JP2009255341A - ノズルプレートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】煩雑な作業を行うことなく、シリコン基板に形成されるノズル孔の吐出口の直径に対する加工誤差の評価を加工途中で容易に行うことができ、製造効率を上げ製造コストの低減できるノズルプレートを提供する。
【解決手段】液滴吐出ヘッドに用いられ、シリコン基板に液滴を吐出するノズル孔を有するノズルプレートの製造方法において、シリコン基板に形成されたフォトレジスト層に、ノズル孔を形成するノズル孔レジストパターンと、ノズル孔の吐出口の直径に対する加工誤差を評価する検査レジストパターンと、を同時に形成することにより、フォトレジストパターンを形成する形成工程と、検査レジストパターンの読み取り解像度に基づいて、加工誤差を評価する評価工程と、評価工程で良好と判定した場合、フォトレジストパターンをマスクとしてシリコン基板を異方性ドライエッチングする工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ノズルプレートの製造方法に関する。
近年、インクジェット式プリンタは高速で高解像度の印刷が要求されている。このプリンタに用いられるインクジェット式記録ヘッドの構成部品の形成方法には、マイクロマシン分野の微細加工技術であるシリコン基板等を対象とした半導体プロセスが用いられているものがある。このようなインクジェット式記録ヘッドの構成部品の一つとして、ノズルプレートがあり、シリコン基板にエッチングを施すことによりノズル孔(液滴を吐出する吐出口を一方の開口とする貫通孔)を形成したものであることが知られている。
ノズルプレートのノズル孔径(吐出口の開口径)は、例えばφ1μm〜φ10μmといった微小な径でありながら、例えばφ5μm±0.1μmといった高精度が要求される。こうした微小なノズル孔は1つのノズルプレートに通常複数個設け、そのノズル孔径や開口形状は、高品質な印刷を行う上で、ばらつきなく揃っていることが要求される。
上記の微小なノズル孔を例えば異方性ドライエッチング方法を用いてシリコン基板に製造する際、ノズル孔径が小さくなるに従い、製造したノズル孔径が所望の直径となっているか否かの判定をすることができない場合がある。
このような微小なノズル孔を高精度に測定することができる製造方法として、ノズル孔と共にノズル孔径、ノズル長を測定するためのダミーパターンを設ける方法がある(特許文献1参照)。ダミーパターンは、そのダミーパターンのサイズを変更しても高い相関を保ったまま形成でき、ノズル孔と同形状、ノズル孔径よりも大きな径のノズル孔としている。上記より、ノズル孔長の測定が困難なノズル孔径が小さいノズルプレートを作製する際、測定可能な径の大きいダミーパターンを作製することにより、精度良くノズル孔長を非破壊で測定することができるとしている。又、ノズル孔径を測定する際、白金(Pt)等の金属膜をダミーパターン部分にスパッタリング等で選択的に設けて、電子顕微鏡使用時に発生するチャージアップを防ぐことで、精度良くノズル孔径を測定することができるとしている。
特開2007−253373号公報
しかしながら、特許文献1のノズル孔の製造において、シリコン基板に対するノズル孔を設ける加工が終了した後、ダミーパターンに金属膜を設けて電子顕微鏡によりノズル孔径(ノズル孔の液滴を吐出する吐出口の直径)の測定する作業は繁雑である。例えばシリコン基板に対して異方性ドライエッチングを行う前のフォトレジストパターン形成といった加工初期段階で不良となる要因が生じていた場合、以降の加工が無駄となってしまう。更に所望の直径でないと判定されたシリコン基板は、基板として再生できないため廃棄しなければならない。これらからノズルプレートの製造効率が良好とならず製造コストが低減できないという課題があった。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、煩雑な作業を行うことなく、シリコン基板に形成されるノズル孔の吐出口の直径に対する加工誤差の評価を加工途中で容易に行うことができ、製造効率を上げ製造コストの低減できるノズルプレートの製造方法を提供することである。
上記の課題は、以下の構成により解決される。
1. 液滴吐出ヘッドに用いられ、シリコン基板に液滴を吐出するノズル孔を有するノズルプレートの製造方法において、
前記シリコン基板に形成されたフォトレジスト層に、前記ノズル孔を形成するノズル孔レジストパターンと、前記ノズル孔の吐出口の直径に対する加工誤差を評価する検査レジストパターンと、を同時に形成することにより、フォトレジストパターンを形成するフォトレジストパターン形成工程と、
