固定フランジ部56が形成されており、その固定フランジ部56が、図7(B)に示すように、前側シール部材(図示省略)の後端部50fと共にロッカ部2qの側面にクリップ52により固定される。
また、シール部材50には、図7(A)、図8(A)に示すように、そのシール部材50がロッカ部2qの側面に取付けられた状態で、主ウェザーストリップ30の第1ダム部36の真下位置に配置される切欠き部57が形成されている。前記切欠き部57は、平面略台形状でロッカ部2q側が開放するように形成されており、前記第1ダム部36の真下に前記切欠き部57の中央が位置するように配置されている。これにより、第1ダム部36の位置で落下した水は、矢印に示すように切欠き部57を通過して路面上に落ちるようになる。また、センターピラー2pを伝って流れ落ちる水も切欠き部57を通過して路面上に落ちるようになる。
シール部材50には、切欠き部57の後側に、そのシール部材50の上面側から主ウェザーストリップ30の下辺部30dまで延びる板状の第2ダム部58が設けられている。第2ダム部58は、図7(A)に示すように、主ウェザーストリップ30の縦辺部30fを伝って下辺部30dに回り込もうとする水の流れ方向を変化させてシール部材50の切欠き部57まで導く部分である。このため、第2ダム部58の先端部分は、図7(A)、図9(A)(B)に示すように、主ウェザーストリップ30の下辺部30dを構成するグリップ部34の表側挟持板34fの下端面に面接触するように構成されている。また、第2ダム部58の裏側は、例えば接着剤等によりロッカ部2qの表面に接合される。
ここで、図9(A)は、図7(A)のIXA-IXA断面図を表しており、図9(B)は、図7(A)のIXB-IXB断面図を表している。
第2ダム部58には、図7(A)、図9(B)に示すように、その第2ダム部58の前端側にガイド面58eがロッカ部2qの表面に対して直角に形成されており、そのガイド面58eが切欠き部57の後端壁面57xと連続するように構成されている。これにより、主ウェザーストリップ30の縦辺部30fにおけるグリップ部34の表側挟持板34fを伝って下辺部30d側に回り込もうとする水は、矢印に示すようにガイド面58eによってシール部材50の切欠き部57の位置まで導かれ、路面上に落下するようになる。
<本実施形態に係る車両のボディ構造の働きについて>
本実施形態に係る車両のボディ構造では、スライドドア4が後部乗降口20を閉じる位置(前端位置)まで移動すると、図6(A)に示すように、ボディ2のルーフサイド部2rに形成された窪み部10の前部とスライドドア4の前部裏側との間に上部ウェザーストリップ40の前側突出板部43が挟まれるようになる。また、図6(B)に示すように、スライドドア4の前端縁とフロントドア3の後端縁との間に見切りシール4sが挟まれるようになる。
これにより、スライドドア4が強く閉じられることで、例えば、ゴム製のストッパ当接部材(図示省略)が弾性変形し、スライドドア4が仮に閉位置から前方にオーバランした場合でも、前記スライドドア4がボディ2のルーフサイド部2rに当接したり、フロントドア3に当接するようなことはない。
また、例えば、屋根上の雪が解けることによる融雪水(水)が、図4(A)(B)に示すように、ボディ2のルーフサイド部2rとスライドドア4との見切り部Mから流入しても、それらの水が上部ウェザーストリップ40のシール部424で受けられるため、主ウェザーストリップ30上に溜まることがない。また、上部ウェザーストリップ40とスライドドア4との接触部分に水が溜まることはない。さらに、上部ウェザーストリップ40のシール部424で受けられた水は前方に流れ、シール前端部434からリップ部435を介してセンターピラー2pの稜線部分Rに導かれる。これにより、前記水は、前記センターピラー2pの側面を伝って下方に流れ、一部が主ウェザーストリップ30の前側縦辺部30fのグリップ部34を伝って流れるようになる。
このようにして、センターピラー2pを伝って流れ落ちる水は、図7(A)に示すように、シール部材50の切欠き部57を通過して路面上に落ちる。さらに、主ウェザーストリップ30のグリップ部34を伝って下方に流れる水は第1ダム部36の位置で落下して切欠き部57を通過し、路面上に落ちるようになる。
また、第1ダム部36の近傍を通過して引き続きグリップ部34を伝って流れる水は、第2ダム部58のガイド面58eによって切欠き部57に導かれ、路面上に落下する。
これにより、主ウェザーストリップ30の下辺部30dとシール部材50との間に水が溜まって凍結するようなことがない。
<本実施形態に係る車両のボディ構造の長所について>
本実施形態に係る車両のボディ構造によると、上部ウェザーストリップ40には、ルーフサイド部2rの窪み部10の端縁に沿って、後部乗降口20よりも前方に突出する弾性変形可能な前側突出板部43が設けられている。そして、スライドドア4が閉じられる際に、前側突出板部43がルーフサイド部2rの窪み部10の前部とスライドドア4の前部裏側との間に挟まれることで、窪み部10の前部とスライドドア4の前部との接触を防止できる。
