JP2009255278A - シート材穿孔装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シート材に対する穿孔数の切替機能を備えてなお簡易な構造を有する梃子クランク機構を適用したシート材穿孔装置を提供する。
【解決手段】 ダイ孔列と噛み合う複数のパンチを個別に係止する複数の係止部材と、回転運動するクランク部材、一端が揺動可能に支持された梃子部材、梃子部材とクランク部材を連結する連接部材、クランク部材の回転および梃子部材の一端を支持する固定部材を有する梃子クランク機構と、複数の係止部材をダイ孔列に対する近接側あるいは離間側で個別に支持する複数の支持部を有して連接部材に連結し、ダイ孔列方向に沿って往復移動可能としたパンチ切替部材とを有し、パンチ切替部材の一方移動により所定パンチを係止する係止部材を支持部の近接側に移動した後に、クランク部材の回転運動により連接部材を穿孔方向に揺動運動して所定パンチを穿孔移動させるシート材穿孔装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、紙、樹脂、食品、木材、金属、セラミックス、あるいはこれらの複合材などを用いてなるシート状の形態を有する各種のシート材に対して穿孔するために使用されるシート材穿孔装置に関する。
近年、例えば複写機やその後処理装置などの装置内で、自動的に揃えたシート材に穿孔して冊子を作製するためにシート材穿孔装置を搭載した事務機器などが普及してきた。このようなシート材穿孔装置としては、ダイに有するダイ孔に噛み合わせるパンチを直線的に移動させて穿孔するレシプロ式や、ダイとパンチをともに回転させてダイ孔とパンチを噛み合わせて穿孔するロータリ式といった穿孔機構を有するものが知られている。特に、小型で低コストといった利点を有するレシプロ式のシート材穿孔装置は多用されている。
レシプロ式のシート材穿孔装置としては、例えば特許文献1〜4に提案されるものが知られている。これらに提案されたシート材穿孔装置のうち、パンチの穿孔方向に交差して傾斜するスライド面やスライド溝を備えたカム部材によってパンチを穿孔動作する構成を有する穿孔装置や、あるいはさらに該カム部材を動作する移動部材を備える構成を有する穿孔装置は、前記カム部材や前記移動部材を実質的にシート面に対して平行移動する簡易な構造によってパンチを穿孔方向に移動でき、シート材穿孔装置のコンパクト化や低コスト化のために有効である。
上述したように前記カム部材や前記移動部材を平行移動してパンチを穿孔移動するシート材穿孔装置では、シート面に対する平行方向に伝達された駆動源からの駆動力をパンチの穿孔方向となるシート面に対する垂直方向に変換する必要がある。このため、パンチの穿孔方向に対する交差方向に傾斜する前記スライド面や前記スライド溝を有する駆動力変換手段が採用されている。しかしながら、このような駆動力変換手段では、駆動力の作用方向の変換過程における損失が大きく、これを補償するために駆動力損失を考慮した大型の駆動源を設けることとなった。このように大型の駆動源を有することとなり、シート材穿孔装置のコンパクト化や低コスト化は大きく阻害された。
本発明者は、上述した課題に鑑み、パンチを穿孔移動させる機械的機構に梃子クランク機構を適用し、該梃子クランク機構を構成する連接部材にパンチを係止させ、該連接部材をパンチの穿孔方向に揺動運動させることでパンチを穿孔移動させる駆動力変換手段を採用したシート材穿孔装置を提案した(特願2008−87528号)。これにより、簡易な構成によって駆動力の作用方向の変換による損失の低減が可能となり、それ故に駆動源の小型化を可能としたので、シート材穿孔装置のコンパクト化や省エネルギー化さらには低コスト化に貢献することができる。
特開2001−9791号公報 特開2001−198889号公報 特開2001−171900号公報 特開2002−337095号公報
ここにきて、上述の発明者が提案した梃子クランク機構を適用したシート材穿孔装置に対し、シート材への穿孔数の切替機能を備えることを所望された。加えて、該切替機能を有してなお、シート材穿孔装置に対するコンパクト化や省エネルギー化さらには低コスト化が強く所望された。ここでいう穿孔数の切替機能とは、例えば、穿孔数が3個の穿孔(以下、3孔穿孔という)と2個の穿孔(以下、2孔穿孔という)とを切り替えてシート材に対して穿孔できる機能であり、また例えば、穿孔数が4個の穿孔(以下、4孔穿孔という)と2孔穿孔とを切り替えてシート材に対して穿孔できる機能を意図する。
本発明の目的は、梃子クランク機構を適用してパンチを穿孔移動させるシート材穿孔装置において、シート材に対する穿孔数の切替機能を備えた簡易な構造を有してなるシート材穿孔装置を提供することである。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものである。
すなわち本発明は、ダイ孔列と噛み合ってシート材に穿孔する複数のパンチと、該複数のパンチを個別に係止する複数のパンチ係止部材と、前記複数のパンチのうち所定パンチを穿孔可能に切り替えるパンチ切替機構と、前記所定パンチを穿孔移動する梃子クランク機構とを有し、該梃子クランク機構は、駆動装置に連結され回転運動するクランク部材と、一端が揺動可能に支持された梃子部材と、該梃子部材と前記クランク部材を連結する連接部材と、前記クランク部材の回転軸および前記梃子部材の一端を支持する固定部材とを具備し、前記パンチ切替機構は、前記複数のパンチ係止部材を前記ダイ孔列に対する近接側あるいは離間側で個別に支持する複数の支持部を有して前記連接部材に連結し、前記ダイ孔列方向に沿って往復移動可能としたパンチ切替部材を具備し、該パンチ切替部材の一方移動により前記所定パンチを係止するパンチ係止部材を前記支持部において前記近接側に移動した後に、前記クランク部材の回転運動により前記連接部材を穿孔方向に揺動運動することで前記所定パンチを穿孔移動させる、シート材穿孔装置である。
本発明においては、前記パンチ切替部材の一方移動により、前記複数のパンチのうち穿孔不可能とするパンチを係止するパンチ係止部材を前記支持部において前記離間側に移動することが望ましい。
また、本発明においては、前記パンチ切替部材の支持部は、穿孔方向に対して傾斜を有する第一支持部と、該第一支持部とは反対傾斜を有する第二支持部とを有することが望ましい。
また、本発明においては、前記第一支持部の傾斜および前記第二支持部の反対傾斜はいずれも長孔でなることが望ましい。
また、本発明においては、前記固定部材は、穿孔方向に対して略直交配置された前記パンチ係止部材の穿孔方向と交差する移動を規制する規制部材を有することが望ましい。
本発明のシート材穿孔装置は、簡易な機械的構成により具備する複数のパンチのうち所定パンチを穿孔可能に切り替えることができるので、シート材に対する穿孔数を、例えば3孔から2孔に切り替えたり、その逆に切り替えたり、また、4孔から2孔に切り替えたり、その逆に切り替えたりといったことが可能となる。また、穿孔数の切替を簡易な構成で実現したことに加え、パンチの穿孔移動に簡易な構成でなる梃子クランク機構を適用したことにより駆動力の変換損失を低減でき、シート材穿孔装置のコンパクト化や省エネルギー化さらには低コスト化に貢献できる。