前記フォトレジスト層に形成された前記検査レジストパターンの読み取り解像度に基づいて、前記加工誤差を評価する評価工程と、
前記評価工程で良好と判定した場合、前記フォトレジストパターン形成工程で形成されたフォトレジストパターンをマスクとして前記シリコン基板を異方性ドライエッチングする工程と、を有することを特徴とするノズルプレートの製造方法。
2. 液滴吐出ヘッドに用いられ、シリコン基板に液滴を吐出するノズル孔を有するノズルプレートの製造方法において、
前記シリコン基板に設けられた酸化膜の上に形成されたフォトレジスト層に、前記ノズル孔を形成するノズル孔レジストパターンと、前記ノズル孔の吐出口の直径に対する加工誤差を評価する検査レジストパターンとを同時に形成することにより、フォトレジストパターンを形成するフォトレジストパターン形成工程と、
前記フォトレジスト層に形成された前記検査レジストパターンの読み取り解像度に基づいて、前記加工誤差を評価する評価工程と、
前記評価工程で良好と判定した場合、前記フォトレジストパターン形成工程で形成されたフォトレジストパターンをマスクとして前記酸化膜をエッチングする第1のエッチング工程と、
エッチングされた前記酸化膜をマスクとして前記シリコン基板を異方性ドライエッチングする第2のエッチング工程と、を有することを特徴とするノズルプレートの製造方法。
3. 前記検査レジストパターンは、所定の前記加工誤差に対応する幅のラインアンドスペースパターンであることを特徴とする1又は2に記載のノズルプレートの製造方法。
本発明のノズルプレートの製造方法によれば、煩雑な作業を行うことなく、シリコン基板に形成されるノズル孔の吐出口の直径に対する加工誤差の評価を加工途中で容易に行うことができ、製造効率を上げ製造コストを低減できる。
本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。
図2は液体吐出ヘッドの例であるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドと称する。)Uを構成している、ノズルプレート1、ボディプレート2、圧電素子3を模式的に示している。
ノズルプレート1には、インク吐出のためのノズル孔11を複数配列してあり、又本発明に係わるノズル孔11の吐出口の直径(ノズル孔径)の加工誤差を評価する検査パターン17が形成されている。また、ボディプレート2には、ノズルプレート1を貼り合わせることで、ノズル孔11の吐出口から吐出される液体を供給する圧力室となる圧力室溝24、インク供給路となるインク供給路溝23、共通インク室となる共通インク室溝22、及びインク供給口21が形成されている。
ノズルプレート1のノズル孔11とボディプレート2の圧力室溝24とが一対一で対応するようにノズルプレート1とボディプレート2とを貼り合わせることで流路ユニットMを形成する。ここで、以後、上記で説明に使用した圧力室溝、供給路溝、共通インク室溝の各符号はそれぞれ圧力室、供給路、共通インク室にも使用する。
ここで、図3は、この記録ヘッドUにおけるノズルプレート1のY−Y’、及びボディプレート2のX−X’の位置での断面を模式的に示している。図3が示しているように、流路ユニットMに圧電素子3をインク吐出用アクチュエータとしてボディプレート2のノズルプレート1を接着する面と反対の各圧力室24の底部25の面に接着することで、記録ヘッドUが完成する。この記録ヘッドUの各圧電素子3に駆動パルス電圧が印加され、圧電素子3から発生する振動が圧力室24の底部25に伝えられ、この底部25の振動により圧力室24内の圧力を変動させることでノズル孔11からインク滴を吐出させる。
図3に示す様に、ノズル孔11は、小径部14と大径部15とで構成されている。また、小径部14の液滴を吐出する吐出口13がある吐出面12には、より好ましい形態として撥液層50が設けてある。ノズルプレート1は、例えば厚み200μm程度のSi(シリコン)基板を基材にして、ノズル孔11が形成されており、ノズル孔11の大きさは、例えば大径部15の直径はφ100μm程度、長さ(深さ)195μm程度、小径部14の直径(ノズル孔径)はφ5μm程度、長さ(ノズル長)5μm程度である。
ノズルプレート1のいくつかのノズル孔11及び検査パターン17の近傍を吐出面12の側から見た様子を図1に示す。検査パターン17は、後述するノズル孔11の小径部14を形成する際に同時に吐出面12に形成される。検査パターン17の内17aで示す網線部分は窪んでいる箇所を示し、17bの部分は吐出面12と同じ面で窪んでいない箇所を模式的に示している。検査パターン17に関しては、以降で詳しく説明する。