このため、スライドドアが強く閉じられることで、例えば、ゴム製のストッパ当接部材が弾性変形し、スライドドア4が仮に閉位置(前端位置)から前方にオーバランした場合でも、スライドドア4とルーフサイド部2rとの見切り部Mにおける接触を防止できる。
また、前側突出板部43は、板状骨材431xの周囲をゴム板材431y(弾性材)で覆う構成であり、その板状骨材431xにクリップ432が固定されている。そして、クリップ432がルーフサイド部2rの窪み部10に形成された貫通孔に挿入接続されることで、前側突出板部43がルーフサイド部2rの窪み部10に取付けられる。このため、前側突出板部43を強固にルーフサイド部2rの窪み部10に取付けられる。
<変更例>
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、上部ウェザーストリップ40に前側突出板部43を形成し、スライドドア4が閉じられる際、前側突出板部43をルーフサイド部2rの窪み部10の前部とスライドドア4の前部裏側との間に挟むようにする例を示した。しかし、前側突出板部43を上部ウェザーストリップ40の前端位置に形成する代わりに、主ウェザーストリップ30の上部前端部に形成する構成でも可能である。
また、前側突出板部43をボディ2に対してクリップ432で取付ける例を示したが、例えば、接着剤等で取付ける構成も可能である。
本発明の実施形態1に係るボディ構造を備える車両のフロントドア、スライドドアの部分を表す側面図(A図)であり、A図のB矢視部拡大図である(B図)。 スライドドアにより開閉される後部乗降口の回りに取付けられたウェザーストリップの配置を表す側面図である。 上部ウェザーストリップの全体側面図(A図)、A図のB-B矢視断面図(B図)、A図のC-C矢視断面図(C図)、及びA図のD-D矢視断面図(D図)である。 図2のIVA部の拡大斜視図(A図)、及びA図のB-B矢視断面図(B図)である。 図1、図2のVA-VA矢視断面図(A図)、図1、図2のVB-VB矢視断面図(B図)である。 図1、図2のVIA-VIA矢視断面図(A図)、図1、図2のVIB-VIB矢視断面図(B図)である。 図2のVIIA部の拡大斜視図(A図)、及びA図のB部拡大斜視図(B図)である。 シール部材の前部における平面図(A図)、A図のB-B矢視断面図(B図)である。 図7(A)のIXA-IXA矢視断面図(A図)、図7(A)のIXB-IXB矢視断面図(B図)である。
符号の説明
2p・・・・センターピラー
2・・・・・ボディ
2r・・・・ルーフサイド部
4・・・・・スライドドア
10・・・・窪み部
20・・・・後部乗降口(乗降口)
30・・・・主ウェザーストリップ
40・・・・上部ウェザーストリップ
43・・・・前側突出板部
431・・・円弧状板部
421x・・板状骨材
424y・・ゴム板材(弾性材)

Claims (3)

  1. スライドドアの閉状態で、そのスライドドアの上端部裏側が非接触状態で収納される窪み部を備えるボディのルーフサイド部と、乗降口の開口周縁に沿って前記ルーフサイド部の窪み部に取付けられており、前記スライドドアの閉状態で前記ルーフサイド部とそのスライドドア間に挟まれて弾性変形可能なウェザーストリップとを備える車両のボディ構造であって、
    前記ウェザーストリップには、前記窪み部端縁に沿って前記乗降口よりも前方に突出する弾性変形可能な突出板部が設けられており、
    前記突出板部は、前記スライドドアが閉じられる際に、前記ルーフサイド部の窪み部の前部と前記スライドドアの前部裏側との間に挟まれて、前記窪み部の前部と前記スライドドアの前部との接触を防止できるように構成されていることを特徴とする車両のボディ構造。
  2. 請求項1に記載された車両のボディ構造であって、
    前記突出板部は、板状の骨材の周囲を弾性材で覆う構成であり、
    前記骨材に連結されて、前記突出板部の裏側に突出するクリップが前記ルーフサイド部の窪み部に形成された貫通孔に挿入接続されることで、前記突出板部が前記ルーフサイド部の窪み部に取付けられることを特徴とする車両のボディ構造。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された車両のボディ構造であって、
    前記ボディの乗降口を全周に亘って囲む主ウェザーストリップと、
    前記主ウェザーストリップの上方に庇状に取付けられた上部ウェザーストリップとを備えており、
    前記上部ウェザーストリップに前記突出板部が設けられていることを特徴とする車両のボディ構造。
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