本発明の一例となるシート材穿孔装置であって、図2に示す2孔穿孔から3孔穿孔に切り替えた穿孔前の待機状態を示す構成図である。 図1に示す3孔穿孔から2孔穿孔に切り替えた穿孔前の待機状態を示す構成図である。 図1に示すシート材穿孔装置の側面を示す構成図である。 図3中に示す線分Q−Qに対応する位置において、図1に示す3孔穿孔の待機状態からパンチ2aが穿孔移動されて下死点に到達した状態を示す断面を含む構成図である。 図3中に示す線分Q−Qに対応する位置において、図2に示す2孔穿孔の待機状態から穿孔動作によりパンチ2aが穿孔方向に移動して下死点に到達した状態を示す断面を含む構成図である。 図1に示すシート材穿孔装置によるシート材への一連の穿孔動作過程をシート材の通紙方向から示す構成図である。 パンチ切替部材をダイ孔列方向に往復移動する手段の一例の要部の概略構成を示す構成図である。 図4および図5に示す構成とは別例となるパンチ切替機構の要部の概略構成を図4の記載に対応して示す断面を含む構成図である。 図8に示すパンチ切替機構の要部の概略構成を図5の記載に対応して示す断面を含む構成図である。
本発明のシート材穿孔装置は、基本構成として、ダイ孔列と噛み合ってシート材に穿孔する複数のパンチと、該複数のパンチを個別に係止する複数のパンチ係止部材と、前記複数のパンチを直線的に穿孔方向に移動する機械的機構とを有する、いわゆるレシプロ式のシート材穿孔装置である。そして、本発明においては、パンチを直線的に穿孔方向に移動する機械的機構としては後述する梃子クランク機構を適用している。従って、従来のレシプロ式のシート材穿孔装置が有する作用効果、例えば小型で低コストといった利点を有することができる。
よって、本発明のシート材穿孔装置は、複写用紙等を使用する複写機やその後処理装置などの事務機器への搭載が好適である。この他、本発明においては、穿孔対象を紙に限るものではなく、例えば、樹脂、食品、木材、金属、セラミックス、あるいはこれらの複合材等でなるシート状の形態を有する各種のシート材を穿孔対象とする用途にも、本発明のシート材穿孔装置は適用可能である。
本発明のシート材穿孔装置における重要な特徴は、梃子クランク機構を適用してパンチを穿孔移動させるシート材穿孔装置において、具備する複数のパンチのうち所定パンチを穿孔可能に切り替えることが可能なパンチ切替機構を簡易な機械的機構によって実現したことにある。具体的には、ダイ孔列と噛み合ってシート材に穿孔する前記複数のパンチを個別に係止する複数のパンチ係止部材を設けた上で、本発明においては、前記複数のパンチ係止部材を前記ダイ孔列に対する近接側あるいは離間側で個別に支持する複数の支持部を有して前記梃子クランク機構をなす連接部材に連結し、前記ダイ孔列方向に沿って往復移動可能としたパンチ切替部材を具備するパンチ切替機構とする。そして、該パンチ切替部材の一方移動により前記所定パンチを係止するパンチ係止部材を前記支持部において前記近接側に移動した後に、前記梃子クランク機構により前記所定パンチを穿孔移動させる。本発明においてダイ孔列方向は実質的にシート材の幅方向に相当する。
本発明において、上述したパンチ切替機構に有するパンチ切替部材は、例えば、概ねダイ列がなすダイ孔列方向に沿う図1に示すセレクタ21ような外観形状を有してなる部材とすることができる。また例えば、揺動支点を有し、ダイ孔列方向に沿う面と概ね平行となる平面内において揺動運動する図8に示す振り子54ような外観形状を有してセレクタ53との組み合わせによって機能する組み部材であってもよい。本発明でいうパンチ切替部材の一方移動とは、ダイ孔列方向に沿って往復移動可能とした該パンチ切替部材を、ダイ孔列方向の一方側に向かって移動する動作を意図する。例えば、概ねダイ孔列方向に沿う上述した外観形状を有してなるパンチ切替部材であれば、概ねダイ孔列方向の一方側に向かって移動する該パンチ切替部材の直線運動に相当する。また例えば、揺動支点を有して揺動運動する上述した外観形状を有してなるパンチ切替部材であれば、概ねダイ孔列方向の一方側に向かって始動するパンチ切替部材の揺動運動または回転運動に相当する。また、パンチ切替部材の他方移動という場合は、上述した一方移動とは逆方向への移動を意図する。
上述した本発明におけるパンチ切替機構を適用することにより、具備する複数のパンチのうち穿孔可能としたい前記所定パンチを、穿孔不可能としたい他パンチよりも、穿孔方向においてダイ孔列に近接することができる。これにより、前記所定パンチの穿孔移動量が穿孔方向における近接量分だけ穿孔不可能としたい前記他パンチよりも短縮されるため、この後に、梃子クランク機構を駆動してパンチを穿孔方向に移動した際に、前記所定パンチは前記他パンチよりも先行してシート材に達して前記ダイ孔列と噛み合うことができる。それ故に、前記近接量分によって生じた前記所定パンチと前記他パンチとの穿孔移動量の差分を利用し、各パンチの穿孔移動量を前記差分の範囲で予め調整しておくことにより、シート材に対して前記所定パンチは穿孔することができ、一方、前記他パンチは穿孔することができないようにすることができる。
例えば、従来、5個のパンチを具備して2孔穿孔と3孔穿孔との切替機能を有するシート材穿孔装置が知られており、具備する5個のパンチはシート材に対して2孔穿孔するための2孔穿孔用パンチと3孔穿孔するための3孔穿孔用パンチとに区分されている。該シート材穿孔装置に対して本発明の構成を適用するにおいては、パンチ切替機構により2孔穿孔に切り替えた場合に、穿孔方向において2孔穿孔用パンチを3孔穿孔用パンチよりもダイ孔列に対して近接させた近接量分の範囲内で、梃子クランク機構によりパンチを穿孔方向に移動した際に2孔穿孔用パンチがダイ孔列と噛み合うように、一方、3孔穿孔用パンチがシート材に達しないように、各パンチの穿孔移動量を予め調整する。そして、この調整を行ってさらに、3孔穿孔に切り替えた場合に、穿孔方向において3孔穿孔用パンチを2孔穿孔用パンチよりもダイ孔列に対して近接させた近接量分の範囲内で、3孔穿孔用パンチがダイ孔列と噛み合うように、一方、2孔穿孔用パンチがシート材に達しないように、各パンチの穿孔移動量を予め調整するのである。
また例えば、従来、4個のパンチを具備して2孔穿孔と4孔穿孔との切替機能を有するシート材穿孔装置も知られており、具備する4個のパンチはシート材に対して2孔穿孔するための2孔穿孔用パンチと4孔穿孔するための4孔穿孔用パンチとに区分されている。該シート材穿孔装置の場合は、シート材に対する穿孔位置との関係において、2個の2孔穿孔用パンチはシート材幅方向の中央部に配置され、その両側に配置される2個のパンチは4孔穿孔専用のパンチとして使用されることが専らである。つまり、4孔穿孔用パンチのうちの2個を2孔穿孔用パンチと兼用する構成を有する。該シート材穿孔装置に対して本発明の構成を適用するにおいては、パンチ切替機構により2孔穿孔に切り替えた場合に、穿孔方向において2孔穿孔用パンチを4孔穿孔専用のパンチよりもダイ孔列に対して近接させた近接量分の範囲内で、梃子クランク機構によりパンチを穿孔方向に移動した際に2孔穿孔用パンチがダイ孔列と噛み合うように、一方、4孔穿孔専用のパンチがシート材に達しないように、各パンチの穿孔移動量を予め調整する。そして、この調整を行ってさらに、4孔穿孔に切り替えた場合に、すべてのパンチがダイ孔と噛み合うように各パンチの穿孔移動量を予め調整するのである。