Si(シリコン)からなるノズルプレート1のノズル孔11を製造することに関して図4から図10を適宜用いて説明する。大径部15及び小径部14は、Si基板30の対向する面からそれぞれ形成する。
まず大径部15の形成に関して図6、図9に沿って説明する。Si基板30に大径部15を形成する方法は、後述する小径部14と同じくエッチングとデポジションとを交互に繰り返す異方性ドライエッチング方法を用いることができる。
異方性ドライエッチング方法は、ボッシュプロセス又はASE(Advanced Silicon Etching)プロセス等と称されている。異方性ドライエッチング方法を行うエッチング装置は、ICP型RIE装置が好ましく、例えば、エッチング時のエッチングガスとして、6フッ化硫黄(SF)、デポジション時のデポジションガスとしてフッ化炭素(C)を交互に使用する。
この異方性ドライエッチング方法によるエッチングを行う際のエッチングマスクとなるSiOからなる酸化膜32、42が両面に設けてあるSi基板30を準備する(図6(a)、図9(S100))。
次に大径部15を形成する面である酸化膜32が設けてある面にフォトレジストを塗布してフォトレジスト層34を形成(図6(b))後、大径部形成用のフォトマスクを用いて露光・現像処理して、大径部15を形成するためのフォトレジストパターン35を形成する(図6(c)、図9(S101))。フォトレジストパターン35をエッチングマスクとして、例えばCHFを用いたドライエッチングによりエッチング処理(図9(S102))をして酸化膜パターン33を形成し(図6(d))、これを異方性ドライエッチング方法におけるエッチングマスクとする。
フォトレジストパターン35を除去後(図6(e)、図9(S103))、エッチングとデポジションとを交互に繰り返す異方性ドライエッチング方法を用いたエッチング処理(図9(S104))により大径部15を形成する(図6(f))。この後、エッチングマスクである酸化膜パターン33を除去(図9(S105))して大径部15が完成する(図6(g))。
尚、大径部15を形成する方法を上記ではエッチングとデポジションとを交互に繰り返す異方性ドライエッチング方法としたが、これに限定されない。また、大径部15の深さ(長さ)は、所定の深さとなるように、予め大径部15を形成する方法、装置を用いて実験等を行うことで形成条件を決めればよい。
次に、小径部14の形成に関して図7、図10に沿って説明する。図7(a)(図6(g)と同じ)に示す大径部15が形成されたSi基板30において(図10(S200))、小径部14を形成する側のSi基板30の酸化膜42の面にフォトレジストを塗布してフォトレジスト層44を形成(図7(b))後、小径部及び検査パターン形成用フォトマスクを用いて露光・現像処理する。こうした処理により、フォトレジスト層44には、小径部14を形成するためのノズル孔レジストパターン111に加え、ノズル孔径の加工誤差を評価する検査レジストパターン171が同時に形成され、フォトレジストパターン45となる(図7(c)、図10(S201))。
フォトレジストパターン45の形成は、上記の通り所望のパターンを備えたフォトマスクを用いてフォトレジストに対して投影露光や密着露光を行い、フォトレジストに潜像を形成後、現像処理により行われる。以下で説明する解像度を示すパターン幅は、上述のフォトマスクによりフォトレジスト層44に検査レジストパターン171の潜像を形成する際の露光像におけるパターン幅を示している。すなわち、解像度を示すパターン幅は、投影露光の場合は、フォトマスクにおけるパターン幅に投影倍率を乗じた値、密着露光の場合は、フォトマスクにおけるパターン幅そのままの値を示す。
検査レジストパターン171を形成するフォトマスクに備わるパターン形状は、例えば図5(a)に示すラインアンドスペースがあるが、これに限定されず、Si基板30上に形成されるフォトレジストパターン45の解像状態を評価できるパターン形状であれば良い。ラインアンドスペースの他には、例えば図5(b)、図5(c)に示すような、ラインアンドスペースを4角形や8角形に組み合わせたものでもよい。
形成された検査レジストパターン171を電子顕微鏡や光学顕微鏡等を用いて観察して、検査レジストパターン171の谷の部分(Si基板30側に窪んだ部分)においてSi基板30上にフォトレジストが残っていなく、山と山とが分離している状態の場合、解像していると判定する。
図9、図10に示すSi基板にノズル孔を形成する製造工程において、ノズル孔径の加工誤差の発生のほとんどは、図10に示す小径部14を形成するためのフォトレジストパターン形成工程(S201)であることが分かっている。また、形成された検査レジストパターン171の解像度とSi基板30の後述の異方性ドライエッチング処理後のノズル孔径の加工誤差との関係は、これまでの製造経験より強い相関関係があることが分かっている。
ノズル孔径がφ5μmの場合の解像度を示すラインアンドスペースの幅に対する形成されたノズル孔の加工誤差との関係を図4(b)に示す。横軸の解像度は検査レジストパターン171を形成するフォトマスクによる露光像のラインアンドスペースの幅を示している。例えば、図4において、解像度2μmは、ライン、スペースそれぞれの幅が2μmのラインアンドスペースの露光像により形成された検査レジストパターン171が解像していることを示している。
縦軸の加工誤差は、次式(1)より定義する。
加工誤差(%)=(D1−D2)/D1×100 (1)
但し、
D1:ノズル孔の設計上の直径
D2:ノズル孔の実測の直径
形成されたノズル孔はほぼ真円となっているため、ノズル孔の最大径を直径D2とし、またその直径は、通常加工においては設計上の直径より小さいため、式(1)で示す加工誤差は正の値となる。
例えば、直径φ5μmのノズル孔径を得るため、ノズル孔レジストパターン111と共にラインアンドスペースの幅が1μm、2μm、3μmの検査レジストパターン171をフォトレジストパターン45の一部としてSi基板30の上に形成する。形成された検査レジストパターン171を、例えば光学顕微鏡を用いて観察した結果、1μmは解像していないが、2μm、3μmが解像している場合、図4(b)より、得られるノズル孔径は直径φ5μmのノズル孔径に対する加工誤差2%以内とすることができることが分かる。言い換えると、直径φ5μmのノズル孔径に対する加工誤差2%以内としたい場合、観察する検査レジストパターン171は、1μmは解像している必要はないが、2μm、3μmは解像している必要がある。このようにして、検査レジストパターン171に基づいて、ノズル孔径に対する加工誤差を評価することができる。
検査レジストパターン171に設けるラインアンドスペースの幅の種類は、所望の加工誤差内であるか否かを判定する場合は1種類でよく、例えば加工誤差を複数に分類する必要がある場合や加工誤差の傾向を見る場合は、複数種類とすればよい。
一枚のSi基板から複数のノズルプレートを製造する場合、Si基板の一箇所に検査レジストパターン171を設けてもよいが、図8に示すように、Si基板30の製造する各ノズルプレート1毎に検査レジストパターン171を設けることが好ましい。このようにすることにより、製造する各ノズルプレートに形成されるノズル孔径の加工誤差を評価することができ、良品の選別をより容易にすることができる。
図4(a)、(b)、(c)には、ノズル孔径をそれぞれφ3μm、5μm、7μmとする場合における、フォトレジスト層に形成された検査レジストパターン171の解像度と異方性ドライエッチング処理後のノズル孔径の加工誤差との関係を示している。図4(a)、(b)、(c)が示す関係は、フォトレジストパターン45の形成条件にはほとんど影響を受けないが、異方性ドライエッチング条件の影響を受ける場合がある。この場合、サイドエッチング(ノズル孔の孔径を広げる方向のエッチング)量を抑える条件設定を行うことで解像度と加工誤差との関係は、概ね図4に示す関係とすることができる。
サイドエッチングを抑える具体的な方法として、エッチングとデポジションとを交互に繰り返す異方性ドライエッチング処理において、エッチングとデポジションとによる1サイクル毎のエッチング量を少なくする方法がある。この方法によれば、エッチング時に側壁(例えばノズル孔の内壁)に形成されるスカロップと呼ばれる波形の凹凸形状の山と谷との高低差が抑えられ、結果的にサイドエッチング量が抑えられる。
また、ノズル孔径が図4(a)、(b)、(c)に示すφ3μm、5μm、7μmと異なる場合の解像度と加工誤差との関係は、使用するフォトレジスト、フォトレジストパターンの形成条件及びエッチング装置によるエッチング条件等を特定し、加工実験を行って図4(a)、(b)、(c)と同様な解像度と加工誤差との関係を得ればよい。一旦得られた解像度と加工誤差との関係を用いることにより、解像度を観察することにより形成されるところのノズル孔径の加工誤差を容易に評価することができる。また、形成されるノズル孔径の良否をフォトレジストパターン形成後とする加工初期段階で容易に判定することができ、不良の場合は以降の製造工程を省くことにより、ノズルプレートの製造効率を上げ製造コストが低減できる。