本発明においては、穿孔可能としたい所定パンチを係止するパンチ係止部材を、パンチ切替部材に有する支持部において、上述したようにパンチ切替部材の一方移動により近接側に移動して支持することにより、所定パンチの穿孔移動量を近接量分だけ短縮して穿孔可能とする。このとき、本発明においては、前記パンチ切替部材の一方移動により、同時に、具備する複数のパンチのうち穿孔不可能としたいパンチを係止するパンチ係止部材を、パンチ切替部材に有する支持部において離間側に移動することが望ましい。これにより、穿孔不可能としたいパンチの穿孔移動量を離間量分だけ延長することができる。その結果、穿孔可能としたい前記所定パンチと穿孔不可能としたい前記パンチの穿孔移動量の差分は前記近接量分に前記離間量分を加えたものとなって増大するため、上述した各パンチの穿孔移動量の調整がさらに容易となる。
また、上述したパンチ係止部材の支持部における近接側あるいは離間側への支持位置の移動を行うための手段としては、パンチ切替部材に有する支持部を区分し、例えば、穿孔方向に対して傾斜を有する第一支持部と、該第一支持部とは反対傾斜を有する第二支持部とを有することが望ましい。そして、穿孔可能としたい所定パンチを係止するパンチ係止部材を前記第一支持部で支持し、一方、穿孔不可能としたいパンチを係止するパンチ係止部材を前記第二支持部で支持するのである。前記第一支持部と前記第二支持部とは互いに逆方向となる傾斜を有する構成としているため、パンチ切替部材の一方移動により、前記第一支持部で支持したパンチ係止部材が前記第一支持部に有する傾斜によってダイ孔列に対して近接側に移動することができ、同時に、前記第二支持部で支持したパンチ係止部材を前記第二支持部に有する反対傾斜によってダイ孔列に対して離間側に移動することができる。これにより、穿孔可能としたい前記所定パンチと穿孔不可能としたい前記パンチの穿孔移動量を増大させて、具備する各パンチのシート材に対する穿孔の可能または不可能をより確実に切り替えることができる。
また、上述した前記第一支持部の傾斜および前記第二支持部の反対傾斜はいずれも長孔でなることが望ましく、各支持部に好適な形状の傾斜を形成することが容易となるばかりか、各支持部を構成するために要する部品数を低減できるため装置のコンパクト化に有効である。また、機械加工などによってパンチ切替部材に長孔を穿つために高度な技術を要するものではなく、装置の製造コスト低減にも有効である。
上述したようにパンチ切替機構は本発明においては重要である。これに加えて、本発明においては、パンチを穿孔移動させる機械的機構として梃子クランク機構を適用することにより、パンチを穿孔移動させるための機械的機構を簡潔な構成で実現し、シート材に対して穿孔動作を行うパンチに伝達する駆動力の損失を最小限に抑制したことも、また重要な特徴となる。本発明においては、梃子クランク機構をなす連接部材に対して上述したパンチ切替機構を連結することにより、梃子クランク機構をなすクランク部材の回転運動により前記連接部材をパンチの穿孔方向に揺動運動させることで、パンチ切替機構に有するパンチ切替部材を介してパンチを穿孔移動させる構成としている。
本発明における梃子クランク機構は、駆動装置に連結され回転運動するクランク部材と、一端が揺動可能に支持された梃子部材と、該梃子部材と前記クランク部材を連結する連接部材と、前記クランク部材の回転軸および前記梃子部材の前記一端を支持する固定部材とを具備する。そして、梃子クランク機構をなす前記連接部材に対し、上述したようにパンチ切替機構においてパンチを係止するパンチ係止部材を支持するパンチ切替部材を連結する。この構成により、駆動装置を駆動してクランク部材を回転運動することにより、該クランク部材に連結する連接部材を穿孔方向に揺動運動させることができ、該連接部材が揺動運動することで該連接部材に連結されたパンチ切替部材を同様に揺動運動することができるため、パンチ切替部材に対してパンチ係止部材を介して連結するパンチを穿孔方向に移動することができる。このとき、パンチ切替機構によりシート材に対して穿孔可能に切り替えられた所定パンチが穿孔を目的として穿孔移動されるため、該所定パンチによってシート材に穿孔することができる。
本発明においていうパンチの穿孔方向とは、シート材のシート面との直行方向であって、梃子クランク機構において固定リンクとなる前記固定部材のシート材載置面に対して実質的に直行する方向に対応する。よって、連接部材に対し、パンチ切替機構に有するパンチ切替部材を介してパンチを連結しておくことにより、駆動力の作用方向を変換することなくパンチを穿孔方向に直接的に穿孔方向に移動することができる。
また、本発明においては、梃子クランク機構によりパンチを穿孔方向に移動し、シート材に対して穿孔可能とした所定パンチを穿孔動作させる。このとき、パンチの穿孔動作はパンチ切替機構を介して梃子クランク機構によって行うものの、梃子クランク機構側から穿孔パンチに伝達される駆動力はパンチ切替機構自体の駆動には費やされることがない。それ故に、駆動力の伝達に係る損失は、本発明の構成を有するパンチ切替機構を付加したとしても該パンチ切替機構の連結に係る極僅かな損失分はあるものの最小限に抑えることができて、パンチを連接部材によって直接的に穿孔方向に駆動する場合に比べて実質的にほとんど変わらない作用効果を得ることができる。
よって、上述した本発明の構成によれば、パンチ切替機構を有するものの、駆動源からパンチに伝達される駆動力の作用方向の変換は実質的に最小限に抑えることができ、これにより駆動力の損失が低減され、さらには駆動力の損失分の低減により駆動源の小型化が可能となって駆動機構部に加わる負荷を低減することができる。よって、上述した本発明の構成は、具備する複数のパンチが所望に応じて区分し、シート材に対する穿孔数を例えば2孔と3孔、2孔と4孔などのように切り替えるためのパンチ切替機構を具備するシート材穿孔装置において、上述した作用効果を十分に発揮することができる。
ここで、本発明における梃子クランク機構につき、さらに詳述しておく。
梃子クランク機構とは、一般に四つのリンクを有し、全ての前記リンクが回り対偶によって連鎖をなす四節回転連鎖に属する機械的機構であって、前記リンクの中で長さが最小のリンクと対偶をなすリンクを固定した機械的機構をいう。つまり、該梃子クランク機構とは、回り対偶によって連鎖をなす4つのリンクのうち、1つは運動できない固定リンクであり、最小長さのリンクを含む3つのリンクが運動可能に構成されてなる機械的機構をいう。また、一般に、回転運動するリンクをクランク、揺動運動するリンクを梃子、該梃子と前記クランクとを連結するリンクを連接棒という。そして、前記クランクが最小長さのリンクとなる。また、上述の対偶とは、隣り合ったリンクが互いに接して運動する構成において、互いに接する接触部分の組み合わせ部をいう。
本発明においては、上述のクランクが前記クランク部材に、梃子が前記梃子部材に、連接棒が前記連接部材に、および固定リンクが前記固定部材に対応する。
本発明においては、梃子クランク機構をなす連接部材に長孔を設け、該長孔によってパンチ切替機構をなすパンチ切替部材を連結することが望ましく、長孔を穿つだけの簡易な構成でパンチ切替機構と梃子クランク機構とを連結することができる。