フォトレジストパターン45を形成した後、光学顕微鏡、電子顕微鏡等を用いて検査レジストパターン171を観察してその解像度の評価をする(図10(S202))。この結果、所望の検査レジストパターン171が解像しているとした場合、解像しているパターン幅に対応した加工誤差範囲内のノズル孔径を得ることが予測できるため、次の第1のエッチング処理(図10(S203))に進む。また、解像していないとした場合、フォトレジストパターン45を剥がして再生処理(図10(S210))して、再度図7(b)、図10(S201)に示すレジストパターン形成から再開する。この再生処理により、Si基板30を廃棄する事無く有効に利用することができる。
フォトレジストパターン45をエッチングマスクとして、例えばCHFを用いたドライエッチングによる第1のエッチング処理(図10(S203))をして酸化膜パターン43を形成し(図7(d))、これを第2のエッチング処理である異方性ドライエッチングにおけるエッチングマスクとする。
フォトレジストパターン45を除去後(図7(e)、図10(S204))、酸化膜パターン43をエッチングマスクとしてエッチングとデポジションとを交互に繰り返す異方性ドライエッチング方法を用いた第2のエッチング処理(図10(S205))により小径部14を大径部15に貫通するまで形成する(図7(f))。この後、酸化膜パターン43を除去する(図7(g)、図10(S206))。
酸化膜パターン43の除去後、Si基板30に形成された検査パターン17を光学顕微鏡等により観察しノズル孔径の加工誤差の評価をする(図10(S207))。観察の結果、検査パターン17の山の最も高い部分(図1の17b)が周囲の吐出面12より低く形成されていないと判断する場合、これまでの製造経験から、形成されたノズル孔径は良好に形成されていると判断することができる。この場合の検査パターン17の状態を解像しているとする。一方、検査パターン17の山の最も高い部分が周囲の吐出面12より窪んで低く形成されていると判断する場合、これまでの製造経験から、形成されたノズル孔径は良好に形成されていないと判断することができる。この場合の検査パターン17の状態を解像していないとする。検査パターン17の解像度とノズル孔径の加工誤差との関係は、検査レジストパターン171の場合と同じ例えば図4(a)、(b)、(c)である。従って、例えばノズル孔径がφ5μmの場合、図4(b)を用いて、観察したラインアンドスペースの解像度より、加工誤差を評価することができる。
このように、ノズル孔径を直接電子顕微鏡等により測定すると言った煩雑な作業を行うことなく、検査パターン17の解像度を観察することにより、容易にノズル孔径の加工誤差を評価することができる。よって、ノズルプレートの製造効率を上げ製造コストが低減できる。
尚、検査パターン17の観察により加工誤差の判定より所望の加工誤差より大きいとされたノズルプレート1或いはSi基板30は以降の撥液層の形成をしないで製造を終了する(図10(S211))。
上述での小径部14の製造工程においては、Si基板30に対し異方性ドライエッチング処理する際のマスクを酸化膜パターンとしているが、酸化膜パターンの代わりにフォトレジストパターンを使用することができる。これは、小径部14の深さが大径部15と比較して浅いためである。マスクとしてフォトレジストパターンを使用する場合、上記で説明したノズルプレートの製造工程において、図6、図7の酸化膜42を不要とし、図7のSi基板30の大径部15が形成されていない面に直接フォトレジストパターンを形成すればよい。このフォトレジストパターン(検査レジストパターン)の解像度の観察に基づいて、上記と同じく各ノズルプレートに形成されるノズル孔径の加工誤差を評価することができ、良品の選別をより容易にすることができる。またフォトレジストパターンをマスクとして異方性ドライエッチングを行って形成された検査パターンの解像度の観察に基づいて、上記と同じく各ノズルプレートに形成されたノズル孔径の加工誤差を評価することができ、良品の選別をより容易にすることができる。
上記の酸化膜パターンを形成しない場合でも、ノズル孔径を直接電子顕微鏡等により測定すると言った煩雑な作業を行うことなく、検査レジストパターン、検査パターンの解像度を観察することにより、容易にノズル孔径の加工誤差を評価することができる。よって、ノズルプレートの製造効率を上げ製造コストが低減できる。