また、連接部材に設ける前記長孔は、前記長孔におけるクランク部材の側がよりダイ孔列から離間するように傾斜を有して設けることが望ましい。このように前記長孔に傾斜を設けることにより、連接部材の揺動運動の所定ストロークの中にあっても、傾斜を設けた分だけパンチ切替部材を介して連結するパンチの穿孔方向の移動ストロークを短縮することができる。
また、本発明においては、梃子クランク機構をなす前記固定部材は、穿孔方向に対して略直交配置されたパンチ係止部材の穿孔方向と交差する移動を規制する規制部材を有することが望ましい。本発明の構成を有するシート材穿孔装置において、梃子クランク機構による穿孔動作時には連接部材の揺動運動によってモーメントを生じることがある。また、パンチ切替機構によるパンチ切替動作時にはパンチ切替部材の移動動作によってモーメントを生じることがある。いずれにおいてもモーメントを生じた場合には、パンチ係止部材を穿孔方向と交差するように移動しようとするモーメント荷重が作用することとなる。このため、パンチと該パンチを穿孔方向に案内するためのパンチ案内部との相対位置関係で決まる互いの接触長さによっては、パンチ係止部材を介し、パンチを穿孔方向に対して交差する方向に倒すようにモーメント荷重が作用することがある。これによってパンチに倒れを生じてしまうと、パンチとパンチ案内部との間の摺動性を損ねたり、パンチとダイ孔との適正な噛み合いを損ねてしまうことがある。よって、固定部材に対し、パンチを係止するパンチ係止部材の穿孔方向と交差する移動を規制する規制部材を設け、パンチ係止部材を介してのパンチの倒れを防止し、パンチとパンチ案内部およびダイ孔との適正な位置関係を保持することが望ましい。
以下、本発明につき、シート材に対する穿孔数を2孔と3孔に切り替えることが可能なパンチ切替機構を具備する本発明の一例となるシート材穿孔装置を挙げて、図を用いて詳述する。
図1は、本発明の一例となるシート材穿孔装置1(以下、穿孔装置1という)であって、パンチ切替部材に対応するセレクタ21をダイ孔列方向への一方移動により2穴穿孔から3孔穿孔に切り替えたときの待機状態の概略構成を、シート材(図示せず)の通紙方向から示す構成図である。図2は、図1に示す待機状態から、セレクタ21をダイ孔列方向への他方移動により2孔穿孔に切り替えたときの待機状態の概略構成を、シート材(図示せず)の通紙方向から示す構成図である。図3は、図1に示す穿孔装置1を側面から示す構成図である。図4は、図3中に示す線分Q−Qに対応する位置において、パンチ2a、2c、2eによる3孔穿孔を行った際に、穿孔移動されたパンチ2aが穿孔方向に移動して下死点に到達した状態を示す構成図である。図5は、図3中に示す線分Q−Qに対応する位置において、パンチ2b、2dによる2孔穿孔を行った際に、穿孔不可能としたパンチ2aが梃子クランク機構により穿孔方向に移動されて下死点に到達した状態を示す構成図である。
穿孔装置1は、図1および図2に示すように、5個のダイ孔3a、3b、3c、3d、3e(以下、ダイ孔3a〜3eともいう)でなるダイ孔列を有するダイフレーム20と、該ダイフレーム20と噛み合うことでシート材に穿孔する5個のパンチ2a、2b、2c、2d、2e(以下、パンチ2a〜2eともいう)を具備する。また、穿孔装置1は、パンチ2a〜2eを穿孔移動させる梃子クランク機構を具備し、パンチ2a〜2eと梃子クランク機構との間にはそれぞれに対して連結するパンチ切替機構を具備する。
また、穿孔装置1に具備する5個のパンチ2a〜2eは、パンチ係合部材に対応する5本の係止ピン18a、18b、18c、18d、18e(以下、係止ピン18a〜18eともいう)によって係止され、3孔穿孔に用いるパンチ2a、2c、2e(以下、3孔用パンチという)と2孔穿孔に用いるパンチ2b、2d(以下、2孔用パンチという)に区分される。なお、パンチ2a〜2eおよびダイ孔3a〜3eは互いに噛み合うことでシート材に穿孔できる構成であればよく、形状寸法や材質などは用途や目的に応じて適宜選択することができる。
穿孔装置1において、梃子クランク機構は、回転軸12と駆動ピン13を有してクランク部材に対応するギヤ4と、梃子部材に対応する揺動アーム5と、連接部材に対応する連接アーム6と、ダイフレーム20と一体になしたフレーム7およびブラケット8からなる固定リンクに対応する固定部材とを有し、これら部材を繋ぐピン14およびピン15によって構成される。そして、連接アーム6に対して、パンチ切替機構を介してパンチ2a〜2eが連結される。
上述した梃子クランク機構において、クランク部材に対応するギヤ4を回転運動させるための駆動装置は、図3に示すように、モータ9と、該モータ9の回転軸に装着したピニオンギヤ10と、該ピニオンギヤ10に連結する中間ギヤ11を有してなり、該中間ギヤ11をギヤ4に連結している。そして、駆動装置に連結されたギヤ4は、固定部材をなすブラケット8で支持した回転軸12から所定の間隔位置に駆動ピン13を有している。そして、該駆動ピン13を所定の回転半径で回転軌跡を描いて回転運動させることにより、ギヤ4は梃子クランク機構におけるクランクとしての機能を有することができる。また、駆動ピン13と回転軸12との距離がクランクの長さに対応する。なお、クランク部材に対応するギヤ4において、上述のブラケット8に限らず、固定部材に対応するいずれかによってギヤ4の回転軸12の支持を行えばよい。
上述した梃子部材に対応する揺動アーム5は、一端がピン14で固定部材をなすフレーム7に連結して支持されている。これにより、揺動アーム5は、ピン14で支持された個所を揺動支点として揺動可能となって、梃子クランク機構における梃子部材としての機能を有することができる。また、ピン14は、揺動支点としての機能を有すればよく、例えば軸受などの部材を使用できる。なお、梃子部材に対応する揺動アーム5において、上述のフレーム7に限らず、固定部材に対応するいずれかの部材によって揺動アーム5の前記一端の支持を行えばよい。
上述した連接部材に対応する連接アーム6は、ダイ孔列方向に沿うように配置され、上述の揺動アーム5に対してはピン15で連結され、かつ、上述のギヤ4に対しては駆動ピン13で連結されている。これにより、連接アーム6は、クランク部材に対応するギヤ4の駆動ピン13と梃子部材に対応する揺動アーム5とを連結し、駆動ピン13およびピン15の個所を揺動支点として揺動可能となって、梃子クランク機構における連接部材としての機能を有することができる。なお、ピン15は、揺動支点としての機能を有すればよく、例えば軸受などの部材を使用できる。
また、梃子クランク機構における固定リンクとしての機能は、穿孔装置1においてはシート材Sのシート面に対向配置されたフレーム7と該フレーム7と一体化したブラケット8からなる構造体によって得ることができる。また、一体化したフレーム7やブラケット8に対して一体化するように取り付けたダイフレーム20もまた、穿孔装置1においては固定リンクとしての機能を有することができる。上述したように穿孔装置1において固定部材は、シート材Sのシート面に対して実質的に対向配置して互いに固定したフレーム7およびダイフレーム20と、これに対して固定したダイフレーム20とで構成した。
上述のフレーム7には、パンチ2a〜2eの穿孔移動を案内する案内部16a、16b、16c、16d、16e(以下、パンチ案内部16a〜16eともいう)を設けている。また、フレーム7には、上述したように揺動アーム5の一端を揺動可能に支持するピン14を設け、該ピン14により梃子部材支持部としての機能を持たせた。また、上述のブラケット8においては、上述したようにクランク部材であるギヤ4の回転軸12を回転可能に支持し、該回転軸12によりクランク部材支持部としての機能を持たせた。
上述した構成により、ギヤ4、駆動ピン13、連接アーム6、ピン15、揺動アーム5の間を連結できてギヤ4、連接アーム6、揺動アーム5を動作可能にでき、かつ、上述した梃子クランク機構の固定リンクの如くに回転軸12とピン14との間をブラケット8およびフレーム7とで固定することができる。なお、梃子クランク機構においては、ピン14が梃子の対偶に対応し、回転軸12がクランクの対偶に対応し、回転軸12とピン14の間の距離が固定リンクの長さに対応する。なお、梃子クランク機構においては、駆動ピン13と回転軸12の間の距離すなわちクランクの長さをAとし、駆動ピン13とピン15の間の距離すなわち連接棒の長さをBとし、ピン14とピン15の間の距離すなわち梃子の長さをCとし、回転軸12とピン14の間の距離すなわち固定リンクの長さをDとするとき、式:(A+B)<(C+D)が成立するように各部材が配置されている。
また、梃子クランク機構を構成するにおいて、駆動ピン13と回転軸12の間の距離Aと、ピン14とピン15の間の距離Cとは、駆動ピン13を有してクランク部材に対応するギヤ4が回転可能となるようにC>Aの関係が成立するように設定することにより、梃子クランク機構の動作の安定化を図ることができる。
穿孔装置1において、パンチ切替機構は、パンチ2a〜2eを係止する係止ピン18a〜18eを支持するための支持部となる5個所の傾斜孔17a、17b、17c、17d、17e(以下、傾斜孔17a〜17eともいう)を有し、梃子クランク機構をなす連接アーム6に連結する切替部材となるセレクタ21を有する構成でなる。そして、セレクタ21は、ダイ孔3a〜3eでなるダイ孔列方向に沿うように往復移動可能とし、これによりセレクタ21をダイ孔列方向に沿うように一方移動あるいは他方移動することができる。
上述したセレクタ21は、該セレクタ21と同様にダイ孔列方向に沿うように配置された梃子クランク機構をなす連接アーム6に対し、セレクタ21の両端側に設けた二つの長孔23a、23bと該長孔23a、23bに対応して連接アーム6に設けた二つの長孔32a、32bとを連通する連結ピン22a、22bによって連結される。また、セレクタ21は、セレクタ21の一方側に設けた長孔24と連結ピン25によって駆動レバー28の一端に連結している。
セレクタ21に連結する駆動レバー28は、駆動ピン30により駆動レバー28の他端に穿孔方向に略直交して設けた長孔31で切替駆動ギヤ29に連結する。また、該駆動レバー28と前記長孔31内で穿孔方向と略直交して移動できるように係合する駆動ピン30を、切替駆動ギヤ29の回転軸から所定の間隔位置に設け、切替駆動ギヤ29を回転することにより駆動ピン30が所定の回転半径で回転軌跡を描いて回転運動できるようにしている。また、駆動レバー28はフレーム7に設けたガイド孔26に連通するレバーガイド27を有しており、これによりダイ孔列方向に駆動レバー28を案内することができる。
また、穿孔装置1において駆動源となるモータ9は、ピニオンギヤ10を介して中間ギヤ11に連結している。そして、モータ9に連結された中間ギヤ11は、梃子クランク機構をなすギヤ4とパンチ切替機構に係る切替駆動ギヤ29の双方に連結している。また、ギヤ4および切替駆動ギヤ29は、それぞれの内部に一方向クラッチ(図示せず)を有している。そして、該一方向クラッチの機能により、梃子クランク機構をなすギヤ4は図1および図2において矢印19で示す方向に限って回転可能となり、一方、切替駆動ギヤ29は矢印42で示す方向に限って回転可能となる。ここでいう一方向クラッチとは、駆動力を一方回転に限って伝達することができる機械的機構を有してなるものである。すなわち、穿孔装置1においてはモータ9のみによって、梃子クランク機構とパンチ切替機構の双方を選択的に駆動することができる。
上述した構成において、ギヤ4に限って回転するようにモータ9を駆動することにより、梃子クランク機構を穿孔動作することができる。一方、切替駆動ギヤ29に限って回転するようにモータ9を駆動することにより、パンチ切替機構に有するセレクタ21をダイ孔列方向に沿うように往復移動することができ、切替駆動ギヤ29の回転停止位置との関係においてセレクタ21を矢印40もしくは矢印41で示す方向に係留できる。
なお、本発明において、上述したパンチ切替部材の往復移動手段は、コストパフォーマンスやコンパクト性など所望する条件に合わせて適宜選択すればよい。例えば、上述したように一方向クラッチなどを使用して電動力や空気力などによって動作する構成とすることができる。また例えば、セレクタ21を一方移動および他方移動するための手段の一例として図7に示すように、切替駆動ギヤ29を設けず、故にギヤ4に一方向クラッチを設けず、切替レバー28’を手動により矢印40もしくは矢印41で示す方向に移動する構成とすることもできる。
上述したセレクタ21において、3孔用パンチと2孔用パンチに対応させるために、パンチ2a〜2eを係止する係止ピン18a〜18eを支持する支持部となる5個の傾斜孔17a〜17eを便宜上区分し、傾斜孔17a、17c、17dを第一支持部とし、傾斜孔17b、17dを第二支持部としている。そして、第一支持部に有する傾斜と第二支持部に有する傾斜が互いに逆方向となるようにそれぞれの傾斜を形成している。図1において、第一支持部とした傾斜孔17a、17c、17eは穿孔方向に対して右上方から左下方に向かって傾斜を有する長孔でなり、一方、第二支持部とした傾斜孔17b、17dは左上方から右下方に向かって前記第一支持部とは反対傾斜を有する長孔でなる。なお、本発明において前記第一支持部や前記第二支持部は、上述した傾斜孔17a〜17eのような長孔によってなる傾斜に限らず、例えば有低溝や、板材や棒材などで案内するようになした傾斜であってもよい。
上述したパンチ切替機構を適用することにより、穿孔装置1においてはセレクタ21を図1に示すようにダイ孔列方向の右方側に一方移動する過程で、3孔用パンチを係止する係止ピン18a、18c、18eをセレクタ21に有する傾斜孔17a、17c、17eにおいて下方側に押し下げてダイ孔列に対する近接側に移動し、これにより入込部43において係留して支持することができる。同時に、2孔用パンチを係止する係止ピン18b、18dをセレクタ21に有する傾斜孔17b、17dにおいて上方側に押し上げてダイ孔列に対する離間側に移動し、これにより入込部44において係留して支持することができる。上述した動作により、係止ピン18a、18c、18eに係止された3孔用パンチはダイ孔3a、3c、3eに近接され、同時に、係止ピン18b、18dに係止された2孔用パンチはダイ孔3b、3dから離間され、3孔用パンチと2孔用パンチの互いの穿孔移動量に差分を生じさせることができる。
上述したパンチ切替動作と同様に、セレクタ21を図2に示すようにダイ孔列方向の左方側に他方移動する過程で、2孔用パンチを係止する係止ピン18b、18dを傾斜孔17b、17dにおいて下方側に押し下げ、同時に、3孔用パンチを係止する係止ピン18a、18c、18eを傾斜孔17a、17c、17eにおいて上方側に押し上げることにより、2孔用パンチをダイ孔3b、3dに近接し、3孔用パンチをダイ孔3a、3c、3eから離間することができ、2孔用パンチと3孔用パンチの穿孔移動量に差分を生じさせることができる。