次に、撥液層50に関して説明する。図3に示すノズルプレート1の吐出口13が存在する吐出面12に撥液層50を設ける(図10(S208))のが好ましい。撥液層50を設けることで、液体が吐出面12に馴染むことで吐出口13からの染み出しや広がりを抑制することができる。具体的には、例えば液体が水性であれば撥水性を有する材料が用いられ、液体が油性であれば撥油性を有する材料が用いられる。一般に、FEP(四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン)、PTFE(ポリテトラフロロエチレン)、フッ素シロキサン、フルオロアルキルシラン、アモルファスパーフルオロ樹脂等のフッ素樹脂等が用いられることが多く、塗布や蒸着等の方法で吐出面12に成膜されている。膜厚の厚みは、特に限定されるものではないが、概ね0.1μmから3μmとするのが好ましい。
尚、撥液層50は、ノズルプレート1の吐出面12に直接成膜してもよいし、撥液層50の密着性を向上させるために中間層を介して成膜することも可能である。
これまで説明したノズルプレート1の製造方法において、大径部15を先に製造し、後で小径部14を製造しているが、小径部14を先に製造し、後で大径部15を製造するようにしてもよい。
Si基板30を100枚用意し、各Si基板30にノズルプレート1を10個形成した。
図6、図9に示すようにしてSi基板30に大径部15を製造した。使用したSi基板の厚みは200μm、大径部の直径φ100μm、深さ195μmとした。
次に、図7、図10に準じて大径部15が形成されているSi基板30に小径部14を形成した。本実施例では、酸化膜を省いて、Si基板30に直接フォトレジストパターンを形成した。
Si基板30にスピンコート法により厚み1μmのフォトレジスト(東京応化工業 OFPR−800)を塗布し、フォトレジスト層を形成した。フォトレジスト層をベーキングした後、所定のフォトマスクを密着させて露光した。所定のフォトマスクには、小径部14と検査パターン17を形成するためのパターンが設けてある。小径部14のノズル孔径はφ5μmとし、検査パターン17の幅は1μm、2μm、3μmの3種類のラインアンドスペースパターンとした。
この後、現像処理によりフォトレジストパターンを形成し、光学顕微鏡を用いて、100枚全てのSi基板30のノズルプレート1に対応して形成された検査レジストパターン171(図8参照)を観察した。観察の結果、以下の(1)から(3)に分類されることが確認された。
(1)3種類のパターン全てが解像していた。
(2)1μmのパターンは解像してないが、2μm及び3μmのパターンは解像していた。
(3)1μm及び2μmのパターンは解像していないが、3μmのパターンは解像していた。
ベーキング後、ICP型RIE装置を用いて異方性ドライエッチングを行い、小径部14を形成した。この時の異方性ドライエッチングの加工条件を以下に示す。
(エッチング条件)
使用ガス:SF、C
ガス流量:SF:60sccm、C:40sccm
プロセス圧力:1.3Pa
高周波電力:500W
バイアス電力:50W
1サイクル時間:5秒
(デポジション条件)
使用ガス:C
ガス流量:80sccm
プロセス圧力:1.3Pa
高周波電力:400W
バイアス電力:0W
1サイクル時間:3秒
上記の条件で、異方性ドライエッチング1サイクル時間は8秒となり、1サイクル当たりのエッチング速度は0.06μmとなり、サイドエッチングを抑えた。この条件で90サイクル(12分間)Si基板のエッチングを行って小径部14を形成した。
フォトレジストパターンを除去した後、電子顕微鏡を用いて、小径部14のノズル孔径を測定したところ、上記の検査レジストパターン171の(1)から(3)の分類に対して以下となった。
(1)φ5μmに対する加工誤差が1%以内であることが確認できた。
(2)φ5μmに対する加工誤差が2%以内であることが確認できた。
(3)φ5μmに対する加工誤差が5%以内であることが確認できた。
また、ノズルプレートに形成された検査パターン17を観察したところ、上記の検査レジストパターン171の(1)から(3)の分類に対して以下となった。
(1)3種類のパターン全てが解像していた。
(2)1μmのパターンは解像してないが、2μm及び3μmのパターンは解像していた。
(3)1μm及び2μmのパターンは解像していないが、3μmのパターンは解像していた。