なお、上述した傾斜孔17a〜17eに有する入込部43、44は、シート材に対してセレクタ21が略平行に位置したとき、同様に略平行の状態となるように設定して形成している。
次に、上述した穿孔装置1に具備したパンチ切替機構によるパンチの切替動作につき、図1〜図5を参照しながら説明する。最初に、穿孔装置1における3孔穿孔から2孔穿孔への切替動作について説明する。
図1に示す3孔穿孔に切り替えて待機状態にある穿孔装置1において、モータ9を駆動し、切替駆動ギヤ29をピニオンギヤ10および中間ギヤ11を介して矢印42で示す方向に回転させると、切替駆動ギヤ29と連結する駆動レバー28が回転運動する駆動ピン30によって押されて矢印40で示す方向に移動し、駆動レバー28と連結するセレクタ21が連結ピン25によってさらに押されて矢印40で示す方向に移動される。
セレクタ21が矢印40で示すダイ孔列方向の一方側に移動される過程で、2孔穿孔に用いる2孔用パンチ(パンチ2b、2d)を係止する係止ピン18b、18dは、これを支持するセレクタ21に有する傾斜孔17b、17dにおいて、その傾斜によりダイフレーム20に設けたダイ孔3b、3dに対して近接側に移動される。一方、同時に、3孔穿孔に用いる3孔用パンチ(パンチ2a、2c、2e)を係止する係止ピン18a、18c、18eは、これを支持するセレクタ21に有する傾斜孔17a、17c、17eにおいて、その傾斜によりダイフレーム20に設けたダイ孔3a、3c、3eに対して離間側に移動される。そして、切替駆動ギヤ29が概ね180度回転した位置で停止したとき、係止ピン18b、18dは傾斜孔17b、17dにおいて近接側入込部(パンチ2aにおける入込部43相当個所)で係留されて支持され、一方、係止ピン18a、18c、18eは傾斜孔17a、17c、17eにおいて離間側入込部(パンチ2aにおける入込部44相当個所)で係留されて支持される。
この状態となった穿孔装置1は、2孔用パンチはシート材に対して穿孔可能な状態となり、3孔用パンチは穿孔不可能な状態となり、これにより3孔穿孔から2孔穿孔への切替動作が終了し、図2に示す2孔穿孔における待機状態とすることができる。
なお、上述した一連の動作の間には、一方向クラッチを有するギヤ4は回転運動することがないため、梃子クランク機構が駆動してパンチを穿孔移動させることはない。
次いで、穿孔装置1における2孔穿孔から3孔穿孔への切替動作について説明する。
図2に示す2孔穿孔に切り替えて待機状態にある穿孔装置1において、上述と同様に切替駆動ギヤ29を矢印42で示す方向に回転させると、切替駆動ギヤ29と連結する駆動レバー28は回転運動する駆動ピン30によって引かれて矢印41で示す方向に移動し、駆動レバー28と連結するセレクタ21が連結ピン25によってさらに引かれて矢印41で示す方向に移動される。
セレクタ21が矢印41で示すダイ孔列方向の他方側に移動される過程で、3孔穿孔に用いる3孔用パンチを係止する係止ピン18a、18c、18eは、これを支持するセレクタ21に有する傾斜孔17a、17c、17eにおいて、その傾斜によりダイフレーム20に設けたダイ孔3a、3c、3eに対して近接側に移動される。一方、同時に、2孔穿孔に用いる2孔用パンチを係止する係止ピン18b、18dは、これを支持するセレクタ21に有する傾斜孔17b、17dにおいて、その傾斜によりダイフレーム20に設けたダイ孔3b、3dに対して離間側に移動される。そして、切替駆動ギヤ29が概ね180度回転した位置で停止したとき、係止ピン18a、18c、18eは傾斜孔17a、17c、17eにおいて近接側入込部(パンチ2aにおける入込部43相当個所)で係留されて支持され、一方、係止ピン18b、18dは傾斜孔17b、17dにおいて離間側入込部(パンチ2aにおける入込部44相当個所)で係留されて支持される。
この状態となった穿孔装置1は、3孔用パンチはシート材に対して穿孔可能な状態となり、2孔用パンチは穿孔不可能な状態となって、これにより2孔穿孔から3孔穿孔への切替動作を終了し、図1に示す3孔穿孔における待機状態とすることができる。
なお、上述した一連の動作の間には、一方向クラッチを有するギヤ4は回転運動することがないため、梃子クランク機構が駆動してパンチを穿孔移動させることはない。
次に、上述した穿孔装置1に具備した梃子クランク機構によるパンチの穿孔動作につき、3孔穿孔の場合を例に挙げ、図1〜図5を参照しながら図6を用いて説明する。
図6は、図1に示す穿孔装置1を用いてシート材Sに対して穿孔する一連の穿孔動作過程を示す構成図である。なお、連接アーム6、セレクタ21、およびパンチ2a〜2eの明確化のために一部を断面で示し、揺動アーム5にハッチングを施し、中間ギヤ11などの駆動装置や、駆動レバー28や切替駆動ギヤ29などの記載を略している。
図1に示す3孔穿孔に切り替えて待機状態にある穿孔装置1において、モータ9を駆動し、クランク部材に対応するギヤ4をピニオンギヤ10および中間ギヤ11を介して矢印19で示す方向に回転させると、該ギヤ4の回転により、駆動ピン13は所定の回転半径を持って回転軌跡を描きながら回転運動を開始する。そして、該駆動ピン13の回転運動により、梃子クランク機構をなす連接アーム6が駆動ピン13の回転運動に対して追従運動することとなって、図6(a)に示すシート材(図示せず)のシート面に対して略平行となる略水平の状態であった連接アーム6のギヤ4側がシート材から離間するように移動し始める。連接アーム6が移動し始めると、一方の揺動アーム5もまたピン14を揺動支点として揺動し始める。これにより、連接アーム6は、実質的にはギヤ4の回転運動に追従すると同時に揺動アーム5の揺動運動に対しても追従運動することとなって、シート面に対して同様に略水平の状態であった連接アーム6の揺動アーム5側が、揺動運動する揺動アーム5によって拘束を受けながらシート材に近接するように揺動し始める。
そして、揺動運動し始めた連接アーム6は、自らの揺動運動と同様に、長孔32a、32bおよび連結ピン22a、22bによって自らに連結するセレクタ21の揺動運動を開始させる。すなわち、梃子クランク機構を駆動することにより、クランク部材に対応するギヤ4を回転して駆動ピン13を回転運動することにより、該駆動ピン13の回転運動に対して連接部材に対応する連接アーム6を追従させて揺動運動させるとともに、該連接アーム6に連結するパンチ切替機構に有する切替部材に対応するセレクタ21を追従させて揺動運動させることができる。
この後、図6(b)に示すように、ギヤ4が概ね90度回転し、駆動ピン13が最上点に到達した状態にまで連接アーム6およびセレクタ21が揺動運動する過程において、パンチ2aは図6(a)に示す位置よりも僅かではあるがシート材に近接するように移動し、他の4個のパンチ2b、2c、2d、2eはいずれもシート材から離間するように移動する。そして、さらにギヤ4が矢印19で示す方向に回転すると、連接アーム6の両端側がともにシート材に近接するように揺動運動し始めるため、この連接アーム6の揺動運動により連結するセレクタ21もまた同様に揺動運動し、セレクタ21に有する傾斜孔17a〜17eにおいて係止されたパンチ2a〜2eがシート材に近接するように穿孔方向に移動し始める。穿孔装置1においては、ギヤ4の回転が概ね180度に達したときに揺動アーム5と連接アーム6がなす角度を156度に設定し、揺動アーム5の揺動角度を65度に設定している。
上述したパンチ2a〜2eの穿孔方向への移動において、ギヤ4に設けた駆動ピン13の回転半径、ギヤ4の回転軸12の配置、揺動アーム5のピン14とピン15との距離などを調整することにより、上述した連接アーム6におけるギヤ4側と揺動アーム5側とのシート材に近接するように移動方向を換える動作のタイミングを違えることができる。加えて、3孔穿孔の場合には3孔用パンチ(パンチ2a、2c、2e)において、2孔穿孔の場合には2孔用パンチ(パンチ2b、2d)において、それぞれのパンチを穿孔移動させるタイミングもまた違えることができる。このように穿孔タイミングを違えた場合は、穿孔タイミングを同時としてパンチの穿孔に要する駆動力を集中させた場合に比べ、それぞれのパンチの穿孔に要する駆動力が分散されるため、シート材の穿孔に要する駆動力を低減することができる。
さらにこの後、穿孔装置1においては、図6(a)に示す状態からギヤ4が概ね120度回転したとき、最初にパンチ2aの刃先がシート材に突き刺さった後にダイ孔3aと噛み合い始める。さらにギヤ4が回転し、図6(c)に示すようにギヤ4が概ね180度回転した状態に達する頃には、図4に示すように最初にダイ孔3aと噛み合い始めたパンチ2aがシート材Sに穿孔して穿孔方向の最下点に達する。そして、この後は、ギヤ4が概ね270度まで回転して図6(d)の状態に移行していく過程において、他のパンチ2c、2eも順次ダイ孔3c、3eと噛み合ってシート材Sに穿孔し、終には3孔用パンチとしたすべてのパンチ2a、2c、2eによってシート材に対して3孔穿孔することができる。
シート材に対して3孔穿孔後、連接アーム6の揺動運動は、ギヤ4の回転とともに、まず揺動アーム5側が最下点に達してシート材から離間するように移動方向を転じ、次いで中央部が最下点に達して同様に移動方向を転じ、終にはギヤ4側が最下点に達して同様に移動方向を転じることとなって、ギヤ4が1回転して図6(a)に示す状態に戻ったときに3孔用パンチによる一連の3孔穿孔動作を終了し、図1に示す3孔穿孔における待機状態とすることができる。
上述した図4に示すパンチ2aの状態は、3孔穿孔に切り替えた穿孔装置1において、梃子クランク機構により穿孔移動されたパンチ2aが穿孔方向の最下点に到達した状態である。連接アーム6に連結するセレクタ21の揺動運動によって穿孔方向に移動されたパンチ2aは、連接アーム6からセレクタ21を介して伝達された駆動力を得て、該駆動力を穿孔力として図4に示す状態に到る過程においてシート材Sに穿孔することができる。この状態にあって、係止ピン18aを連通して係止されたパンチ2aは、セレクタ21に有する傾斜孔17aにおいてダイ孔3aに対して近接側に設けた入込部43で係留され確実に支持されているため、梃子クランク機構から伝達した駆動力の損失を最低限に抑制することができる。
以上、本発明の一例となる穿孔装置1を用い、シート材に3孔穿孔する場合の一連の穿孔動作過程について説明した。なお、シート材に2孔穿孔する場合は、具備するパンチ切替機構によりシート材に対して穿孔可能とするパンチを2孔用パンチ(パンチ2b、2d)に切り替えればよく、2孔穿孔の係る一連の穿孔動作過程は3孔穿孔の場合と同様なので説明を略す。ただし、2孔穿孔におけるパンチ2aの一部挙動について、図5を用いて説明しておく。
図5に示すパンチ2aの状態は、2孔穿孔に切り替えた穿孔装置1において、梃子クランク機構により2孔穿孔動作を行った際に、穿孔不可能としたパンチ2aが移動されて穿孔方向の最下点に到達した状態である。連接アーム6に連結するセレクタ21の揺動運動によって穿孔方向に移動されたパンチ2aは、図5に示す状態に到るまで穿孔方向に移動されることとなる。しかしながら、図5に示す状態に到る過程において、パンチ2aはセレクタ21に有する傾斜孔17aにおいてダイ孔3aに対する離間側に設けた入込部44で係留され確実に支持されている。よって、パンチ2aはシート材Sに達することができないためシート材Sへの穿孔を不可能とすることができ、同様にパンチ2c、2eによる穿孔も不可能とすることができる。
上述した穿孔装置1につき、さらに付け加えておく。
連接アーム6およびセレクタ21を図1や図2に示すようにシート材のシート面に対向して略平行となる状態に設定したときに、揺動アーム5がシート面に対して略直交する状態に位置するように、ギヤ4の駆動ピン13などの配置関係を調整することが望ましい。この構成として梃子クランク機構を駆動すると、揺動アーム5は前記略直交していた状態からシート面に対向するように略平行となる状態に近づくように揺動する。このとき、ギヤ4の回転運動および揺動アーム5の揺動による梃子作用によって生じる駆動力を連接アーム6を介してセレクタ21に伝達するにおいて、前記駆動力の穿孔方向分力を揺動アーム5の姿勢が前記略平行となる状態に近づくに従って増加することができる。それ故に、シート材に対する穿孔力となるパンチに伝達される駆動力を効率よく増加することができる。加えて、前記構成により、パンチの穿孔方向において大きな移動量を確保できるので、シート材穿孔装置のコンパクト性を損なうことがない。
また、上述した穿孔装置1が待機状態にあるとき、上述したように揺動アーム5を前記略直交する状態とし、さらに、パンチ2a、2c、2eと係止ピン18a、18c、18eとの各係止点を結ぶ方向が前記略平行となる位置となり、かつ、パンチ2b、2dと係止ピン18b、18dとの各係止点を結ぶ方向が前記略平行となる位置となるように、連接アーム6およびセレクタ21を構成した上で、ギヤ4の回転軸12と駆動ピン13を前記略平行となる位置関係に調整することが望ましい。この構成として梃子クランク機構を駆動すると、連接アーム6およびセレクタ21をシート材のシート面に対して平行に近似する状態に姿勢を保ちながら揺動運動することができるため、これによりそれぞれのパンチ2a〜2eの穿孔方向への移動量を近似することができ、パンチ2a〜2eやパンチ案内部16a〜16eなど穿孔装置1の構成部材を適宜共通化することができる。
以上より、上述した梃子クランク機構およびパンチ切替機構を有する本発明の一例となる穿孔装置1を用い、シート材に対して穿孔する前に、本発明におけるパンチ切替部材に対応するセレクタ21をダイ孔列方向の一方側に移動することにより、3孔用パンチ(パンチ2a、2c、2e)を係止する係止ピン18a、18c、18eをダイ孔3a、3c、3eに近接する側に移動して3孔用パンチを穿孔可能とすることができた。そして、上述したようにパンチを切り替えた後に、梃子クランク機構をなすギヤ4の回転運動により連接アーム6を穿孔方向に揺動運動することで3孔用パンチを穿孔移動させることにより、3孔用パンチとダイ孔3a、3c、3eとを噛み合わせてシート材に対して3孔穿孔することができた。