上記の結果より、Si基板上にフォトレジストで形成された検査レジストパターン171の観察に基づいて得られる、ノズルプレートに形成されるノズル孔径の加工誤差の値が図4(b)に示す通りであることが確認できた。これより、検査レジストパターン171の観察に基づいてノズル孔径の加工誤差の評価を行うことが十分実用的であることが確認できた。また、ノズル孔径の加工誤差の評価は、検査レジストパターン171の観察と同様に、ノズルプレートに形成された検査パターン17を観察することによっても同じ結果が得られることが確認できた。
上記の評価結果と所望の加工誤差とを比較して、良否判定を容易に行うことができ、しいては、ノズルプレートの製造効率を上げ製造コストを低減できる。
ノズルプレートのいくつかのノズル孔及び検査パターンの近傍を吐出面の側から見た様子を示す図である。 液体吐出ヘッドの例であるインクジェット式記録ヘッドの構成例を示す図である。 図2に示すインクジェット式記録ヘッドにおけるノズルプレート1のY−Y’、及びボディプレート2のX−X’の位置での断面を模式的に示す図である。 解像度を示すラインアンドスペースの幅に対する形成されたノズル孔の加工誤差との関係を示す図である。 解像度を示すパターンの例を示す図である。 大径部を形成する工程を説明する図である。 小径部を形成する工程を説明する図である。 一枚のSi基板から複数のノズルプレートを製造する様子を示す図である。 大径部を形成する工程を説明するフロー図である。 小径部を形成する工程を説明するフロー図である。
符号の説明
1 ノズルプレート
2 ボディプレート
3 圧電素子
11 ノズル孔
12 吐出面
13 吐出口
14 小径部
15 大径部
17 検査パターン
21 インク供給口
22 共通インク室(溝)
23 インク供給路(溝)
24 圧力室(溝)
30 Si基板
32、42 酸化膜
34、44 フォトレジスト層
111 ノズル孔レジストパターン
171 検査レジストパターン
35、45 フォトレジストパターン
50 撥液層
U インクジェット式記録ヘッド

Claims (3)

  1. 液滴吐出ヘッドに用いられ、シリコン基板に液滴を吐出するノズル孔を有するノズルプレートの製造方法において、
    前記シリコン基板に形成されたフォトレジスト層に、前記ノズル孔を形成するノズル孔レジストパターンと、前記ノズル孔の吐出口の直径に対する加工誤差を評価する検査レジストパターンと、を同時に形成することにより、フォトレジストパターンを形成するフォトレジストパターン形成工程と、
    前記フォトレジスト層に形成された前記検査レジストパターンの読み取り解像度に基づいて、前記加工誤差を評価する評価工程と、
    前記評価工程で良好と判定した場合、前記フォトレジストパターン形成工程で形成されたフォトレジストパターンをマスクとして前記シリコン基板を異方性ドライエッチングする工程と、を有することを特徴とするノズルプレートの製造方法。
  2. 液滴吐出ヘッドに用いられ、シリコン基板に液滴を吐出するノズル孔を有するノズルプレートの製造方法において、
    前記シリコン基板に設けられた酸化膜の上に形成されたフォトレジスト層に、前記ノズル孔を形成するノズル孔レジストパターンと、前記ノズル孔の吐出口の直径に対する加工誤差を評価する検査レジストパターンとを同時に形成することにより、フォトレジストパターンを形成するフォトレジストパターン形成工程と、
    前記フォトレジスト層に形成された前記検査レジストパターンの読み取り解像度に基づいて、前記加工誤差を評価する評価工程と、
    前記評価工程で良好と判定した場合、前記フォトレジストパターン形成工程で形成されたフォトレジストパターンをマスクとして前記酸化膜をエッチングする第1のエッチング工程と、
    エッチングされた前記酸化膜をマスクとして前記シリコン基板を異方性ドライエッチングする第2のエッチング工程と、を有することを特徴とするノズルプレートの製造方法。
  3. 前記検査レジストパターンは、所定の前記加工誤差に対応する幅のラインアンドスペースパターンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のノズルプレートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021019693A1 (ja) 2019-07-30 2021-02-04 コニカミノルタ株式会社 ノズルプレート、ノズルプレートの製造方法及びインクジェットヘッド
WO2022044245A1 (ja) 2020-08-28 2022-03-03 コニカミノルタ株式会社 ノズルプレート及びインクジェットヘッド

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