あるいは、本発明におけるパンチ切替部材に対応するセレクタ21を他方側に移動することにより、2孔用パンチ(パンチ2b、2d)を係止する係止ピン18b、18dをダイ孔3b、3dに近接する側に移動して2孔用パンチを穿孔可能とすることができた。そして、上述したようにパンチを切り替えた後に、梃子クランク機構をなすギヤ4の回転運動により連接アーム6を穿孔方向に揺動運動することで2孔用パンチを穿孔移動させることにより、2孔用パンチとダイ孔3b、3dとを噛み合わせてシート材に対して2孔穿孔することができた。
以下、本発明におけるパンチ切替機構につき、さらに付け加え、図4および図5に示した構成例とは別の構成例を挙げて、図8および図9を用いて説明する。
図8は、本発明の一例となるパンチ切替機構の要部の概略構成を、図4の記載に対応して示す構成図である。また、図9は、図8に示すパンチ切替機構の要部の概略構成を、図5の記載に対応して示す構成図である。
図8において、パンチ50は係止ピン52に係止され、該係止ピン52は振り子54に設けた傾斜55aを有する支持部55に連通して支持されている。該支持部55において係止ピン52は、ダイ孔51に対して近接側となる入込部56で係留され支持されている。また、該係止ピン52を支持する振り子54は、梃子クランク機構をなす連接アーム60に対し、該連結アーム60に設けた長孔62および振り子54に連通する連結ピン61によって連結されている。そして、該振り子54を挟むように配置されたセレクタ53を有し、図示は略すが、該セレクタ53は矢印70および矢印71で示すダイ孔列方向に往復移動可能に構成してある。また、該セレクタ53を矢印70や矢印71で示す方向に移動するとき、該セレクタ53の互いに対向する丸みを帯びた先端が振り子54の両側面に対して接触して摺動できるようになっている。
そして、図8に示す状態は、セレクタ53の矢印70で示す方向への一方移動により振り子54の図8において左側面を押すことで該振り子54を矢印72で示すようにセレクタ53の右方側に揺動運動することで穿孔移動量の差分58を確保し、これによりパンチ50を穿孔可能とした後に、梃子クランク機構によりパンチ50を穿孔移動させることで穿孔方向の最下点に到達させた状態である。
上述した構成において、連接アーム60が穿孔方向に揺動運動することにより、振り子54が連接アーム60の揺動運動に追従するように揺動運動することでパンチ50が穿孔移動されることとなって、図8に示す状態に到る過程においてパンチ50がダイ孔51と噛み合ってシート材Sに対して穿孔することができる。
一方、図9に示す状態は、セレクタ53の矢印71で示す方向への他方移動により振り子54の図9において右側面を押すことで該振り子54を矢印73で示すようにセレクタ53の左方側に揺動運動することで穿孔移動量の差分58’を確保し、これによりパンチ50を穿孔不可能とした後に、梃子クランク機構により穿孔方向に移動したパンチ50が穿孔方向の最下点に到達した状態である。この状態においては、穿孔動作前に、予めパンチ50を係止する係止ピン52を振り子54に設けた支持部55においてダイ孔51に対して離間側となる入込部57で係留して支持しているため、連接アーム60の穿孔方向への揺動運動によってパンチ50が穿孔方向に移動してもパンチ50がシート材Sに達することがない。それ故に、パンチ50とダイ孔51が噛み合ってシート材Sに対して穿孔することがない。
本発明においては、上述したようにセレクタ53と振り子54との組み合わせによって機能する組み部材でなるパンチ切替部材を適用し、穿孔可能としていた所定パンチを穿孔不可能となるように切り替えたり、あるいは、その逆の切り替えを行うことができる。よって、例えば3孔穿孔と2孔穿孔を切り替えるパンチ切替機構において、3孔用パンチで穿孔したい場合には、3孔用パンチを係止するパンチ係止部材を傾斜55aと同傾斜を有する振り子54の支持部55において支持し、一方、2孔用パンチを係止するパンチ係止部材を傾斜55aと反対傾斜を有する反対振り子の支持部において支持するように構成すればよい。これとは逆に、2孔用パンチで穿孔したい場合には、2孔用パンチを係止するパンチ係止部材を振り子54の支持部55において支持し、3孔用パンチを係止するパンチ係止部材を反対振り子の支持部において支持するように構成すればよい。
1.穿孔装置、2a,2b,2c,2d,2e.パンチ、3a,3b,3c,3d,3e.ダイ孔、4.ギヤ、5.揺動アーム、6.連接アーム、7.フレーム、8.ブラケット、9.モータ、10.ピニオンギヤ、11.中間ギヤ、12.回転軸、13.駆動ピン、14.ピン、15.ピン、16a,16b,16c,16d,16e.パンチ案内部、17a,17b,17c,17d,17e.傾斜孔、18a,18b,18c,18d,18e.係止ピン、19.矢印、20.ダイフレーム、21.セレクタ、22a,22b.連結ピン、23a,23b.長孔、24.長孔、25.連結ピン、26.ガイド孔、27レバーガイド、28.駆動レバー、28’.切替レバー、29.切替駆動ギヤ、30.駆動ピン、31.長孔、32a,32b.長孔、40〜42.矢印、43,44、入込部、50.パンチ、51.ダイ孔、52.係止ピン、53.セレクタ、54.振り子、55.支持部、55a.傾斜、56,57.入込部、58,58’.穿孔移動量の差分、60.連接アーム、61.連結ピン、62.長孔、70〜72.矢印、S.シート材

Claims (5)

  1. ダイ孔列と噛み合ってシート材に穿孔する複数のパンチと、該複数のパンチを個別に係止する複数のパンチ係止部材と、前記複数のパンチのうち所定パンチを穿孔可能に切り替えるパンチ切替機構と、前記所定パンチを穿孔移動する梃子クランク機構とを有し、該梃子クランク機構は、駆動装置に連結され回転運動するクランク部材と、一端が揺動可能に支持された梃子部材と、該梃子部材と前記クランク部材を連結する連接部材と、前記クランク部材の回転軸および前記梃子部材の一端を支持する固定部材とを具備し、前記パンチ切替機構は、前記複数のパンチ係止部材を前記ダイ孔列に対する近接側あるいは離間側で個別に支持する複数の支持部を有して前記連接部材に連結し、前記ダイ孔列方向に沿って往復移動可能としたパンチ切替部材を具備し、該パンチ切替部材の一方移動により前記所定パンチを係止するパンチ係止部材を前記支持部において前記近接側に移動した後に、前記クランク部材の回転運動により前記連接部材を穿孔方向に揺動運動することで前記所定パンチを穿孔移動させることを特徴とするシート材穿孔装置。
  2. 前記パンチ切替部材の一方移動により、前記複数のパンチのうち穿孔不可能とするパンチを係止するパンチ係止部材を前記支持部において前記離間側に移動することを特徴とする請求項1に記載のシート材穿孔装置。
  3. 前記パンチ切替部材の支持部は、穿孔方向に対して傾斜を有する第一支持部と、該第一支持部とは反対傾斜を有する第二支持部とを有することを特徴とする請求項1または2に記載のシート材穿孔装置。
  4. 前記第一支持部の傾斜および前記第二支持部の反対傾斜はいずれも長孔でなることを特徴とする請求項3に記載のシート材穿孔装置。
  5. 前記固定部材は、穿孔方向に対して略直交配置された前記パンチ係止部材の穿孔方向と交差する移動を規制する規制部材を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシート材穿孔装置。
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